説明

小規模診断システム及びプログラム

【課題】小規模診断システムにおいて、医用画像の受信及び診断効率の低下を防止する。
【解決手段】本発明に係る医用画像管理装置3によれば、記憶部33の画像保存領域334の空き容量が予め定められた閾値以下である場合に、画像保存領域334に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を移動及び削除対象として選定し、この選定された医用画像をNAS4に送信してNAS4に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小規模診断システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開業医やクリニック等の小規模施設向けの小規模診断システムが知られている。小規模診断システムにおいては、医用画像が画像サーバのHDD(Hard Disk Drive)等に保存されるが、導入コストを低く抑えられる安価なシステムへの要望が強く、結果として画像保存可能容量が小さいHDDが搭載される傾向にあった。
【0003】
ところが、実際に運用を開始してみると、導入当初の予想に反し、短時間で画像保存領域が枯渇してしまうケースも少なくない。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、モダリティから受信したDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)形式の医用画像をDICOMヘッダファイルと汎用画像ファイルとに分割して保存しておき、読影端末から通常の画像取得要求が受信された場合には汎用画像ファイルを読影端末に送信し、読影端末からDICOM画像の取得要求が受信された場合には汎用画像ファイルとDICOMヘッダファイルとを結合してDICOMファイルを生成して読影端末に送信することで、データ保存容量を低減させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−293189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、DICOMファイルと汎用画像ファイルの双方を保存する場合に比べて1つの医用画像に必要な容量を小さくすることができるので、画像保存領域が枯渇する速度を遅らせることができる。しかしながら、モダリティから受信される医用画像が増えるにつれて画像保存領域の空き容量が減少することは回避できないため、容量不足により新たな医用画像が受信できなくなったり、保存される画像数の増大により必要な医用画像の読み出し速度が低下したりする等により、新たな医用画像の受信効率や診断効率が低下する場合があった。このような状況を回避するためには、画像サーバの空き容量を考慮しながら医用画像の削除やバックアップを管理者の操作に応じて頻繁に行う必要があり、煩雑であった。
【0007】
本発明の課題は、小規模診断システムにおいて、医用画像の受信及び診断効率の低下を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
医用画像管理装置と、外部記憶装置と、が通信ネットワークを介して接続された小規模診断システムであって、
前記医用画像管理装置は、
医用画像を記憶する記憶部と、
前記記憶部の空き容量が予め定められた基準値以下である場合に、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定し、この選定された医用画像を前記外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する制御部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記憶部に記憶されている医用画像の付帯情報を記憶する付帯情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記付帯情報記憶部に記憶されている付帯情報に基づいて、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記記憶部は、一の医用画像について複数種類の画像を記憶しており、
前記制御部は、前記使用頻度が予め定められた基準より低いと選定された医用画像の特定種類の画像を前記外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する。
【0011】
請求項4に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
医用画像を記憶する記憶部、
前記記憶部の空き容量が予め定められた基準値以下である場合に、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定し、この選定された医用画像を通信ネットワークを介して接続された外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小規模診断システムにおいて、医用画像の受信及び診断効率の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における小規模診断システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のモダリティにより生成される医用画像のファイル構造を模式的に示す図である。
【図3】図1の医用画像管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図3の記憶部のデータ格納構造を示す図である。
【図5】オリジナル画像に基づいて生成されるファイルの種類及び情報量の例を示す。
【図6】図3の制御部により実行される定期メンテナンス処理を示すフローチャートである。
【図7】図6の定期メンテナンス処理の内容を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
〔小規模診断システム1の構成〕
図1は、本実施の形態における小規模診断システム1のシステム構成を示すブロック図である。
小規模診断システム1は、モダリティ2により生成された医用画像を管理するシステムであり、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用される。小規模診断システム1は、図1に示すように、医用画像管理装置3と、NAS(Network Attached Storage)4と、読影端末5とを備えて構成されている。小規模診断システム1を構成する各装置及びモダリティ2は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)6に接続されている。モダリティ2、NAS4及び読影端末5の台数は、特に限定されない。
【0016】
病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施の形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
【0017】
〔小規模診断システム1の各装置の装置構成〕
以下、小規模診断システム1を構成する各装置について説明する。
【0018】
モダリティ2は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する画像生成装置である。モダリティ2は、撮影対象である患者を特定する患者情報(患者ID、患者氏名、性別等)を入力するための文字入力キー、数字入力キー等を備えており、撮影により得られた医用画像の画像データd1にUID(UniqueID)、検査情報(検査ID、検査部位、検査日付等)、入力された患者情報等からなる付帯情報d2を付与してDICOM規格に則ったファイル形式の医用画像を生成し、医用画像管理装置3に送信する。ここで、モダリティ2により生成されたDICOM規格に則ったファイル形式の医用画像をオリジナル画像と呼ぶ。図2に、オリジナル画像のファイル構造の一例を示す。
【0019】
モダリティ2としては、CR(Computed Radiography)装置、超音波診断装置(US)、FPD(Flat Panel Detector)、内視鏡、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等が適用可能である。
【0020】
医用画像管理装置3は、医用画像を保存したり、保存された医用画像を読影端末5からの要求に応じて検索、送信したりする画像サーバである。
【0021】
医用画像管理装置3は、図3に示すように、制御部31、RAM32、記憶部33、操作部34、表示部35、通信部36、計時部37等を備えて構成されており、各部はバス38により接続されている。
【0022】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部33に
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムに従って後述する定期メンテナンス処理をはじめとする各種処理を実行する。
【0023】
RAM32は、制御部31により実行制御される各種処理において、記憶部33から読み出された制御部31で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0024】
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)等により構成される。
図4に、記憶部33のデータ格納構造を示す。図4に示すように、記憶部33は、システム領域331、データベース領域332、受信領域333、画像保存領域334を有している。
【0025】
システム領域331には、各種プログラムが記憶されているほか、モダリティ2から受信されたオリジナル画像等の医用画像を診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)、定期メンテナンス処理で使用される閾値、基準期間等が記憶されている。
データベース領域332には、画像保存領域334に記憶されている医用画像を管理するためのデータベースDBが記憶されている。データベースDBは、モダリティ2から受信されたオリジナル画像の付帯情報d2(UID、患者情報、検査情報)や、オリジナル画像に基づき生成された複数種類のファイルのファイル情報(ファイル名、ファイル格納場所、ファイルサイズ等)が1レコードとして格納される。
受信領域333は、モダリティ2から受信されたオリジナル画像を一時的に保存するための領域である。
画像保存領域334は、モダリティ2から受信されたオリジナル画像やオリジナル画像に基づき生成された複数種類のファイルを保存するための領域である。
【0026】
ここで、医用画像管理装置3においては、モダリティ2から送信されたオリジナル画像が通信部36により受信されると、制御部31とプログラムとの協働により、データベースDBへの付帯情報の登録及び複数種類のファイルの生成が行われる、具体的には、データベース領域332のデータベースDBにレコードが追加され、受信されたオリジナル画像の付帯情報d2が格納される。また、受信された1つのオリジナル画像を元に、互いに情報量の異なる複数種類のファイル(画像や関連する情報のファイル)が生成される。そして、オリジナル画像及び生成されたファイルは、画像保存領域334に記憶される。即ち、画像保存領域334には、モダリティ2により生成された1つの医用画像について、その医用画像のオリジナル画像を始めとする複数種類のファイルが記憶される。生成された各ファイルの格納場所は、データベースDBに登録される。
【0027】
図5に、オリジナル画像に基づいて生成されるファイルの種類及び情報量の例を示す。
恒久保存用画像は、オリジナル画像の画像データd1を、例えば、JPEGP10等の可逆圧縮方式により圧縮することにより生成される画像のファイルである。診断に使用される医用画像は、所定期間保存しておくことが法律で義務付けられている。しかし、オリジナル画像を恒久的に保存しておくのでは情報量が多く、記憶部33の容量が圧迫される。そこで、オリジナル画像の0.5程度の情報量である恒久保存用画像が生成される。
【0028】
参照用画像は、オリジナル画像の画像データd1を、例えばJPEG2000等の非可逆圧縮方式により圧縮して生成される画像のファイルである。参照用画像は、医用画像を簡易的に迅速に表示するために作成される。
サムネイル画像は、オリジナル画像の画像データd1を縮小することにより生成される縮小画像のファイルである。サムネイル画像は、医用画像の内容を一覧表示する場合等のために作成される画像である。
【0029】
LUT(Look Up Table)は、オリジナル画像に階調処理を施す際に使用される処理パラメータのファイルである。例えば、オリジナル画像の付帯情報に含まれる検査部位に基づいて、検査部位に応じたLUTが生成される。
ヘッダ情報は、オリジナル画像の付帯情報d2のファイルである。
【0030】
図5に示すように、上記の生成されるファイルの情報量の合計は、オリジナル画像を1とすると、0.71であり、オリジナル画像1枚分より小さい。そのため、後述の定期メンテナンス処理において、検査日から予め定められた期間以上経過して使用頻度の低くなった医用画像については、オリジナル画像は記憶部33から削除され、恒久保存用画像が外部のNAS4に移動され、保存されるようになっている。ここで、移動とは、医用画像(ここでは恒久保存用画像)を記憶部33から読み出してNAS4に送信し、NAS4に記憶させるとともに、NAS4への送信対象となった医用画像を記憶部33から削除することをいう。
【0031】
図3に戻り、操作部34は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。
【0032】
表示部35は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。例えば、表示部35は、制御部31からの指示に従って、医用画像を表示する。
【0033】
通信部36は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介してネットワーク6に接続されたモダリティ2やNAS4との間でデータの送受信を行う。
【0034】
計時部37は、RTC(Real Time Clock)等により構成され、現在時刻及び現在日付を計時して制御部31に出力する。
【0035】
図1に戻り、NAS4は、医用画像管理装置3の記憶部33の拡張記憶部として機能する外部記憶装置である。NAS4は、CPU等により構成される制御部、RAM、記憶部、HDD、通信部等(図示せず)を備えて構成されている。NAS4は、医用画像管理装置3から医用画像等が送信され保存が指示されると、制御部と記憶部に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、送信されたファイルをHDDに書込み、記憶(保存)する。また、読影端末5からNAS4に保存されているファイルへのアクセス要求が受信されると、要求されたファイルを読み出して読影端末5に送信する。なお、本実施の形態においては、NAS4において医用画像を保存するための記憶媒体としてHDDを適用することとしたが、他の記憶媒体、例えば、DVDライブラリのようなメディア等を用いてもよい。
【0036】
読影端末5は、医師による読影診断のために医用画像管理装置3から医用画像を取得して表示するための端末である。読影端末5は、診断用の画面に医用画像を表示する際には、オリジナル画像を医用画像管理装置3に対して要求して取得し、表示する。また、医用画像の一覧を表示する際には、サムネイル画像を医用画像管理装置3に対して要求して取得し、表示する。
【0037】
〔医用画像管理装置3の動作〕
次に、医用画像管理装置3の動作について詳細に説明する。
図6に、制御部31により実行される定期メンテナンス処理のフローチャートを示す。定期メンテナンス処理は、夜間等予め定められた時刻が到来した際に、制御部31と記憶部33に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0038】
まず、記憶部33の画像保存領域334の空き容量が算出され、予め定められた閾値以下であるか否かが判断される(ステップS1)。予め定められた閾値は、ここでは6GBとするが、小規模診断システム1におけるモダリティ2での画像生成頻度等に基づいて、操作部34により変更することができる。
【0039】
画像保存領域334の空き容量が予め定められた閾値以下ではないと判断されると(ステップS1;NO)、定期メンテナンス処理は終了する。画像保存領域334の空き容量が予め定められた閾値以下であると判断されると(ステップS1;YES)、移動及び削除対象となる医用画像が選定される(ステップS2)。
【0040】
ステップS2においては、使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像が移動及び削除の対象として選定される。本実施の形態において、使用頻度が予め定められた基準より低いか否かは、付帯情報d2の検査日から予め定められた基準期間以上経過したか否かにより判断される。検査日からの経過期間が長くなるにつれて医用画像へのアクセス頻度は低下するためである。具体的には、計時部37から現在時刻及び現在日付が取得され、データベース領域332のデータベースDBにおいて、検査日から予め定められた基準期間(例えば、3ヶ月)が経過した医用画像が検索され、検索された医用画像が移動及び削除対象の医用画像として選定される。なお、使用頻度が予め定められた基準より低いか否かは、検査日からの経過期間に限定されず、医用画像への所定時間当たりのアクセス回数により判断するようにしてもよい。
【0041】
移動及び削除対象の医用画像が選定されると、選定された医用画像のオリジナル画像が画像保存領域334から削除されるとともに、選定された医用画像の恒久保存用画像が画像保存領域334から読み出されて通信部36によりNAS4に送信されることにより、NAS4に移動される(ステップS3)。また、医用画像の移動及び削除に応じてデータベースDBが更新される(ステップS4)。そして、定期メンテナンス処理は終了する。
【0042】
NAS4においては、医用画像管理装置3から送信された恒久保存用画像が記憶される。
【0043】
図7に、上記定期メンテナンス処理の内容を模式的に示す。図7に示すように、画像保存領域334の空き容量が6GB未満となっている場合、検査日から3ヶ月以上経過している医用画像のオリジナル画像が削除され、恒久保存用画像がNAS4に移動される。その結果、検査日から3ヶ月以上経過している医用画像についての情報量がオリジナル画像を1とした場合当初の1.71から0.21となり、その分、画像保存領域334の空き容量を確保することが可能となる。
【0044】
読影端末5から医用画像の要求があった場合、医用画像管理装置3の制御部31は、記憶部33のデータベース領域332に記憶されているデータベースDBから要求された医用画像に該当するファイルの格納場所を取得し、ファイルの格納場所が画像保存領域334であった場合には、画像保存領域334から要求された医用画像を読み出して読影端末5に送信する。要求された医用画像に該当するファイルの格納場所がNAS4であった場合には、ファイル格納場所を読影端末5に通知する。読影端末5は、医用画像管理装置3からファイル格納場所がNAS4である旨が通知された場合には、NAS4にアクセスして医用画像を取得する。
【0045】
以上説明したように、小規模診断システム1によれば、医用画像管理装置3の制御部31は、記憶部33の画像保存領域334の空き容量が予め定められた閾値以下である場合に、画像保存領域334に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を移動及び削除対象として選定し、この選定された医用画像をNAS4に送信してNAS4に記憶させるとともに画像保存領域334から削除する。
【0046】
従って、使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像が記憶部33からNAS4に移動されるので、その分画像保存領域334の空き容量を確保することができ、記憶部33の容量不足による新たな医用画像の受信効率の低下、及び保存される画像数の増大による診断効率の低下を防止することができる。また、使用頻度が予め定められた基準より低いのみを移動対象とすることで、読影診断時における読み出し速度への影響を防止することができる。
【0047】
また、付帯情報に含まれる検査日に基づいて移動及び削除対象の医用画像の選定を行うことで、移動及び削除対象の医用画像の選定を容易に行うことが可能となる。
【0048】
また、移動対象の医用画像を、使用頻度が予め定められた基準より低いと選定された医用画像の特定種類の医用画像とすることで、NAS4側の使用容量を抑えることが可能となる。例えば、元のオリジナル画像より情報量が少なく、かつ元のオリジナル画像を再現可能な恒久保存用画像をNAS4への移動対象とすることで、NAS4における使用容量を抑えつつ、元のオリジナル画像を再現可能に保存することが可能となる。
【0049】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0050】
例えば、上記実施の形態においては、付帯情報の検査日に基づいてNAS4への移動対象の医用画像を選定することとして説明したが、これに限定されず、例えば、データベースDBに医用画像の受信日を記憶しておき、受信日に基づいて移動対象の医用画像を選定するようにしてもよい。
【0051】
また、例えば、上記実施の形態においては、移動及び削除の対象となった医用画像を万一使用することになった場合にアクセス速度の低下を防ぐために、参照用画像、サムネイル画像等のファイルを画像保存領域334に残すこととしているが、これらのファイルについてもNAS4に移動させることとしてもよい。
【0052】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0053】
その他、小規模診断システム1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 小規模診断システム
2 モダリティ
3 医用画像管理装置
31 制御部
32 RAM
33 記憶部
331 システム領域
332 データベース領域
333 受信領域
334 画像保存領域
34 操作部
35 表示部
36 通信部
37 計時部
38 バス
4 NAS
5 読影端末
6 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像管理装置と、外部記憶装置と、が通信ネットワークを介して接続された小規模診断システムであって、
前記医用画像管理装置は、
医用画像を記憶する記憶部と、
前記記憶部の空き容量が予め定められた基準値以下である場合に、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定し、この選定された医用画像を前記外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する制御部と、
を備える小規模診断システム。
【請求項2】
前記記憶部に記憶されている医用画像の付帯情報を記憶する付帯情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記付帯情報記憶部に記憶されている付帯情報に基づいて、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定する、請求項1に記載の小規模診断システム。
【請求項3】
前記記憶部は、一の医用画像について複数種類の画像を記憶しており、
前記制御部は、前記使用頻度が予め定められた基準より低いと選定された医用画像の特定種類の画像を前記外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する請求項1又は2に記載の小規模診断システム。
【請求項4】
コンピュータを、
医用画像を記憶する記憶部、
前記記憶部の空き容量が予め定められた基準値以下である場合に、前記記憶部に記憶されている医用画像の中から使用頻度が予め定められた基準より低い医用画像を選定し、この選定された医用画像を通信ネットワークを介して接続された外部記憶装置に送信して記憶させるとともに前記記憶部から削除する制御部、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−201002(P2010−201002A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50410(P2009−50410)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】