説明

少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置及び、装置の回転ユニットを減速もしくはロックする方法

本発明は、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置(10,38)に関する。装置(10,38)は床に固定されるフロアユニット(12)と、フロアユニット(12)に少なくとも一つのベアリングユニット(14)を介して回転軸を中心に回転可能に接続される回転ユニット(16)とを備える。装置(10,38)はさらに、回転ユニット(16)に固定されて、この回転ユニットを減速及びロックするためのロック要素(24,26)を備える。ロック要素(24,26)は、回転ユニット(16)をリフトするためにブレーキ状態でフロアユニット(12)を押圧し、その結果、回転ユニット(16)の接触領域とフロアユニット(12)の接触領域とが接触してブレーキトルクを生じさせる。本発明はさらに、装置(10,38)の回転ユニット(16)を減速もしくはロックする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置に関する。装置は床に固定することができるフロアユニットと、フロアユニットに少なくとも一つのベアリングユニットを介して回転軸を中心に回転可能に接続される回転ユニットとを備える。装置はさらに、回転ユニットに固定されて、この回転ユニットを減速もしくはロックするためのロック要素を備える。本発明はさらに、装置の回転ユニットを減速もしくはロックする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は特に手術台の回転ベースとして用いられている。公知の手術台用の回転ベースでは、フロアユニットに対して回転可能な回転ユニットは、この回転ユニットに接続された少なくとも一つのシリンダがフロアユニットの接触領域を押圧して、フロアユニットと回転ユニットとの間にブレーキトルクを生じさせることで、減速もしくはロックされる。
【0003】
しかしながら、公知のものは、シリンダから回転軸への距離が短いことによりブレーキトルクが相対的に小さくなるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付ける装置及び、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付ける装置の回転ユニットを減速もしくはロックする方法において、回転ユニットと医療用装置とをフロアユニットに対して確実に減速及びロックすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、クレーム1の特徴を有する装置及び、従属クレームの特徴を有する方法によって解決される。本発明の好適な展開は従属クレームに明記されている。
【0006】
本発明によれば、ロック要素(locking element)はブレーキ状態でフロアユニット(floor unit)を押圧する。それによって回転ユニット(rotary unit)がリフトされる。このリフトの結果、回転ユニットの接触領域とフロアユニットの接触領域との間の接触が確立されて、ブレーキトルクを生じさせる。このブレーキトルクによって、回転ユニットのフロアユニットに対する確実なロックが確立され、回転ユニットのフロアユニットに対する意図しない回転を防止する。特に、回転ユニットに接続された手術台に横たわる患者を医者が手術する際に、手術台に作用する力により引き起こされる回転ユニットのフロアユニットに対する意図しない回転が防止される。回転ユニットが回転中にリフトされると、回転ユニットはブレーキトルクにより減速される。ブレーキトルクが回転ユニットをロックすると、回転ユニットはフロアユニットに対して回転しなくなる。この場合において、ブレーキトルクは回転ユニットのロックに耐えるトルクとなる。したがって、ブレーキトルクはロックトルクとしても見なすことができる。
【0007】
簡略化のため、回転ユニットの接触領域とフロアユニットの接触領域との間に生じるトルクは、そのトルクが回転ユニットの減速に機能するものであるか、あるいは回転ユニットをロックするものであるかにかかわらず、以下に常にブレーキトルクとして示す。
【0008】
回転ユニットの接触領域とフロアユニットの接触領域との間にブレーキトルクが生じたときに第1のブレーキトルクとなり、ロック要素がフロアユニットを押圧したときに、ロック要素の接触領域とフロアユニットの接触領域との間の摩擦力の結果として第2のブレーキトルクが生じることは好適である。第1のブレーキトルクと同様に、第2のブレーキトルクは、回転ユニットの減速及び回転ユニットのロックに機能することができる。追加のブレーキトルクにより、回転ユニットのフロアユニットに対するロックを解放させるのに必要となる力は大きくなるので、ロックの信頼性がさらに改善される。第1のブレーキトルクは、第2のブレーキトルクよりも大きいことが好ましい。
【0009】
さらに、ロック要素が第1のロック要素である場合に、少なくとも一つの第2のロック要素を備えることは好適である。第1のロック要素及び第2のロック要素に加えて、第3のロック要素と第4のロック要素とを備えることは特に好適である。ロック要素の中心から回転軸までの半径方向の距離は常に同一であることが好ましい。数個のロック要素を用いることで、回転ユニットの接触領域とフロアユニットの接触領域との間の接触により生じる摩擦力は接触領域の全面に均一に分散されて、フロアユニットに対する回転ユニットの均一なリフトが実現される。これは、回転ユニットの接触領域の全面に均一なブレーキトルクを確実に生じさせる。数個のロック要素を用いることで個々のロック要素により生じる力が減少し、ロック要素の耐久性は向上する。
【0010】
本発明の好適な実施形態において、ロック要素はそれぞれ少なくとも一つのシリンダを備える。本発明の特に好適な実施形態として、シリンダは油圧式のシリンダが用いられる。回転ユニットは、シリンダによりフロアユニットに対して容易に移動可能、すなわち、回転ユニットは、シリンダによりそれぞれのロック要素の接触領域がフロアユニットを押圧することでリフトされる。さらに、そのようなシリンダによりフロアユニットと回転ユニットとの間に大きな力が引き起こされて、大きなブレーキトルクを生じさせることができる。
【0011】
ベアリングユニットは、好ましくはボールベアリングを備える。特に、ベアリングユニットは球溝(ball race)を備え、これにより、ロック要素がフロアユニットを押圧していないときは、回転ユニットのフロアユニットに対する単一で均一な回転性が実現される。
【0012】
フロアユニットから離間して面する回転ユニットの側面には、手術台を取り付けることができる。装置によって、手術室の床に対する手術台の回転可能な取り付けが実現される。手術中に手術台の意図しない回転が起きないように、手術台は装置により得られる大きなブレーキトルクで確実に固定され、その結果、患者への負傷が防止される。
【0013】
本発明の特に好適な実施形態において、フロアユニットはベースユニット(base unit)と、ブレーキリング(braking ring)とを備える。フロアユニットの接触領域は、このブレーキリングで形成される。さらに、回転ユニットが周方向に延びる溝を有すると共に、回転ユニットの接触領域が溝の少なくとも一部の内面で形成されることは好適である。ブレーキリングの少なくとも一部は溝の中に配置される。回転ユニットをリフトすることで、溝の一部の表面は第1のブレーキトルクを発生させるためにブレーキリングに押しつけられる。ブレーキリングを溝の中に配置することで、回転ユニットのフロアユニットに対する直進運動が防止される。フロアユニットはベースユニットとブレーキリングとで構成されているので、装置の容易な組立が実現される。ブレーキリングは特に、三つの同一形状のリングセグメントを備える。本発明の他の実施形態として、ブレーキリングは一つの部品で形成することもできる。同様に、ブレーキリングは二つや三つ以上のセグメントで形成することもできる。
【0014】
回転ユニットとブレーキリングとの部材間の摩擦係数が、回転ユニットとベースユニットとの部材間の摩擦係数よりも高くなることは好適である。その結果、より大きな第1のブレーキトルクが実現されてロック効果(locking effect)が増大される。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、回転ユニットの接触領域の中心線から回転軸までの半径方向の距離は、ロック要素の中心点から回転軸までの半径方向の距離よりも長く形成される。その結果、第1のブレーキトルクは第2のブレーキトルクよりも大きくなる。特に、このような方法で第1のブレーキトルクは可能な限り大きくなり、結果として回転ユニットの確実なロックが実現される。
【0016】
回転ユニットは好ましくは回転対称の円周囲面を有する。回転ユニットの接触領域の中心線から回転軸までの径方向の距離は、回転ユニットの半径の80%から95%の間の値に設定されることは好適である。その結果、回転ユニットの接触領域と回転軸との間の比較的長い距離が確保される。この長い距離は、回転ユニットの接触領域とフロアユニットの接触領域との間で得られる大きなブレーキトルクを生じさせる。さらに、回転ユニットのロックの意図しない解放に必要となる力も増大される。
【0017】
回転ユニットの接触領域及び、又は、フロアユニットの接触領域が環状に形成されることは好適である。その結果、接触領域の全面に作用する摩擦力の均一な配分が実現されて大きなブレーキトルクが生じる。
【0018】
フロアユニットは、好ましくは適当な接続ネジ、特に床に挿入される位置合せ用ピン(dowel pins)や螺合ロッド(threaded rods)を介して床に確実に固定される。
【0019】
本発明のさらなる特徴は、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付ける装置の回転ユニットを減速もしくはロックする方法に関する。この方法において、フロアユニットは床に固定され、フロアユニットに少なくとも一つのベアリングユニットを介して回転軸を中心に回転可能に接続される回転ユニットは、少なくとも一つのロック要素によりリフトされる。リフトの結果、回転ユニットの接触領域は、回転ユニットの接触領域と相補的な摩擦力を生じさせるためのフロアユニットの接触領域を押圧する。摩擦力により生じるブレーキトルクによって、回転ユニットのフロアユニットに対する確実なロックもしくは、回転ユニットのフロアユニットに対する確実な減速が実現される。
【0020】
従属クレームに規定された方法は、クレーム1による装置と同様の方法で展開することができる。特に、方法は独立する装置クレームに従属するこれらのクレームに規定された特徴もしくは、各方法の特徴で展開することができる。
【0021】
添付図面と関連する以下の記載による本発明のさらなる特徴及び効果は、実施形態に関連して本発明をより詳細に説明する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付ける装置及び、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付ける装置の回転ユニットを減速もしくはロックする方法において、回転ユニットと医療用装置とをフロアユニットに対して確実に減速及びロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置を示す断面概略図である。
【図2】図2は、ベースユニットを除く図1による装置を示す下面概略図である。
【図3】図3は、本発明のさらなる実施形態による少なくとも一つの医療用装置を回転可能に取り付けるための装置を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置10の断面概略図が示されている。装置10は、フロアユニット12と、球溝(ball race)14を介してフロアユニット12に対して回転可能に接続される回転ユニット16とを備える。フロアユニット12は、回転ユニット16から離間して面する図1に示されない支持表面と接触している。フロアユニット12は床に対して移動、特に回転しないように、複数のネジを介して床に固定されている。
【0025】
手術台は回転ユニット16の上側18に固定される。好ましくは、手術台は回転ユニット16に固くネジ止めされる。手術台は図1に示されていない。あるいは、他の医療用装置を上側18に取り付けることもできる。したがって、装置10は特に手術台用の回転ベースとして機能する。
【0026】
手術台の上に横たわる患者を手術に適した位置にするために、回転ユニット16をその回転軸19を中心にフロアユニット12に対して回転させることで、回転ユニット16に固定された手術台も回転ユニット16の回転軸19を中心に回転可するように構成されている。回転ユニット16は、その内部にシリンダ24,26が配置される二つの凹部20,22を有する。シリンダ24,26は特に油圧式シリンダである。シリンダ24,26は、回転ユニット16に確実に固定されるように、間隔を隔てることなく凹部20,22内に収容されることが好ましい。シリンダ24,26は、少なくとも一つの接触領域がフロアユニット12に対して直角に移動可能で、その接触領域がロック位置でフロアユニット12を押圧するように構成されている。その結果、回転ユニット16はフロアユニット12に対してリフトされる。
【0027】
本発明の他の実施形態において、回転ユニット16をリフトさせるために一つ若しくは二つ以上のシリンダ24,26を備えることもできる。同様に、回転ユニット16をリフトするための他のロック要素を用いることもできる。
【0028】
フロアユニット12は、ベースユニット28と、このベースユニット28に固定されたブレーキリング30とを備える。ブレーキリング30は、特にベースユニット28の上にネジ止めされている。本発明の他の実施形態において、ベースユニット28とブレーキリング30とを一体に形成することもできる。特にブレーキリング30は、環状に形成されている。本発明の好適な実施形態において、ブレーキリング30は環状扇形の形状を有する三つのセグメントを備える。特に、これら三つのセグメントは全て同一形状に形成される。回転ユニット16は、周方向に延びると共に、その内部にブレーキリング30の少なくとも一部が配置される溝を有する。溝は、特に回転軸19から離間して面するブレーキリング30の部分的な領域が回転ユニット16で囲まれるように形成されている。
【0029】
回転ユニット16の接触領域とブレーキリング30の接触領域とが接触するように、回転ユニット16がシリンダ24,26によってリフトされると、回転ユニット16の溝の内周面における一部がブレーキリング30を下方から押圧する。回転ユニット16がその回転軸19を中心にフロアユニット12に対して回転している時にシリンダ24,26によってリフトされると、回転ユニット16を停止させるまで減速させる回転方向とは逆方向のブレーキトルクを生じさせる摩擦力が、回転ユニット16とブレーキリング30との間の摺動摩擦により引き起こされる。
【0030】
回転ユニット16がフロアユニット12に対して回転していない状態でシリンダ24,26によりリフトされると、回転ユニット16はその接触領域とブレーキリング30の接触領域との間に作用する静止摩擦により固定力を発生させる。シリンダ24,26によってフロアユニット12に掛けられる力が大きくなるほど、回転ユニット16の接触領域とブレーキリング30の接触領域との間に作用する垂直抗力は大きくなる。これら垂直抗力が大きくなるほど、作用する静止摩擦は大きくなり、ブレーキトルクも大きくなる。
【0031】
シリンダ24,26の接触領域とフロアユニット12との接触により、さらなるブレーキトルクが発生する。シリンダ24,26の中心軸から回転ユニット16の回転軸19までの距離が、回転ユニット16の接触領域から回転ユニット16の回転軸19までの距離よりも短いので、このブレーキトルクは回転ユニット16の接触領域とブレーキリング30の接触領域との間の摩擦により生じるブレーキトルクよりも小さくなる。シリンダ24,26と回転ユニット16の回転軸19との間の距離は、回転ユニット16の接触領域と回転ユニット16の回転軸19との間の距離よりも半分ほど長く形成されている。シリンダ24,26から回転ユニット16の回転軸19までの距離が長くなるほど、それぞれのシリンダ24,26により生じるブレーキトルクは大きくなる。同様に、回転ユニット16の接触領域から回転ユニット16の回転軸19までの距離が長くなるほど、回転ユニット16の接触領域とブレーキリング30との間の摩擦により生じるブレーキトルクは大きくなる。高いブレーキ効果と回転ユニット16の確実な固定が実現されるように、図1に示す本実施形態では回転ユニット16の接触領域と回転軸19との間の長い距離によって、ブレーキリング30と回転ユニット16との接触により生じるブレーキトルクは相対的に大きくなる。
【0032】
ブレーキリング30の部材及び回転ユニット16の部材は、これら部材間の静止摩擦係数と動摩擦係数とを可能な限り高くしてブレーキトルクが最適な値になるように互いに適合される。その結果、装置10のコンパクトな構造が実現する。
【0033】
図2には、ベースユニット28を除く図1の装置10の下面概略図が示されている。同一の構造と機能を備える要素については同一の符号で示されている。ブレーキリング30は三つのセグメント32a〜32cを備えている。本発明の他の実施形態として、ブレーキリング30は三つ以下もしくは、三つ以上のセグメント32a〜32cで形成することができる。セグメント32a〜32cは互いに5個のネジを介してベースユニット28に固定されている。これらのネジの一つは符号34で示されている。変形例として、これら三つのセグメント32a〜32cを5個以上もしくは、5個よりも少ないネジ34でベースユニット28に固定してもよい。さらに、他の接続要素を用いてセグメント32a〜32cをベースユニット28に固定することもできる。
【0034】
図3には、本発明のさらなる実施形態として、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置38の概略断面図が示されている。図3には、回転ユニット16に装着可能な手術台のための複数の取付要素と接続要素とが描かれている。回転ユニット16は、図示しないカバーで閉鎖可能なセグメント32a〜32cをベースユニット28に取り付けるための取り付け開口36を有する。組立中において、最初にセグメント32a〜32cが、フロアユニット12と対向する回転ユニット16の側面にネジを介して取り付けられる。そして、ネジはフロアユニット12から離間して面する回転ユニット16の側面から挿通されて、セグメント32a〜32cの中にねじ込まれる。その後、回転ユニット16はベースユニット28の上に配置される。次のステップで、組立中にネジ及びセグメント32a〜32cは回転ユニット16に固定される。その後、セグメント32a〜32cはネジ34を介してベースユニット28にネジ止めされる。そして、ネジ34をベースユニット28に設けられたネジ穴に挿入してネジ締めするために、取り付け開口36がネジ34の上に位置されるように、回転ユニット16は回転される。引き続き、取り付け開口36がネジ34によってセグメント32a〜32cを取り付けるための次のネジ穴上に位置されるように、回転ユニット16はさらに回転される。そして、次のネジ34がネジ穴に挿入されてネジ止めされる。これらは、セグメント32a〜32cを取り付けるために必要な全てのネジ34が挿入されるまで繰り返される。
【0035】
さらに、少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置10,38の回転ユニット16を減速もしくはロックするための方法が開示されている。この方法において、少なくとも一つのベアリングユニット14を介してフロアユニット12に回転軸19を中心に回転可能に接続される回転ユニット16は、少なくとも一つのロック要素24によりリフトされる。リフトの結果、回転ユニット16の接触領域は、摩擦力を発生させるために、この回転ユニット16の接触領域と相補的なフロアユニット12の接触領域を押圧する。
【符号の説明】
【0036】
10,38 装置
12 フロアユニット
14 球溝
16 回転ユニット
18 上側
19 回転軸
20,22 凹部
24,26 シリンダ
28 ベースユニット
30 ブレーキリング
32a〜32c セグメント
34 ネジ
36 取り付け開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置であって、
床に固定することができるフロアユニット(12)と、
フロアユニット(12)に少なくとも一つの軸受ユニット(14)を介して回転軸(19)を中心に回転可能に接続される回転ユニット(16)と、
回転ユニット(16)を減速及びロックするために、回転ユニット(16)に確実に接続される少なくとも一つのロック要素(24)と、を備え、
回転ユニット(16)をリフトするために、ロック要素(24)がブレーキ状態でフロアユニット(12)を押圧すると共に、
リフトの結果、回転ユニット(16)の接触領域とフロアユニット(12)の接触領域とが接触してブレーキトルクを生じさせることを特徴とする装置。
【請求項2】
ブレーキトルクが第1のブレーキトルクであると共に、ロック要素(24)がフロアユニット(12)を押圧した時に、ロック要素(24)の接触領域とフロアユニット(12)との間に作用する摩擦力により第2のブレーキトルクを生じさせることを特徴とする請求項1に記載の装置(10,38)。
【請求項3】
ロック要素(24)が第1のロック要素(24)であると共に、少なくとも一つの第2のロック要素(26)、好ましくは第2、第3及び、少なくとも第4のロック要素(24,26)を備え、
ロック要素(24,26)の中心軸から回転軸(19)までの半径方向の距離が常に同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(10,38)。
【請求項4】
第1、第2、第3及び、又は、第4のロック要素(24,26)がそれぞれシリンダを備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項5】
軸受ユニット(14)がボールベアリングであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項6】
フロアユニット(12)から離間して面する回転ユニット(16)の側面に手術台が取り付け可能であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項7】
フロアユニット(12)がベースユニット(28)及びブレーキリング(30)を備えると共に、フロアユニット(12)の接触領域がブレーキリング(30)で形成されることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項8】
回転ユニット(16)が周方向に延びる溝を有すると共に、回転ユニット(16)の接触領域が溝の内面の少なくとも一部で形成され、ブレーキリング(30)の少なくとも一部が溝の中に配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置(10,38)。
【請求項9】
回転ユニット(16)の部材とブレーキリング(30)の部材との間の摩擦係数が、回転ユニット(16)の部材とベースユニット(28)の部材との間の摩擦係数よりも高いことを特徴とする請求項7又は8に記載の装置(10,38)。
【請求項10】
回転ユニット(16)の接触領域の中心線から回転軸(19)までの半径方向の距離が、ロック要素(24,26)の中止位置から回転軸(19)までの半径方向の距離よりも長いことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項11】
回転ユニット(16)の接触領域の中心線から回転軸(19)までの半径方向の距離が、回転ユニット(16)の半径の80%から95%の間の値に設定されていることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項12】
回転ユニット(16)の接触領域及び、又は、フロアユニット(12)の接触領域が環状に形成されることを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の装置(10,38)。
【請求項13】
少なくとも一つの医療用装置を床に回転可能に取り付けるための装置を減速及び、又は、ロックするための方法であって、
床に固定することができるフロアユニット(12)に少なくとも一つの軸受ユニット(14)を介して回転軸(19)を中心に回転可能に接続された回転ユニット(16)を、少なくとも一つのロック要素(24)でリフトすると共に、
リフトの結果、摩擦力を発生させるために、回転ユニット(16)の接触領域が相補的なフロアユニット(12)の接触領域を押圧することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−532713(P2012−532713A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519963(P2012−519963)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059360
【国際公開番号】WO2011/006762
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(502163557)マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】