説明

少なくとも2つの予め設定された投与量の製品が送出可能とされる噴霧器、即ち注入装置

本装置は、ケースおよびスラスターを含む。本発明によれば、ケース(6)またはスラスター(5)は、少なくとも1つのフラップ(17)を含み、そのフラップは、ケースに対するスラスターの変位に対し障害物として働かない第1の正規の半径方向の位置とそのフラップがそのスラスターの変位に対し障害物として働く第2の半径方向の位置との間で半径方向に移動可能である。該フラップは、開口部(22)を含む。スラスター(5)または、ケース(6)は、それぞれ、フラップを該第2の半径方向の位置に配置できる傾斜隆起(86)の形態の少なくとも1つの突出部を含み、この突出部は、開口部を貫通することができ、これによりフラップを第1の半径方向の位置に戻すことが可能である。
また、そのスラスターまたはケースは、それぞれ、その突出部により第2の位置に配置される場合フラップ(17)が静止する、少なくとも1つの停止領域(36)を含み、該静止位置は、該突出部が開口部(22)に対して反対の位置に置かれたときに起こる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の少なくともの第1の投与量及び第2の投与量を連続して送出することを可能にする、液状の対象製品を噴霧、即ち注入するための噴霧器、即ち注入装置に関する。本発明は、特に、2回分の投与量、すなわち各々の鼻孔について1回分の投与量の送出を可能にする鼻腔スプレーに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
取り外し可能な停止手段を含む注入器の一般的構造に基づいて、鼻腔スプレーを製造することは周知である。これらの停止手段は、これらが所定位置にあるときに、プランジャ・ロッドの移動の一部を形成し、第1の投与量の送出を可能にし、該プランジャ・ロッドの移動の残りの部分を無くすために、該停止手段を後退させ又は取り除き、第2の投与量の送出を可能にすることができる。本出願人の名において特許文献1及び特許文献2は、この技術を示す。
【0003】
同じく本出願人の名において、特許文献3は、突起部を含み、注入器本体を受けるためのケーシングと、該突起部が摺動可能な溝を含む、プランジャ・ロッドを形成するプッシャとを含む装置の製造も開示する。各々の溝は、ある角度でオフセットされた2つの長手方向部分と、プッシャの軸線に垂直な、これらの2つの長手方向部分に接続する中間部分とを含む。各突起部は、該突起部がこの第1の長手方向部分を該中間部分に接続するための領域において該プッシャに当接するまで、第1の長手方向部分内で摺動することができ、次に、該プッシャの軸方向の回転によって、該突起部が第2の長手方向部分の反対側に来るまで中間部分を捕え、次に第2の長手方向部分内に摺動することができる。従って、これらの長手方向部分は、プッシャの移動の連続する2つの部分を形成し、それぞれ第1及び第2の投与量の製品の送出を決定する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,601,077号明細書
【特許文献2】米国特許第5,951,526号明細書
【特許文献3】米国特許第6,382,204号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の装置は、引用された第1の技術による停止手段を取り除くことについても、引用された第2の技術によるプッシャ及びケーシングの相対的回転を行うことについても、操作があまり容易ではないという欠点を有する。
【0006】
これらの装置はまた、使用上の誤りを防止するものではないという欠点も有する。
【0007】
さらに、上述の溝及び突起部の設計は、良好な操作上の信頼性の獲得を達成するのに、相対的に複雑なものである。
【0008】
本発明は、使用上の誤りを最小に減らし、製造に費用がかからない比較的簡単な構造を保持しながら、操作が容易な装置を提供することによって、これらの欠点の全てを克服することを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による装置は、それ自体が公知の方法で、
噴霧、即ち注入されることになる製品を含む容器と、
この容器内に配置され、該容器を閉鎖しているプランジャであって、基準方向において、該容器に対して軸方向に移動可能であり、製品が該容器から末端方向に押し出されることを可能にするプランジャと、
容器を収容し、該容器を軸方向に固定するように設計されたケーシングと、
ケーシングと共に組み立てられ、該ケーシングに対して移動可能であり、該容器又はプランジャに軸方向に当接し、該プランジャを基準方向に移動させるように設計されたプッシャと、
ケーシングに対するプッシャの移動の長さを制御するための手段であって、この移動を、第1の投与量の送出を決定する第1の移動部分と第2の投与量の送出を決定する第2の移動部分とに分けるように設計された手段と、
を含む。
【0010】
本発明の1つの実施例によると、ケーシング又はプッシャは、タブが該ケーシングに対して該プッシャの移動を妨げない、第1の正規位置すなわち応力を受けない半径方向の位置と、タブがこの移動を阻止する、応力を受ける曲げられた第2の半径方向の位置との間で半径方向に移動可能であり、このタブは、押圧部及び非押圧部を含んでおり、
プッシャ又はケーシングはそれぞれ、製品が注入即ち噴霧されることを可能にする方向に該プッシャが該ケーシングに対して移動する際に、タブの押圧部が当たる傾斜隆起を備える少なくとも1つの突出部を含み、この少なくとも1つの突出部は、該タブを第2の半径方向の位置に、次に反対側の該タブの非押圧部に持っていき、該タブが第1の半径方向の位置に戻ることを可能にする。プッシャ又はケーシングはそれぞれ、突出部によって第2の半径方向の位置に持ってこられたときに、タブが押圧る少なくとも1つの停止部をさらに含み、この圧力は、該突出部が反対側の非押圧部に達する直前に生じるものであり、
この装置は、このプッシャをケーシングに対して移動させることを可能にする、該プッシャにかけられる力の解放により、停止部に対するタブの圧力を解放することを可能にし、よって該タブを第1の半径方向の位置に戻すことが可能になる。次に、突出部は、反対側の非押圧部に達し、この該第1の半径方向の位置にタブが戻ることは、移動の次の部分のためにプッシャの移動を解放し、製品の次の投与量を噴霧即ち注入することを可能にする。
【0011】
本発明によると、ケーシング及びプッシャが、圧力の方向に互いに対して軸方向に移動可能になるように設計され、プランジャが基準方向に移動する。
【0012】
本発明によると、通常、制御手段が、プッシャ又はケーシング上に配置された少なくとも1つのタブであって、タブが該プッシャの軸方向の移動を阻止しない、応力を受けない第1の半径方向の位置と、タブが該プッシャの軸方向の移動を停止させる、応力を受ける屈曲した第2の位置との間で移動することが可能であり、その自由端において、該プッシャの軸方向の移動を停止させること及び該プッシャの該軸方向の移動の結果を受けてタブが撓むことの両方に寄与するように設計された押圧部即ち要素を含む、少なくとも1つのタブと、
最初の端部として知られる端部から最後の端部として知られる端部までタブと協働し、それぞれケーシング又はプッシャ上に配置され、該タブの該押圧部即ち要素が、該プッシャの圧力の方向に当たる少なくとも1つの傾斜隆起であって、該タブを第1の正規位置から曲げられた第2の位置に持っていくように設計された、少なくとも1つの傾斜隆起と、
タブの押圧部即ち要素と協働し、それぞれ圧力の方向において傾斜隆起の最後の端部を超えて又は該最後の端部より前に、それぞれケーシング又はプッシャ上に配置され、該タブの該押圧部即ち要素が、最終的に曲げられた第2の位置に最終的に当接するようになった、少なくとも1つの停止部と、
タブがプッシャ上に配置されるか又はケーシング上に配置されるかによって、押圧部即ち要素より前に又は該押圧部即ち要素を超えて該タブ上に配置されるか、或いは、該タブが該プッシャ上に配置され、該押圧要素が該ケーシング上に形成された中空の傾斜隆起と協働するときに、停止部より前に該ケーシング上に配置されるかのいずれかであり、該プッシャにかかる圧力が解放されたときに、該押圧部即ち要素が、該タブの停止され、曲げられた位置から応力を受けない正規位置に戻ることを可能にするように設計された少なくとも1つの非押圧部即ち開口部と、
を含み、
プッシャの移動の第1の部分は、押圧部即ち要素と停止部が接触した後の、軸方向の停止位置までのこのプッシャの移動によって決定され、次に該移動の第2の部分は、該非押圧部即ち開口部が該押圧部即ち要素を収容した軸方向の位置を超える該プッシャの移動によって決定される。
【0013】
このように、タブが停止部に当たることで該プッシャの移動が阻止されるまで、製品の第1の投与量を解放し、この力を解除してこの阻止を解除し、該プッシャへの新たな力によって製品の第2又は次の投与量の送出を可能にするために、ユーザがプッシャに力をかけて、このプッシャをケーシングに対して移動させるだけで十分である。
【0014】
したがって、本発明による装置の取り扱いは、停止手段の後退も除去も、ケーシングに対するプッシャの軸方向回転も必要とせず、よって、特に容易なものとなる。装置の作動は、事実上、使用上の誤りの危険を排除し、この装置の設計は、従来技術による装置のものより単純である。
【0015】
タブの非押圧部は、特に、このタブの端部から後退させられた、該タブ内に作られた窓によって形成されることができ、押圧部は、該タブのこの端部及びこの窓を連結するこのタブの領域によって形成される。
【0016】
この装置は、少なくとも2つのタブ、2つの突出部、及び正反対の2つの停止領域を含むことが好ましく、このことは、該装置の作動をより信頼できるものにする。
【0017】
有利なことに、ケーシング及びプッシャは、投与量の送出の開始時に横断しなければならない、少なくとも1つの「ハードポイント」の形成を可能にする手段を含む。これらの手段は、投与量の意図しない噴霧、即ち注入のいずれをも防止することができ、よって、装置の使用をさらに信頼できるものにする。これらの手段は、特に、上述のようなタブから横方向に突出する少なくとも1つの突起部と、ケーシング又はプッシャの対応する位置に作られた少なくとも1つの隆起部とからなる。
【0018】
適切に理解されるように、本発明は、非制限的な例によって、本発明による装置の4つの可能な実施例を示す、添付の概略図を参照して以下にさらに説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1乃至図8は、液状の対象製品の予め設定された2回分の投与量、すなわち各々の鼻孔について1回分の投与量を送出することを可能にする、本発明の第1の実施例による鼻腔スプレー装置1を示す。
【0020】
この装置1は、注入器本体2、噴霧ノズル3、プランジャ4、プッシャ5、ケーシング6、及び保護用蓋7を含む。
【0021】
注入器本体2は、例えばガラス製の従来のタイプで作られており、基端方向のカラー10及び末端方向の流路80を備えている。
【0022】
ノズル3は、注入器本体2の末端部に嵌合されている。このノズル3は、注入器本体2内に含まれる製品を噴霧することを可能にする噴霧ヘッド11を形成し、基端方向のカラー12を含む。こうしたノズル3は、それ自体が周知のものであるので、さらなる詳細は説明されない。
【0023】
プランジャ4もまた、従来のタイプで、作られている注入器用プランジャである。
【0024】
より詳細に図2及び図3に示されるように、プッシャ5は、基端方向の底部15で閉鎖された、ほぼ中空の円筒形状を有し、この底部15に固定された軸方向のロッド16を含み、該ロッド16が含むスタッド16aによって、プランジャ4にその末端部で挿し込む。プッシャ5の壁83は、ロッド16に平行な長手方向の内部リブ81及び82によって補強されている。
【0025】
示される例において、プッシャ5は、また、正反対の2つの移動可能タブ17を形成する、末端部から長手方向に作られた4つのカット部84、85も含む。プッシャ5全体は、わずかに可撓性の一般的なプラスチックから作られており、この材料の可撓性により、タブ17の半径方向又は接線方向の移動性が生じる。この可撓性は、図2、3、5、7、及び8に示される、変形されていない、内側の、応力を受けない第1の半径方向正規位置と、これらのタブ17が弾性的に変形された、図6に示される、応力を受ける、外側の曲げられた第2の半径方向の位置との間の該タブ17の可動性をもたらす。
【0026】
これより先に明らかになるように、各々のタブ17は、突出する縁部17bを有する末端方向ヘッド、すなわち、押圧部17aを有し、示される例においては隆起部38であるケーシング6内に含まれる補完的手段と共に、スナップ締結手段を形成し、プッシャ5が該ケーシング内に係合した後、該プッシャ5が該ケーシング6から分離するのを防止することを可能にする。
【0027】
タブ17は、タブ毎に2つの異なる高さに配置された、横方向に突出している2つの対の突起部20、21をさらに含む。これより先にも説明されるように、これらの突起部20、21は、ケーシング6内に作られた対応する隆起部38と共に、1回分の噴霧の開始時に越えなければならない「ハードポイント」を形成する。
【0028】
各々のタブ17は、また、押圧部17aから引っこめられ、該タブを貫通して作られた窓すなわち非押圧部22も含み、この窓は、予め設定された長さにわたって軸方向に広がっている。
【0029】
図2及び図4に示されるように、ケーシング6は、このケーシングの末端部で互いに接合された2つの壁25、26を含み、これらの壁25、26は、プッシャ5を係合するように設計された空間27を形成するので、該プッシャ5が摺動可能になる。
【0030】
内壁25は、注入器本体2及び噴霧ノズル3を収容し、これらを軸方向に固定するためのハウジング30を形成し、ケーシング6は、注入器本体2のカラー10をスナップ締結するための基端方向の隆起部32と共に、ノズル3及び該注入器本体2の末端部を中心に位置決めすることを可能にする末端方向のタブ31を含んでいる。
【0031】
これより先に明らかになるように、示される例において、この内壁25はまた、各々が装置1の末端部に向いており、その外面から正反対に突出している斜めの傾斜隆起を含む2つの突出部33も含み、これらの突出部33は、プッシャ5のタブ17と協働するように設計されている。以下に説明されるように、これらの突出部はまた、自由に窓22に貫通し、該窓22に対して摺動するように調整された形状も有している。
【0032】
図17により明らかに見られるように、傾斜隆起86は、丸みを帯び、第1の投与量の噴霧即ち注入の完了時にのみタブ17に遭遇する形状にされた前縁部86c(該タブ17の方向に向いている)を有する。次に、この傾斜隆起86は、プッシャ速度が遅いときに、第1の投与量の噴霧即ち注入の開始時に摩擦が生じることを防止する。
【0033】
これより先に説明されるように、外壁26は、空間27の内部であって突出部33から予め設定された距離で、タブ17の末端方向ヘッド17aがそれぞれ当接できる内部停止部36を形成する、2つの戻り部35を含む。
【0034】
これらの戻り部35は、また、軸方向に並進状態で摺動することによって、タブ17が貫通することを可能にする2つの開口部37も含む。
【0035】
外壁26は、プッシャ5がケーシング6から分離することを防止するためにタブ17のヘッド17aが突出する縁部17bを介してスナップ締結し、、前述のハードポイントを形成するために突起部20、21と協働する2つの内部隆起部38をさらに含む。
【0036】
示される例において、外壁26はまた、ユーザの別の指によってプッシャ5の底部にかけられた圧力と反対の力をケーシング6にかける場合、ユーザの2本の指を支持するように働く、該外壁26の外面から突出する2つの正反対の位置にある外側タブ40も含む。
【0037】
蓋7について言えば、該蓋7は、横端部壁45と、ケーシング6を超えて延びるノズル3の一部を覆うことを可能にする周壁46とを有する。
【0038】
図5は、製品の第1の投与量を噴霧する段階の開始時の装置1を示す。タブ17の前述の突起部20を対応する隆起部38に対し超えさせるために反対の力をプッシャ5及び外側タブ40にかけ、次に、該プッシャ5をケーシング6に対して摺動させ、これにより第1の投与量が噴霧される。
【0039】
この移動の際に、ヘッドすなわちタブ17の押圧部17aは、それぞれ突出部33の傾斜隆起86に到達し、始端部86aと称して知られる端部から、傾斜隆起86の終端部86bと称して知られる端部までの各ヘッド17aの各々の摺動によって、前述の第2の外側半径方向の位置に向けて移動する。図17を参照されたい。
【0040】
図6に示されるように、プッシャ5が移動し続けることにより、タブ17のヘッド17aが停止部36に当接され、各々の停止部36と各々の対応する突出部33との間の距離は、該突出部33が窓22と完全に向き合う直前にこの当接が生じるような距離である。
【0041】
圧力の影響を受けて、突出部33がそれぞれの窓22と完全に向き合う場合、停止部36にタブ17が当接することにより、該タブ17が第2の外側の半径方向の位置に維持され、プッシャ5の摺動は、ケーシング6に対して阻止されたままとなり、よって第1の投与量の噴霧の終わりが示される。
【0042】
図7に示されるように、プッシャ5によって外側タブ40にかけられた圧力の解除が、停止部36に対するヘッド17aのこの押圧を弾性的に無くし、その結果、タブ17が第1の内側の半径方向の位置に戻ることを可能にする。
【0043】
次に、外側タブ40に反対の力をかけた状態で、プッシャ5に再び圧力をかけ、第2の投与量の噴霧を開始することができる。次に、この第2の噴霧を開始するために越えなければならない第2のハードポイントがあるように、突起部21が、対応する隆起部38のすぐ下にくる。このハードポイントが越えられると、第2の噴霧が生じ、タブ17は開口部37を貫通し、突出部33は、窓22を貫通して、図8に示される噴霧位置の終りまで摺動する。
【0044】
図9及び図10は、説明されたばかりのものと非常に類似した装置1を示す。この装置内にも見出され、機能的に同一か又は同等である、図1から図8までを参照して既に説明された要素が、同じ参照番号で示され、繰り返して説明されない。
【0045】
図9の場合には、装置1は、基端方向の底部51及び末端方向のカラー52を有するカプセル型の容器50と、薄肉にされた中央領域を有するプランジャ53と、この薄肉にされた中央領域を穿孔するのに適した中空針54と、ケーシング6上に取り付けられた噴霧ノズル3によって保持された該針54を含み、製品のための流路56を形成するロッド55とを含む。
【0046】
実際には、プッシャ5の中央ロッド16は、容器50の底部51に当たっており、針54がプランジャ53の薄肉にされた中央領域を穿孔し、これにより、液体の対象製品が流れることが可能になるまで、該容器50及び該プランジャ53を移動させる。
【0047】
図10の場合には、装置1は、図9に示される装置のものと同一の容器50と、この装置に含まれるものに類似したロッド55とを含むが、針54は含まない。それから、プランジャ60は、その末端面が開きこのプランジャ60の一方の側に作られた軸方向の凹部61を含み、このようにこの凹部61は、このプランジャの半径方向に可撓性を有するプランジャ60の側壁部分60aを形成する。この壁60aは、ロッド55に対する容器50の移動に続いて、該ロッド55をプランジャ60に押圧することによりもたらされる製品の圧力のもとで、脇に退き、これにより自由に該製品が流れる。
【0048】
図11は、本発明の第2の実施例による、図1から図8までを参照して説明されたものに類似した装置1を示す。タブ17がケーシング6上に作られ、突出部33及び停止部36がプッシャ5上に作られる。この場合も、この装置内に見出され、構造的及び/又は機能的に同一か又は同等である、図1から図8までを参照して既に説明された要素が、同じ参照番号で示され、繰り返して説明されない。
【0049】
この場合、プッシャ5は、停止部36が形成された内壁70と、間に開口部37を形成する外壁71とを含む。この壁71は、各々が傾斜隆起86を含む突出部33を含み、これらの突出部33を超えて延び、ケーシング6の内壁25とタブ40を互いに連結するこの同じケーシングの外壁26との間に定められた空間27内に係合される。
【0050】
このタブ17は、内壁25内の各側面上に作られたカット部によって形成される。
【0051】
上述されたものに類似した方法で、第1の投与量を噴霧するとき(図12を参照されたい)、ケーシング6に対するプッシャ5の移動により、これらのタブ17が停止部36に当接するまで(図13を参照されたい)、突出部33が、傾斜隆起86に対してタブ17、より特定的にはヘッド17aを第2の半径方向の位置の方向に移動させ、続いて該プッシャ5にかけられた力が解放され、該タブ17が第1の半径方向の位置に戻り(図14を参照されたい)、このことは、第2の投与量を噴霧し続けることを可能にする。この噴霧の終わりまで、タブ17は開口部37内に係合し、突出部33は窓22内に係合する(図15を参照されたい)。
【0052】
したがって、それぞれ図1乃至図11に従った、本発明の第1の2つの実施例に共通している、ケーシング6に対してプッシャ5の移動の長さを制御するための手段は、プッシャ(5)又はケーシング(6)上に配置され、タブが該プッシャの軸方向の移動を阻止しない、応力を受けない第1の正規位置と、タブが該プッシャの軸方向の移動を停止させる、応力を受け曲げられた第2の位置との間で移動することが可能であり、その自由端において、該プッシャ(5)の軸方向の移動を停止させること及び該プッシャの該軸方向の移動の結果を受けて、タブ(17)が撓むことの両方に寄与するように設計された押圧部即ち要素(17a)を含む少なくとも1つのタブ(17)と、
最初の端部(86a)から最後の端部(86b)までタブと協働し、ケーシング(6)上又はプッシャ(5)上にそれぞれ配置され、該タブ(17)の該押圧部即ち要素(17a)が、該プッシャ(5)の圧力の方向に耐え、該タブを第1の正規位置から曲げられた第2の位置に持っていくように設計された少なくとも1つの傾斜隆起(86)と、
タブ(17)の押圧部即ち要素と協働し、圧力の方向において、それぞれ傾斜隆起(86)の最後の端部(86b)を超えて又は該最後の端部(86b)より前に、それぞれケーシング(6)上又はプッシャ(5)上に配置され、該タブ(17)の該押圧部即ち要素(17a)が、曲げられた第2の位置において最終的に当接するようになった、少なくとも1つの停止部(36)と、
タブがプッシャ(5)上に配置されるか又はケーシング(6)上に配置されるかによって、押圧部即ち要素(17a)より前に又は該押圧部即ち要素(17a)を超えて該タブ(17)上に配置され、該プッシャ(5)にかかる圧力が解除されたときに、該タブ(17)の停止され曲げられた位置から応力を受けない正規位置に戻ることを可能にするように設計された、少なくとも1つの非押圧部即ち開口部(22)と、を含み、
プッシャ(5)の移動の第1の部分は、押圧部即ち要素(17a)と停止部(36)の接触の後の、軸方向の停止位置までのこのプッシャの移動によって決定され、該移動の第2の部分は、非押圧部即ち開口部(22)が該押圧部即ち要素(17a)を収容した軸方向の位置を超える該プッシャの移動によって決定される。
【0053】
図16は、破断可能なブリッジ80によってケーシング6に接続された蓋7を含むことを除いて、第1の実施例に類似した装置1を示す。これらのブリッジ80は、ユーザに、慎重な使用の動作を強制し、この使用が子供にとって簡単すぎるものにならないようにすることを可能にする。
【0054】
本発明による装置の第3の実施例が、特に、タブ17の屈曲した第2の位置が接線方向の応力によって得られるという点で特徴付けられ、ここで図18から図20までを参照して説明される。
【0055】
前に説明された第1の実施例でそうだったように、本発明のこの第3の実施例によると、タブ17は、プッシャ5上に配置され、傾斜路86は、ケーシングの壁を通過する連続的な溝の形態で、該ケーシング6上に配置される。
【0056】
貫通溝に属する非押圧開口部22は、タブ17がプッシャ5上に配置される場合(既に説明されたように)、同じく該貫通溝に属する停止部36よりも前にケーシング6上に配置され、以下に特定される押圧要素17aは、該ケーシング6上に形成された中空の傾斜路86と協働する。
【0057】
自由端においてプッシャ5上に配置される各タブ17は、ケーシング6に向けて横方向に延びる押圧要素即ち領域を形成するスタッド17aを含む。タブ17に対して前方にあるV形状のカット部84が、該タブ17が、第1の正規位置から屈曲した第2の位置まで接線方向に撓むことを可能にする。ケーシング6上に配置された傾斜路86は、中空内に配置されるか、或いは、該傾斜路86が、スタッド17aを収容するように通過し、最初の端部86aから最後の端部86bまでケーシング6の壁内にほぼ斜めに延びるようになっている(図21と比較されたい)。本発明の実施例の先の形態において説明された停止部36は、スタッド17aと協働し、傾斜路86の最後の端部86bを超えてケーシング6上に配置されている。その停止部はある角度の接合部によって決定されるが、適切な実際の傾斜路86に対して、逆の傾斜の傾斜路戻り部90を有した状態で該傾斜路86の連続性を有する。先に説明された非押圧部即ち開口部22は、傾斜路86及び傾斜路戻り部90と連続して、前述の停止部36の前に、ケーシング6上の中空部内に配置され、この非押圧部22は、タブ17が停止され曲げられた位置から正規位置に戻るときに、スタッド17aを収容するように設計される。軸方向のスロット91が、前に説明された非押圧部22から連続しているが、該非押圧部22を超えて延びる。ケーシング6内の軸方向スロット91が、該ケーシング6の貫通開口部92内に障害無く開いており、該ケーシングの開口部92を貫通する窓を形成する。本発明のこの第3の実施例によると、プッシャ5の移動の第2の部分は、容器2の壁に対するプランジャの当接によって決定されることが理解される。
【0058】
傾斜路86の最初の端部86aよりも前に、これと連続して、スタッド17を置くためのハウジング93が形成される。ハウジング93へのスタッド17aのスナップ嵌合は、プッシャ5及びケーシング6の確実な組み立てを可能にする。
【0059】
非押圧部即ち開口部22を超え、これと連続して、ハウジング93のような、スタッド17aを置くためのハウジング94が、ケーシング6の外壁内に形成される。
【0060】
既に説明された本発明の第3の実施例は、より一層の頑丈さと、より小さな軸方向寸法とをもたらす。この実施例はまた、プッシャの移動の2つの部分間のケーシングに対する該プッシャの効果的な停止も保証し、よって、対象製品の第2の投与量が送出される。
【0061】
既に説明された第1又は第2の実施例のような、本発明の第4及び最終の実施例が、ここで図22から図30までを参照して説明される。
【0062】
少なくとも1つのタング87は、該タブ17から離れて即ち該タブ17から独立して、タブ17それ自体がそれぞれプッシャ5上又はケーシング6上に配置されるかによって、場合に応じて、該プッシャ5又は該ケーシング6の何れかの上に配置される。このタング87は、通常、その移動の2つの連続する部分の間に、プッシャの軸方向の移動を妨げない、応力を受けない第1の正規位置と、該タング87が、圧力と反対の方向に該プッシャ5を戻す役割を果たし、タブ17が、曲げられた停止位置から正規位置に戻るのを可能にするための役割を果たす、応力を受ける曲げられた第2の位置との間で移動することができる。図23に斜視図で、図25から図30までにより明示的に示されるように、傾斜路86及びタング87の自由端87aは、互いに協働し、例えば、その端部におけるプッシャの移動の第1の部分の間、タング87自体が曲げられされ(図27を比較されたい)、該プッシャの移動の第2の部分の間、該タング87は、傾斜路86から逃れ、正規位置に戻る(図29及び図30を比較されたい)。タング87の応力を受けない第1の正規位置が図25に示され、応力を受ける曲げられた第2の位置が図26から図28までに示される。
【0063】
図22から図30までによると、タブ17の曲げられた第2の位置が、それ自体、同じく半径方向の応力によって得られるときに、タング87の曲げられた第2の位置が、半径方向の応力によって得られる。示されていない方法で、タング87のこの曲げられた第2の位置が、接線方向の応力によって獲得可能であり、タブ17の曲げられた第2の位置自体が、接線方向の応力によって獲得可能であることを理解しなければならない。
【0064】
場合に応じて、プッシャ5又はケーシング6上に配置された各タブ17は、全体的に矩形の形状をもつ非押圧窓22を含み、その中心において、タング87が装置の軸線に平行に延びる。本発明の他の実施例におけるように、傾斜路86は、場合に応じて、ケーシング6又はプッシャ5上に配置された突出部33に属しており、その傾斜路は、窓22を自由に貫通するように設計されている。停止部36が、場合に応じて、ケーシング6又はプッシャ5上に配置されており、各タブ17が曲げられた第2の位置にある場合、突出部33が窓22に向かい合うように到達し、該プッシャ5にかかる圧力が解放されたとき、該突出部33はこの窓を貫通し、よって各タブ17が第1の位置に戻される。。
【0065】
より詳細には、各タング87は、その自由端87aがヘッド17a又は対応するタブの押圧部の前に残っている状態で、窓22の中心に配置される。自由端87aは、傾斜路86に対し押圧するための2つの耳部88を含む。傾斜路86は、スロット89の各々の側部に配置された2つの平行なフランジ331及び332を含み、タング87が並進状態で自由に通ることを可能にする。各々の耳部88は、フランジ331又は332によって形成される傾斜路部分86と接触するように設計され、また、プッシャ5の移動の第1の部分を超えて、該プッシャ5の圧力の方向に接触するように設計され、各々の耳部88は、タング87が、正規位置に戻るように対応する傾斜路部分、或いはフランジ331又は332から逃れる。
【0066】
位置が図24に示されている、ケーシング6に対するプッシャ5の最初の位置において、タブ17及びタング87は、応力を受けない半径方向の正規位置にある。
【0067】
図26によると、プッシャ5にかかる圧力によって、タブ17のヘッド17aの移動が、最初に多少なりとも対応するタング87を撓ませることなく、このタブを撓ませ、こうした撓みは、該ヘッド17aの移動の終わりに生じる。
【0068】
図27によると、プッシャ5を移動し続けることによって、タブ17が完全に曲げられたのに対して、それぞれ傾斜路33、より詳細には、フランジ331及び332と接触状態にある耳部88は、非押圧部即ち開口部22のおかげで、対応するタング87を撓ませ、該プッシャ5の圧力を継続することによって、該タブ17は、傾斜路86又は突出部33を逃れ、対応するタング87は曲ったままとなり、該曲げられたタング87は、この圧力が解放される場合、その圧力と反対の方向に、該プッシャ5が戻るのに寄与する拮抗圧力を該傾斜路86にかける。その結果、タング87は、曲げられた中間位置に戻る(図28を参照されたい)。
【0069】
図28に示されるケーシング及びプッシャの相対的位置から始めると、再び圧力を該プッシャ5にかけることによって、傾斜路86と接触状態にあるタング87の自由端87aが、即座に該傾斜路86を逃れるので(図29を参照されたい)、対象製品の第2の投与量を送出するために該プッシャ5が、図28に示される相対的位置を超えて押し付けられ、得る(図30を参照されたい)。
【0070】
上記から明らかなように、本発明は、使用上の誤りを最小に減らし、相対的に単純で、製造に費用がかからない構造を保持しながら、操作が容易な装置を提供することによって、従来技術に対する明白な改善を提供するものである。
【0071】
本発明が、例として上述された実施例に制限されるものではなく、これに反して、ここに添付される特許請求の範囲によって定められる保護の分野に含まれる全ての変形実施例をカバーすることは言うまでもない。注入器本体2及び噴霧ノズル3は、特に単一の部品として製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施例における斜視図である。
【図2】図1と同様な図における横断面図である。
【図3】装置が含むプッシャの部分図である。
【図4】装置が含むケーシングの横断面図である。
【図5】第1の投与量の注入開始時における第1の実施例による装置の横断面図である。
【図6】この第1の投与量の注入終了時における第1の実施例による装置の横断面図である。
【図7】第2の投与量の注入開始時における第1の実施例による装置の横断面図である。
【図8】この第2の投与量の注入終了時における第1の実施例による装置の横断面図である。
【図9】第1の実施例の変形例に従う本発明による装置の横断面図である。
【図10】第1の実施例の変形例に従う本発明による装置の横断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例による装置の、扇形の領域にわたる横断面図である。
【図12】第2の実施例による、第1の投与量の注入開始時における軸方向の部分片側断面図である。
【図13】第2の実施例による、この第1の投与量の注入終了時における軸方向の部分片側断面図である。
【図14】第2の実施例による、第2の投与量の注入開始時における軸方向の部分片側断面図である。
【図15】第2の実施例による、この第2の投与量の注入終了時における軸方向の部分片側断面図である。
【図16】本発明の第1の実施例の第3の変形例における図である。
【図17】本発明の第1の実施例(図1乃至図8)による装置のケーシングに属する傾斜隆起に関する詳細を拡大図で示す。
【図18】本発明の第3の実施例による装置の正面図である。
【図19】図18による装置のケーシングの斜視図である。
【図20】図18による装置のプッシャの斜視図である。
【図21】図19によるケーシングに属する傾斜隆起の、平らに提示された拡大図である。
【図22】本発明の第4の実施例による装置の、部分的に断面を有する斜視図を示す。
【図23】図22による装置のケーシング及びプッシャを斜視図で別個に示す。
【図24】図22による装置の横断面図を示す。
【図25】ケーシングに対するプッシャの作動の様々な段階、及び第1の投与量の送出前の最初の位置を軸方向の片側断面図で示す。
【図26】ケーシングに対するプッシャの作動の様々な段階、及びタブの撓み、正規位置に残っているタングを軸方向の片側断面図で示す。
【図27】ケーシングに対するプッシャの作動の様々な段階、並びにタブ及びタングの撓みを軸方向の片側断面図で示す。
【図28】ケーシングに対するプッシャの作動の様々な段階、タングが撓んだ状態でタブの傾斜隆起からの逃れ、及び第2の投与量の送出前の中間位置を軸方向の片側断面図で示す。
【図29】ケーシングに対するプッシャの作動の様々な段階、並びに第2の投与量の送出のためのタブの連続的移動及び傾斜隆起から逃れるタングを軸方向の片側断面図で示す。
【図30】ケーシングに対するプッシャの作動に様々な段階、並びに傾斜隆起を超えるタブ及びタングの連続的移動を軸方向の片側断面図で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの設定された投与量の製品を送出可能な 噴霧器、即ち注入装置(1)であって、噴霧即ち注入されるべき前記製品を収容する容器(2、50)と、該容器(2、50)から製品を抜き取るために該容器(2、50)に移動可能に配されるプランジャ(4、53、60)と、前記容器(2、50)が配されるケーシング(6)と、前記容器(2、50)およびプランジャ(4、53、60)の相対運動を可能とするように前記ケーシング(6)に対して移動可能とされるプッシャ(5)と、前記製品の送出投与量にそれぞれ対応させ、前記ケーシング(6)に対するプッシャ(5)の移動長さを、少なくとも二つの移動部分に分割可能とする手段(17、33、36、37)と、を含む装置(1)において、
前記ケーシング(6)または前記プッシャ(5)は、少なくとも1つのタブ(17)を含み、該タブは、該タブ(17)が前記ケーシング(6)に対しプッシャ(5)の移動を阻む障害をもたらさない第1の正規の半径方向の位置と、該タブ(17)が該運動を阻む障害をもたらす第2の半径方向の位置との間で半径方向に移動可能とされ、該タブ(17)は押圧部(17a)および非押圧部(22)を含み、
前記プッシャ(5)またはケーシング(6)は、それぞれ、少なくとも1つの傾斜隆起状の突起(33)を含み、前記タブ(17)の押圧部(17a)が、噴霧、即ち注入される前記製品を対処する方向への前記ケーシング(6)に対するプッシャ(5)の移動中該突起に当たり、該タブ(17)を前記第2の半径方向の位置に誘い込み、それから、前記タブの非押圧部(22)が該傾斜隆起状の突起に到達し、該タブ(17)を前記第1の半径方向の位置に戻し、
前記プッシャ(5)または前記ケーシング(6)は、それぞれ、前記突起(33)により前記第2の半径方向の位置に誘い込まれる場合、前記タブ(17)が押圧する少なくとも1つの停止部(36)をさらに含み、この圧力が、前記突起(33)該非押圧部(22)に到達する以前に生じ、
前記装置(1)は、前記プッシャ(5)に作用される力の解放により、該プッシャ(5)が前記ケーシング(6)に対して移動可能とされ、前記停止部(36)に対し該タブ(17)の圧力が無い状態にでき、従って、該タブ(17)が前記第1の半径方向の位置に戻ることができ、それから、該突起(33)が前記非押圧部(22)に対し到達し、該第1の半径方向の位置への該タブ(17)のこの復帰が、移動長さにおける後続部分の期間
、次の投与量の前記製品を噴霧即ち注入するために該プッシャ(5)の移動を自在可能とすることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記タブ(17)の非押圧部は、該タブの端部から引っこんで該タブに作られる窓(22)により形成され、前記押圧部が該タブの該端部とこの窓とを連結する該タブの部分(17a)により形成されることを特徴とする請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
該装置は、直径方向に相対向した少なくとも二つのタブ(17)、二つの突起(33)、および二つの停止部(36)を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の装置(1)。
【請求項4】
ケーシング(6)およびプッシャ(5)は、ある投与量の送出開始のとき、超えられる少なくとも1つのハードポイントを形成することを可能にする手段(20、21、38)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項5】
少なくとも1つのハードポイントを形成可能とする前記手段は、前記タブ(17)から横方向に突出する少なくとも一つの突起部(20、21)と、前記ケーシング(6)における適切に対応した位置に作られる少なくとも1つの隆起部(38)とからなることを特徴とする請求項4記載の装置(1)。
【請求項6】
プッシャ(5)全体は、僅かに柔軟な一般的なプラスチックで作られ、該材料の柔軟性に起因した各タブ17の可動性が、前記第1の半径方向の位置で変形せず、前記第2の半径方向の位置で弾性的に変形されるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記各タブ(17)は、突出端を備える末端のヘッドを有し、該突出端が前記ケーシングにおいて前記プッシャが係合した後、該プッシャ(5)が該ケーシング(6)から分離することを防止することができるスナップ留め手段を、前記ケーシング(6)に含まれる相補的な手段とともに形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記ケーシング(6)は、前記プッシャ(5)が摺動可能に係合されるように設計される空間(27)を相互間に形成する二つの壁(25、26)と、該内壁(25)の外面から突出する各突起(33)とを含み、該外壁(26)が前記空間(27)内に前記突起(33)、前記停止部(36)から予め設定された距離で少なくとも1つの戻り部(35)を形成し、さらに、該各戻り部(35)は、摺動により前記タブ(17)が貫通可能な開口(37)を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ケーシング(6)は、前記プッシャ(5)が摺動可能に係合されるように設計される空間(27)を相互間に形成する二つの壁(25、26)を含み、該プッシャ(5)は、各停止部(36)が作られる内壁(70)と、各突起(33)を含む外壁(71)とを含み、該外壁(71)が各突起(33)を超えて延在し該空間(27)に係合され、該プッシャの内壁(70)および外壁(71)が、その相互間の各開口(37)を形成し、各タブ(17)は、該ケーシング(6)の内壁(25)に作られることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記容器は、基端のカラー(10)および末端の流路を含む注射器本体(2)により形成され、該注射器本体(2)が、その末端に取り付けられ、該注射器本体(2)に収容される前記製品を噴霧可能なスプレーヘッド(11)を形成するスプレーノズル(3)を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記装置は、
基端の底部(51)を有する容器(50)と、
薄くなった中央部を有するプランジャ(53)と、
該薄くなった中央部の貫通に適した中空針(54)と、
前記ケーシング(6)に保持され前記針(54)を含み前記製品のための流路(56)を形成するロッド(55)と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項12】
前記装置は、
基端の底部(51)を有する容器(50)と、
プランジャ(60)であって該プランジャ(60)の末端面に開き、該プランジャ(60)の一方側に作られる軸方向の凹部(61)を含み、該凹部(61)が該プランジャの半径方向における柔軟性を有する該プランジャ(60)の側壁部(60a)を形成するプランジャ(60)と、
前記ケーシング(6)に保持され、前記製品のための流路(56)を形成し、該ケーシング(6)に対する前記プッシャ(5)の移動中、プランジャ(60)の押圧に適したロッド(55)と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項13】
製品の少なくとも第1及び第2の予め設定された投与量の送出を可能にし、末端部から基端部まで基準軸に沿って延びている、液状の対象製品を噴霧即ち注入するための噴霧器、即ち注入装置(1)であって、
前記製品を含む軸方向に細長い容器(2、50)と、
前記容器内に配置され、該容器を閉鎖しているプランジャ(4、53、60)であって、基準方向において、該容器に対して軸方向に移動可能であり、前記製品が該容器から末端方向に押し出されることを可能にするプランジャ(4、53、60)と、
前記容器を収容し、該容器を軸方向に固定するように設計されたケーシング(6)と、
前記ケーシング(6)と共に組み立てられ、該ケーシング(6)に対して移動可能であり、該容器又は前記プランジャに軸方向及び基端方向に当接し、該プランジャを前記基準方向に移動させるように設計されたプッシャ(5)と、
前記ケーシングに対する前記プッシャの移動の長さを制御する手段(17、33、36、37)であって、この移動を、前記第1の投与量の送出を決定する第1の移動部分と前記第2の投与量の送出を決定する第2の移動部分とに分けるように設計された手段(17、33、36、37)と、を備える前記装置において、
前記ケーシング(6)及び前記プッシャ(5)が、前記基準方向の前記プランジャの移動を引き起こす押圧方向に、互いに対して軸方向に移動可能となるように設計されることを特徴とし、
前記制御手段は、
前記プッシャ(5)又は前記ケーシング(6)上に配置された少なくとも1つのタブ(17)であって、タブが該プッシャの軸方向の移動を阻止しない、応力を受けない第1の正規位置と、タブが該プッシャの軸方向の移動を停止させる、応力を受ける屈曲した第2の位置との間で移動することが可能であり、その自由端において、該プッシャ(5)の前記軸方向の移動を停止させること及び該プッシャの該軸方向の移動の結果を受けてタブ(17)が撓むことの両方に寄与するように設計された押圧部即ち要素(17a)を含む、少なくとも1つのタブ(17)と、
最初の端部(86a)として知られる端部から最後の端部(86b)として知られる端部まで前記タブと協働し、それぞれ前記ケーシング(6)又は前記プッシャ(5)上に配置され、該タブ(17)の前記押圧部即ち要素(17a)が、該プッシャ(5)の圧力の方向に当たる少なくとも1つの傾斜隆起(86)であって、該タブを第1の正規位置から曲げられた第2の位置に持っていくように設計された、少なくとも1つの傾斜隆起(86)と、
前記タブ(17)の前記押圧部即ち要素(17a)と協働し、それぞれ前記圧力の方向において前記傾斜隆起(86)の前記最後の端部(86b)を超えて又は該最後の端部(86b)より前に、それぞれ前記ケーシング(6)又は前記プッシャ(5)上に配置され、該タブ(17)の前記押圧部即ち要素(17a)が、最終的に曲げられた第2の位置に当接するようになった、少なくとも1つの停止部(36)と、
前記タブ(17)が前記プッシャ(5)上に配置されるか又は前記ケーシング(6)上に配置されるかによって、前記押圧部即ち要素(17a)より前に又は該押圧部即ち要素(17a)を超えて該タブ(17)上に配置されるか、或いは、該タブ(17)が該プッシャ(5)上に配置され、該押圧要素(17a)が該ケーシング(6)上に形成された中空の傾斜隆起(86)と協働するときに、前記停止部(36)より前に該ケーシング(6)上に配置されるかのいずれかである、少なくとも1つの非押圧部即ち開口部(22)であって、該プッシャ(5)にかかる圧力が解放されたときに、該押圧部即ち要素(17a)が、該タブ(17)の停止され曲げられた位置から応力を受けない正規位置に戻ることを可能にするように設計された、少なくとも1つの非押圧部即ち開口部(22)と、
を備え、
前記プッシャ(5)の移動の前記第1の部分は、前記押圧部即ち要素(17a)と前記停止部(36)が接触した後に、このプッシャが前記軸方向の停止位置まで移動することによって決定され、前記移動の第2の部分は、前記非押圧部即ち開口部(22)が該押圧部即ち要素(17a)を収容した軸方向位置を超えて該プッシャが移動することによって決定されることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記タブの前記曲げられたた第2の位置が半径方向の応力によって得られることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プッシャ(5)又は前記ケーシング(6)上に配置された前記タブ(17)が、
前記押圧部即ち要素(17a)に対して引っ込んだ非押圧用窓(22)を備え、
前記傾斜隆起(86)は、それぞれ該ケーシング(6)又は該プッシャ(5)上に配置され、前記窓(22)を自由に通るように設計された突出部(33)に属し、
前記停止部(36)は、該タブが前記曲げられた第2の位置にあるときに、前記突出部(33)が該タブの該窓(22)に面し、該プッシャ(5)への圧力が解放されたとき、該窓(22)を貫通し、該タブを第1の位置に戻すように配置されたことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記タブの前記曲げられた第2の位置が、接線方向の応力によって得られることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記タブ(17)が、前記プッシャ(5)上に配置され、その自由端において、前記ケーシング(6)に向けて横断方向に延びているスタッド(17a)と、前記タブを第1の正規位置から第2の曲げられた位置まで接線方向に撓ませることを可能にする、該タブに対する前方カット部(84、85)とを備え、
前記傾斜隆起(86)は、該ケーシング(6)上に配置され、前記スタッド(17a)を収容するように中空部を有した状態で設計され、前記最初の端部(86a)から前記最後の端部(86b)まで該ケーシングの前記壁内でほぼ斜めに延びており、該スタッド(17a)と協働し、
該傾斜隆起(86)の該最後の端部(86b)を超えて該ケーシング(6)上に配置された前記停止部(36)は、ある角度を有するが連続性を有した状態で、傾斜隆起戻り部(90)との該傾斜隆起(86)の接合部によって決定され、
該停止部(36)より前に、該ケーシング(6)上の中空部内に配置された前記非押圧部即ち開口部(22)は、該タブ(17)が正規位置に戻るときに、該スタッド(17a)を収容するように設計され、軸方向スロット(91)が、該非押圧部(22)との連続した状態で、該非押圧部(22)を超えて延びることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記軸方向スロット(91)は、前記ケーシング(6)の貫通開口部(92)内に障害無く開いており、前記プッシャ(5)の移動の前記第2の部分が、前記容器(2)の壁に前記プランジャ(4)が当接することによって決定されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記傾斜隆起(86)の前記最初の端部(86a)より前に、該傾斜隆起(86)と連続して、前記スタッド(17a)を置くための、特に前記プッシャ(5)及び前記ケーシング(6)の確実な組み立てを可能にするためのハウジング(93)が形成されたことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記非押圧部即ち開口部(22)を超えて、該非押圧部即ち開口部(22)と連続して、前記スタッド(17a)を置くためのハウジング(94)が形成されたことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
一方では、前記装置は、前記タブ(17)が前記プッシャ(5)上に配置されたか、前記ケーシング(6)に配置されたかによって、該プッシャ(5)又は該ケーシング(6)上に配置され、タングが該プッシャ(5)の軸方向の移動を妨げない、応力を受けない第1の正規位置と、タング(87)が該プッシャ(5)の戻りに寄与し、該タブ(17)が曲げられ、停止された位置から正規位置に戻ることを可能にする、応力を受ける曲げられた第2の位置との間で移動可能な、該タブ(17)とは別個の又は該タブ(17)から独立した少なくとも1つのタング(87)を備え、
他方では、前記傾斜隆起(86)及び前記タング(87)の自由端(87a)は、該プッシャの移動の前記第1の部分の際に該タングが曲げられ、該プッシャの移動の第2の部分の際に該タング(87)が該傾斜隆起から逃れて正規位置に戻るように、互いに協働するように設計されたことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項22】
前記タング(87)の前記曲げられた第2の位置は、前記タブ(17)の該曲げられた第2の位置が半径方向の応力によって得られる場合、半径方向の応力によって得られることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記タング(87)の前記曲げられた第2の位置は、前記タブ(17)の該曲げられた第2の位置が接線方向の応力によって得られる場合、接線方向の応力によって得られることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記プッシャ(5)又は前記ケーシング(6)上に配置された前記タブ(17)が、非押圧窓(22)を備え、
前記傾斜隆起(86)は、それぞれ該ケーシング(6)又は該プッシャ(5)上に配置され、前記窓(22)を自由に通るように設計された突出部(33)に属しており、
前記停止部(36)は、該タブ(17)が前記曲げられた第2の位置にあるときに、前記突出部(33)が該タブの該窓(22)に面し、該プッシャ(5)への圧力が解放されたときに該窓を貫通し、該タブを第1の位置に戻すように配置されたことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項25】
一方では、前記タング(87)が前記窓(22)の中心に配置され、該タング(87)の前記自由端(87a)は、前記ヘッド(17a)の前に残っており、前記傾斜隆起(86)に押し付けるための2つの耳部(88)を含んでおり、
他方では、該傾斜隆起(90)は、スロット(89)の各側部に1つずつ配置された2つのフランジ(331)及び(332)を備え、
該タングが並進状態で自由に通ることを可能にし、各々の耳部(88)は、前記プランジャの圧力の方向において、フランジ(331、332)によって形成される傾斜部分(86)と接触し、該プッシャ(5)の移動の前記第1の部分を超えて前記傾斜部分から逃れるようになったことを特徴とする請求項24に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2006−500134(P2006−500134A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539147(P2004−539147)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002836
【国際公開番号】WO2004/028703
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(597136216)ベクトン・ディキンソン・フランス・ソシエテ・アノニム (34)
【Fターム(参考)】