説明

局側装置、光通信ネットワーク、及び電源制御方法

【課題】1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの当該局側装置の無駄な待機電力の消費を防ぐ。
【解決手段】上り光信号を受信する期間を給電実行期間とし、上り光信号を受信しない期間を給電停止期間とする。局側装置は、給電実行期間では、上り光信号の受信部、特に、上り光信号の受信部が備える光−電気変換部への給電を行う。一方、給電停止期間では、上り光信号の受信部への給電を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの当該局側装置、光通信ネットワーク、及び、電源制御方法に関し、特に、受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)の局側装置における電源制御に関する。
【背景技術】
【0002】
通信事業者の所有する建物(局)と加入者宅を結ぶ通信網は、アクセス系ネットワークと呼ばれる。昨今の通信容量の増大を受け、アクセス系ネットワークでは、光通信を利用することにより膨大な情報量の伝送を可能とする、光アクセス系ネットワークが主流になりつつある。
【0003】
光アクセス系ネットワークの一形態として、受動型光加入者ネットワーク(PON)がある。PONは、局内に設けられる1つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と、複数の加入者宅内にそれぞれ設けられる加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)と、光スプリッタとを備えて構成される。OLT及び各ONUと、光スプリッタとは、光ファイバで接続される。
【0004】
OLTと光スプリッタの間の接続には、一芯の光ファイバが用いられる。この一芯の光ファイバは、複数のONUにより共有される。また、光スプリッタは、安価な受動素子である。このように、PONは、経済性に優れ、また、保守も容易である。このため、PONの導入は、急速に進んでいる。
【0005】
PONでは、様々な多重技術が用いられる。PONで用いられる代表的な多重技術には、時間軸上の短い区間を各加入者に割り当てる時分割多重(TDM:Time Division Multiplex)技術、異なる波長を各加入者に割り当てる波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術、異なる符号を各加入者に割り当てる符号分割多重(CDM:Code Division Multiplex)技術などがある。これらの多重技術の中でTDM技術を利用する、TDM−PONが、現在最も広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
PONでは、各ONUからOLTに送られる通信信号(以下、上り信号と称することもある。)は、光スプリッタで合波されてOLTに送信される。一方、OLTから各ONUに送られる通信信号(以下、下り信号と称することもある。)は、光スプリッタで分波されて各ONUに送信される。
【0007】
ここで、上り信号は、上りデータ信号と上り制御信号からなる。上りデータ信号は、ONUに接続されているユーザ機器から、OLTに接続されている上位ネットワークへ伝送される信号である。すなわち、この上りデータ信号は、ユーザが送信要求した情報が含まれた信号である。一方、上り制御信号は、ONUが備える加入者側制御部が、OLTが備える局側制御部へ向けて送信する信号であって、PONを制御するために用いられる信号である。
【0008】
また、下り信号は、下りデータ信号と下り制御信号からなる。下りデータ信号は、上位ネットワークからユーザ機器へ伝送される信号である。すなわち、下りデータ信号は、ユーザが受信要求した情報が含まれた信号である。一方、下り制御信号は、局側制御部が、加入者側制御部へ向けて送信する信号であって、PONを制御するために用いられる信号である。
【0009】
TDM−PONでは、TDMA(Time Division Multiple Access)が用いられる。TDMAは、OLTが、各ONUの送信タイミングを管理して、異なるONUからの上り信号同士が衝突しないように制御する技術である。
【0010】
TDM−PONでは、時間軸が複数の短い区間に区切られ、この区間がOLTに向けて上り信号を送信するための帯域として、各ONUに割り当てられる。上り信号の送信タイミング及び帯域幅は、OLTから各ONUに対して指示される。このように、OLTが各ONUに対して帯域を割り当てることを帯域割当という。なお、ここでいう「帯域幅」は、時間(例えば秒)で与えられる。
【0011】
帯域割当方法の1つとして、動的帯域割当(DBA:Dynamic Bandwidth Allocation)が知られている。DBAは、各ONUからの送信帯域要求をOLTが受信して、この要求を考慮して通信帯域を動的に割り当てる帯域割当方法である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−129429号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「基礎技術講座GE−PON技術」NTT技術ジャーナル(2005年8月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここで、上述の従来例の帯域割当方法では、全てのONUからの要求帯域を割り当ててもまだなお、帯域設定が可能な残余帯域が存在する場合、その残余帯域を全て余剰帯域として各ONUに割り当てている。この場合、OLTでは、割当帯域に対応する期間に上り信号を受信することは判明しているが、残余帯域に対応する期間に上り信号を受信するか否かを知りえない。このため、OLTは余剰帯域に対応する期間も上り信号の受信部を常に待機状態にしておく必要がある。この余剰帯域に対応する期間に上り信号を受信しない場合は、受信部は、待機電力を無駄に消費していることになる。
【0015】
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、待機電力の無駄な消費を防ぐことのできる、局側装置、光通信ネットワーク、及び電源制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を達成するために、この発明の局側装置、光通信ネットワーク、及び電源制御方法では、上り信号を受信する期間を給電実行期間とし、上り信号を受信しない期間を給電停止期間として、給電停止期間は、上り信号の受信部への給電を停止する。
【0017】
このために、この発明の局側装置は、1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの局側装置であって、上り信号受信部と、局側制御部と、給電部とを備えて構成される。
【0018】
上り信号受信部は、加入者側装置から受信する上り光信号を上り電気信号に変換し、この上り電気信号を上りデータ信号と上り制御信号に分離する。局側制御部は、上り制御信号に基づいて給電制御信号を生成する。給電部は、給電制御信号に応答して、上り信号受信部への給電の実行及び停止を切り換える。
【0019】
また、この発明の、1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークは、上述の局側装置を備えて構成される。
【0020】
また、この発明の電源制御方法は、以下の過程を備えている。
【0021】
先ず、加入者側装置が、第k(kは整数)周期において発生した上りデータ信号に対応する要求帯域を、局側装置に通知する。次に、局側装置が、要求帯域に基づいて、加入者側装置に対して割当帯域を設定する。次に、局側装置が、第k+2周期における割当帯域を各加入者側装置に対して通知する。加入者側装置は、第k周期において発生した上りデータ信号を、第k+2周期において局側装置が受信するように送信する。
【0022】
このとき、局側装置は、第k+2周期の、割当帯域に対応する期間を給電実行期間として、上り信号受信部への給電を実行し、第k+2周期の給電実行期間以外の期間を給電停止期間として、上り信号受信部への給電を停止する。
【発明の効果】
【0023】
この発明の局側装置、光通信ネットワーク、及び電源制御方法によれば、上り信号が到達しない期間については、上り信号受信部への給電を停止するので、局側装置の待機電力の無駄な消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】光通信ネットワークの構成例を示す概略図である。
【図2】電源制御方法の第1の構成例を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】電源制御方法の第2の構成例を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】電源制御方法の第3の構成例を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各図は、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0026】
(光通信ネットワーク)
図1を参照して、この発明の光通信ネットワークの実施形態について説明する。図1は、光通信ネットワークの構成例を示す概略図である。
【0027】
先ず、光通信ネットワークの概略構成について説明する。
【0028】
この光通信ネットワーク10は、1つの局側装置(OLT)20と、複数の加入者側装置(ONU)60−1〜3を備えて構成される、いわゆるPON10である。OLT30と各ONU60−1〜3は、光スプリッタ14を介して、光ファイバで接続されている。図1では、3つのONU60−1〜3が示されているが、PON10を構成するONUの個数は、3に限定されるものではない。また、ここで説明するPON10は、OLT20の電源制御に関係する部分の構成を除けば、従来周知の構成とすることができる。従って、以下の説明では、従来周知の構成についての説明を省略することがある。
【0029】
各ONU60−1〜3からOLT20へ向かう信号を上り信号と称する。また、OLT20から各ONU60−1〜3へ向かう信号を下り信号と称する。
【0030】
ここで、上り信号は、上りデータ信号と上り制御信号からなる。上りデータ信号は、ONU60−1〜3にそれぞれ接続されているユーザ機器90−1〜3から、OLT20に接続されている上位ネットワーク12へ伝送される信号である。すなわち、上りデータ信号は、ユーザが送信要求した情報が含まれる信号である。一方、上り制御信号は、各ONU60の加入者側制御部80から、OLT20の局側制御部40へ向けて伝送される信号であり、PON10の制御に用いられる。上り制御信号には、例えば、キュー長の情報など、ONU60がOLT20に対して要求する帯域の情報が含まれている。
【0031】
また、下り信号は、下りデータ信号と下り制御信号からなる。下りデータ信号は、上位ネットワーク12からユーザ機器90へ伝送される信号である。すなわち、下りデータ信号は、ユーザの受信要求した情報が含まれた信号である。一方、下り制御信号は、局側制御部40から、加入者側制御部80へ向けて伝送される信号である。下り制御信号には、例えば、OLT20がONU60に対して送信を許可する帯域の情報、すなわち、帯域幅や送信タイミングの情報が含まれている。
【0032】
なお、上り信号及び下り信号には、それぞれ電気信号と光信号の2つの態様がある。これらを区別する場合は、それぞれ、上り電気信号、上り光信号、下り電気信号及び下り光信号と称する。
【0033】
PON10において安定した通信を行うために、上り制御信号及び下り制御信号は、OLT20と各ONU60−1〜3の間で送受信される。この制御信号が送受信される周期を割当周期又はDBA周期と称する。
【0034】
次に、OLT20の構成について説明する。
【0035】
OLT20は、インタフェース変換部(I/F)22、上り信号受信部50、下り信号送信部30、局側制御部40、光合分波器24及び給電部26を備えて構成される。
【0036】
上り信号受信部50は、さらに、光−電気変換部(O/E)52と、上り信号分離部54とを備えている。光−電気変換部52は、各ONU60から受け取った上り光信号(図中、矢印S124で示す。)を光−電気変換することにより、上り電気信号(図中、矢印S152で示す。)を得る。上り電気信号S152は、上り信号分離部54に送られる。上り信号分離部54は、上り電気信号S152を、上り制御信号(図中、矢印S154で示す。)と上りデータ信号(図中、矢印S155で示す。)とに分離する。上り制御信号S154は、局側制御部40に送られ、また、上りデータ信号S155は、インタフェース変換部22に送られる。
【0037】
インタフェース変換部22は、外部のネットワークである上位ネットワーク12との間の通信プロトコル処理を行う。インタフェース変換部22は、上り信号受信部50から受け取った上りデータ信号S155に対してプロトコル処理を行った後、上位ネットワーク12に送る(図中、矢印S122で示す)。また、インタフェース変換部22は、上位ネットワーク12から送られてきた下りデータ信号(図中、矢印S112で示す。)に対して、通信プロトコル処理を行って、下り信号送信部30に送る(図中、矢印S123で示す)。
【0038】
局側制御部40は、上り制御信号S154に基づいて、下り制御信号(図中、矢印S148で示す。)及び給電制御信号(図中、矢印S146で示す。)を生成する。
【0039】
局側制御部40は、例えば、中央処理装置(CPU)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える構成にすることができる。この場合、局側制御部40は、CPUがROMに格納されているプログラムを読み出して実行することにより、制御信号読取手段42、帯域割当手段44、給電制御手段46及び制御信号生成手段48を実現することができる。また、各機能手段での処理結果は、RAMに読み出し及び書き換え自在に格納され、処理結果の受け渡しが行われる。
【0040】
制御信号読取手段42は、上り信号受信部50から受け取った、上り制御信号S154に記載された情報、ここでは、要求帯域としてキュー長を読み取る。帯域割当手段44は、制御信号読取手段42が読み取った、要求帯域を参照して、各ONU60に対して帯域を割り当てる。ここでは、帯域割当方法として、DBAを用いる。DBAは、各ONU60からの要求帯域をOLT20が受信して、この要求帯域を考慮して通信帯域を動的に割り当てる帯域割当方法である。DBAの中で、特に、割り当てる帯域(単に、割当帯域とも称する。)を、各ONUから申告されたキュー長に応じて決定する方法をSR(Status Reporting)−DBAという。SR−DBAでは、ある周期(DBA周期)ごとに割り当てる帯域を更新する。
【0041】
SR−DBAを用いる場合、上り制御信号S154には、ONU60がOLT20に対して要求する帯域幅の情報(例えば、キュー長)が含まれている。また、下り制御信号S148には、OLT20がONU60に対して送信を許可する帯域の情報、すなわち、送信のタイミング及び帯域幅の情報が含まれている。
【0042】
給電制御手段46は、割当帯域に対応する期間を給電実行期間とし、DBA周期中の、給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする給電制御信号S146を生成する。給電制御信号S146は、給電部26に送られる。
【0043】
給電部26は、例えば、外部からの電圧を所望の電圧に変換して、上り信号受信部50に電圧を供給する。ここで、給電部26は、給電制御信号S146に応じて動作するスイッチ(図示を省略する。)を備えていて、給電制御信号S146により、上り信号受信部50への給電の実行及び停止を切り換える。なお、給電部26がスイッチを備えない構成にして、給電制御信号S146により、給電部26自体のオンオフを切り換える構成にしても良い。給電部26自体のオンオフを切り換えることで、さらなる省電力化が期待される。
【0044】
なお、給電部26は、上り信号受信部50への給電の実行及び停止を切り換える機能を有していればよく、他の部分への給電を行う構成にしても良い。また、上り信号分離部54への給電が、例えば局側制御部40への給電と同じ系統で行われ、光−電気変換部52への給電とは異なる系統で行われる場合など、上り信号受信部50全体としてではなく、光−電気変換部52への給電の実行及び停止を切り換える構成としても良い。この場合、上り信号分離部54への給電の実行及び停止を切り換えない構成としても良いし、上り信号分離部54への給電の実行及び停止を切り換える構成を、別途設けても良い。
【0045】
制御信号生成手段48は、ONUに対して割当帯域を指示する下り制御信号S148を生成する。下り制御信号S148は、下り信号送信部30へ送られる。
【0046】
下り信号送信部30は、下り信号多重部32と、電気−光変換部(E/O)34とを備えている。下り信号多重部32は、下りデータ信号S123及び下り制御信号S148を時間多重して下り電気信号(図中、矢印S132で示す。)を生成する。電気−光変換部34は、下り電気信号S132を電気−光変換して、下り光信号(図中、矢印S134で示す。)を生成する。
【0047】
光合分波器24は、上り光信号と下り光信号を合波及び分波する。すなわち、電気−光変換部34で生成された下り光信号S134を、ONU60に向けて送り(図中、矢印S124で示す)、各ONU60から受け取った上り光信号(図中、矢印S160で示す。)を、光−電気変換部52に送る。一般に、上り光信号と下り光信号の中心波長は異なる。従って、光合分波器24は、光波長フィルタなどを用いて実現される。
【0048】
次に、ONU60の構成について説明する。
【0049】
各ONU60は、インタフェース変換部(I/F)62、下り信号受信部66、上りデータ信号バッファ部72、上り信号送信部70、加入者側制御部80及び光合分波器64を備えて構成される。
【0050】
下り信号受信部66は、OLT20が備える上り信号受信部50と同様に構成される。下り信号受信部66は、OLT20から受け取った下り光信号(図中、S164で示す。)を光−電気変換し下り電気信号を得る。さらに、下り信号受信部66は、下り電気信号を、下り制御信号(図中、矢印S166で示す。)と下りデータ信号(図中、矢印S167で示す。)とに分離する。下り制御信号S166は、加入者側制御部80に送られ、また、下りデータ信号S167は、インタフェース変換部62に送られる。
【0051】
インタフェース変換部62は、ユーザ機器90との通信プロトコル処理を行う。インタフェース変換部62は、下り信号受信部66から受け取った下りデータ信号S167に対してプロトコル処理を行って、ユーザ機器90に送る(図中、矢印S162で示す。)。また、ユーザ機器90から受け取った上りデータ信号(図中、矢印S190で示す。)に対してプロトコル処理を行って、上りデータ信号バッファ部72に送る(図中、矢印S163で示す。)。
【0052】
上りデータ信号バッファ部72は、インタフェース変換部62から受け取った上りデータ信号S163を一時蓄積する。そして、上り信号送信部70からの読み出し指示に従って、蓄積した上りデータ信号を出力する(図中、矢印S172で示す。)。
【0053】
加入者側制御部80は、制御信号読取手段82と、制御信号生成手段84を有している。制御信号読取生成手段82は、下り信号受信部66から受け取った、下り制御信号S166に記載された情報、ここでは、帯域許可情報を読み取る。制御信号生成手段84は、上りデータ信号バッファ部72に蓄積されているデータの量(キュー長)を読み取り、この情報を含む上り制御信号(図中、矢印S184で示す。)を生成して上り信号送信部70へ送る。
【0054】
上り送信時間制御手段86は、制御信号読取手段82が読み取った帯域許可情報に基づいて、上り信号送信部70に上り信号を送出するタイミングを指示する。
【0055】
上り信号送信部70は、上りデータ信号S172及び上り制御信号S184を時間多重して上り電気信号を生成し、この上り電気信号を電気−光変換して、上り光信号(図中、矢印S170で示す。)を生成する。上り信号送信部70は、この上り光信号S170を上り送信時間制御手段86からの指示に応じて、OLT20へ向けて出力する。
【0056】
光合分波器64は、上り光信号と下り光信号を合波及び分波する。光合分波器64は、光波長フィルタなどを用いて実現される。
【0057】
(電源制御方法)
図1〜4を参照して、電源制御方法について説明する。図2〜4は、それぞれ電源制御方法の第1〜3の構成例を説明するためのタイミングチャートである。図2〜4では、横軸に時間を取って示している。また、図2〜4では、ONU60−1とONU60−2の2つのONUと、OLT20を示している。
【0058】
OLT20は、各ONU60に対して下り制御信号を繰り返し送信する。各ONU60は、下り制御信号の受信に応答して、許可された帯域を使用して、上り制御信号及び上りデータ信号を送信する。ここでは、OLT20が、あるONU(ここでは、ONU60−1)から上り制御信号を受信してから、同じONU(ONU60−1)から再び上り制御信号を受信するまでの期間を1周期(DBA周期)として説明する。
【0059】
各ONU60からの上り光信号が衝突しないように、この一周期の期間の中で、各ONU60に帯域が割り当てられる。
【0060】
(電源制御方法の第1の構成例)
図2を参照して、電源制御方法の第1の構成例について説明する。
【0061】
ステップ10(以下、ステップをSで示す。)では、ONU60−1及びONU60−2は、ユーザ機器90から上りデータ信号を受信する。ここでは、第k(kは整数)番目の周期(以下、第k周期と称することもある。)において、ONU60−1が上りデータ1aをユーザ機器90から受信し、ONU60−2が上りデータ2aをユーザ機器90から受信したとする。このデータ1aのパケット長をRBW[k]とし、データ2aのパケット長をRBW[k]とする。
【0062】
次に、S20において、ONU60−1は、パケット長RBW[k]をキュー長として取得し、このキュー長を要求帯域としてOLT20に通知する。同様に、ONU60−2は、パケット長RBW[k]をキュー長として取得し、このキュー長を要求帯域としてOLT20に通知する。
【0063】
次に、S30において、OLT20は、各ONU60から要求帯域としてキュー長を受け取る。ここでは、ONU60−1から上り制御信号を受信してから次の上り制御信号を受信するまでの期間を割当周期としているので、OLT20は、第k周期において発生した上りデータについての要求帯域を、第k+1周期において受信する。
【0064】
次に、S40において、OLT20の帯域割当手段44は、各ONU60から受け取った要求帯域に基づいて、各ONU60に対して割り当てる帯域を計算する。この実施形態では、帯域割当手段44は、各ONU60からの要求帯域と、上り制御信号の受信に必要な帯域を、各ONU60に割当帯域として割り当てる。
【0065】
次に、S50において、OLT20の制御信号生成手段48は、S40において割り当てた割当帯域を各ONU60に通知する下り制御信号を生成し、下り信号送信部30を経てONUに送る。
【0066】
下り制御信号を受信したONUは、S60において、下り制御信号に含まれる割当帯域の情報から、上り信号を送信するタイミングを取得し、このタイミングで、上り制御信号及び上りデータ信号を送信する。この過程で各ONU60からOLT20に向けて送られる制御信号は、第k+2周期にOLT20で受信される。なお、第k+2周期にOLT20で受信される上り制御信号には、ONUが第k+1周期に、ユーザ機器90から受信した上りデータ1bについての要求帯域が含まれる。
【0067】
S70において、OLT20は、ONU60−1及びONU60−2から上り制御信号及び上りデータ信号を受信する。
【0068】
ここで、局側制御部40の給電制御手段46は、上り制御信号及び上りデータ信号の割当帯域に対応する期間を給電実行期間とし、割当周期中の、給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする給電制御信号S146を生成する。給電部26は、給電制御信号S146に応答して、給電の実行及び停止を切り換える。すなわち、給電部26は、給電実行期間では、上り信号受信部50に対して給電を行い、給電停止期間では、上り信号受信部50に対する給電を停止する。
【0069】
この光通信ネットワーク及び電源制御方法によれば、OLTがONUからの信号を受信する期間とONUからの信号を受信しない期間とを明確に区別することができる。これにより、給電停止期間において、上り信号受信部50に対する給電を停止することが可能になる。
【0070】
ONUからOLTに向けて送信される上り光信号は、光ファイバ等で大きく減衰してOLTに到達する。このため、上り信号受信部50の光−電気変換部52は、信号を大きく増幅する機能を有している。このように上り信号受信部50は、電力消費の大きい回路を備えて構成される。従って、上り信号受信部50、特に光−電気変換部52に対する給電の停止が、局側装置の低消費電力化に大きく貢献すると期待される。
【0071】
(電源制御方法の第2の構成例)
図3を参照して、電源制御方法の第2の構成例について説明する。
【0072】
S30までの過程は、図2を参照して説明した第1の構成例と同様なので説明を省略する。
【0073】
第2の構成例では、S42において、OLT20の帯域割当手段44は、各ONU60から受け取った要求帯域に基づいて、各ONU60に対して割り当てる帯域を計算する。この構成例では、帯域割当手段44は、各ONU60からの要求帯域をそのまま、各ONU60に割当帯域として割り当てる。また、割当周期から、割当帯域を差し引いた残りの帯域である残余帯域を各ONU60に対して、余剰帯域として割り当てる。余剰帯域の割り当ては、例えば各ONU60に対して、均等に行うことができる。ここでは、ONU60−1及びONU60−2に対する余剰帯域をEBW[k]及びEBW[k]としている。
【0074】
次に、S52において、OLT20の制御信号生成手段48は、S42において設定した割当帯域及び余剰帯域を各ONU60に通知する下り制御信号を生成し、下り信号送信部30を経てONUに送る。
【0075】
下り制御信号を受信したONUは、S62において、下り制御信号に含まれる割当帯域及び余剰帯域の情報から、上り信号を送信するタイミングを取得する。この例では、ONU60−1は、第k+1周期に、ユーザ機器90から上りデータ1bを受信している。この場合、ONU60−1は、上り制御信号として、余剰帯域を使用する旨の通知をOLT20に対して行う。なお、第k+1周期に受信して、バッファ部に格納されている上りデータ信号のパケット長が、余剰帯域よりも長い場合などは、要求帯域を合わせて、OLT20に通知しても良い。
【0076】
ここで各ONU60からOLT20に向けて送られる制御信号は、第k+2周期にOLT20で受信される。
【0077】
その後、S70において、ONUは、上り制御信号と、第k周期にONUが受信した上りデータ信号とを割当帯域を使用して送信する。また、S72において、ONU60−1は、第k+1周期にONU60−1が受信した上りデータ信号を余剰帯域を使用して送信する。
【0078】
S82において、OLT20は、ONU60−1及びONU60−2から上り制御信号及び上りデータ信号を受信する。OLT20は、上り制御信号及び上りデータ信号の割当帯域に対応する期間を給電実行期間とする。また、余剰帯域を設定したONUが余剰帯域を使用する旨の通知を行った場合は、この余剰帯域も給電実行期間とする。一方、割当周期中の、給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする。この給電実行期間及び給電停止期間の情報を有する給電制御信号S146は給電部26に送られる。
【0079】
給電部26は、給電実行期間では、上り信号受信部50に対して給電を行い。一方、給電停止期間では、上り信号受信部50に対する給電を停止する。
【0080】
この光通信ネットワーク及び電源制御方法によれば、OLTがONUからの信号を受信する期間とONUからの信号を受信しない期間とを明確に区別することができる。これにより、給電停止期間において、上り信号受信部50に対する給電を停止することが可能になる。また、この構成例では、帯域通知をした後に発生した上りデータ信号を、余剰帯域を使用して送信することができるので、上り信号の遅延を抑制することができる。
【0081】
(電源制御方法の第3の構成例)
S52までの過程は、図3を参照して説明した第2の構成例と同様なので説明を省略する。
【0082】
第3の構成例では、下り制御信号を受信したONUは、S64において、下り制御信号に含まれる割当帯域及び余剰帯域の情報から、上り信号を送信するタイミングを取得する。この例では、ONU60−1は、第k+1周期に、ユーザ機器90から上りデータ1bを受信している。この場合、ONU60−1は、上り制御信号として、余剰帯域を用いて送信する上りデータ信号のパケット長を余剰帯域使用量としてOLT20に通知する。なお、第k+1周期に受信して、バッファ部に格納されている上りデータ信号のパケット長が、余剰帯域よりも長い場合などは、要求帯域を合わせて、OLT20に通知しても良い。
【0083】
その後、ONUは、上り制御信号及び上りデータ信号を送信する。割当帯域において、第k周期にONUが受信した上りデータ信号を送信し、余剰帯域において、第k+1周期にONUが受信した上りデータ信号を送信する。
【0084】
ここで、各ONU60からOLT20に向けて送られる制御信号は、第k+2周期にOLT20で受信される。
【0085】
S82において、OLT20は、ONU60−1及びONU60−2から上り制御信号及び上りデータ信号を受信する。このとき、上り制御信号及び上りデータ信号の割当帯域に対応する期間を給電実行期間とする。また、余剰帯域を設定したONUが余剰帯域の使用情報として、パケット長の通知を行った場合は、この余剰帯域中のパケット長に対応する期間も給電実行期間とする。一方、割当周期中の、給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする。この給電実行期間及び給電停止期間の情報を有する給電制御信号S146は給電部26に送られる。
【0086】
給電部26は、給電実行期間では、上り信号受信部50に対して給電を行う。一方、給電停止期間では、上り信号受信部50に対する給電を停止する。
【0087】
この光通信ネットワーク及び電源制御方法によれば、OLTがONUからの信号を受信する期間とONUからの信号を受信しない期間とを明確に区別することができる。これにより、給電停止期間において、上り信号受信部50に対する給電を停止することが可能になる。また、第3の構成例では、帯域通知をした後に発生した上りデータ信号を、余剰帯域を使用して送信することができるので、第2の構成例と同様に、上り信号の遅延を抑制することができる。さらに、第3の構成例では、余剰帯域として設定した期間について、上り信号を受信しない期間を給電停止期間として給電を停止する。このため、第2の構成例に比べて、省電力化ができる。
【符号の説明】
【0088】
10 光通信ネットワーク(PON)
12 上位ネットワーク
14 光スプリッタ
20 局側装置(OLT)
22、62 インタフェース変換部(I/F)
24、64 光合分波器
26 給電部
30 下り信号送信部
32 下り信号多重部
34 電気−光変換部(E/O)
40 局側制御部
42、82 制御信号読取手段
44 帯域割当手段
46 給電制御手段
48、84 制御信号生成手段
50 上り信号受信部
52 光−電気変換部(O/E)
54 上り信号分離部
60 加入者側装置(ONU)
66 下り信号受信部
70 上り信号送信部
72 上りデータ信号バッファ部
80 加入者側制御部
86 上り送信時間制御手段
90 ユーザ機器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの、前記局側装置であって、
前記加入者側装置から受信する上り光信号を上り電気信号に変換し、該上り電気信号を上りデータ信号と上り制御信号に分離する上り信号受信部と、
前記上り制御信号に基づいて給電制御信号を生成する局側制御部と、
前記給電制御信号に応答して、前記上り信号受信部への給電の実行及び停止を切り換える給電部と
を備えることを特徴とする局側装置。
【請求項2】
前記局側制御部は、
前記上り制御信号から、前記加入者側装置の要求帯域を読み取る制御信号読取手段と、
前記要求帯域に応じて、前記加入者側装置に対して割当帯域を設定する帯域割当手段と、
前記割当帯域に対応する期間を給電実行期間とし、前記給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする給電制御信号を生成する給電制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の局側装置。
【請求項3】
前記上り制御信号が、余剰帯域を使用するか否かを示す余剰帯域使用情報を含み、
前記帯域割当手段が、前記加入者側装置に対して、前記割当帯域に加えて余剰帯域を設定し、
前記給電制御手段は、前記割当帯域に対応する期間とともに、余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域を給電実行期間とする
ことを特徴とする請求項2に記載の局側装置。
【請求項4】
前記余剰帯域使用情報が、さらに余剰帯域使用量を含み、
前記給電制御手段は、前記割当帯域に対応する期間とともに、前記余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域のうち、前記余剰帯域使用量に対応する期間を給電実行期間とする
ことを特徴とする請求項3に記載の局側装置。
【請求項5】
1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークであって、
前記局側装置が、
前記加入者側装置から受信する上り光信号を上り電気信号に変換し、該上り電気信号を上りデータ信号と上り制御信号に分離する上り信号受信部と、
前記上り制御信号に基づいて給電制御信号を生成する局側制御部と、
前記給電制御信号に応答して、前記上り信号受信部への給電の実行及び停止を切り換える給電部と
を備えることを特徴とする光通信ネットワーク。
【請求項6】
前記局側制御部は、
前記上り制御信号から、前記加入者側装置の要求帯域を読み取る制御信号読取手段と、
前記要求帯域に応じて、前記加入者側装置に対して割当帯域を設定する帯域割当手段と、
前記割当帯域に対応する期間を給電実行期間とし、前記給電実行期間以外の期間を給電停止期間とする給電制御信号を生成する給電制御手段と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の光通信ネットワーク。
【請求項7】
前記加入者側装置は、
余剰帯域を使用するか否かを示す余剰帯域使用情報を含む前記上り制御信号を生成し、
該上り制御信号を含む上り光信号を前記局側装置に送信し、
前記余剰帯域を使用する場合は、前記割当帯域及び余剰帯域を使用して上りデータ信号を含む上り光信号を前記局側装置に送信し、
前記局側装置では、
前記帯域割当手段が、前記加入者側装置に対して、前記割当帯域に加えて前記余剰帯域を設定し、
前記給電制御手段が、前記割当帯域に対応する期間とともに、余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域を給電実行期間とする
ことを特徴とする請求項6に記載の光通信ネットワーク。
【請求項8】
前記余剰帯域使用情報が、さらに余剰帯域使用量を含み、
前記給電制御手段は、前記割当帯域に対応する期間とともに、前記余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域のうち、前記余剰帯域使用量に対応する期間を給電実行期間とする
ことを特徴とする請求項7に記載の光通信ネットワーク。
【請求項9】
1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの前記局側装置の電源制御方法であって、
前記加入者側装置が、第k(kは整数)周期において発生した上りデータ信号に対応する要求帯域を、前記局側装置に通知する過程と、
前記局側装置が、前記要求帯域に基づいて、前記加入者側装置に対して割当帯域を設定する過程と、
前記局側装置が、第k+2周期における前記割当帯域を前記加入者側装置に対して通知する過程と、
前記加入者側装置が、前記第k周期において発生した上りデータ信号を、前記第k+2周期において前記局側装置が受信するように送信する過程と
を備え、
前記局側装置が、前記第k+2周期の、前記割当帯域に対応する期間を給電実行期間として、当該局側装置が備える上り信号受信部への給電を実行し、前記第k+2周期の前記給電実行期間以外の期間を給電停止期間として、前記上り信号受信部への給電を停止する
ことを特徴とする電源制御方法。
【請求項10】
1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの前記局側装置の電源制御方法であって、
各前記加入者側装置が、第k(kは整数)周期において発生した上りデータ信号に対応する、要求帯域を前記局側装置に通知する過程と、
前記局側装置が、前記要求帯域に基づいて、前記加入者側装置に対して割当帯域を設定するとともに、余剰帯域を設定する過程と、
前記局側装置が、第k+2周期における前記割当帯域及び余剰帯域を前記加入者側装置に対して通知する過程と、
第k+1周期において発生した上りデータ信号がある場合は、前記加入者側装置が、前記局側装置に余剰帯域を使用する通知を行う過程と、
前記加入者側装置が、前記第k周期において発生した上りデータ信号を、前記割当帯域を使用し、及び、前記第k+1周期において発生した上りデータ信号を、前記余剰帯域を使用して、前記第k+2周期において前記局側装置が受信するように送信する過程と
を備え、
前記局側装置が、前記第k+2周期の、前記割当帯域に対応する期間と余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域に対応する期間とを給電実行期間として、当該局側装置が備える上り信号受信部への給電を実行し、前記第k+2周期の、前記給電実行期間以外の期間を給電停止期間として、前記上り信号受信部への給電を停止する
ことを特徴とする電源制御方法。
【請求項11】
1つの局側装置が、複数の加入者側装置に接続されて構成される光通信ネットワークの前記局側装置の電源制御方法であって、
前記加入者側装置が、第k(kは整数)周期において発生した上りデータ信号に対応する、要求帯域を前記局側装置に通知する過程と、
前記局側装置が、前記要求帯域に基づいて、前記加入者側装置に対して割当帯域を設定するとともに、余剰帯域を設定する過程と、
前記局側装置が、第k+2周期における前記割当帯域及び余剰帯域を前記加入者側装置に対して通知する過程と、
第k+1周期において発生した上りデータ信号がある場合は、前記加入者側装置が、前記局側装置に余剰帯域使用量の通知を行う過程と、
各前記加入者側装置が、前記第k周期において発生した上りデータ信号を、前記割当帯域を使用し、及び、前記第k+1周期において発生した上りデータ信号を、前記余剰帯域を使用して、前記第k+2周期において前記局側装置が受信するように送信する過程と
を備え、
前記局側装置が、前記第k+2周期の、前記割当帯域に対応する期間とともに、前記余剰帯域を使用する加入者端末の当該余剰帯域のうち、前記余剰帯域使用量に対応する期間を給電実行期間として、当該局側装置が備える上り信号受信部への給電を実行し、前記第k+2周期の、前記給電実行期間以外の期間を給電停止期間として、前記上り信号受信部への給電を停止する
ことを特徴とする電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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