屈曲搬送装置
【課題】搬送物を確実活安全に搬送でき、小型化も容易な屈曲搬送装置を提供する。
【解決手段】平行配置された一対の軸受けフレーム間に多数のローラが回動自在に軸支されてなる直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、直線搬送路の沿線両側に配置されるガイドプレートとを備え、ローラのシャフト先端が軸受けフレームを貫通し、無担ベルトがその先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、屈曲搬送路の屈曲部は直線搬送路の先端同士が直交するように連結されてなり、一方の直線搬送路の先端に短小な連結用ローラを所定本数軸支している内側の軸受けフレームに他方の直線搬送路の先端が密接し、屈曲部では、シャフトが外側の軸受けフレームより突出し、軸受けフレームの上面が搬送路面の高さにほぼ一致し、ガイドプレートには円弧状のR部が形成されて所定幅の搬送路面を露出させる屈曲搬送装置としている。
【解決手段】平行配置された一対の軸受けフレーム間に多数のローラが回動自在に軸支されてなる直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、直線搬送路の沿線両側に配置されるガイドプレートとを備え、ローラのシャフト先端が軸受けフレームを貫通し、無担ベルトがその先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、屈曲搬送路の屈曲部は直線搬送路の先端同士が直交するように連結されてなり、一方の直線搬送路の先端に短小な連結用ローラを所定本数軸支している内側の軸受けフレームに他方の直線搬送路の先端が密接し、屈曲部では、シャフトが外側の軸受けフレームより突出し、軸受けフレームの上面が搬送路面の高さにほぼ一致し、ガイドプレートには円弧状のR部が形成されて所定幅の搬送路面を露出させる屈曲搬送装置としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットで構成されて、直角に方向転換しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した屈曲搬送装置の従来例について、その屈曲搬送装置の基本構成となる搬送ユニットの搬送構造400の一例を図11(A)の平面図と図11(B)の側面図にして示した。また、図12に従来の屈曲搬送装置における屈曲搬送路の平面図を示した。ここに示した従来例では、直線搬送路(403a〜403c)を備えた3台の搬送ユニットから構成されて、U字状に屈曲搬送路500が形成された屈曲搬送装置を示している。図11に示すように、従来の搬送ユニットにおける搬送構造400では、2組のチェーン430が互いに平行となるように搬送方向402に沿って走行しているとともに、それぞれのチェーン430のプレート間にローラ410が軸支されることで搬送路403が形成されている。それぞれのチェーン430は、モータなどの駆動装置などによって回動するスプロケット413に掛け渡されており、それによって、ローラ410自体がチェーン430の走行に伴って搬送方向に移動し、搬送路403上の物品(搬送物)が搬送されるようになっている。
【0003】
そして、この搬送ユニット400を複数台用いて屈曲搬送装置を構成するためには、図12に示したように、直線搬送路(403a〜403c)が屈曲搬送路500の直線部分を構成するように各搬送ユニットを配置し、屈曲部分450に、例えば、この図のようにターンテーブル460などの補助的な搬送装置を設置したり、スイングするアームなどによって搬送物を押し出すような他の機構を設けたりして、搬送物を上流の直線搬送路(403a,403b)から下流の直線搬送路(403b,403c)へ受け渡す(乗り渡す)ようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の屈曲搬送装置では、屈曲搬送路における屈曲部にターンテーブルなどの補助的な搬送装置(補助装置)を設置する必要があり、その補助装置に余分なコストがかかる。しかも、ターンテーブルなど、駆動源が別途必要な補助装置を使用すれば、ランニングコストも高いものになる。また、補助装置を設置するための面積が必要となり、床面積が限られる工場などでは、搬送装置の設置台数が少なくなり、生産効率を悪化させる。さらに、図11に示したような搬送構造400では、搬送路403の両側にスプロケット413やチェーン430が配置されているので、図12に示しように、二つの搬送ユニットの直線搬送路(403a,403b、または403b,403c)を、その先端同士が直角となるように配置して屈曲部450を形成する際、当該直角の内側の角(かど)470で双方の直接搬送路(403a,403b、または403b,403c)を近接させることができない。そのため、直線搬送路(403a〜403c)の両側にも広いスペースが必要となり、屈曲搬送装置全体の小型化が困難となる。
【0005】
また、搬送ユニット400の搬送路403とターンテーブル間の乗り渡しにおいても問題が多い。具体的には、図13の(A)と(B)のそれぞれに示した平面図と側面図のように、直線搬送路(403a,403b)の先端では、ローラ410側面の直線形状に対して、ターンテーブル460の端面は円弧となる。そのため、直線と円弧を埋める部分480に乗り渡し板490を介在させる必要がある(A)。しかも、実際には、(B)に示すように、直線搬送路403の端部は、チェーン430がスプロケット413に案内されてUターンしているため、このUターンする部分では、搬送路面上のローラ411と末端のローラ412との間にさらに大きな前後距離dと高低差Δhが生じることになる。したがって、この前後距離dも含めた長い距離に渡って乗り渡し板(斜線部分)490を介在させる必要がある。
【0006】
なお、この板490の上では搬送物は自動で搬送されず、上流側の直線搬送路403aによる慣性で乗り板490上を移動したり、他の搬送物に後押しされたりすることになる。しかし、乗り渡し板490が長いと、この乗り渡し板490が途中で歪み、直線搬送路403aの面と乗り渡し板470の上面、あるいはターンテーブル460と乗り渡し板490との間に段差が生じる可能性がある。この段差に搬送物が引っ掛かれば下流に搬送物が移動せず、生産ラインであれば、下流での次工程が一次的に中断することになる。段差に衝突して搬送物が損傷したり、落下したりする可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、設置スペースや設備投資に係るコストを削減でき、搬送物の乗り渡しに際しても高い信頼性を有する屈曲搬送装置を提供することを目的としている。
【0008】
そして、本発明は、直角に屈曲しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置であって、
直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、前記屈曲搬送路の沿線を形成して搬送物を案内するためのガイドプレートとを備え、
各搬送ユニットの直線搬送路は、当該搬送路を横断する方向に軸方向を有する多数のローラが、当該搬送路の両側に平行配置された一対の軸受けフレーム間に回動自在に軸支されてなり、
前記ローラは、中空筒状の外筒部の内側にシャフトが同軸に挿通されてなり、
前記シャフトは、少なくとも一方の軸受けフレームを貫通して当該フレームの外側に先端が突出するとともに、当該先端にプーリーが同軸にして嵌着され、
前記プーリーには、駆動手段により循環駆動される無端ベルトが架け渡され、
前記屈曲搬送路の屈曲部では、2台の前記搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路の先端同士が直交するように連結され、
前記屈曲部における前記それぞれの直線搬送路の一方の先端側は、前記屈曲部の直角内角側の軸受けフレームが外角側の軸受けフレームに近接配置されて直線搬送路の幅が狭小となり、
前記直線搬送路の一方の先端側には前記狭小な幅に応じた連結用ローラが軸支されるとともに、当該連結用ローラのシャフトは前記外角側の軸受けフレームから突出し、
前記直線搬送路の一方において、前記連結用ローラが軸支されている前記内角側の軸受けフレームと、当該連結用ローラに隣接するローラとによって形成される略L字状の角に、他方の直線搬送路の先端内角側が密接し、当該密接領域における前記二つの直線搬送路のそれぞれの内角側の軸受けフレームの上面は搬送路面の高さにほぼ一致し、
前記他方の直線搬送路の内角側の軸受けフレームにおいて、前記角に密接している領域では、軸支されている屈曲ローラのシャフトが外角側の軸受けフレームから突出し、
前記ガイドプレートは、前記複数台の搬送ユニットの直線搬送路の上面に配置され、前記屈曲部では、前記沿線を円弧状のR部で連続させて前記直線搬送路の路面を所定の幅で露出させるとともに、当該屈曲部のほぼ中央にて前記略L字状の角を露出させる屈曲搬送装置としている。
【0009】
前記シャフトは、前記外筒部の中空筒内に遊嵌され、前記ローラは、前記シャフトが当該中空筒内の内面との摩擦によって前記外筒部を回転させることで回転するとともに、当該回転が外力によって停止させられた際には、前記シャフトが外筒部内で摺動しつつ空転する屈曲搬送装置とすることもできる。
【0010】
なお、前記屈曲搬送路において、前記ガイドプレートの前記R部の円弧の始点から終点までの搬送路面を構成するローラについては、シャフトが該当部内で空転せず、当該外筒部の中空筒内に固定されていることとしてもよい。
【0011】
上記何れかの屈曲搬送装置において、前記ローラは、前記屈曲搬送路の始端および終端で当該搬送路の幅にほぼ一致する長さとなり、前記連結用ローラにおいて最短の長さとなり、前記R部の円弧の始点から終点までは、屈曲搬送路の路面を形成する長さに調整されていることとしてもよい。
【0012】
前記外筒部は、同軸に配置された所定長の中空筒状の単位ローラによって構成されるとともに、前記ローラは、同一のシャフトに挿通される単位ローラの数によって長さが調整される屈曲搬送装置とすることもできる。
【0013】
前記屈曲部は、上流から下流に向かって一方向にのみ屈曲し、前記シャフトは、前記外側の軸受けフレームのみから突出する屈曲搬送装置とすることもできる。なお、当該屈曲搬送装置では、無端ベルトは、プーリーの下に架け渡されていればより好ましい。
【0014】
前記屈曲搬送路には3台の搬送ユニットの直線搬送路によってクランク状に屈曲するクランク部を含む屈曲搬送装置とすることもでき、
当該クランク部を含む屈曲搬送装置は、前記3台の搬送ユニットの上流から2台目の搬送ユニットにおいて、直線搬送路の一端に前記連結用ローラが軸支され、他端に前記屈曲用ローラが軸支されるとともに、前記連結用ローラのシャフトが突出する側に架け渡さされる第1の無端ベルトと前記屈曲用ローラのシャフトが突出する側に架け渡される第2の無端ベルトと、前記一対の軸受けフレームの両側にシャフトが突出する駆動ローラとを備え、
前記第1および第2の無端ベルトの一方のベルトは、前記駆動手段により直接循環駆動されるとともに、前記駆動ローラのシャフトの一方の先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、他方のベルトは、前記駆動ローラの他方の先端の嵌着されたプーリーに架け渡されて前記駆動手段により間接的に循環駆動されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の屈曲搬送装置によれば、装置の小型化を達成して設置スペースを節約することができるとともに、補助装置を用いずに確実に搬送物を搬送することができる。それによって、装置自体に係るコストを大幅に削減できるとともに、搬送に際して高い信頼性を確保することができる。なお、本発明における他の効果や、具体的な効果については、本明細書における以下の記載から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
===搬送ユニットの基本構造===
まず、本発明の主要構成である搬送ユニットについて、その基本構造を説明する。図1に当該搬送ユニットの外観図を示した。例示した搬送ユニット1では、搬送方向2に直交する方向に軸方向を有して搬送方向2に沿って平行に並べられた多数のローラ10が、搬送方向2に沿って平行に延長する2本のフレーム(軸受けフレーム:20a,20b)に穿設された軸孔21によって回動自在に軸支されて直線搬送路3が形成されている。
【0017】
図2に図1におけるa−a矢視断面図を示した。ローラ10は、中空円筒状の硬質樹脂からなる外筒部11と、その外筒部11の中空円筒内に挿通された金属製のシャフト12とから構成され、このシャフト12がローラ10の回転軸としてガイドフレーム(20a,20b)の軸孔21に軸支されている。そして、シャフト12の左右の何れか一方の端部12aは、一方のガイドフレーム20bを貫通し、搬送路3の外側に突出し、この突出したシャフト12の先端12aにプーリー13が嵌着されている。この例では、全てのシャフト12が同じガイドフレーム20bから突出している。
【0018】
各プーリー13には、モータ50により循環駆動される無端ベルト30が架け渡されており、このベルト30の走行に伴って各プーリー13が回転する。そして、このプーリー13と同軸にして嵌着されているシャフト12、すなわちローラ10が回転する。なお、ここに示した搬送ユニット1では、ベルト30は歯付ベルトであり、プーリー13はギアとなっている。また、ベルト30は、歯が上を向くようにプーリー13の下側に架け渡され、ベルト30の下側には、ガイドローラ14が、シャフト12と平行な回転軸を有して回動自在に軸支されている。そして、ベルト30は、プーリー13とガイドローラ14とによって挟持されつつ、プーリー13に押し当てられながら走行する。それによって、ベルト30の動力が確実にプーリー13に伝達されるようになっている。なお、ベルト30は、搬送路3の前後両端で、ベルト30の逸脱を防止するためのフランジ15を備えたガイドローラ(14a,14b)によってUターンされ、モータ50の出力軸に取り付けられたプーリー16に掛け渡されることで循環駆動される。
【0019】
===搬送ユニットの特徴===
上記搬送ユニット1は様々な特徴を有している。例えば、ベルト駆動方式を採用することで、騒音や振動を少なくして安定して搬送物を搬送することできるとともに、優れた保守性を備えている。具体的には、チェーンとスプロケットのように噛み合わされる構造ではないので、安全に保守が行えることはもちろん、搬送路3の外側でベルト30がプーリー13に架け渡されているため、ベルト30の交換などに際し、ガイドフレーム(20a,20b)やローラ10を取り外して搬送路3を分解しなくても、ベルト30を取り外すことができる、という特徴がある。
【0020】
また、プーリー13は、シャフト12の先端に嵌着されているので、ローラ10をガイドフレーム(20a,20b)に軸支させたままの状態でプーリー13のみを取り外すこともでき、また、ここに示した搬送ユニットでは、ベルト30がプーリー13の下側に架け渡されているため、プーリー13やローラ10を交換する際に、ベルト30を架け直す作業も不要となる。
【0021】
しかし、本発明の屈曲搬送装置を構成する上で、上記構造の搬送ユニット1の最も重要な特徴は、搬送路間における搬送物の乗り渡し容易性にある。この乗り渡し容易性は、ローラ10と同軸のプーリー13をベルト30によって回転駆動させる、という駆動方式と、プーリー13が嵌着されるシャフトが搬送路3の一方から突出する、という搬送路3に関わる構造によってもたらされる。
【0022】
具体的には、ローラ10より小さな径のプーリー13を使うことが可能となり、ベルト30がUターンする際にそのベルト30が描く円弧を搬送路3の始端や終端より内側にすることができる。それによって、直線搬送路3は、始端から終端に渡ってローラが敷き詰められた状態となり、直線搬送路3の全長のすべてを無駄なく搬送のために利用することができる。このような構造により、例えば、2台の搬送ユニットを直線状に配置した場合、相互の直線搬送路を段差なく連続させることができる。
【0023】
また、シャフト14が貫通されていない側の軸受けフレーム20aは、シャフト14を軸支する機能だけあればよいので、先の図2に示したように、その厚さtを薄くすることができる。そして、例えば、搬送ユニット1において、直線搬送路3のベルト30が掛け渡されていない側面22では、搬送ユニット1と他の装置などとを密着させることができる。さらに、軸受けフレーム(20a,20b)の上面とローラ10による搬送路面とを同じ高さhにすることもできる。それによって、例えば、図3に示したように、2台の搬送ユニット(1a,1b)のそれぞれの直線搬送路(3a,3b)を平行(あるいは直交)させるように密着させても双方の搬送路(3a,3b)間に段差や障害物がないので、一方の搬送路3aから他方の搬送路3bへ搬送物80を乗り渡す場合でも、搬送物80を搬送先の搬送路3bへ押し出して搬送路面上を滑らせながら平行移動させるだけでよい。
【0024】
===第1の実施例===
本発明の屈曲搬送装置は、上述した搬送ユニット1の構造に由来する特徴を活用し、複数の搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路を補助装置を用いずに直接連結して屈曲搬送路を構成している。図4に本発明の第1の実施例における屈曲搬送装置100の外観図を示した。当該搬送装置100は、搬送方向102に従って上流から下流へ向かう途上で直角に方向転換しながら屈曲する搬送路(屈曲搬送路)103を備えている。
【0025】
屈曲搬送路103は、3台の搬送ユニット(101a〜101c)のそれぞれにおける直線搬送路(103a〜103c)がコの字型となるように連結されることで形成されている。また、コの字型に連結された3本の直線搬送路(103a〜103c)の上面には搬送物が搬送路から逸脱するのを防止するために、搬送方向102に向かって両側にそれぞれガイドプレート(104,105)が取り付けられている。このガイドプレート(104,105)は、直線搬送路(103a〜103c)の路面を露出させつつ、屈曲搬送路103の沿線を縁取る。直線搬送路(103a〜103c)同士が連結する部分では直線状の沿線を2重の円弧の内周と外周を形成するR部(106,107)で連続させて屈曲搬送路103における屈曲部150を形成している。このようにして、屈曲搬送路103は、ガイドプレート(104,105)によって、2重輪郭線を有する略U字状に形成されている。
【0026】
また、各搬送ユニット(101a〜101c)のベルト130は、U字状の屈曲搬送路103の外側となるように配置されるように架け渡されており、主な保守作業は広いスペースを確保できるU字状の外側で行えるようにし、U字状の内側の狭いスペースでの保守機会を可能な限り少なくさせている。さらに、図1に示した搬送ユニット1と同様にプーリーの下側にベルト130が架け渡されており、より優れた保守容易性を達成している。なお、図4に示した屈曲搬送装置100aでは、プーリーとベルト130が架け渡される部分に、安全のためのカバー108が取り付けられている。
【0027】
以上説明したように、第1の実施例の屈曲搬送装置100のU字状の屈曲搬送路103における3つの直線部分は、それぞれ、個別の搬送ユニット(101a〜101c)の直線搬送路(103a〜103c)で構成されている。そして、この第1の実施例の屈曲搬送装置100は、上述した搬送ユニット1が備える各種特徴によって、屈曲搬送路103の屈曲部150に方向転換用の装置や機構を設けることなく搬送のための駆動力を確保することができるようになっている。また、搬送路103を屈曲させるために要するスペースはもちろん、装置100全体の設置スペースも極めて小さくできるようになっている。なお、この第1の実施例では、三つの直線搬送路(103a〜103c)によって構成されるU字状の屈曲搬送路103の搬送方向は、便宜上、図示したU字の左の端点103Lを始端とした反時計回りとしているが、実際にはU字の二つの端点(103L,103R)に上流と下流の区別はなく、ベルトの循環方向によって、始端あるいは終端のどちらにもなり得る。
【0028】
===屈曲搬送路の構造===
図5に第1の実施例の屈曲搬送装置100における屈曲搬送路103の全体構造を示した。この図では、3台の搬送ユニット(101a〜101c)のそれぞれにおける直線搬送路(103a〜103c)の配置と連結構造を示している。また、図6に、屈曲部150における直線搬送路(103a,103b)同士の連結構造(A)と、当該(A)において円190にて示した要部の拡大図(B)を示した。屈曲搬送路103の屈曲部150では、2台の前記搬送ユニット(101aと101b、101bと101c)のそれぞれの直線搬送路(103aと103b、103bと103c)の先端同士が直交するように連結されている。
【0029】
具体的には、図6に示すように、搬送方向102の上流側の直線搬送路103aにおける屈曲方向側の軸受けフレーム120a、すなわち、二つの直線搬送路(103a,103b)の交差角度である直角の内角側の軸受けフレーム(内側フレーム)120aは、直線搬送路103aの全長に渡って連続する一本ではなく、先端側に個別の内側フレーム(連結用フレーム)122aが外角側の軸受けフレーム(外側フレーム)121aに近接するように配置されて、当該連結用フレーム122aが配置された領域では、直線搬送路103aの幅が狭くなっている。また、この例では、連結用フレームと搬送路103の始端側の内側フレーム(末端フレーム)124aとの間に、外側フレームより離間するように配置された中間フレーム123aが配置されている。
【0030】
そして、連結フレーム122aが配置されている領域では、狭くなっている直線搬送路103の幅に合わせて長さが短いローラ(連結用ローラ)111aが所定本数(この例では長さW2の連結用ローラが5本)軸支されている。それによって、連結用ローラ111aが軸支されている連結用フレーム121aと当連結用ローラ111aに隣接するローラ(長さW3>W2のコーナー用ローラ)112aとによって略L字状の角(コーナー)160が形成され、このコーナー160に他方の直線搬送路103bの先端内角側が密接している。また、連結用フレーム122aの上面および他方の直線搬送路103bの内側フレーム120bにおいてコーナー用ローラ112aに密接する部分122bの上面は、ローラによる直線搬送路の路面の高さとほぼ一致している。もちろん、コーナー用ローラ112aと他方の直線搬送路103bの先端のローラ111bは、連結相手側の直線搬送路(103b,103a)の内側フレーム(120b,120a)と回転可能な程度の間隙を有して密接しているものとする。
【0031】
なお、シャフトについては、前記コーナー160において二つの直線搬送路(103a,103b)が密接している領域に含まれるローラ(111a,114b)のシャフトが外側フレーム(121a,121b)から突出していればよく、一律に同じ方向に突出していなくてもよい。言い換えれば、一方の直線搬送路103aの連結用フレーム122aに軸支されている連結用ローラ111aのシャフトと、他方の直線搬送路103bの内側フレーム120bにおいて、前記コーナー160に密接している領域122bに軸支されているローラ(屈曲用ローラ:111b,112b)のシャフトについては、それぞれの直線搬送路(103a,103b)の外側フレーム(121a,121b)から必ず突出させる必要がある。
【0032】
次に、屈曲搬送路103を構成するもう一つの構成要件であるガイドフレーム(104,105)について説明する。ガイドフレーム(104,105)は、前記複数台の搬送ユニット(101a〜101c)の直線搬送路(103a〜103c)の上面に配置され、所定の幅を維持して延長する屈曲搬送路103の沿線を形成する。そして、搬送物が搬送路103外に逸脱するのを防止するとともに、搬送物を搬送路103に沿って円滑に案内する機能を備えている。そのために、屈曲部150では、沿線の直線部分を円弧状のR部(106,107)で連続させて、2重の1/4円弧を形成している。また、当該2重円弧の中心153や始点151および終点152の位置は、上記略L字状のコーナー160の頂点161部分が搬送路103における幅方向の中央で露出し、前記コーナー160が屈曲部150を形成する搬送路面のほぼ中央で露出するように設定されている。
【0033】
そして、第1の実施例を含む本発明の屈曲搬送装置100では、上記した屈曲搬送路103の構造により、その屈曲部150において、一方の搬送ユニット101aの直線搬送路103aによってある方向に搬送されてきた搬送物が、ガイドプレート(104,105)の円弧状R部(106,107)により、直交する次の直線搬送路103bの延長方向に案内される。そして、このとき、2本の直線搬送路(103a,103b)が交差するコーナー部分(160)が屈曲部150の中央に位置し、当該屈曲部150の領域にある内側フレーム(122a,122b)の上面が搬送路面とほぼ同じ高さなので、屈曲部150を通過する搬送物は、内側フレーム(122a,122b)の上面を滑りながら軸方向が直交する次の直線搬送路103bに円滑に乗り移ることができる。
【0034】
===第2の実施例===
上記第1の実施例では、U字状の屈曲搬送路103を備えた屈曲搬送装置100を例示した。もちろん、L字や上記U字のように同じ方向にのみ屈曲する屈曲搬送路に限らず、クランク状に屈曲する屈曲搬送路も考えられる。そこで、クランク状の屈曲搬送路を備えた屈曲搬送装置を第2の実施例として、その搬送路の構造を図7に例示した。この第2の実施例においても、実際には、屈曲搬送路203に上流と下流の区別はないが、図7では、便宜上、3台の搬送ユニット(201a〜201c)の直線搬送路(203a〜203c)が、所定の搬送方向202の上流から下流に向かって順番に交互に異なる方向に延長するように連結されている例を示した。
【0035】
第2の実施例の屈曲搬送装置200では、クランク状の屈曲搬送路203の始端側と終端側にある搬送ユニット(201a,201c)では、ローラのシャフトを一律に同じ方向に突出してその先端に嵌着されたプーリー(214a,214c)に同じベルト(230a,230c)を架け渡すことができる。しかし、クランクの中間部分に位置する搬送ユニット201bでは、直線搬送路203bの両端に屈曲方向がそれぞれ異なる直線搬送路(203a,203c)が連結されるため、一律に同じ方向にシャフトを突出させて1本のベルトを架け渡すことができない。そこで、直線搬送路203bの上流側端部の屈曲用ローラ212と下流側端部の連結用ローラ213とでシャフトの突出方向を逆にして、屈曲部250の内角側方向にシャフトが突出しないようにしている。そして、二つのベルト(231、232)をシャフトの突出方向に応じて個別に架け渡している。
【0036】
なお、それぞれの方向に突出させたシャフトの先端に嵌着されたプーリー(214〜216,217〜219)にそれぞれ架け渡されるベルト(231,232)は、個別のモータで駆動してもよいが、第2の実施例では、一つのモータで駆動できる方式を採用し、屈曲搬送装置200の小型軽量化と省電力化とを達成している。図8に当該駆動方式についての概略図を示した。(A)は、上方からの見た直線搬送路203bの一部平面図であり、(B)は(A)におけるb−b矢視断面である。この駆動方式では、直線搬送路203bの途中に一対の軸受けフレーム(221,222)の両側からシャフト223が突出するローラ(駆動ローラ)211を備え、その両端にプーリー(216,217)が嵌着されている。そして、この例では、直線搬送路203bの上流側の屈曲用ローラ212のシャフトが突出する側に架け渡さされるベルト(主ベルト)231がモータによって直接循環駆動される。そして、この主ベルト231は、屈曲用ローラ212から駆動用ローラ211までの各プーリー(214〜216)に架け渡されている。
【0037】
一方、下流側端部にて連結用ローラ213のシャフトが突出する側に架け渡されるベルト(副ベルト)232は、駆動ローラ211から連結用ローラ213のシャフトに嵌着されたプーリー(217〜219)に架け渡される。それによって、主ベルト231がモータにより直接循環駆動されて駆動ローラ211を駆動し、その駆動ローラ211が副ベルト232を循環駆動させる。なお、副ベルト232は駆動ローラ211と同軸のプーリー217に駆動されて少なくとも連結用ローラ213を回転させればよく、他のローラ220は、シャフトを主ベルト231側に突出させ、その主ベルト231によって回転されるようにしてもよい。また、主ベルト231の架け渡し領域において、先端の屈曲ローラ212とは反対側の端部のローラを駆動ローラ211にせず、主ベルト231が架け渡されている領域の途中のプーリーを駆動ローラ211用のプーリーにしてもよい。
【0038】
===屈曲搬送路と直線搬送路の幅について===
直線搬送路の幅は、屈曲搬送路の屈曲部でもローラが路面に存在するように、屈曲搬送路の幅より広くする必要がある。しかし、屈曲搬送路の全経路に渡って同じ幅で直線搬送路の幅を広くすると、例えば、第1の実施例では、U字に囲まれた内側の面積が狭くなり、この場所に他の装置などを設置することが困難となる。第2の実施例においても、一律に同じ幅にすれば、装置自体の設置面積が増大する。そこで、上記各実施例の屈曲搬送装置では、所定の幅の屈曲搬送路に対し、内側フレームを分割して配置することで直線搬送路の幅を経路の途上で適宜に変えている。それによって、装置の小型化を達成している。
【0039】
例えば、第1の実施例では、図5、図6に示したように、屈曲搬送路103の始端103Lや終点103Rでは、ローラ(図6:符号110a)の長さを屈曲搬送路の幅(基準長)W1に一致させている。そして、屈曲部150の出入り口となるR部(106,107)を形成する円弧の始点151と終点152では、ローラ(113a、114b)の長さを適宜に調整して屈曲部150においてローラ(113a、113b、114b)が形成する路面に「欠け」ができないようにしている。具体的には、図6に示したように、屈曲部150では、略L字状のコーナー160を形成するために一方の直線搬送路103aで長さが最短W2の連結用ローラ111aを軸支するとともに、二つの直線搬送路(103a,103b)における少なくともR部の始点151から終点152までに含まれる連結ローラ111a以外のローラ(112a,113a,111b,112b,110b)についてはローラの長さを最長W3とすることで搬送路面に「欠け」ができないようにしている。
【0040】
===ローラの長さ調整について===
上述したように、曲線搬送路の途上でローラの長さを変えたり、搬送物の大きさや、屈曲部のRの半径などに応じてローラの長さを変えたりする場合、それら種々の長さのローラを全て用意すると、汎用性に乏しく、製造コストや調達コストが嵩む。そこで、上記各実施例では、図9に示すように、所定の長さの短小なローラ(単位ローラ)312を複数個同軸に配置してローラ310の外筒部311を構成するとともに、その複数個の単位ローラ312にシャフト313を挿通して1本のローラ310を構成している。それによって、長さが異なるシャフト313だけを用意しておけば、単位ローラ312の数を適宜に増減するだけで、ローラ310の長さを簡単にかつ低コストで変えることができる。なお、上記各実施例では、単位ローラ312の数をそれぞれ6個、8個、5個とすることで、基準長W1、最短W2、最長W3の各長さのローラを得ている。
【0041】
===方向性のある搬送物について===
工場の生産ラインなどでは、搬送中の搬送物を一定の方向に向けたまま維持したい場合がある。例えば、人が手に取る箇所(把手など)が決まっている部品を搬送路から取り上げ、手元に用意してある別の部品に組み付ける工程では、その把手などが搬送路の脇で作業する人の方にいつも向いている方が生産効率が上がるし、安全性も高い。
【0042】
本発明の屈曲搬送装置では、屈曲搬送路における直線部分が一定方向に回転するローラで構成されている。そのため、直線搬送路ではその搬送経路上で搬送物の方向を一定に維持することができる。また、屈曲部では、搬送物を、回転テーブルなどを用いずに次の直線搬送路に直接乗り渡しているとともに、二つの直線搬送路間をR部の円弧によって案内しているため、搬送路の幅と同程度の幅を有する部品を搬送する場合、この屈曲部においても搬送物の方向を円弧に対して一定に維持することができる。
【0043】
例えば、図10に示したように、第1の実施例に示したU字状の屈曲搬送路103で搬送物80を搬送する際、その搬送物80の所定の箇所81をU字の外側に向けて搬送する場合、直線搬送路(103a,103b)上を所定の向きで搬送されてきた搬送物80は、屈曲部150において、R部(106,107)の円弧に案内されて外側に向けるべき箇所81が外側の円弧107に対面したまま次の直線搬送路(103b,103c)に乗り渡され、搬送物80は、次の直線搬送路(103b,103c)でも所定の箇所81が外側方向を向いたまま搬送される。このように、本発明の屈曲搬送装置では、方向性のある搬送物を搬送路に対して一定の方向に向かせたまま搬送する用途にも適している。
【0044】
===滞留可能な搬送路について===
ローラは、中空円筒状の外筒部内にシャフトを挿通した構造となっているが、このシャフトは外筒部内に圧入されるなどして固定されている必要はない。上記各実施例では、シャフトは、外筒部内に遊嵌されている。すなわち、外筒部は、ベルトからの動力によって直接回転しているシャフトとの摩擦によって回転するようになっている。そのため、外筒部の回転を外力によって強制的に止めると、シャフトが外筒部内で空転する。すなわち、上記各実施例における屈曲搬送装置は、搬送路上を走行している搬送物を滞留させる機能を有している。もちろん、シャフトを外筒部に圧入して滞留機能がない屈曲搬送装置とすることもできる。
【0045】
また、シャフトが固定されたローラと遊嵌されたローラとを混在させ、例えば、生産ラインで、搬送物が移載される位置のローラのみを滞留可能とすれば、移載装置が搬送物を搬送路3に置いて開放するまで抵抗無く搬送物が滞留し、移載装置に大きな負荷か掛かることを防止することができる。あるいは、屈曲搬送路における屈曲部のR部の円弧の始点と終点の間で露出しているローラのみ、シャフトを固定してもよい、それによって、連結する二つの直線搬送路で相互に搬送物を乗り移す際、搬送物が確実に下流の搬送路に向かって移動し、屈曲部の途上で搬送物が滞留することがない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の屈曲搬送装置を構成する搬送ユニットの基本構造図である。
【図2】上記搬送ユニットにおける搬送路の断面図である。
【図3】上記搬送ユニットの搬送路同士を密接させた状態の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における屈曲搬送装置の外観図である。
【図5】上記屈曲搬送装置における屈曲搬送路の構造図である。
【図6】上記屈曲搬送路における屈曲部の構造図である。
【図7】本発明の第2の実施例における屈曲搬送装置の屈曲搬送路の平面図である。
【図8】上記第2の実施例の屈曲搬送装置における無担ベルトの架け渡し方法を説明するための図である。
【図9】上記各実施例の屈曲搬送装置におけるローラの構造図である。
【図10】上記第1の実施例の屈曲搬送装置における搬送物の搬送状態を示す図である。
【図11】従来の屈曲搬送装置を構成する搬送ユニットの搬送路の構造図である。
【図12】従来の屈曲搬送装置における屈曲搬送路の構造図である。
【図13】従来の屈曲搬送路における屈曲部の構造図である。
【符号の説明】
【0047】
1、101a〜c、201a〜c 搬送ユニット
2、102、202 搬送方向
3、103a〜c、203a〜c 直線搬送路
10、110a〜113a、110b〜112b、210〜213 ローラ
20a、20b、120a〜120c、121a〜121c、221、222 軸受けフレーム
30、130、230〜232、無担ベルト
104、105 ガイドプレート
150、250 屈曲部
【技術分野】
【0001】
この発明は、直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットで構成されて、直角に方向転換しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した屈曲搬送装置の従来例について、その屈曲搬送装置の基本構成となる搬送ユニットの搬送構造400の一例を図11(A)の平面図と図11(B)の側面図にして示した。また、図12に従来の屈曲搬送装置における屈曲搬送路の平面図を示した。ここに示した従来例では、直線搬送路(403a〜403c)を備えた3台の搬送ユニットから構成されて、U字状に屈曲搬送路500が形成された屈曲搬送装置を示している。図11に示すように、従来の搬送ユニットにおける搬送構造400では、2組のチェーン430が互いに平行となるように搬送方向402に沿って走行しているとともに、それぞれのチェーン430のプレート間にローラ410が軸支されることで搬送路403が形成されている。それぞれのチェーン430は、モータなどの駆動装置などによって回動するスプロケット413に掛け渡されており、それによって、ローラ410自体がチェーン430の走行に伴って搬送方向に移動し、搬送路403上の物品(搬送物)が搬送されるようになっている。
【0003】
そして、この搬送ユニット400を複数台用いて屈曲搬送装置を構成するためには、図12に示したように、直線搬送路(403a〜403c)が屈曲搬送路500の直線部分を構成するように各搬送ユニットを配置し、屈曲部分450に、例えば、この図のようにターンテーブル460などの補助的な搬送装置を設置したり、スイングするアームなどによって搬送物を押し出すような他の機構を設けたりして、搬送物を上流の直線搬送路(403a,403b)から下流の直線搬送路(403b,403c)へ受け渡す(乗り渡す)ようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の屈曲搬送装置では、屈曲搬送路における屈曲部にターンテーブルなどの補助的な搬送装置(補助装置)を設置する必要があり、その補助装置に余分なコストがかかる。しかも、ターンテーブルなど、駆動源が別途必要な補助装置を使用すれば、ランニングコストも高いものになる。また、補助装置を設置するための面積が必要となり、床面積が限られる工場などでは、搬送装置の設置台数が少なくなり、生産効率を悪化させる。さらに、図11に示したような搬送構造400では、搬送路403の両側にスプロケット413やチェーン430が配置されているので、図12に示しように、二つの搬送ユニットの直線搬送路(403a,403b、または403b,403c)を、その先端同士が直角となるように配置して屈曲部450を形成する際、当該直角の内側の角(かど)470で双方の直接搬送路(403a,403b、または403b,403c)を近接させることができない。そのため、直線搬送路(403a〜403c)の両側にも広いスペースが必要となり、屈曲搬送装置全体の小型化が困難となる。
【0005】
また、搬送ユニット400の搬送路403とターンテーブル間の乗り渡しにおいても問題が多い。具体的には、図13の(A)と(B)のそれぞれに示した平面図と側面図のように、直線搬送路(403a,403b)の先端では、ローラ410側面の直線形状に対して、ターンテーブル460の端面は円弧となる。そのため、直線と円弧を埋める部分480に乗り渡し板490を介在させる必要がある(A)。しかも、実際には、(B)に示すように、直線搬送路403の端部は、チェーン430がスプロケット413に案内されてUターンしているため、このUターンする部分では、搬送路面上のローラ411と末端のローラ412との間にさらに大きな前後距離dと高低差Δhが生じることになる。したがって、この前後距離dも含めた長い距離に渡って乗り渡し板(斜線部分)490を介在させる必要がある。
【0006】
なお、この板490の上では搬送物は自動で搬送されず、上流側の直線搬送路403aによる慣性で乗り板490上を移動したり、他の搬送物に後押しされたりすることになる。しかし、乗り渡し板490が長いと、この乗り渡し板490が途中で歪み、直線搬送路403aの面と乗り渡し板470の上面、あるいはターンテーブル460と乗り渡し板490との間に段差が生じる可能性がある。この段差に搬送物が引っ掛かれば下流に搬送物が移動せず、生産ラインであれば、下流での次工程が一次的に中断することになる。段差に衝突して搬送物が損傷したり、落下したりする可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、設置スペースや設備投資に係るコストを削減でき、搬送物の乗り渡しに際しても高い信頼性を有する屈曲搬送装置を提供することを目的としている。
【0008】
そして、本発明は、直角に屈曲しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置であって、
直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、前記屈曲搬送路の沿線を形成して搬送物を案内するためのガイドプレートとを備え、
各搬送ユニットの直線搬送路は、当該搬送路を横断する方向に軸方向を有する多数のローラが、当該搬送路の両側に平行配置された一対の軸受けフレーム間に回動自在に軸支されてなり、
前記ローラは、中空筒状の外筒部の内側にシャフトが同軸に挿通されてなり、
前記シャフトは、少なくとも一方の軸受けフレームを貫通して当該フレームの外側に先端が突出するとともに、当該先端にプーリーが同軸にして嵌着され、
前記プーリーには、駆動手段により循環駆動される無端ベルトが架け渡され、
前記屈曲搬送路の屈曲部では、2台の前記搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路の先端同士が直交するように連結され、
前記屈曲部における前記それぞれの直線搬送路の一方の先端側は、前記屈曲部の直角内角側の軸受けフレームが外角側の軸受けフレームに近接配置されて直線搬送路の幅が狭小となり、
前記直線搬送路の一方の先端側には前記狭小な幅に応じた連結用ローラが軸支されるとともに、当該連結用ローラのシャフトは前記外角側の軸受けフレームから突出し、
前記直線搬送路の一方において、前記連結用ローラが軸支されている前記内角側の軸受けフレームと、当該連結用ローラに隣接するローラとによって形成される略L字状の角に、他方の直線搬送路の先端内角側が密接し、当該密接領域における前記二つの直線搬送路のそれぞれの内角側の軸受けフレームの上面は搬送路面の高さにほぼ一致し、
前記他方の直線搬送路の内角側の軸受けフレームにおいて、前記角に密接している領域では、軸支されている屈曲ローラのシャフトが外角側の軸受けフレームから突出し、
前記ガイドプレートは、前記複数台の搬送ユニットの直線搬送路の上面に配置され、前記屈曲部では、前記沿線を円弧状のR部で連続させて前記直線搬送路の路面を所定の幅で露出させるとともに、当該屈曲部のほぼ中央にて前記略L字状の角を露出させる屈曲搬送装置としている。
【0009】
前記シャフトは、前記外筒部の中空筒内に遊嵌され、前記ローラは、前記シャフトが当該中空筒内の内面との摩擦によって前記外筒部を回転させることで回転するとともに、当該回転が外力によって停止させられた際には、前記シャフトが外筒部内で摺動しつつ空転する屈曲搬送装置とすることもできる。
【0010】
なお、前記屈曲搬送路において、前記ガイドプレートの前記R部の円弧の始点から終点までの搬送路面を構成するローラについては、シャフトが該当部内で空転せず、当該外筒部の中空筒内に固定されていることとしてもよい。
【0011】
上記何れかの屈曲搬送装置において、前記ローラは、前記屈曲搬送路の始端および終端で当該搬送路の幅にほぼ一致する長さとなり、前記連結用ローラにおいて最短の長さとなり、前記R部の円弧の始点から終点までは、屈曲搬送路の路面を形成する長さに調整されていることとしてもよい。
【0012】
前記外筒部は、同軸に配置された所定長の中空筒状の単位ローラによって構成されるとともに、前記ローラは、同一のシャフトに挿通される単位ローラの数によって長さが調整される屈曲搬送装置とすることもできる。
【0013】
前記屈曲部は、上流から下流に向かって一方向にのみ屈曲し、前記シャフトは、前記外側の軸受けフレームのみから突出する屈曲搬送装置とすることもできる。なお、当該屈曲搬送装置では、無端ベルトは、プーリーの下に架け渡されていればより好ましい。
【0014】
前記屈曲搬送路には3台の搬送ユニットの直線搬送路によってクランク状に屈曲するクランク部を含む屈曲搬送装置とすることもでき、
当該クランク部を含む屈曲搬送装置は、前記3台の搬送ユニットの上流から2台目の搬送ユニットにおいて、直線搬送路の一端に前記連結用ローラが軸支され、他端に前記屈曲用ローラが軸支されるとともに、前記連結用ローラのシャフトが突出する側に架け渡さされる第1の無端ベルトと前記屈曲用ローラのシャフトが突出する側に架け渡される第2の無端ベルトと、前記一対の軸受けフレームの両側にシャフトが突出する駆動ローラとを備え、
前記第1および第2の無端ベルトの一方のベルトは、前記駆動手段により直接循環駆動されるとともに、前記駆動ローラのシャフトの一方の先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、他方のベルトは、前記駆動ローラの他方の先端の嵌着されたプーリーに架け渡されて前記駆動手段により間接的に循環駆動されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の屈曲搬送装置によれば、装置の小型化を達成して設置スペースを節約することができるとともに、補助装置を用いずに確実に搬送物を搬送することができる。それによって、装置自体に係るコストを大幅に削減できるとともに、搬送に際して高い信頼性を確保することができる。なお、本発明における他の効果や、具体的な効果については、本明細書における以下の記載から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
===搬送ユニットの基本構造===
まず、本発明の主要構成である搬送ユニットについて、その基本構造を説明する。図1に当該搬送ユニットの外観図を示した。例示した搬送ユニット1では、搬送方向2に直交する方向に軸方向を有して搬送方向2に沿って平行に並べられた多数のローラ10が、搬送方向2に沿って平行に延長する2本のフレーム(軸受けフレーム:20a,20b)に穿設された軸孔21によって回動自在に軸支されて直線搬送路3が形成されている。
【0017】
図2に図1におけるa−a矢視断面図を示した。ローラ10は、中空円筒状の硬質樹脂からなる外筒部11と、その外筒部11の中空円筒内に挿通された金属製のシャフト12とから構成され、このシャフト12がローラ10の回転軸としてガイドフレーム(20a,20b)の軸孔21に軸支されている。そして、シャフト12の左右の何れか一方の端部12aは、一方のガイドフレーム20bを貫通し、搬送路3の外側に突出し、この突出したシャフト12の先端12aにプーリー13が嵌着されている。この例では、全てのシャフト12が同じガイドフレーム20bから突出している。
【0018】
各プーリー13には、モータ50により循環駆動される無端ベルト30が架け渡されており、このベルト30の走行に伴って各プーリー13が回転する。そして、このプーリー13と同軸にして嵌着されているシャフト12、すなわちローラ10が回転する。なお、ここに示した搬送ユニット1では、ベルト30は歯付ベルトであり、プーリー13はギアとなっている。また、ベルト30は、歯が上を向くようにプーリー13の下側に架け渡され、ベルト30の下側には、ガイドローラ14が、シャフト12と平行な回転軸を有して回動自在に軸支されている。そして、ベルト30は、プーリー13とガイドローラ14とによって挟持されつつ、プーリー13に押し当てられながら走行する。それによって、ベルト30の動力が確実にプーリー13に伝達されるようになっている。なお、ベルト30は、搬送路3の前後両端で、ベルト30の逸脱を防止するためのフランジ15を備えたガイドローラ(14a,14b)によってUターンされ、モータ50の出力軸に取り付けられたプーリー16に掛け渡されることで循環駆動される。
【0019】
===搬送ユニットの特徴===
上記搬送ユニット1は様々な特徴を有している。例えば、ベルト駆動方式を採用することで、騒音や振動を少なくして安定して搬送物を搬送することできるとともに、優れた保守性を備えている。具体的には、チェーンとスプロケットのように噛み合わされる構造ではないので、安全に保守が行えることはもちろん、搬送路3の外側でベルト30がプーリー13に架け渡されているため、ベルト30の交換などに際し、ガイドフレーム(20a,20b)やローラ10を取り外して搬送路3を分解しなくても、ベルト30を取り外すことができる、という特徴がある。
【0020】
また、プーリー13は、シャフト12の先端に嵌着されているので、ローラ10をガイドフレーム(20a,20b)に軸支させたままの状態でプーリー13のみを取り外すこともでき、また、ここに示した搬送ユニットでは、ベルト30がプーリー13の下側に架け渡されているため、プーリー13やローラ10を交換する際に、ベルト30を架け直す作業も不要となる。
【0021】
しかし、本発明の屈曲搬送装置を構成する上で、上記構造の搬送ユニット1の最も重要な特徴は、搬送路間における搬送物の乗り渡し容易性にある。この乗り渡し容易性は、ローラ10と同軸のプーリー13をベルト30によって回転駆動させる、という駆動方式と、プーリー13が嵌着されるシャフトが搬送路3の一方から突出する、という搬送路3に関わる構造によってもたらされる。
【0022】
具体的には、ローラ10より小さな径のプーリー13を使うことが可能となり、ベルト30がUターンする際にそのベルト30が描く円弧を搬送路3の始端や終端より内側にすることができる。それによって、直線搬送路3は、始端から終端に渡ってローラが敷き詰められた状態となり、直線搬送路3の全長のすべてを無駄なく搬送のために利用することができる。このような構造により、例えば、2台の搬送ユニットを直線状に配置した場合、相互の直線搬送路を段差なく連続させることができる。
【0023】
また、シャフト14が貫通されていない側の軸受けフレーム20aは、シャフト14を軸支する機能だけあればよいので、先の図2に示したように、その厚さtを薄くすることができる。そして、例えば、搬送ユニット1において、直線搬送路3のベルト30が掛け渡されていない側面22では、搬送ユニット1と他の装置などとを密着させることができる。さらに、軸受けフレーム(20a,20b)の上面とローラ10による搬送路面とを同じ高さhにすることもできる。それによって、例えば、図3に示したように、2台の搬送ユニット(1a,1b)のそれぞれの直線搬送路(3a,3b)を平行(あるいは直交)させるように密着させても双方の搬送路(3a,3b)間に段差や障害物がないので、一方の搬送路3aから他方の搬送路3bへ搬送物80を乗り渡す場合でも、搬送物80を搬送先の搬送路3bへ押し出して搬送路面上を滑らせながら平行移動させるだけでよい。
【0024】
===第1の実施例===
本発明の屈曲搬送装置は、上述した搬送ユニット1の構造に由来する特徴を活用し、複数の搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路を補助装置を用いずに直接連結して屈曲搬送路を構成している。図4に本発明の第1の実施例における屈曲搬送装置100の外観図を示した。当該搬送装置100は、搬送方向102に従って上流から下流へ向かう途上で直角に方向転換しながら屈曲する搬送路(屈曲搬送路)103を備えている。
【0025】
屈曲搬送路103は、3台の搬送ユニット(101a〜101c)のそれぞれにおける直線搬送路(103a〜103c)がコの字型となるように連結されることで形成されている。また、コの字型に連結された3本の直線搬送路(103a〜103c)の上面には搬送物が搬送路から逸脱するのを防止するために、搬送方向102に向かって両側にそれぞれガイドプレート(104,105)が取り付けられている。このガイドプレート(104,105)は、直線搬送路(103a〜103c)の路面を露出させつつ、屈曲搬送路103の沿線を縁取る。直線搬送路(103a〜103c)同士が連結する部分では直線状の沿線を2重の円弧の内周と外周を形成するR部(106,107)で連続させて屈曲搬送路103における屈曲部150を形成している。このようにして、屈曲搬送路103は、ガイドプレート(104,105)によって、2重輪郭線を有する略U字状に形成されている。
【0026】
また、各搬送ユニット(101a〜101c)のベルト130は、U字状の屈曲搬送路103の外側となるように配置されるように架け渡されており、主な保守作業は広いスペースを確保できるU字状の外側で行えるようにし、U字状の内側の狭いスペースでの保守機会を可能な限り少なくさせている。さらに、図1に示した搬送ユニット1と同様にプーリーの下側にベルト130が架け渡されており、より優れた保守容易性を達成している。なお、図4に示した屈曲搬送装置100aでは、プーリーとベルト130が架け渡される部分に、安全のためのカバー108が取り付けられている。
【0027】
以上説明したように、第1の実施例の屈曲搬送装置100のU字状の屈曲搬送路103における3つの直線部分は、それぞれ、個別の搬送ユニット(101a〜101c)の直線搬送路(103a〜103c)で構成されている。そして、この第1の実施例の屈曲搬送装置100は、上述した搬送ユニット1が備える各種特徴によって、屈曲搬送路103の屈曲部150に方向転換用の装置や機構を設けることなく搬送のための駆動力を確保することができるようになっている。また、搬送路103を屈曲させるために要するスペースはもちろん、装置100全体の設置スペースも極めて小さくできるようになっている。なお、この第1の実施例では、三つの直線搬送路(103a〜103c)によって構成されるU字状の屈曲搬送路103の搬送方向は、便宜上、図示したU字の左の端点103Lを始端とした反時計回りとしているが、実際にはU字の二つの端点(103L,103R)に上流と下流の区別はなく、ベルトの循環方向によって、始端あるいは終端のどちらにもなり得る。
【0028】
===屈曲搬送路の構造===
図5に第1の実施例の屈曲搬送装置100における屈曲搬送路103の全体構造を示した。この図では、3台の搬送ユニット(101a〜101c)のそれぞれにおける直線搬送路(103a〜103c)の配置と連結構造を示している。また、図6に、屈曲部150における直線搬送路(103a,103b)同士の連結構造(A)と、当該(A)において円190にて示した要部の拡大図(B)を示した。屈曲搬送路103の屈曲部150では、2台の前記搬送ユニット(101aと101b、101bと101c)のそれぞれの直線搬送路(103aと103b、103bと103c)の先端同士が直交するように連結されている。
【0029】
具体的には、図6に示すように、搬送方向102の上流側の直線搬送路103aにおける屈曲方向側の軸受けフレーム120a、すなわち、二つの直線搬送路(103a,103b)の交差角度である直角の内角側の軸受けフレーム(内側フレーム)120aは、直線搬送路103aの全長に渡って連続する一本ではなく、先端側に個別の内側フレーム(連結用フレーム)122aが外角側の軸受けフレーム(外側フレーム)121aに近接するように配置されて、当該連結用フレーム122aが配置された領域では、直線搬送路103aの幅が狭くなっている。また、この例では、連結用フレームと搬送路103の始端側の内側フレーム(末端フレーム)124aとの間に、外側フレームより離間するように配置された中間フレーム123aが配置されている。
【0030】
そして、連結フレーム122aが配置されている領域では、狭くなっている直線搬送路103の幅に合わせて長さが短いローラ(連結用ローラ)111aが所定本数(この例では長さW2の連結用ローラが5本)軸支されている。それによって、連結用ローラ111aが軸支されている連結用フレーム121aと当連結用ローラ111aに隣接するローラ(長さW3>W2のコーナー用ローラ)112aとによって略L字状の角(コーナー)160が形成され、このコーナー160に他方の直線搬送路103bの先端内角側が密接している。また、連結用フレーム122aの上面および他方の直線搬送路103bの内側フレーム120bにおいてコーナー用ローラ112aに密接する部分122bの上面は、ローラによる直線搬送路の路面の高さとほぼ一致している。もちろん、コーナー用ローラ112aと他方の直線搬送路103bの先端のローラ111bは、連結相手側の直線搬送路(103b,103a)の内側フレーム(120b,120a)と回転可能な程度の間隙を有して密接しているものとする。
【0031】
なお、シャフトについては、前記コーナー160において二つの直線搬送路(103a,103b)が密接している領域に含まれるローラ(111a,114b)のシャフトが外側フレーム(121a,121b)から突出していればよく、一律に同じ方向に突出していなくてもよい。言い換えれば、一方の直線搬送路103aの連結用フレーム122aに軸支されている連結用ローラ111aのシャフトと、他方の直線搬送路103bの内側フレーム120bにおいて、前記コーナー160に密接している領域122bに軸支されているローラ(屈曲用ローラ:111b,112b)のシャフトについては、それぞれの直線搬送路(103a,103b)の外側フレーム(121a,121b)から必ず突出させる必要がある。
【0032】
次に、屈曲搬送路103を構成するもう一つの構成要件であるガイドフレーム(104,105)について説明する。ガイドフレーム(104,105)は、前記複数台の搬送ユニット(101a〜101c)の直線搬送路(103a〜103c)の上面に配置され、所定の幅を維持して延長する屈曲搬送路103の沿線を形成する。そして、搬送物が搬送路103外に逸脱するのを防止するとともに、搬送物を搬送路103に沿って円滑に案内する機能を備えている。そのために、屈曲部150では、沿線の直線部分を円弧状のR部(106,107)で連続させて、2重の1/4円弧を形成している。また、当該2重円弧の中心153や始点151および終点152の位置は、上記略L字状のコーナー160の頂点161部分が搬送路103における幅方向の中央で露出し、前記コーナー160が屈曲部150を形成する搬送路面のほぼ中央で露出するように設定されている。
【0033】
そして、第1の実施例を含む本発明の屈曲搬送装置100では、上記した屈曲搬送路103の構造により、その屈曲部150において、一方の搬送ユニット101aの直線搬送路103aによってある方向に搬送されてきた搬送物が、ガイドプレート(104,105)の円弧状R部(106,107)により、直交する次の直線搬送路103bの延長方向に案内される。そして、このとき、2本の直線搬送路(103a,103b)が交差するコーナー部分(160)が屈曲部150の中央に位置し、当該屈曲部150の領域にある内側フレーム(122a,122b)の上面が搬送路面とほぼ同じ高さなので、屈曲部150を通過する搬送物は、内側フレーム(122a,122b)の上面を滑りながら軸方向が直交する次の直線搬送路103bに円滑に乗り移ることができる。
【0034】
===第2の実施例===
上記第1の実施例では、U字状の屈曲搬送路103を備えた屈曲搬送装置100を例示した。もちろん、L字や上記U字のように同じ方向にのみ屈曲する屈曲搬送路に限らず、クランク状に屈曲する屈曲搬送路も考えられる。そこで、クランク状の屈曲搬送路を備えた屈曲搬送装置を第2の実施例として、その搬送路の構造を図7に例示した。この第2の実施例においても、実際には、屈曲搬送路203に上流と下流の区別はないが、図7では、便宜上、3台の搬送ユニット(201a〜201c)の直線搬送路(203a〜203c)が、所定の搬送方向202の上流から下流に向かって順番に交互に異なる方向に延長するように連結されている例を示した。
【0035】
第2の実施例の屈曲搬送装置200では、クランク状の屈曲搬送路203の始端側と終端側にある搬送ユニット(201a,201c)では、ローラのシャフトを一律に同じ方向に突出してその先端に嵌着されたプーリー(214a,214c)に同じベルト(230a,230c)を架け渡すことができる。しかし、クランクの中間部分に位置する搬送ユニット201bでは、直線搬送路203bの両端に屈曲方向がそれぞれ異なる直線搬送路(203a,203c)が連結されるため、一律に同じ方向にシャフトを突出させて1本のベルトを架け渡すことができない。そこで、直線搬送路203bの上流側端部の屈曲用ローラ212と下流側端部の連結用ローラ213とでシャフトの突出方向を逆にして、屈曲部250の内角側方向にシャフトが突出しないようにしている。そして、二つのベルト(231、232)をシャフトの突出方向に応じて個別に架け渡している。
【0036】
なお、それぞれの方向に突出させたシャフトの先端に嵌着されたプーリー(214〜216,217〜219)にそれぞれ架け渡されるベルト(231,232)は、個別のモータで駆動してもよいが、第2の実施例では、一つのモータで駆動できる方式を採用し、屈曲搬送装置200の小型軽量化と省電力化とを達成している。図8に当該駆動方式についての概略図を示した。(A)は、上方からの見た直線搬送路203bの一部平面図であり、(B)は(A)におけるb−b矢視断面である。この駆動方式では、直線搬送路203bの途中に一対の軸受けフレーム(221,222)の両側からシャフト223が突出するローラ(駆動ローラ)211を備え、その両端にプーリー(216,217)が嵌着されている。そして、この例では、直線搬送路203bの上流側の屈曲用ローラ212のシャフトが突出する側に架け渡さされるベルト(主ベルト)231がモータによって直接循環駆動される。そして、この主ベルト231は、屈曲用ローラ212から駆動用ローラ211までの各プーリー(214〜216)に架け渡されている。
【0037】
一方、下流側端部にて連結用ローラ213のシャフトが突出する側に架け渡されるベルト(副ベルト)232は、駆動ローラ211から連結用ローラ213のシャフトに嵌着されたプーリー(217〜219)に架け渡される。それによって、主ベルト231がモータにより直接循環駆動されて駆動ローラ211を駆動し、その駆動ローラ211が副ベルト232を循環駆動させる。なお、副ベルト232は駆動ローラ211と同軸のプーリー217に駆動されて少なくとも連結用ローラ213を回転させればよく、他のローラ220は、シャフトを主ベルト231側に突出させ、その主ベルト231によって回転されるようにしてもよい。また、主ベルト231の架け渡し領域において、先端の屈曲ローラ212とは反対側の端部のローラを駆動ローラ211にせず、主ベルト231が架け渡されている領域の途中のプーリーを駆動ローラ211用のプーリーにしてもよい。
【0038】
===屈曲搬送路と直線搬送路の幅について===
直線搬送路の幅は、屈曲搬送路の屈曲部でもローラが路面に存在するように、屈曲搬送路の幅より広くする必要がある。しかし、屈曲搬送路の全経路に渡って同じ幅で直線搬送路の幅を広くすると、例えば、第1の実施例では、U字に囲まれた内側の面積が狭くなり、この場所に他の装置などを設置することが困難となる。第2の実施例においても、一律に同じ幅にすれば、装置自体の設置面積が増大する。そこで、上記各実施例の屈曲搬送装置では、所定の幅の屈曲搬送路に対し、内側フレームを分割して配置することで直線搬送路の幅を経路の途上で適宜に変えている。それによって、装置の小型化を達成している。
【0039】
例えば、第1の実施例では、図5、図6に示したように、屈曲搬送路103の始端103Lや終点103Rでは、ローラ(図6:符号110a)の長さを屈曲搬送路の幅(基準長)W1に一致させている。そして、屈曲部150の出入り口となるR部(106,107)を形成する円弧の始点151と終点152では、ローラ(113a、114b)の長さを適宜に調整して屈曲部150においてローラ(113a、113b、114b)が形成する路面に「欠け」ができないようにしている。具体的には、図6に示したように、屈曲部150では、略L字状のコーナー160を形成するために一方の直線搬送路103aで長さが最短W2の連結用ローラ111aを軸支するとともに、二つの直線搬送路(103a,103b)における少なくともR部の始点151から終点152までに含まれる連結ローラ111a以外のローラ(112a,113a,111b,112b,110b)についてはローラの長さを最長W3とすることで搬送路面に「欠け」ができないようにしている。
【0040】
===ローラの長さ調整について===
上述したように、曲線搬送路の途上でローラの長さを変えたり、搬送物の大きさや、屈曲部のRの半径などに応じてローラの長さを変えたりする場合、それら種々の長さのローラを全て用意すると、汎用性に乏しく、製造コストや調達コストが嵩む。そこで、上記各実施例では、図9に示すように、所定の長さの短小なローラ(単位ローラ)312を複数個同軸に配置してローラ310の外筒部311を構成するとともに、その複数個の単位ローラ312にシャフト313を挿通して1本のローラ310を構成している。それによって、長さが異なるシャフト313だけを用意しておけば、単位ローラ312の数を適宜に増減するだけで、ローラ310の長さを簡単にかつ低コストで変えることができる。なお、上記各実施例では、単位ローラ312の数をそれぞれ6個、8個、5個とすることで、基準長W1、最短W2、最長W3の各長さのローラを得ている。
【0041】
===方向性のある搬送物について===
工場の生産ラインなどでは、搬送中の搬送物を一定の方向に向けたまま維持したい場合がある。例えば、人が手に取る箇所(把手など)が決まっている部品を搬送路から取り上げ、手元に用意してある別の部品に組み付ける工程では、その把手などが搬送路の脇で作業する人の方にいつも向いている方が生産効率が上がるし、安全性も高い。
【0042】
本発明の屈曲搬送装置では、屈曲搬送路における直線部分が一定方向に回転するローラで構成されている。そのため、直線搬送路ではその搬送経路上で搬送物の方向を一定に維持することができる。また、屈曲部では、搬送物を、回転テーブルなどを用いずに次の直線搬送路に直接乗り渡しているとともに、二つの直線搬送路間をR部の円弧によって案内しているため、搬送路の幅と同程度の幅を有する部品を搬送する場合、この屈曲部においても搬送物の方向を円弧に対して一定に維持することができる。
【0043】
例えば、図10に示したように、第1の実施例に示したU字状の屈曲搬送路103で搬送物80を搬送する際、その搬送物80の所定の箇所81をU字の外側に向けて搬送する場合、直線搬送路(103a,103b)上を所定の向きで搬送されてきた搬送物80は、屈曲部150において、R部(106,107)の円弧に案内されて外側に向けるべき箇所81が外側の円弧107に対面したまま次の直線搬送路(103b,103c)に乗り渡され、搬送物80は、次の直線搬送路(103b,103c)でも所定の箇所81が外側方向を向いたまま搬送される。このように、本発明の屈曲搬送装置では、方向性のある搬送物を搬送路に対して一定の方向に向かせたまま搬送する用途にも適している。
【0044】
===滞留可能な搬送路について===
ローラは、中空円筒状の外筒部内にシャフトを挿通した構造となっているが、このシャフトは外筒部内に圧入されるなどして固定されている必要はない。上記各実施例では、シャフトは、外筒部内に遊嵌されている。すなわち、外筒部は、ベルトからの動力によって直接回転しているシャフトとの摩擦によって回転するようになっている。そのため、外筒部の回転を外力によって強制的に止めると、シャフトが外筒部内で空転する。すなわち、上記各実施例における屈曲搬送装置は、搬送路上を走行している搬送物を滞留させる機能を有している。もちろん、シャフトを外筒部に圧入して滞留機能がない屈曲搬送装置とすることもできる。
【0045】
また、シャフトが固定されたローラと遊嵌されたローラとを混在させ、例えば、生産ラインで、搬送物が移載される位置のローラのみを滞留可能とすれば、移載装置が搬送物を搬送路3に置いて開放するまで抵抗無く搬送物が滞留し、移載装置に大きな負荷か掛かることを防止することができる。あるいは、屈曲搬送路における屈曲部のR部の円弧の始点と終点の間で露出しているローラのみ、シャフトを固定してもよい、それによって、連結する二つの直線搬送路で相互に搬送物を乗り移す際、搬送物が確実に下流の搬送路に向かって移動し、屈曲部の途上で搬送物が滞留することがない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の屈曲搬送装置を構成する搬送ユニットの基本構造図である。
【図2】上記搬送ユニットにおける搬送路の断面図である。
【図3】上記搬送ユニットの搬送路同士を密接させた状態の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における屈曲搬送装置の外観図である。
【図5】上記屈曲搬送装置における屈曲搬送路の構造図である。
【図6】上記屈曲搬送路における屈曲部の構造図である。
【図7】本発明の第2の実施例における屈曲搬送装置の屈曲搬送路の平面図である。
【図8】上記第2の実施例の屈曲搬送装置における無担ベルトの架け渡し方法を説明するための図である。
【図9】上記各実施例の屈曲搬送装置におけるローラの構造図である。
【図10】上記第1の実施例の屈曲搬送装置における搬送物の搬送状態を示す図である。
【図11】従来の屈曲搬送装置を構成する搬送ユニットの搬送路の構造図である。
【図12】従来の屈曲搬送装置における屈曲搬送路の構造図である。
【図13】従来の屈曲搬送路における屈曲部の構造図である。
【符号の説明】
【0047】
1、101a〜c、201a〜c 搬送ユニット
2、102、202 搬送方向
3、103a〜c、203a〜c 直線搬送路
10、110a〜113a、110b〜112b、210〜213 ローラ
20a、20b、120a〜120c、121a〜121c、221、222 軸受けフレーム
30、130、230〜232、無担ベルト
104、105 ガイドプレート
150、250 屈曲部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直角に屈曲しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置であって、
直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、前記屈曲搬送路の沿線を形成して搬送物を案内するためのガイドプレートとを備え、
各搬送ユニットの直線搬送路は、当該搬送路を横断する方向に軸方向を有する多数のローラが、当該搬送路の両側に平行配置された一対の軸受けフレーム間に回動自在に軸支されてなり、
前記ローラは、中空筒状の外筒部の内側にシャフトが同軸に挿通されてなり、
前記シャフトは、少なくとも一方の軸受けフレームを貫通して当該フレームの外側に先端が突出するとともに、当該先端にプーリーが同軸にして嵌着され、
前記プーリーには、駆動手段により循環駆動される無端ベルトが架け渡され、
前記屈曲搬送路の屈曲部では、2台の前記搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路の先端同士が直交するように連結され、
前記屈曲部における前記それぞれの直線搬送路の一方の先端側は、前記屈曲部の直角内角側の軸受けフレームが外角側の軸受けフレームに近接配置されて直線搬送路の幅が狭小となり、
前記直線搬送路の一方の先端側には前記狭小な幅に応じた連結用ローラが軸支されるとともに、当該連結用ローラのシャフトは前記外角側の軸受けフレームから突出し、
前記直線搬送路の一方において、前記連結用ローラが軸支されている前記内角側の軸受けフレームと、当該連結用ローラに隣接するローラとによって形成される略L字状の角に、他方の直線搬送路の先端内角側が密接し、当該密接領域における前記二つの直線搬送路のそれぞれの内角側の軸受けフレームの上面は搬送路面の高さにほぼ一致し、
前記他方の直線搬送路の内角側の軸受けフレームにおいて、前記角に密接している領域では、軸支されている屈曲ローラのシャフトが外角側の軸受けフレームから突出し、
前記ガイドプレートは、前記複数台の搬送ユニットの直線搬送路の上面に配置され、前記屈曲部では、前記沿線を円弧状のR部で連続させて前記直線搬送路の路面を所定の幅で露出させるとともに、当該屈曲部のほぼ中央にて前記略L字状の角を露出させる、
ことを特徴とする屈曲搬送装置。
【請求項2】
前記シャフトは、前記外筒部の中空筒内に遊嵌され、前記ローラは、前記シャフトが当該中空筒内の内面との摩擦によって前記外筒部を回転させることで回転するとともに、当該回転が外力によって停止させられた際には、前記シャフトが外筒部内で摺動しつつ空転することを特徴とする請求項1に記載の屈曲搬送装置。
【請求項3】
前記屈曲搬送路において、前記ガイドプレートの前記R部の円弧の始点から終点までの搬送路面を構成するローラについては、前記シャフトが前記外筒部の中空筒内に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の屈曲搬送装置。
【請求項4】
前記ローラは、前記屈曲搬送路の始端および終端で当該搬送路の幅にほぼ一致する長さとなり、前記連結用ローラにおいて最短の長さとなり、前記R部の円弧の始点から終点までは、屈曲搬送路の路面を形成する長さに調整されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の屈曲搬送装置。
【請求項5】
前記外筒部は、同軸に配置された所定長の中空筒状の単位ローラによって構成されるとともに、前記ローラは、同一のシャフトに挿通される単位ローラの数によって長さが調整されることを特徴とする請求項1〜4に記載の屈曲搬送装置。
【請求項6】
前記屈曲部は、上流から下流に向かって一方向にのみ屈曲し、前記シャフトは、前記外側の軸受けフレームのみから突出することを特徴とする請求項1〜5に記載の屈曲搬送装置。
【請求項7】
前記無端ベルトは、プーリーの下に架け渡されていることを特徴とする請求項6に記載の屈曲搬送装置。
【請求項8】
前記屈曲搬送路には3台の搬送ユニットの直線搬送路によってクランク状に屈曲するクランク部を含み、
前記クランク部において、前記3台の搬送ユニットの上流から2台目の搬送ユニットは、直線搬送路の一端に前記連結用ローラが軸支され、他端に前記屈曲用ローラが軸支されるとともに、前記連結用ローラのシャフトが突出する側に架け渡さされる第1の無端ベルトと前記屈曲用ローラのシャフトが突出する側に架け渡される第2の無端ベルトと、前記一対の軸受けフレームの両側にシャフトが突出する駆動ローラとを備え、
前記第1および第2の無端ベルトの一方のベルトは、前記駆動手段により直接循環駆動されるとともに、前記駆動ローラのシャフトの一方の先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、他方のベルトは、前記駆動ローラの他方の先端の嵌着されたプーリーに架け渡されて前記駆動手段により間接的に循環駆動されることを特徴とする請求項請求項1〜5に記載の屈曲搬送装置。
【請求項1】
直角に屈曲しながら延長する屈曲搬送路を備えた搬送装置であって、
直線搬送路を備えた複数台の搬送ユニットと、前記屈曲搬送路の沿線を形成して搬送物を案内するためのガイドプレートとを備え、
各搬送ユニットの直線搬送路は、当該搬送路を横断する方向に軸方向を有する多数のローラが、当該搬送路の両側に平行配置された一対の軸受けフレーム間に回動自在に軸支されてなり、
前記ローラは、中空筒状の外筒部の内側にシャフトが同軸に挿通されてなり、
前記シャフトは、少なくとも一方の軸受けフレームを貫通して当該フレームの外側に先端が突出するとともに、当該先端にプーリーが同軸にして嵌着され、
前記プーリーには、駆動手段により循環駆動される無端ベルトが架け渡され、
前記屈曲搬送路の屈曲部では、2台の前記搬送ユニットのそれぞれの直線搬送路の先端同士が直交するように連結され、
前記屈曲部における前記それぞれの直線搬送路の一方の先端側は、前記屈曲部の直角内角側の軸受けフレームが外角側の軸受けフレームに近接配置されて直線搬送路の幅が狭小となり、
前記直線搬送路の一方の先端側には前記狭小な幅に応じた連結用ローラが軸支されるとともに、当該連結用ローラのシャフトは前記外角側の軸受けフレームから突出し、
前記直線搬送路の一方において、前記連結用ローラが軸支されている前記内角側の軸受けフレームと、当該連結用ローラに隣接するローラとによって形成される略L字状の角に、他方の直線搬送路の先端内角側が密接し、当該密接領域における前記二つの直線搬送路のそれぞれの内角側の軸受けフレームの上面は搬送路面の高さにほぼ一致し、
前記他方の直線搬送路の内角側の軸受けフレームにおいて、前記角に密接している領域では、軸支されている屈曲ローラのシャフトが外角側の軸受けフレームから突出し、
前記ガイドプレートは、前記複数台の搬送ユニットの直線搬送路の上面に配置され、前記屈曲部では、前記沿線を円弧状のR部で連続させて前記直線搬送路の路面を所定の幅で露出させるとともに、当該屈曲部のほぼ中央にて前記略L字状の角を露出させる、
ことを特徴とする屈曲搬送装置。
【請求項2】
前記シャフトは、前記外筒部の中空筒内に遊嵌され、前記ローラは、前記シャフトが当該中空筒内の内面との摩擦によって前記外筒部を回転させることで回転するとともに、当該回転が外力によって停止させられた際には、前記シャフトが外筒部内で摺動しつつ空転することを特徴とする請求項1に記載の屈曲搬送装置。
【請求項3】
前記屈曲搬送路において、前記ガイドプレートの前記R部の円弧の始点から終点までの搬送路面を構成するローラについては、前記シャフトが前記外筒部の中空筒内に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の屈曲搬送装置。
【請求項4】
前記ローラは、前記屈曲搬送路の始端および終端で当該搬送路の幅にほぼ一致する長さとなり、前記連結用ローラにおいて最短の長さとなり、前記R部の円弧の始点から終点までは、屈曲搬送路の路面を形成する長さに調整されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の屈曲搬送装置。
【請求項5】
前記外筒部は、同軸に配置された所定長の中空筒状の単位ローラによって構成されるとともに、前記ローラは、同一のシャフトに挿通される単位ローラの数によって長さが調整されることを特徴とする請求項1〜4に記載の屈曲搬送装置。
【請求項6】
前記屈曲部は、上流から下流に向かって一方向にのみ屈曲し、前記シャフトは、前記外側の軸受けフレームのみから突出することを特徴とする請求項1〜5に記載の屈曲搬送装置。
【請求項7】
前記無端ベルトは、プーリーの下に架け渡されていることを特徴とする請求項6に記載の屈曲搬送装置。
【請求項8】
前記屈曲搬送路には3台の搬送ユニットの直線搬送路によってクランク状に屈曲するクランク部を含み、
前記クランク部において、前記3台の搬送ユニットの上流から2台目の搬送ユニットは、直線搬送路の一端に前記連結用ローラが軸支され、他端に前記屈曲用ローラが軸支されるとともに、前記連結用ローラのシャフトが突出する側に架け渡さされる第1の無端ベルトと前記屈曲用ローラのシャフトが突出する側に架け渡される第2の無端ベルトと、前記一対の軸受けフレームの両側にシャフトが突出する駆動ローラとを備え、
前記第1および第2の無端ベルトの一方のベルトは、前記駆動手段により直接循環駆動されるとともに、前記駆動ローラのシャフトの一方の先端に嵌着されたプーリーに架け渡され、他方のベルトは、前記駆動ローラの他方の先端の嵌着されたプーリーに架け渡されて前記駆動手段により間接的に循環駆動されることを特徴とする請求項請求項1〜5に記載の屈曲搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−24045(P2010−24045A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191254(P2008−191254)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(592129774)株式会社FDKエンジニアリング (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(592129774)株式会社FDKエンジニアリング (11)
【Fターム(参考)】
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