説明

屋上設置機器の配線引き込み具及び配線引き込み構造

【課題】屋上設置機器から延びる配線を屋根の表面にはわせることなく屋内に引き込むことができるようにして屋上の防水性能の低下を回避し、しかも、大型化を招くことなく配線の曲率を大きくできるようして配線の損傷を抑制する。
【解決手段】建物の屋上に設置される太陽光発電モジュール100から延びる配線101を屋内に引き込むための屋上設置機器の配線引き込み具10は、上下方向に延びる筒状をなし、下部が屋根45の配線引き込み口45aを覆うように固定される本体部11と、本体部11に取り付けられ、配線101を本体部11内に引き込むための配線引き込み用筒部材12とを備えている。本体部11は、配線引き込み用筒部材12よりも大径とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋上に設置される屋上設置機器から延びる配線を屋内に引き込むための配線引き込み具及び配線引き込み構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電モジュールを建物の屋上に設置するケースが増加している。太陽光発電モジュールを屋上に設置する場合には、太陽光発電モジュールから延びる配線を屋内へ引き込む必要がある。配線の引き込み構造としては、例えば、特許文献1に開示されているように、屋根板に配線引き込み口を形成し、この配線引き込み口を覆うようにカバー材を設けたものが知られている。このものでは、配線を屋根の表面にはわせながら配線引き込み口まで延ばし、配線引き込み口から屋内へ引き込むようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−311279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように配線を屋根の表面にはわせると、配線の外層を構成する樹脂製の絶縁材が屋根の表面に接触することなる。特に、屋根の表面に樹脂製の防水シートが設けられている場合には、配線の絶縁材に含まれる可塑剤等が防水シートを構成する樹脂に移行する現象(移行性)が現れ、これによって防水シートが溶ける等、損傷してしまい、防水性能が低下する恐れがある。
【0005】
また、配線を屋内に引き込む際には、配線を曲げる場合があるが、この場合、配線の損傷を防止するために曲率をできるだけ大きくしたいという要求がある。しかしながら、配線の曲率を大きくしようとすると、配線を引き込む構造自体が大型化してしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、屋上設置機器から延びる配線を屋根の表面にはわせることなく屋内に引き込むことができるようにして屋上の防水性能の低下を回避し、しかも、配線を引き込む構造の大型化を招くことなく配線の曲率を大きくできるようして配線の損傷を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、筒状の本体部の周壁部に配線引き込み用筒部材を取り付けて配線が屋根に接触しないようにするとともに、本体部を配線引き込み用筒部材よりも大径にして本体部内での配線の取り回し自由度を向上させた。
【0008】
第1の発明は、建物の屋上に設置される屋上設置機器から延びる配線を屋内に引き込むための屋上設置機器の配線引き込み具において、上下方向に延びる筒状をなし、下部が屋根の配線引き込み口を覆うように固定される本体部と、上記本体部に、該本体部の周壁部を貫通するように取り付けられ、上記配線を上記本体部内に引き込むための配線引き込み用筒部材とを備え、上記本体部は、上記配線引き込み用筒部材よりも大径とされていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、屋上設置機器から延びる配線は、配線引き込み用筒部材を通って本体部に引き込まれる。本体部に引き込まれた配線は、本体部が屋根の配線引き込み口を覆うように固定されていることから、屋根の配線引き込み口から屋内に引き込まれる。
【0010】
このように、配線を本体部の周壁部から引き込むことができるので、配線を屋根の表面にはわせずに済み、よって、屋根に防水シートがある場合に防水シートの損傷が抑制される。
【0011】
また、配線引き込み用筒部材を、配線を通すのに必要なだけの小径にしてコンパクトな配線引き込み構造としながら、本体部を配線引き込み用筒部材よりも大径にしたことで、本体部内での配線の取り回しの際に自由度が高まる。これにより、配線の曲率を大きくすることが可能になる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、本体部の上部には、屋上設置機器が固定される固定部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、配線引き込み具を屋上設置機器の固定台としても利用することが可能になる。
【0014】
第3の発明は、第1又は2の発明において、配線引き込み用筒部の屋根表面から上方への離間距離は、本体部の内径寸法よりも長く設定されていることを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、配線引き込み用筒部が屋根の表面から上方へ大きく離れることになるので、配線引き込み用筒部が屋根の表面に接近している場合に比べて、配線の曲率をより一層大きくすることが可能になる。
【0016】
第4の発明は、建物の屋上に設置される屋上設置機器から延びる配線を屋内に引き込むための屋上設置機器の配線引き込み構造において、上下方向に延びる筒状をなす本体部と、上記本体部に、該本体部の周壁部を貫通するように取り付けられ、上記配線を上記本体部内に引き込むための配線引き込み用筒部材とを有する配線引き込み具を備え、上記本体部は、上記配線引き込み用筒部材よりも大径とされるとともに、該本体部の下部が屋根の配線引き込み口を覆うように固定されることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、第1の発明と同様に、配線を屋根の表面にはわせずに済むので、屋根の防水シートの損傷が抑制され、また、配線引き込み用筒部材を小径にしてコンパクトな配線引き込み構造としながら、本体部内での配線の取り回しの際に自由度が高まり、配線の曲率を大きくすることが可能になる。
【0018】
第5の発明は、第4の発明において、屋根の配線引き込み口には、配線が挿通する導管が屋根の表面から上方へ突出するように挿入され、配線引き込み具の本体部は上記導管を覆うように配置されて該導管に当接させて位置決めされることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、屋根の配線引き込み口に挿入した導管を用いて、配線の曲率が最も大きくなる位置に配線引き込み具を位置決めすることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
第1、4の発明によれば、本体部の周壁部を貫通するように配線引き込み用筒部材を取り付けたので、配線を屋根にはわせずに屋内へ引き込むことができ、よって、屋根の防水シートの損傷を抑制して防水性能の低下を回避できる。そして、本体部を配線引き込み用筒部材よりも大径にしたので、配線引き込み用筒部材を小径にして配線の引き込み構造をコンパクトにしながら、本体部内での配線の取り回しの自由度を向上させて配線の曲率を大きくすることができ、よって、配線の損傷を抑制できる。
【0021】
第2の発明によれば、本体部の上部に屋上設置機器が固定される固定部を設けて固定台としても利用することができるようにしたので、利便性を向上できる。
【0022】
第3の発明によれば、配線引き込み用筒部の屋根表面から上方への離間距離を、本体部の内径寸法よりも長く設定したので、配線の曲率をより一層大きくすることができ、配線の損傷を抑制できる。
【0023】
第5の発明によれば、屋根の配線引き込み口に挿入した導管により、配線の曲率を最も大きくできる位置に配線引き込み具を位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態にかかる配線引き込み構造の断面図である。
【図2】配線引き込み具の斜視図である。
【図3】配線引き込み具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る配線引き込み構造1を示すものである。配線引き込み構造1は、配線引き込み具10と、防水部材20と、水切りカバー30とを備えている。配線引き込み構造1は、例えば、ビルの屋根、戸建て住宅の屋根等に設けることができるものであり、太陽光発電モジュール(屋上設置機器)100から延びる配線101を屋内へ引き込むためのものである。
【0027】
図2及び図3に示すように、配線引き込み具10は、上下方向に延びる円筒状の本体部11と、該本体部11に該本体部11の周壁部を貫通するように取り付けられた配線引き込み用筒部材12と、本体部11の下端部に取り付けられたフランジ13とを備えている。
【0028】
本体部11は、一般構造用炭素鋼鋼管で構成されており、その下端部から上端部に亘り、略同一内径及び同一外径となるように形成されている。本体部11の内径は、90mm〜100mm程度に設定されており、本体部11の高さは、180mm〜200mm程度に設定されている。
【0029】
本体部11の上端には、該本体部11の上端開口を閉塞するための閉塞板11aが設けられ、この閉塞板11aにはボルトB1(固定部)が固定されている。閉塞板11aは、本体部11の外径と略同径の円形板で構成されている。閉塞板11aの全周が本体部11の上端開口の周縁部に溶接されている。
【0030】
閉塞板11aの中心部には、上下方向に貫通するボルト挿通孔11bが形成されている。図1に示すように、ボルトB1は、頭部が下に位置する姿勢とされて軸部がボルト挿入孔11bに対し下方から上方へ挿入されている。ボルトB1の頭部は、閉塞板11aの下面に溶接されている。このボルトB1に太陽光発電モジュール100が固定される。
【0031】
本体部11の下端は全体が開放されている。フランジ13は、ドーナツ状の板材で構成されている。フランジ13の内周部の全周が本体部11の下端部に対して溶接されている。図3に示すように、フランジ13には、3つの取付孔13a,13a,13aが周方向に略等間隔に形成されている。図1に示すように、各取付孔13aには、ボルトB2が挿通するようになっている。
【0032】
本体部11の周壁部には、配線引き込み用筒部材12を取り付けるための貫通孔11dが形成されている。貫通孔11dは、正面から見て略円形である。貫通孔11dの中心部は、本体部11の上下方向中央部よりも上側に位置しており、具体的には、本体部11の全高の2/3よりも上に位置している。また、貫通口11dの形成位置は、図3に示す平面視でフランジ13の隣り合う取付孔13a,13aの間となるように設定されている。
【0033】
配線引き込み用筒部材12の外径は、本体部11の貫通孔11dの内径と略同じに設定されている。従って、本体部11は、配線引き込み用筒部材12よりも大きい。また、配線引き込み用筒部材12の軸方向の長さは、50mm〜60mm程度に設定されている。配線引き込み用筒部材12は、その一端部が本体部11の貫通孔11dに挿入された状態で貫通孔11dの周縁部に対し全周に亘って溶接されている。
【0034】
配線引き込み用筒部材12の内周面には、雌ねじ部が形成されている。この雌ねじ部には、カップリング(図示せず)がねじ込まれるようになっている。
【0035】
配線引き込み具10には、塩化ビニルコーティングが施されている。この塩化ビニルコーティングは、例えば、配線引き込み具10を流動状態の塩化ビニルが入った槽の中に浸けることによって施された、いわゆるディッピング塗装である。配線引き込み用筒部材12の雌ねじ部には塩化ビニルコーティングが施されていない。
【0036】
図1に示すように、防水部材20は、主として配線引き込み具10の本体部11の外面及びフランジ13の上面を覆うように成形された第1部材21と、主として配線引き込み用筒部材12の外面を覆うように成形された第2部材22とを有している。第1部材21及び第2部材22は、ともに塩化ビニルで構成されている。
【0037】
第1部材21は、本体部11を覆うように上下方向に延びる筒状部21aと、筒状部21aの下端部から水平方向に延びる水平板部21bとを備えている。筒状部21aの上端は閉塞されており、中心部にはボルトB1が貫通するようになっている。また、水平板部21bはフランジ13よりも大きな円形となっている。
【0038】
第2部材22は、配線引き込み用筒部材12の外面を覆う筒状部22aと、筒状部22aの端部から延びるように形成されたフランジ22bとを備えている。フランジ22bは、第1部材21の筒状部21aの外面に溶着されるようになっている。尚、本明細書中で溶着とは、樹脂を加熱溶融させて行う熱融着であってもよいし、樹脂を溶剤で溶かして行う溶剤溶着であってもよい。
【0039】
水切りカバー30は、防水部材20の第1部材21の上面に沿って略水平に延びる矩形の板部31と、板部31の周縁部から下方へ延びる周壁部32とを備えており、これら板部31及び周壁部32はステンレス板等によって一体成形されている。板部31の大きさは、本体部11の閉塞板11aよりも十分に大きく設定されている。板部31の略中央部にボルトB1の軸部が貫通するようになっている。
【0040】
次に、上記のように構成された配線引き込み構造1を図1に示す屋根45に設ける場合について説明する。屋根45を構成する部材は、例えばコンクリート等である。屋根45には、配線101を屋内に引き込むための配線引き込み口45aが貫通形成されている。この配線引き込み口45aは本体部11の内径よりも小さく開口している。配線引き込み口45aには、配線101が挿通する導管46が挿入されている。この導管46は屋根45の表面から上方へ突出した状態で固定されている。また、屋根45の表面には、塩化ビニル製の防水シート50が貼られている。
【0041】
配線引き込み構造1を屋根45に設ける場合には、まず、配線引き込み具10の固定位置を決定する作業を行う。すなわち、配線引き込み具10を、屋根45の配線引き込み口45aを覆うように配置し、導管46が配線引き込み用筒部材12から最も離れるように配線引き込み具10の位置を調整する。位置調整の際には、配線引き込み具10を屋根45の表面に置いた状態で、屋根45の表面上を滑らせながら行うことが可能である。このとき、導管46が屋根45の表面から突出しているので、導管46を本体部10の内面に当接させることで、目視しなくても、本体部10内においてどこに導管46が位置しているのかが作業者に分かり易い。従って、配線引き込み具10を、導管46が配線引き込み用筒部材12から最も離れるように位置付けるのが容易に行える。
【0042】
配線引き込み具10の位置決めを行った後、屋根45の表面にマーキングを行う。そして、配線引き込み具10を一旦取り去る。その後、屋根45にボルトB2をねじ込むためのねじ込み孔を、取付孔13a,13a,13aの位置と一致するように形成する。屋根45のねじ込み孔には、プラスチックアンカーAを圧入する。
【0043】
その後、配線引き込み具10を屋根45に置き、フランジ13の取付孔13aと屋根45のねじ込み孔とを一致させる。尚、配線101は、配線引き込み具10を屋根45に固定する前に、導管46に挿通させるとともに、配線引き込み用筒部12に挿通しておく。
【0044】
そして、ボルトB2を各取付孔13aに挿入し、屋根45のプラスチックアンカーAにねじ込んでいく。これにより、配線引き込み具10が屋根に固定される。
【0045】
しかる後、防水部材20を配線引き込み具10に取り付けていく。まず、第1部材21を取り付ける。このとき、第1部材21を割って本体部11に被せ、フランジ13を覆うように配置する。そして、第1部材21を本体部11及びフランジ13に溶着する。このとき、本体部11及びフランジ13に塩化ビニルコーティングが施されているので、第1部材21の溶着力は強固なものとなる。
【0046】
次いで、第2部材22を取り付ける。このとき、配線引き込み用筒部12を第2部材22の筒状部22aに挿入し、第2部材22のフランジ22bを第1部材21の筒状部21aの外面に重ねる。そして、第2部材22を配線引き込み用筒部12及び第1部材21に溶着する。
【0047】
その後、本体部11の上部に水切りカバー30を取り付ける。水切りカバー30の取付後、太陽光発電モジュール100を配線引き込み具10に固定する。太陽光発電モジュール100は、フレーム材を介して配線引き込み具10に固定されるが、このときにボルトB1を用いる。
【0048】
配線引き込み用筒部材12には、カップリングをねじ込み、これにより配線引き込み用筒部材12の端部がシールされる。
【0049】
この実施形態では、配線引き込み用筒部材12が本体部11の周壁部に設けられているので、配線101を屋根45の表面にはわせずに済む。よって、配線101の被覆材が有する可塑剤等が屋根45の防水シート50に移行してしまうことはなく、防水シート50の損傷が抑制される。
【0050】
また、配線引き込み用筒部材12を、配線101を通すのに必要なだけの小径にしてコンパクトな配線引き込み構造1としながら、本体部11を配線引き込み用筒部材12よりも大径にしたことで、本体部11内での配線101の取り回しの際に自由度が高まる。これにより、配線101の曲率を大きくすることが可能になる。
【0051】
また、配線引き込み用筒部材12と屋根45の導管46とが最も離れるようにしているので、このことによっても、配線101の曲率を大きくすることが可能になる。
【0052】
さらに、配線引き込み用筒部12の屋根45から上方への離間寸法を、本体部11の内径寸法よりも長く設定したので、配線引き込み用筒部12が屋根45から上方へ大きく離れることになる。これにより、配線引き込み用筒部12が屋根45に接近している場合に比べて、配線101の曲率をより一層大きくすることが可能になる。
【0053】
以上説明したように、この実施形態によれば、本体部11の周壁部を貫通するように配線引き込み用筒部材12を取り付けたので、配線101を屋根45にはわせずに屋内へ引き込むことができ、よって、屋根45の防水シート50の損傷を抑制して防水性能の低下を回避できる。
【0054】
そして、本体部11を配線引き込み用筒部材12よりも大径にしたので、配線引き込み用筒部材12を小径にして配線引き込み構造1をコンパクトにしながら、本体部11内での配線101の取り回しの自由度を向上させて配線101の曲率を大きくすることができ、よって、配線101の損傷を抑制できる。
【0055】
また、配線引き込み具10を太陽光発電モジュール100の固定台としても利用することができるようにしたので、利便性を向上できる。
【0056】
また、屋根45の配線引き込み口45aに挿入した導管46を用いて、配線101の曲率が最も大きくなる位置に配線引き込み具10を確実に位置決めできる。
【0057】
尚、上記実施形態では、配線引き込み具10を太陽光発電モジュール100の固定台としても利用しているが、これに限らず、配線引き込み具10は、それ単独で、他の機器等を固定しない形態でも使用できる。
【0058】
また、屋上設置機器は、太陽光発電モジュール100以外にも、例えば空調装置や照明装置等であってもよく、これら機器から延びる配線を上述のように屋内へ引き込むことができる。この場合、空調装置や照明装置等を配線引き込み具10に固定してもよい。
【0059】
また、配線引き込み用筒部材12は、1つの本体部11に対し2つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明にかかる屋上設置機器の配線引き込み具は、例えば、太陽光発電モジュール等から延びる配線を屋内に引き込む場合に使用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 配線引き込み構造
10 配線引き込み具
11 本体部
12 配線引き込み用筒部材
13 フランジ
20 防水部材
30 水切りカバー
45 屋根
45a 配線引き込み口
46 導管
50 防水シート
100 太陽光発電モジュール
101 配線
B1 ボルト(固定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋上に設置される屋上設置機器から延びる配線を屋内に引き込むための屋上設置機器の配線引き込み具において、
上下方向に延びる筒状をなし、下部が屋根の配線引き込み口を覆うように固定される本体部と、
上記本体部に、該本体部の周壁部を貫通するように取り付けられ、上記配線を上記本体部内に引き込むための配線引き込み用筒部材とを備え、
上記本体部は、上記配線引き込み用筒部材よりも大径とされていることを特徴とする屋上設置機器の配線引き込み具。
【請求項2】
請求項1に記載の屋上設置機器の配線引き込み具において、
本体部の上部には、屋上設置機器が固定される固定部が設けられていることを特徴とする屋上設置機器の配線引き込み具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の屋上設置機器の配線引き込み具において、
配線引き込み用筒部の屋根表面から上方への離間距離は、本体部の内径寸法よりも長く設定されていることを特徴とする屋上設置機器の配線引き込み具。
【請求項4】
建物の屋上に設置される屋上設置機器から延びる配線を屋内に引き込むための屋上設置機器の配線引き込み構造において、
上下方向に延びる筒状をなす本体部と、
上記本体部に、該本体部の周壁部を貫通するように取り付けられ、上記配線を上記本体部内に引き込むための配線引き込み用筒部材とを有する配線引き込み具を備え、
上記本体部は、上記配線引き込み用筒部材よりも大径とされるとともに、該本体部の下部が屋根の配線引き込み口を覆うように固定されることを特徴とする屋上設置機器の配線引き込み構造。
【請求項5】
請求項4に記載の屋上設置機器の配線引き込み構造において、
屋根の配線引き込み口には、配線が挿通する導管が屋根の表面から上方へ突出するように挿入され、配線引き込み具の本体部は上記導管を覆うように配置されて該導管に当接させて位置決めされることを特徴とする屋上設置機器の配線引き込み構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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