屋内無線光リンクの方法及びシステム
【課題】通信リンクの不可視光の伝播を可視光により視覚化し、可視光に従ってユーザモジュールの位置を位置合わせして、中央局とユーザモジュールとの間に光接続を設定する。
【解決手段】システムは、ユーザモジュールと、中央ユニットとを含むことができ、中央ユニットは可視光源と、不可視光源とを備える。双方向光通信リンクが、可視光源から発せられた光により、不可視光源から発せられた光の伝播を可視化し、可視光源から発せられる光に従ってユーザモジュールの位置を合わせることにより、中央ユニットとユーザモジュールとの間に形成される。
【解決手段】システムは、ユーザモジュールと、中央ユニットとを含むことができ、中央ユニットは可視光源と、不可視光源とを備える。双方向光通信リンクが、可視光源から発せられた光により、不可視光源から発せられた光の伝播を可視化し、可視光源から発せられる光に従ってユーザモジュールの位置を合わせることにより、中央ユニットとユーザモジュールとの間に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内無線光リンク及びネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信リンクは、常に変化する柔軟な環境で短距離通信ネットワークを展開する最も簡単で最速の手法を構成する。有線通信ネットワークとは異なり、無線通信ネットワークでは、ネットワークケーブル及びソケット等のハードウェア構成要素を物理的に追加し、又はそれらの位置を変更する必要なく、ユーザの追加、交換、及び再構成が可能である。
【0003】
早期の屋内無線光リンク(IWOL)は、波長950ナノメートル(nm)で動作する見通し線(LOS)原理に基づく拡散光リンクを利用し、通信速度125kビット/sを示した。後期のIWOLシステムは、波長約900nmで動作する狭帯域LOS下りリンクを使用して1Mビット/sリンクを呈した。
【0004】
光無線通信リンクに対する複数ソース解決策では、通信リンクを複数のユーザに提供するために、レーザダイオード(LD)又はファイバ等の複数の光源が必要である。光無線通信リンクの単一ソース解決策は単向性であり、ユーザとソースとの間に不便な位置合わせを必要とする。さらに、これらのシステムは、室内に存在する人に有害で危険であり得る高放射電力を利用する。
【0005】
本発明として見なされる趣旨は特に、本明細書の結びの部分で指摘され、明確に主張される。しかし、本発明は、目的、特徴、及び利点と共に機構及び動作方法の両方に関して、添付図面と共に読まれた場合、以下の詳細な説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態による屋内無線光システムの高レベルブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による例示的な屋内無線光システムの図である。
【図3】本発明の実施形態による例示的なユーザモジュールの図である。
【図4】本発明の実施形態による屋内無線光システムの粗い位置合わせ方法のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による屋内無線光システムの細かい位置合わせ方法のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである。
【図7A】本発明の実施形態による中央局の二波長対物レンズモジュールを示す。
【図7B】本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである。
【図8A】本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す。
【図8B】本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す。
【図9】本発明の実施形態による位置合わせプロセス中の中央局及びユーザモジュールの要素を示す。
【図10】本発明の実施形態による複数の可視光の位置合わせを示す。
【図11】本発明の実施形態によるユーザモジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
説明を簡潔且つ明確にするために、図に示される要素が必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解される。例えば、いくつかの要素の寸法が、明確にするために、他の要素に対して誇張され得る。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は、図にわたって繰り返し使用されて、対応又は同様の要素を示す。
【0008】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記される。しかし、これらの特定の詳細なしでも本発明の実施形態を実施し得ることを当業者は理解しよう。他の場合では、周知の方法、手順、及び構成要素については、本発明を曖昧にしないように、詳細に説明しなかった。
【0009】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、例えば、「処理」、「計算」、「算出」、「特定」、「確立」、「解析」、「チェック」等の用語を利用する考察は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば、電子)数量として表されるデータの操作且つ/又は変換し、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内、又は演算及び/又はプロセスを実行する命令を記憶し得る他の情報記憶媒体内の物理的数量として同様に表される他のデータにする、コンピュータ、計算プラットフォーム、計算システム、又は他の電子計算装置の1つ又は複数の動作及び/又はプロセスを指し得る。
【0010】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「複数」及び「複数の」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、「多数」又は「2つ以上」を含み得る。「複数」又は「複数の」という用語は本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、2つ以上の構成要素、装置、要素、ユニット、パラメータ等を示すために使用され得る。例えば、「複数の装置」は2つ以上の装置を含み得る。
【0011】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「送受信器」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、送信器及び受信器の両方を備えた任意の装置、構成要素、又は要素を示すために使用され得る。送受信器は、共通の回路を共有し得、又は共通の筐体を有し得る送信器と受信器との組み合わせを含み得る。
【0012】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「光検出器」、「光センサ」、「ライト検出器」、「ライトセンサ」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、光又は他の電磁エネルギーを検知又は検出し得る任意の装置、構成要素、又は要素、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、電荷結合素子(CCD)等を示すために使用され得る。
【0013】
本発明の実施形態は、光双方向通信リンクを中央局から1つ又は複数のユーザモジュール及びユーザモジュールから中央局に提供する単一の中央局を利用する解決策を提供する。中央局とユーザモジュールとの間の双方向放射は、「見通し線」伝播であってもよく、又は「非見通し線」伝播であってもよい。中央局とユーザモジュールとの間の光接続又は光リンクの設定は位置合わせプロセスを含み得、位置合わせプロセスでは、ユーザがユーザモジュールの位置及び/又は中央局への双方向通信リンクが存在し得る方向についてユーザモジュールを設定することが可能であり得る。位置合わせプロセスは、通信リンクの不可視光の伝播を視覚化する可視光の検出を含み得、可視光は中央局及び/又はユーザモジュールから発し得る。位置合わせは、可視光に従ってユーザモジュールの位置を位置合わせして、中央局とユーザモジュールとの間に光接続を設定することをさらに含み得る。
【0014】
本発明の実施形態は、送受信の速度が光速であるため、理論上、無制限のリンク速度を有する双方向通信リンクを含み得る。双方向通信リンクの性能は実際には、通信装置の性能、例えば、10Gbps、100Gbpsのモデム装置の性能のみによって制限され得る。
【0015】
本発明の実施形態による屋内無線光システムの高レベルブロック図である図1を参照する。光無線システム100は、メインプロセッサ、例えば、スイッチ又はネットワークプロセッサに結合された中央局110と、1つ又は複数のユーザユニット120、121、及び122とを含み得る。光リンク130を中央局110とユーザユニット120との間に形成することができ、光リンク131を中央局110とユーザユニット121との間に形成することができ、光リンク132を中央局110とユーザユニット122との間に形成することができる。光リンク130を使用するために、通信目的でコンピュータ又は任意の他のユーザ装置140をユーザユニット、例えば、ユーザユニット120に接続し得る。ユーザ装置140は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、個人情報端末(PDA)、スマートフォン、ページャ、又は任意の他のモバイル若しくは静止計算装置であり得る。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、中央局110は、部屋、空間、又はエリア内の中央又はメイン位置に位置決め、配置、又は置くことができ、例えば、天井又は壁に取り付けるか、又は吊り下げることができる。ユーザユニット120〜122は、本明細書ではユーザモジュール120〜122とも呼ばれ、任意の妥当な位置、例えば、机の上又は壁に位置決め、配置、又は置くことができ、ユーザユニット120〜122から通信リンク130〜132を形成し得る。「照準」としても知られる、中央局110から発せられる光の光軸と、ユーザユニット120〜122から発せられる光とを位置合わせできるようにし得る任意の他の位置を本発明の実施形態において使用し得る。
【0017】
中央局110は、本明細書では中央ユニット110とも呼ばれ、コリメートされた不可視光線を介して双方向光通信リンクを確立して、スイッチ101に接続されたリモート通信装置と1つ又は複数のユーザユニット120〜122との間での無線通信の伝送を可能にするように構成し得る。ユーザユニットは、双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する光送信器と、双方向光通信リンクを介して中央ユニットから送信された複数の光信号を受信する受信器とを含み得る。中央ユニットは、双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する光送信器と、双方向光通信リンクを介してユーザユニットから送信された複数の光信号を受信する光受信器とを備え得る。中央ユニット及びユーザユニットの光送信器は不可視光源を備え得、中央ユニット及びユーザユニットの受信器は光センサを備え得る。本発明の実施形態によれば、ユーザユニット及び中央ユニットのうちの少なくとも一方は、本発明の実施形態に説明されるように、双方向光通信リンクの確立時に、ユーザユニットと中央ユニットとの位置合わせを可能にするコリメートされた可視光線を生成する可視光源を備え得る。
【0018】
中央局110は、光モジュール111と、送受信器112と、プロセッサ113と、メモリ115と、通信ユニット114とを含み得る。送受信器112は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク130〜132を介して運ばれるデータの、ユーザユニット120〜122への送信、及びユーザユニット120〜122からの受信を可能にし得る。
【0019】
送受信器112は、不可視光源と、可視光源とを含み得る。不可視光源、例えば、赤外線レーザダイオードは、光通信リンク130〜132を形成する放射を提供することができ、その一方で、可視光源、例えば、赤色レーザダイオードは、中央局110と各ユーザモジュール120〜122とを簡単に位置合わせし、各通信リンク130〜132をそれぞれ形成できるようにし得る可視光放射を生成し得る。さらに、サービス通信チャネルをユーザモジュール120〜122と中央局110との間に形成して、例えば、通信ユニット114により制御信号を転送できるようにし得る。
【0020】
通信ユニット114は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。通信ユニット114は、通信チャネルを形成して、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との間で制御信号を転送できるようにし得る。通信ユニット114は、任意選択的に、且つ/又は追加として、位置合わせプロセス、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との自動位置合わせを制御し得る。通信ユニット114により形成される通信チャネルは、制御目的で使用し得る低電力通信チャネル又はネットワーク、例えば、Ethernet(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等であり得る。
【0021】
光モジュール111は、レンズ、スプリッタ、コリメータ、又は各通信リンク130〜132を形成するために光学的操作を可能にし得る任意の他の光学要素等の光学要素を含み得る。光モジュール111は、例えば、マルチミラー要素、ファイバコリメータ、又は中央局からの光を各ユーザモジュール120〜122に到達させることができる任意の他の装置を含み得る。
【0022】
プロセッサ113は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。プロセッサ113はさらに、他の適したハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含み得る。プロセッサ113は命令を含むか、又は1つ若しくは複数のオペレーティングシステムと併せて命令を実行することができ、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は中央局110の他の管理動作、例えば、位置合わせプロセスの実行計画を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。プロセッサ113はメモリ115に関連付け、又は結合することができ、メモリ115は、例えば、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との位置合わせプロセスを実行するために必要な動作等の本発明の実施形態により処理されるか、又は作成されるデータを記憶し得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール120〜122の1つ等のユーザモジュールは、通信リンク、例えば、双方向通信リンク130〜132の1つを形成し得るように位置決め、配置、置き、且つ位置合わせし得る。ユーザモジュールは、見通し線が各ユーザモジュール120〜122と中央局110との間で利用できるように位置決めし得る。例えば、ユーザモジュール120は、本発明の実施形態により中央局110とやりとりする通信リンク130を形成するように位置決めされ、方向付けられ、且つ位置合わせし得る。例えば、ユーザモジュール120は、光モジュール126と、送受信器127と、プロセッサ123と、メモリ125と、通信モジュール114とを含み得る。
【0024】
送受信器127は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク130〜132を介して運ばれるデータをユーザモジュール、中央局110と送受信できるようにし得る。送受信器127は、不可視光源、例えば、赤外線レーザダイオードを含み得、不可視光源は、光通信リンク130〜132を各ユーザモジュール120〜122と中央局110との間に提供し得る。送受信器127は、任意選択的に、可視光源、例えば、赤色レーザダイオードを含み得、可視光源は、各ユーザモジュール120〜122と中央局110とを簡単に位置合わせできるようにする可視光を提供し得る。
【0025】
通信ユニット124は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。通信ユニット124は、通信チャネルを形成して、例えば、通信ユニット124により、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との間で制御信号を転送できるようにし得る。通信ユニット124は、任意選択的に、且つ/又は追加として、位置合わせプロセス、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との自動位置合わせを制御し得る。自動位置合わせプロセスの制御は、送信される電力レベルの制御並びに/或いは各ユーザモジュール120〜122及び/又は中央局110の位置、配置、及び可動性の制御を含み得る。通信ユニット124により形成される通信チャネルは、制御目的で使用し得る低電力通信チャネル又はネットワーク、例えば、Ethernet(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等であり得る。さらに、又は任意選択的に、通信ユニット124は、光リンク130〜132を制御し、例えば、ユーザモジュール120からの光リンクを複数のエンドユーザ140に分割し得る。
【0026】
光モジュール126は、レンズ、スプリッタ、コリメータ、又は各通信リンク130〜132を形成する光学的操作を可能にし得る任意の他の光学要素等の光学要素を含み得る。プロセッサ123は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。プロセッサ123はさらに、他の適したハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含み得る。プロセッサ123は命令を含むか、又は1つ若しくは複数のオペレーティングシステムと併せて命令を実行することができ、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は中央局110の他の管理動作、例えば、位置合わせプロセスの実行計画を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。プロセッサ123はメモリ125に関連付け、又は結合することができ、メモリ125は、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との位置合わせプロセスを実行するために必要な動作等の本発明の実施形態により処理されるか、又は作成されるデータを記憶し得る。
【0027】
本発明の範囲はこれに限定されないが、本発明の実施形態において説明される計算装置、例えば、プロセッサ101、123、113、及び/又はコンピュータ140はオペレーティングシステムを含み得、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は計算装置の他の管理動作を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。そのようなオペレーティングシステムは、商用又はプロプライエタリオペレーティングシステムであり得る。本明細書に開示される計算装置はメモリを含み得、メモリは、例えば、RAM、ROM、DRAM、SD−RAM、DDRメモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット、又は他の適したメモリユニット若しくは記憶ユニットであり得るか、又はそれ(ら)を含み得る。メモリは、複数のおそらくは異なるメモリユニットであり得るか、又はそれらを含み得る。本明細書において説明されるソフトウェアは、実行可能コード、例えば、アプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプトを含み得、おそらくはオペレーティングシステムの制御下であり得る。
【0028】
図1の例示的な図では、3つのユーザモジュール、3つの通信リンク、及び1つのプロセッサが示されるが、本発明がこれに限定されず、本発明の実施形態によれば、システム100が任意の適した数のユーザモジュール、通信リンク、及びコンピュータを含み得ることを当業者は理解されたい。さらに、ユーザモジュール120内に含まれる光モジュール126、送受信器127、プロセッサ123、メモリ125、及び通信モジュール114を各ユーザモジュール内に含めることができ、簡潔にするために1回のみ示されることを当業者は理解されたい。
【0029】
図2は、本発明の実施形態による例示的な屋内無線光システムのブロック図である。例示的な光無線システム200は、例えば、図1の光システム100であり得、中央局210と、複数のユーザモジュール220、221、222、及び223とを含み得る。中央局210は、送受信器212と、光モジュール211とを含み得、光モジュール211は、双方向通信リンクを形成し得るように、送受信器212からの光線又は光放射をユーザモジュール220〜223に向け、ユーザモジュール220〜223からの光線又は光放射を送受信器212に向けることができる。他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素をシステム200に含め得るが、簡潔にするために示されない。例えば、中央局210はさらに、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0030】
送受信器212は、不可視光源202と、対物レンズ232と、可視光源203と、対物レンズ233と、光検出器又は光センサ204と、対物レンズ234とを含み得る。不可視光源202及び対物レンズ232は、可視光源203及び対物レンズ233と共に、ユーザモジュール220〜223に向けての光の送信に使用することができ、本明細書では「送信器」と呼ばれる。光検出器204及び対物レンズ234は、ユーザモジュール220〜223から来る光を検出するために使用することができ、本明細書では「受信器」と呼ばれる。送受信器212は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク240、241、242、及び243を介して運ばれるデータをユーザモジュール220、221、222、及び223のそれぞれと送受信できるようにし得る。
【0031】
本発明の実施形態はこれに限定されないが、可視光源203は、不可視放射スペクトルを有する任意の光源、例えば、赤外線レーザダイオード等の1310〜1550ナノメートル(nm)の波長の放射を有する任意の赤外線光源を含み得る。本発明の実施形態はこれに限定されないが、不可視光源202は、可視放射スペクトルを有する任意の光源、例えば、赤色レーザダイオード等の630〜650nmの波長の放射を有する任意の赤色光源を含み得る。
【0032】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、不可視光源202は赤外線レーザダイオードであり得、例えば、1550nmの波長で放射し得る。不可視光源202からの放射は、データを1つ又は複数のユーザ受信器220、221、又は222に向けて運ぶために使用し得る。本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、可視光源203は赤色レーザダイオードであり得、650nmの波長で放射し得る。可視光源203からの放射は、不可視光源202からの光に結合して、送受信器212とユーザモジュール220〜223のそれぞれ1つとの光接続を設定するために、不可視光、例えば、赤外線光の伝播を可視化し得る。光検出器204は、1つ又は複数のユーザモジュール220〜223から発せられた光を検出又は検知するために使用し得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、光モジュール211は、複数の光学要素、装置、及び可視光源203から発せられた光と、不可視光源202から発せられた光とを、両放射が略同一の光軸を有し得るように結合し、結び付け、リンクさせ、又は設定する手段を含み得る。2つの光放射の結合により、可視光源203から来る可視光、例えば、赤色光を人間が観察して、方向を位置合わせし、それにより、人間の眼では見ることができない不可視光源202からの不可視光、例えば、赤外線光の方向の位置合わせを行うことができる。位置合わせプロセス中、本発明の実施形態に説明されるように、可視光源203から発せられる可視光を観察することにより、不可視光を位置合わせするように、ユーザモジュール220〜223のそれぞれ1つの位置を調整し、変更し、又は合わせることができる。
【0034】
光モジュール211は、ビームスプリッタ205及び206と、ビーム拡大器207と、マルチミラー要素208とをさらに含み得る。マルチミラー要素208は、二次元プレート又は複数のミラーを備えた任意の他の装置を有し得る。送受信器212のスプリッタ205及び206は、可視光源203及び不可視光源202からの放射の結合及び/又は分割に使用し得る。例えば、スプリッタ205は、不可視光源202及び可視光源203からの光を結合することができ、スプリッタ206は、ユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール220から発せられた放射を分割し、不可視光を光検出器204に向け得る。ビーム拡大器207は、可視光源203及び不可視光源202から発せられる結合放射の直径を拡大又は拡張するために使用し得る。
【0035】
中央ユニット210は、中央ユニットから発せられたコリメートされた光を、複数のユーザユニット220〜223に向けられた複数のコリメートされた光線に分割する1つ又は複数の光学要素を含み得る。
【0036】
送受信器212から送られる拡張されコリメートされた光線は、マルチミラー要素208により、本明細書では「光リンク」241〜243とも呼ばれる複数の別個の光線に分割し得、各光リンク241〜243は、本明細書ではQxとも呼ばれる異なる方位角と、本明細書ではQyとも呼ばれる異なる外側角を有する。マルチミラー要素208は、光線を特定の位置に向けることができる任意の適した光学要素、装置、又は構成要素を含み得る。マルチミラー要素208は、送受信器212から出力される結合光線を複数の光線240〜242にそらせて分割することができ、各光線は、ミラーセルの仕様に従って異なる方向に向けられ、例えば、光線の方向間のピッチをミラーセルの数により定義し得る。
【0037】
マルチミラー要素208が様々な特徴を有し得、本発明の実施形態により傾斜又は固定されたミラーを含み得ることを当業者は理解されたい。マルチミラー要素208は複数のミラー又はミラーセルを含み得、各ミラー又はミラーセルは、例えば、共通ミラープレートに対する独自のQx、Qy角度傾斜等の各自のパラメータ及び仕様を有し得、ミラーセルに衝突する光線の部分を特定の方向、例えば、ユーザモジュール220の位置に向けることができる。
【0038】
本発明の実施形態は、例えば、ユーザ位置を柔軟且つ移動可能にするために、システムの実施に他のオプションを含み得、マルチミラー要素208は、多次元ミラープレート、定義された角度位置を有する二次元ミラープレート、又は多次元軸可動ミラーの線形アレイにより実施し得る。
【0039】
本発明の実施形態では、各ユーザモジュール220〜223を単一のサブビームに位置合わせすることができ、したがって、専用通信チャネル又はリンクを各ユーザモジュール220〜223と中央局210との間に形成することができるため、安全性の高い通信を可能にし得ることを当業者は理解されたい。各専用通信リンクは、1つのみのユーザモジュールにサービングし得るため、安全な通信チャネルとして動作し得る。そのような光リンクに基づく通信プロトコルでは、例えば、専用データパケット、安全なトランザクション、又は単一のユーザ局、例えば、ユーザモジュール120に専用の任意の他の安全な通信を使用することにより、安全な通信を可能にし得ることが明らかであるはずである。
【0040】
本発明の実施形態が、可視光源203がオンになり得る実質的に短い位置合わせ時間以外は不可視である無線通信リンクを提供し得ることにより、加えて、本明細書の実施形態に説明されるように光放射が比較的狭いことにより、安全性の高い通信が実現可能であり得る。
【0041】
図2の例示的な図では、4つのユーザモジュールが示されるが、本発明がこれに限定されず、本発明の実施形態によれば、システム200が任意の適した数のユーザモジュールを含み得ることを当業者は理解されたい。
【0042】
図2の例示的な図では、光モジュール211は、光を複数のユーザモジュールに向けるマルチミラー要素を含み得るが、本発明がこれに限定されず、本発明の他の実施形態によれば、光モジュール211が、例えば、図6〜図11に提示されるような任意の適した光学要素又は装置を含み得ることを当業者は理解されたい。
【0043】
図2は、本明細書に説明される本発明を実施又は実行し得る1つのみの例示的なシステムを表すが、本発明の範囲はこれに限定されないことを当業者はさらに理解されたい。本発明を実行し得る他のシステム又は実施態様を使用してもよい。例えば、サーキュレータ、スプリッタ、ピッグテールファイバ等の様々な光モジュール及び/又は構成要素を使用する他の光システムを使用し得る。本発明の実施形態をすべて実施し得るいくつかの例示的なシステムを図6〜図11を参照して説明する。
【0044】
これより、本発明の実施形態による例示的なユーザモジュールの図である図3を参照する。本発明はこれに限定されないが、ユーザモジュール300は、図2のユーザモジュール220〜223又は図1のモジュール120〜122の任意の1つであり得、又はそのような任意の1つの機能を実行し得る。
【0045】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール300は、中央局から来る光を検出し、本発明の実施形態により説明されるように、光線を中央局、例えば、図2の中央局210又は図1の中央局110に向けることができる。本発明はこれに限定されないが、ユーザモジュール300の構成要素は、1つ又は複数のモジュール又はユニット、例えば、送受信器及び光モジュール、例えば、図1の送受信器127及び図1の光モジュール126内に含めることができる。簡潔にするために図3に示されていないが、他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素をユーザモジュール300に含めることができる。例えば、ユーザモジュール300は、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0046】
ユーザモジュール300は、不可視光源310、例えば、赤外線レーザダイオードと、光検出器312とを含み得る。ユーザモジュール300は、可視光源320、例えば、赤色レーザダイオードと、対物レンズ321とを含み得、本明細書ではこれらは一緒に「可視光源」305と呼ばれる。
【0047】
本発明の実施形態によれば、中央局から発せられる光は、光検出器312に厳密に合焦し得る。光検出器312の開口部は、平坦窓360で覆うことができ、平坦窓360は、ガラス、プラスチック等の透明又は部分的に透明な材料で作ることができる。窓360は、不可視光源310の光軸に略垂直に位置決めすることができ、中央局から来る可視光の部分を中央局に向けて反射するか、又は可視光源320から発せられた可視光を中央局に向けて透過して、ユーザモジュール300と中央局とを位置合わせし得る。透明窓は、ユーザユニットから発せられた光の光軸に略垂直に位置決めし得るため、透明窓上に明らかな光スポットを形成することが可能であり得る。中央局から来る可視光の部分を反射し得る実施形態では、窓360は、不可視光を透過し、可視光を主に反射して、位置合わせ手順及び中央局とユーザモジュール300との通信の両方を可能にするように特に設計し得る。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、位置合わせは、中央ユニットで1つの可視光のみを使用し、ユーザユニットにおいて選択的反射ミラーを使用することによって行い得る。中央ユニットの可視光源から発せられる可視光がオンになる場合、光線は、選択的反射ミラー、すなわち、不可視光を透過し、可視光を完全に反射するミラーに衝突し得、粗い位置合わせを中央ユニットとユーザユニットとの間で達成し得るように、中央ユニット窓に跳ね返り、すなわち、反射し得る。
【0049】
再び図2を参照すると、位置合わせ手順中、可視放射及び不可視放射の両方を含む中央局210から発せられたコリメートされたビームは、例えば、マルチミラー要素208によりいくつかのサブビームに分割することができ、各サブビームは、送受信器212から発せられるコリメートされたビームの部分を構成する。各サブビームは異なる方向を有し、室内の異なる位置をカバーする。各サブビームは、配向要素、例えば、図2のミラーセルから送ることができる。各配向要素は、本明細書では「中央局窓」とも呼ばれる、図3では番号370で示される窓370に結合、接続、又は取り付けることができる。窓370は、窓370上に位置合わせマーク371、例えば、クレスト画像を有して、位置合わせ手順においてユーザを案内し得る。
【0050】
図3に示されるように、位置合わせマーク371は、例えば、円を4つの等しい部分に分ける2つの直交する線であり得る。いくつかの実施形態では、窓370は位置合わせ手順においてユーザを案内する開口部又は穴を有し得る。他の位置合わせマークを使用してもよい。
【0051】
中央局210からのサブビームは、空間中の要素又は表面上、例えば、室内の作業テーブル又は机の表面上に複数の明らかな光スポットを形成し得る。本発明の実施形態によれば、各サブビームは、中央局210から中央局窓370を介して伝播する場合、中央局窓370の表面上に第1の明らかな光スポット372を形成し得る。いくつかの実施形態によれば、中央局窓370の表面上の第2の明らかな光スポット373を、ユーザ窓360から反射される光で形成し得る。他の実施形態によれば、第2の明らかな光スポット373は、可視光源320から発せられる光で形成し得る。2つの光スポット372及び373の位置は、重なるまで調整又は変更し得る。光スポット372及び373が重なる場合、すなわち、窓370上の同じ位置に配置される場合、通信リンクを形成し得る。ユーザユニットに結合又は取り付けられた位置決めユニットが、第1の光スポット372と第2の光スポット373とが透明窓370上で重なるまで、ユーザユニットの位置を調整し得る。
【0052】
位置合わせプロセス中、ユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール220は、可視光スポットが中央局210から来る光で形成される特定の位置に位置決めし得る。次に、中央局窓370上の可視スポット372及び373の両方を位置合わせし得るように、ユーザモジュールと中央局とを最良に位置合わせする特定の角度方向にユーザモジュールを移動させ得る。位置合わせプロセスは、ユーザ又はシステム管理者により手動で実行してもよく、人間の介入なく自動的に実行してもよく、又は半自動的に実行してもよく、例えば、ユーザモジュール300を手動で移動することができる間、可視光源を自動的にオンにしてもよい。
【0053】
本発明の実施形態はこれに限定されないが、各サブビームにより空間内の表面及び中央局窓370に形成される可視光スポットは、人間の目で観察可能な可視スポットであり得る。可視スポットは、可視光源203に従って特定の色等の特徴を有し得、例えば、赤色レーザダイオードが使用されている場合、赤色光スポットを観察することができるが、赤色光以外の任意の可視光を使用し得る。
【0054】
これより、本発明の実施形態による屋内無線光システムを粗く位置合わせする方法のフローチャートである図4を参照する。この方法の動作は、例えば、図1のシステム100を使用して、システム100内の要素のうちの1つ又は複数により、すなわち、ユーザモジュール120〜122、中央局110により、且つ/又は他の適したユニット、装置、及び/又はシステムにより実施し得る。
【0055】
ボックス410に示されるように、方法は、中央局の可視光源をオンにするか、又は動作させることを含み得る。これは、人間により手動で、又は機械、プロセッサ、若しくはシステムにより自動的に実行し得る。いくつかの実施形態によれば、不可視光を、可視光のオンと同時に、可視のオンよりも前に、又は可視光をオンにする前後の任意の他の時間にオンにして、データ転送を可能にし得る。可視光源がオンになると、図2のマルチミラー要素208又は任意の他の光分割要素の使用により、例えば、空間内、室内、又はエリア内の複数の位置で複数の可視光スポットを観察し得る。
【0056】
ボックス420に示されるように、方法は、任意選択的に、ユーザモジュールの位置又はユーザモジュールが将来に配置され得るポイント、表面、若しくは位置を指すように中央局を向けることを含み得る。この任意選択的な動作は、中央局が、例えば、位置の移動、傾斜、又は変更が可能なコリメータ、ノズル、又は他の要素等の要素を含み得る実施形態で実行し得る。ボックス410で示される中央局の可視光源をオンにするか、又は動作させる前にこの動作を実行してもよいことを当業者は理解されたい。
【0057】
ボックス430に示されるように、方法は、光スポットが観察される場所にユーザモジュールを位置決めすることを含み得る。中央局から発せられたビームにより形成される光スポットは、テーブル、壁等の室内の適した表面上に配置し得る。ユーザモジュールは、中央局からの光がユーザ窓、例えば、図3のユーザモジュール300の窓360に向けられるように配置すべきである。
【0058】
ボックス440に示されるように、方法は、ユーザモジュールの可視光源をオンにするか、又は動作させて、中央局へのユーザモジュールの位置合わせに可視放射を使用することを含み得る。ユーザモジュールの可視光源の動作は、人間が手動で実行してもよく、又は機械、プロセッサ、若しくはシステムにより自動的に実行してもよい。この動作は、位置合わせ手順がユーザモジュールから発せられる可視光の使用を含む実施形態で使用し得る任意選択的な動作であることを理解されたい。位置合わせ手順が中央局から発せられる光の反射の使用を含む実施形態では、この動作を使用してなくもよい。
【0059】
ボックス450に示されるように、方法は、中央局から発せられた可視光と、ユーザモジュールから発せられた可視光又はユーザモジュールから反射した可視光とが重なり、集まり、一致し、又は位置合わせされるように、ユーザモジュールの位置を調整し、変更し、修正し、整調し、又は移動させることを含み得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは、中央局の位置合わせ窓、例えば、図3の窓370上の中央局から発せられる光により形成される光スポットと、中央局の位置合わせ窓上のユーザモジュールから発せられる光により形成される光スポットとが重なるように、調整し、回転させ、捻り得る。
【0060】
ボックス460に示されるように、方法は、可視光スポットが位置合わせされたか否かをチェックすることを含み得る。第1の可視光スポットは、ユーザモジュールから発せられる光又はユーザモジュールから反射する光により形成され、第2の光スポットは、中央局から発せられる光により形成される。中央局の位置合わせ窓上の2つの可視光スポットが位置合わせされる場合、すなわち、1つのみの可視スポットを観察し得る場合、方法は、ボックス470に示されるように、粗い位置合わせを終了することができ、その一方で、中央局の位置合わせ窓上の2つの可視光スポットが位置合わせされない場合、すなわち、中央局の位置合わせ窓上に2つの可視光スポットがある場合、方法はボックス450に戻り、ユーザモジュールの位置を再び調整又は変更し得る。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ユーザモジュール及び中央局の両方の可視光源をオフにする動作は、粗い位置合わせが達成された後に実行し得る。可視光源又はリンク全体のオフは、例えば、ユーザモジュールから縁部装置(edge device)の切断を決定した場合、不正装置がユーザモジュールに接続しようとする場合等の他の状況で実行してもよい。いくつかの実施形態では、縁部装置がユーザモジュールから切断される瞬間、節電のために、すべての光源をオフにし、リンクをダウンさせ得る。可視光源をオフにする動作により、可視光源がオフになるとすぐに純粋に不可視になり得る通信リンクの節電並びに安全レベルの向上が可能であり得る。不可視光源は、位置合わせ時の開始時にオンにして、通信リンクを可能にし得る。通信リンクの品質は、中央局及びユーザモジュール内の光検出器、例えば、光検出器204及び312により常時検知又は検出し得る。いくつかの実施形態によれば、通信リンクの品質の低下、例えば、特定の電力レベルの降下又は特定の事前定義される閾値への到達が検知される場合、可視光源をオンにして、位置合わせプロセスを再び実行することにより、ユーザモジュールと中央局とを再び位置合わせし得る。
【0062】
他の動作又は動作セットを本発明の実施形態により使用し得ることを当業者は理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、位置合わせプロセスは、ユーザモジュールから発せられる可視光を使用せずに実行し得る。そのような実施形態では、ユーザ窓は不可視光を透過し、可視光を主に反射するように特に設計し得るため、中央局から来る光の大半は、ユーザ窓、例えば、窓360を介してユーザモジュールの光検出器、例えば、図3の光検出器312に透過し、可視光の相対的に小さな部分が、その窓から中央局の窓、例えば、図3の中央局窓370に向かって反射し得る。反射光は、中央局の位置合わせ窓の表面上に可視光スポットを生成し得る。ユーザモジュールの位置は、2つの可視光スポットが中央局窓上に現れるまで、特定の角度方向に修正又は変更し得る。次に、2つのスポットが重なるまでユーザモジュールを調整し得る。1つの結合したスポットが中央局窓内に現れた場合、おおまかな又は粗い位置合わせが達成される。
【0063】
そのような実施形態では、2つの光スポットが中央局の窓上、例えば、中央局窓370で観察し得、一方のスポット、例えば、図3のスポット372は、中央局から離れてユーザモジュールに向かう方向で中央局窓を照明し、第2のスポット、例えば、図3のスポット373は、ユーザ窓から反射されるか、又はユーザモジュールの可視光源から来る光で形成される。ユーザ窓から反射されるか、又はユーザモジュールから発せられた光スポットが、中央局窓上の円内、クレスト内、又は他のマーク内に現れ、中央局窓上で第1のスポット(中央局から発せられる)に重なった場合、おおまかな又は粗い位置合わせが達成されたと見なし得る。
【0064】
本発明の実施形態によれば、細かい位置合わせは、両光スポットを中央局窓370の中心に持って行くことにより達成し得る。細かい位置合わせを実行して、両光スポットを中央局窓370の中心に持って行くことにより、中央局及びユーザユニットは位置合わせされたと見なし得る。
【0065】
これより、本発明の実施形態による屋内無線光システムを細かく位置合わせする方法のフローチャートである図5を参照する。方法の動作は、例えば、図1のシステム100を使用して、システム100内の要素の1つ又は複数、すなわち、ユーザモジュール120〜122、中央局110により、且つ/又は他の適したユニット、装置、及び/又はシステムにより実施し得る。
【0066】
ボックス510に示されるように、方法は、ユーザモジュールに結合又は接続された、電力メータ等の電力検出器又は電力センサを動作させることを含み得る。電力メータは、ユーザモジュールの光検出器、例えば、図3の光検出器312に接続し得る光電力メータであり得る。他の電力検出器、例えば、ユーザモジュール又は任意の他の電力検出器に接続されたコンピュータにより動作するデジタル電力検出器を使用してもよい。
【0067】
ボックス520に示されるように、方法は、ユーザモジュールの光検出器により、例えば、図3の光検出器312により検出又は検知された放射の電力を測定することを含み得る。光検出器312は、中央ユニットの不可視光源から発せられる光の電力を測定し得る。本発明の実施形態によれば、方法は、中央局から発せられる不可視放射及び/又は可視放射を監視し、ユーザモジュールの光検出器に到達する放射の検出される電力を測定することを含み得る。他の実施形態は、追加又は代替として、中央局の光検出器により、例えば、図2の光検出器204により検出又は検知される放射の電力を測定することを含み得る。
【0068】
ボックス530に示されるように、方法は、例えば、電力検出器で測定し得るユーザモジュールの光検出器に到達する放射の電力を最大化するように、ユーザユニットに結合された位置決めユニットにより、ユーザモジュールの位置の調整、移動、修正、又は変更を行うことを含み得る。ユーザモジュールは、ユーザモジュールに到達する光線の電力を最大化し得るように、手動又は自動で位置の傾斜、移動、調整、整調、又は他の様式での変更を行い得る。
【0069】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは、ねじ等の角度位置合わせ手段を含み得、それにより、ユーザモジュールは角度方向、例えば、Qx、Qy、及びQz角度において調整することができる。ユーザモジュールは、追加又は代替として、水平方向及び垂直方向に沿って移動させて、好ましい位置、すなわち、最大電力が検出される位置を見つけ得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは位置決めユニットを含み得、位置決めユニットは、例えば、最大電力が検出されるまで、中央ユニットに対してユーザユニットの空間的位置を調整し得る。位置決めユニットは、ユーザユニットに結合してもよく、取り付けてもよく、又はユーザユニット内に埋め込んでもよい。
【0070】
ボックス540に示されるように、方法は、最適な位置合わせを達成するために、最大電力に達し、最大電力が検出されたか否かをチェックすることを含み得る。電力のピークに達し、ピークが測定された場合、方法は、ボックス550に示されるように、ユーザモジュールを現在位置にロックし、且つ/又は固定して、達成された最適な位置合わせを維持することを含み得る。電力のピークに達していない場合、方法は、ボックス530に戻ることにより示されるように、ユーザモジュール位置のさらなる調節を含み得る。電力測定に続くユーザモジュール位置のさらなる調整は、ボックス540に示されるように、最大電力を検出することができるまで、定期的に実行し得る。
【0071】
他の動作又は動作セットを本発明の実施形態により使用し得ることを当業者は理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、最適な位置合わせは、中央局及びユーザモジュールのうちの一方又は両方での最大の不可視光信号を検出することにより、例えば、ユーザモジュール及び中央局の両方で不可視光信号を検出し測定することにより、制御し達成し得る。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、ユーザモジュール、例えば、図1のユーザモジュール120及び中央局、例えば、図1の中央局110は、細かい位置合わせ手順を簡易化し自動化する光フィードバック制御を含み得る。フィードバック制御は、プロセッサ、例えば、図1の通信ユニット114、プロセッサ113、又はプロセッサ123により実施することができ、プロセッサは、光検出器に結合された電力メータにより測定される、ユーザ光検出器が受信する不可視放射信号の測定電力に関する入力データを受信し得る。微調整は、送信中、ユーザモジュールの光検出器で検出される不可視光信号の電力に基づいて更新し得る。ユーザモジュールの光検出器は電力メータに接続又は結合することができ、電力メータは、受信された不可視光の電力を検出し測定し得る。
【0073】
位置合わせの微調整は、機械的手段により、例えば、ユーザモジュールの位置を手動で、例えば、Qx、Qy、及びQzの各方向でユーザモジュールの角度位置を変更する2つのねじを有するホルダにより実行してもよく、又は自動的に、例えば、図11に関して説明される1つ又は複数のミラーにより実行してもよい。
【0074】
光信号フィードバックループと共に、ユーザモジュールの三次元位置又は水平、垂直、及び/又は角度位置の自動調整により、通信セッション中にユーザ位置のオンライン監視を行い、位置合わせの瞬時のオンライン補正及び更新を行うことができ得る。そのような実施形態は、通信セッション中に室内又は空間内のあちこちをユーザが移動する柔軟性を拡張し得る。システムは、ユーザ位置を追跡し、位置合わせを更新して、中央局との接続を中断しないスムーズな通信を保証する。
【0075】
いくつかの実施形態では、電力を測定することによりリンク品質を追跡する能力を使用して、光源の放射レベルを調整し得る。例えば、リンク品質が最大であるが、通信セッションがそのように高い電力リンクを必要としない場合、例えば、データ転送速度が最大速度よりも低い場合、ユーザモジュール及び中央局の光源からの放射の電力を低めて、節電することができる。
【0076】
図6〜図11は、異なる光システム、要素、モジュール、構成要素等により本明細書に記載される本発明を実施又は実行し得る例示的なシステムである。図6〜図11が、本明細書に記載される本発明を実施又は実行し得る単に例示的なシステムを表し、本発明の範囲がこの点において限定されないことを当業者はさらに理解されたい。
【0077】
これより、本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである図6を参照する。光無線システム600は、例えば、図1の光システム100であることができ、中央局610と、複数のユーザモジュール620、621、622、623、及び624とを含み得る。中央局610は、送受信器612と、光モジュール611とを含み得、光モジュール611は光線又は光放射を送受信器612からユーザモジュール620〜624に向け、及びユーザモジュール620〜624から送受信器612に向けることができる。他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素は、簡潔にするために示されていないが、システム600に含めることができる。例えば、中央局610は、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0078】
送受信器612は、図2に提示される送受信器212と同様であり得、可視光源602と、対物レンズ632と、不可視光源603と、対物レンズ633と、光検出器又は光センサ604と、対物レンズ634とを含み得る。可視光源602及び対物レンズ632は、不可視光源603及び対物レンズ633と共に、ユーザモジュール620〜624に向けて光を送るために使用し得、本明細書では「送信器」とも呼ばれる。光センサ604及び対物レンズ634は、ユーザモジュール620〜624から受け取った光を検出するために使用し得、本明細書では「受信器」とも呼ばれる。
【0079】
光モジュール611は、例えば、ファイバスプリッタ等の光導体607を含み得、光導体607は、可視光源602及び不可視光源603から来る光放射を分割するために使用し得る。光導体607は、ファイバ655の束、群、又は房を介して複数のコリメータ608、例えば、ファイバコリメータに接続し得る。各コリメータ608は、窓656を含み得る対物レンズを含み得るか、又はそのような対物レンズに取り付け得る。窓656は図3の中央局窓370と同様である。各コリメータ608は、室内、空間内、又はエリア内の広域をカバー可能な可変Qx、Qy、及びQz角度位置を含み得る。図4及び図5に関して説明した位置合わせ手順と同様の位置合わせプロセスを、各コリメータ608とユーザモジュール620〜624の1つとの間で実行し得る。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態によれば、他のシステムトポロジを適用してもよく、例えば、中央局610は、1つ又は複数の部屋又は空間の外部に配置された廊下等の外部中央位置に配置してもよい。各コリメータ608は、コリメータを所要位置に配置するのに十分に長いファイバ、ケーブル、又はワイヤを使用することにより任意の部屋又は空間内に配置し得る。任意の他の光学手段、要素、又は装置を使用してもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュールは、ローカルスイッチとして使用することができ、すなわち、ユーザモジュールが、他のユーザの他のコンピュータを接続し得るスイッチを含む場合、コリメータとユーザモジュールとの間の単一の通信リンクを他のユーザが使用し得る。そのようなスイッチを使用することにより、各ユーザモジュール620〜624は複数のユーザにサービングし得る。
【0082】
これより、本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムを示す図7を参照する。光システム700は、中央局710と、複数のユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール771及びユーザモジュール772とを含み得る。中央局710は、送信器としての不可視光源703と、受信器としての光検出器704と、可視光源702とを含み得る。各ユーザモジュール771及び772は、送信器としての不可視光源788と、受信器としての光検出器782とを含み得る。いくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュール771及び772は、可視光源(図示せず)をさらに含み得る。
【0083】
中央局710の不可視光源703は、第1の波長、例えば、1550nmの波長で光を発することができ、ユーザモジュール772の不可視光源788は、中央局710から発せられる波長とは異なる第2の波長、例えば、1490nmの波長で光を発することができる。したがって、光検出器704は、ユーザモジュールから送られる光、例えば、1490nmの波長の光を検出するように構成することができ、光検出器782は、中央局710から送られる光、例えば、1550nmの波長の光を検出するように構成し得る。
【0084】
中央局710は、複数のポートを有する光サーキュレータ706、例えば、ファイバサーキュレータをさらに含み得る。サーキュレータ706は、サーキュレータ706のポート1を介して不可視光源703に接続し得、フィルタ722及びサーキュレータのポート3を介して光検出器704に接続し得る。光は、サーキュレータ706のポート1を介して入った場合、サーキュレータ706のポート2を介して出る一方で、サーキュレータ706のポート2を介して入った場合、サーキュレータ706のポート3を介して出る。フィルタ722は、特定の波長の寄生反射損失が光検出器704に入らないようにし得る。そのようなフィルタは、ユーザモジュールから来る信号を分割し、所望の波長の信号のみが光検出器704に到達できるようにし得る。例えば、ユーザモジュール772から発せられた光を2つの波長:第1の波長は1490nm、第2の波長は1550nmに分割することにより、所望の波長、例えば、1490nmの純粋な信号のみが光検出器704に届き得る。
【0085】
各ユーザモジュール772、771は、光サーキュレータ781、例えば、ファイバサーキュレータを含み得、光サーキュレータ781は、サーキュレータ781のポート1を介して不可視光源788に接続され、フィルタ783及びサーキュレータ781のポート3を介して光検出器782に接続される。光は、ポート1を介して光サーキュレータ781に入った場合、ポート2を介して出、ポート2を介して光サーキュレータ781に入った場合、ポート3を介して出る。フィルタ781は、特定の波長の寄生反射損失が光検出器782に入らないようにし得る。そのようなフィルタは、中央局710から来る信号を分割し、所望の波長信号のみが光検出器782に到達するようにし得る。例えば、中央局710から発せられた光を2つの波長:第1の波長は1490nm、第2の波長は1550nmに分割することにより、所望の波長、例えば、1490nmの純粋な信号のみが光検出器782に届き得る。
【0086】
中央局710からユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール771にデータを転送する場合、不可視源703からの光は、ポート1を介して光サーキュレータ706に入り、ポート2を介してスプリッタ707に送り得る。スプリッタ707は、例えば、ワイヤ、例えば、ファイバ766の束に接続し得るファイバスプリッタであり得る。スプリッタ707の各出力は、対応する対物レンズモジュール720に結合し得、対応する対物レンズモジュール720は、不可視光源703から発せられた不可視光を、可視光源702から発せられた可視光に結合し得る。ユーザモジュール(771又は772)と中央局710との間に通信リンクを確立するために、各ユーザモジュールを対応する対物レンズモジュール720と位置合わせし得る。ユーザモジュールから反射した可視光又はユーザモジュール内の可視光源から発せられた可視光により、簡単で高速の位置合わせプロセスを可能にし得る。本発明の実施形態に提示される位置合わせプロセス後、ユーザモジュール771と中央局710とが位置合わせされると、光線の不可視部分(例えば、1550nm)を、ユーザサーキュレータ781のポート3を介してユーザフィルタ783を通してユーザ光検出器782に転送し得る。
【0087】
各対物レンズモジュール720は、1つ又は複数の波長のコリメータ、例えば、二波長コリメータを含み得、コリメータは、不可視光源703からの光及び可視光源702からの可視光をコリメートし得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュールは、不可視波長コリメータを有する対物レンズモジュール780を含み得る。この場合、二波長コリメータは必要ない。ユーザ対物レンズモジュール780は、可視光の部分を対応する対物レンズモジュール720に向けて反射して、ユーザモジュール771と中央局710との位置合わせを可能にし得る。
【0088】
本発明の実施形態による中央局の二波長対物レンズモジュールを示す図7Aをさらに参照する。二波長対物レンズモジュール720は、図7の対物レンズモジュール720のそれぞれ1つの詳細図である。対物レンズモジュール720は、不可視光及び可視光の両方、例えば、赤外線光及び赤色光の両方のコリメートに使用し得る。対物レンズモジュール720は、窓721と、コリメートレンズ732と、不可視光源、例えば、図7の不可視光源703からの光を、可視光源、例えば、図7の可視光源702からの可視光に結合する光学手段とを含み得る。対物レンズモジュール720は、Qx、Qy、及びQz角を調整し、出力コリメートビームをユーザモジュールの1つ、例えば、図7のユーザモジュール772及び771に向ける機械的角度位置合わせ手段を有し得る。窓721は、図3の窓370と同様であることができ、窓上721に位置合わせ手順を支援する位置合わせマークを有し得る。窓721上の位置合わせマークは、任意のマーク、符号、又は表示であり得、例えば、円を4つの等しい部分に分ける2つの直交する線又は任意の他のマーク若しくは表示であり得る。
【0089】
再び図7を参照すると、本発明の実施形態では、中央局710から1つ又は複数のユーザモジュール772及び771に転送するために利用される光とは異なる波長の光を利用することにより、ユーザモジュール772(又は771)からのデータを中央局710に転送することが可能であり得、例えば、1490nmの波長を、ユーザモジュール772(又は771)から中央局710へのデータ転送に使用し得る一方で、1550nmの波長を中央局710からユーザモジュール772(又は771)へのデータ転送に使用し得る。
【0090】
ユーザモジュール772の不可視光源788から送られる光は、サーキュレータ781のポート1に入り、ポート2からサーキュレータ781を出て、ユーザ対物モジュール780に向かい得る。光は、中央局710の対物レンズモジュール720により束766内の対応するファイバに入り、サーキュレータ706のポート2に入り得る。光は、ポート3を介して光検出器704に転送される。そのようなセットアップを使用して、中央局710と各ユーザモジュール771、772との双方向接続が可能である。さらに、中央局710とユーザモジュールとの最良の位置合わせ条件が、ユーザモジュールの1つ、例えば、ユーザモジュール771と中央局710との最適な位置合わせを調整することにより自動的に生じ得、これは他のすべてのユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール772にも同時に適用される。
【0091】
本発明の他の実施形態は、例えば、ギガビットEthernet(登録商標)受動光ネットワーク(GEPON)双方向送受信器に基づく中央局710及びユーザモジュール構造を利用する他の選択肢を含み得る。任意の他の利用選択肢を使用してもよい。
【0092】
本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す図8A及び図8Bをこれより参照する。図8Aは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示し、図8Bは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムの送受信器を示す。送受信器は、受信器として動作する光検出器と、送信器として動作する不可視光源とを1つのモジュールに統合する。図8Aは、中央局800と、複数のユーザモジュール805のうちの例示的な1つとを示す。各ユーザモジュール805は、ユーザ送受信器820と、ユーザ光モジュール870とを含み得る。光モジュール870は、図3の窓360と同様であることができ、透明窓872を含み得、透明窓872は、いくつかの実施形態では、中央局800から来る可視光を反射し得、又はいくつかの他の実施形態では、ユーザモジュール805内の可視光源から来る可視光を透過し得る。光モジュール870は、複数の対物レンズモジュール871を含み得、各対物レンズモジュール871は、窓872を含むか、又は窓872に結合して、本発明の実施形態に提示されるような位置合わせプロセスを可能にし得る。
【0093】
中央局800は、送受信器810と、可視波長、例えば、650nmで放射し得る可視光源840と、可視光源840から発せられる可視光と送受信器810から発せられる不可視光線とを結合するビーム結合器830と、結合器830から来る結合ビームを分割するビームスプリッタ850と、光ファイバ等の光ワイヤ855の束を介してスプリッタ850に結合された光モジュール860とを含み得る。光モジュール860は、それぞれが各ファイバに結合されてサブビームをコリメートする複数の対物レンズモジュール861を含み得る。モジュール861の数は、スプリッタ850の出力チャネルの数に等しくし得る。各対物レンズモジュール861は、窓862を含むか、又は窓862に結合し得、本発明の実施形態に提示されるような位置合わせプロセスを可能にし得る。
【0094】
図8Bは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムの送受信器を示す。送受信器880は、図8Aの中央局800の送受信器810又は図8Aのユーザモジュール805の送受信器820であり得る。送受信器880は、不可視光放射を発する不可視光源モジュール811と、特定の波長の光を検出するように構成されたフォトダイオード等の光検出器又は光センサ814とを含み得る。光検出器814は、トランスインピーダンス増幅器モジュールを含むか、又はトランスインピーダンス増幅器モジュールに結合し得る。送受信器880は、不可視光源811からの反射光を遮断するアイソレータ812と、例えば、送受信器880から発せられたビームを透過し、送受信器880に到達するビームを反射し、光センサ814に向けるように構成された波長分割多重(WDM)フィルタ等の光フィルタ813とをさらに含み得る。
【0095】
例示的な送受信器880は、中央局送受信器810であり得る。そのような例示的な送受信器では、不可視光源モジュール811は、例えば、1310nmの波長の光を発し得、光検出器814は、異なる波長、例えば、1490nmの光を検出するように構成し得る。光フィルタ813は、不可視光源811から発せられた波長1310nmの光を透過し、例えば、1490nmの波長でユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール805から発せられる光線を反射し、光検出器814に向けるように構成し得る。
【0096】
別の例示的な送受信器880は、ユーザモジュール送受信器820であり得る。そのような例示的な送受信器では、不可視光源モジュール811は、例えば、1490nmの波長で光を発し得、光検出器814は、異なる波長、例えば、1310nmの光を検出するように構成し得る。光フィルタ813は、不可視光源811から発せられた波長1490nmの光を透過し、例えば、1310nmの波長で中央局、例えば、中央局800から発せられる光線を反射し、光検出器814に向けるように構成し得る。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、送信に使用される第1の波長の光及び受信に使用される第2の波長の光が両方とも同じ光学要素を伝播する場合、これらの光学要素の反射防止(AR)コーティングは、両波長をカバーする広い帯域幅のものを選択し得る。
【0098】
図8Aに示されるように、送受信器810の不可視光源から発せられるビームは、可視光源840からの可視光線、例えば、波長650nmで発せられる赤色光線と混合し得る。可視光は位置合わせ目的で使用し得、結合器830により不可視光に結合し得る。結合二波長放射をスプリッタ850に結合し得る。光モジュール860は複数の対物レンズ861からなり得る。各光モジュール860は、所望のユーザ送受信器モジュールに向けられるようにする機械的角度位置合わせ手段を有し得る。
【0099】
本発明の実施形態による位置合わせプロセス中の中央局及びユーザモジュールの要素を示す図9を参照する。本発明の実施形態によれば、中央局対物レンズモジュール961は、例えば、図8Aの対物レンズモジュール861であることができ、コリメートレンズ912と、窓913とを含み得る。ユーザ局対物レンズモジュール962は、例えば、図8Aの対物レンズモジュール871であることができ、コリメートレンズ914と、窓915とを含み得る。対物レンズモジュール961は、2つ以上の波長の光を操作するように特に構成することができ、例えば、デュアルバンドコリメータ又はマルチバンドコリメータであり得る。例えば、対物レンズモジュール961は3つの波長を操作し得る:1310nm、1490nm、及び650nm。対物レンズモジュール961は、スプリッタ、例えば、図8Aのスプリッタ850から対応する光学手段を介して、例えば、ワイヤ又はファイバを介してサブビームを受け取り得る。対物レンズモジュール961は、不可視光を分け、可視光及び不可視光の両方を位置合わせプロセスのためにコリメートし得る。対物レンズモジュール961の一利点は、1つの波長構造を使用することで、同じ対物レンズを通して複数の波長、例えば、1310nm、650nm、及び1490nmの波長を一緒に達成可能にし得ることである。対物モジュール961及び/又はコリメートレンズ914及び/又はコリメートレンズ912が2つ以上の波長を有する光をコリメートするマルチバンドコリメータ又は任意の他のマルチバンドコリメート要素であり得ることを当業者は理解されたい。
【0100】
要素の設計、例えば、ワイヤ端部911とレンズ912との距離は、両方の不可視ビーム、例えば、1310nm及び1490nmの光を分けることができながら、可視出力ビームをコリメートし得るように決定し得る。コリメートされた可視光線は、中央局の送受信器、例えば、図8Aの送受信器810をユーザモジュールの送受信器、例えば、図8Aの送受信器820に位置合わせするために使用し得る。
【0101】
不可視ビームを分けることを使用する中央局及びユーザ受信器の両方での結合効率は、角度位置合わせ感度を0.05度から0.5度に実質的に低減しながら、例えば、約10dBだけ、コリメートされたビームを使用する場合よりも低減し得る。結合効率は、以下の式に基づいて算出し得、式中、D_objはコリメータレンズの直径を表し、D_spotは受信コリメータでのビーム径を表す。
【0102】
結合効率=10*Log(D_obj/D_spot)2
ユーザモジュール、例えば、図8Aの送受信器820から中央局、例えば、図8Aの送受信器810にデータを交換するために、例えば、波長1490nmのユーザモジュールから発せられる不可視光を対物レンズモジュール962によりコリメートし、次に、中央局の対物レンズモジュール961に入るまで、対物レンズモジュール962と対物レンズモジュール961との間の自由空間内を伝播する。次に、光線は対応するワイヤ又はファイバに結合し得、中央局送受信器、例えば、図8Aの送受信器810に送られ得る。ユーザ送受信器からの光は、光検出器、例えば、図8Bの光検出器814に向け得る。そのようなセットアップを使用して、中央局と各ユーザモジュールとの双方向接続を達成し得る。さらに、中央局と各ユーザモジュールとの最良の位置合わせ条件が自動的に、ユーザモジュール送受信器と中央局との最良の位置合わせに、すべてのユーザモジュールで同時に繋がり得る。
【0103】
これより、本発明の実施形態による複数の可視光の位置合わせを示す図10を参照する。本発明のいくつかの実施形態によれば、ユーザモジュールは、赤色レーザダイオード等の可視光源を含み得、可視光源は、他の実施形態に使用されるように中央局から来る可視光の反射を使用する代わりに、位置合わせ目的で使用される。中央局910及びユーザモジュール909の両方の可視光源を使用することにより、位置合わせプロセスを加速化し得る。図10に示されるように、中央局910及びユーザモジュール909の両方が、赤色レーザダイオード等の可視光源と、赤外線レーザダイオード等の不可視光源とを含み得る。中央局910は、可視光源922と、不可視光源923とを含み得、ユーザモジュール909は可視光源924と、不可視光源925とを含み得る。例えば、中央局910は、波長650nmで放射する赤色レーザダイオードと、波長1490nmで放射する赤外線レーザダイオードとを含み得る。ユーザモジュール909は、波長650nmで放射する赤色レーザダイオードと、波長1310nmで放射する赤外線レーザダイオードとを含み得る。
【0104】
中央局910からの可視光は、ユーザモジュール909を、例えば、テーブル、壁、又は他の表面上の所望の場所に位置決めするために使用し得、この位置合わせは、本明細書では「粗い位置合わせ」又は「おおまかな位置合わせ」とも呼ばれる。ユーザモジュール909は、中央局910から発せられた可視光により形成される可視光スポットがユーザ窓1003の中心に向けられるように配置し得る。ユーザモジュール909が、中央局910から発せられる可視光スポットに基づいて位置決めされた後、ユーザモジュール909から発せられた可視光を「細かい位置合わせ」に使用し得る。ユーザモジュール909から発せられた光は、中央局910の窓1004の中心に向け得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール909から来る可視光を位置合わせの細かい調整にさらに使用し得る。ユーザモジュール909の位置は変更、修正、又は調整が可能であり、例えば、中央局の窓1004上での2つの可視スポットの精密な重複を達成することにより、ユーザモジュール909の位置及び角度向きを手動又は自動で変更して、中央局910とユーザモジュール909との最大結合を達成し得る。第1の可視光スポットは、中央局910から発せられるビームにより生成し得、第2の可視光スポットはユーザモジュール909から発せられるビームにより生成し得る。追加又は代替として、位置決めは、任意の適した手段を使用して自動プロセスで実行し得る。
【0105】
本発明の実施形態によるユーザモジュールを示す図11を参照する。ユーザモジュール1000は、例えば、650nmで放射する可視光源1001、例えば、赤色レーザ源と、例えば、1310nmで放射する不可視光源1002、例えば、赤外線レーザ源と、コリメータ1003と、ユーザ窓1004と、2つの光学要素1005及び1006とを含み得る。光学要素1005及び1006は、例えば、ミラーであり得、中央局(図示せず)と位置合わせされるコリメートされた光線1008の方向の自動調整に使用し得る。光学要素1005及び1006は、光学要素1005及び1006の角度位置の変更、調整、又は傾斜により実行し得る自動化された、すなわち自動的な微調整中に使用し得る。位置合わせプロセスは、本発明の実施形態に説明されるように、位置合わせの達成に可視光を使用し得、且つ/又は中央局から発せられる不可視放射及び/又は可視放射を検出し、監視し、測定し、ユーザモジュールの光検出器に到達する放射の検出電力を測定し、且つ/又はユーザモジュールから発せられる不可視放射及び/又は可視放射を測定し、中央局の光検出器に到達する放射の検出電力を測定することに不可視光を使用し得る。
【0106】
各光学要素1005及び1006は、角度方向の1つに沿って移動し得、例えば、要素1005はQxに沿って移動し得る一方で、要素1006はQyに沿って移動し得る。他の実施形態では、各光学要素1005及び1006は、空間内で任意の所望の方向に自在に移動し得る。光学要素1005及び1006は、任意の方法又は技術で実施されたミラー、例えば、微小電気機械システム(MEMS)、圧電ミラー等の任意の適した光学要素であり得る。他の実施形態によれば、他の数の光学要素を使用し得、例えば、1つの光学要素を使用し得る。1つのミラー要素は、Qx及びQyの両方又はQx、Qy、及びQzに沿って角度移動し得る。任意の他の数のミラー又は任意の他の自動ミラー調整技術を使用してもよい。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態又は本発明の実施形態の要素は、例えば、命令を記憶した非一時的な機械可読又はコンピュータ可読記憶媒体を含むか、又はそのような媒体である製品を使用して実施することができ、命令は、コンピュータで実行されると、本発明の実施形態による方法及び/又は動作をコンピュータに実行させる。コンピュータ可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、モバイル装置、及び/又は他の適した機械)により実行されると、本発明の実施形態による方法及び/又は動作を機械に実行させる命令又は命令セットを記憶し得る。そのような機械は、例えば、任意の適した処理プラットフォーム、計算プラットフォーム、計算装置、処理装置、計算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等であり得、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適した組み合わせを使用して実施し得る。機械可読媒体又は製品は、例えば、任意の適した種類のメモリユニット、メモリ装置、メモリ製品、メモリ媒体、記憶装置、記憶製品、記憶媒体、及び/又は記憶ユニット、例えば、メモリ、リムーバブル若しくは非リムーバブル媒体、消去可能又は非消去可能媒体、書き込み可能若しくは非書き込み可能媒体、デジタル若しくはアナログ媒体、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、追記型コンパクトディスク(CD−R)、書き換え可能コンパクトディスク(CD−RW)、光ディスク、磁気媒体、様々な種類のデジタルビデオディスク(DVD)、テープ、又はカセット等を含み得る。命令は、任意の適した種類のコード、例えば、ソースコード、コンパイルコード、インタプリタコード、実行可能コード、静的コード、又は動的コード等を含み得、任意の適した高水準、低水準、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル型、及び/又はインタプリタ型プログラミング言語、例えば、C、C++、Java(登録商標)、BASIC、Pascal、Fortran、Cobol、アセンブリ言語、又は機械コード等を使用して実施し得る。
【0108】
本発明の特定の特徴を本明細書に示し説明したが、今、多くの変更、置換、変形、及び均等物を当業者は思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨内にあるそのようなすべての変形及び変更を包含することを意図されることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内無線光リンク及びネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信リンクは、常に変化する柔軟な環境で短距離通信ネットワークを展開する最も簡単で最速の手法を構成する。有線通信ネットワークとは異なり、無線通信ネットワークでは、ネットワークケーブル及びソケット等のハードウェア構成要素を物理的に追加し、又はそれらの位置を変更する必要なく、ユーザの追加、交換、及び再構成が可能である。
【0003】
早期の屋内無線光リンク(IWOL)は、波長950ナノメートル(nm)で動作する見通し線(LOS)原理に基づく拡散光リンクを利用し、通信速度125kビット/sを示した。後期のIWOLシステムは、波長約900nmで動作する狭帯域LOS下りリンクを使用して1Mビット/sリンクを呈した。
【0004】
光無線通信リンクに対する複数ソース解決策では、通信リンクを複数のユーザに提供するために、レーザダイオード(LD)又はファイバ等の複数の光源が必要である。光無線通信リンクの単一ソース解決策は単向性であり、ユーザとソースとの間に不便な位置合わせを必要とする。さらに、これらのシステムは、室内に存在する人に有害で危険であり得る高放射電力を利用する。
【0005】
本発明として見なされる趣旨は特に、本明細書の結びの部分で指摘され、明確に主張される。しかし、本発明は、目的、特徴、及び利点と共に機構及び動作方法の両方に関して、添付図面と共に読まれた場合、以下の詳細な説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態による屋内無線光システムの高レベルブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による例示的な屋内無線光システムの図である。
【図3】本発明の実施形態による例示的なユーザモジュールの図である。
【図4】本発明の実施形態による屋内無線光システムの粗い位置合わせ方法のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による屋内無線光システムの細かい位置合わせ方法のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである。
【図7A】本発明の実施形態による中央局の二波長対物レンズモジュールを示す。
【図7B】本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである。
【図8A】本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す。
【図8B】本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す。
【図9】本発明の実施形態による位置合わせプロセス中の中央局及びユーザモジュールの要素を示す。
【図10】本発明の実施形態による複数の可視光の位置合わせを示す。
【図11】本発明の実施形態によるユーザモジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
説明を簡潔且つ明確にするために、図に示される要素が必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解される。例えば、いくつかの要素の寸法が、明確にするために、他の要素に対して誇張され得る。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は、図にわたって繰り返し使用されて、対応又は同様の要素を示す。
【0008】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記される。しかし、これらの特定の詳細なしでも本発明の実施形態を実施し得ることを当業者は理解しよう。他の場合では、周知の方法、手順、及び構成要素については、本発明を曖昧にしないように、詳細に説明しなかった。
【0009】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、例えば、「処理」、「計算」、「算出」、「特定」、「確立」、「解析」、「チェック」等の用語を利用する考察は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば、電子)数量として表されるデータの操作且つ/又は変換し、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内、又は演算及び/又はプロセスを実行する命令を記憶し得る他の情報記憶媒体内の物理的数量として同様に表される他のデータにする、コンピュータ、計算プラットフォーム、計算システム、又は他の電子計算装置の1つ又は複数の動作及び/又はプロセスを指し得る。
【0010】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「複数」及び「複数の」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、「多数」又は「2つ以上」を含み得る。「複数」又は「複数の」という用語は本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、2つ以上の構成要素、装置、要素、ユニット、パラメータ等を示すために使用され得る。例えば、「複数の装置」は2つ以上の装置を含み得る。
【0011】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「送受信器」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、送信器及び受信器の両方を備えた任意の装置、構成要素、又は要素を示すために使用され得る。送受信器は、共通の回路を共有し得、又は共通の筐体を有し得る送信器と受信器との組み合わせを含み得る。
【0012】
本発明の実施形態はこの点において限定されないが、「光検出器」、「光センサ」、「ライト検出器」、「ライトセンサ」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書全体及び特許請求の範囲全体を通して、光又は他の電磁エネルギーを検知又は検出し得る任意の装置、構成要素、又は要素、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、電荷結合素子(CCD)等を示すために使用され得る。
【0013】
本発明の実施形態は、光双方向通信リンクを中央局から1つ又は複数のユーザモジュール及びユーザモジュールから中央局に提供する単一の中央局を利用する解決策を提供する。中央局とユーザモジュールとの間の双方向放射は、「見通し線」伝播であってもよく、又は「非見通し線」伝播であってもよい。中央局とユーザモジュールとの間の光接続又は光リンクの設定は位置合わせプロセスを含み得、位置合わせプロセスでは、ユーザがユーザモジュールの位置及び/又は中央局への双方向通信リンクが存在し得る方向についてユーザモジュールを設定することが可能であり得る。位置合わせプロセスは、通信リンクの不可視光の伝播を視覚化する可視光の検出を含み得、可視光は中央局及び/又はユーザモジュールから発し得る。位置合わせは、可視光に従ってユーザモジュールの位置を位置合わせして、中央局とユーザモジュールとの間に光接続を設定することをさらに含み得る。
【0014】
本発明の実施形態は、送受信の速度が光速であるため、理論上、無制限のリンク速度を有する双方向通信リンクを含み得る。双方向通信リンクの性能は実際には、通信装置の性能、例えば、10Gbps、100Gbpsのモデム装置の性能のみによって制限され得る。
【0015】
本発明の実施形態による屋内無線光システムの高レベルブロック図である図1を参照する。光無線システム100は、メインプロセッサ、例えば、スイッチ又はネットワークプロセッサに結合された中央局110と、1つ又は複数のユーザユニット120、121、及び122とを含み得る。光リンク130を中央局110とユーザユニット120との間に形成することができ、光リンク131を中央局110とユーザユニット121との間に形成することができ、光リンク132を中央局110とユーザユニット122との間に形成することができる。光リンク130を使用するために、通信目的でコンピュータ又は任意の他のユーザ装置140をユーザユニット、例えば、ユーザユニット120に接続し得る。ユーザ装置140は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、個人情報端末(PDA)、スマートフォン、ページャ、又は任意の他のモバイル若しくは静止計算装置であり得る。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、中央局110は、部屋、空間、又はエリア内の中央又はメイン位置に位置決め、配置、又は置くことができ、例えば、天井又は壁に取り付けるか、又は吊り下げることができる。ユーザユニット120〜122は、本明細書ではユーザモジュール120〜122とも呼ばれ、任意の妥当な位置、例えば、机の上又は壁に位置決め、配置、又は置くことができ、ユーザユニット120〜122から通信リンク130〜132を形成し得る。「照準」としても知られる、中央局110から発せられる光の光軸と、ユーザユニット120〜122から発せられる光とを位置合わせできるようにし得る任意の他の位置を本発明の実施形態において使用し得る。
【0017】
中央局110は、本明細書では中央ユニット110とも呼ばれ、コリメートされた不可視光線を介して双方向光通信リンクを確立して、スイッチ101に接続されたリモート通信装置と1つ又は複数のユーザユニット120〜122との間での無線通信の伝送を可能にするように構成し得る。ユーザユニットは、双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する光送信器と、双方向光通信リンクを介して中央ユニットから送信された複数の光信号を受信する受信器とを含み得る。中央ユニットは、双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する光送信器と、双方向光通信リンクを介してユーザユニットから送信された複数の光信号を受信する光受信器とを備え得る。中央ユニット及びユーザユニットの光送信器は不可視光源を備え得、中央ユニット及びユーザユニットの受信器は光センサを備え得る。本発明の実施形態によれば、ユーザユニット及び中央ユニットのうちの少なくとも一方は、本発明の実施形態に説明されるように、双方向光通信リンクの確立時に、ユーザユニットと中央ユニットとの位置合わせを可能にするコリメートされた可視光線を生成する可視光源を備え得る。
【0018】
中央局110は、光モジュール111と、送受信器112と、プロセッサ113と、メモリ115と、通信ユニット114とを含み得る。送受信器112は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク130〜132を介して運ばれるデータの、ユーザユニット120〜122への送信、及びユーザユニット120〜122からの受信を可能にし得る。
【0019】
送受信器112は、不可視光源と、可視光源とを含み得る。不可視光源、例えば、赤外線レーザダイオードは、光通信リンク130〜132を形成する放射を提供することができ、その一方で、可視光源、例えば、赤色レーザダイオードは、中央局110と各ユーザモジュール120〜122とを簡単に位置合わせし、各通信リンク130〜132をそれぞれ形成できるようにし得る可視光放射を生成し得る。さらに、サービス通信チャネルをユーザモジュール120〜122と中央局110との間に形成して、例えば、通信ユニット114により制御信号を転送できるようにし得る。
【0020】
通信ユニット114は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。通信ユニット114は、通信チャネルを形成して、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との間で制御信号を転送できるようにし得る。通信ユニット114は、任意選択的に、且つ/又は追加として、位置合わせプロセス、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との自動位置合わせを制御し得る。通信ユニット114により形成される通信チャネルは、制御目的で使用し得る低電力通信チャネル又はネットワーク、例えば、Ethernet(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等であり得る。
【0021】
光モジュール111は、レンズ、スプリッタ、コリメータ、又は各通信リンク130〜132を形成するために光学的操作を可能にし得る任意の他の光学要素等の光学要素を含み得る。光モジュール111は、例えば、マルチミラー要素、ファイバコリメータ、又は中央局からの光を各ユーザモジュール120〜122に到達させることができる任意の他の装置を含み得る。
【0022】
プロセッサ113は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。プロセッサ113はさらに、他の適したハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含み得る。プロセッサ113は命令を含むか、又は1つ若しくは複数のオペレーティングシステムと併せて命令を実行することができ、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は中央局110の他の管理動作、例えば、位置合わせプロセスの実行計画を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。プロセッサ113はメモリ115に関連付け、又は結合することができ、メモリ115は、例えば、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との位置合わせプロセスを実行するために必要な動作等の本発明の実施形態により処理されるか、又は作成されるデータを記憶し得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール120〜122の1つ等のユーザモジュールは、通信リンク、例えば、双方向通信リンク130〜132の1つを形成し得るように位置決め、配置、置き、且つ位置合わせし得る。ユーザモジュールは、見通し線が各ユーザモジュール120〜122と中央局110との間で利用できるように位置決めし得る。例えば、ユーザモジュール120は、本発明の実施形態により中央局110とやりとりする通信リンク130を形成するように位置決めされ、方向付けられ、且つ位置合わせし得る。例えば、ユーザモジュール120は、光モジュール126と、送受信器127と、プロセッサ123と、メモリ125と、通信モジュール114とを含み得る。
【0024】
送受信器127は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク130〜132を介して運ばれるデータをユーザモジュール、中央局110と送受信できるようにし得る。送受信器127は、不可視光源、例えば、赤外線レーザダイオードを含み得、不可視光源は、光通信リンク130〜132を各ユーザモジュール120〜122と中央局110との間に提供し得る。送受信器127は、任意選択的に、可視光源、例えば、赤色レーザダイオードを含み得、可視光源は、各ユーザモジュール120〜122と中央局110とを簡単に位置合わせできるようにする可視光を提供し得る。
【0025】
通信ユニット124は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。通信ユニット124は、通信チャネルを形成して、例えば、通信ユニット124により、中央局110と各ユーザモジュール120〜122との間で制御信号を転送できるようにし得る。通信ユニット124は、任意選択的に、且つ/又は追加として、位置合わせプロセス、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との自動位置合わせを制御し得る。自動位置合わせプロセスの制御は、送信される電力レベルの制御並びに/或いは各ユーザモジュール120〜122及び/又は中央局110の位置、配置、及び可動性の制御を含み得る。通信ユニット124により形成される通信チャネルは、制御目的で使用し得る低電力通信チャネル又はネットワーク、例えば、Ethernet(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等であり得る。さらに、又は任意選択的に、通信ユニット124は、光リンク130〜132を制御し、例えば、ユーザモジュール120からの光リンクを複数のエンドユーザ140に分割し得る。
【0026】
光モジュール126は、レンズ、スプリッタ、コリメータ、又は各通信リンク130〜132を形成する光学的操作を可能にし得る任意の他の光学要素等の光学要素を含み得る。プロセッサ123は、1つ又は複数の中央演算処理装置(CPU)又は任意の他の適した多目的若しくは専用プロセッサ若しくはコントローラ等であるが、これらに限定されない構成要素を含み得る。プロセッサ123はさらに、他の適したハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含み得る。プロセッサ123は命令を含むか、又は1つ若しくは複数のオペレーティングシステムと併せて命令を実行することができ、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は中央局110の他の管理動作、例えば、位置合わせプロセスの実行計画を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。プロセッサ123はメモリ125に関連付け、又は結合することができ、メモリ125は、例えば、各ユーザモジュール120〜122と中央局110との位置合わせプロセスを実行するために必要な動作等の本発明の実施形態により処理されるか、又は作成されるデータを記憶し得る。
【0027】
本発明の範囲はこれに限定されないが、本発明の実施形態において説明される計算装置、例えば、プロセッサ101、123、113、及び/又はコンピュータ140はオペレーティングシステムを含み得、オペレーティングシステムは、調整、スケジューリング、アービトレーション、監督、制御、又は計算装置の他の管理動作を含むタスクを実行するように設計され、且つ/又は構成される任意のコードセグメントであり得るか、又はそのようなコードセグメントを含み得る。そのようなオペレーティングシステムは、商用又はプロプライエタリオペレーティングシステムであり得る。本明細書に開示される計算装置はメモリを含み得、メモリは、例えば、RAM、ROM、DRAM、SD−RAM、DDRメモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット、又は他の適したメモリユニット若しくは記憶ユニットであり得るか、又はそれ(ら)を含み得る。メモリは、複数のおそらくは異なるメモリユニットであり得るか、又はそれらを含み得る。本明細書において説明されるソフトウェアは、実行可能コード、例えば、アプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプトを含み得、おそらくはオペレーティングシステムの制御下であり得る。
【0028】
図1の例示的な図では、3つのユーザモジュール、3つの通信リンク、及び1つのプロセッサが示されるが、本発明がこれに限定されず、本発明の実施形態によれば、システム100が任意の適した数のユーザモジュール、通信リンク、及びコンピュータを含み得ることを当業者は理解されたい。さらに、ユーザモジュール120内に含まれる光モジュール126、送受信器127、プロセッサ123、メモリ125、及び通信モジュール114を各ユーザモジュール内に含めることができ、簡潔にするために1回のみ示されることを当業者は理解されたい。
【0029】
図2は、本発明の実施形態による例示的な屋内無線光システムのブロック図である。例示的な光無線システム200は、例えば、図1の光システム100であり得、中央局210と、複数のユーザモジュール220、221、222、及び223とを含み得る。中央局210は、送受信器212と、光モジュール211とを含み得、光モジュール211は、双方向通信リンクを形成し得るように、送受信器212からの光線又は光放射をユーザモジュール220〜223に向け、ユーザモジュール220〜223からの光線又は光放射を送受信器212に向けることができる。他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素をシステム200に含め得るが、簡潔にするために示されない。例えば、中央局210はさらに、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0030】
送受信器212は、不可視光源202と、対物レンズ232と、可視光源203と、対物レンズ233と、光検出器又は光センサ204と、対物レンズ234とを含み得る。不可視光源202及び対物レンズ232は、可視光源203及び対物レンズ233と共に、ユーザモジュール220〜223に向けての光の送信に使用することができ、本明細書では「送信器」と呼ばれる。光検出器204及び対物レンズ234は、ユーザモジュール220〜223から来る光を検出するために使用することができ、本明細書では「受信器」と呼ばれる。送受信器212は、本発明の実施形態に説明されるように、光リンク240、241、242、及び243を介して運ばれるデータをユーザモジュール220、221、222、及び223のそれぞれと送受信できるようにし得る。
【0031】
本発明の実施形態はこれに限定されないが、可視光源203は、不可視放射スペクトルを有する任意の光源、例えば、赤外線レーザダイオード等の1310〜1550ナノメートル(nm)の波長の放射を有する任意の赤外線光源を含み得る。本発明の実施形態はこれに限定されないが、不可視光源202は、可視放射スペクトルを有する任意の光源、例えば、赤色レーザダイオード等の630〜650nmの波長の放射を有する任意の赤色光源を含み得る。
【0032】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、不可視光源202は赤外線レーザダイオードであり得、例えば、1550nmの波長で放射し得る。不可視光源202からの放射は、データを1つ又は複数のユーザ受信器220、221、又は222に向けて運ぶために使用し得る。本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、可視光源203は赤色レーザダイオードであり得、650nmの波長で放射し得る。可視光源203からの放射は、不可視光源202からの光に結合して、送受信器212とユーザモジュール220〜223のそれぞれ1つとの光接続を設定するために、不可視光、例えば、赤外線光の伝播を可視化し得る。光検出器204は、1つ又は複数のユーザモジュール220〜223から発せられた光を検出又は検知するために使用し得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、光モジュール211は、複数の光学要素、装置、及び可視光源203から発せられた光と、不可視光源202から発せられた光とを、両放射が略同一の光軸を有し得るように結合し、結び付け、リンクさせ、又は設定する手段を含み得る。2つの光放射の結合により、可視光源203から来る可視光、例えば、赤色光を人間が観察して、方向を位置合わせし、それにより、人間の眼では見ることができない不可視光源202からの不可視光、例えば、赤外線光の方向の位置合わせを行うことができる。位置合わせプロセス中、本発明の実施形態に説明されるように、可視光源203から発せられる可視光を観察することにより、不可視光を位置合わせするように、ユーザモジュール220〜223のそれぞれ1つの位置を調整し、変更し、又は合わせることができる。
【0034】
光モジュール211は、ビームスプリッタ205及び206と、ビーム拡大器207と、マルチミラー要素208とをさらに含み得る。マルチミラー要素208は、二次元プレート又は複数のミラーを備えた任意の他の装置を有し得る。送受信器212のスプリッタ205及び206は、可視光源203及び不可視光源202からの放射の結合及び/又は分割に使用し得る。例えば、スプリッタ205は、不可視光源202及び可視光源203からの光を結合することができ、スプリッタ206は、ユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール220から発せられた放射を分割し、不可視光を光検出器204に向け得る。ビーム拡大器207は、可視光源203及び不可視光源202から発せられる結合放射の直径を拡大又は拡張するために使用し得る。
【0035】
中央ユニット210は、中央ユニットから発せられたコリメートされた光を、複数のユーザユニット220〜223に向けられた複数のコリメートされた光線に分割する1つ又は複数の光学要素を含み得る。
【0036】
送受信器212から送られる拡張されコリメートされた光線は、マルチミラー要素208により、本明細書では「光リンク」241〜243とも呼ばれる複数の別個の光線に分割し得、各光リンク241〜243は、本明細書ではQxとも呼ばれる異なる方位角と、本明細書ではQyとも呼ばれる異なる外側角を有する。マルチミラー要素208は、光線を特定の位置に向けることができる任意の適した光学要素、装置、又は構成要素を含み得る。マルチミラー要素208は、送受信器212から出力される結合光線を複数の光線240〜242にそらせて分割することができ、各光線は、ミラーセルの仕様に従って異なる方向に向けられ、例えば、光線の方向間のピッチをミラーセルの数により定義し得る。
【0037】
マルチミラー要素208が様々な特徴を有し得、本発明の実施形態により傾斜又は固定されたミラーを含み得ることを当業者は理解されたい。マルチミラー要素208は複数のミラー又はミラーセルを含み得、各ミラー又はミラーセルは、例えば、共通ミラープレートに対する独自のQx、Qy角度傾斜等の各自のパラメータ及び仕様を有し得、ミラーセルに衝突する光線の部分を特定の方向、例えば、ユーザモジュール220の位置に向けることができる。
【0038】
本発明の実施形態は、例えば、ユーザ位置を柔軟且つ移動可能にするために、システムの実施に他のオプションを含み得、マルチミラー要素208は、多次元ミラープレート、定義された角度位置を有する二次元ミラープレート、又は多次元軸可動ミラーの線形アレイにより実施し得る。
【0039】
本発明の実施形態では、各ユーザモジュール220〜223を単一のサブビームに位置合わせすることができ、したがって、専用通信チャネル又はリンクを各ユーザモジュール220〜223と中央局210との間に形成することができるため、安全性の高い通信を可能にし得ることを当業者は理解されたい。各専用通信リンクは、1つのみのユーザモジュールにサービングし得るため、安全な通信チャネルとして動作し得る。そのような光リンクに基づく通信プロトコルでは、例えば、専用データパケット、安全なトランザクション、又は単一のユーザ局、例えば、ユーザモジュール120に専用の任意の他の安全な通信を使用することにより、安全な通信を可能にし得ることが明らかであるはずである。
【0040】
本発明の実施形態が、可視光源203がオンになり得る実質的に短い位置合わせ時間以外は不可視である無線通信リンクを提供し得ることにより、加えて、本明細書の実施形態に説明されるように光放射が比較的狭いことにより、安全性の高い通信が実現可能であり得る。
【0041】
図2の例示的な図では、4つのユーザモジュールが示されるが、本発明がこれに限定されず、本発明の実施形態によれば、システム200が任意の適した数のユーザモジュールを含み得ることを当業者は理解されたい。
【0042】
図2の例示的な図では、光モジュール211は、光を複数のユーザモジュールに向けるマルチミラー要素を含み得るが、本発明がこれに限定されず、本発明の他の実施形態によれば、光モジュール211が、例えば、図6〜図11に提示されるような任意の適した光学要素又は装置を含み得ることを当業者は理解されたい。
【0043】
図2は、本明細書に説明される本発明を実施又は実行し得る1つのみの例示的なシステムを表すが、本発明の範囲はこれに限定されないことを当業者はさらに理解されたい。本発明を実行し得る他のシステム又は実施態様を使用してもよい。例えば、サーキュレータ、スプリッタ、ピッグテールファイバ等の様々な光モジュール及び/又は構成要素を使用する他の光システムを使用し得る。本発明の実施形態をすべて実施し得るいくつかの例示的なシステムを図6〜図11を参照して説明する。
【0044】
これより、本発明の実施形態による例示的なユーザモジュールの図である図3を参照する。本発明はこれに限定されないが、ユーザモジュール300は、図2のユーザモジュール220〜223又は図1のモジュール120〜122の任意の1つであり得、又はそのような任意の1つの機能を実行し得る。
【0045】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール300は、中央局から来る光を検出し、本発明の実施形態により説明されるように、光線を中央局、例えば、図2の中央局210又は図1の中央局110に向けることができる。本発明はこれに限定されないが、ユーザモジュール300の構成要素は、1つ又は複数のモジュール又はユニット、例えば、送受信器及び光モジュール、例えば、図1の送受信器127及び図1の光モジュール126内に含めることができる。簡潔にするために図3に示されていないが、他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素をユーザモジュール300に含めることができる。例えば、ユーザモジュール300は、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0046】
ユーザモジュール300は、不可視光源310、例えば、赤外線レーザダイオードと、光検出器312とを含み得る。ユーザモジュール300は、可視光源320、例えば、赤色レーザダイオードと、対物レンズ321とを含み得、本明細書ではこれらは一緒に「可視光源」305と呼ばれる。
【0047】
本発明の実施形態によれば、中央局から発せられる光は、光検出器312に厳密に合焦し得る。光検出器312の開口部は、平坦窓360で覆うことができ、平坦窓360は、ガラス、プラスチック等の透明又は部分的に透明な材料で作ることができる。窓360は、不可視光源310の光軸に略垂直に位置決めすることができ、中央局から来る可視光の部分を中央局に向けて反射するか、又は可視光源320から発せられた可視光を中央局に向けて透過して、ユーザモジュール300と中央局とを位置合わせし得る。透明窓は、ユーザユニットから発せられた光の光軸に略垂直に位置決めし得るため、透明窓上に明らかな光スポットを形成することが可能であり得る。中央局から来る可視光の部分を反射し得る実施形態では、窓360は、不可視光を透過し、可視光を主に反射して、位置合わせ手順及び中央局とユーザモジュール300との通信の両方を可能にするように特に設計し得る。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、位置合わせは、中央ユニットで1つの可視光のみを使用し、ユーザユニットにおいて選択的反射ミラーを使用することによって行い得る。中央ユニットの可視光源から発せられる可視光がオンになる場合、光線は、選択的反射ミラー、すなわち、不可視光を透過し、可視光を完全に反射するミラーに衝突し得、粗い位置合わせを中央ユニットとユーザユニットとの間で達成し得るように、中央ユニット窓に跳ね返り、すなわち、反射し得る。
【0049】
再び図2を参照すると、位置合わせ手順中、可視放射及び不可視放射の両方を含む中央局210から発せられたコリメートされたビームは、例えば、マルチミラー要素208によりいくつかのサブビームに分割することができ、各サブビームは、送受信器212から発せられるコリメートされたビームの部分を構成する。各サブビームは異なる方向を有し、室内の異なる位置をカバーする。各サブビームは、配向要素、例えば、図2のミラーセルから送ることができる。各配向要素は、本明細書では「中央局窓」とも呼ばれる、図3では番号370で示される窓370に結合、接続、又は取り付けることができる。窓370は、窓370上に位置合わせマーク371、例えば、クレスト画像を有して、位置合わせ手順においてユーザを案内し得る。
【0050】
図3に示されるように、位置合わせマーク371は、例えば、円を4つの等しい部分に分ける2つの直交する線であり得る。いくつかの実施形態では、窓370は位置合わせ手順においてユーザを案内する開口部又は穴を有し得る。他の位置合わせマークを使用してもよい。
【0051】
中央局210からのサブビームは、空間中の要素又は表面上、例えば、室内の作業テーブル又は机の表面上に複数の明らかな光スポットを形成し得る。本発明の実施形態によれば、各サブビームは、中央局210から中央局窓370を介して伝播する場合、中央局窓370の表面上に第1の明らかな光スポット372を形成し得る。いくつかの実施形態によれば、中央局窓370の表面上の第2の明らかな光スポット373を、ユーザ窓360から反射される光で形成し得る。他の実施形態によれば、第2の明らかな光スポット373は、可視光源320から発せられる光で形成し得る。2つの光スポット372及び373の位置は、重なるまで調整又は変更し得る。光スポット372及び373が重なる場合、すなわち、窓370上の同じ位置に配置される場合、通信リンクを形成し得る。ユーザユニットに結合又は取り付けられた位置決めユニットが、第1の光スポット372と第2の光スポット373とが透明窓370上で重なるまで、ユーザユニットの位置を調整し得る。
【0052】
位置合わせプロセス中、ユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール220は、可視光スポットが中央局210から来る光で形成される特定の位置に位置決めし得る。次に、中央局窓370上の可視スポット372及び373の両方を位置合わせし得るように、ユーザモジュールと中央局とを最良に位置合わせする特定の角度方向にユーザモジュールを移動させ得る。位置合わせプロセスは、ユーザ又はシステム管理者により手動で実行してもよく、人間の介入なく自動的に実行してもよく、又は半自動的に実行してもよく、例えば、ユーザモジュール300を手動で移動することができる間、可視光源を自動的にオンにしてもよい。
【0053】
本発明の実施形態はこれに限定されないが、各サブビームにより空間内の表面及び中央局窓370に形成される可視光スポットは、人間の目で観察可能な可視スポットであり得る。可視スポットは、可視光源203に従って特定の色等の特徴を有し得、例えば、赤色レーザダイオードが使用されている場合、赤色光スポットを観察することができるが、赤色光以外の任意の可視光を使用し得る。
【0054】
これより、本発明の実施形態による屋内無線光システムを粗く位置合わせする方法のフローチャートである図4を参照する。この方法の動作は、例えば、図1のシステム100を使用して、システム100内の要素のうちの1つ又は複数により、すなわち、ユーザモジュール120〜122、中央局110により、且つ/又は他の適したユニット、装置、及び/又はシステムにより実施し得る。
【0055】
ボックス410に示されるように、方法は、中央局の可視光源をオンにするか、又は動作させることを含み得る。これは、人間により手動で、又は機械、プロセッサ、若しくはシステムにより自動的に実行し得る。いくつかの実施形態によれば、不可視光を、可視光のオンと同時に、可視のオンよりも前に、又は可視光をオンにする前後の任意の他の時間にオンにして、データ転送を可能にし得る。可視光源がオンになると、図2のマルチミラー要素208又は任意の他の光分割要素の使用により、例えば、空間内、室内、又はエリア内の複数の位置で複数の可視光スポットを観察し得る。
【0056】
ボックス420に示されるように、方法は、任意選択的に、ユーザモジュールの位置又はユーザモジュールが将来に配置され得るポイント、表面、若しくは位置を指すように中央局を向けることを含み得る。この任意選択的な動作は、中央局が、例えば、位置の移動、傾斜、又は変更が可能なコリメータ、ノズル、又は他の要素等の要素を含み得る実施形態で実行し得る。ボックス410で示される中央局の可視光源をオンにするか、又は動作させる前にこの動作を実行してもよいことを当業者は理解されたい。
【0057】
ボックス430に示されるように、方法は、光スポットが観察される場所にユーザモジュールを位置決めすることを含み得る。中央局から発せられたビームにより形成される光スポットは、テーブル、壁等の室内の適した表面上に配置し得る。ユーザモジュールは、中央局からの光がユーザ窓、例えば、図3のユーザモジュール300の窓360に向けられるように配置すべきである。
【0058】
ボックス440に示されるように、方法は、ユーザモジュールの可視光源をオンにするか、又は動作させて、中央局へのユーザモジュールの位置合わせに可視放射を使用することを含み得る。ユーザモジュールの可視光源の動作は、人間が手動で実行してもよく、又は機械、プロセッサ、若しくはシステムにより自動的に実行してもよい。この動作は、位置合わせ手順がユーザモジュールから発せられる可視光の使用を含む実施形態で使用し得る任意選択的な動作であることを理解されたい。位置合わせ手順が中央局から発せられる光の反射の使用を含む実施形態では、この動作を使用してなくもよい。
【0059】
ボックス450に示されるように、方法は、中央局から発せられた可視光と、ユーザモジュールから発せられた可視光又はユーザモジュールから反射した可視光とが重なり、集まり、一致し、又は位置合わせされるように、ユーザモジュールの位置を調整し、変更し、修正し、整調し、又は移動させることを含み得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは、中央局の位置合わせ窓、例えば、図3の窓370上の中央局から発せられる光により形成される光スポットと、中央局の位置合わせ窓上のユーザモジュールから発せられる光により形成される光スポットとが重なるように、調整し、回転させ、捻り得る。
【0060】
ボックス460に示されるように、方法は、可視光スポットが位置合わせされたか否かをチェックすることを含み得る。第1の可視光スポットは、ユーザモジュールから発せられる光又はユーザモジュールから反射する光により形成され、第2の光スポットは、中央局から発せられる光により形成される。中央局の位置合わせ窓上の2つの可視光スポットが位置合わせされる場合、すなわち、1つのみの可視スポットを観察し得る場合、方法は、ボックス470に示されるように、粗い位置合わせを終了することができ、その一方で、中央局の位置合わせ窓上の2つの可視光スポットが位置合わせされない場合、すなわち、中央局の位置合わせ窓上に2つの可視光スポットがある場合、方法はボックス450に戻り、ユーザモジュールの位置を再び調整又は変更し得る。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ユーザモジュール及び中央局の両方の可視光源をオフにする動作は、粗い位置合わせが達成された後に実行し得る。可視光源又はリンク全体のオフは、例えば、ユーザモジュールから縁部装置(edge device)の切断を決定した場合、不正装置がユーザモジュールに接続しようとする場合等の他の状況で実行してもよい。いくつかの実施形態では、縁部装置がユーザモジュールから切断される瞬間、節電のために、すべての光源をオフにし、リンクをダウンさせ得る。可視光源をオフにする動作により、可視光源がオフになるとすぐに純粋に不可視になり得る通信リンクの節電並びに安全レベルの向上が可能であり得る。不可視光源は、位置合わせ時の開始時にオンにして、通信リンクを可能にし得る。通信リンクの品質は、中央局及びユーザモジュール内の光検出器、例えば、光検出器204及び312により常時検知又は検出し得る。いくつかの実施形態によれば、通信リンクの品質の低下、例えば、特定の電力レベルの降下又は特定の事前定義される閾値への到達が検知される場合、可視光源をオンにして、位置合わせプロセスを再び実行することにより、ユーザモジュールと中央局とを再び位置合わせし得る。
【0062】
他の動作又は動作セットを本発明の実施形態により使用し得ることを当業者は理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、位置合わせプロセスは、ユーザモジュールから発せられる可視光を使用せずに実行し得る。そのような実施形態では、ユーザ窓は不可視光を透過し、可視光を主に反射するように特に設計し得るため、中央局から来る光の大半は、ユーザ窓、例えば、窓360を介してユーザモジュールの光検出器、例えば、図3の光検出器312に透過し、可視光の相対的に小さな部分が、その窓から中央局の窓、例えば、図3の中央局窓370に向かって反射し得る。反射光は、中央局の位置合わせ窓の表面上に可視光スポットを生成し得る。ユーザモジュールの位置は、2つの可視光スポットが中央局窓上に現れるまで、特定の角度方向に修正又は変更し得る。次に、2つのスポットが重なるまでユーザモジュールを調整し得る。1つの結合したスポットが中央局窓内に現れた場合、おおまかな又は粗い位置合わせが達成される。
【0063】
そのような実施形態では、2つの光スポットが中央局の窓上、例えば、中央局窓370で観察し得、一方のスポット、例えば、図3のスポット372は、中央局から離れてユーザモジュールに向かう方向で中央局窓を照明し、第2のスポット、例えば、図3のスポット373は、ユーザ窓から反射されるか、又はユーザモジュールの可視光源から来る光で形成される。ユーザ窓から反射されるか、又はユーザモジュールから発せられた光スポットが、中央局窓上の円内、クレスト内、又は他のマーク内に現れ、中央局窓上で第1のスポット(中央局から発せられる)に重なった場合、おおまかな又は粗い位置合わせが達成されたと見なし得る。
【0064】
本発明の実施形態によれば、細かい位置合わせは、両光スポットを中央局窓370の中心に持って行くことにより達成し得る。細かい位置合わせを実行して、両光スポットを中央局窓370の中心に持って行くことにより、中央局及びユーザユニットは位置合わせされたと見なし得る。
【0065】
これより、本発明の実施形態による屋内無線光システムを細かく位置合わせする方法のフローチャートである図5を参照する。方法の動作は、例えば、図1のシステム100を使用して、システム100内の要素の1つ又は複数、すなわち、ユーザモジュール120〜122、中央局110により、且つ/又は他の適したユニット、装置、及び/又はシステムにより実施し得る。
【0066】
ボックス510に示されるように、方法は、ユーザモジュールに結合又は接続された、電力メータ等の電力検出器又は電力センサを動作させることを含み得る。電力メータは、ユーザモジュールの光検出器、例えば、図3の光検出器312に接続し得る光電力メータであり得る。他の電力検出器、例えば、ユーザモジュール又は任意の他の電力検出器に接続されたコンピュータにより動作するデジタル電力検出器を使用してもよい。
【0067】
ボックス520に示されるように、方法は、ユーザモジュールの光検出器により、例えば、図3の光検出器312により検出又は検知された放射の電力を測定することを含み得る。光検出器312は、中央ユニットの不可視光源から発せられる光の電力を測定し得る。本発明の実施形態によれば、方法は、中央局から発せられる不可視放射及び/又は可視放射を監視し、ユーザモジュールの光検出器に到達する放射の検出される電力を測定することを含み得る。他の実施形態は、追加又は代替として、中央局の光検出器により、例えば、図2の光検出器204により検出又は検知される放射の電力を測定することを含み得る。
【0068】
ボックス530に示されるように、方法は、例えば、電力検出器で測定し得るユーザモジュールの光検出器に到達する放射の電力を最大化するように、ユーザユニットに結合された位置決めユニットにより、ユーザモジュールの位置の調整、移動、修正、又は変更を行うことを含み得る。ユーザモジュールは、ユーザモジュールに到達する光線の電力を最大化し得るように、手動又は自動で位置の傾斜、移動、調整、整調、又は他の様式での変更を行い得る。
【0069】
本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは、ねじ等の角度位置合わせ手段を含み得、それにより、ユーザモジュールは角度方向、例えば、Qx、Qy、及びQz角度において調整することができる。ユーザモジュールは、追加又は代替として、水平方向及び垂直方向に沿って移動させて、好ましい位置、すなわち、最大電力が検出される位置を見つけ得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュールは位置決めユニットを含み得、位置決めユニットは、例えば、最大電力が検出されるまで、中央ユニットに対してユーザユニットの空間的位置を調整し得る。位置決めユニットは、ユーザユニットに結合してもよく、取り付けてもよく、又はユーザユニット内に埋め込んでもよい。
【0070】
ボックス540に示されるように、方法は、最適な位置合わせを達成するために、最大電力に達し、最大電力が検出されたか否かをチェックすることを含み得る。電力のピークに達し、ピークが測定された場合、方法は、ボックス550に示されるように、ユーザモジュールを現在位置にロックし、且つ/又は固定して、達成された最適な位置合わせを維持することを含み得る。電力のピークに達していない場合、方法は、ボックス530に戻ることにより示されるように、ユーザモジュール位置のさらなる調節を含み得る。電力測定に続くユーザモジュール位置のさらなる調整は、ボックス540に示されるように、最大電力を検出することができるまで、定期的に実行し得る。
【0071】
他の動作又は動作セットを本発明の実施形態により使用し得ることを当業者は理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、最適な位置合わせは、中央局及びユーザモジュールのうちの一方又は両方での最大の不可視光信号を検出することにより、例えば、ユーザモジュール及び中央局の両方で不可視光信号を検出し測定することにより、制御し達成し得る。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、ユーザモジュール、例えば、図1のユーザモジュール120及び中央局、例えば、図1の中央局110は、細かい位置合わせ手順を簡易化し自動化する光フィードバック制御を含み得る。フィードバック制御は、プロセッサ、例えば、図1の通信ユニット114、プロセッサ113、又はプロセッサ123により実施することができ、プロセッサは、光検出器に結合された電力メータにより測定される、ユーザ光検出器が受信する不可視放射信号の測定電力に関する入力データを受信し得る。微調整は、送信中、ユーザモジュールの光検出器で検出される不可視光信号の電力に基づいて更新し得る。ユーザモジュールの光検出器は電力メータに接続又は結合することができ、電力メータは、受信された不可視光の電力を検出し測定し得る。
【0073】
位置合わせの微調整は、機械的手段により、例えば、ユーザモジュールの位置を手動で、例えば、Qx、Qy、及びQzの各方向でユーザモジュールの角度位置を変更する2つのねじを有するホルダにより実行してもよく、又は自動的に、例えば、図11に関して説明される1つ又は複数のミラーにより実行してもよい。
【0074】
光信号フィードバックループと共に、ユーザモジュールの三次元位置又は水平、垂直、及び/又は角度位置の自動調整により、通信セッション中にユーザ位置のオンライン監視を行い、位置合わせの瞬時のオンライン補正及び更新を行うことができ得る。そのような実施形態は、通信セッション中に室内又は空間内のあちこちをユーザが移動する柔軟性を拡張し得る。システムは、ユーザ位置を追跡し、位置合わせを更新して、中央局との接続を中断しないスムーズな通信を保証する。
【0075】
いくつかの実施形態では、電力を測定することによりリンク品質を追跡する能力を使用して、光源の放射レベルを調整し得る。例えば、リンク品質が最大であるが、通信セッションがそのように高い電力リンクを必要としない場合、例えば、データ転送速度が最大速度よりも低い場合、ユーザモジュール及び中央局の光源からの放射の電力を低めて、節電することができる。
【0076】
図6〜図11は、異なる光システム、要素、モジュール、構成要素等により本明細書に記載される本発明を実施又は実行し得る例示的なシステムである。図6〜図11が、本明細書に記載される本発明を実施又は実行し得る単に例示的なシステムを表し、本発明の範囲がこの点において限定されないことを当業者はさらに理解されたい。
【0077】
これより、本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムである図6を参照する。光無線システム600は、例えば、図1の光システム100であることができ、中央局610と、複数のユーザモジュール620、621、622、623、及び624とを含み得る。中央局610は、送受信器612と、光モジュール611とを含み得、光モジュール611は光線又は光放射を送受信器612からユーザモジュール620〜624に向け、及びユーザモジュール620〜624から送受信器612に向けることができる。他の構成要素、要素、又は装置、例えば、図1に提示される要素は、簡潔にするために示されていないが、システム600に含めることができる。例えば、中央局610は、示されていないが、プロセッサ、メモリ、及び通信モジュールを含み得る。
【0078】
送受信器612は、図2に提示される送受信器212と同様であり得、可視光源602と、対物レンズ632と、不可視光源603と、対物レンズ633と、光検出器又は光センサ604と、対物レンズ634とを含み得る。可視光源602及び対物レンズ632は、不可視光源603及び対物レンズ633と共に、ユーザモジュール620〜624に向けて光を送るために使用し得、本明細書では「送信器」とも呼ばれる。光センサ604及び対物レンズ634は、ユーザモジュール620〜624から受け取った光を検出するために使用し得、本明細書では「受信器」とも呼ばれる。
【0079】
光モジュール611は、例えば、ファイバスプリッタ等の光導体607を含み得、光導体607は、可視光源602及び不可視光源603から来る光放射を分割するために使用し得る。光導体607は、ファイバ655の束、群、又は房を介して複数のコリメータ608、例えば、ファイバコリメータに接続し得る。各コリメータ608は、窓656を含み得る対物レンズを含み得るか、又はそのような対物レンズに取り付け得る。窓656は図3の中央局窓370と同様である。各コリメータ608は、室内、空間内、又はエリア内の広域をカバー可能な可変Qx、Qy、及びQz角度位置を含み得る。図4及び図5に関して説明した位置合わせ手順と同様の位置合わせプロセスを、各コリメータ608とユーザモジュール620〜624の1つとの間で実行し得る。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態によれば、他のシステムトポロジを適用してもよく、例えば、中央局610は、1つ又は複数の部屋又は空間の外部に配置された廊下等の外部中央位置に配置してもよい。各コリメータ608は、コリメータを所要位置に配置するのに十分に長いファイバ、ケーブル、又はワイヤを使用することにより任意の部屋又は空間内に配置し得る。任意の他の光学手段、要素、又は装置を使用してもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュールは、ローカルスイッチとして使用することができ、すなわち、ユーザモジュールが、他のユーザの他のコンピュータを接続し得るスイッチを含む場合、コリメータとユーザモジュールとの間の単一の通信リンクを他のユーザが使用し得る。そのようなスイッチを使用することにより、各ユーザモジュール620〜624は複数のユーザにサービングし得る。
【0082】
これより、本発明の実施形態による別の例示的な屋内無線光システムを示す図7を参照する。光システム700は、中央局710と、複数のユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール771及びユーザモジュール772とを含み得る。中央局710は、送信器としての不可視光源703と、受信器としての光検出器704と、可視光源702とを含み得る。各ユーザモジュール771及び772は、送信器としての不可視光源788と、受信器としての光検出器782とを含み得る。いくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュール771及び772は、可視光源(図示せず)をさらに含み得る。
【0083】
中央局710の不可視光源703は、第1の波長、例えば、1550nmの波長で光を発することができ、ユーザモジュール772の不可視光源788は、中央局710から発せられる波長とは異なる第2の波長、例えば、1490nmの波長で光を発することができる。したがって、光検出器704は、ユーザモジュールから送られる光、例えば、1490nmの波長の光を検出するように構成することができ、光検出器782は、中央局710から送られる光、例えば、1550nmの波長の光を検出するように構成し得る。
【0084】
中央局710は、複数のポートを有する光サーキュレータ706、例えば、ファイバサーキュレータをさらに含み得る。サーキュレータ706は、サーキュレータ706のポート1を介して不可視光源703に接続し得、フィルタ722及びサーキュレータのポート3を介して光検出器704に接続し得る。光は、サーキュレータ706のポート1を介して入った場合、サーキュレータ706のポート2を介して出る一方で、サーキュレータ706のポート2を介して入った場合、サーキュレータ706のポート3を介して出る。フィルタ722は、特定の波長の寄生反射損失が光検出器704に入らないようにし得る。そのようなフィルタは、ユーザモジュールから来る信号を分割し、所望の波長の信号のみが光検出器704に到達できるようにし得る。例えば、ユーザモジュール772から発せられた光を2つの波長:第1の波長は1490nm、第2の波長は1550nmに分割することにより、所望の波長、例えば、1490nmの純粋な信号のみが光検出器704に届き得る。
【0085】
各ユーザモジュール772、771は、光サーキュレータ781、例えば、ファイバサーキュレータを含み得、光サーキュレータ781は、サーキュレータ781のポート1を介して不可視光源788に接続され、フィルタ783及びサーキュレータ781のポート3を介して光検出器782に接続される。光は、ポート1を介して光サーキュレータ781に入った場合、ポート2を介して出、ポート2を介して光サーキュレータ781に入った場合、ポート3を介して出る。フィルタ781は、特定の波長の寄生反射損失が光検出器782に入らないようにし得る。そのようなフィルタは、中央局710から来る信号を分割し、所望の波長信号のみが光検出器782に到達するようにし得る。例えば、中央局710から発せられた光を2つの波長:第1の波長は1490nm、第2の波長は1550nmに分割することにより、所望の波長、例えば、1490nmの純粋な信号のみが光検出器782に届き得る。
【0086】
中央局710からユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール771にデータを転送する場合、不可視源703からの光は、ポート1を介して光サーキュレータ706に入り、ポート2を介してスプリッタ707に送り得る。スプリッタ707は、例えば、ワイヤ、例えば、ファイバ766の束に接続し得るファイバスプリッタであり得る。スプリッタ707の各出力は、対応する対物レンズモジュール720に結合し得、対応する対物レンズモジュール720は、不可視光源703から発せられた不可視光を、可視光源702から発せられた可視光に結合し得る。ユーザモジュール(771又は772)と中央局710との間に通信リンクを確立するために、各ユーザモジュールを対応する対物レンズモジュール720と位置合わせし得る。ユーザモジュールから反射した可視光又はユーザモジュール内の可視光源から発せられた可視光により、簡単で高速の位置合わせプロセスを可能にし得る。本発明の実施形態に提示される位置合わせプロセス後、ユーザモジュール771と中央局710とが位置合わせされると、光線の不可視部分(例えば、1550nm)を、ユーザサーキュレータ781のポート3を介してユーザフィルタ783を通してユーザ光検出器782に転送し得る。
【0087】
各対物レンズモジュール720は、1つ又は複数の波長のコリメータ、例えば、二波長コリメータを含み得、コリメータは、不可視光源703からの光及び可視光源702からの可視光をコリメートし得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、各ユーザモジュールは、不可視波長コリメータを有する対物レンズモジュール780を含み得る。この場合、二波長コリメータは必要ない。ユーザ対物レンズモジュール780は、可視光の部分を対応する対物レンズモジュール720に向けて反射して、ユーザモジュール771と中央局710との位置合わせを可能にし得る。
【0088】
本発明の実施形態による中央局の二波長対物レンズモジュールを示す図7Aをさらに参照する。二波長対物レンズモジュール720は、図7の対物レンズモジュール720のそれぞれ1つの詳細図である。対物レンズモジュール720は、不可視光及び可視光の両方、例えば、赤外線光及び赤色光の両方のコリメートに使用し得る。対物レンズモジュール720は、窓721と、コリメートレンズ732と、不可視光源、例えば、図7の不可視光源703からの光を、可視光源、例えば、図7の可視光源702からの可視光に結合する光学手段とを含み得る。対物レンズモジュール720は、Qx、Qy、及びQz角を調整し、出力コリメートビームをユーザモジュールの1つ、例えば、図7のユーザモジュール772及び771に向ける機械的角度位置合わせ手段を有し得る。窓721は、図3の窓370と同様であることができ、窓上721に位置合わせ手順を支援する位置合わせマークを有し得る。窓721上の位置合わせマークは、任意のマーク、符号、又は表示であり得、例えば、円を4つの等しい部分に分ける2つの直交する線又は任意の他のマーク若しくは表示であり得る。
【0089】
再び図7を参照すると、本発明の実施形態では、中央局710から1つ又は複数のユーザモジュール772及び771に転送するために利用される光とは異なる波長の光を利用することにより、ユーザモジュール772(又は771)からのデータを中央局710に転送することが可能であり得、例えば、1490nmの波長を、ユーザモジュール772(又は771)から中央局710へのデータ転送に使用し得る一方で、1550nmの波長を中央局710からユーザモジュール772(又は771)へのデータ転送に使用し得る。
【0090】
ユーザモジュール772の不可視光源788から送られる光は、サーキュレータ781のポート1に入り、ポート2からサーキュレータ781を出て、ユーザ対物モジュール780に向かい得る。光は、中央局710の対物レンズモジュール720により束766内の対応するファイバに入り、サーキュレータ706のポート2に入り得る。光は、ポート3を介して光検出器704に転送される。そのようなセットアップを使用して、中央局710と各ユーザモジュール771、772との双方向接続が可能である。さらに、中央局710とユーザモジュールとの最良の位置合わせ条件が、ユーザモジュールの1つ、例えば、ユーザモジュール771と中央局710との最適な位置合わせを調整することにより自動的に生じ得、これは他のすべてのユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール772にも同時に適用される。
【0091】
本発明の他の実施形態は、例えば、ギガビットEthernet(登録商標)受動光ネットワーク(GEPON)双方向送受信器に基づく中央局710及びユーザモジュール構造を利用する他の選択肢を含み得る。任意の他の利用選択肢を使用してもよい。
【0092】
本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示す図8A及び図8Bをこれより参照する。図8Aは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムを示し、図8Bは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムの送受信器を示す。送受信器は、受信器として動作する光検出器と、送信器として動作する不可視光源とを1つのモジュールに統合する。図8Aは、中央局800と、複数のユーザモジュール805のうちの例示的な1つとを示す。各ユーザモジュール805は、ユーザ送受信器820と、ユーザ光モジュール870とを含み得る。光モジュール870は、図3の窓360と同様であることができ、透明窓872を含み得、透明窓872は、いくつかの実施形態では、中央局800から来る可視光を反射し得、又はいくつかの他の実施形態では、ユーザモジュール805内の可視光源から来る可視光を透過し得る。光モジュール870は、複数の対物レンズモジュール871を含み得、各対物レンズモジュール871は、窓872を含むか、又は窓872に結合して、本発明の実施形態に提示されるような位置合わせプロセスを可能にし得る。
【0093】
中央局800は、送受信器810と、可視波長、例えば、650nmで放射し得る可視光源840と、可視光源840から発せられる可視光と送受信器810から発せられる不可視光線とを結合するビーム結合器830と、結合器830から来る結合ビームを分割するビームスプリッタ850と、光ファイバ等の光ワイヤ855の束を介してスプリッタ850に結合された光モジュール860とを含み得る。光モジュール860は、それぞれが各ファイバに結合されてサブビームをコリメートする複数の対物レンズモジュール861を含み得る。モジュール861の数は、スプリッタ850の出力チャネルの数に等しくし得る。各対物レンズモジュール861は、窓862を含むか、又は窓862に結合し得、本発明の実施形態に提示されるような位置合わせプロセスを可能にし得る。
【0094】
図8Bは、本発明の実施形態による双方向IWOLシステムの送受信器を示す。送受信器880は、図8Aの中央局800の送受信器810又は図8Aのユーザモジュール805の送受信器820であり得る。送受信器880は、不可視光放射を発する不可視光源モジュール811と、特定の波長の光を検出するように構成されたフォトダイオード等の光検出器又は光センサ814とを含み得る。光検出器814は、トランスインピーダンス増幅器モジュールを含むか、又はトランスインピーダンス増幅器モジュールに結合し得る。送受信器880は、不可視光源811からの反射光を遮断するアイソレータ812と、例えば、送受信器880から発せられたビームを透過し、送受信器880に到達するビームを反射し、光センサ814に向けるように構成された波長分割多重(WDM)フィルタ等の光フィルタ813とをさらに含み得る。
【0095】
例示的な送受信器880は、中央局送受信器810であり得る。そのような例示的な送受信器では、不可視光源モジュール811は、例えば、1310nmの波長の光を発し得、光検出器814は、異なる波長、例えば、1490nmの光を検出するように構成し得る。光フィルタ813は、不可視光源811から発せられた波長1310nmの光を透過し、例えば、1490nmの波長でユーザモジュール、例えば、ユーザモジュール805から発せられる光線を反射し、光検出器814に向けるように構成し得る。
【0096】
別の例示的な送受信器880は、ユーザモジュール送受信器820であり得る。そのような例示的な送受信器では、不可視光源モジュール811は、例えば、1490nmの波長で光を発し得、光検出器814は、異なる波長、例えば、1310nmの光を検出するように構成し得る。光フィルタ813は、不可視光源811から発せられた波長1490nmの光を透過し、例えば、1310nmの波長で中央局、例えば、中央局800から発せられる光線を反射し、光検出器814に向けるように構成し得る。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、送信に使用される第1の波長の光及び受信に使用される第2の波長の光が両方とも同じ光学要素を伝播する場合、これらの光学要素の反射防止(AR)コーティングは、両波長をカバーする広い帯域幅のものを選択し得る。
【0098】
図8Aに示されるように、送受信器810の不可視光源から発せられるビームは、可視光源840からの可視光線、例えば、波長650nmで発せられる赤色光線と混合し得る。可視光は位置合わせ目的で使用し得、結合器830により不可視光に結合し得る。結合二波長放射をスプリッタ850に結合し得る。光モジュール860は複数の対物レンズ861からなり得る。各光モジュール860は、所望のユーザ送受信器モジュールに向けられるようにする機械的角度位置合わせ手段を有し得る。
【0099】
本発明の実施形態による位置合わせプロセス中の中央局及びユーザモジュールの要素を示す図9を参照する。本発明の実施形態によれば、中央局対物レンズモジュール961は、例えば、図8Aの対物レンズモジュール861であることができ、コリメートレンズ912と、窓913とを含み得る。ユーザ局対物レンズモジュール962は、例えば、図8Aの対物レンズモジュール871であることができ、コリメートレンズ914と、窓915とを含み得る。対物レンズモジュール961は、2つ以上の波長の光を操作するように特に構成することができ、例えば、デュアルバンドコリメータ又はマルチバンドコリメータであり得る。例えば、対物レンズモジュール961は3つの波長を操作し得る:1310nm、1490nm、及び650nm。対物レンズモジュール961は、スプリッタ、例えば、図8Aのスプリッタ850から対応する光学手段を介して、例えば、ワイヤ又はファイバを介してサブビームを受け取り得る。対物レンズモジュール961は、不可視光を分け、可視光及び不可視光の両方を位置合わせプロセスのためにコリメートし得る。対物レンズモジュール961の一利点は、1つの波長構造を使用することで、同じ対物レンズを通して複数の波長、例えば、1310nm、650nm、及び1490nmの波長を一緒に達成可能にし得ることである。対物モジュール961及び/又はコリメートレンズ914及び/又はコリメートレンズ912が2つ以上の波長を有する光をコリメートするマルチバンドコリメータ又は任意の他のマルチバンドコリメート要素であり得ることを当業者は理解されたい。
【0100】
要素の設計、例えば、ワイヤ端部911とレンズ912との距離は、両方の不可視ビーム、例えば、1310nm及び1490nmの光を分けることができながら、可視出力ビームをコリメートし得るように決定し得る。コリメートされた可視光線は、中央局の送受信器、例えば、図8Aの送受信器810をユーザモジュールの送受信器、例えば、図8Aの送受信器820に位置合わせするために使用し得る。
【0101】
不可視ビームを分けることを使用する中央局及びユーザ受信器の両方での結合効率は、角度位置合わせ感度を0.05度から0.5度に実質的に低減しながら、例えば、約10dBだけ、コリメートされたビームを使用する場合よりも低減し得る。結合効率は、以下の式に基づいて算出し得、式中、D_objはコリメータレンズの直径を表し、D_spotは受信コリメータでのビーム径を表す。
【0102】
結合効率=10*Log(D_obj/D_spot)2
ユーザモジュール、例えば、図8Aの送受信器820から中央局、例えば、図8Aの送受信器810にデータを交換するために、例えば、波長1490nmのユーザモジュールから発せられる不可視光を対物レンズモジュール962によりコリメートし、次に、中央局の対物レンズモジュール961に入るまで、対物レンズモジュール962と対物レンズモジュール961との間の自由空間内を伝播する。次に、光線は対応するワイヤ又はファイバに結合し得、中央局送受信器、例えば、図8Aの送受信器810に送られ得る。ユーザ送受信器からの光は、光検出器、例えば、図8Bの光検出器814に向け得る。そのようなセットアップを使用して、中央局と各ユーザモジュールとの双方向接続を達成し得る。さらに、中央局と各ユーザモジュールとの最良の位置合わせ条件が自動的に、ユーザモジュール送受信器と中央局との最良の位置合わせに、すべてのユーザモジュールで同時に繋がり得る。
【0103】
これより、本発明の実施形態による複数の可視光の位置合わせを示す図10を参照する。本発明のいくつかの実施形態によれば、ユーザモジュールは、赤色レーザダイオード等の可視光源を含み得、可視光源は、他の実施形態に使用されるように中央局から来る可視光の反射を使用する代わりに、位置合わせ目的で使用される。中央局910及びユーザモジュール909の両方の可視光源を使用することにより、位置合わせプロセスを加速化し得る。図10に示されるように、中央局910及びユーザモジュール909の両方が、赤色レーザダイオード等の可視光源と、赤外線レーザダイオード等の不可視光源とを含み得る。中央局910は、可視光源922と、不可視光源923とを含み得、ユーザモジュール909は可視光源924と、不可視光源925とを含み得る。例えば、中央局910は、波長650nmで放射する赤色レーザダイオードと、波長1490nmで放射する赤外線レーザダイオードとを含み得る。ユーザモジュール909は、波長650nmで放射する赤色レーザダイオードと、波長1310nmで放射する赤外線レーザダイオードとを含み得る。
【0104】
中央局910からの可視光は、ユーザモジュール909を、例えば、テーブル、壁、又は他の表面上の所望の場所に位置決めするために使用し得、この位置合わせは、本明細書では「粗い位置合わせ」又は「おおまかな位置合わせ」とも呼ばれる。ユーザモジュール909は、中央局910から発せられた可視光により形成される可視光スポットがユーザ窓1003の中心に向けられるように配置し得る。ユーザモジュール909が、中央局910から発せられる可視光スポットに基づいて位置決めされた後、ユーザモジュール909から発せられた可視光を「細かい位置合わせ」に使用し得る。ユーザモジュール909から発せられた光は、中央局910の窓1004の中心に向け得る。本発明の実施形態によれば、ユーザモジュール909から来る可視光を位置合わせの細かい調整にさらに使用し得る。ユーザモジュール909の位置は変更、修正、又は調整が可能であり、例えば、中央局の窓1004上での2つの可視スポットの精密な重複を達成することにより、ユーザモジュール909の位置及び角度向きを手動又は自動で変更して、中央局910とユーザモジュール909との最大結合を達成し得る。第1の可視光スポットは、中央局910から発せられるビームにより生成し得、第2の可視光スポットはユーザモジュール909から発せられるビームにより生成し得る。追加又は代替として、位置決めは、任意の適した手段を使用して自動プロセスで実行し得る。
【0105】
本発明の実施形態によるユーザモジュールを示す図11を参照する。ユーザモジュール1000は、例えば、650nmで放射する可視光源1001、例えば、赤色レーザ源と、例えば、1310nmで放射する不可視光源1002、例えば、赤外線レーザ源と、コリメータ1003と、ユーザ窓1004と、2つの光学要素1005及び1006とを含み得る。光学要素1005及び1006は、例えば、ミラーであり得、中央局(図示せず)と位置合わせされるコリメートされた光線1008の方向の自動調整に使用し得る。光学要素1005及び1006は、光学要素1005及び1006の角度位置の変更、調整、又は傾斜により実行し得る自動化された、すなわち自動的な微調整中に使用し得る。位置合わせプロセスは、本発明の実施形態に説明されるように、位置合わせの達成に可視光を使用し得、且つ/又は中央局から発せられる不可視放射及び/又は可視放射を検出し、監視し、測定し、ユーザモジュールの光検出器に到達する放射の検出電力を測定し、且つ/又はユーザモジュールから発せられる不可視放射及び/又は可視放射を測定し、中央局の光検出器に到達する放射の検出電力を測定することに不可視光を使用し得る。
【0106】
各光学要素1005及び1006は、角度方向の1つに沿って移動し得、例えば、要素1005はQxに沿って移動し得る一方で、要素1006はQyに沿って移動し得る。他の実施形態では、各光学要素1005及び1006は、空間内で任意の所望の方向に自在に移動し得る。光学要素1005及び1006は、任意の方法又は技術で実施されたミラー、例えば、微小電気機械システム(MEMS)、圧電ミラー等の任意の適した光学要素であり得る。他の実施形態によれば、他の数の光学要素を使用し得、例えば、1つの光学要素を使用し得る。1つのミラー要素は、Qx及びQyの両方又はQx、Qy、及びQzに沿って角度移動し得る。任意の他の数のミラー又は任意の他の自動ミラー調整技術を使用してもよい。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態又は本発明の実施形態の要素は、例えば、命令を記憶した非一時的な機械可読又はコンピュータ可読記憶媒体を含むか、又はそのような媒体である製品を使用して実施することができ、命令は、コンピュータで実行されると、本発明の実施形態による方法及び/又は動作をコンピュータに実行させる。コンピュータ可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、モバイル装置、及び/又は他の適した機械)により実行されると、本発明の実施形態による方法及び/又は動作を機械に実行させる命令又は命令セットを記憶し得る。そのような機械は、例えば、任意の適した処理プラットフォーム、計算プラットフォーム、計算装置、処理装置、計算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等であり得、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適した組み合わせを使用して実施し得る。機械可読媒体又は製品は、例えば、任意の適した種類のメモリユニット、メモリ装置、メモリ製品、メモリ媒体、記憶装置、記憶製品、記憶媒体、及び/又は記憶ユニット、例えば、メモリ、リムーバブル若しくは非リムーバブル媒体、消去可能又は非消去可能媒体、書き込み可能若しくは非書き込み可能媒体、デジタル若しくはアナログ媒体、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、追記型コンパクトディスク(CD−R)、書き換え可能コンパクトディスク(CD−RW)、光ディスク、磁気媒体、様々な種類のデジタルビデオディスク(DVD)、テープ、又はカセット等を含み得る。命令は、任意の適した種類のコード、例えば、ソースコード、コンパイルコード、インタプリタコード、実行可能コード、静的コード、又は動的コード等を含み得、任意の適した高水準、低水準、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル型、及び/又はインタプリタ型プログラミング言語、例えば、C、C++、Java(登録商標)、BASIC、Pascal、Fortran、Cobol、アセンブリ言語、又は機械コード等を使用して実施し得る。
【0108】
本発明の特定の特徴を本明細書に示し説明したが、今、多くの変更、置換、変形、及び均等物を当業者は思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨内にあるそのようなすべての変形及び変更を包含することを意図されることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内無線光通信システムであって、
ユーザユニットと、
コリメートされた不可視光線を介して双方向光通信リンクを確立して、リモート通信装置と前記ユーザユニットとの間で無線通信の伝送を可能にするように構成された中央ユニットと
を備え、
前記ユーザユニットは、前記双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する第1の光送信器と、前記双方向光通信リンクを介して前記中央ユニットから送信された複数の光信号を受信する第1の光受信器とを含み、
前記ユーザユニット及び前記中央ユニットのうちの少なくとも一方は、コリメートされた可視光線を生成して、前記双方向光通信リンクの確立時に、前記ユーザユニットと前記中央ユニットとを位置合わせできるようにする可視光源を含む、システム。
【請求項2】
前記中央ユニットは、前記双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する第2の光送信器と、前記双方向光通信リンクを介して前記ユーザユニットから送信された複数の光信号を受信する第2の光受信器とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光送信器及び前記第2の光送信器の各々は、不可視光源を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記中央ユニットは、透明窓を含み、前記透明窓は、前記ユーザユニットから発せられる光の光軸に略垂直に位置決めされて、前記透明窓上に明らかな光スポットを形成できるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザユニットは、第1の光スポットと第2の光スポットとが透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整する位置決めユニットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の光スポットは、前記可視光源から伝播し、前記ユーザユニットの反射窓から反射する光により前記透明窓上に形成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記中央ユニットは、前記中央ユニットから発せられるコリメートされた光を、複数のユーザユニットに向けられた複数のコリメートされた光線に分割する1つ又は複数の光学要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記中央ユニット及び前記ユーザユニットの各々は、2つ以上の波長を有する光をコリメートするマルチバンドコリメータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザユニットは、前記中央ユニットの不可視光源から発せられる光の電力を測定する電力検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記位置決めユニットは、最大電力が測定されるまで、前記中央ユニットに対する前記ユーザユニットの空間的位置を調整するためのものである、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
双方向光通信リンクを形成する方法であって、
コリメートされた不可視光線を介して中央ユニットとユーザユニットとの間に双方向光通信リンクを確立して、リモート通信装置と前記ユーザユニットとの間での無線通信の伝送を可能にすること、
前記双方向光通信リンクを介して前記中央ユニットと前記ユーザユニットとの間で複数の光信号を伝送すること、
前記ユーザユニット及び前記中央ユニットのうちの少なくとも一方により、コリメートされた可視光線を生成すること、
前記双方向光通信リンクの確立時に、前記ユーザユニット及び前記中央ユニットを位置合わせすること
を含む、方法。
【請求項12】
位置合わせすることは、第1の光スポットと第2の光スポットとが前記中央ユニットの透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整することを含み、前記第1の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線により前記透明窓上に形成され、前記第2の光スポットは、前記ユーザユニットから伝播する可視光により前記透明窓上に形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
位置合わせすることは、第1の光スポットと第2の光スポットとが前記中央ユニットの透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整することを含み、前記第1の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線により前記透明窓上に形成され、前記第2の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線が、前記ユーザユニットの反射窓から反射する場合に前記透明窓上に形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ユーザモジュールに配置された光センサにより、前記中央ユニットの不可視光源から発せられる光を検出すること、
前記中央ユニットの前記不可視光源から発せられる光の電力を測定すること、
最大電力が測定されるまで、前記中央ユニットに対する前記ユーザユニットの空間的位置を調整すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
1つ又は複数の光学要素により、前記コリメートされた不可視光線を複数のコリメートされた不可視光線に分割すること、
前記複数のコリメートされた不可視光線の各々を複数のユーザユニットのそれぞれ1つに送ること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
屋内無線光通信システムであって、
ユーザユニットと、
コリメートされた不可視光線を介して双方向光通信リンクを確立して、リモート通信装置と前記ユーザユニットとの間で無線通信の伝送を可能にするように構成された中央ユニットと
を備え、
前記ユーザユニットは、前記双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する第1の光送信器と、前記双方向光通信リンクを介して前記中央ユニットから送信された複数の光信号を受信する第1の光受信器とを含み、
前記ユーザユニット及び前記中央ユニットのうちの少なくとも一方は、コリメートされた可視光線を生成して、前記双方向光通信リンクの確立時に、前記ユーザユニットと前記中央ユニットとを位置合わせできるようにする可視光源を含む、システム。
【請求項2】
前記中央ユニットは、前記双方向光通信リンクを介して複数の光信号を送信する第2の光送信器と、前記双方向光通信リンクを介して前記ユーザユニットから送信された複数の光信号を受信する第2の光受信器とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光送信器及び前記第2の光送信器の各々は、不可視光源を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記中央ユニットは、透明窓を含み、前記透明窓は、前記ユーザユニットから発せられる光の光軸に略垂直に位置決めされて、前記透明窓上に明らかな光スポットを形成できるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザユニットは、第1の光スポットと第2の光スポットとが透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整する位置決めユニットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の光スポットは、前記可視光源から伝播し、前記ユーザユニットの反射窓から反射する光により前記透明窓上に形成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記中央ユニットは、前記中央ユニットから発せられるコリメートされた光を、複数のユーザユニットに向けられた複数のコリメートされた光線に分割する1つ又は複数の光学要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記中央ユニット及び前記ユーザユニットの各々は、2つ以上の波長を有する光をコリメートするマルチバンドコリメータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザユニットは、前記中央ユニットの不可視光源から発せられる光の電力を測定する電力検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記位置決めユニットは、最大電力が測定されるまで、前記中央ユニットに対する前記ユーザユニットの空間的位置を調整するためのものである、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
双方向光通信リンクを形成する方法であって、
コリメートされた不可視光線を介して中央ユニットとユーザユニットとの間に双方向光通信リンクを確立して、リモート通信装置と前記ユーザユニットとの間での無線通信の伝送を可能にすること、
前記双方向光通信リンクを介して前記中央ユニットと前記ユーザユニットとの間で複数の光信号を伝送すること、
前記ユーザユニット及び前記中央ユニットのうちの少なくとも一方により、コリメートされた可視光線を生成すること、
前記双方向光通信リンクの確立時に、前記ユーザユニット及び前記中央ユニットを位置合わせすること
を含む、方法。
【請求項12】
位置合わせすることは、第1の光スポットと第2の光スポットとが前記中央ユニットの透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整することを含み、前記第1の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線により前記透明窓上に形成され、前記第2の光スポットは、前記ユーザユニットから伝播する可視光により前記透明窓上に形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
位置合わせすることは、第1の光スポットと第2の光スポットとが前記中央ユニットの透明窓上で重なるまで、前記ユーザユニットの位置を調整することを含み、前記第1の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線により前記透明窓上に形成され、前記第2の光スポットは、前記中央ユニットから伝播する可視光線が、前記ユーザユニットの反射窓から反射する場合に前記透明窓上に形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ユーザモジュールに配置された光センサにより、前記中央ユニットの不可視光源から発せられる光を検出すること、
前記中央ユニットの前記不可視光源から発せられる光の電力を測定すること、
最大電力が測定されるまで、前記中央ユニットに対する前記ユーザユニットの空間的位置を調整すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
1つ又は複数の光学要素により、前記コリメートされた不可視光線を複数のコリメートされた不可視光線に分割すること、
前記複数のコリメートされた不可視光線の各々を複数のユーザユニットのそれぞれ1つに送ること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−93835(P2013−93835A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−156712(P2012−156712)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(503198862)リット テクノロジーズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156712(P2012−156712)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(503198862)リット テクノロジーズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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