説明

屋外トイレの施工基礎構造

【課題】 、屋外トイレの床下に人間が歩行できるような空間を有する屋外トイレの施工基礎構造を提供することである
【解決手段】地中に孔を掘削して屋外トイレ本体13の下部を埋設し、この下部に配管ピット2を形成してなる屋外トイレにおいて、 床板9上に立設する側壁パネル7、仕切パネル8のプレハブ壁材を立設し、床下下部に配管ピット部2を備えた屋外トイレ本体13を載置する所定の厚みのコンクリート壁5を掘削孔の基盤上に立設した外枠15と内枠16との間にコンクリートを流し込み打設して形成し、このコンクリート壁5を周回した基礎ピット部3を形成し、前記配管ピット2と基礎ピット部3からなる高さ70〜200cmのピットPを地基盤上Gに配設した屋外トイレの施工基礎構造の構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中に埋設する配管ピットに大人が入り込んで作業ができる空間を配設した屋外トイレの施工基礎構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の屋外トイレには種々の形式のものがある。基礎工事としてコンクリートにて造成したもの、ブロック積み重ねた構造などがある。例えば、コンクリート式トイレには地面を掘削して基礎を作り、その上に型枠を組み立ててコンクリートを打設してある。このように形成した基礎工事の上に床板を敷設し、側壁板などを張り巡らし、その上に屋根を載置して屋外トイレが構成してある。このような屋外トイレにおいては床下に汚物処理槽を埋設するものや、配管を配置して屋外の処理槽に廃水するものなど種々の形式がある。
床下に配管スペースを設けたものとして特許文献1などが知られている。また、トイレの水周りの設備としての配管などの収納部としての配管ピットが形成され、この配管ピットの点検用口を配設したものも知られている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2523027号公報図1
【特許文献2】特開平9−13713号公報図1特許文献1は、設置される屋外トイレ本体と、この本体の埋設部分を載置する基礎ユニット部とからなり、掘削した孔内に断面コ字状の基礎ユニットを基礎地盤上に埋設し、この基礎ユニットに一体的に形成し屋外トイレ本体を載置したものである。このような構成であるから掘削孔は浅く掘削するのみであり、充分なる点検用の高さは得られなかった。しかもこの基礎ユニットも製造工場で型造し、本体と共に設置現場に搬送して施工するものである。特許文献2は、配管ピットの上に配置する床板の平面性を維持するために掘削した地中にコンクリート基礎打設を行い、このコンクリート台の四隅に調整アンカーボルトを配設し、同一高さの平面を形成したものである。この特許文献1の図1に示されるように、床下は狭く形成されている。そのため床下に配管を配置した時は点検が困難であった。このように従来の屋外トイレにおいては充分なる床下のスペースを設けた基礎構造は無かった。そのため、床下に配設した配管の点検は困難をきたしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外に設置される簡易トイレにおいては一般に汚物処理槽が床下に配設したものが多く、環境衛生上もあまり良いものでは無かった。そのため昨今では水洗便器が多く、床下に多くの配管を配設するために配管ピットを設けた屋外トイレが設置されているが狭い空間に配管が施設されており、点検などが充分にできるものではなかった。
この発明の課題は、屋外トイレの床下に人間が歩行できるような空間を有する屋外トイレの施工基礎構造を提供することである。
また、他の課題は、地中を深く掘削して側壁パネル、仕切パネルを立設し、屋根を載置して一体的に形成された屋外トイレ本体の側壁パネルを載置するコンクリート壁を周回してなる新規な、安定した施工基礎構造を提供することである。

【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の前記課題は、以下の構成によって達成できる。
地中に孔を掘削して屋外トイレ本体の下部を埋設し、この下部に配管ピットを形成し、この配管ピット上に床板を置き、この床板上または床板を囲むようにしてコンクリートまたは鉄骨からなる側壁パネル、仕切パネルを配置して建て込み、床上に便器類を配設し、前記側壁パネル上に屋根を乗せて構築する屋外トイレにおいて、 床板上に立設する側壁パネル、仕切パネルのプレハブ壁材を立設し、床下下部に配管ピット部を備えた屋外トイレ本体を載置する所定の厚みのコンクリート壁を掘削孔の基盤上に立設した外枠と内枠との間にコンクリートを流し込み打設して形成し、このコンクリート壁を周回した基礎ピット部を形成し、前記配管ピットと基礎ピット部からなる高さ70〜200cmのピットを地基盤上に配設した屋外トイレの施工基礎構造の構成である。
【0006】

この発明の前記課題は、地中を掘削して底部に形成した地基盤上に外枠を周回して立設し、内側にコンクリートを打設して底部に桝凹部を配置した底壁を施工し、掘削孔に埋設される前記側壁パネルによって形成される配管ピットの高さを考慮して前記外枠と所定の間隔で立設した内枠との間にコンクリートを流し込み打設して所定の高さのコンクリート側壁を周回し、このコンクリート壁の上端に前記屋外トイレ本体の側壁パネル下端が載置できる基礎ピット部を形成し、屋外トイレ本体の下部に形成した配管ピットと基礎ピット部と合わせたピット全高を70〜200cmとした屋外トイレの施工基礎構造の構成によって達成できる。
【0007】
本発明の前記課題は、前記床板下に配設する配管ピットと前記基礎ピット部とを連接したピットの高さが70〜200cmである空間を備え、前記屋外トイレ本体の床板下に形成される前記側壁パネルで囲まれた配管ピット部の下端部を前記基礎ピット部のコンクリート側壁に載置し、掘削孔に埋め込まれた側壁パネル下部の外周面と地基盤上に立設した外枠との間にコンクリートを流しこんで屋外トイレ本体を施工することができる屋外トイレの施工基礎構造の構成によって達成できる。
【発明の効果】
【0008】
この発明の屋外トイレ施工基礎構造は、配管ピット等の床下のピットの高さが70〜200cmに形成されているので、配管ピット内を人間が自由に歩行でき、配管の点検や修理が楽にできる。また、この基礎ピット部の空間に汚物処理やコンポスト装置類を収納することができるので環境衛生上も好ましい。
【0009】
この発明の屋外トイレの施工基礎構造は、基礎ピット部のコンクリート壁上に一体に形成された屋外トイレ本体の側壁パネルを載置し、この側壁パネル外周面にコンクリートを流し込んで施工するので、屋外トイレの安定性に優れる。特に、基礎ピット部のコンクリート壁にアンカーボルトを埋設して、側壁パネルを連結することにより耐震構造に優れた屋外トイレを提供することができる。また、底部に桝凹部が形成されているから内部に生じる水滴類は桝内に貯水することができ、溜まった水は排水ポンプで除去可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明に係る屋外トイレの施工基礎構造の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明の屋外トイレの基礎構造を説明する概略図である。図2はこの発明の他の実施形態の縦断説明図である。図3は図2の縦断側面図である。図4はこの発明施工基礎構造の実施形態の説明図である。
【0011】
この発明の屋外トイレの施工基礎構造に付いて、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1に示すように地中を掘削して、孔底面上に玉石、砂、捨てコンクリートなどによって地基盤Gを形成してある。この地基盤Gの上に木材や金属パネルで形成した外枠15を張り巡らして配置する。この外枠15の高さは屋外トイレ本体12の側壁パネル7の下部に形成されている配管ピット部2と基礎ピット部3とによって形成されるピットPの高さが70〜200cmの範囲になるようにしてある。すなわち、内枠16の高さは基礎ピット部3の高さにするとよい。
【0012】
次に、前記地基盤Gの上に通常の鉄筋を敷設し、この鉄筋は外枠15の内側に沿って植設してある。この外枠15内に所定の厚さのなるようにコンクリートを流して中央に桝凹部4を設けて底部1を形成する。張り巡らされた外枠15の内側に15〜30cmの間隔をあけて内枠16を配設し、この外枠15と内枠16との間にコンクリートを流し込んで鉄筋を埋設したコンクリート壁5を形成して底部1と共に基礎ピット部3を構築する(図1参照)。
【0013】
この基礎ピット部3のコンクリート壁5の上に載置する屋外トイレ本体12は、生産工場によってPC鋼材、鉄骨などによって組み立てる。側壁パネル7、仕切パネル8、便器類12などと共に天井に天窓10を備えた屋根11を敷き一体的に形成し、配管ピット部2内に配管を施設してある。従って、運送に際して側壁パネル7で配管が保護されている。
【0014】
このように構成されている施工基礎構造に、事前にPC構造、または鉄骨で一体的に組み立て生産してある図2〜図4に示されるような屋外トイレ本体13を載置する。
図2〜図4に示すものは鉄骨によって一体的に形成された屋外トイレ本体13の場合である。このような屋外トイレ本体13はPC構造によって構築することもできる。
基礎ピット部3のコンクリート壁5に予め埋設してあるアンカーボルトに鉄骨で形成された側壁パネル7の下端を接続して連結し、その外側の外枠15との間にコンクリートを流し込んで構築する。このコンクリート側壁の外側に防水モルタル6を被覆してある。
図4に示すものは基礎ピット部3内にコンポスト装置類14を配設したものである。
【0015】
この発明の施工基礎構造は、床板9の下側に従来のような配管ピット部2の下部に基礎ピット部3を配置してあるからピットPの高さを200cm近くあるのでピットP内で大人が自由に歩行することができる。そのため配管の点検も楽でメンテナンスがまめに確実に行うことができる。そのため施工後の管理維持が長期間可能である。
【0016】
特に図3、図4の実施形態のように側壁パネル7の下端を基礎ピット部3のコンクリート壁5の上に載置した後に、側壁パネル7の下端部外側にコンクリートを流して固めてあるから安定した側壁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の屋外トイレの基礎構造を説明する概略図である。
【図2】この発明の他の実施形態の縦断説明図である。
【図3】図2の縦断側面図である。
【図4】この発明の施工基礎構造を使用した実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1 床部
2 配管ピット部
3 基礎ピット部
4 桝凹部
5 コンクリート壁
6 防水モルタル
7 側壁パネル
8 仕切パネル
9 底板
10 天窓
11 屋根
12 便器類
13 屋外トイレ本体
14 コンポスト装置

G 地基盤
P ピット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に孔を掘削して屋外トイレ本体の下部を埋設し、この下部に配管ピットを形成し、この配管ピット上に床板を置き、この床板上または床板を囲むようにしてコンクリートまたは鉄骨からなる側壁パネル、仕切パネルを配置して建て込み、床上に便器類を配設し、前記側壁パネル上に屋根を乗せて構築する屋外トイレにおいて、
床板上に立設する側壁パネル、仕切パネルのプレハブ壁材を立設し、床下下部に配管ピット部を備えた屋外トイレ本体を載置する所定の厚みのコンクリート壁を掘削孔の基盤上に立設した外枠と内枠との間にコンクリートを流し込み打設して形成し、このコンクリート壁を周回した基礎ピット部を形成し、前記配管ピットと基礎ピット部からなる高さ70〜200cmのピットを地基盤上に配設したことを特徴とする屋外トイレの施工基礎構造。
【請求項2】
地中に孔を掘削して屋外トイレ本体の下部を埋設し、この下部に配管ピットを形成し、この配管ピット上に床板を置き、この床板上または床板を囲むようにしてコンクリートまたは鉄骨からなる側壁パネル、仕切パネルを配置して建て込み、床上に便器類を配設し、前記側壁パネル上に屋根を乗せて構築する屋外トイレにおいて、
地中を掘削して底部に形成した基盤上に外枠を周回して立設し、内側にコンクリートを打設して底部に桝凹部を配置した底壁を施工し、掘削孔に埋設される前記側壁パネルによって形成される配管ピットの高さを考慮して前記外枠と所定の間隔で立設した内枠との間にコンクリートを流し込み打設して所定の高さのコンクリート側壁を周回し、このコンクリート壁の上端に前記屋外トイレ本体の側壁パネル下端が載置できる基礎ピット部を形成し、屋外トイレ本体の下部に形成した配管ピットと基礎ピット部と合わせたピット全高を70〜200cmとしたことを特徴とする屋外トイレの施工基礎構造。
【請求項3】
前記床板下に配設する配管ピット部と前記基礎ピット部とを連接したピットの高さが70〜200cmである空間を備え、前記屋外トイレ本体の床板下に形成される前記側壁パネルで囲まれた配管ピット部の下端部を前記基礎ピット部のコンクリート側壁に載置し、掘削孔に埋め込まれた側壁パネル下部の外周面と地基盤上に立設した外枠との間にコンクリートを流しこんで屋外トイレ本体を施工することができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の屋外トイレの施工基礎構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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