説明

工程管理システム、工程管理方法、および工程管理プログラム

【課題】複数の作業者が同一の端末装置を用いて作業を行う場合に、作業ミスによる誤った情報が工程管理用の情報として記録されてしまうことを好適に防止する。
【解決手段】端末装置に入力された工程情報が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たすと判定されると、当該工程情報を、該工程を管理するために所定のデータベースに格納する工程情報格納手段と、条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たさないと判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知するミス報知手段とを具備した工程管理システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の作業者が同一の端末装置を用いてそれぞれ異なる工程の作業を行い、該作業によって端末装置に入力された該工程に関する工程情報を用いて工程の管理を行う工程管理システムおよび工程管理方法に関する。また、このような工程管理方法をコンピュータに実行させるための工程管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに接続された複数の工程を管理するための工程管理システムが広く知られている。このような工程管理システムは、例えば本出願人が出願した下記特許文献1等に開示されている。
【特許文献1】特開2004−199476号公報
【0003】
上記特許文献1に記載の工程管理システムでは、各工程に作業者が配置され、物品を管理するための端末装置が各工程(作業者)に対応して設置されている。例えば工程が10ある場合には、各工程の作業者(合計で10人)に端末装置が1台ずつ割り当てられる。つまり、合計で10台の端末装置が工程管理システム内に設置されることになる。上記特許文献1に記載の工程管理システムでは、このように各工程に設置された各工程専用の端末装置を用いて、各工程における物品の詳細な管理を実現可能としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、製造単価に転嫁すべき、工程管理システムを構築・管理するためのコスト(以下、「管理コスト」と記す)は、例えば管理コストの総計を製品の総ロット数で割った値となる。従って、上記特許文献1に記載の工程管理システムにおいて例えば製品の総ロット数が少ない場合は、製造単価に転嫁すべき管理コストが高くなり、これによって製造単価が上がってしまう。
【0005】
管理コストを抑えるため、例えば1台の端末装置を複数の作業者が共同で使用(又は、1台の端末装置で複数の工程を管理)するように工程管理システムを構築することが考えられる。つまり、工程管理システム内の端末装置の数を減らすことによって管理コスト削減を実現するという考えである。
【0006】
ところが、1台の端末装置を複数の作業者が共同で使用するよう工程管理システムを構築した場合、例えば作業者の作業ミスにより、誤って別の工程の情報が端末装置に入力されて、工程を管理するためのデータベース等が更新されることがあり得る。例えば1台の端末装置によってA工程とB工程を行うよう工程管理システムを構築した場合において、当該端末装置がB工程を処理するように設定中であり、B工程の作業者が作業途中で端末装置を離れているものとする。このとき、A工程の作業者が端末装置の設定に気付くことなくA工程の物品に対する作業を行うと、端末装置には、A工程の物品の情報がB工程の物品の情報として入力され、上記データベース等が更新されることになる。
【0007】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、複数の作業者が同一の端末装置を用いて作業を行う場合に、上記の如き作業ミスによる誤った情報が工程管理用の情報として記録されてしまうことを好適に防止することが可能な工程管理システム、工程管理方法、および工程管理プログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る工程管理システムは、複数の作業者が同一の端末装置を用いてそれぞれ異なる工程の作業を行い、該作業によって端末装置に入力された該工程に関する工程情報を用いて工程の管理を行うシステムに関するものである。工程管理システムは、該端末装置に入力された工程情報が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段を具備する。この工程管理システムは、条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たすと判定されると、当該工程情報を、該工程を管理するために所定のデータベースに格納する工程情報格納手段、および、条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たさないと判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知するミス報知手段を具備する。
【0009】
このように工程管理システムを構成することにより、作業ミスが発生している可能性がある場合には工程管理用のデータベースが更新されることがなくなる。換言すると、誤った情報によるデータベース更新が未然に防止される。また、この工程管理システムは、作業ミスが発生している可能性を報知することにより、当該作業ミスの再発を抑えることも可能としている。
【0010】
ここで、上記工程情報には、例えば作業者が工程の作業を行った時間に関する作業時間情報が含まれていても良い。この場合、上記条件判定手段は、該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間か否かを判定する。そして、上記工程情報格納手段は、条件判定手段により該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間であると判定されると、該工程情報を所定のデータベースに格納する。また、上記ミス報知手段は、条件判定手段により該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まらない時間であると判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知する。
【0011】
上記作業時間情報は、例えば該工程において製品を1個製造するのに掛かった時間、又は部品を1個使用するのに掛かった時間であっても良い。
【0012】
上記ミス報知手段は、例えば該作業ミスが発生している可能性を報知する報知情報として、当該作業ミスの理由を該作業者に対して問い合わせる問い合わせ情報を、端末装置の表示部に表示する構成であっても良い。
【0013】
なお、上記工程管理システムは、例えば該問い合わせ情報に応答して該作業者が該作業ミスの理由を端末装置に入力した際に、該入力された理由を所定の記憶媒体に記憶する理由記憶手段と、該記憶された理由を所定のテンプレートに埋め込んで報告書を作成する報告書作成手段と、該作成された報告書を出力する出力手段とを更に具備したものであっても良い。
【0014】
また、上記工程管理システムにおいて、該作業ミスの理由が理由記憶手段に記憶されると、上記工程情報格納手段が該工程情報を所定のデータベースに格納しても良い。
【0015】
また、上記工程管理システムは、例えば各作業者を識別するための作業者情報を格納した作業者情報格納手段と、作業者によって作業者情報が入力される作業者情報入力手段と、作業者情報格納手段に格納された作業者情報の中に該入力された作業者情報と一致するものがあるか否かを判定する作業者情報判定手段と、該一致する作業者情報があると判定されると、当該作業者に対する端末装置の使用を許可する端末装置許可手段とを更に具備したものであっても良い。
【0016】
また、上記工程管理システムにおいて、端末装置許可手段により端末装置の使用が許可されると、上記端末装置は、その表示部に、各作業者に対応した画面を表示しても良い。
【0017】
上記工程管理システムにおける該各作業者に対応した画面とは、例えば作業者毎に異なる配色で表示される画面であっても良い。
【0018】
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る工程管理方法は、複数の作業者が同一の端末装置を用いてそれぞれ異なる工程の作業を行い、該作業によって端末装置に入力された該工程に関する工程情報を用いて工程の管理を行う方法に関するものである。この工程管理方法は、該入力された工程情報が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定ステップと、条件判定ステップにより該工程情報が該所定の条件を満たすと判定されると、当該工程情報を、該工程を管理するために所定のデータベースに格納する工程情報格納ステップと、条件判定ステップにより該工程情報が該所定の条件を満たさないと判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知するミス報知ステップとを含む方法である。
【0019】
このような工程管理方法を採用することにより、作業ミスが発生している可能性がある場合には工程管理用のデータベースが更新されることがなくなる。換言すると、誤った情報によるデータベース更新が未然に防止される。また、この工程管理方法を採用した場合には、作業ミスが発生している可能性を作業者に報知して、当該作業ミスの再発を抑えることも可能となる。
【0020】
ここで、上記工程情報には、例えば作業者が工程の作業を行った時間に関する作業時間情報が含まれていても良い。この場合、上記条件判定ステップにおいて該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間か否かが判定される。そして、上記条件判定ステップにより該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間であると判定されると、上記工程情報格納ステップにおいて該工程情報を所定のデータベースに格納する。また、上記条件判定ステップにより該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まらない時間であると判定されると、ミス報知ステップにおいて該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知する。
【0021】
上記作業時間情報は、例えば該工程において製品を1個製造するのに掛かった時間、又は部品を1個使用するのに掛かった時間であっても良い。
【0022】
上記ミス報知ステップにおいて、例えば該作業ミスが発生している可能性を報知する報知情報として、当該作業ミスの理由を該作業者に対して問い合わせる問い合わせ情報を、端末装置の表示部に表示しても良い。
【0023】
なお、上記工程管理方法は、例えば該問い合わせ情報に応答して該作業者が該作業ミスの理由を端末装置に入力した際に、該入力された理由を所定の記憶媒体に記憶する理由記憶ステップと、該記憶された理由を所定のテンプレートに埋め込んで報告書を作成する報告書作成ステップと、該作成された報告書を出力する出力ステップとを更に含む方法であっても良い。
【0024】
上記理由記憶ステップにおいて該作業ミスの理由が記憶されると、上記工程情報格納ステップにより該工程情報が所定のデータベースに格納されるようにしても良い。
【0025】
また、上記工程管理方法は、例えば各作業者を識別するための作業者情報を格納した作業者情報格納ステップと、作業者によって作業者情報が入力される作業者情報入力ステップと、作業者情報格納ステップに格納された作業者情報の中に該入力された作業者情報と一致するものがあるか否かを判定する作業者情報判定ステップと、該一致する作業者情報があると判定されると、当該作業者に対する端末装置の使用を許可する端末装置許可ステップとを更に含む方法であっても良い。
【0026】
また、上記工程管理方法は、端末装置許可ステップにより端末装置の使用が許可された際に、端末装置の表示部に各作業者に対応した画面を表示する画面表示ステップを更に含む方法であっても良い。
【0027】
上記工程管理方法における該各作業者に対応した画面とは、例えば作業者毎に異なる配色で表示される画面であっても良い。
【0028】
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る工程管理プログラムは、上記工程管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0029】
このような工程管理プログラムをコンピュータに実行させて工程管理を行うことにより、作業ミスが発生している可能性がある場合には工程管理用のデータベースが更新されることがなくなる。換言すると、誤った情報によるデータベース更新が未然に防止される。また、この工程管理プログラムをコンピュータに実行させて工程管理を行う場合には、作業ミスが発生している可能性を作業者に報知して、当該作業ミスの再発を抑えることも可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る工程管理システム、工程管理方法、および工程管理プログラムによれば、複数の作業者が同一の端末装置を用いて作業を行う場合に、作業ミスによる誤った情報が工程管理用の情報として記録されてしまうことを好適に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による工程管理システムについて説明する。
【0032】
本発明の実施の形態による工程管理システムは、複数の工程からなる生産ライン全体を管理するためのシステムである。ここでいう「工程」とは、受け入れた部品を使用して製品を製造する機能的単位を表すものとする。すなわち、「工程」とは、工場等の生産施設内における所定の領域に設置された工作機械等の各種生産設備、および部品や製品を格納しておく各種倉庫、並びに、これら生産設備や倉庫を利用して生産活動を行う作業者により実現される機能的単位を示したものである。最終的な製品の製造は、このような「工程」が順次階層的に接続されたツリー構造でモデル化される。なお、本明細書においては、「物品」を、「製品」および「部品」を包括する表現として用いる。
【0033】
これらの工程は、所定の順序で接続される。各工程では、その各々を担当する作業者は、「通い箱」に格納された例えば数十個や数百個というまとまった数量の部品/製品に対して作業を行う。
【0034】
具体的には、先ず、前工程の作業者が、使用すべき部品を格納した通い箱を前工程用倉庫から出して作業場(前工程)に搬入する。次いで、これらの部品を使用して、前工程における製品を製造する。前工程の作業者は、製造した製品を、前工程が保有する通い箱に順次格納する。そして、各通い箱に所定数の製品を格納すると、それらを次工程に渡すため次工程用倉庫に搬出する。
【0035】
次いで、次工程の作業者が、前工程からの通い箱を次工程用倉庫から出して作業場(次工程)に搬入する。そして、当該通い箱の製品を部品として使用して新たな製品(次工程における製品)を製造する。次工程の作業者は、製造した製品を、次工程が保有する、更に次の工程に渡されるべき別の通い箱に格納する。そして、別の通い箱の各々に所定数の製品を格納すると、それらを更に次の工程用倉庫に搬出する。また、部品を全て使用して前工程からの通い箱が空になると、それらを前工程に戻す。
【0036】
前工程では、作業者が、前工程用倉庫から新たに出した部品を使用して製品を製造し、次工程から戻された各通い箱にそれらを格納する。そして、それらを次工程に渡すため再び次工程用倉庫に搬出する。各工程でこのような作業が繰り返されることで、製品が大量生産される。なお、各通い箱には、当該の通い箱を他の通い箱と識別するためのユニークな箱識別情報が付与されている。具体的には、例えば各通い箱の側面に、その通い箱の箱識別情報を示すバーコードが貼付されている。この箱識別情報は、例えば全工程において各箱全てを識別可能とする情報であっても良い。また、例えば工程単位で各箱を識別可能とする情報であっても良い。
【0037】
図1は、各工程と各工程間の関係を模式的に示した図である。なお、図1には、複数の工程のうちの6つの工程(すなわちA工程、B工程、C工程、D工程、E工程、およびF工程)が模式的に示されている。各工程が所定の順序で接続されることにより、目的となる最終製品が生産される。
【0038】
図1において、C工程は、A工程において完成した製品とB工程において完成した製品とを、当該C工程における部品として受け入れる。そして、C工程は、受け入れた部品に対して組立および加工等の処理を施してC工程における製品として完成させ、F工程に渡す。
【0039】
F工程は、C、D、およびE工程で製造された各製品を部品として受け入れ、F工程における製品を完成させる。なお、この例ではF工程による製品が、生産工程群全体の最終製品となっている。
【0040】
図2は、本実施形態の工程管理システムの一例を示した概略図である。図2に示されるように、本実施形態の工程管理システムは、サーバ1および端末装置3を有している。サーバ1と端末装置3は、例えばネットワークの一形態であるLAN(Local Area Network)を介して接続されている。本実施形態の工程管理システムでは、各工程の担当者がそれぞれ異なっている。そして、この工程管理システムは、これら各作業者が1台の端末装置3を用いて作業を行うように構築されている。なお、本実施形態の工程管理システムにおいては、1台の端末装置3で全ての工程に対する作業が行われるものとする。
【0041】
サーバ1は、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、HDD(Hard Disk Drive)13、通信制御回路14、表示制御回路15、および入力制御回路16を備えている。これらは、バスによって相互に接続されている。更に、サーバ1は、CRT(Cathode Ray Tube)17およびキーボード18を備えている。CRT17は表示制御回路15、キーボード18は入力制御回路16にそれぞれ接続されている。また、サーバ1は、通信制御回路14によりLANに接続されている。
【0042】
HDD13には、オペレーティングシステムおよびデータベース・プログラム等の各種プログラムが予め格納されている。また、HDD13には、後述する管理データであって、各工程間の接続を示す「リンク」に関連付けられたデータが記憶される。なお、ここでいう「リンク」とは、物品管理システム内の各工程間に内在している、各工程間を関連付けて接続させるための接続情報である。本実施形態における「リンク」には、箱識別情報および各作業が行われた時刻のデータ等が該当する。
【0043】
CPU11は、HDD13に格納されたプログラムを読み出してRAM12の所定領域に展開して実行する。また、CPU11は、表示制御回路15を制御してCRT17に画像を表示させ、作業者に対して必要な情報を出力することが可能である。また、キーボード18を用いたユーザ・オペレーションが行われると、CPU11は、入力制御回路16を介して当該ユーザ・オペレーションを検知する。
【0044】
端末装置3は、図2に示されるように、PLC(Programmable Logic Controller)31、表示入力装置32、およびバーコードリーダ33を備えている。
【0045】
PLC31は、CPU311、RAM312、HDD313、通信制御回路314、表示制御回路315、および入力制御回路316を備えている。これらは、バスによって相互に接続されている。また、CPU311は、計時手段として時計Mを内蔵している。CPU311は、この時計Mにより現在時刻(年、月、日、時、分、秒の単位)を取得することができる。HDD313内には、データベース・プログラム等の各種プログラムが予め記憶されている。
【0046】
表示入力装置32は、タッチパネル321およびLCD(Liquid Crystal Display)322を備えている。タッチパネル321は、例えば感圧式又は静電式等の周知のものであり、LCD322の画面上に配置されると共にPLC31の入力制御回路316に接続されている。また、LCD322は、PLC31の表示制御回路315に接続されている。
【0047】
バーコードリーダ33は、部品/製品を格納した通い箱にバーコードの形態で付与された箱識別情報等(例えば図1のバーコードbar)を読み取るときに使用されるものである。バーコードリーダ33は、PLC31の入力制御回路316に接続されている。
【0048】
PLC31のCPU311は、HDD313内に格納されたプログラムをRAM312の所定領域に展開して実行する。また、CPU311は、表示制御回路315を制御して表示入力装置32のLCD322に種々の画面を表示させる。
【0049】
LCD322で表示される画面の一例として、例えば搬入ボタン、使用開始ボタン、製造開始ボタン、使用終了ボタン、製造終了ボタン、搬出ボタン、作業中断ボタン、作業再開ボタン等を含むものがある。これは、作業者が工程で作業を行うときに表示されるべき画面である。搬入ボタンは、部品が倉庫から工程に搬入されたときにタッチされるべきボタンである。使用開始ボタンは、部品の使用を開始するときにタッチされるべきボタンである。製造開始ボタンは、製品の製造を開始するときにタッチされるべきボタンである。使用終了ボタンは、部品の使用が終了したときにタッチされるべきボタンである。製造終了ボタンは、製品の製造が終了したときにタッチされるべきボタンである。搬出ボタンは、製品を次工程に向けて倉庫に搬出するときにタッチされるべきボタンである。作業中断ボタンは、部品の使用又は製品の製造を中断するときにタッチされるべきボタンである。作業再開ボタンは、中断されていた部品の使用又は製品の製造を再開するときにタッチされるべきボタンである。
【0050】
作業者は、LCD322に表示された各ボタンをタッチして端末装置3を操作することができる。より詳細には、LCD322の画面上に配置されたタッチパネル321が、作業者によってタッチされたLCD322上の位置を検出する。そして、この位置を示す信号を、PLC31の入力制御回路316へ送信する。CPU311が、作業者によってタッチされた画面上の位置を、入力制御回路316を介して検知すると共に、この位置が画面上の何れのボタンの位置と一致しているかを検出する。そして、CPU311は、検出された位置に対応するボタンに応じた機能を実現する。
【0051】
また、作業者がバーコードリーダ33によってバーコードbarを読み取らせた場合、このバーコードリーダ33は、当該バーコードbarに対応したバーコードデータを取得してPLC31の入力制御回路316へ送信する。PLC31は、このとき取得したデータをPLC31のHDD313に格納する。
【0052】
このように構成された端末装置3は、通信制御回路314によりLANに接続されている。HDD313に格納されたデータは、LANを介してサーバ1に送信される。
【0053】
次に、実際の工程間における部品/製品の流れと、工程管理システム内のデータ処理の対応関係について説明する。なお、上述したように、各工程間における部品/製品は、通い箱の中に格納された(ある数量まとめられた)状態で取り扱われる。
【0054】
工程管理システムは、通い箱の各々を1単位(1レコード)の管理データに対応させて各種処理を実行している。これらの各管理データは、サーバ1におけるデータベース・プログラム、および端末装置3におけるデータベース・プログラムにより処理される。
【0055】
各管理データは、ある工程間を往き来する通い箱の箱識別情報に関連付けられたデータである。通い箱には、一方の工程(前工程)において製造された製品が格納される。そして、その製品は、次の工程(次工程)においては部品として扱われる。これに伴い、管理データには、前工程に関するデータ、すなわち該通い箱に格納されている物品を製品として考えたときのデータ(前工程データ)と、次工程に関するデータ(次工程データ)、すなわち該通い箱に格納されている物品を部品として考えたときのデータとがエントリされることになる。
【0056】
前工程データには、例えば製品工程名称データ、製品製造開始時刻データ、製品製造終了時刻データ、製品環境条件データ、製品搬出時刻データ、製品担当者データ、製品不良情報等が含まれている。製品工程名称データは、該製品が製造される工程の名称のデータである。製品製造開始時刻データは、該製品の製造が開始された時刻のデータである。製品製造終了時刻データは、該製品の製造が終了した時刻のデータである。製品環境条件データは、該製品製造時における温湿度等の環境条件を示すデータである。製品搬出時刻データは、該製品を倉庫に向けて搬出した時刻のデータである。製品担当者データは、該製品の製造を担当した作業者に関するデータである。製品不良情報は、該製品の製造中に発生した不良品に関するデータである。
【0057】
また、上記製品不良情報には種々のデータがある。このデータには、例えば製品合格数データ、製品不合格数データ、製品保留数データ、製品手直し数データ、不良工程名群データ、部品群別不良数データ、製品不良項目データ、項目別製品不良数データ等が含まれている。製品合格数データは、工程において良品として製造された製品の数のデータである。製品不合格数データは、当該工程において不良品となってしまった製品の数のデータである。製品保留数データは、当該工程において良品か不良品かが不明な製品の数のデータである。製品手直し数データは、当該工程において簡単な手直しで合格製品になる製品の数のデータである。不良工程名群データは、当該工程において不良が発生したときの部品を製造した工程名群である。部品群別不良数データは、当該工程において不良が発生した部品群別の不良品の数である。製品不良項目データは、該製品の不良の原因を示す項目のデータである。項目別製品不良数データは、該製品の不良品の数を該項目別に示したデータである。
【0058】
また、次工程データには、例えば部品工程名称データ、部品使用開始時刻データ、部品使用終了時刻データ、部品環境条件データ、部品搬入時刻データ、部品担当者データ、部品不良情報等が含まれている。部品工程名称データは、該部品が使用される工程の名称のデータである。部品使用開始時刻データは、該部品の使用が開始された時刻のデータである。部品使用終了時刻データは、該部品の使用が終了した時刻のデータである。部品環境条件データは、該部品使用時における温湿度等の環境条件を示すデータである。部品搬入時刻データは、該部品を倉庫から工程に搬入した時刻のデータである。部品担当者データは、該部品を使用した作業者に関するデータである。部品不良情報は、該部品の使用中に発生した不良品に関するデータである。
【0059】
また、上記部品不良情報には種々のデータがある。このデータには、例えば部品合格数データ、部品不合格数データ、部品不良項目データ、項目別部品不良数データ等が含まれている。部品合格数データは、当該工程において良品として使用された部品の数のデータである。部品不合格数データは、当該工程において不良品と判定された部品の数のデータである。部品不良項目データは、部品の不良の原因を示す項目のデータである。項目別部品不良数データは、部品の不良の数を該項目別に示したデータである。
【0060】
上記の如き製品不良情報および部品不良情報を得ることにより、管理側は、不良率を加味した各工程の精細な製造計画の考案や、不良発生の予測、不良が発生した工程の優先的な改善処置、不良発生の早期発見等を実現することができる。
【0061】
各工程内および各工程間において物品(部品/製品)が移動していくと、該物品の流れに一致した状態で、対応する管理データが工程管理システム内において更新されていく。
【0062】
次に、C工程とF工程を往き来する通い箱を例に取り、図3および4を用いて管理データを作成する処理について説明する。
【0063】
上述の如くC工程では、A工程からの製品を当該C工程における部品として受け入れるとともに、B工程からの製品を当該C工程における部品として受け入れる。なお、AおよびB工程からの通い箱には、C工程を担当する作業者(以下、「作業者C」と記す)が所定数(つまり、製品の通い箱に格納すべき数)の製品を製造すると空になるように、予め決められた数の部品が格納されているものとする。つまり、部品の通い箱と製品の通い箱のそれぞれの格納数は1:1で対応している。
【0064】
C、F工程間において、例えばそれぞれユニークな箱識別情報(1、2、・・・n)がバーコードで付されたn個の通い箱を用いて、C工程からF工程に物品が渡される。以下、箱識別情報「1」が付与されてC、F工程間を往き来する通い箱を、説明の便宜上、「箱c1」と記す。また、箱c1に対応して作成される管理データを、「管理データDc1」と記す(他の通い箱および管理データについても同様に符号を付す)。
【0065】
また、図3では、A又はB工程とC工程との間を往き来する通い箱に対応する管理データとして、箱a3に対応した管理データDa3を代表して示す。また、C、D、又はE工程とF工程との間を往き来する通い箱に対応する管理データとして、管理データDc1を代表して示す。そして、これら代表として示した管理データをもってして、他の管理データについては省略するものとする。
【0066】
また、図4においても図3と同様に、C工程からF工程に搬入される通い箱に対応する管理データとして、管理データDc1を代表して示す。また、F工程で製品が格納される通い箱に対応する管理データとして、箱f2に対応した管理データDf2を代表して示す。図4においても図3と同様に、これら代表として示した管理データをもってして、他の管理データについては省略するものとする。
【0067】
作業者Cは、先ず、AおよびB工程からの通い箱をC工程用倉庫から出して、部品として使用するために作業場に搬入する。そして、搬入した各通い箱のバーコードをバーコードリーダ33で読み取り、LCD322上の搬入ボタンをタッチする。これにより、HDD313に格納されている、AおよびB工程からの各通い箱に対応する管理データに所定のデータがエントリされる。
【0068】
ここで、端末装置3は、後述する情報妥当性判定処理により、例えば現在の工程がC工程であることを把握しているものとする。従って、端末装置3は、図3(a)に示されるように、例えば管理データDa3に部品工程名称データとして「C」をエントリする。そして、部品搬入時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。管理データにエントリされる各時刻データは、時計Mを参照して得られる。このとき例えば部品担当者データ等も管理データDa3にエントリするようにしても良い。なお、管理データDa3の前工程データは、図3の管理データDc1の前工程データと同様の処理で作成されたものであり、その作成処理については図3の説明をもってして省略するものとする。
【0069】
なお、時刻データ等の取得により端末装置3で管理データが作成・更新されてHDD313内のデータベースが更新される毎に、サーバ1にも同一の時刻データ等が逐次送信される。サーバ1は、それらの受信データを例えばRAM12で一時的に保持する。そして、後述する情報妥当性判定処理により該受信データの妥当性が確認されると、当該受信データをRAM12からHDD13に移動させて、HDD13内のデータベースをHDD313内のデータベースと同様に更新する(すなわち、RAM12から該受信データを削除してHDD13のデータベースに保存・更新する)。
【0070】
次いで、作業者Cは、例えば箱a3の部品を使用するため、当該箱a3のバーコードをバーコードリーダ33で読み取り、LCD322上の使用開始ボタンをタッチする。そして、それと同時に、製造した製品を箱c1に格納するため、当該箱c1のバーコードをバーコードリーダ33で読み取り、LCD322上の製造開始ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図3(b)に示されるように、管理データDa3に部品使用開始時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。また、管理データDc1のレコード(すなわち、箱識別番号として「1」、製品工程名称データとして「C」がエントリされた管理データ)を作成して、当該レコードの製品製造開始時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。
【0071】
作業者CがAおよびB工程からの部品を用いて製品を順次製造し端末装置3を操作することで、製品環境条件データや製品不良情報、部品環境条件データ、部品不良情報等も各管理データにエントリされる。
【0072】
作業者Cは、箱a3が空になり且つ製造した製品を箱c1に所定数格納し終えると、LCD322上の使用終了ボタンおよび製造終了ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図3(c)に示されるように、管理データDa3に部品使用終了時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。また、管理データDc1に製品製造終了時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。
【0073】
作業者Cは、製品を製造して各通い箱に所定数格納し終えると、LCD322上の搬出ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図3(d)に示されるように、管理データDc1に製品搬出時刻データとして、現在時刻である「T」をエントリする。次いで、作業者Cは、製品が格納された通い箱をF工程に渡すため、F工程用倉庫に搬出する。また、空になったAおよびB工程からの通い箱をそれぞれの工程に戻す。
【0074】
次いで、作業者Fが、C、D、およびE工程からの通い箱をF工程用倉庫から出して、部品として使用するために作業場に搬入する。そして、C、D、およびE工程からの各通い箱のバーコードを読み取り、LCD322上の搬入ボタンをタッチする。これにより、HDD313に格納されている、C、D、およびE工程からの各通い箱に対応する管理データに所定のデータがエントリされる。従って、端末装置3は、図4(a)に示されるように、例えば管理データDc1に部品工程名称データとして「F」をエントリする。そして、部品搬入時刻データとして、現在時刻である「T11」をエントリする。
【0075】
次いで、作業者Fは、例えば箱c1の部品を使用するため、LCD322上の使用開始ボタンをタッチする。そして、それと同時に、製造した製品を箱f2に格納するため、当該箱f2のバーコードを読み取り、LCD322上の製造開始ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図4(b)に示されるように、管理データDc1に部品使用開始時刻データとして、現在時刻である「T12」をエントリする。また、管理データDf2のレコード(すなわち、箱識別番号として「2」、製品工程名称データとして「F」がエントリされた管理データ)を作成して、当該レコードの製品製造開始時刻データとして、現在時刻である「T12」をエントリする。
【0076】
作業者FがC、D、およびE工程からの部品を用いて製品を順次製造し端末装置3を操作することで、製品環境条件データや製品不良情報、部品環境条件データ、部品不良情報等も各管理データにエントリされる。
【0077】
作業者Fは、箱c1が空になり且つ製造した製品を箱f2に所定数格納し終えると、LCD322上の使用終了ボタンおよび製造終了ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図4(c)に示されるように、管理データDc1に部品使用終了時刻データとして、現在時刻である「T13」をエントリする。また、管理データDf2に製品製造終了時刻データとして、現在時刻である「T13」をエントリする。
【0078】
作業者Fは、製品を製造して各通い箱に所定数格納し終えると、LCD322上の搬出ボタンをタッチする。これにより、端末装置3は、図4(d)に示されるように、管理データDf2に製品搬出時刻データとして、現在時刻である「T14」をエントリする。ここで、F工程で製造された製品は最終的な製品であるため、作業者Fは、これらの製品を格納した通い箱を出荷用の倉庫に搬出する。また、空になったC、D、およびE工程からの通い箱をそれぞれの工程に戻す。
【0079】
ここで、各作業者は、上述したように端末装置3を共同で使用している。このため、端末装置3において作業者が作業ミスをすることにより、担当外の工程を処理したように管理データが作成され得る。例えば作業者CがC工程の作業を行っているが、作業ミスによって、データベース上ではE工程の作業を行ったように管理データが作成されることがあり得る。本実施形態では、図5および6にフローチャートで示された、作業者によって入力される情報の妥当性を判定するための情報妥当性判定処理を実行することで、上記問題の解消を実現することができる。
【0080】
図5の情報妥当性判定処理は端末装置3側で実行される処理であり、図6の情報妥当性判定処理はサーバ1側で実行される処理である。つまり、この情報妥当性判定処理は工程管理システム内で実行される処理である。
【0081】
端末装置3は、先ず、電源投入と共にLCD322上にログイン画面を表示する。この情報妥当性判定処理は、1つの通い箱に対する作業に対して1回実行される処理であり、端末装置3は、当該作業が終わる毎にログイン画面に復帰する。従って、作業者が新たな通い箱を用いて作業を開始するときには、端末装置3のLCD322上には常にログイン画面が表示されることになる。なお、端末装置3の電源がオフされると、図5の情報妥当性判定処理は終了する。
【0082】
LCD322上のログイン画面は、作業者ID又は工程IDの少なくとも一方の入力を要求する画面である。これらのIDは、各作業者に予め割り当てられており、サーバ1や端末装置3にとって既知である(例えばこれらのIDは、それぞれのHDD等に予め記憶されている)。また、ログイン画面には、ユーザ・オペレーション用の文字入力キーも表示されている。例えば作業者Cが当該文字入力キーを操作して作業者ID又は工程ID(ここではC工程を表すID)の何れか一方を入力すると(ステップ1、以下の明細書および図面においてステップを「S」と略記)、端末装置3は、当該IDの入力が1回目であるか否かを判定する(S2)。
【0083】
端末装置3は、前回入力された作業者ID又は工程IDの何れか一方とS1の処理で入力されたIDとが同一である場合、当該IDの入力が2回目以降であると判定し(S2:NO)、ログインを許可してS5の処理に進む。また、端末装置3は、S1の処理で入力されたIDが前回入力された作業者IDおよび工程IDの何れとも異なる場合、当該IDの入力が1回目であると判定して(S2:YES)、S3の処理に進む。つまり、S2の処理において端末装置3は、作業者(工程)が前回と異なるときには、更なる認証処理を行うよう動作する。また、作業者(工程)が同一であるときには、認証成功と判断してログインを許可する。
【0084】
S3の処理において端末装置3は、ログイン画面を引き続き表示する。そして、S1の処理で入力されなかったIDの入力を要求する。すなわち、S3の処理において端末装置3は、S1の処理で作業者IDが入力されたときには工程IDの入力を要求し、工程IDが入力されたときには作業者IDの入力を要求する。S3の処理において作業者Cが要求されたIDを入力すると、端末装置3は、その認証を行い(S4)、正しければ(S4:YES)、S5の処理に進む。また、誤りであれば(S4:NO)、S3の処理に復帰してID入力の要求を再び実行する。S5の処理において端末装置3は、S1又は3の処理で入力された工程IDをサーバ1に送信する。そして、サーバ1からのレスポンスを待機する(S6)。
【0085】
なお、各作業者に、作業者IDおよび工程IDの情報を保持するIDカードを所有させるようにしても良い。この場合、作業者は、バーコードリーダ33を用いてIDカードの情報の読み取り操作を行う。そして、端末装置3は、バーコードリーダ33で読み取られたIDカードの情報を用いて上記の如き認証処理を実行する。
【0086】
また、上記認証処理においては、作業者IDの入力のみによって、それに対応する作業者の環境のログインを許可するようにしても良い。この場合であっても各作業者の環境は作業者IDで保護されている。また、作業者と工程との対応関係が端末装置3にとって既知であるため、S5の工程ID送信処理は実行可能である。
【0087】
このように認証処理を実行するよう端末装置3を構成することにより、各作業者は自分の環境以外にログインすることができず、自分の担当していない別の工程の作業を誤って行うことが防止される。
【0088】
図6に示されるように、サーバ1は、端末装置3からの工程IDを待機する状態にある(S101)。そして、端末装置3からの工程IDを受信すると(S101:YES)、その工程の状態を確認する(S102)。ここで受信する工程IDはC工程を表すものであるため、サーバ1は、C工程の状態を確認することになる。
【0089】
具体的には、サーバ1は、RAM12に一時的に保持された管理データ(又はHDD13の管理データ)を読み込んで、例えばC工程で用いられるべき部品がC工程用倉庫に向けて搬出された時刻(製品搬出時刻データ)を取得する。図3(a)に示される例によれば、管理データDa3の製品搬出時刻データを取得する。
【0090】
サーバ1は、次いで、CPU11の内部クロック(例えばCPU311の時計Mと同様のもの)を参照して現在時刻を取得する。そして、上記製品搬出時刻データが示す時刻と現在時刻とを比較して、その差分が所定の閾値を越えているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、便宜上、製品搬出時刻データが示す時刻を、当該製品が倉庫に入庫した時刻とみなすものとする。上記差分が所定の閾値を越えていれば、サーバ1は、箱a3が不当に長い期間、C工程用倉庫に放置されていたと判定する(以下、この判定結果を「異常判定結果」と記す)。また、上記差分が所定の閾値内に収まっていれば、特に問題がないと判定する(以下、この判定結果を「正常判定結果」と記す)。サーバ1は、S102の処理で得られた判定結果を端末装置3に送信する(S103)。次いで、端末装置3からのリクエストを待機する(S104)。
【0091】
図5に示されるように、端末装置3は、サーバ1からの判定結果を受信すると(S6:YES)、それが異常判定結果であるときには(S7:異常)、その内容を警告するメッセージ等をLCD322上に表示する(S8)。これにより、箱a3が不当に長い期間に渡ってC工程用倉庫に放置されていたことを作業者Cに知らせて、その確認作業を促す。端末装置3は、上記メッセージを表示して所定時間経過後(又は所定のユーザ・オペレーションが成されると)、S9の処理に進む。また、S6の処理で受信した判定結果が正常判定結果であるときには(S7:正常)、端末装置3は、何れのメッセージも表示することなくS9の処理に進む。
【0092】
S9の処理において端末装置3は、LCD322の表示をログイン画面から作業者C専用の画面(以下、「専用画面C」と記す)に切り替える。作業者専用画面は、作業者毎にカスタマイズされた画面であり、搬入ボタン等の、工程での作業を行うための各種ボタン等が表示された画面である。附言するに、作業者専用画面は、各作業者が各専用画面を視覚的に区別できるように専用画面毎で色(例えば背景色や文字の色、ウィンドウ枠の色等)が異なっている。作業者Cは、専用画面Cを見ながら、図3を用いて説明した作業を行う。
【0093】
ここで、例えばA工程を担当する作業者(以下、「作業者A」と記す)が作業途中で端末装置3から一時的に離れているときに、作業者Cが作業を行うために端末装置3を使用しようとする状況が起こるとする。このとき、作業者CがC工程の作業をそのまま行ってしまう(つまり、作業者A専用の画面(以下、「専用画面A」と記す)でC工程の作業を行ってしまう)と、端末装置3は、本来C工程であるべき作業をA工程の作業として処理してしまう。
【0094】
本実施形態では、このようなミスを防止又はその発生を抑えるため、上述したように各作業者に対して専用画面を割り当てている。本実施形態によれば、例えば作業者Aが端末装置3から離れている間もLCD322には専用画面Aが表示されている。この画面は専用画面Cと異なる配色で表示されるものであるため、作業者Cは、自分以外の他の作業者が端末装置3を使用中であることを視覚的に認識することができる。このように各作業者の専用画面を色で区別可能にすることで、上記ミスを未然に防ぐことが可能となる。
【0095】
また、例えば端末装置3に対する入力が所定期間検知されないと、LCD322の表示が専用画面からログイン画面に切り替わるようにしても良い。端末装置3に戻った作業者は、作業者ID又は工程IDの何れかを入力することで前回の作業を再開することができる。この場合も、作業者が他の作業者の専用画面で作業を行うことが防止可能となる。
【0096】
端末装置3は、作業者Cが作業を行っている期間、製品の製造が終了したか否かを監視している(S10)。そして、製品製造終了時刻データを取得すると製品の製造が終了したと判定して(S10:YES)、それを報知する情報をサーバ1に送信する(S11)。次いで、サーバ1からのレスポンスを待機する(S12)。
【0097】
図6に示されるように、サーバ1は、製品製造の終了を報知する情報を受け取ると(S104:YES)、箱c1に格納された製品を1個製造するのに掛かった平均時間(Tave)を算出する(S105)。
【0098】
S105の処理においてサーバ1は、先ず、RAM12に一時的に保持された管理データDc1から製品製造開始時刻データTと製品製造終了時刻データTを取得する。そして、これらの時刻データを用いて平均時間Taveを算出する。平均時間Taveは、以下の式(1)、すなわち、製品の製造開始から終了までに掛かった時間を箱c1に格納された製品数Nで除算する式によって算出される。
ave=|T−T|/N・・・(1)
なお、「N」は、製品製造の計画が立てられた段階で予め決められた数であり、サーバ1にとって既知である。
【0099】
附言するに、作業者は、製造開始ボタン(又は使用開始ボタン)をタッチしてから製造終了ボタン(又は使用終了ボタン)をタッチする間に作業中断ボタンをタッチすることにより、作業を中断することを端末装置3に知らせることができる。そして、作業再開ボタンをタッチすることで中断していた作業を再開することを端末装置3に知らせることができる。|T−T|が示す時間と作業者が実際に作業を行った時間との誤差が少なければ少ないほど、サーバ1が算出する平均時間Taveの精度も高くなる。従って、上記操作が行われていた場合、|T−T|の値は、作業を中断していた時間(作業再開ボタンがタッチされてから作業再開ボタンがタッチされるまでの時間)を差し引いたものとする。なお、作業者が作業を中断するのは、例えば勤務終了時や比較的長い間端末装置3を離れる時等である。
【0100】
サーバ1は、次いで、算出した平均時間Taveが所定の範囲内に収まる値か否かを判定する(S106)。サーバ1は、平均時間Taveが所定の範囲内に収まる値である場合(S106:YES)、箱c1に格納された製品が特に問題なく、妥当な作業をもってして製造されたものと判断する。このように箱c1の製品に対する妥当性が確認されると、サーバ1は、一時的な保持データとして扱われていたRAM12内の管理データDc1を正当なデータであるとして、HDD13内のデータベースを更新する(S107)。そして、箱c1の製品に妥当性があるとの判定結果(以下、この判定結果を「妥当判定結果」と記す)を端末装置3に送信する(S108)。次いで、端末装置3からのリクエストを待機する(S109)。
【0101】
また、S106の処理においてサーバ1は、平均時間Taveが所定の範囲内に収まらない値である場合(S106:YES)、例えば箱c1に格納すべき製品を製造している間に何らかの問題が発生していた可能性があると判断する。そして、箱c1の製品に妥当性がないとの判定結果(以下、この判定結果を「不当判定結果」と記す)を端末装置3に送信し(S108)、次いで、端末装置3からのリクエストを待機する(S109)。
【0102】
なお、平均時間Taveが所定の範囲の下限値を下回る値である場合には、例えば作業者が、製品の製造数がN個に満たないうちに箱c1を用いた作業を終了してしまった可能性がある。また、平均時間Taveが所定の範囲の上限値を上回る値である場合には、例えば必要数以上の(すなわちN個よりも多い)製品を箱c1用に製造した可能性がある。サーバ1は、S106の判定処理を実行することで、このような問題が発生していた可能性を検知することができる。
【0103】
また、平均時間Taveが所定の範囲に収まらない値である場合、作業者Cが他の作業者の環境で作業を行ってしまった可能性もある。例えば作業者Aがある箱についてのA工程の作業を略終えた状態で端末装置3から一時的に離れているときに、作業者CがC工程の作業を行うために端末装置3を使用しようとする状況が起こるとする。このとき作業者Cの不注意により専用画面Aを用いてC工程の作業が行われてしまうと、|T−T|が示す時間が過大となる可能性が高い。つまり、この結果、サーバが算出する平均時間Taveも大きい値となり、当該平均時間Taveが所定の範囲から外れる可能性も高くなる。これは、上記の如きミスが発生していた場合にはサーバ1が高い確率で不当判定結果を得ることを意味する。
【0104】
このように平均時間Taveを用いて製品の妥当性を判定することで、1台の端末装置を複数の作業者が共同で使用する場合において、その作業途中に起こり得るミスを検知することが可能となる。これにより、誤った管理データをサーバ1のデータベースに蓄積することが防止される。
【0105】
図5に示されるように、端末装置3は、サーバ1からの判定結果を受信して(S12:YES)、それが妥当判定結果であるときには(S13:妥当)、LCD322の表示をログイン画面に切り替えて(S17)、次の箱に対する作業に備えてS1の処理に復帰する。また、受信した判定結果が不当判定結果であるときには(S13:不当)、如何なる理由で箱c1の製品に妥当性がないと判定されたかを問い合わせる画面をLCD322上に表示する(S14)。この画面では、ミスの理由を記した幾つかの選択肢が表示される。このような選択肢には、例えば「製品の製造数を誤った」、「作業ミスが作業多いため遅延した」、「他人の環境で作業をしてしまった」、「理由なし」等がある。また、このときLCD322には、ユーザ・オペレーション用の文字入力キーも表示される。作業者は、選択肢に理由が含まれていないときには、当該文字入力キーを操作してミスの理由を入力することができる。
【0106】
作業者Cが「理由なし」以外の何れかの選択肢をタッチ、或いは文字入力キーでミスの理由を入力すると(S15:YES)、端末装置3は、その問い合わせに対する回答の情報を送信する(S16)。次いで、LCD322の表示をログイン画面に切り替えて(S17)、次の箱に対する作業に備えてS1の処理に復帰する。また、作業者Cが「理由なし」の選択肢をタッチすると(S15:NO)、端末装置3は、S16の処理を実行することなくS17の処理を実行してS1の処理に復帰する。
【0107】
図6に示されるように、サーバ1は、端末装置3から上記回答情報を受け取ると(S109:YES)、それをHDD13の所定領域に蓄積すると共に、一時的な保持データとして扱われていたRAM12内の管理データDc1を正当なデータであるとして、HDD13内のデータベースを更新する(S110)。そして、S1の処理に復帰して、新たな工程IDの受信を待機する。
【0108】
サーバ1は、HDD13に蓄積された上記回答情報を、日報(又は月報)等の報告書のテンプレートに埋め込む。より詳細には、各選択肢がミスの理由として選択された回数の情報、および文字入力キーにより入力されたテキストデータが、それぞれ、テンプレートの所定の箇所に埋め込まれる。このようなテンプレートに対するデータの埋め込みにより、作業ミスが発生した理由についての報告書が作成される。サーバ1は、作成した報告書を例えば毎朝(又は毎月始め)LANに接続されている図示しないプリンタ等で出力する。出力された日報や月報は、例えば生産管理や勤怠管理等を行う際の参考資料と使用されて、生産ラインの改善等に役立てられる。
【0109】
このように本実施形態の工程管理システムによれば、端末装置を作業者が共同で使用する場合に発生し得る作業ミスを好適に検出してそれを作業者に報知することができる。このような報知を行うよう工程管理システムを構成することにより、作業者に、そのミスの原因について調査し、再びミスをしないよう促すことが可能となる。また、如何なるミスが多いのかを集計することで、生産ラインの改善を実現することも可能としている。
【0110】
すなわち本実施形態によれば、管理コストを削減するのに好適な工程管理システムが提供される。このような、管理コストを抑えることが可能な工程管理システムは、例えば総ロット数が少ない製品の生産ラインを組む際には特に好適である。
【0111】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。例えば本実施形態では、工程管理システムをサーバ1と端末装置3で構築しているが、別の実施の形態では、端末装置3単独で工程管理ステムを構築することも可能である。このようにサーバ1の全ての機能を端末装置3に実装しても、本実施形態と同等の機能を有する工程管理システムを提供することが可能である。
【0112】
また、別の実施の形態において、例えば「平均時間Tave」に代替して、「|T−T|」をS106の判定処理に用いても良い。また、想定される他の作業時間に関する情報を用いてS106の判定処理を実行するようにしても良い。
【0113】
また、別の実施の形態において、例えばS10の処理で監視する対象として、「製品製造の終了」を「部品使用の終了」に代替することも可能である。この場合、端末装置3は、部品使用終了時刻データを取得すると部品の使用が終了したと判定する。そして、それをサーバ1に報知する。サーバ1は、部品使用の終了を報知する情報を受け取ると、通い箱に格納されていた1個の部品を使用するのに掛かった平均時間(T’ave)を算出する。
【0114】
具体的には、サーバ1は、先ず、RAM12に一時的に保持された管理データから部品使用開始時刻データ(以下、「T’」とする)と部品使用終了時刻データ(以下、「T’」とする)を取得する。そして、これらの時刻データを用いて平均時間T’aveを算出する。平均時間T’aveは、以下の式(2)、すなわち、部品の使用開始から終了までに掛かった時間を通い箱に格納されていた部品数N’(「N」と同様にサーバ1にとって既知の値)で除算する式によって算出される。
T’ave=|T’−T’|/N’・・・(2)
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施の形態における、各工程と各工程間の関係を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の工程管理システムの一例を示した概略図である。
【図3】本発明の実施の形態において作成される管理データを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態において作成される管理データを説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態の端末装置が実行する情報妥当性判定処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態のサーバが実行する情報妥当性判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
1 サーバ
3 端末
11、311 CPU
13、313 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者が同一の端末装置を用いてそれぞれ異なる工程の作業を行い、該作業によって前記端末装置に入力された該工程に関する工程情報を用いて工程の管理を行う工程管理システムにおいて、
該入力された工程情報が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、
前記条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たすと判定されると、当該工程情報を、該工程を管理するために所定のデータベースに格納する工程情報格納手段と、
前記条件判定手段により該工程情報が該所定の条件を満たさないと判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知するミス報知手段と、を具備したこと、を特徴とする工程管理システム。
【請求項2】
該工程情報には、作業者が工程の作業を行った時間に関する作業時間情報が含まれており、
前記条件判定手段は、該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間か否かを判定し、
前記工程情報格納手段は、前記条件判定手段により該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間であると判定されると、該工程情報を前記所定のデータベースに格納し、
前記ミス報知手段は、前記条件判定手段により該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まらない時間であると判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知すること、を特徴とする請求項1に記載の工程管理システム。
【請求項3】
該作業時間情報は、該工程において製品を1個製造するのに掛かった時間、又は部品を1個使用するのに掛かった時間であること、を特徴とする請求項2に記載の工程管理システム。
【請求項4】
前記ミス報知手段は、該作業ミスが発生している可能性を報知する報知情報として、当該作業ミスの理由を該作業者に対して問い合わせる問い合わせ情報を、前記端末装置の表示部に表示すること、を特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の工程管理システム。
【請求項5】
該問い合わせ情報に応答して該作業者が該作業ミスの理由を前記端末装置に入力した際に、該入力された理由を所定の記憶媒体に記憶する理由記憶手段と、
該記憶された理由を所定のテンプレートに埋め込んで報告書を作成する報告書作成手段と、
該作成された報告書を出力する出力手段と、を更に具備したこと、を特徴とする請求項4に記載の工程管理システム。
【請求項6】
該作業ミスの理由が前記理由記憶手段に記憶されると、前記工程情報格納手段が該工程情報を前記所定のデータベースに格納すること、を特徴とする請求項5に記載の工程管理システム。
【請求項7】
各作業者を識別するための作業者情報を格納した作業者情報格納手段と、
作業者によって作業者情報が入力される作業者情報入力手段と、
前記作業者情報格納手段に格納された作業者情報の中に該入力された作業者情報と一致するものがあるか否かを判定する作業者情報判定手段と、
該一致する作業者情報があると判定されると、当該作業者に対する前記端末装置の使用を許可する端末装置許可手段と、を更に具備したこと、を特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の工程管理システム。
【請求項8】
前記端末装置許可手段により前記端末装置の使用が許可されると、前記端末装置は、その表示部に、各作業者に対応した画面を表示すること、を特徴とする請求項7に記載の工程管理システム。
【請求項9】
該各作業者に対応した画面とは、作業者毎に異なる配色で表示される画面であること、を特徴とする請求項8に記載の工程管理システム。
【請求項10】
複数の作業者が同一の端末装置を用いてそれぞれ異なる工程の作業を行い、該作業によって前記端末装置に入力された該工程に関する工程情報を用いて工程の管理を行う工程管理方法において、
該入力された工程情報が所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定ステップと、
前記条件判定ステップにより該工程情報が該所定の条件を満たすと判定されると、当該工程情報を、該工程を管理するために所定のデータベースに格納する工程情報格納ステップと、
前記条件判定ステップにより該工程情報が該所定の条件を満たさないと判定されると、該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知するミス報知ステップと、を含む工程管理方法。
【請求項11】
該工程情報には、作業者が工程の作業を行った時間に関する作業時間情報が含まれており、
前記条件判定ステップにおいて該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間か否かを判定し、
前記条件判定ステップにより該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まる時間であると判定されると、前記工程情報格納ステップにおいて該工程情報を前記所定のデータベースに格納し、
前記条件判定ステップにより該作業時間情報が示す時間が所定の範囲に収まらない時間であると判定されると、前記ミス報知ステップにおいて該作業中に作業ミスが発生している可能性を報知すること、を特徴とする請求項10に記載の工程管理方法。
【請求項12】
該作業時間情報は、該工程において製品を1個製造するのに掛かった時間、又は部品を1個使用するのに掛かった時間であること、を特徴とする請求項11に記載の工程管理方法。
【請求項13】
前記ミス報知ステップにおいて、該作業ミスが発生している可能性を報知する報知情報として、当該作業ミスの理由を該作業者に対して問い合わせる問い合わせ情報を、前記端末装置の表示部に表示すること、を特徴とする請求項10から請求項12の何れかに記載の工程管理方法。
【請求項14】
該問い合わせ情報に応答して該作業者が該作業ミスの理由を前記端末装置に入力した際に、該入力された理由を所定の記憶媒体に記憶する理由記憶ステップと、
該記憶された理由を所定のテンプレートに埋め込んで報告書を作成する報告書作成ステップと、
該作成された報告書を出力する出力ステップと、を更に含む、請求項13に記載の工程管理方法。
【請求項15】
前記理由記憶ステップにおいて該作業ミスの理由が記憶されると、前記工程情報格納ステップにより該工程情報が前記所定のデータベースに格納されること、を特徴とする請求項14に記載の工程管理方法。
【請求項16】
各作業者を識別するための作業者情報を格納した作業者情報格納ステップと、
作業者によって作業者情報が入力される作業者情報入力ステップと、
前記作業者情報格納ステップに格納された作業者情報の中に該入力された作業者情報と一致するものがあるか否かを判定する作業者情報判定ステップと、
該一致する作業者情報があると判定されると、当該作業者に対する前記端末装置の使用を許可する端末装置許可ステップと、を更に含む、請求項10から請求項15の何れかに記載の工程管理方法。
【請求項17】
前記端末装置許可ステップにより前記端末装置の使用が許可された際に、前記端末装置の表示部に各作業者に対応した画面を表示する画面表示ステップを更に含む、請求項16に記載の工程管理方法。
【請求項18】
該各作業者に対応した画面とは、作業者毎に異なる配色で表示される画面であること、を特徴とする請求項17に記載の工程管理方法。
【請求項19】
請求項10から請求項18の何れかに記載の工程管理方法をコンピュータに実行させるための工程管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−117030(P2008−117030A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297331(P2006−297331)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】