説明

差異のある剥離挙動を有する誘導加熱可能な接着テープ

2つの基材表面の接着および再剥離のための方法であって、接着のために、熱活性化接着可能な平たい要素が使用され、熱活性化接着可能な平たい要素が、少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含み、第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在している方法において、接着が、熱活性化接着可能な平たい要素を温度Tに曝すことにより引き起こされ、温度Tでは、両方の熱活性化性接着剤が同時に熱活性化され、再剥離が、接着部位を温度Tに曝すことにより引き起こされ、温度Tでは、所定の条件下で、熱活性化接着可能な平たい要素の熱活性化性層の一方だけが、接着複合体内での接着作用を、接着複合体が分離する程度に失うことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの基材、特に2つのプラスチック基材を熱活性化性接着剤により互いに接着するための方法、さらに、これにより生じた基材同士の接着複合体を再剥離するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱活性化接着可能な平たい要素(熱活性化性平たい要素)は、接合部品の高強度の結合を得るために用いられる。このような平たい要素は、感圧接着剤系だけを備えた平たい要素によって可能な強度と同等またはより高い強度を、より薄い接着接合部で達成するのに特に適している。このような高強度の接着は、例えば家庭用電子機器、娯楽用電子機器、または通信用電子機器の分野で、例えば携帯電話、PDA、ノート型パソコンおよびその他の計算機、デジタルカメラ、ならびに表示機器、例えばディスプレイおよび電子書籍端末のために、とりわけ電子機器の小型化が進む際に重要となる。
【0003】
なかでも、携帯用の家庭用電子機器製品における接着結合の加工性および安定性への要求が高まっている。これは一方では、このような製品の寸法が次第に小さくなっており、したがって接着結合に利用できる面積も減少していることに関連している。その一方でこのような機器における接着結合は特に安定していなければならない。なぜなら携帯用製品は、例えば衝突または落下のような強い機械的負荷に耐えなければならず、加えて幅広い温度範囲において使用されるからである。
【0004】
すなわちこのような製品では、熱活性化接着性接着剤、つまり室温では自己接着性を示さないかまたはせいぜい僅かな自己接着性しか示さないが、熱の影響下ではその時々の接着基材(接合相手材、被接着下地)への接着に必要な接着力を生じさせる接着剤を備えた熱活性化接着可能な平たい要素を使用することが好ましい。このような熱活性化接着性接着剤は室温ではたいてい固体の形で存在しており、しかし接着中は、温度の作用により接着力の高い状態に可逆的または不可逆的に移行する。可逆的に熱活性化接着性接着剤は、例えば熱可塑性ポリマーをベースとする接着剤であり、これに対し不可逆的に熱活性化接着性接着剤は、例えば熱活性化により架橋反応などの化学反応が進行する反応性接着剤であり、したがってこの接着剤は特に永続的で高強度の接着に適している。
【0005】
従来技術では、異なる材料から成る、例えば金属とプラスチックから成る2つの接合相手材に、熱活性化性接着テープを適合させるため、それぞれの面にそれぞれ異なる熱活性化性接着剤を備えた多層の接着テープを使用することが知られている(例えば公報DE102006055093A1(特許文献1)を参照)。このような多層の熱活性化性接着テープは、例えば接合部品を定位置に留めるために熱活性化性接着テープに感圧接着特性を備えさせるべき分野においても使用される。この場合、少なくとも1つの層が少なくとも部分的に感圧接着剤として実施されており、この感圧接着剤は、特殊な場合には、一般的に熱活性化される化学反応により非感圧接着性の状態に移行させることもできる(例えばEP1078965A2(特許文献2)およびUS4,120,712A(特許文献3)を参照)。
【0006】
接着テープから、接着接合部の幾何形状に適合させたダイカットを製造することも知られている。熱活性化性フィルムを型抜きしやすくするため、内部にプラスチックフィルムを入れることが提案されており、このプラスチックフィルムがそれぞれの面にそれぞれ1つの熱活性化性接着剤を備えており、これらの熱活性化性接着剤は異なっていてもよい。
【0007】
すべての熱活性化接着性接着剤系に共通しているのは、接着する際に加熱しなければならないことである。特に接着剤系が接着基材によって外部に対して全面的に覆われた状態での接着では、接着剤の溶融または活性化に必要な熱を接着面に迅速に輸送することが非常に重要である。その際、接着基材の1つが優れた熱伝導体であれば、この接着基材を外部の熱源、例えば直接的な熱伝達器、赤外線ヒータ、またはその類似物によって加熱することができる。
【0008】
ただし、既知の接着剤の迅速で均質な加熱に不可欠な短い加熱時間は、このような直接的な加熱または接触加熱の場合、熱源と接着基材の間の温度勾配が大きくなるという代償を払ってしか実現できない。したがって加熱すべき接着基材自体は温度の影響を受けにくいことが望ましく、しかも温度は、部分的に、接着剤の溶融または活性化に本来必要であるよりかなり高くなる可能性がある。つまり、プラスチックとプラスチックを接着するために熱活性化性接着フィルムを使用することには問題がある。特に家庭用電子機器では、プラスチックとして、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらのプラスチックをベースとするブレンドが使用される。
【0009】
要するに、例えば多くのプラスチックでそうであり、また電子部品、例えば半導体部品または液晶モジュールでもそうであるような、接着基材のどれも熱を十分良好に伝導しない、または接着基材が比較的高い温度に対して影響を受けやすいという場合には、事情が異なる。このため、ほとんど熱を通さないか、または熱の影響を受けやすい材料から成る接着基材を接着するために、熱活性化接着可能な平たい要素自体が、加熱のための内在的なメカニズムを備えることが提案され、これにより接着に必要な熱は、外から持ち込まなくてもよく、直接的に平たい要素自体の内部で生成される。従来技術から、このような内部加熱を実現可能な様々なメカニズムが、例えば電気抵抗加熱による、または磁気誘導による、またはマイクロ波放射との相互作用による加熱として知られている。
【0010】
交流磁場内での加熱は、一つには導電性受容体内で誘導される渦電流により、もう一つには、モデルとして説明すれば、交流場内で反転する原子磁石のヒステリシス損失により達成される。ただし渦電流を発生させるには、導電性領域が最低限の大きさを有する必要がある。この最低限の大きさは、交流場の周波数が低いほど大きくなる。受容体の材料に応じて、両方の効果を共に発生させたり(例えば磁性金属)、またはそれぞれ一方の効果だけを発生させたりする(例えばアルミニウムは渦電流だけ、酸化鉄粒子はヒステリシスだけ)。
【0011】
原理的には、誘導加熱のための様々な加熱装置が知られている。これらの装置は、とりわけそれぞれの加熱装置によって生成される交流磁場の周波数に基づき区別することができる。すなわち誘導加熱は、周波数が約100Hz〜約200kHzの周波数領域(いわゆる中周波;MF)内の磁場を用いて行うことができ、または約300kHz〜約100MHzの周波数領域(いわゆる高周波;HF)内の磁場を用いて行うこともできる。それだけでなく特殊な例として、マイクロ波領域の周波数、例えば2.45GHzのマイクロ波標準周波数の磁場を用いた加熱装置も知られている。
【0012】
使用する交流場の周波数と共に、交流場を生成するために行わなければならない技術的な手間が増え、したがって加熱装置にかかる費用が上昇する。中周波の設備でも市場価格は目下のところ約5,000ユーロであり、高周波の設備に関しては少なくとも25,000ユーロを考慮しなければならない。それだけでなく、加熱設備に対する安全性の要求も周波数と共に高くなり、したがって高周波の設備では必然的に、比較的高い購入費用に加え、安全性に関する設備技術を施すための比較的高い費用も発生する。
【0013】
これに加え、電子機器内の部品を接着するために高周波を使用する場合、交流電磁場の印加中に、これらの機器内の電子部品に望ましくない損傷が生じる可能性がある。
【0014】
誘導加熱の適用例としては、接着、継ぎ目塞ぎ、硬化、アニーリング、およびそれに類する分野に基づく製造プロセスを挙げることができる。これに関し、一般に行われている技術とは、例えばEP1056312A2(特許文献4)またはDE202007003450U1(特許文献5)によれば、インダクタが部品を完全にまたは部分的に内包し、全体にわたって均一にまたは必要の際には意図的に不均一に加熱するような方法を適用することである。
【0015】
DE202007003450U1(特許文献5)には、例えば容器の口とシーリングフィルムの融合方法も示されており、この方法では、シーリングフィルムの中の金属部分が誘導加熱され、熱伝導によりシーリング用接着剤が溶融される。容器は、ねじ締めまたは噛み合わせ可能なフタによって閉ざされており、このフタに、金属フィルムおよび隣接して配置されたプラスチック製シーリングフィルムが内包されている。誘導コイルにより金属フィルム内に渦電流を発生させ、この渦電流が金属フィルムを加熱する。金属フィルムとシーリングフィルムが接触していることによりシーリングフィルムも加熱され、それにより容器の口と融合する。トンネル状の誘導コイルは、コイルが金属フィルムに対して側面から影響を及ぼすので、金属フィルムとフタ上縁の間隔が広い容器でもシーリングできる点が、平面的なコイルより有利である。
【0016】
この方法の欠点は、電磁場を通って案内される部品体積が、純粋な接着剤体積と金属フィルムよりはるかに大きく、これにより望ましくない部位で加熱が生じ得るので、電子部品の場合に損傷の可能性があることである。さらに、カバーフィルム全体が加熱されることが欠点であり、接着するには、容器と接触している周縁領域だけで十分であろう。つまり、接着面積に対する加熱面積の比率が大きく、この比率は、口の直径が25mmで接着幅が2mmの典型的な飲料ボトルに関しては例えば6.5である。接着幅が通常は変わらない場合、容器直径が大きいほど、この比率も大きくなる。
【0017】
近年、特にプラスチックにプラスチックを接着する際の誘導加熱に関し、誘導加熱可能な熱活性化性接着フィルム(HAF)が新たな関心の的になっている。その理由は、いまでは入手可能なナノ粒子系、例えばMagSilica(商標)(Evonik AG)に求めることができ、このナノ粒子系は、加熱すべき物体の材料中に加えることができ、こうすることで、それにより物体の機械的安定性をさほど損なうことなく、物体をその全体積にわたって加熱することが可能になる。
【0018】
しかしながら、このナノスケールの系の小さなサイズの故に、このような製品を中周波領域の周波数の交流磁場内で効率よく加熱することは不可能である。むしろこの新規の系には高周波領域の周波数が必要である。しかしながらまさにこの周波数の場合に、交流磁場内で電子部品が損傷する問題が特に強く現れる。そのうえ高周波領域内の周波数の交流磁場を生成するには、装置のための費用をより多く必要とし、したがって経済的に不利である。さらにナノ粒子状の充填物質の使用は、後のリサイクルの際にこの充填物質が周囲の材料からほとんど分離できないので、エコロジーの観点からも問題がある。それだけでなく、ナノ粒子系は非常に集塊を形成しやすいことから、ナノ粒子系により生成された膜はたいてい非常に不均質なので、この粒子を非常に薄い膜内で使用することは困難である。
【0019】
さらに、および上述の問題点を回避するため、誘導により加熱可能であるべき熱活性化性フィルム(HAF)に、金属のまたは金属被覆された平たい構造物を詰めることができる。全面にわたる金属フィルムを使用するなら、このやり方は中周波領域内でも非常に効率がよく、高い加熱速度を達成することができ、これにより0.05〜10秒の間の誘導時間を実現できる。その際、非常に薄い0.25μm〜75μmの間の導電性フィルムを使用することもできる。
【0020】
HAFのマトリクス材料が通り抜け得る透かし構造の金属フィルム、ワイヤネット、エキスパンドメタル、金属不織布、または繊維の使用も知られており、これにより、複合体の凝集性が改善される。ただしこれにより加熱効率は低下する。
【0021】
携帯用電子機器内での接着に関し、誘導加熱可能なナノ粒子を含む製品Lohmann社のDuolplocoll RCDが知られている。この製品は、高周波領域内でしか工業的に利用可能に加熱することができない。粒子および高周波交流場の使用に関する上述の欠点は、この製品にも当てはまる。この製品に関しては、これを使って生成された接着結合が、再び誘導加熱することで剥離可能であることも示されている。このような粒子を充填した接着テープの欠点は、高温に加熱すると凝集性が弱まり、したがって部品を分離した後に、両方の接合相手材に接着テープの残留物が残り、接合相手材がそれぞれ粒子に汚染されてしまうことである。これは、素材のリサイクルに関して不利である。
【0022】
一緒に接着された部品の誘導加熱による分離は従来技術において知られている。これらにも、上述の欠点を有する粒子ベースの接着剤系が度々使用されている。平たいなサセプタ材料に関しては、EP1453360A2(特許文献6)に分離のことが記載されている。
【0023】
交流磁場内で熱を発生させるために平たいな構造物を使用する場合、熱の効果(例えば溶融または化学分解)による結合の剥離に関しては、内部で熱を発生させる平たい構造物が接合相手材のどちらに付着したままになるかを確実には予測できないという問題が発生する。したがってこの場合も、素材のリサイクルの際に汚染による障害が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】DE102006055093A1
【特許文献2】EP1078965A2
【特許文献3】US4,120,712A
【特許文献4】EP1056312A2
【特許文献5】DE202007003450U1
【特許文献6】EP1453360A2
【特許文献7】US5,272,216
【特許文献8】DE102006042816A1
【特許文献9】EP1475424A1
【特許文献10】EP1956063A2
【特許文献11】DE19905800B4
【特許文献12】EP0881271B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の課題は、接着、特にプラスチックとプラスチックの接着を、従来技術の欠点を回避しながら実現させることができ、コントロールして再び分離させ得る材料および方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この課題は、2つの基材表面の接着(これにより接着複合体が生じる)および再剥離(これにより接着複合体が再び分離される)のための方法であって、接着のために、熱活性化接着可能な平たい要素が使用され、熱活性化接着可能な平たい要素が、少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含み、第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在している方法において、
− 接着が、熱活性化接着可能な平たい要素を第1の温度(T)に曝すことにより引き起こされ、この第1の温度では、両方の熱活性化性接着剤が同時に熱活性化され、
− 再剥離が、接着部位(つまり、特に熱活性化接着された平たい要素)を第2の温度(T)に曝すことにより引き起こされ、この第2の温度では、所定の条件下で、熱活性化性平たい要素の熱活性化性層の一方(以下に、単に言語上の区別のため「第1の熱活性化性接着剤」という)だけが、接着複合体内での接着作用を、接着複合体が分離する程度に失うことを特徴とする方法によって解決される。
【0027】
本願の意味においては、熱活性化性接着剤および熱活性化接着可能な平たい要素が、その時点で熱活性化性接着の適性がまだ存在しているか否かにかかわらず、この構成要素が接着された状態でも、または接着複合体の再剥離後でも、統一的に熱活性化性接着剤および熱活性化接着可能な平たい要素という。つまり、接着前には熱活性化性接着の適性が存在していたという事実、およびこの表現が使われている間はそれぞれの対象自体が(場合によっては加工された、特に接着された形で)引き続き存在しているという事実が顧慮される。
【0028】
どの範囲までこの適性が有意な状態で存在しているのかまたはいないのかが重要な場合は、本文の対応する位置でそのことを明示する。
【0029】
したがって、例えば「熱活性化接着可能な平たい要素」という表現には、他に何も記載されていなければ、対応する場合は「熱活性化接着された平たい要素」も含まれている。
【0030】
いずれにせよ、平たい要素の使用前は「熱活性化接着性平たい要素」であり、熱活性化性接着剤とは、室温より高い活性化温度に達することで、使用の意味における接着の適性を生じさせ得る接着剤である。
【0031】
「熱活性化性接着剤が実質的には平たい構造物の一方の面に存在している」という表現は、平たい要素のそれぞれの面の接着剤が、全体または大部分で接着をもたらすが、ただし実際の接着テープの構造ではどうしても、例えば平たい構造物の縁で重なることにより、または例えば断続的な導電性平たい構造物、例えば格子、多孔板、およびその類似物の場合には向かい合う熱活性化性接着剤と混じり合うことにより、または別のことにより、いずれにせよそれにより本発明の概念の実現に影響しない範囲で、導電性平たい構造物のもう一方の面にも延びている可能性があることを意味している。つまり「実質的に」、それぞれの熱活性化性接着剤が、導電性平たい構造物のそれぞれの面全体に存在できるという実情が考慮され、ただしそれぞれの基材への熱活性化接着可能な平たい要素の接着が、決定的にそれぞれの熱活性化性接着剤により決定的に保証され続けることが保証され続ける場合は、面全体に存在しなくてもよい。
【0032】
本願の意味における平たい要素としては、特に、実質的に平面的な広がりを有するすべての一般的で適切な構造物が当てはまる。この構造物は、平面的な接着を可能にし、様々な、特に柔軟な、接着フィルム、接着テープ、接着ラベルとして、または成形ダイカットとして形成され得る。平たい要素は、誘導加熱中に接着基材が熱により損傷する危険性を低くするため、接着面の形状に合わせて裁断した平たい要素として形成することができる。
【0033】
本願の意味における平たい要素は、それぞれ2つの側面、すなわち前面および後面を有している。その際、前面および後面という概念は、平たい要素の主拡張方向(面の拡張方向、主広がり面)に平行な、平たい要素の両方の表面に関するものであり、平たい要素の向かい合って配置されたこの両方の面を区別するために用いられるだけであり、この概念の選択により両方の面の絶対的な空間配置が規定されることはなく、したがって前面は、平たい要素のうち空間的に後ろに置かれた側面であってもよく、つまりその場合、これに対応して後面は、平たい要素のうち空間的に前に置かれた側面である。
【0034】
熱活性化接着可能な平たい要素は、2つの接着基材を互いに接着すべきである。このため平たい要素は両方の側面に、熱活性化接着可能な接着剤を備えている。熱活性化接着可能な接着剤とは、温度が上昇すると高温状態で接着し、冷却後に機械的負荷に耐え得る結合を提供するすべての接着剤である。この接着剤は一般的に接着剤層の形で存在している。
【0035】
層とは、特に、機能に統一性のある系の平板状の構成を指しており、その寸法は、1つの空間方向(厚さまたは高さ)が、主拡張方向を定義する別の2つの空間方向(長さおよび幅)より有意に小さい。このような層は、隙間なくまたは透かし構造にも形成することができ、かつ唯一の材料から成ることも、または特にこの層の機能の統一性に寄与する場合には様々な材料から成ることもできる。層は、その面の広がり全体にわたって一定の厚さまたは様々な厚さを有することができる。それだけでなく層はもちろん複数の機能を有していてもよい。
【0036】
「熱活性化性接着剤(hitzeaktivierbare Klebmasse)」(本明細書では、「熱活性化性接着剤(waermeaktivierbare Klebmasse)」ともいう)という概念は、熱エネルギーの供給により活性化され、この活性状態で、使用のために施される接着剤を指している。冷却により接着が引き起こされるのだが、これに関しては2つの系を区別しなければならない。すなわち熱可塑性で熱活性化性の系(溶融接着材料)は、冷却すると物理的に結合し(一般的に可逆性)、その一方で熱活性化性のエラストマー/反応成分の系(ヒートシール接着材料)は化学的に結合する(一般的に不可逆性)。
【0037】
これに対応する接着剤が、室温でも、または活性化温度より低い別の温度でも、既にある程度の自己接着性(感圧接着性、自着性)を有し得る(「感圧接着性」であり得る)ことは、「熱活性化性接着剤」の概念と矛盾しない。しかし、この活性化温度未満での自己接着性は必須ではなく、したがって熱活性化性接着剤は、活性化温度未満の温度、特に室温では非接着性であってもよい。
【0038】
本明細書の意味における異なる熱活性化性接着剤とは、特に、接着している状態を出発点として、温度TDK≦Tの場合に、熱活性化性接着剤の一方(第1の熱活性化性接着剤)が、接着複合体内での接着作用を、接着複合体が熱活性化性接着剤による接着を分離させる程度に失い、これに対しもう一方の熱活性化性接着剤(以下に、「第2の熱活性化性接着剤」という)によりもたらされた接着は、温度Tでも維持され続けるように挙動する熱活性化性接着剤を意味している。
【0039】
温度Tで接着複合体を分離させるために(つまり、両方の基材の互いの接着を再剥離させるために)、剥離工程を補助するさらなるプロセス条件を設定すること、例えば追加的に、多少の差はあれともかく強く分離する力(引っ張る力、押す力、またはそれに類する力)を使用することが有益であり得る。その場合、第2の熱活性化性接着剤に関しては、この接着剤が、温度Tで接着複合体を再剥離する際に付与される条件下では、特に上記の力の影響下では、この接着剤が接着している基材との接着を剥離させないことが肝心である。
【0040】
第2の熱活性化性接着剤の方は、温度Tより高い第3の温度Tの場合に、この接着剤が接着している基材との接着を剥離させるように選択し得ることが有利である。
【0041】
それぞれの熱活性化性接着剤の、その接着剤が接着している基材からの分離は、例えば、それぞれの接着剤が、この温度(TまたはT)の場合に、溶融、軟化、および/または分解(Dekomposition)することで接着力を失う、または少なくとも強く減衰することによって引き起こすことができる。分離工程のこれ以外のメカニズムも可能であり、本発明の基本思想に一緒に含まれている。
【0042】
本発明による方法の好ましい一形態では、熱活性化接着可能な平たい要素中の導電性平たい構造物が、特に磁場内で誘導加熱され、その熱が接着剤に伝わることにより、熱活性化接着可能な平たい要素内で温度Tが生じる。
【0043】
さらなる好ましい一形態では、温度Tも、好ましくは必要に応じて達成すべき温度Tも、導電性平たい構造物の誘導加熱によってもたらされる。
【0044】
本発明による方法では、以下に詳しく説明する、およびそれ自体が本発明の対象である熱活性化接着可能な平たい要素を使用することが有利である。
【0045】
さらに本発明の対象は、少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含む熱活性化接着可能な平たい要素であって、第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在しており、これらの熱活性化性接着剤が、これら接着剤が共通の温度Tで接着を引き起こし、かつ温度TDKでは熱活性化性接着剤の一方(第1の熱活性化性接着剤)は接着作用を失うがもう一方(第2の熱活性化性接着剤)はまだ失わないように選択される、熱活性化接着可能な平たい要素である。
【0046】
この「実質的に」という表現は、既に上で定義したのと同じ意味である。
【0047】
本明細書中では、接着複合体内のそれぞれの熱活性化性接着剤がその接着作用を失う温度を「接着性喪失温度」ともいう。
【0048】
全体的に、熱活性化接着可能な平たい要素は、任意に適切に形成することができる。すなわち平たい要素は、前述の層に加えてさらなる層を含むことができ、例えば永続的な支持体または一時的な支持体を含むことができる。
【0049】
本発明による熱活性化性平たい要素の有利な一形態では、第1の熱活性化性接着剤の活性化エネルギー(TAkt)および第2の接着剤の活性化エネルギー(TAkt)は、同じかまたは少し差があり、この少しの差とは、両方の活性化エネルギーの高い方に達した際に、特にそれを超えた後に、両方の熱活性化性接着剤がその接着性を発揮するかもしくは既に発揮しており、ただし低い方の活性化エネルギーを有する接着剤が、(例えば接着剤が希薄になりすぎて、もしくは分解して、もしくは別の原因で、必要な接着作用を達成する能力がなくなる(つまり、一方または両方の接着剤の接着性喪失温度TDKに既に達している)ことによって)既にその接着性を再び減衰していたということのない温度範囲内に、両方の活性化エネルギーがあるような差である。
【0050】
AktおよびTAktが異なる場合、低い方の接着性喪失温度TDKを有する第1の熱活性化性接着剤は、低い方の活性化温度を有する接着剤であってよく、しかし高い方の活性化温度を有する接着剤であってもよい。これに対応することが、高い方の接着性喪失温度TDKを有するかまたは接着性喪失温度をもたない第2の熱活性化性接着剤にも当てはまる。
【0051】
本発明による方法では、温度Tは、特に、両方の活性化エネルギーの高い方に相当するか、あるいは高い方のエネルギーを超えている、特に少しだけ超えている、つまり接着剤の一方または両方がその接着性を再び減衰させる温度を超えることなく、両方の感圧接着剤が接着性を発揮するように選択される。
【0052】
その際、熱活性化性接着剤がその接着性を減衰させる温度(接着複合体を維持できなくなる、すなわち第1の熱活性化性接着剤の接着性喪失温度TDK、第2の熱活性化性接着剤のTDK)は、低い方の接着性喪失温度TDKを有する第1の熱活性化性接着剤と第1の基材の接着が剥離され、その一方で高い方の接着性喪失温度TDKを有する(または接着性喪失温度のない)第2の熱活性化性接着剤と第2の基材の接着が(まだ)維持され続けている温度T(または温度範囲T)がプロセス技術的に実現できるように、有意に異なることが好ましい。
【0053】
温度TAkt、TAkt、TDK、および/またはTDKは、明確に定義された温度であり得るが、感圧接着剤は、相転移、または別の物理的、化学的、および/もしくは物理化学的なプロセスが或る温度範囲内で起こるポリマーなので、このような温度範囲も一緒に含んでいるべきである。
【0054】
その場合、提示した温度Tは、特に、対応するプロセス(熱活性化、溶融、軟化、分解など)が本質的に起こり、したがって本方法における前述の成果(つまり接着または再剥離)が生じるそれぞれの温度範囲内の温度を表している。
【0055】
プロセス温度Tは、熱活性化性接着剤の活性化温度TAktおよびTAkt以上の温度を表している。
【0056】
プロセス温度Tは、第1の熱活性化性接着剤の接着性喪失温度TDK以上の温度を表しており、第2の熱活性化性接着剤も接着性喪失温度TDKを有するならば、TはTDK未満である。
【0057】
プロセス温度Tは、接着性喪失温度TDK2*以上の温度を表している。
【0058】
既に説明したように、熱活性化性接着剤の接着性喪失温度としては、それぞれもう一方の熱活性化性接着剤とは関係なく、特に接着剤それぞれの溶融温度、軟化温度、分解温度、またはそれに類する温度が考慮される。もちろん、両方の熱活性化性接着剤の接着性喪失が同じ効果に由来していてもよい。
【0059】
本発明による接着テープの有利な一実施形態は、少なくとも1つの導電性平たい構造物ならびに導電性平たい構造物の両面のそれぞれ少なくとも1つの熱活性化性接着剤の層を含む熱活性化接着可能な平たい要素であって、両方の熱活性化性接着剤が異なっており、これら熱活性化性接着剤の接着特性を達成するための活性化温度の差が、これら接着剤の接着性喪失温度、特にその溶融温度および/または分解温度の差より小さい、熱活性化接着可能な平たい要素に関する。
【0060】
本発明による熱活性化接着可能な平たい要素および本発明による方法は、少なくとも2つの同じまたは異なる非導電性材料(上で使用した概念の意味における基材)、特に、それぞれ熱伝導率が5W/mK未満の、特に好ましくは電子機器内の材料を接着するのに特に適している。
【0061】
本発明によれば、両方の接着剤を同じ温度範囲内で、両方の接着剤が完全な接着強度を達成しながら(材料の一方が、例えば不完全な硬化または溶融により完全な接着強度に達しないということなく)接着することができる。関与する材料(基材、接着剤)のどれも、高すぎる温度により損傷しないことが有利である。
【0062】
これに加え、結合を剥離する際の温度T、特に低い方の温度の選択により、どちらの接合相手材に導電性平たい構造物が付着し続けるかを確実に前もって定めることができる。これは、特に電子機器のリサイクル工程のために、特に汚染のない材料分類のために有利である。
【0063】
意外にも、2つの異なる接着剤系にもかかわらず、また接着可能な平たい要素内に導電性平たい構造物のところで存在する追加的な境界層にもかかわらず、そのほかには接着接合部に均質に存在するモノ系でしか、例えば粒子を充填した接着材料でしか達成されない接着強度を達成することに成功した。
【0064】
特に有利な一実施形態では、熱活性化接着可能な平たい要素の厚さが、70μm未満、特に50μm未満、とりわけ30μm未満である。なぜならこれにより、特に薄い接着結合を実現できるからである。
【0065】
本発明には、本発明による熱活性化接着可能な平たい要素が、特に、生成すべき接着結合の幾何形状で(例えば裁断物またはダイカットとして)提供される方法であって、
・この平たい要素が接着接合部に施され、
・接着接合部が加圧され、この圧力が、少なくとも1つのプレス工具が交流磁場生成装置を内包しているプレス装置によりもたらされ、
・平たい要素が誘導により、両方の接着剤系が活性化される温度に加熱される、接着結合を生成するための方法が含まれている。
【0066】
さらに本発明には、本発明による熱活性化接着可能な平たい要素である接着テープによって生成された接着結合が誘導により加熱される方法であって、
・両方の熱活性化性接着剤の付着性および/または凝集性を低下させるのに必要な温度の低い方を著しくは超えないことを特徴とする、特に前述の接着結合を生成するための方法の後に接着結合を剥離するための方法が含まれている。
【0067】
本発明による平たい要素の加熱は、誘導加熱のために一般的な誘導加熱手段(インダクタ)を使用して実施することができる。誘導加熱手段(インダクタ)としては、すべての一般的で適切な構成が考慮され、つまり例えば交流電流が貫流するコイル、導体ループ、または導体であり、これらは電流が流れることで適切な強さの交流磁場を生成する。つまり加熱に必要な磁場強度は、相応の電流により貫流される相応の巻数およびコイル長の、例えばポイントインダクタとしてのコイル構成によって提供することができる。このコイル構成は、フェロ磁性の磁心なしで形成することができ、あるいは例えば鉄または圧縮されたフェライト粉末から成る磁心を備えることができる。こうして生成された磁場に予備複合体を直接曝すことができる。もちろんその代わりに、上記のコイル構成を、磁場伝達器(変圧器)の一次側の一次巻線として配置することも可能であり、この磁場伝達器の二次側では、二次巻線が対応してより高い電流を提供する。したがって予備複合体のすぐ近くに配置される本来の界磁コイルは、電流がより高いので、交流磁場の強さを低下させることなく巻数をより少なくすることができる。
【0068】
誘導加熱中に予備複合体にプレス圧を掛ける場合のために、さらにプレス装置が必要である。プレス装置としては、プレス圧を掛けるのに適したすべての装置を使用することができ、例としては不連続的に動作するプレス機、例えば空気圧式もしくは液圧式のプレス、偏心プレス、クランクプレス、トグルレバープレス、ねじプレス、またはその類似物であり、あるいは連続的に動作するプレス機、例えばプレスローラもである。この装置は、独立したユニットとして提供することができ、あるいはインダクタと結合して存在していてもよい。例えば、第1のプレス工具として少なくとも1つのプレススタンプ要素を含む装置が用いられ、このプレススタンプ要素がさらに誘導加熱手段を備えていることが好ましい。これにより誘導場を、形成すべき接着部位の非常に近くに近づけることができ、したがって空間的にもこの接着部位の面に制限することができる。
【0069】
有利には、誘導加熱のために下記のパラメータを選択することができる。
− 1〜200kHzの間の周波数を使用する。なぜなら周波数が低ければ、より高い侵入深度を達成することができ、加熱速度のコントロールがより容易だからである。本方法では、1〜40kHz、特に1〜15kHzの周波数を使用することが特に好ましく、なぜならこの場合に、磁場の有効な侵入深度がさらに大きくなるからである。
− 20秒未満の時間内で70℃超の温度に加熱する。
【0070】
本方法は、加熱される面が5cm未満の場合に使用するのが特に有利である。意外にも本方法により、非常に繊細な接着基材がコントロールされずに溶融するのを回避することができる。
【0071】
さらに本方法は、接着接合部が非閉鎖的な面として形成されている場合に使用するのが特に有利である。この非閉鎖的な面とは、一方では空隙および/また透かし構造の面と理解することができ、他方では、実質的に、個々の要素のアスペクト比(長さ:幅)が2超の線状の要素から構成された面、例えばくし形構造とも理解することができる。
【0072】
本方法の特に有利な一実施形態では、加熱の際、0.2MPa超のプレス圧が掛けられる。これにより、脱離するガスまたは化学反応において生じるガスによる、特に水蒸気による気泡形成を回避することができる。高い架橋温度には0.5MPa超の圧力が好ましい。
【0073】
これに対して本方法のさらなる特に有利な一実施形態では、圧力は0.2MPa未満である。なぜならこれにより、接着剤、特に熱可塑性接着剤が、接着接合部から絞り出されるのを回避できるからである。
【0074】
特に有利な一実施形態では、加熱速度が200℃/s以下、特に100℃/s以下である。なぜならより高い加熱速度の場合、熱活性化性接着剤の材料損傷または基材のコントロールされてない溶融もしくは熱による損傷の危険性が高いからである。加熱速度のこのような制限は、例えば、導電性の比較的低い金属(例えば銅の代わりにアルミニウム、またはアルミニウムの代わりにスチール)を使用することで達成できる。加熱速度を制限するためのさらなる技術的手段は、透かし構造の金属性平たい構造物、例えばエキスパンドメタルを使用することである。
【0075】
本方法のさらなる有利な一実施形態では、物理的または化学的なメカニズムによる接着接合部の強化を可能にするため、平たい要素の加熱後に圧力が維持される。サイクルタイムを短縮するため、この後プレス時間を第2のプレス装置において実施することも有利であり、この第2のプレス装置はもうインダクタを含む必要はない。
【0076】
本方法のさらなる有利な一実施形態では、この後プレス時間の少なくとも一部においても、接着テープのさらなる誘導加熱が実施される。なぜならこれにより、有利には接着接合部内の温度を維持できるからである。この後加熱は、最初の加熱より低い加熱速度で実施されるのが有利である。
【0077】
接着テープが、好ましくは接着面の幾何形状で提供されることにより、接着に必要な領域内でのみ加熱が起こることが保証される。これにより、熱による損傷の危険性が低下する。幾何形状の作製は、当業者に周知のすべての方法、例えば切断、型抜き、レーザ切断、ウォータージェット切断によって行うことができる。
【0078】
本方法の利点はさらに、インダクタがプレス工具の少なくとも1つに組み込まれていることである。なぜならこれにより誘導場を、接着部位の非常に近くにもっていくことができ、空間的にもこの接着部位に制限できるからである。
【0079】
熱活性化性接着剤
熱活性化性接着剤として、特に溶融接着材料、反応性接着材料、または反応性溶融接着材料を使用することができる。
【0080】
第1の熱活性化性接着剤の接着性喪失温度(TDK)は、第2の熱活性化性接着剤の活性化温度(TAkt2*)より10〜20℃、好ましくは20〜50℃、特に好ましくは少なくとも50℃高いことが好ましい。これにより、加熱サイクル中に既に第1の接着剤の剥離メカニズム(分解)が活性化するということなく、両方の接着剤を確実に活性化できることが保証される。差が10〜20℃の場合、結合の分離に必要な温度は比較的低く、したがって加熱時間および/またはエネルギーを節減することができる。
【0081】
上述の温度(TDK、EAkt)の差が50℃超であれば、接着の際の温度調節の許容範囲をより大きくできるので、本方法が非常に確実になる。
【0082】
20℃〜50℃の範囲の温度差が、両方の形態の間の有利な妥協点である。
【0083】
特に好ましい一実施形態では、第1の熱活性化性接着剤は、反応性接着材料であるかもしくは反応性接着材料を含み、もしくは反応性溶融接着材料であるかもしくは反応性溶融接着材料を含み、ならびに/または第2の熱活性化性接着剤は溶融接着材料であるかもしくは溶融接着材料を含み、その際、溶融接着材料の溶融温度が、反応系の分解温度(Dekompositionstemperatur)より低く選択されていることが非常に好ましい。
【0084】
これにより接着結合の剥離を、化学分解(Dekomposition)なく、したがってその際に発生するガスまたは別の分解生成物によって生じ得る危険に曝されることなく行うことができる。
【0085】
さらなる好ましい一実施形態では、少なくとも一方の熱活性化性接着剤に、分解を促進するかまたは好ましくはそれ自体が分解して、これにより接着結合を弱め、かつ接着結合を剥離させる少なくとも1種の材料の部分が付加されている。これに関する例は当業者には既知であり、例えばUS5,272,216(特許文献7)に示されている。そこに示されたこれに対応する材料は、本明細書の開示範囲に明確に含まれることとする。
【0086】
少なくとも1つの熱活性化接着可能な接着剤として、原理的にはすべての一般的な熱活性化接着可能な接着剤系を使用することができる。熱活性化接着可能な接着剤は、原理的には、熱可塑性で熱活性化接着可能な接着剤(溶融接着材料)と、反応性で熱活性化接着可能な接着剤(反応性接着材料)の2つのカテゴリーに分類することができる。この区分には、両方のカテゴリーに分類できる、つまり反応性で熱可塑性で熱活性化接着可能な接着剤(反応性溶融接着材料)も含まれる。
【0087】
熱可塑性接着剤は、加熱すると可逆的に軟化し、冷却中に再び凝固するポリマーをベースとする。これに対し、反応性で熱活性化接着可能な接着剤は、反応性成分を含んでいる。後者の成分は「反応性樹脂」ともいい、この成分中では加熱により架橋プロセスが引き起こされ、それにより、架橋反応の終了後には圧力下でも持続的で安定した結合が保証される。好ましくは、このような熱可塑性接着剤は合成ニトリルゴムなどの弾性成分も含んでいる。このような弾性成分はその高い流動粘度の故に、熱活性化接着可能な接着剤に、圧力下でも非常に高い寸法安定性を付与する。
【0088】
以下に、本発明に関して特に有利であると分かった幾つかの典型的な熱活性化接着可能な接着剤の系を、純粋に例として説明する。
【0089】
熱可塑性で熱活性化接着可能な接着剤は、つまり、熱可塑性のベースポリマーを含んでいる。このベースポリマーは、低い押圧力で既に優れた流動挙動を示し、すなわち持続的な接着を保ち得るために重要な最終接着力が短い押圧時間内に生じ、したがって粗面状のまたはその他の不向きな下地にも素早く接着することができる。熱可塑性で熱活性化接着可能な接着剤として、従来技術から知られているすべての熱可塑性接着剤を使用することができる。
【0090】
例えば、DE102006042816A1(特許文献8)に記載されている熱活性化性接着剤が適しているが、これを提示することに制限の意図はない。
【0091】
組成の例は、例えばEP1475424A1(特許文献9)に記載されている。すなわち熱可塑性接着剤は、例えば以下の成分:ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンエチルアクリレートコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、またはブタジエンスチレンブロックコポリマーのうちの1種または複数を含むことができ、またはそれどころかこれらの成分から成ることができる。好ましいのは、例えばEP1475424A1(特許文献9)の段落[0027]に挙げられた熱可塑性接着剤を使用することである。特に、特殊な使用分野、例えばガラス製の接着基材を接着するのに特に適したさらなる熱可塑性接着剤が、EP1956063A2(特許文献10)に記載されている。好ましいのは、レオロジー添加剤によって溶融粘度を高めた、例えば混合成分としての発熱性のケイ酸、カーボンブラック、炭素ナノチューブ、および/またはさらなるポリマーの添加によって溶融粘度を高めた、熱可塑性接着剤を使用することである。
【0092】
これに対し、反応性で熱活性化接着可能な接着剤は、エラストマー性ベースポリマーおよび変性樹脂を含むことが有利であり、この変性樹脂には、接着樹脂および/または反応性樹脂が含まれる。エラストマー性ベースポリマーの使用により、寸法安定性に秀でた接着層を得ることができる。反応性で熱活性化接着可能な接着剤としては、それぞれの実際の用途に応じて、従来技術から知られているすべての熱活性化接着可能な接着剤を使用することができる。
【0093】
これには、例えば、ニトリルゴムまたはその誘導体、例えばニトリルブタジエンゴムをベースとする、またはこのベースポリマーに例えばフェノール樹脂のような反応性樹脂を加えた混合物(ブレンド)をベースとする、反応性で熱活性化接着可能なフィルムも含まれており、このような製品は、例えばtesa8401の名称で市場で入手可能である。ニトリルゴムはその高い流動粘度の故に、熱活性化接着可能なフィルムに顕著な寸法安定性をもたらし、したがって架橋反応の実施によりプラスチック表面への高い接着力を実現することができる。
【0094】
もちろん、その他の反応性で熱活性化接着可能な接着剤を使用することもでき、例えば、接着可能なポリマーを質量分率50〜95重量%、およびエポキシド樹脂または複数のエポキシド樹脂の混合物を質量分率5〜50重量%含む接着剤を使用してもよい。この場合、接着可能なポリマーは、一般式CH=C(R)(COOR)(式中、RはHおよびCHを含む群から選択された残基であり、RはHおよび1〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝のアルキル鎖を含む群から選択された残基である)のアクリル酸化合物および/またはメタクリル酸化合物を40〜94重量%、少なくとも1つの酸性基、特にカルボン酸基および/またはスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する第1の共重合可能なビニルモノマーを5〜30重量%、少なくとも1つのエポキシド基または酸無水物官能基を有する第2の共重合可能なビニルモノマーを1〜10重量%、ならびに第1の共重合可能なビニルモノマーの官能基および第2の共重合可能なビニルモノマーの官能基とは異なる少なくとも1つの官能基を有する第3の共重合可能なビニルモノマーを0〜20重量%含むことが有利である。このような接着剤は、短時間で既に最終接着力に達する迅速な活性化により接着することができ、したがって全体としては、非極性の下地に良好に付着して結合することが保証されている。
【0095】
特別な利点を提供するさらなる使用可能な反応性で熱活性化接着可能な接着剤は、アクリレート含有のブロックコポリマーを40〜98重量%、樹脂成分を2〜50重量%、および硬化成分を0〜10重量%含んでいる。樹脂成分は、接着力を上昇させる(接着性付与の)エポキシド樹脂、ノボラック樹脂、およびフェノール樹脂を含む群から選択される1種または複数の樹脂を含んでいる。硬化成分は、樹脂成分の樹脂を架橋するために使用される。このような配合物は、ポリマー中の強い物理的架橋により、全体として接着の負荷耐性を損なうことなく比較的全体厚の大きい接着層を得られるという特別な利点を提供する。したがってこの接着層は、下地の凹凸を均すのに特に適している。そのうえこのような接着剤は、耐老朽化性に優れており、少ししかガス放出挙動を示さず、これは電子機器分野での多くの接着で特に望ましいことである。
【0096】
ただし原理的には既に上で言及したように、これらの特に有利な接着剤だけでなくその他のすべての熱活性化接着可能な接着剤も、接着に関するその時々の要求プロファイルに応じて選択および使用することができる。
【0097】
さらに有利には、反応性感圧接着材料も、特に構造部の接着に適している反応性感圧接着材料も使用される。このような接着剤は、例えば公報DE19905800B4(特許文献11)およびEP0881271B1(特許文献12)に開示されており、これら公報のこれに関する開示内容は、本明細書の開示内容に含まれることとする。
【0098】
本発明の有利な一実施形態では、熱活性化性接着可能な平たい要素を磁気誘導を用いた加熱により接着させることに基づく、ポリカーボネート上での静的せん断試験における接着強度が、100MPa超、好ましくは100〜300MPaの間、とりわけ好ましくは400MPa超であるように、両方の熱活性化性接着剤を選択する。
【0099】
さらに、両方の熱活性化性接着剤の少なくとも一方が、しかし場合によっては両方の熱活性化性接着剤とも、例えば幾何学的な面(例えばドット、三角形、ひし形、もしくは六角形)または線状のパターン(例えばストランド、線、格子、もしくは波)の形で導電性平たい構造物上に部分的にのみコーティングされている場合が有利である。これにより、両面の分離力にさらに差を付けることができる。
【0100】
本発明のさらなる有利な一変形形態では、熱活性化性接着剤層が異なる厚さで実施される。これは、異なる種類の接着剤の接着力の差を、より大きいまたはより小さい層厚で均すことができるという利点を有している。
【0101】
導電性平たい構造物
原理的には、少なくとも1つの導電性平たい構造物を、任意に適切に、例えば薄い、全面的で隙間のない層または透かし構造の層として(例えば格子として)形成することができる。導電層の層厚は、50μm未満、特に20μm未満、またはそれどころか10μm未満であることが好ましい。層厚の方が、加熱速度の上限を比較的簡単に制限することができる。
【0102】
導電性平たい構造物の誘導加熱可能な材料としては、特に、従来技術からそれ自体このために知られているような特に層状の材料が選択される。導電層と見なされるのは、23℃の温度で少なくとも1mS/mの導電性(電子および/または正孔)を有する、つまり電流が流れ得る少なくとも1種の材料から成るあらゆる層である。これには、特に金属、半金属、ならびに電気抵抗の低いその他の金属性材料および場合によっては半導体も含まれる。すなわち導電層の電気抵抗は、一方では層内を電流が流れる際に層を加熱させ得るに十分なほど高く、しかしもう一方では、そもそも層を通る電流の流れを生み出すのに十分なほど低くもある。特殊な例としては、磁気抵抗が低い(したがって導磁率または透磁率が高い)材料、例えばフェライトから成る層も導電層と見なすことができる。ただしこの材料は、低周波交流ではたいてい電気抵抗が比較的高く、したがってこの場合、たいていは交流磁場周波数が比較的高い傾向を示す場合に初めて加熱が達成される。
【0103】
例えば導電性の平たい材料(平たい構造物)を使用することが好ましい。なぜならこの材料は低周波で加熱できるからであり、これは結果として、磁場の侵入深度を比較的深くし、設備費用を比較的少なくする。導電性平たい構造物の厚さが小さくなるにつれて接着テープがより柔軟になるので、この導電性平たい構造物の厚さは50μm未満、特に20μm未満、とりわけ10μm未満であることが好ましい。これにより、特に薄い接着テープを提供することができ、加えて一方の接合部品に残される導電性材料の量を減らすことができる。
【0104】
有利な一実施形態では、熱活性化接着可能な平たい要素の導電層は、平たい要素の加熱速度を特に簡単なやり方で制限するため、その層厚が20μm未満、特に10μm未満である。それだけでなく、平たい要素はさらなる熱活性化接着可能な接着剤層を備えることができる。このような平たい要素は、2面で接着可能な平たい要素として、2つの接着基材を互いに結合させるために特に適している。
【0105】
その際、導電層は、さらに磁性、特にフェロ磁性または常磁性も示すことが好ましい。このような材料に関しては、渦電流の誘導に加えヒステリシス損失による加熱も発生し、全体的な加熱速度がより高くなることが予測されたのだが、この予測に反しニッケルまたは磁性鋼のような電流を良く通す磁性材料でさえ例外なく、電流を非常に良く通すがそれ自体は磁性を示さない材料、例えば銅またはアルミニウムより加熱速度が低いことが観察された。したがって、磁性で電流を通す材料を使用することにより、加熱をより容易にコントロールでき、接着接合部から離れたところでの加熱効果の発生を減らすことができる。
【0106】
さらに、導電層のそれぞれ300Kに対して決定された導電性が、20mS/m超(これは例えばアルミニウムの使用により達成可能)、特に40mS/m超(これは例えば銅または銀の使用により達成可能)である場合が有利である。これにより、高強度の接着結合の生成に必要な接着接合部内の十分に高い温度、および均質で全体的な加熱を、非常に薄い平たい要素でも実現することができる。意外にも、誘導された渦電流による加熱は、導電性が増すにつれて上昇し、予測したように電気抵抗が増すにつれて上昇するのではないことが観察された。
【発明を実施するための形態】
【0107】
実験の部

熱活性化性接着剤として、様々なベース化合物の様々な厚さの熱活性化性接着剤フィルムを使用した(表を参照)。これには、部分的に、市販の熱活性化性フィルム(tesa SE)を使うことができた。
【0108】
市販の接着剤厚さより薄くするため、比較的厚い製品を2−ブタノン中で溶解し、この溶液を薄く塗布して乾燥させることにより、必要な厚さの接着剤層を製造した。
【0109】
誘導加熱のための導電性平たい構造物としては、厚さ36μmのアルミニウムフィルムを使用した。この金属フィルムの両面に、それぞれ接着剤層を約90℃の温度でラミネートした。このとき化学的な架橋反応はまだ開始されておらず、ただ付着しているだけである。
【0110】
本発明による接着テープ1のための接着基材として、幅20mm、長さ100mm、および厚さ3mmの2つのポリカーボネートプレート2を使用し、このポリカーボネートプレートは、接着接合部3で10mm重なっていた(図1を参照)。つまりこの場合、接着面は、辺の長さが10×20mmの長方形を含んでいた。接着テープの差異のある分離を調べるため、同じ材料から成る接合相手材を選択した。図1にはさらに、下側のプレススタンプ要素4、上側のプレススタンプ要素5、および力Fが概略的に示されている。
【0111】
本接着方法は、IFF GmbH社、IsmaningのEW5Fタイプの誘導設備を改変したものを用いて実施した。ここでは、交流磁場を局所的に提供するためのインダクタとして、水冷式で電流が貫流する1つの導体だけから成る誘導場伝達器を用い、この導体は、磁場伝達用変圧器の二次コイル側として使用され、同軸変圧器において一次コイル側で生成された伝達場と相互作用する。この誘導場伝達器をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から成るマトリクス内に埋め込み、こうして得られた構成を、プレス装置の下側のプレススタンプ要素4として使用した。このプレス装置はさらに上側のプレススタンプ要素5を備えている。下側のプレススタンプ要素4と上側のプレススタンプ要素5の間で予備複合体を熱活性化接着可能な平たい要素の側面に対して垂直に加圧する力Fによる押圧力は、それぞれ2MPaであった。
【0112】
試験のため、改変した誘導設備を用い、30%のパルス幅で、20kHzの周波数の交流磁場を生成した。パルス幅は、交流磁場の周期全体の時間(パルス持続時間と隣接する2つのパルスの間の休止時間の合計)に対する交流磁場のパルス持続時間(パルス長)の割合を百分率で示したものである。
【0113】
熱活性化接着可能な平たい要素がパルス状の交流磁場に曝された時間(つまり誘導加熱時間)は、それぞれ提示した温度が達成されるように調整され、特に1〜6秒の範囲内であった。
【0114】
さらに、すべての試験が5秒の後プレス時間を加えて実施され、後プレス時間中は、接着剤の熱活性化の場合と同じ周波数の交流磁場内で、パルス幅20%(パルス持続時間と休止時間の比が1:4の場合に相当する)で後誘導加熱を行った。
【0115】
測定量としては、23℃および試験速度1mm/minで、DIN53283に準拠した動的引張せん断試験における接着強度が選択された。すべての試験を10回繰り返した。
【0116】
接着を剥離(分離)するため、さほど押圧力を掛けずに、下に提示した温度に誘導加熱し、次いで誘導プレスから試料棒を取り出し、その後直ちに熱いうちに手で曲げることによって分離した。
【0117】
下の表に例を示す。
【0118】
【表1】

略語:
N/P:ニトリルゴム/フェノール樹脂
PA: コポリアミド
PET: コポリエステル
SR/EP: 合成ゴム/エポキシド樹脂
【0119】
【表2】

【0120】
例は、選択した組合せにより、従来技術に基づき高強度の接着結合を実現できることを示している。さらに、様々な接着剤ペアのすべてが予測した面で分離しており、その一方で比較例では面を確実に予測できなかった。これは、本発明による接着テープの利点をはっきり示している。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの基材表面の接着および再剥離のための方法であって、
接着のために、熱活性化接着可能な平たい要素が使用され、
熱活性化接着可能な平たい要素が、少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含み、
第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在している方法において、
接着が、熱活性化接着可能な平たい要素を温度Tに曝すことにより引き起こされ、温度Tでは、両方の熱活性化性接着剤が同時に熱活性化され、
再剥離が、接着部位を温度Tに曝すことにより引き起こされ、温度Tでは、所定の条件下で、熱活性化接着可能な平たい要素の熱活性化性層の一方だけが、接着複合体内での接着作用を、接着複合体が分離する程度に失うことを特徴とする方法。
【請求項2】
接着を引き起こすための温度Tが、導電性平たい構造物の誘導加熱により引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接着複合体の再剥離を引き起こすための温度Tが、導電性平たい構造物の誘導加熱により引き起こされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
温度Tでの接着複合体の再剥離が、対応する熱活性化性接着剤層の溶融または分解(Dekomposition)により引き起こされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含み、
第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在している熱活性化接着可能な平たい要素において、
熱活性化性接着剤の接着特性を達成するための活性化温度の差が、両方の熱活性化性接着剤の溶融温度の差より小さいことを特徴とする熱活性化接着可能な平たい要素。
【請求項6】
少なくとも1つの導電性平たい構造物および異なる熱活性化性接着剤の少なくとも2つの層を含み、
第1の熱活性化性接着剤層が実質的には導電性平たい構造物の一方の面に存在しており、第2の熱活性化性接着剤が実質的には導電性平たい構造物のもう一方の面に存在している熱活性化接着可能な平たい要素において、
熱活性化性接着剤の接着特性を達成するための活性化温度の差が、両方の熱活性化性接着剤の分解温度の差より小さいことを特徴とする熱活性化接着可能な平たい要素。

【公表番号】特表2013−515112(P2013−515112A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545203(P2012−545203)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069041
【国際公開番号】WO2011/085873
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】