説明

巻取機および巻取機を制御する方法

【課題】 巻取機および巻取機を制御する方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、連続的に供給される巻取材料をボビンチューブに巻回して巻取パッケージにする巻取機を制御する方法に関する。巻取機は、2つの駆動スピンドルを備える。横断装置が横断ガイドを保持する。横断ガイドは横断運動するように駆動され、横断装置は、横断運動に対して横切る切替方向に切替運動するように駆動される。制御装置が、横断運動および切替運動をともに制御する。上記横断装置および上記横断ガイドの運動は、巻取材料を、第1スピンドルで巻回されたパッケージから固定移送装置を介して第2スピンドルまで案内するように制御される。巻取材料は、第2スピンドルに関連する捕捉装置によって捕捉される。巻取材料は、切断装置によって切断され、切断運動は、第2スピンドルの回転によってもたらされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月9日に出願された、「交換装置を備えた巻取機、及び、それを駆動するための方法」と題する、同時係属独国特許出願第10 2009 026 849.9号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、連続的に供給される巻取材料、特に連続糸を巻き取ってボビンチューブに巻回されたパッケージまたはボビンにする巻取機に関する。巻取機は、固定のスピンドル軸を有する2つのスピンドルを備えている。本発明は、特に、
第1スピンドルの巻取ボビンまたはパッケージから第2スピンドルの空ボビンチューブに、巻取材料を移送するプロセスと、
第2スピンドルにおける巻取材料の捕捉プロセスと、
第2スピンドルにおいて構築されるパッケージに対する巻取プロセスの開始時の、巻取材料の切断プロセスと
に焦点を当てる。
【0003】
さらに、本発明は、上述したプロセス中に巻取機を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
巻取材料(特に毛糸、ワイヤまたはリボンとしての糸または他の繊維)を、押出プロセスにより、紡糸プロセスにより、または別のボビンから巻取材料を取得することにより、提供することができる。巻取機を用いて、巻取材料は、ボビンを構築するために(特に空ボビンチューブに)巻き取られて巻取パッケージになる。本発明の意味において、「連続的に」供給される巻取材料には、少なくとも単一パッケージに巻き取られる巻取材料の長さより長い、いかなる巻取材料も含まれる。巻取機における第1巻取ボビンの巻取プロセスの後、ボビンは、搬送の目的で使用され、後に、離れた場所で、巻取材料を必要とする別のプロセスのための巻取材料源として使用される。
【0005】
既知の巻取機では、巻取材料は、単一のまたは複数の固定ロールまたは可動ロールを介して、横断ガイドを保持する横断装置に供給される。横断ガイドは、スピンドル軸に平行な向きである横断方向に横断運動で移動するように制御される。
スピンドル自体またはボビン用の摩擦駆動装置を構築する加圧ローラの駆動速度、および
横断ガイドの横断運動の速度の適当な選択とともに、
横断ガイド最大変位の寸法を決めることにより、
巻取プロセス中に、異なる巻取パターンと、固定巻回および/または予備巻回と、横断ガイドの振動ストロークをもたらすことができる。
【0006】
最新の巻取機は、少なくとも2つの巻取ステーションを備え、これら巻取ステーションには、連続しかつ交互に巻き取るボビンのためのスピンドルが関連している。ここでは、満巻ボビンがある1つの巻取ステーション(以下、「第1巻取ステーション」とも呼ぶ)から、巻取プロセスが開始される別の巻取ステーション(以下、「第2巻取ステーション」とも呼ぶ)への自動化された連続的な切替に、特に留意する。自動化された切替または移送には、第1巻取ステーションから第2巻取ステーションへの巻取材料の移送と、第2巻取ステーションにおける巻取材料の一部の捕捉および保持と、2つの巻取ステーション間での巻取材料の分離または切断プロセスとが必要である。
【0007】
本発明による巻取機のタイプと概して異なるタイプの巻取機は、長手方向軸を中心に回転可能なレボルバを有するように構築されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。レボルバは、複数のスピンドルを保持し、それらはそのスピンドル軸を中心に回転する。レボルバの回転により、スピンドル軸は、レボルバの長手方向軸を中心にさらに回転する。このタイプの巻取機の場合、ボビンは同じ固定位置に、レボルバの回転により第1巻取ステーションおよび第2巻取ステーションをこの固定位置まで連続して移動させることにより巻回される。レボルバの原理に基づく巻取機には、横断装置、横断ガイド、スピンドルおよびレボルバに対し別個の駆動装置が必要である。したがって、これらのタイプの巻取機には追加の駆動装置が必要であり、それにより、
追加の構造上の空間が必要となり、
追加のコストが発生し、
レボルバ用の駆動装置の追加の制御が、こうした制御の他の上述した駆動装置の制御との相関とともに必要となる。
【0008】
一方、レボルバに基づく巻取機では、1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションへの切替のためのレボルバの回転によって巻取材料を切断することが可能である。特許文献3によれば、レボルバの回転により、巻取材料は、切刃に対して移動しかつ引っ張られる。こうした切断プロセスを制御する可能性は、固定スピンドル軸を有する本タイプの巻取機にはない。
【0009】
特許文献4は、固定スピンドルを有する本発明のタイプの巻取機を開示している。これらスピンドルは平行な向きを有している。スピンドルは、互いに別々に駆動される。2つのスピンドルは反対の回転方向に駆動される。巻取機は、フレームに固定された横断装置を備える。スピンドル軸に平行な向きである横断方向における横断運動のために、横断ガイドが案内され駆動される。巻取材料は、ダンサー制御を構築する2つの固定ロールおよび可動ロールを介して供給される。スピンドルを駆動するように統合された駆動装置は、可動ダンサーロールの変位に応じて制御される。第1巻取ステーションにおいて第1パッケージの巻取プロセスを終了した後、巻取材料を手動で切断し、巻取材料の自由端を、空ボビンチューブの周囲に3回〜5回手動で巻回する必要がある。上述した手動ステップには、操作者が常時巻取機に注意を払う必要があり、負傷の危険が発生する可能性がある。
【0010】
特許文献5は、2つの同軸の巻取ステーションを備えた巻取機を開示している。一方の巻取ステーションから他方の巻取ステーションに切り替えるために、別個に制御されかつ移動する搬送要素が、巻取材料を切断する別個に制御されかつ移動する切刃とともに使用される。
【0011】
特許文献6は、2つの巻取ステーションを備えた巻取機を開示している。巻取材料は、別個に制御されかつ移動する搬送要素により、空ボビンチューブのスピンドル軸に近接して配置されている方向転換フックに移送される。スピンドルは、方向転換フックから空ボビンチューブまで巻取材料を移送するために用いられる捕捉装置を備えている。この文書で開示されている横断装置は、横断ガイドの横断運動に対し1自由度しかない。
【0012】
特許文献7は、ワイヤによって構築された巻取材料用の巻取機を開示している。開示されている実施形態では、横断装置には、スピンドル軸に平行な横断運動に対する自由度と、巻取材料を第1巻取ステーションから第2巻取ステーションまで移送するために用いられる、スピンドル軸に対して横切る追加の自由度とがある。巻取材料は、締付・切断装置によって捕捉される。巻取材料を捕捉するために、一実施形態によれば、巻取材料を締付・切断装置に対して方向転換するように、ロールまたはベルトが移動する。別の実施形態では、この文書は、スピンドルに対しスピンドル軸に沿った追加の自由度を与えることを開示している。この実施形態では、巻取材料の捕捉プロセスは、スピンドルを、それらの追加の自由度に沿って軸方向に変位させることによって制御される。
【0013】
特許文献8は、1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションへの巻取プロセスの切替中に、巻取材料を切断するために磁石によって移動する切刃を使用することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許第102 23 484 B4号明細書
【特許文献2】独国特許第10 2006 054 980 B4号明細書
【特許文献3】独国特許第26 43 271 A1号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/020070A1号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5,522,560号明細書
【特許文献6】欧州特許第0 018 577号明細書
【特許文献7】独国特許第20 37 282 C3号明細書
【特許文献8】独国特許第37 34 478 C2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、固定軸を有するスピンドルを備えた改良された巻取機を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、連続的に供給される巻取材料に対する巻取ステーションの自動化された切替を容易にすることである。
【0017】
さらに、本発明の目的は、プロセス信頼性、プロセス安全性および/またはプロセス安定性を向上させることである。
【0018】
本発明の別の目的は、巻取機を制御する改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、少なくとも2つの駆動スピンドルを備える巻取機に関する。少なくとも2つのスピンドルを、互いに別々に駆動してもよく、または共通の駆動装置によって駆動してもよい。さらに、スピンドルを、少なくとも1つの駆動集合体によって直接駆動してもよく、その場合、駆動集合体とスピンドルのうちの少なくとも一方との間で、少なくとも1つの伝動ユニットもまた使用してもよい。しかしながら、スピンドルまたはボビンを、ボビンの外周に対して押圧される摩擦駆動装置または加圧ローラによって間接的に駆動することも可能である。
【0020】
スピンドルは、スピンドル面を画定する固定のかつ平行なスピンドル軸を備える。3つ以上の駆動スピンドルが設けられる場合、これらスピンドルは同じスピンドル面内に位置していてもよく、または2つのスピンドルのみがそれぞれ共通のスピンドル面を構築してもよい。
【0021】
さらに、本発明によれば、横断装置が設けられる。横断装置は、スピンドル軸に対して(およそ)平行な横断方向に沿って配置可能な横断ガイドを備える。したがって、横断装置の他の部品に対する横断ガイドの位置に応じて、スピンドル軸に対する横断ガイドの位置を変更することができる。横断ガイドの横断運動が、横断ガイドと相互作用する巻取材料の部分を移動させるために用いられる第1自由度を構築する。
【0022】
さらに、本発明によれば、横断装置(横断装置とともに横断ガイドも)は、切替方向においてスピンドル軸に対し横切って移動可能であり、それにより第2自由度が提供される。この自由度は、直線状であってもよく、または任意の湾曲形状であってもよい。2つの自由度を制御することにより、横断ガイドを、横断方向および切替方向によって画定される平面または湾曲面内で複雑に運動するように駆動することができる。
【0023】
本発明によれば、1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションへの移送および切替中に使用される移送装置が設けられる。以下にいくつか例を挙げると、別の意味でまたは追加の意味で用いてもよい、こうした移送装置のいくつかのあり得る機能が列挙される。すなわち、移送装置を、
巻取材料を、第1満巻パッケージから離れるように案内し、
2つの巻取ステーション間で巻取材料を方向転換させ、
巻取パッケージから離れるように案内される巻取材料が、再び、このボビン、ボビンチューブ、または巻取ボビンに関連する捕捉装置によって捕捉されないようにし、
第1巻取ステーションにおける巻取パッケージから第2巻取ステーションにおける空ボビンチューブへの切替中またはその後に、巻取材料を切断または分離(以下、「切断」)し、
巻取材料が、第2巻取ステーションにおける空ボビンチューブ、第2スピンドルまたは関連する構成部品によって捕捉されることを可能にするように、巻取材料を方向転換させ、変位させ、または保持するために用いることができる。
【0024】
本発明によれば、移送装置は、移送装置を移動させるアクチュエータを有する制御装置によって保持されない。最も単純な場合、移送装置は、フレームまたはベースプレートにおいて堅く固定される。しかしながら、「前記スピンドル軸に対して固定位置を有する移送装置」は、移送装置が幾分かの弾力性をもって保持される実施形態を包含してもよい。
【0025】
本発明は、単一のまたは複数の制御ユニットによって構築され得る制御装置を用いることを提案している。制御装置は、巻取装置が、巻取ステーションの切替のために第1スピンドルにおいて巻取ボビンから「回収され」、移送装置と係合するようになされ(そこで、巻取材料を方向転換してもよい)、その後、第2巻取ステーションの空ボビンチューブに、あるいは巻取ステーションまたは第2スピンドルに関連する捕捉装置に移送されるように、設計され配置されかつプログラムされる。その目的で、制御装置は、スピンドル軸を横切る横断装置の運動とともに、スピンドル軸に平行な横断ガイドの運動を制御する。
【0026】
本発明によれば、移送装置の運動をもたらすアクチュエータが不要となる。さらに、本発明の一実施形態によれば、1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションおよび/または捕捉フック等に切り替えるための巻取材料のための搬送装置の制御をなくしてもよく、それにより、巻取機の制御がさらに簡略化する。
【0027】
本発明によれば、第1巻取ステーションの巻取ボビンから第2巻取ステーションの空ボビンチューブまでの巻取材料の移送を、横断装置および横断ガイドの運動の単なる制御によって(特に、スピンドルの回転移動のさらなる制御とともに)提供することができることも可能である。この実施形態に対し、横断装置および横断ガイドの自由度を多機能で、すなわち、巻取プロセス自体の間に、かつ異なる巻取ステーション間での巻取材料の移送に対し、使用することができる。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、移送装置を、スピンドル面への投影図で見るとスピンドル軸の間に配置することを提案している。この投影面において、移送装置は、スピンドル軸に沿って見ると、ボビンチューブの前方または後方に配置される。この実施形態では、移送装置は、通常の巻取プロセス中に使用される領域から遠くに配置され、巻取ボビンと空ボビンチューブとの間の中間の空間から出るように横断ガイドを移動させる場合にのみ作用する。
【0029】
本発明の別の実施形態では、横断装置および横断ガイドの上述した自由度を、横断ガイドを捕捉位置に移動させるために使用することができる。この捕捉位置において、移送装置と横断ガイドとの間の巻取材料の経路は、第2巻取ステーションにおいて巻取材料を自動的に捕捉するように、捕捉装置の捕捉領域を通過する。さらに、巻取材料は、捕捉位置に達する横断ガイドによって画定される時点に、捕捉装置によって捕捉されることが可能である。しかしながら、捕捉装置は、横断ガイドが捕捉位置に達した後に遅延して巻取材料に対して移動することも可能である。この遅延移動は、巻取材料に向かうスピンドルとの捕捉装置の回転によって決まってもよい。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、切替プロセス中、巻取材料は、スピンドル面への投影図で見ると、巻取パッケージと空ボビンチューブとの間で概してV字型経路を辿る。この実施形態では、移送装置は、V字の先端に配置される。2つのスピンドルの間の「V」字型経路により、巻取材料は、2つの巻取ステーションの間の中間の空間から出るように案内される。
【0031】
単純な実施形態では、移送装置は、方向転換装置の方向転換面が円のセグメントの輪郭を含むように、単一の方向転換ボルトまたはロールによって構築されることが可能である。しかしながら、別の実施形態では、移送装置は、巻取材料を反対方向に方向転換する2つの方向転換面を備えてもよい。この実施形態では、方向転換面は、スピンドル軸に沿って見ると位置がシフトしていることが可能である。この実施形態により、以下の利点をもたらすことができる。
第1巻取ステーションの巻取パッケージから巻取材料を移送する場合、第1方向転換面を、巻取パッケージと空ボビンチューブとの間の中間の空間に近接して配置することが有利であり得る。この理由は、方向転換面の中間の空間からの距離が増大することにより、巻取ボビンの周方向に対する巻取材料の角度が増大し、結果としてパッケージの最後の巻取の角度が望ましくないほど変化する。別のあり得る不都合は、第1方向転換面の中間の空間からの距離が増大することにより、切断された巻取材料の自由端が巻取ボビンとともに回転する危険が増大する。さらに、この自由端が、第1巻取ステーションの巻取パッケージまたは関連する満ボビンチューブによって再度捕捉される可能性がある。
一方、第2巻取ステーションの捕捉装置の捕捉領域を、スピンドル軸に沿って見ると巻取パッケージと空ボビンとの間の中間の空間から所定の最短距離で配置することが重要である。この最短距離を保証するために、第1方向転換面から捕捉装置までの巻取材料の経路において第2方向転換面を使用することが有利である。
【0032】
2つの上記要求を、位置がシフトした2つの方向転換面を使用することによって考慮することができる。
【0033】
概して、第2巻取ステーションで巻取材料を捕捉した後に巻取材料を切断または分離するために、任意の位置での任意の既知の分離または切断装置を使用することができる。本発明の一実施形態によれば、巻取材料の自動切断が、移送装置および切断装置が小型設計であるように移送装置に配置された切断装置によって行われる。特に、移送装置および切断装置は、単一の組立体ユニットまたは一体部品を構築する。
【0034】
切断装置が制御アクチュエータによって移動することが可能である。しかしながら、本発明の別の実施形態によれば、切断装置、特に切刃は固定位置を有する。
【0035】
本発明の一実施形態では、移送装置は、鋭角を形成する2つのロッドによって構築される。特に、2つのロッド間の鋭角は、10°から30°である。2つの上述した自由度に沿った横断ガイドの横断装置との運動を制御することにより、巻取材料は、2つのロッド間の中間の空間内に導入される。2つのロッドのそれぞれの周方向面が、上述した利点および目的の2つの上述した方向転換面を構築してもよい。方向転換面におけるロッドの直径の寸法を決めることにより、かつスピンドル面への投影図において2つのロッドの向きを調整することにより、2つの方向転換面の位置のシフトを提供しかつ適合させてもよい。鋭角を構築する2つのロッドを用いることにより、「V」字型ロッドが巻取材料に対する一種の導入部または一種の漏斗を構築するという事実により、本発明の巻取機のプロセス信頼性を向上させることができる。
【0036】
巻取材料が移送装置と接触し、第2巻取ステーションまで移送され、第2巻取ステーションにおいて捕捉装置によって捕捉された後、巻取材料を切断する必要がある。この切断プロセスでは、巻取材料を切断装置に接触させる、切断装置と巻取装置との相対移動が必要である。上述した従来技術による相対移動を、制御アクチュエータによって切断装置を移動させることによって提供することができる。しかしながら、本発明の別の実施形態によれば、相対移動は、第2巻取ステーションにおける捕捉装置の回転によってもたらされる。言い換えれば、この実施形態では、捕捉装置はその回転により、巻取材料を切断するために、巻取材料を、張力をかけて切断装置に対し押圧するかまたは引っ張る。この実施形態では、捕捉装置は、多機能的に、すなわち、巻取材料を捕捉し、保持し、かつ/または締め付けるために、かつ切断プロセス中に必要な相対移動をもたらすために、使用される。
【0037】
本発明による方法では、巻取材料を巻取パッケージから移送装置を介して第2巻取ステーションまで移送するために、横断装置、横断ガイドおよび/またはスピンドルの駆動装置を制御することのみによって、制御を容易にすることができる。横断装置および横断ガイドの上述した2つの自由度により、横断ガイドおよび巻取材料の複雑な移動が、追加のアクチュエータ、搬送要素等が必須でなく提供される。本発明の一実施形態では、また、横断装置、横断ガイドおよび/またはスピンドルの駆動装置を制御することのみによって、本発明の方法に対する巻取材料の切断が制御される。
【0038】
本発明の方法の別の実施形態では、巻取材料を移送装置と相互作用させるために、横断ガイドは、スピンドル軸に沿って見ると、第1巻取パッケージの前方または後方に横断運動によって移動する。その後、横断ガイドは、横断方向において反対方向に戻るように制御される。この横断ガイドの前方横断運動および後方横断運動の間に、横断装置は、切替方向に移動するように制御される(すなわち、横断ガイドの横断方向に対して横切る運動)。この切替運動により、横断ガイドは、第1巻取ステーションから第2巻取ステーションまで移動する。横断ガイドおよび横断装置の運動の簡単な制御により、巻取材料を巻取パッケージから移送し、巻取材料を移送装置と相互作用させ、巻取材料を第2巻取ステーションの空ボビンチューブまで移送するために使用される複雑な移動をもたらすことができる。
【0039】
本発明の方法の別の実施形態では、捕捉装置は第2スピンドルとともに回転する。巻取材料と捕捉装置との相互作用は、第2スピンドルを関連する捕捉装置とともに所定回転角度まで回転させることによって確立される。同時に、または時間をずらして、横断ガイドは、移送装置と横断ガイドとの間に延在する巻取材料のセグメントが捕捉装置の捕捉領域を通過する位置まで移動する。
【0040】
本発明の別の実施形態では、巻取材料を切断する別個のアクチュエータおよび制御装置はなくてもよい。この実施形態では、巻取材料を切断するための固定位置の切断装置と巻取材料との相対移動は、スピンドルの関連する捕捉装置との回転のみによってもたらされる。
【0041】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を考察することで当業者には明らかとなろう。こうした追加の特徴および利点はすべて、特許請求の範囲によって定義されるように、本明細書において本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0042】
本発明を、以下の図面を参照することによってよりよく理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも一定比例尺になっておらず、本発明の原理を明確に例証することに重きが置かれている。図面において、それぞれの図を通して同様の参照数字は対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1巻取ステーションにおけるパッケージの巻取プロセスの最後の巻取機の略正面図である。
【図2】図1による巻取機を平面図で示す。
【図3】第1巻取ステーションにおいてパッケージの巻取プロセスを終了し、巻取材料を移送装置に案内するように横断装置および横断ガイドを制御した後の、図1および図2による巻取機を略正面図で示す。
【図4】図3による巻取機を平面図で示す。
【図5】第1巻取ステーションから第2巻取ステーションへの切替の準備のために、横断装置および横断ガイドをさらに移動させた後の、図1〜図4による巻取機を略正面図で示す。
【図6】図5による巻取機を平面図で示す。
【図7】横断装置を横断ガイドとともに、第2巻取ステーションにおける空ボビンチューブに隣接する捕捉位置まで移動させた後の、図1〜図6による巻取機を略正面図で示し、巻取材料が移送装置によって方向転換されている。
【図8】図7による巻取機を平面図で示す。
【図9】第2巻取ステーションにおいてスピンドルとの捕捉装置の回転により、巻取材料が切断装置に向かって移動した後の、図1〜図8による巻取機を略正面図で示す。
【図10】図9による巻取機を平面図で示す。
【図11】巻取材料の切断プロセスの後の、図1〜図10による巻取機を略正面図で示し、巻取材料の端が第2巻取ステーションにおいて捕捉装置によって保持されており、第2巻取ステーションにおける巻取が開始されたあとの態様が示されている。
【図12】図11による巻取機を平面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
概略図は、ベースプレート2を有する巻取機1を示しており、ベースプレート2は、固定位置にあり、巻取機1の他の構成部品を支持し、支承しかつ/または案内するために用いられる。水平の向き、そのためベースプレート2に垂直な向きを有する2つの平行なスピンドル3、4が、少なくとも1つの駆動集合体(図示せず)によって、スピンドル軸5、6を中心に回転するように直接または間接的に駆動される。スピンドル3、4は、各々少なくとも1つのフランジ7、8を備えており、フランジ7、8は、スピンドル3、4の基体と一体部品であってもよく、またはそれに固定される追加の構成部品であってもよい。フランジ7、8の外面には、クランプ装置、捕捉装置または保持装置9、10(以下、「捕捉装置」)が配置されている。捕捉装置9、10は、スピンドル3、4にまたは関連するボビンチューブに固定され、それにより、ボビンまたはスピンドル3、4の回転によって回転する。スピンドル3、4は、それぞれのボビンチューブ11、12内に延在して、スピンドル3、4とボビンチューブ11、12との間の駆動連結を当業者に既知の方法で確立する。
【0045】
横断装置14は、ベースプレート2によって保持され、かつ、ベースプレート2に対して切替方向13において1自由度で案内される。図1では、切替方向13は、並進自由度に対応する。しかしながら、図とは異なり、切替方向13の自由度は、湾曲自由度であってもよい。いずれの場合も、切替方向13は、スピンドル軸5、6に対して横切る向きを(少なくとも関連部分において)有している。横断装置14は、任意の好適なアクチュエータ、特に電気駆動装置、液圧または空気圧アクチュエータ等であり得るアクチュエータ(図示せず)を制御する制御装置(図示せず)により、切替方向13に移動する。横断装置14は、スピンドル軸5、6に対して平行な向きを有する案内ユニットまたは誘導装置15を備えている。横断ガイド16が、案内ユニット15により、スピンドル軸5、6に対して平行な向きである横断方向17に移動するように案内される。横断ガイド16の移動は、上述した制御装置(図示せず)かまたは上述した制御装置と通信することができる別の制御装置によって制御される。横断ガイド16の移動は、アクチュエータ(図示せず)によってもたらされる。2自由度(すなわち、横断方向17および切替方向13における移動)により、図1に示すような横断装置の並進自由度に対しても、図2の図面の面に対して平行な向きを有する平面における横断ガイド17の任意の移動が可能になる。ここで、上述した平面におけるいかなる湾曲移動も、2つの関連するアクチュエータを制御する制御ユニットによって制御され得る。横断方向17における横断運動は、第1巻取ステーション19においてボビンチューブ11の上に所定パターンで巻取材料18を巻回するのに用いられる。横断方向17における横断運動はまた、第1巻取ステーション19における巻取プロセスから第2巻取ステーション20における巻取プロセスまでの切替中にも用いられる。巻取材料18は、ボビンチューブ11、12に、または少なくとも部分的に巻回されたパッケージ22、23に、(たとえば固定ロール21および横断ガイド16を介して)連続的に供給される。フランジ7、8により、パッケージ22、23の案内および軸方向制限を提供することができる。
【0046】
本発明の巻取機1は、移送装置24を備えている。図示する実施形態では、移送装置24は、ここでは共通ユニットに統合される方向転換装置25および切断装置26を備えている。方向転換装置25は、2つのロッド27、28で構築されている。図1による図面の面において、ロッド27、28はV字型の向きを有しており、ロッド27、28の長手方向軸は鋭角29を形成している。角度29は、特に、10°〜30°の範囲にある。V字型の方向転換装置25は、上方に開放している。V字の先端に、すなわち2つの脚の連結部に、そのためロッド27、28の下端領域に、切断装置26が配置されている。切断装置26は、その単純な形態において、切刃またはナイフによって構築され、刃は上方に向いている。刃は、図1による図面の面に対して平行な向きを有している。刃は、2つのロッド27、28の間に延在している。図2から分かるように、V字型ロッド27、28は、ベースプレート2に対して平行な向きを有する平面を画定している。ロッド27、28によって画定される平面は、フランジ7、8が延在する平面におよそ対応するか、または2つの上述した平面にはわずかな間隔しかない。移送装置24は、2つのスピンドル軸3、4間の中間におおよそ、または正確に配置されている。スピンドル軸3、4は、スピンドル面30を画定する。横断ガイド16を有する横断装置14は、移送装置24の上方にわずかな間隔で、特に0.5cm、2cm、4cmまたは8cm未満の間隔で垂直に配置されている。ロッド27、28の上端領域は、捕捉装置9、10がスピンドル3、4の回転によって達する最高位置におおよそ位置している。
【0047】
上述した構成要素の参照数字は、図1および図2においてのみ印している。図1〜図12は、第1巻取ステーション19から第2巻取ステーション20への巻取プロセスの切替または移送の方法の6つのステップを示しており、図の対は、正面図(奇数の図)および対応する平面図(偶数の図)を示している。図1および図2は、完成したパッケージ22がある第1巻取ステーション19におけるボビンの巻取プロセスの終わりを示している。パッケージ22に対する巻取プロセスの終わりを、パッケージ材料の検知される重量、パッケージ22における巻取材料の測定されるまたは推定される長さ、または巻取プロセス中に費やされた回転数または時間に応じて確定し、制御してもよい。
【0048】
図3および図4による次のステップでは、横断装置14は、まず切替方向13に移動して、横断ガイド16がスピンドル軸3、4の中間に位置するようにする。同時にまたは続いて、横断ガイド16は、横断方向17において、案内ユニット15に沿ってベースプレート2および移送装置24に向かって移動する。最後に、構成部品は、図4によるそれぞれの位置に達する。横断ガイド16は、横断方向17に沿ってベースプレート2から見ると、この時、ボビンチューブ、フランジ7、8および移送装置24の前方に配置されている。横断ガイド16が、移送装置24の上方に垂直に配置されているという事実により、横断ガイド16は、衝突なしに移送装置24を通過することができる。この移動中、巻取材料は、ボビンの下側から横断ガイド16まで上方に延在する。ベースプレート2に対する横断ガイド16の移動により、水平面を有するように形成された巻取材料の角度が低減し、巻取材料は、下方に、V字型の方向転換装置25内に入る。巻取材料18は、移送装置24内に、特に2つのロッド27、28の間に導入される。図4から分かるように、第1巻取ステーション19により近く配置されているロッド27は、最後に、方向転換領域31において巻取材料18と接触する。方向転換領域31において、巻取材料18は、図4において左回り方向に方向転換される。横断ガイド16が横断方向にさらに移動することにより、方向転換領域31は、ロッド27の長手方向軸に沿って下方に移動する。図3および図4において、横断ガイド16は、2つのスピンドル軸3、4の中間に、かつ横断方向17においてベースプレート2に最も近接して位置する端部位置に配置される。
【0049】
次のステップでは、横断ガイド16は横断方向17に移動しない。代りに、横断装置14が、切替方向13において第1巻取ステーションから離れるように、そのため図4において右へ、図5および図6に示す横断ガイド16の位置まで移動する。この位置で、巻取材料18はさらに、方向転換領域32において方向転換装置25と接触する。この方向転換領域32では、巻取材料18は、図6において右回りの向きに、そのため方向転換領域31における方向転換とは反対方向に方向転換する。したがって、方向転換装置25内では、巻取材料18の経路を、概してS字型と述べることができる。切替方向13におけるさらなる移動により、巻取材料18は、切断装置26と巻取材料18との間に間隔を残して、方向転換装置25において下方に切断装置26に向かってさらに移動する(図3および図5を比較)。
【0050】
図7および図8に示す後続するステップでは、横断ガイド16は捕捉位置33まで移動する。捕捉位置は、移送装置24または方向転換装置25と横断ガイド16との間に延在する巻取材料18のセグメント34が、フランジ8の外周からわずかな間隔35、特に0.5cm未満の間隔であるように選択される。これは、図7の図示する実施形態の場合、およそ10時位置に対応するフランジ8の回転角度36の場合である。フランジ8および捕捉装置10とともにスピンドル4がさらに回転することにより、捕捉装置10は、さらなる回転角度36まで移動する。この回転角度36により、捕捉装置は、巻取材料18を捕捉し、締め付け、かつ/または保持する(以下「捕捉する」)。スピンドル4、フランジ8および捕捉装置10の続く移動により、捕捉装置10は、巻取材料18を下方に移送する(図9および図10参照)。巻取材料18が、分離装置26からわずかな間隔で配置される前に、回転する捕捉装置10によってもたらされる、巻取材料18の下方の上述した移動により、巻取材料18が切断装置26に対して押圧されまたは引っ張られる。捕捉装置の下方へのさらなる移動により巻取材料18のけん引力および引張力が十分であると、巻取材料18は、切断装置26によって切断される。巻取材料18の切断は、第2回転角度37において発生する。切断された巻取材料18の自由端は、捕捉装置9によって依然として保持されている。スピンドル4および関連要素の駆動された回転と、横断ガイド16の好適な横断運動とにより、ここで、第2巻取ステーション20において、これから増大するパッケージ23の巻取プロセスが開始する(図11および12)。
【0051】
当業者は、上述した手続きにより、第2巻取ステーション20においてパッケージ23を完成させた後に、第2巻取ステーション20から第3巻取ステーション(図示せず)へのさらなる切替を開始してもよい、ということを理解するであろう。しかしながら、第2巻取ステーション20においてパッケージ23を完成させた時、巻取材料18が第1巻取ステーション19に戻されることも可能である。第2巻取ステーションにおけるパッケージ23の巻取プロセスの間、第1巻取ステーション19の完成したパッケージ22は取り除かれ、スピンドル3の上に新たな空ボビンチューブ19が配置される。
【0052】
図示する実施形態では、スピンドル3、4は反対方向に駆動される。この実施形態では、巻取材料18は、スピンドル3には下側から供給され、スピンドル4にはその上側から供給される。
【0053】
ここで図10をさらに詳細に参照して、方向転換領域31、32のあり得る機能について説明する。第1巻取ステーション19により近接して位置するロッド27の方向転換領域31は、それが、ボビンへの最後の巻回における巻取材料18の角度が望ましくない程度で変化しないことを保証するように、2つのボビン間の中間の空間の方向において遠くに、かつベースプレート2から遠くに配置されるべきである。一方、方向転換領域31は、巻取材料18とフランジ7との間に望ましくない相互作用がないことを保証する。さらに、方向転換領域31は、巻取材料18が、第1巻取ステーション19の捕捉装置9によって再び捕捉されないことを保証する。方向転換領域32は、捕捉装置10による巻取材料18の捕捉プロセス中に、セグメント34の端点を構築する。この端点の位置は、セグメント34における巻取材料18が、捕捉装置10が巻取材料18を捕捉することができるのに十分小さい間隔でフランジ8を通過するのを保証するように、ベースプレート2に十分近接して配置されるべきである。
【0054】
方向転換領域31、32の上述した2つの目的を、必要に応じてロッド27、28の直径の寸法を決めることによって実現してもよい。さらに、ベースプレート2からの方向転換領域31の距離を増大させ、かつベースプレート2からの方向転換領域32の距離を低減するように、方向転換装置25を、図10のその水平の向きから左回り方向に回転させることが可能である。しかしながら、これは、巻取材料18を第2巻取ステーション20から第1巻取ステーション19に再移送することが必要な場合にも有用でない可能性がある。この場合はまた、2つの方向転換装置25、25a(各々、ロッド27、28、27a、28aの対によって構築される)を、横断方向17において前後に配置してもよい。この実施形態では、第1巻取ステーション19から第2巻取ステーション20への切替により、第1方向転換装置25のロッド27の方向転換領域31において方向転換がもたらされ、方向転換領域32aは、第2方向転換装置25aのロッド28aによって構築される。第2巻取ステーション20から第1巻取ステーション19へ戻る切替の場合、方向転換装置25、25aの他方のロッド27a、28が方向転換領域31a、32を構築する。
【0055】
当業者は、1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションへの切替中、横断ガイド16のいかなる移動も可能であることを理解するであろう。上述した移動と異なる横断ガイド16のいかなる制御された移動も、本発明に包含されるべきである。1つの巻取ステーションから別の巻取ステーションへの切替中、横断ガイド16は、巻取材料18を、移送装置24に接触させるかまたはそれと相互作用させることのみが重要である。特に、巻取材料18は、方向転換装置25を通過する。これには、横断ガイド16が図4に示す端部位置まで移動することが必要である。この端部位置では、横断ガイド16は、移送装置24のボビンから離れる方向に面している側に配置される。横断ガイド16の移動を、概してV字移動(スピンドル面への投影図において)と述べてもよい。V字の先端は、横断ガイド16の上述した端部位置に対応する。V字の2つの脚は、横断方向17に関して異なる角度を有していてもよい。
【0056】
ロッド27、28を、巻取材料18との接触に対し、かつ巻取材料18とロッド27、28との間の必要な相対摺動移動に対し最適化してもよい。特に、ロッド27、28は、少なくとも方向転換領域において、耐摩耗層によって覆われている。さらに、ロッド27、28が、中に延在するピンによって支承されるスリーブによって構築されることが可能である。
【0057】
捕捉装置9、10は、捕捉された巻取材料18を締め付ける弾性要素を備えていてもよい。
【0058】
フランジ7、8は、直径が、特に、製作されたパッケージ22、23の最大径よりわずかに大きい。したがって、捕捉装置9、10は、製作されたパッケージ22、23の半径よりわずかに大きい半径に配置される。
【0059】
別の実施形態では、図8により横断ガイド16が達する位置は、捕捉位置33にない。この実施形態では、横断ガイド16は、ベースプレート2から最大間隔である横断方向の端部位置に向かって移動する。横断装置14は、空ボビンチューブに対する後の巻取プロセスに対して適所に駆動される。この位置において、同様のスピンドル4の捕捉装置10との回転により、巻取材料18が捕捉装置10によって捕捉されることは不可能である。横断方向17におけるベースプレート2に向かう横断ガイド16の続く移動により、巻取材料18がフランジ8により近接することが可能である。最後に、巻取材料18は、捕捉装置10の捕捉領域38内に延在する。捕捉装置10によって捕捉された巻取材料18は、スピンドル4の増大する回転速度にしたがって増大する速度で巻き取られる。
【0060】
スピンドル4の回転速度が大きく変化しない場合、ボビンまたはパッケージの円周の速度と供給される巻取材料の速度との差を、横断方向17における横断ガイド16の速度を制御することによって平衡化することができる。
【0061】
切断装置26によって巻取材料18を切断した後、第1巻取ステーション19のボビンを減速させ停止させ、巻取ボビンまたは巻取パッケージを、空ボビンチューブと交換する。
【0062】
巻取材料18を下方に移送装置24内に導入するために、横断ガイド16の移送装置24後方の移動に対して十分な空間を提供するように、フランジ7、8を、ベースプレート2から間隔39、特に少なくとも3.5〜10cmの間隔で配置してもよい。
【0063】
横断装置14が、関連するアクチュエータにより別の自由度を有することも可能である。このさらなる自由度は、横断方向17に対しかつ切替方向13に対し垂直な向きを有していてもよい。
【0064】
本発明の精神および原理から実質的に逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に対し多くの変形および変更を行ってもよい。こうした変更および変形はすべて、本明細書において、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
【符号の説明】
【0065】
1 巻取機
2 ベースプレート
3 スピンドル
4 スピンドル
5 スピンドル軸
6 スピンドル軸
7 フランジ
8 フランジ
9 捕捉装置
10 捕捉装置
11 ボビンチューブ
12 ボビンチューブ
13 切替方向
14 横断装置
15 案内ユニット
16 横断ガイド
17 横断方向
18 巻取材料
19 第1巻取ステーション
20 第2巻取ステーション
21 固定ロール
22 パッケージ
23 パッケージ
24 移送装置
25 方向転換装置
26 切断装置
27 ロッド
28 ロッド
29 角度
30 スピンドル面
31 方向転換領域
32 方向転換領域
33 捕捉位置
34 セグメント
35 間隔
36 回転角度
37 回転角度
38 捕捉領域
39 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給される巻取材料をボビンチューブに巻回して巻取パッケージにする巻取機を制御する方法であって、前記巻取機が、
2つの駆動スピンドルであって、前記スピンドルが固定のかつ平行なスピンドル軸を中心に回転し、前記スピンドル軸がスピンドル面を画定する、スピンドルと、
横断ガイドを保持する横断装置であって、前記横断ガイドが、前記スピンドル軸に対して平行な向きである横断方向に、前記横断装置に沿って横断運動するように駆動され、前記横断装置が、前記スピンドル軸に対して横切る向きである切替方向において切替運動するように駆動される横断装置と、
前記スピンドル軸に対して固定位置を有する移送装置と、
前記横断装置の切替方向おける駆動切替運動を制御するとともに、横断ガイドの横断方向における駆動横断運動を制御する制御装置と、
を備え、
a)前記巻取材料を、前記スピンドルのうちの第1スピンドルにおいて巻回されたパッケージから、前記移送装置を介して前記スピンドルのうちの第2スピンドルに案内するために、前記横断装置および前記横断ガイドの運動を制御するステップと、
b)前記第2スピンドルに関連する捕捉装置により、前記巻取材料を捕捉するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記捕捉装置が前記第2スピンドルとともに回転し、
前記第2スピンドルによって駆動される前記巻取材料を捕捉した前記捕捉装置が、切断装置に対して前記巻取材料を移動させ、
前記切断装置が、前記スピンドル軸に対して固定された位置を有し、
前記切断装置が前記巻取材料を切断し、前記巻取材料が、前記第2スピンドルの回転に応じて、または前記横断ガイドの横断運動に応じて切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スピンドル面への投影図において、前記移送装置が、
前記スピンドル軸の間に、かつ
前記スピンドル軸の方向で見ると、前記スピンドルが保持するボビンチューブの後方または前方に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スピンドル面への投影図において、前記移送装置が、
前記スピンドル軸の間に、かつ
前記スピンドル軸の方向で見ると、前記スピンドルが保持するボビンチューブの後方または前方に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1スピンドルにおいて前記パッケージの巻取プロセスを終了した後に、前記横断ガイドが横断方向において前記パッケージの前方または後方に移動し、前記巻取材料が前記移送装置と接触するように、前記横断ガイドの駆動運動を制御するステップと、
次いで、前記横断ガイドを反対方向に移動させるために、前記横断ガイドの駆動運動を制御するステップと、
を含み、
上述したステップ中、前記横断装置の切替方向における駆動運動が、
前記第1スピンドルにおける前記パッケージの巻取プロセスの終了時に、前記横断装置が前記第1スピンドルに隣接して配置され、
後続する巻取プロセスの開始時、前記横断装置が前記第2スピンドルに隣接して配置されるように、制御される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1スピンドルにおいて前記パッケージの巻取プロセスを終了した後に、前記横断ガイドが、横断方向において前記パッケージの前方または後方に移動し、前記巻取材料が前記移送装置と接触するように、前記横断ガイドの駆動運動を制御するステップと、
次いで、前記横断ガイドを反対方向に移動させるために、前記横断ガイドの駆動運動を制御するステップと、
を含み、
上述したステップ中、前記横断装置の切替方向における駆動運動が、
前記第1スピンドルにおける前記パッケージの巻取プロセスの終了時に、前記横断装置が前記第1スピンドルに隣接して配置され、
後続する巻取プロセスの開始時、前記横断装置が前記第2スピンドルに隣接して配置されるように、制御される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記捕捉装置が、前記第2スピンドルとともに回転し、
前記捕捉装置を所定の第1回転角度まで回転させることにより、かつ
前記横断ガイドを、前記巻取材料が前記捕捉装置の捕捉領域を通過する捕捉位置まで移動させることにより、
前記捕捉装置が前記巻取材料と係合する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記巻取材料を切断するための前記切断装置と前記巻取材料との相対移動が、前記第2スピンドルの第2回転角度までの回転移動によってのみもたらされる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
連続的に供給される巻取材料をボビンチューブに巻回して巻取パッケージにする巻取機であって、
固定のかつ平行なスピンドル軸を中心に回転する2つの駆動スピンドルであって、前記スピンドル軸がスピンドル面を画定する、スピンドルと、
横断ガイドを保持する横断装置であって、
前記横断ガイドが、前記スピンドル軸に対して平行な向きである横断方向に、前記横断装置に沿って横断運動するために案内されかつ駆動され、
前記スピンドル軸に対して横切る向きである切替方向において切替運動するために案内されかつ駆動される横断装置と、
前記スピンドル軸に対して固定位置を有する移送装置と、
前記巻取材料が、経路に沿って、前記2つのスピンドルのうちの第1スピンドルに巻回されたパッケージから、前記移送装置を介して、前記移送装置において前記巻取材料が屈曲して、前記2つのスピンドルのうちの第2スピンドルの空ボビンチューブに向かって、または前記第2スピンドルに関連する捕捉装置に向かって案内されるように、前記横断装置の切替方向における切替運動を制御するとともに、前記横断ガイドの横断方向における横断運動を制御する制御装置と、
を具備する巻取機。
【請求項10】
前記スピンドル面への投影図において、前記移送装置が、
前記スピンドル軸の間に、かつ
前記スピンドル軸の方向で見ると、前記ボビンチューブの前方または後方に配置される、請求項9に記載の巻取機。
【請求項11】
前記制御装置が、前記横断ガイドが捕捉位置まで移動するように前記横断装置および前記横断ガイドの運動を制御し、前記捕捉位置が、前記移送装置と前記横断ガイドとの間の前記巻取材料の経路が前記捕捉装置の捕捉領域を通過するように配置される、請求項9に記載の巻取機。
【請求項12】
前記捕捉領域が前記第2スピンドルとともに回転し、
前記巻取材料と前記捕捉装置との相互作用が、所定の回転角度までの前記第2スピンドルおよび前記捕捉領域の回転によってトリガされる、請求項11に記載の巻取機。
【請求項13】
前記スピンドル面への投影図で見ると、前記巻取材料が、V字型経路に沿って前記移送装置によって案内され、
前記移送装置が、前記V字の脚の端部の交差位置に配置される、請求項9に記載の巻取機。
【請求項14】
前記移送装置が、前記巻取材料のための2つの方向転換領域を備え、
前記方向転換領域が、前記スピンドル軸の方向で見ると互いにずれて配置され、
前記方向転換領域が、前記巻取材料を湾曲して反対方向に方向転換するように設計されかつ構成される、請求項9に記載の巻取機。
【請求項15】
切断装置を具備し、
前記切断装置が、前記スピンドル軸に対して固定位置を有し、
前記切断装置が、前記巻取材料を自動的に切断する、請求項9に記載の巻取機。
【請求項16】
前記切断装置および前記移送装置が、1つの単一組立体ユニットによって構築される、請求項15に記載の巻取機。
【請求項17】
前記移送装置が、2つのV字型ロッドで構築される、請求項9に記載の巻取機。
【請求項18】
前記移送装置が、2つのV字型ロッドで構築される、請求項15に記載の巻取機。
【請求項19】
前記切断装置が、前記ロッドの連結した端部領域に配置される、請求項18に記載の巻取機。
【請求項20】
前記巻取材料を切断するために、前記切断装置と前記巻取材料との相対移動が、前記スピンドルの前記捕捉装置との回転によってもたらされる、請求項15に記載の巻取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−285284(P2010−285284A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−130683(P2010−130683)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(504433537)ゲオルク・ザーム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】