巻尺携帯保持具
【課題】 巻尺を安全にかつ簡便に携帯することができ、着脱操作が簡単な巻尺携帯保持具を提供する。
【解決手段】 巻尺1には逆三角形状の差込体2が取り付けられている。巻尺携帯保持具5には、ベルトに挿通されるベルト挿通孔6が設けられている。前面には差込体保持部7がV字状に設けられ、その内側が差込体保持空間となっており、この空間内に傾斜面を有する脱落防止用の爪8が臨出している。差込体を差込体保持部をガイドとして差込体保持空間に差し込むと、爪が後退した後、復元力で差込体の上部を押さえて保持する。解除部材9を押し下げると、爪が後退して保持が解除される。
【解決手段】 巻尺1には逆三角形状の差込体2が取り付けられている。巻尺携帯保持具5には、ベルトに挿通されるベルト挿通孔6が設けられている。前面には差込体保持部7がV字状に設けられ、その内側が差込体保持空間となっており、この空間内に傾斜面を有する脱落防止用の爪8が臨出している。差込体を差込体保持部をガイドとして差込体保持空間に差し込むと、爪が後退した後、復元力で差込体の上部を押さえて保持する。解除部材9を押し下げると、爪が後退して保持が解除される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測工具である巻尺を、安全にかつ簡便に携帯することができ、着脱操作が簡単な巻尺携帯保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来一般に市販されている巻尺には、作業者のベルトに着脱できるベルトフックが装填されているのが普通である。このベルトフックで、巻尺を作業ベルトに掛けた場合、脱落しやすく、また、ベルトに掛けにくいという問題がある。高所の作業において、作業ベルトから巻尺が落下した場合には、下方で作業する作業員への危険を伴う。
【0003】
このような不便さに対し、今までにも巻尺の専用保持具が提案されてきた。例えば、特許文献1に記載された巻尺携帯ケースは、係合爪にベルトフックが挿入されるものであるから、巻尺の保持力は、フックのばね力であり、巻尺携帯ケースから巻尺が落下することがることは避けられない。
【0004】
特許文献2に記載された形態工具用ホルダでは、ベルトフックに代えて、携帯工具に差込みブラケットを固定し、この差込みブラケットをホルダ本体の溝に挿入して保持し、ストッパーで引き抜けを防止するようにしている。ストッパーは差込みブラケットの後端角部の一方に係合するものであり、保持の解除は、斜め下方に延びる傾斜面での強制的なスライドにて差込みブラケットとの接触を解除するものであるから、拇指でストッパーをスライドさせるようにすると、右利き用と左利き用との2種類を用意しなければならず、ユーザも、右利きであるか、左利きであるかによって、自分に適したホルダを購入しなければならないという問題がある。
【0005】
特許文献3に記載された携帯ホルダも、器具側に差込体を取り付けるものである。ロック解除部は、両側から拇指と食指でつまむようにして、解除するものであるから、対称的である利点があるが、解除のために拇指と食指が必要であるから、巻尺のように重量のある器具のために用いると、解除状態で巻尺を握ることが容易でないという問題がある。
【特許文献1】実開平5−45502号公報
【特許文献2】特開2003−127072号公報
【特許文献2】特開2004−202164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、巻尺を安全にかつ簡便に携帯することができ、着脱操作が簡単な巻尺携帯保持具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前方の壁部材と後方の壁部材とが上下で連結され、その間の側方からベルトを挿通可能なベルト挿通孔が形成された巻尺携帯保持具であって、前記前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして該差込体をガイドするとともに、前記差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、前記差込体保持空間に保持される前記差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪と、前記差込体の上部の位置に臨出した前記脱落防止用の爪を前記差込体保持空間から後方に引き込ませる解除部材を有し、前記脱落防止用の爪は、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられており、前記解除部材は、下方に移動可能に設けられているとともに、前記傾斜面に係合する係合部を有し、前記解除部材を下方に移動することによって前記係合部が前記傾斜面を摺動して前記脱落防止用の爪を後方に引き込ませるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、巻尺に取り付けられた差込体を、ベルトに装着された巻尺携帯保持具における差込体保持部によって形成された差込体保持空間に差し込むことによって簡単に保持させることができ、保持された巻尺は、差込体の上部の位置に臨出可能に設けられ脱落防止用の爪で抜け出しを確実に防止され、また、巻尺を巻尺携帯保持具から外す動作も、解除部材を下方に移動させるという簡単な操作で行なうことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして差込体をガイドしてするとともに、差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、差込体保持空間に保持される差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪とによって、巻尺を確実に保持し、一方、脱落防止用の爪が、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられているのに対して、傾斜面に係合する係合部を有する解除部材を用いて、解除部材を下方に移動させるという簡単な操作で、脱落防止用の爪を後方に引き込ませてロックされた巻尺を巻尺携帯保持具から解除できる。下方に移動された解除部材から指を放せば、脱落防止用の爪の傾斜面と前方への復元力によって、解除部材を傾斜面に沿って上方の位置に戻すことができる。
【実施例1】
【0010】
図1,図2は、本発明の巻尺携帯保持具の第1の実施例を説明するためのものである。図1は斜め前方からみた斜視図、図2は斜め後方からみた斜視図である。図中、1は巻尺、2は差込体、3は取付部、4は止めネジ、5は巻尺携帯保持具、6はベルト挿通孔、7は差込体保持部、8は脱落防止用の爪、9は解除部材である。
【0011】
差込体2は、差込体2と一体化された取付部3と止めネジ4とによって、巻尺1に取り付けられている。巻尺携帯保持具5の後部には、ベルト挿通孔6が形成されており、巻尺携帯保持具5のベルト挿通孔6に使用者のベルトを通すことによって、巻尺携帯保持具5を使用者のベルトに装着することができる。巻尺携帯保持具5の前側には、差込体保持部7が設けられている。差込体保持部7は、差込体2の形状に対応する形状である。この実施例では、差込体2の形状を、上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状、換言すれば、逆三角形の形状としたから、差込体保持部7の形状も、上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状である。
【0012】
差込体保持部7の断面形状は、巻尺携帯保持具5の前方の壁の表面からほぼ直角に突出して、先端部が巻尺携帯保持具5の前方の壁の表面とほぼ平行するように、かつ、相対する方向に曲げられた鈎状の形状となっている。この差込体保持部7によって、その内側に差込体保持空間が形成されている。差込体保持空間内には、脱落防止用の爪8が臨出している。巻尺1に取り付けられた差込体2を、差込体保持部7をガイドとして、差込体保持空間に差し込むと、脱落防止用の爪8が後方に押さえ込まれるが、差込体2が差込体保持空間に納められた状態で、前方に向く復元力によって、脱落防止用の爪8が差込体2の上部の位置に臨出して、差込体2の抜け出しを抑えることができる。したがって、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持される。巻尺携帯保持具5に保持された巻尺1は、解除部材9を下方に向けて押すことで、脱落防止用の爪8を後退させることによって、巻尺携帯保持具5から外すことができるが、その詳細は後述する。
【0013】
図3〜図5は、巻尺携帯保持具5を説明するためのものである。図3において、(A)は上面図、(B)は底面図、(C)は左側面図、(D)は正面図、(E)は右側面図、(F)は背面図、(G)は(D)のA−A線断面図であり、図4,図5は、分解斜視図であり、図4は斜め前方からみた斜視図、図5は斜め後方からみた斜視図である。図中、図1と同じ部分は同じ符号を付して説明を省略する。9aは押圧部、9bは係合部、9cは被係止部、9dは突起部、10は連結部、11は保持具本体部材、11aは前部壁、11bは後部壁、11cは突条部、11dは隆起部、12は前板部材、13は止めネジである。
【0014】
図4,図5から分かるように、この実施例では、巻尺携帯保持具は、解除部材9と保持具本体部材11と、前板部材12との3つの部材で構成されている。解除部材9は、保持具本体部材11と前板部材12に挟まれるようにして上下動が可能なように組み立てられている。
【0015】
保持具本体部11は、前部壁11aと後部壁11bとが連結部10で連結された構成であり、前部壁11aと後部壁11bとの間にベルト挿通孔6が形成されている。したがって、使用者の腰に巻かれた図示しない作業ベルトに挿通されるようにして、巻尺携帯保持具が、使用者の体に取り付けられる。後部壁11bは、図3(E)や図5から分かるように、左右に2つに分離して形成されているので、縦に幅広の隙間が形成されているが、この隙間をなくして1枚となるように形成されてもよく、また、3枚以上に分離されて形成されてもよい。突条部11cは、後述する前板部材12を固定する際の位置決めの役割を果たすものである。
【0016】
保持具本体部11の中央部にスリットが開けられて、脱落防止用の爪8が下方に延びるように形成されている。この実施例では、保持具本体部11を弾性を有する合成樹脂で形成して、脱落防止用の爪8に弾性を付与している。したがって、脱落防止用の爪8が後方に押されると、脱落防止用の爪8は、元の位置に戻ろうとする前方に向く復元力が発生する。また、保持具本体部11には、脱落防止用の爪8の下方に隆起部11dが形成されている。隆起部11dは、差込体収納空間に差し込まれた差込体を載置するためのもので、前板部材12に形成された差込体保持部7の張り出し部の内面と隆起部11dとの隙間を差込体の厚さに対応させることによって、収納された差込体のガタ、すなわち、巻尺携帯保持具に保持された巻尺のガタを抑えることができ、安定した保持を実現できる。
【0017】
なお、脱落防止用の爪8には、下方に行くほど前方に出るような傾斜面が形成されている。この実施例では、図4から分かるように、傾斜面が形成された部分は、下方に行くほど厚みが増加するようにして形成されているが、脱落防止用の爪8の厚みを増加させなくてもよく、脱落防止用の爪8をほぼ一様な厚さにし、下方を前方に向けて曲げるようにして傾斜面を形成するようにしてもよい。上述したように、脱落防止用の爪8を弾性を有する樹脂を材料で形成した場合には、傾斜面が形成された部分は、下方に行くほど厚みが増加するようにして形成した方が、保持具本体部11との接続部分が曲げやすくなり、後方に押された場合の復元力を有効に発生させることができる。なお、復元力は、バネ部材等用いて発生させることもできる。
【0018】
保持具本体部11の前面に、前板部材12が設けられている。前板部材12には、その前面側に差込体保持部7が設けられている。この実施例では、差込体保持部7は、V字状となるように、2つに分離された形状で形成されているが、一連につながるような形状としてもよい。V字状の内側に差込体保持空間が形成されているが、差込体保持部7には、この差込体収納空間の両側部(差し込まれた差込体の両側部)を覆うように張り出し部が形成されており、差込体を差し込む際のガイドをするとともに、差込体収納空間に差し込まれた差込体の前面への抜け出しを防止している。
【0019】
保持具本体部11の前部壁11aと前板部材12とが止めネジ13で一体化されて、巻尺携帯保持具における前方の壁部材が構成され、保持具本体部11の後部壁11bを後方の壁部材として、連結部10で連結されて、ベルト挿通孔6が形成され、巻尺携帯保持具を使用者のベルトによって携帯させることができるのである。
【0020】
解除部材9は、保持具本体部11と前板部材12との間に挟まれるようにして取り付けられる。上部に押圧部9aが設けれ、これを、望ましくは拇指で下方に押して移動させることによって、保持した巻尺を巻尺携帯保持具から外すことができるのである。この解除部材9において、脱落防止用の爪8に衝合する部分に係合部9bが形成されている。解除部材9が下方に移動するにつれて、係合部9bが下方に移動して脱落防止用の爪8の傾斜面に衝合するから、脱落防止用の爪8は、差込体収納空間から後退する。係止部9cは、脱落防止用の爪8の両側に位置するように解除部材9に形成されており、解除部材9が押圧されたときに、差込体保持部7の側部の内面に突き当たって、解除部材9の下方への移動の下限位置を規制している。この下限位置に解除部材9が下降したときに、脱落防止用の爪8は、差込体収納空間に収納された差込体の上方への脱出を許容する。突起部9dは、例えば、半球状に形成され、解除部材9と前板部材12の内面との接触面積を減少させて、解除部材9を押圧しやすくしている。
【0021】
図4〜図5で、この実施例の巻尺携帯保持具の組立について説明する。保持具本体部材11の前部壁11aの表面に解除部材9を載せ、その上から前板部材12を被せ、止めネジ13で、前板部材12を保持具本体部11に固定することによって、組み立てが完了する。
【0022】
図6〜図13は、巻尺と差込体との関係を説明するためのものである。図6は、差込体の斜視図であり、図6(A)は斜め後方からみた斜視図、図6(B)は斜め前方からみた斜視図である。図7〜図11は、差込体を巻尺に取り付けた状態を説明するためのもので、図7は斜め後方からみた斜視図、図8は斜め前方からみた斜視図、図9は上方の斜め後方からみた斜視図、図10は正面図、図11は背面図、図12は右側面図、図13は左側面図である。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。1aは凹状部である。
【0023】
差込体2の裏側には、取付部3が設けられている。取付部3の両側部は、差込体2を差込体保持部に差し込む際に、差込体保持部の張り出し部に邪魔にならないように、差込体2の両側部よりも後退して設けられている。そして、取付部3は、巻尺1に形成された凹状部(通常は、ベルトクリップを取り付けるために凹状部が形成されている。)に嵌合するように設計されている。この実施例では、取付部3の左右の上端および逆三角形状の下端が、凹状部1aに嵌合して、差込体2を止めネジ4で取り付けた固定状態を強固なものとしている(図7,図9,図11)。このように差込体2の取付部3を巻尺1の凹状部に嵌合させて取り付けた状態において、差込体2が巻尺携帯保持具の差込体保持部に差し込まれる部分は、取付部3によって、巻尺1の表面と隙間をおいて、浮き上がった状態で取り付けられている(図12,図13)。巻尺1の表側からは、取り付けた差込体2は見えない(図4,図10)。
【0024】
ここで、図1,図2戻って、挿入動作について説明しておく。巻尺1に取り付けられた差込体2を差込体保持部7に挿入すると、脱落防止用の爪8が差込体2によって後方に押さえ込まれて後退するが、差込体2が差込体保持空間に納められた状態では、差込体2の上端が脱落防止用の爪8の下端を通過しているから、脱落防止用の爪8は、前方に向く復元力によって、差込体2の上部の中央の位置に臨出して、差込体2の抜け出しを抑えることができる。したがって、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持される。
【0025】
図14〜図23は、差込体2の挿入動作によって巻尺携帯保持具5に巻尺1が保持させた状態を説明するためのものである。図14は斜め後方からみた斜視図、図15は斜め前方からみた斜視図、図16は上方の斜め後方からみた斜視図、図17は正面図、図18は背面図、図19は右側面図、図20は左側面図、図21は上面図、図22は底面図、図23は巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。なお、使用者のベルトの図示は省略した。
【0026】
巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持された状態では、解除部材9は上方の位置となっている。そして、巻尺携帯保持具5の上端は、巻尺1の上端よりもやや高い位置となっているが、保持状態における巻尺1の上端の高さは、解除部材9の操作を妨げない高さであればよい。また、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持された状態で、巻尺1は、フックが下方を向くような姿勢となるように、巻尺1に差込体2が取り付けられているが、巻尺1を保持する姿勢は適宜でよく、フックが下方を向くような姿勢に限られるものではない。
【0027】
図23の断面図では、差込体2の上部が脱落防止用の爪8で押さえられ、差込体2の表面が巻尺携帯保持具5の隆起部11dに密着している様子が示されている。差込体2の上部が脱落防止用の爪8で押さえられ、差込体2の表面が巻尺携帯保持具5の隆起部11dに密着している様子が示されている。このように、差込体を保持する差込体保持空間が差込体2に合致してガタが生じないようにし、保持状態において、差込体2の上部と脱落防止用の爪の下端部との間にガタが生じないようにすることによって、より安定した保持が可能である。差込体2の上部と脱落防止用の爪の下端部との係合位置も、差込体2の上部の中央部とするのが、より安定となるので、望ましい。
【0028】
図24は、本発明の巻尺携帯保持具の解除動作を説明するためのものである。図24において、(A)は上面図、(B)は底面図、(C)は左側面図、(D)は正面図、(E)は右側面図、(F)は背面図、(G)は(D)のA−A線断面図である。図中、図3と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。9bは係合部(図4,図5参照)である。
【0029】
解除部材9の押圧部9aを下方に押し下げることによって、解除部材9の係合部9bが下方に移動する。下方に移動する係合部9bは、移動するにつれて、脱落防止用の爪8の傾斜面に衝合する。すなわち、解除部材9が下方に移動するにつれて、脱落防止用の爪8が、差込体収納空間から後退して、やがて、脱落防止用の爪8の上部から外れて、差込体収納空間に収納された差込体の上方への脱出を許容する。図24は、脱落防止用の爪8が、差込体収納空間から後退した状態を示しているが、このときの解除部材9の解除位置は、下降の下限位置であることに限られるものではなく、下限位置の近傍、例えば、解除部材9の下降のストロークの80%程度以上を下降した位置としてもよい。下方に移動された解除部材9の押圧部9aから指を放せば、脱落防止用の爪8に蓄積された復元力によって、脱落防止用の爪8は前方に復帰しようとするが、係合部9bが傾斜面に係合されていることによって、解除部材9を上方に移動させる分力を生じる。この分力によって、解除部材9を傾斜面に沿って上方の位置に戻すことができ、脱落防止用の爪8は、差込体保持空間に臨出する位置に戻る。
【0030】
図25〜図32は、解除部材9の押圧動作によって巻尺携帯保持具5に保持された巻尺1を外すことができる解除状態を説明するためのものである。図25は上方の斜め後方からみた斜視図、図26は正面図、図27は背面図、図28は右側面図、図29は左側面図、図30は上面図、図31は底面図、図32は巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。なお、使用者のベルトの図示は省略した。
【0031】
解除部材9の押圧部9aが押圧されて、解除部材9が下降した状態では、解除部材9は下方に位置されている。図32の断面図から分かるように、脱落防止用の爪8は、差込体2の上部から後退して、差込体2を上方に抜け出すことができる。したがって、例えば、拇指で押しながら、他の4本の指で巻尺1を掴んで上方に引き上げることによって、巻尺1を巻尺携帯保持具5から外すことができる。
【0032】
この実施例では、差込体2の形状を上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状、すなわち、逆三角形の形状としたが、曲線的に上方から下方に向けて幅が狭くなる形状としてもよい。また、本発明の差込体2の形状は、必ずしも、上方から下方に向けて幅が狭くなる形状に限られるものでもない。
【実施例2】
【0033】
図33,34は、本発明の巻尺携帯保持具の第2の実施例を説明するためのもので、図33は巻尺に取り付けられた差込体を説明するための斜視図、図34は巻尺携帯保持具の斜視図で、(A)は斜め前方からみた斜視図、(B)は斜め後方からみた斜視図である。図中、図1,図2と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。7aは止め部である。
【0034】
この実施例では、差込体2の形状を上方から下方に向けて同じ幅となる形状とした。差込体2の形状に伴って、差込体保持部7も、差込体2に合致するように、上方から下方に向けて同じ幅となる形状とした。
【0035】
第1の実施例では、差込体保持部7の形状が上方から下方に向けて幅が狭くなる形状であるため、差込体保持部7から差込体2が下方に脱落することはないが、この実施例のように、差込体保持部7の形状が、上方から下方に向けて同じ幅となる形状では、差込体2が差込体保持部7の下方から抜け落ちてしまう。そこで、差込体保持部7の下方に、差込体2の下方への脱落を防止する止め部7aが形成されている。なお、この実施例では、止め部7aを差込体保持部7につなげて形成したが、差込体保持部7との間に隙間を開けて係止してもよい。要は、下方へ脱落しようとする差込体2を止められる形状であればよいことは勿論である。
【0036】
図35は、この実施例の巻尺携帯保持具5を上方の斜め後方からみた斜視図である。上下左右の連結部10に挿通孔5aが貫通されている。この挿通孔5aに紐などの係留部材を取り付けることができる。
【0037】
図36は、巻尺携帯保持具5と巻尺1を係留部材14で接続した状態の斜視図である。この接続例では、伸縮が可能なコイルバネ形状の連結部材14を用いた。連結部材14の一端は、巻尺1のストラップ取付部に取り付けられ、他端には、接続環15が取り付けられている。接続環15を巻尺携帯保持具5のいずれかの挿通孔5aに取り付けることによって、巻尺携帯保持具5と巻尺1とが接続される。巻尺携帯保持具5は使用者のベルトに装着されているから、巻尺1を使用中に不用意に手から落としても、巻尺1は、巻尺携帯保持具5から吊り下げられ、落下することを防止できる。巻尺1を巻尺携帯保持具5に保持させる際に不用意に巻尺1を落下させた場合にも、落下が防止できる。
【0038】
なお、巻尺携帯保持具5に挿通孔5aを形成して、係留部材14によって、巻尺1を巻尺携帯保持具5に接続することは、この実施例に限られるものではなく、第1の実施例を含めて本発明の巻尺携帯保持具に適宜に適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の巻尺携帯保持具は、落下が問題となるような現場で使用する巻尺に適用して、有効である。また、ベルトに保持させるのが便利な巻尺にも、本発明の巻尺携帯保持具を有効に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例の巻尺携帯保持具を斜め前方からみた斜視図である。
【図2】図1の巻尺携帯保持具を斜め後方からみた斜視図である。
【図3】図1の巻尺携帯保持具の説明図である。
【図4】図1の巻尺携帯保持具を斜め前方からみた分解斜視図である。
【図5】図1の巻尺携帯保持具を斜め後方からみた分解斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる差込体の斜視図である。
【図7】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を斜め後方からみた斜視図である。
【図8】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を斜め前方からみた斜視図である。
【図9】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図10】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の正面図である。
【図11】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の背面図である。
【図12】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の右側面図である。
【図13】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を左側面図である。
【図14】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を斜め後方からみた斜視図である。
【図15】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を斜め前方からみた斜視図である。
【図16】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図17】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態の正面図である。
【図18】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態の背面図である。
【図19】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を右側面図である。
【図20】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を左側面図である。
【図21】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を上面図である。
【図22】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を底面図である。
【図23】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態において巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。
【図24】図1の巻尺携帯保持具の解除動作の説明図である。
【図25】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図26】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の正面図である。
【図27】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の背面図である。
【図28】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の右側面図である。
【図29】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の左側面図である。
【図30】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の上面図である。
【図31】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の底面図である。
【図32】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態において巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。
【図33】本発明の第2の実施例に用いる差込体を巻尺に取り付けられた状態の斜視図である。
【図34】本発明の第2の実施例の巻尺携帯保持具の斜視図である。
【図35】図34の巻尺携帯保持具を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図36】巻尺携帯保持具と巻尺を係留部材で接続した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1…巻尺、1a…凹状部、2…差込体、3…取付部、4…止めネジ、5…巻尺携帯保持具、5a…挿通孔、6…ベルト挿通孔、7…差込体保持部、8…脱落防止用の爪、9…解除部材、9a…押圧部、9b…係合部、9c…被係止部、9d…突起部、10…連結部、11…保持具本体部材、11a…前部壁、11b…後部壁、11c…突条部、11d…隆起部、12…前板部材、13…止めネジ、14…係留部材、15…接続環。
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測工具である巻尺を、安全にかつ簡便に携帯することができ、着脱操作が簡単な巻尺携帯保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来一般に市販されている巻尺には、作業者のベルトに着脱できるベルトフックが装填されているのが普通である。このベルトフックで、巻尺を作業ベルトに掛けた場合、脱落しやすく、また、ベルトに掛けにくいという問題がある。高所の作業において、作業ベルトから巻尺が落下した場合には、下方で作業する作業員への危険を伴う。
【0003】
このような不便さに対し、今までにも巻尺の専用保持具が提案されてきた。例えば、特許文献1に記載された巻尺携帯ケースは、係合爪にベルトフックが挿入されるものであるから、巻尺の保持力は、フックのばね力であり、巻尺携帯ケースから巻尺が落下することがることは避けられない。
【0004】
特許文献2に記載された形態工具用ホルダでは、ベルトフックに代えて、携帯工具に差込みブラケットを固定し、この差込みブラケットをホルダ本体の溝に挿入して保持し、ストッパーで引き抜けを防止するようにしている。ストッパーは差込みブラケットの後端角部の一方に係合するものであり、保持の解除は、斜め下方に延びる傾斜面での強制的なスライドにて差込みブラケットとの接触を解除するものであるから、拇指でストッパーをスライドさせるようにすると、右利き用と左利き用との2種類を用意しなければならず、ユーザも、右利きであるか、左利きであるかによって、自分に適したホルダを購入しなければならないという問題がある。
【0005】
特許文献3に記載された携帯ホルダも、器具側に差込体を取り付けるものである。ロック解除部は、両側から拇指と食指でつまむようにして、解除するものであるから、対称的である利点があるが、解除のために拇指と食指が必要であるから、巻尺のように重量のある器具のために用いると、解除状態で巻尺を握ることが容易でないという問題がある。
【特許文献1】実開平5−45502号公報
【特許文献2】特開2003−127072号公報
【特許文献2】特開2004−202164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、巻尺を安全にかつ簡便に携帯することができ、着脱操作が簡単な巻尺携帯保持具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前方の壁部材と後方の壁部材とが上下で連結され、その間の側方からベルトを挿通可能なベルト挿通孔が形成された巻尺携帯保持具であって、前記前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして該差込体をガイドするとともに、前記差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、前記差込体保持空間に保持される前記差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪と、前記差込体の上部の位置に臨出した前記脱落防止用の爪を前記差込体保持空間から後方に引き込ませる解除部材を有し、前記脱落防止用の爪は、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられており、前記解除部材は、下方に移動可能に設けられているとともに、前記傾斜面に係合する係合部を有し、前記解除部材を下方に移動することによって前記係合部が前記傾斜面を摺動して前記脱落防止用の爪を後方に引き込ませるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、巻尺に取り付けられた差込体を、ベルトに装着された巻尺携帯保持具における差込体保持部によって形成された差込体保持空間に差し込むことによって簡単に保持させることができ、保持された巻尺は、差込体の上部の位置に臨出可能に設けられ脱落防止用の爪で抜け出しを確実に防止され、また、巻尺を巻尺携帯保持具から外す動作も、解除部材を下方に移動させるという簡単な操作で行なうことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして差込体をガイドしてするとともに、差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、差込体保持空間に保持される差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪とによって、巻尺を確実に保持し、一方、脱落防止用の爪が、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられているのに対して、傾斜面に係合する係合部を有する解除部材を用いて、解除部材を下方に移動させるという簡単な操作で、脱落防止用の爪を後方に引き込ませてロックされた巻尺を巻尺携帯保持具から解除できる。下方に移動された解除部材から指を放せば、脱落防止用の爪の傾斜面と前方への復元力によって、解除部材を傾斜面に沿って上方の位置に戻すことができる。
【実施例1】
【0010】
図1,図2は、本発明の巻尺携帯保持具の第1の実施例を説明するためのものである。図1は斜め前方からみた斜視図、図2は斜め後方からみた斜視図である。図中、1は巻尺、2は差込体、3は取付部、4は止めネジ、5は巻尺携帯保持具、6はベルト挿通孔、7は差込体保持部、8は脱落防止用の爪、9は解除部材である。
【0011】
差込体2は、差込体2と一体化された取付部3と止めネジ4とによって、巻尺1に取り付けられている。巻尺携帯保持具5の後部には、ベルト挿通孔6が形成されており、巻尺携帯保持具5のベルト挿通孔6に使用者のベルトを通すことによって、巻尺携帯保持具5を使用者のベルトに装着することができる。巻尺携帯保持具5の前側には、差込体保持部7が設けられている。差込体保持部7は、差込体2の形状に対応する形状である。この実施例では、差込体2の形状を、上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状、換言すれば、逆三角形の形状としたから、差込体保持部7の形状も、上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状である。
【0012】
差込体保持部7の断面形状は、巻尺携帯保持具5の前方の壁の表面からほぼ直角に突出して、先端部が巻尺携帯保持具5の前方の壁の表面とほぼ平行するように、かつ、相対する方向に曲げられた鈎状の形状となっている。この差込体保持部7によって、その内側に差込体保持空間が形成されている。差込体保持空間内には、脱落防止用の爪8が臨出している。巻尺1に取り付けられた差込体2を、差込体保持部7をガイドとして、差込体保持空間に差し込むと、脱落防止用の爪8が後方に押さえ込まれるが、差込体2が差込体保持空間に納められた状態で、前方に向く復元力によって、脱落防止用の爪8が差込体2の上部の位置に臨出して、差込体2の抜け出しを抑えることができる。したがって、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持される。巻尺携帯保持具5に保持された巻尺1は、解除部材9を下方に向けて押すことで、脱落防止用の爪8を後退させることによって、巻尺携帯保持具5から外すことができるが、その詳細は後述する。
【0013】
図3〜図5は、巻尺携帯保持具5を説明するためのものである。図3において、(A)は上面図、(B)は底面図、(C)は左側面図、(D)は正面図、(E)は右側面図、(F)は背面図、(G)は(D)のA−A線断面図であり、図4,図5は、分解斜視図であり、図4は斜め前方からみた斜視図、図5は斜め後方からみた斜視図である。図中、図1と同じ部分は同じ符号を付して説明を省略する。9aは押圧部、9bは係合部、9cは被係止部、9dは突起部、10は連結部、11は保持具本体部材、11aは前部壁、11bは後部壁、11cは突条部、11dは隆起部、12は前板部材、13は止めネジである。
【0014】
図4,図5から分かるように、この実施例では、巻尺携帯保持具は、解除部材9と保持具本体部材11と、前板部材12との3つの部材で構成されている。解除部材9は、保持具本体部材11と前板部材12に挟まれるようにして上下動が可能なように組み立てられている。
【0015】
保持具本体部11は、前部壁11aと後部壁11bとが連結部10で連結された構成であり、前部壁11aと後部壁11bとの間にベルト挿通孔6が形成されている。したがって、使用者の腰に巻かれた図示しない作業ベルトに挿通されるようにして、巻尺携帯保持具が、使用者の体に取り付けられる。後部壁11bは、図3(E)や図5から分かるように、左右に2つに分離して形成されているので、縦に幅広の隙間が形成されているが、この隙間をなくして1枚となるように形成されてもよく、また、3枚以上に分離されて形成されてもよい。突条部11cは、後述する前板部材12を固定する際の位置決めの役割を果たすものである。
【0016】
保持具本体部11の中央部にスリットが開けられて、脱落防止用の爪8が下方に延びるように形成されている。この実施例では、保持具本体部11を弾性を有する合成樹脂で形成して、脱落防止用の爪8に弾性を付与している。したがって、脱落防止用の爪8が後方に押されると、脱落防止用の爪8は、元の位置に戻ろうとする前方に向く復元力が発生する。また、保持具本体部11には、脱落防止用の爪8の下方に隆起部11dが形成されている。隆起部11dは、差込体収納空間に差し込まれた差込体を載置するためのもので、前板部材12に形成された差込体保持部7の張り出し部の内面と隆起部11dとの隙間を差込体の厚さに対応させることによって、収納された差込体のガタ、すなわち、巻尺携帯保持具に保持された巻尺のガタを抑えることができ、安定した保持を実現できる。
【0017】
なお、脱落防止用の爪8には、下方に行くほど前方に出るような傾斜面が形成されている。この実施例では、図4から分かるように、傾斜面が形成された部分は、下方に行くほど厚みが増加するようにして形成されているが、脱落防止用の爪8の厚みを増加させなくてもよく、脱落防止用の爪8をほぼ一様な厚さにし、下方を前方に向けて曲げるようにして傾斜面を形成するようにしてもよい。上述したように、脱落防止用の爪8を弾性を有する樹脂を材料で形成した場合には、傾斜面が形成された部分は、下方に行くほど厚みが増加するようにして形成した方が、保持具本体部11との接続部分が曲げやすくなり、後方に押された場合の復元力を有効に発生させることができる。なお、復元力は、バネ部材等用いて発生させることもできる。
【0018】
保持具本体部11の前面に、前板部材12が設けられている。前板部材12には、その前面側に差込体保持部7が設けられている。この実施例では、差込体保持部7は、V字状となるように、2つに分離された形状で形成されているが、一連につながるような形状としてもよい。V字状の内側に差込体保持空間が形成されているが、差込体保持部7には、この差込体収納空間の両側部(差し込まれた差込体の両側部)を覆うように張り出し部が形成されており、差込体を差し込む際のガイドをするとともに、差込体収納空間に差し込まれた差込体の前面への抜け出しを防止している。
【0019】
保持具本体部11の前部壁11aと前板部材12とが止めネジ13で一体化されて、巻尺携帯保持具における前方の壁部材が構成され、保持具本体部11の後部壁11bを後方の壁部材として、連結部10で連結されて、ベルト挿通孔6が形成され、巻尺携帯保持具を使用者のベルトによって携帯させることができるのである。
【0020】
解除部材9は、保持具本体部11と前板部材12との間に挟まれるようにして取り付けられる。上部に押圧部9aが設けれ、これを、望ましくは拇指で下方に押して移動させることによって、保持した巻尺を巻尺携帯保持具から外すことができるのである。この解除部材9において、脱落防止用の爪8に衝合する部分に係合部9bが形成されている。解除部材9が下方に移動するにつれて、係合部9bが下方に移動して脱落防止用の爪8の傾斜面に衝合するから、脱落防止用の爪8は、差込体収納空間から後退する。係止部9cは、脱落防止用の爪8の両側に位置するように解除部材9に形成されており、解除部材9が押圧されたときに、差込体保持部7の側部の内面に突き当たって、解除部材9の下方への移動の下限位置を規制している。この下限位置に解除部材9が下降したときに、脱落防止用の爪8は、差込体収納空間に収納された差込体の上方への脱出を許容する。突起部9dは、例えば、半球状に形成され、解除部材9と前板部材12の内面との接触面積を減少させて、解除部材9を押圧しやすくしている。
【0021】
図4〜図5で、この実施例の巻尺携帯保持具の組立について説明する。保持具本体部材11の前部壁11aの表面に解除部材9を載せ、その上から前板部材12を被せ、止めネジ13で、前板部材12を保持具本体部11に固定することによって、組み立てが完了する。
【0022】
図6〜図13は、巻尺と差込体との関係を説明するためのものである。図6は、差込体の斜視図であり、図6(A)は斜め後方からみた斜視図、図6(B)は斜め前方からみた斜視図である。図7〜図11は、差込体を巻尺に取り付けた状態を説明するためのもので、図7は斜め後方からみた斜視図、図8は斜め前方からみた斜視図、図9は上方の斜め後方からみた斜視図、図10は正面図、図11は背面図、図12は右側面図、図13は左側面図である。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。1aは凹状部である。
【0023】
差込体2の裏側には、取付部3が設けられている。取付部3の両側部は、差込体2を差込体保持部に差し込む際に、差込体保持部の張り出し部に邪魔にならないように、差込体2の両側部よりも後退して設けられている。そして、取付部3は、巻尺1に形成された凹状部(通常は、ベルトクリップを取り付けるために凹状部が形成されている。)に嵌合するように設計されている。この実施例では、取付部3の左右の上端および逆三角形状の下端が、凹状部1aに嵌合して、差込体2を止めネジ4で取り付けた固定状態を強固なものとしている(図7,図9,図11)。このように差込体2の取付部3を巻尺1の凹状部に嵌合させて取り付けた状態において、差込体2が巻尺携帯保持具の差込体保持部に差し込まれる部分は、取付部3によって、巻尺1の表面と隙間をおいて、浮き上がった状態で取り付けられている(図12,図13)。巻尺1の表側からは、取り付けた差込体2は見えない(図4,図10)。
【0024】
ここで、図1,図2戻って、挿入動作について説明しておく。巻尺1に取り付けられた差込体2を差込体保持部7に挿入すると、脱落防止用の爪8が差込体2によって後方に押さえ込まれて後退するが、差込体2が差込体保持空間に納められた状態では、差込体2の上端が脱落防止用の爪8の下端を通過しているから、脱落防止用の爪8は、前方に向く復元力によって、差込体2の上部の中央の位置に臨出して、差込体2の抜け出しを抑えることができる。したがって、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持される。
【0025】
図14〜図23は、差込体2の挿入動作によって巻尺携帯保持具5に巻尺1が保持させた状態を説明するためのものである。図14は斜め後方からみた斜視図、図15は斜め前方からみた斜視図、図16は上方の斜め後方からみた斜視図、図17は正面図、図18は背面図、図19は右側面図、図20は左側面図、図21は上面図、図22は底面図、図23は巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。なお、使用者のベルトの図示は省略した。
【0026】
巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持された状態では、解除部材9は上方の位置となっている。そして、巻尺携帯保持具5の上端は、巻尺1の上端よりもやや高い位置となっているが、保持状態における巻尺1の上端の高さは、解除部材9の操作を妨げない高さであればよい。また、巻尺1が巻尺携帯保持具5に保持された状態で、巻尺1は、フックが下方を向くような姿勢となるように、巻尺1に差込体2が取り付けられているが、巻尺1を保持する姿勢は適宜でよく、フックが下方を向くような姿勢に限られるものではない。
【0027】
図23の断面図では、差込体2の上部が脱落防止用の爪8で押さえられ、差込体2の表面が巻尺携帯保持具5の隆起部11dに密着している様子が示されている。差込体2の上部が脱落防止用の爪8で押さえられ、差込体2の表面が巻尺携帯保持具5の隆起部11dに密着している様子が示されている。このように、差込体を保持する差込体保持空間が差込体2に合致してガタが生じないようにし、保持状態において、差込体2の上部と脱落防止用の爪の下端部との間にガタが生じないようにすることによって、より安定した保持が可能である。差込体2の上部と脱落防止用の爪の下端部との係合位置も、差込体2の上部の中央部とするのが、より安定となるので、望ましい。
【0028】
図24は、本発明の巻尺携帯保持具の解除動作を説明するためのものである。図24において、(A)は上面図、(B)は底面図、(C)は左側面図、(D)は正面図、(E)は右側面図、(F)は背面図、(G)は(D)のA−A線断面図である。図中、図3と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。9bは係合部(図4,図5参照)である。
【0029】
解除部材9の押圧部9aを下方に押し下げることによって、解除部材9の係合部9bが下方に移動する。下方に移動する係合部9bは、移動するにつれて、脱落防止用の爪8の傾斜面に衝合する。すなわち、解除部材9が下方に移動するにつれて、脱落防止用の爪8が、差込体収納空間から後退して、やがて、脱落防止用の爪8の上部から外れて、差込体収納空間に収納された差込体の上方への脱出を許容する。図24は、脱落防止用の爪8が、差込体収納空間から後退した状態を示しているが、このときの解除部材9の解除位置は、下降の下限位置であることに限られるものではなく、下限位置の近傍、例えば、解除部材9の下降のストロークの80%程度以上を下降した位置としてもよい。下方に移動された解除部材9の押圧部9aから指を放せば、脱落防止用の爪8に蓄積された復元力によって、脱落防止用の爪8は前方に復帰しようとするが、係合部9bが傾斜面に係合されていることによって、解除部材9を上方に移動させる分力を生じる。この分力によって、解除部材9を傾斜面に沿って上方の位置に戻すことができ、脱落防止用の爪8は、差込体保持空間に臨出する位置に戻る。
【0030】
図25〜図32は、解除部材9の押圧動作によって巻尺携帯保持具5に保持された巻尺1を外すことができる解除状態を説明するためのものである。図25は上方の斜め後方からみた斜視図、図26は正面図、図27は背面図、図28は右側面図、図29は左側面図、図30は上面図、図31は底面図、図32は巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。図中、図1〜図5と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。なお、使用者のベルトの図示は省略した。
【0031】
解除部材9の押圧部9aが押圧されて、解除部材9が下降した状態では、解除部材9は下方に位置されている。図32の断面図から分かるように、脱落防止用の爪8は、差込体2の上部から後退して、差込体2を上方に抜け出すことができる。したがって、例えば、拇指で押しながら、他の4本の指で巻尺1を掴んで上方に引き上げることによって、巻尺1を巻尺携帯保持具5から外すことができる。
【0032】
この実施例では、差込体2の形状を上方から下方に向けて直線的に幅が狭くなる形状、すなわち、逆三角形の形状としたが、曲線的に上方から下方に向けて幅が狭くなる形状としてもよい。また、本発明の差込体2の形状は、必ずしも、上方から下方に向けて幅が狭くなる形状に限られるものでもない。
【実施例2】
【0033】
図33,34は、本発明の巻尺携帯保持具の第2の実施例を説明するためのもので、図33は巻尺に取り付けられた差込体を説明するための斜視図、図34は巻尺携帯保持具の斜視図で、(A)は斜め前方からみた斜視図、(B)は斜め後方からみた斜視図である。図中、図1,図2と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。7aは止め部である。
【0034】
この実施例では、差込体2の形状を上方から下方に向けて同じ幅となる形状とした。差込体2の形状に伴って、差込体保持部7も、差込体2に合致するように、上方から下方に向けて同じ幅となる形状とした。
【0035】
第1の実施例では、差込体保持部7の形状が上方から下方に向けて幅が狭くなる形状であるため、差込体保持部7から差込体2が下方に脱落することはないが、この実施例のように、差込体保持部7の形状が、上方から下方に向けて同じ幅となる形状では、差込体2が差込体保持部7の下方から抜け落ちてしまう。そこで、差込体保持部7の下方に、差込体2の下方への脱落を防止する止め部7aが形成されている。なお、この実施例では、止め部7aを差込体保持部7につなげて形成したが、差込体保持部7との間に隙間を開けて係止してもよい。要は、下方へ脱落しようとする差込体2を止められる形状であればよいことは勿論である。
【0036】
図35は、この実施例の巻尺携帯保持具5を上方の斜め後方からみた斜視図である。上下左右の連結部10に挿通孔5aが貫通されている。この挿通孔5aに紐などの係留部材を取り付けることができる。
【0037】
図36は、巻尺携帯保持具5と巻尺1を係留部材14で接続した状態の斜視図である。この接続例では、伸縮が可能なコイルバネ形状の連結部材14を用いた。連結部材14の一端は、巻尺1のストラップ取付部に取り付けられ、他端には、接続環15が取り付けられている。接続環15を巻尺携帯保持具5のいずれかの挿通孔5aに取り付けることによって、巻尺携帯保持具5と巻尺1とが接続される。巻尺携帯保持具5は使用者のベルトに装着されているから、巻尺1を使用中に不用意に手から落としても、巻尺1は、巻尺携帯保持具5から吊り下げられ、落下することを防止できる。巻尺1を巻尺携帯保持具5に保持させる際に不用意に巻尺1を落下させた場合にも、落下が防止できる。
【0038】
なお、巻尺携帯保持具5に挿通孔5aを形成して、係留部材14によって、巻尺1を巻尺携帯保持具5に接続することは、この実施例に限られるものではなく、第1の実施例を含めて本発明の巻尺携帯保持具に適宜に適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の巻尺携帯保持具は、落下が問題となるような現場で使用する巻尺に適用して、有効である。また、ベルトに保持させるのが便利な巻尺にも、本発明の巻尺携帯保持具を有効に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例の巻尺携帯保持具を斜め前方からみた斜視図である。
【図2】図1の巻尺携帯保持具を斜め後方からみた斜視図である。
【図3】図1の巻尺携帯保持具の説明図である。
【図4】図1の巻尺携帯保持具を斜め前方からみた分解斜視図である。
【図5】図1の巻尺携帯保持具を斜め後方からみた分解斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる差込体の斜視図である。
【図7】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を斜め後方からみた斜視図である。
【図8】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を斜め前方からみた斜視図である。
【図9】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図10】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の正面図である。
【図11】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の背面図である。
【図12】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態の右側面図である。
【図13】図6の差込体を巻尺に取り付けた状態を左側面図である。
【図14】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を斜め後方からみた斜視図である。
【図15】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を斜め前方からみた斜視図である。
【図16】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図17】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態の正面図である。
【図18】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態の背面図である。
【図19】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を右側面図である。
【図20】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を左側面図である。
【図21】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を上面図である。
【図22】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態を底面図である。
【図23】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させた状態において巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。
【図24】図1の巻尺携帯保持具の解除動作の説明図である。
【図25】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図26】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の正面図である。
【図27】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の背面図である。
【図28】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の右側面図である。
【図29】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の左側面図である。
【図30】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の上面図である。
【図31】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態の底面図である。
【図32】図1の巻尺携帯保持具に巻尺を保持させて解除した状態において巻尺携帯保持具を断面図で示したものある。
【図33】本発明の第2の実施例に用いる差込体を巻尺に取り付けられた状態の斜視図である。
【図34】本発明の第2の実施例の巻尺携帯保持具の斜視図である。
【図35】図34の巻尺携帯保持具を上方の斜め後方からみた斜視図である。
【図36】巻尺携帯保持具と巻尺を係留部材で接続した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1…巻尺、1a…凹状部、2…差込体、3…取付部、4…止めネジ、5…巻尺携帯保持具、5a…挿通孔、6…ベルト挿通孔、7…差込体保持部、8…脱落防止用の爪、9…解除部材、9a…押圧部、9b…係合部、9c…被係止部、9d…突起部、10…連結部、11…保持具本体部材、11a…前部壁、11b…後部壁、11c…突条部、11d…隆起部、12…前板部材、13…止めネジ、14…係留部材、15…接続環。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方の壁部材と後方の壁部材とが上下で連結され、その間の側方からベルトを挿通可能なベルト挿通孔が形成された巻尺携帯保持具であって、前記前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして該差込体をガイドするとともに、前記差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、前記差込体保持空間に保持される前記差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪と、前記差込体の上部の位置に臨出した前記脱落防止用の爪を前記差込体保持空間から後方に引き込ませる解除部材を有し、前記脱落防止用の爪は、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられており、前記解除部材は、下方に移動可能に設けられているとともに、前記傾斜面に係合する係合部を有し、前記解除部材を下方に移動することによって前記係合部が前記傾斜面を摺動して前記脱落防止用の爪を後方に引き込ませるものであることを特徴とする巻尺携帯保持具。
【請求項2】
前記脱落防止用の爪は弾性を有する合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項3】
前記差込体は上方から下方に向けて幅が狭くなる形状であり、前記差込体保持部も上方から下方に向けて幅が狭くなる保持空間を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項4】
前記差込体は上方から下方に向けて同じ幅となる形状であり、前記差込体保持部も上方から下方に向けて同じ幅となる保持空間を形成するように配置されており、前記保持空間の下方に、前記差込体の下方への脱落を防止する止め部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項5】
前方の壁部材と後方の壁部材との連結部に巻尺を係留するための係留部材を取り付ける孔を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項1】
前方の壁部材と後方の壁部材とが上下で連結され、その間の側方からベルトを挿通可能なベルト挿通孔が形成された巻尺携帯保持具であって、前記前方の壁部材に配置され、上方から差し込まれる巻尺に取り付けられた差込体の両側部に係合するようにして該差込体をガイドするとともに、前記差込体を保持する差込体保持空間を形成する差込体保持部と、前記差込体保持空間に保持される前記差込体の上部の位置に臨出して前記差込体の抜け出しを抑える後退可能な脱落防止用の爪と、前記差込体の上部の位置に臨出した前記脱落防止用の爪を前記差込体保持空間から後方に引き込ませる解除部材を有し、前記脱落防止用の爪は、下方に行くほど前方に出る傾斜面を有するとともに、後方に押されたときに前方に向く復元力が発生するように設けられており、前記解除部材は、下方に移動可能に設けられているとともに、前記傾斜面に係合する係合部を有し、前記解除部材を下方に移動することによって前記係合部が前記傾斜面を摺動して前記脱落防止用の爪を後方に引き込ませるものであることを特徴とする巻尺携帯保持具。
【請求項2】
前記脱落防止用の爪は弾性を有する合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項3】
前記差込体は上方から下方に向けて幅が狭くなる形状であり、前記差込体保持部も上方から下方に向けて幅が狭くなる保持空間を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項4】
前記差込体は上方から下方に向けて同じ幅となる形状であり、前記差込体保持部も上方から下方に向けて同じ幅となる保持空間を形成するように配置されており、前記保持空間の下方に、前記差込体の下方への脱落を防止する止め部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の巻尺携帯保持具。
【請求項5】
前方の壁部材と後方の壁部材との連結部に巻尺を係留するための係留部材を取り付ける孔を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の巻尺携帯保持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2006−250887(P2006−250887A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71453(P2005−71453)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000161943)株式会社ケイディエス (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000161943)株式会社ケイディエス (12)
【Fターム(参考)】
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