説明

布地の色回復組成物、物品及び方法

本発明は、安定で、好ましくはよく分散した、より好ましくは半透明の、更により好ましくは透明の、水性布地色回復組成物、布地の色回復方法及びこのような布地色回復組成物を用いる製品に関する。布地色回復組成物は、有効量のシリコーンポリマー布地色回復剤を含み、典型的には、組成物中に含まれる布地色回復剤の最小濃度が少なくとも約1.75%、好ましくは少なくとも約2.0%、より好ましくは少なくとも約2.5%、更により好ましくは約3.0%であり、典型的には、布地色回復剤の最大濃度が約10.0%未満、好ましくは約7.0%未満であり、具体的には約3.0%〜約6.0%の範囲であり、所望により、しかし好ましくは、静止摩擦増加剤の静摩擦係数を上昇させるのに有効な量である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地ケア組成物、及び、布地の様々な特性、特に色あせた布地の色外観の回復を改善するために、布地を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
布地、特に衣服の経年変化及び洗濯は、最終的に衣類の老朽化及び費用のかかる買い換え原因となる、非白色の色あせ及び退色をもたらす。結果として、布地、特に衣服の物品の色あせた非白色を少なくとも部分的に回復させるために用いられる、単純かつ容易な製品を見出すという長年にわたる要求が存在している。
【0003】
本出願人並びに他の出願人の特許及び出願に、皺抑制組成物のような様々な組成物が開示されている。しかしながら、本出願人により商品化されている市販の皺抑制組成物は、有色の、色あせた布地の色を明らかに回復するのに十分なシリコーンポリマーを含んでいない。先行技術の皺抑制組成物は、不揮発性シリコーン及びフィルム形成ポリマーを含有する水性皺抑制組成物を開示している、米国特許第5,532,023号(1996年7月2日発行、ボーゲル(Vogel)ら)に例示されている。好ましいシリコーンとしては、反応性シリコーン及び「アモジメチコン」として既知であるアミノ官能性シリコーンが挙げられる。このようなシリコーンを含有する市販の組成物は、約1.5%のシリコーンポリマーを含有し、スプレーディスペンサーから布地に適用される。噴霧処理を使用するとき、大量の水性組成物が布地を外れ、その代わりにラグ、カーペット、コンクリートの床、タイルの床、リノリウムの床及び浴槽の床のような床表面に落ち、これは床表面に堆積する及び/又は床表面上で硬化する及び/又は床表面に固着するシリコーン層を残す場合がある。このような表面上に堆積したこのようなシリコーン、特にこのような表面に固着しているものは、除去するのが難しい。したがって、床表面が滑りやすくなる可能性があり、家族に安全上の問題を提示する可能性がある。
【0004】
米国特許第5,573,695号(1996年11月12日発行、E.F.タルゴス(Targosz))には、植物油系カチオン性四級アンモニウム界面活性剤及びアニオン性フッ素系界面活性剤を含有する水性皺除去組成物が開示されている。同様に、米国特許第4,661,268号(1987年4月28日発行、ヤコブソン(Jacobson)ら)には、ジアルキル四級アンモニウム塩を含有する水性アルコール性組成物並びにシリコーン界面活性剤及び/又はフッ素系界面活性剤を含む、皺除去スプレーが開示されている。米国特許第5,100,566号(1992年3月31日発行、アグボメイレーリ(Agbomeirele)ら)には、布地に、アニオン性シリコネートアルカリ金属塩の水性アルコール性溶液を噴霧することにより、布地の皺を低減する方法が開示されている。米国特許第4,806,254号(1989年2月21日発行、J.A.チャーチ(Church))には、グリセリン及び非イオン性界面活性剤を含有する布地皺除去アルコール溶液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,532,023号
【特許文献2】米国特許第5,573,695号
【特許文献3】米国特許第4,661,268号
【特許文献4】米国特許第5,100,566号
【特許文献5】米国特許第4,806,254号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で記載する組成物及び方法は、衣服、ドライクリーニング可能なもの、リネン、寝具、室内装飾材料及びカーテンを含む布地の色あせた非白色を回復し、皺低減、爽やかさ及び改善された柔軟性のような追加の効果を有する。処理することができる他の表面としては、自動車の内装、靴及び家具が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で記載する組成物及び方法は、ウェット(damp)又はドライクリーニングで用いられ、色あせた色を回復し、衣服にすぐ着られる又は使用できる状態の外見を付与することができる。本明細書で記載する組成物及び方法はまた、衣類をクローゼット、たんす及びスーツケースに保管することに通常付随するアイロンがけの必要性を、本質的に排除又は低減する。本発明の状況における布地の色回復とは、組成物が色あせた有色の布地を「再着色」するための染料又は着色剤を所望により含む場合を除いて、色外観を回復することを意味する。
【0007】
好ましい態様では、本発明の組成物及び方法の更なる効果は、衣類のひだ、生地を改善し、パリッとさせることである。
【0008】
しかしながら、アイロンがけが所望されるとき、本明細書で記載する組成物はまた、優れたアイロンがけ助剤としても作用することができる。組成物は、アイロンの抵抗を低下させることにより、アイロンがけの作業をより容易にかつより早くする。アイロンがけ助剤として用いるとき、組成物は、色あせた色を部分的に回復しながら、パリッとして平らな外観を実現するのを補助する。
【0009】
本明細書で範囲は、「約」若しくは「およそ」ある特定の値から及び/又は「約」若しくは「およそ」別の特定の値までとして表すことができる。このような範囲が表されているとき、別の実施形態はその一方の特定の値から及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、値が先行する「約」を用いることにより近似値として表されているとき、その特定の値が別の実施形態を形成するものと理解される。
【0010】
本発明は、安定であり、好ましくはよく分散し、より好ましくは半透明であり、更により好ましくは透明である、水性布地色回復組成物、布地の色回復方法及びこのような布地色回復組成物を用いる製品に関する。布地色回復組成物は、
A.典型的には、組成物中に含まれる布地色回復剤の最小濃度が、少なくとも約1.75%、好ましくは少なくとも約2.0%、より好ましくは少なくとも約2.5%、更により好ましくは少なくとも約3.0%であり、典型的には、布地色回復剤の最大濃度が、約10.0%未満、好ましくは約7.0%未満であり、具体的には約3.0%〜約6.0%の範囲である有効量のシリコーンポリマー布地色回復剤と;
B.所望により、繊維を柔軟化するのに及び/又は、存在するときに任意の保形ポリマーを柔軟化するのに有効な量の、親水性可塑剤皺抑制剤と;
C.所望により、しかし好ましくは、表面張力を低下させる並びに/又は性能、活性物質の展着及び配合性を改善するための、有効量の界面活性剤と;
D.所望により、しかし好ましくは、静摩擦係数を増加させるのに有効な量の静止摩擦増加剤と、
E.所望により、しかし好ましくは、嗅覚効果を提供するのに有効な量の香料と、
F.所望により、微生物を殺す又は増殖を低下させるのに有効な量の抗微生物活性物質と、
G.所望により、例えば抗微生物活性物質などの抗微生物作用を改善するのに有効な量のアミノカルボキシレートキレート化剤と、
H.所望により、特に前記抗微生物活性物質が防腐剤として作用するのに不十分なとき、有効な量の可溶化した、水溶性、抗微生物性防腐剤と、
I.水性キャリアと、を含み、
前記組成物は好ましくは、使用条件下で布地を汚す又は染みをつける任意の物質を本質的に含まない。
【0011】
本発明はまた、「使用条件」下で用いるための、上述のような、希釈されて使用濃度の組成物を形成する、濃縮組成物に関する。濃縮組成物の場合、シリコーンポリマー布地色回復剤は、典型的には少なくとも約10%、あるいは少なくとも約20%、あるいは少なくとも約30%である。
【0012】
好ましい実施形態では、本明細書で記載する色回復組成物は、有効であるが、色あせの回復を除いて布地上で乾燥したとき容易には認識できない量の色回復剤及び他の任意成分を含有する前記組成物による、布地及び/又は表面の処理を促進することができる製品を作製するために、スプレーディスペンサーに組み込まれる。スプレーディスペンサーは、手動で起動する及び非手動で作動する(操作される)噴霧手段と、色回復組成物を収容する容器とを備える。本明細書で記載する色回復組成物の1つの実施形態では、シクロデキストリン又はポリアクリレートのような静止摩擦増加成分が、この潜在的な安全上の問題を低減する又は排除するのに十分な増加した量で含まれる。
【0013】
好ましい実施形態では、本発明はまた、優れた性能を提供するために、布地を処理するための本明細書の組成物の小さな粒径の液滴の使用、例えば、好ましくは約5マイクロメートル〜約250マイクロメートル、より好ましくは約10マイクロメートル〜約120マイクロメートル、更により好ましくは約20マイクロメートル〜約100マイクロメートルの重量平均直径粒径(直径)を有する、非常に小さな粒子(液滴)として、布地に組成物を適用する方法などを含む。
【0014】
1つの実施形態では、組成物は、1秒当たり約0.1g〜1秒当たり約2gの噴霧速度で、容器から放出される。1つの実施形態では、組成物は、1平方フィート当たり約2gの組成物を放出するように噴霧され、約5分〜約15分間の、布地を乾燥させる時間を必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
色回復剤
既に論じたように、本発明は、少なくとも、色あせした非白色を回復するのに有効な量で利用して、布地の色を回復する方法及び組成物に関する。典型的には、組成物中に含まれるシリコーンポリマー色回復剤の最小濃度は、組成物の総重量を基準として、少なくとも約1.75重量%、好ましくは少なくとも約2.0重量%、より好ましくは少なくとも約2.5重量%、更により好ましくは少なくとも約3.0重量%である。典型的には、組成物中に含まれるシリコーンポリマー色回復剤の最大濃度は、組成物の総重量を基準として、約10重量%未満、好ましくは約7.0重量%未満である。好ましくは、剤は、組成物中に、約3.0%〜約6.0%の量で存在する。濃縮組成物は、約30%以下、又はそれ以上のように、シリコーンポリマー布地色回復剤がより高濃度であってもよい。
【0016】
具体的には、好ましい布地色回復シリコーンポリマーは、シリコーンポリエーテル(ジメチコンコポリオールとしても知られている);ジメチルシロキサンシリコーンのような揮発性シリコーン;並びにアミノシリコーン、フェニルシリコーン及びヒドロキシルシリコーンのような硬化性シリコーンである。本明細書で使用するとき「シリコーン」又は「シリコーンポリマー」という用語は、好ましくは、単一成分又は、例えば、特に指示のない限り、シリコーンの可溶化及び/又は乳化を達成するために、供給元により配合された組成物のような混合物として市販されているものを含む、可溶性又は分散性無希釈シリコーン流体、自己乳化又は乳化シリコーンを指す。好ましくは、シリコーンは、少なくともいくつかの疎水性部分を含む;布地に適用されたとき又はそれらがヒトの皮膚に接触するとき、刺激性でも、毒性でもなく又はその他の点で有害でもない(例えば、染みをつけない);並びに通常の使用及び保管条件下で化学的に安定である。
【0017】
本明細書で記載する組成物が、消費者の家庭環境でスプレーディスペンサーから分配されるとき、シリコーンポリエーテル及びポリジメチルシリコーンのような非硬化性シリコーンが好ましい。アミノ官能性シリコーン、並びに、Si−OH、Si−H、シランなどといった反応性基を有するシリコーンのような硬化性及び/又は反応性シリコーンは、シクロデキストリンのような本明細書で記載する色回復組成物の1つの実施形態による増加した量の静止摩擦増加剤と併用するとき特に有用であるが、それはなぜなら、噴霧されるが、衣類にはつかず、その代わりにラグ、カーペット、コンクリートの床、タイルの床、リノリウムの床、浴槽の床のような床の表面に落ちる組成物の一部が、床表面で硬化する及び/又は床表面に固着するシリコーン層を残す場合があるためである。表面に固着し、増加した量、例えば少なくとも約0.9%の静止摩擦増加剤を含有しないこのようなシリコーンは、床表面を滑りやすくし、家族に安全上の問題を提起する場合がある。いくつかのアミノ官能性シリコーンはまた、布地の黄変を引き起こす。したがって、布地の色回復とは対照的に布地の変色を引き起こすシリコーンは好ましくない。
【0018】
本明細書で記載する組成物の色回復剤として有用なシリコーンの、極めて好ましいがこれらに限定されない部類は、ジメチコンコポリオールとしても知られているシリコーンポリエーテル及びポリアルキレンオキシドポリシロキサンの部類である。典型的には、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ジメチルポリシロキサン疎水部分と、1個以上の親水性ポリアルキレン鎖とを有する。親水性ポリアルキレン鎖は、側鎖(ペンダント部分)として又はポリシロキサン疎水部分を有するブロックコポリマー部分として組み込むことができる。シリコーンポリエーテルは、以下の一般式によって記載される。
【0019】
−(CHSiO−[(CHSiO]−[(CH)(R)SiO]−Si(CH−R
式中、a+bは約1〜約50、好ましくは約1〜約30、より好ましくは約1〜約25であり、各Rは同一であっても異なってもよく、一般式:
−(CHO(CO)(CO)
(式中、nは3又は4、好ましくは3であり、cの合計(全てのポリアルキレンオキシ側基)は約1〜約100、好ましくは約6〜約100の値を有し、c+dの合計は約5〜約150、好ましくは約7〜約100の値を有し、各Rは同一であっても異なってもよく、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル及びアセチル基からなる群から選択され、好ましくは水素及び/又はメチル基である)を有するメチル及びポリ−(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基からなる群から選択され、少なくとも1個のRがポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)コポリマー基である。各ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基である、少なくとも1個のRを有する。
【0020】
これらのシリコーンポリエーテルの非限定的な例は、GEシリコーンズ(GE Silicones)から入手可能なシルウェット(Silwet)(登録商標)材料である。エチレンオキシ(C2H4O)基しか含有しない代表的なシルウェット(Silwet)(登録商標)シリコーンポリエーテルは以下の通りである。
【表1】

【0021】
エチレンオキシ(C2H4O)及びプロピレンオキシ(C3H6O)基の両方を含有するシルウェット(Silwet)(登録商標)シリコーンポリエーテルの非限定的な例は、以下の通りである。
【表2】

【0022】
プロピレンオキシ(C3H6O)基しか含有しないシルウェット(Silwet)(登録商標)シリコーンポリエーテルの非限定的な例は、以下の通りである。
【表3】

【0023】
ポリアルキレンオキシ基(R1)の分子量は、好ましくは約10,000以下である。シリコーンポリエーテルの好ましい分子量は、所与の組成物の正確な官能価に依存する。プロピレンオキシ基がポリアルキレンオキシ鎖内に存在する場合、それらは鎖内にランダムに分布するか又はブロックとして存在することができる。好ましいシルウェット(Silwet)(登録商標)は、十分な濃度で組成物に含まれるとき、色回復を助け、また、柔軟性を提供することもできる(これは、シリコーンポリマーが布地の表面上に粗い感触を残すとき、特に好ましい)。好ましいシルウェット(Silwet)(登録商標)の非限定的な例としては、L77、L7001、L7200、L7087が挙げられ、特にL−7600である。いくつかの非限定的な好ましいダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)シリコーンポリエーテルとしては、ダウ・コーニング(登録商標)DC Q2−5247、(ジメチル,メチルヒドロキシプロピル,エトキシ化プロポキシ化シロキサン、主に[CAS番号68937−55−3]シロキサン、EO及びPOから構成される)が挙げられる。本発明で有用なシリコーンポリエーテルの他の非限定的な例としては、ダウ・コーニング(登録商標)から入手可能な以下の化合物、193、112、8600、FF−400流体、Q2−5220、Q4−3667、PP5495、並びに、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社(Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd.)から入手可能なSH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3746、SH3748、SH3749、SH8400、SF8410及びSH8700として既知である化合物、信越化学工業(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)のKF351(A)、KF352(A)、KF354(A)及びKF615(A)、東芝シリコーン社(Toshiba Silicone Co.)のTSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452が挙げられる。別の非限定的な例は、ワッカー(Wacker)製のSLM21200である。
【0024】
いくつかのシリコーンポリエーテル(特に、より疎水性のもの)は、安定なスプレー組成物を作製するために、追加の乳化剤を必要とする場合がある。このような乳化剤は、典型的には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、若しくは双極性界面活性剤又はこれらの混合物である。典型的には、乳化剤及び界面活性剤はまた、布地上で展着剤として作用し、シリコーンポリマーのような活性成分を広げることができる。
【0025】
任意の静止摩擦増加剤、例えばシクロデキストリンを用いて、静摩擦係数を増加させるとき、少なくとも約5,000、好ましくは少なくとも約10,000、より好ましくは少なくとも約15,000、最も好ましくは少なくとも約20,000である、より高分子量のシリコーンポリエーテルを用いることが好ましい。溶媒、例えばエタノールの濃度は、少なくとも約4重量%、好ましくは少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約7重量%、最も好ましくは少なくとも約9重量%に上昇させることができる。
【0026】
本発明の別の実施形態は、0%〜約3%の、エタノールを含む揮発性溶媒を有する、低溶媒組成物である。これらの低揮発性溶媒組成物は、組成物の使用方法が乾燥機(machine dryer)に添加するためのものである場合、特に望ましい可能性がある。
【0027】
色回復に加えて、シリコーンポリエーテルはまた、布地に、静電気防止効果、潤滑性、改善された平滑さ、毛玉のような布地の傷みの低減及び柔軟な感触のような他の効果を提供することもできる。
【0028】
シリコーンポリエーテルの調製は、当該技術分野において周知である。本発明で用いるのに好適なシリコーンポリエーテルは、米国特許第3,299,112号に記載の手順に従って調製することができる。典型的には、本発明で用いるのに好適なシリコーンポリエーテルは、ヒドロシロキサン(すなわち、ケイ素結合水素を含有するシロキサン)とアルケニルエーテル(例えば、アルコキシ又はヒドロキシル末端ブロック化ポリアルキレンオキシドのビニル、アリル又はメタリルエーテル)との付加反応により容易に調製される。この種の付加反応で使用される反応条件は、当該技術分野において周知であり、一般に、白金触媒(例えば、塩化白金酸)及び溶媒(例えば、トルエン)の存在下で、反応物質を加熱することを含む(例えば、約85℃〜110℃の温度で)。
【0029】
本明細書に記載されている組成物の色回復剤として有用な他の非限定的なシリコーン化合物及びエマルションとしては、非硬化性シリコーン(例えば、揮発性シリコーン、シリコーンオイル及びポリジメチルシリコーンであるが、これらに限定されない)及び硬化性シリコーン(例えば、アミノシリコーン、フェニルシリコーン及びヒドロキシシリコーンであるが、これらに限定されない)が挙げられる。本発明では、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能な346エマルション(Emulsion)、347エマルション及びHV−490のようなシリコーンオイルを含むシリコーンエマルションも有用である。特に、好ましいシリコーンオイルはジメチルシロキサンシリコーンであり、より好ましくは揮発性ジメチルシロキサンである。
【0030】
好ましいシリコーンは、布地に適用されたとき、又は、ヒトの皮膚に接触したとき、刺激性でも、毒性でも、その他の点で有害でもなく、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定である。
【0031】
本明細書に記載されている組成物が、消費者の家庭環境でスプレーディスペンサーから分配されるとき、シリコーンポリエーテル又はポリジメチルシリコーンのような非硬化性シリコーンが好ましい。
【0032】
別の有用な色回復シリコーンは、式[(CH3)2SiO](式中、nは約3〜約7の範囲であり、好ましくは約5である)の環状流体、又は、式(CH3)3SiO[(CH3)2SiO](式中、mは0以上であることができ、25℃でシリコーン流体の粘度が好ましくは1秒当たり約1.5E−5平方メートル(m/s)(5センチストークス(cSt))以下であるような平均値を有する)を有する直鎖シリコーンポリマー流体であってよい、揮発性シリコーン流体である。
【0033】
本発明の組成物で有用な不揮発性シリコーンは、ポリアルキル及び/又はフェニルシリコーン流体並びに以下の構造:
A−Si(R)−O−Si(R)−O−]−Si(R)−A
を有するゴムである。
【0034】
シロキサン鎖(R)又はシロキサン鎖の末端(A)で置換されたアルキル基は、得られるシリコーンが室温で流体のままである限り、いかなる構造でも有することができる。
【0035】
各R基は、好ましくは、アルキル、アリール、ヒドロキシ又はヒドロキシアルキル基及びこれらの混合物であってよく、より好ましくは、各Rは、メチル、エチル、プロピル又はフェニル基であり、最も好ましくはRはメチルである。シリコーン鎖の末端をブロックする各A基は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシル、プロポキシ及びアリールオキシ基であってよく、好ましくはメチルである。好適なA基としては、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシル及びプロポキシが挙げられる。Qは好ましくは約7〜約8,000の整数である。好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンであり、より好ましいシリコーンは、25℃で1秒当たり約5E−5〜約1m(50〜約1,000,000センチストークス)の粘度を有するポリジメチルシロキサンである。揮発性シリコーン及び不揮発性ポリジメチルシロキサンの混合物もまた好ましい。好適な例としては、ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)により、商品名200流体(Fluid)及び245流体として提供されているシリコーン、並びに、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)から商品名SF1173、SF1202、SF1204、SF96及びビスカシル(Viscasil)(登録商標)として提供されているシリコーンが挙げられる。
【0036】
他の有用であるが、シリコーンポリエーテル又はポリジメチルシロキサンほど好ましくないシリコーン材料としては、式:
HO−[Si(CH−O]−{Si(OH)[(CH−NH−(CH−NH]O}−H
の材料が挙げられる。
【0037】
式中、x及びyは、好ましくは25℃で約0.01m/s(10,000cSt)〜約0.5m/s(500,000cSt)の粘度を有する、シリコーンの分子量に依存する整数である。この材料はまた、「アモジメチコン」としても既知である。多数、例えば約0.5ミリモル当量を超える数のアミン基を有するシリコーンを使用することができるが、それらは布地の黄変を引き起こす可能性があるため好ましくない。
【0038】
同様に、使用できるシリコーン材料は式:
(R3−a−Si−(−OSiG−(OsiG(R2−b−O−SiG3−a(R
(式中、Gは、水素、フェニル、OH、及び/又はC〜Cアルキルからなる群から選択され;aは0又は1〜3の整数を示し;bは0又は1を示し;n+mの合計は1〜約2,000の数であり;Rは式C2pL(式中、pは2〜8の整数であり、Lは
−N(R)CH−CH−N(R
−N(R
−N(R;及び
−N(R)CH−CH
(式中、各R2は、水素、フェニル、ベンジル、飽和炭化水素ラジカルからなる群から選択され、各A−は適合性アニオン、例えばハロゲン化物イオンを示す)からなる群から選択される)の一価ラジカルである)、及び
−N(CH−Z−[Si(CHO]−Si(CH−Z−N(CH−R・2CHCOO
(式中、
Z=−CH−CH(OH)−CHO−CH−であり、
は、長鎖アルキル基を示し、
fは少なくとも約2の整数を示す)に対応する。
【0039】
本明細書中の式において、それぞれの定義は個々に適用され、平均が含まれる。
【0040】
用いることができるが、シリコーンポリエーテル又はポリジメチルシロキサン(PDMS)ほど好ましくない、別のシリコーン材料は、式:
(CHSi−[O−Si(CH−{OSi(CH)[(CH−NH−(CH−NH]}−OSi(CH
(式中、n及びmは上記と同様である)を有する。この種の好ましいシリコーンは、布地の変色を引き起こさないものである。
【0041】
フェニルシリコーンも同様に用いることができ、また、特に色回復組成物中でシリコーンが10%を超える程の高濃度であることが望ましい場合、他のシリコーンポリマーと併用することができる。
【0042】
1種の組成物で種々の特性を達成するために、シリコーンの混合物もまた好ましい。また、本発明のいくつかの態様では、シリコーンの混合物が極めて有用である。例えば、PDMSのようなシリコーンオイルを用いるとき、これらは乳化することが非常に困難である場合がある。シリコーンポリエーテルは、シリコーンオイルを可溶化する効果的な手段を提供する。
【0043】
任意成分
静止摩擦増加剤
上述のように、好ましくは少なくとも約1.75重量%のシリコーンポリマーを含有する、本明細書に記載されている組成物は、硬化したとき及び/又は床表面に固着したとき、床を危険で滑りやすくする場合がある。それ故、滑りやすい床の危険性を低減する又は排除するために、1種以上の静摩擦係数増加剤を含有することが好ましいが、必須ではない。好ましくは、本明細書に記載されている組成物は、硬化した、乾燥組成物が、COF試験法を用いて、少なくとも約0.4、好ましくは少なくとも約0.5の静摩擦係数を有するように、有効な量の静止摩擦増加剤を含有する。代表的な滑り防止剤としては、多糖;デンプン;デンプン誘導体;糖;糖誘導体;ポリアクリレート;シクロデキストリン;並びにレシチン及び米国特許第5,356,466号に開示されているその誘導体;又は前述のいずれかの混合物が挙げられる。好ましい滑り防止剤は、シクロデキストリン、多糖及びポリアクリレートである。最も好ましい滑り防止剤は、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンである。任意の滑り防止剤は、組成物の約0.1重量%〜約5.0重量%、好ましくは約1重量%〜約4重量%、より好ましくは約1.5重量%〜約3重量%の量で、組成物中に組み込まれる。好ましくは、本明細書に記載されている好ましい組成物に含まれる、静止摩擦増加剤の最小濃度は、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.9重量%、好ましくは少なくとも約1.0重量%である。シリコーンポリマーと、滑り防止剤又は滑り防止剤の混合物との重量比は、約1.5〜約5、好ましくは約2〜約4.5である。
【0044】
界面活性剤
界面活性剤は、任意であるが、極めて好ましい本発明の成分である。界面活性剤は、シリコーン及び/又は特定の比較的非水溶性である保形ポリマーのような色回復剤の分散及び/又は可溶化を促進するため、並びに、活性物質の布地上での展着を改善するために、組成物中で特に有用である。界面活性剤は、保形ポリマーにいくらかの可塑化効果を提供し、より可撓性であるポリマーネットワークを生じさせることができる。界面活性剤は、組成物を、ポリエステル及びナイロンの布地のような疎水性表面上に、容易にかつより均一に展着させられる、低表面張力を提供することができる。組成物の噴霧特性を強化して、組成物をより均等に分配するために、及び、噴霧装置の目詰まりを防ぐために、組成物がスプレーディスペンサー中で用いられるとき、このような界面活性剤が含まれることが好ましい。組成物の展着はまた、処理された材料をすぐに使用可能であるように、組成物を素早く乾燥させることもできる。濃縮組成物では、界面活性剤は、濃縮水性組成物中の抗微生物活性物質及び香料のような多くの活性物質の分散を促進する。本発明において有用である好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられる。界面活性剤を本発明の組成物中で用いるとき、それは本明細書に記載されている1つ以上の効果を提供するために有効な量、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.05重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約1重量%で添加される。
【0045】
好ましい種類の界面活性剤は、エチレンオキシドと、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アミンなどとの付加生成物のような、エトキシ化界面活性剤である。所望により、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの混合物と、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アミンとの付加生成物を用いることができる。エトキシ化界面活性剤としては、一般式:
−Z−(CHCHO)
を有する化合物が挙げられる。
【0046】
式中、Rは、約6〜約20個の炭素原子、好ましくは約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約15個の炭素原子を有する、一級、二級及び分枝鎖アルキルヒドロカルビル基、一級、二級及び分枝鎖アルケニルヒドロカルビル基、並びに/若しくは、一級、二級及び分枝鎖アルキル及びアルケニル置換フェノールヒドロカルビル基からなる群から選択されるアルキル基又はアルキルアリール基であり;sは約2〜約45、好ましくは約2〜約20、より好ましくは約2〜約15の整数であり;Bは水素、カルボキシレート基又はサルフェート基であり;連結基Zは、−O−、−C(O)O−、−C(O)N(R)−又は−C(O)N(R)−及びこれらの混合物(存在する場合、RはR又は水素である)である。
【0047】
本明細書の非イオン性界面活性剤は、HLB(親水性−親油性バランス)が5〜20、好ましくは6〜15であることを特徴とする。
【0048】
好ましいエトキシ化界面活性剤の非限定的な例は、
− RがC〜C18アルキル及び/又はアルケニル基、より好ましくはC10〜C14アルキル及び/又はアルケニル基であり、sが約2〜約8、好ましくは約2〜約6である、直鎖、一級アルコールエトキシレート;
− RがC〜C18アルキル及び/又はアルケニル、例えば、3−ヘキサデシル、2−オクタデシル、4−エイコサニル、及び5−エイコサニルであり、sが約2〜約10である、直鎖、二級アルコールエトキシレート;
− アルキルフェノールが、一級、二級若しくは分枝鎖配置中に3〜20個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子を含有するアルキル又はアルケニル基を有し、sが約2〜約12、好ましくは約2〜約8であるアルキルフェノールエトキシレート;
− 例えば周知の「OXO」プロセス又はその修正により入手可能である、分枝鎖一級及び二級アルコール(又はゲルベット(Guerbet)アルコール)がエトキシ化されている、分枝鎖アルコールエトキシレート;である。
【0049】
特に好ましいのは、各R8がC8〜C16直鎖及び/又は分枝鎖アルキルであり、エチレンオキシ基の数であるsが約2〜約6、好ましくは約2〜約4であるアルキルエトキシレート界面活性剤であり、より好ましくはR8がC8〜C15アルキルであり、sが約2.25〜約3.5である。これらの非イオン性界面活性剤は、HLBが約6〜約11、好ましくは約6.5〜約9.5、より好ましくは約7〜約9であることを特徴とする。市販の好ましい界面活性剤の非限定的な例は、ネオドール(Neodol)91−2.5(C9〜C10、s=2.7、HLB=8.5)、ネオドール23−3(C12〜C13、s=2.9、HLB=7.9)及びネオドール25−3(C12〜C15、s=2.8、HLB=7.5)である。非常に驚くべきことに、それ自体はそれほど水溶性ではない(これらの界面活性剤の0.1%水溶液は透明ではない)、これらの好ましい界面活性剤は、低分子量アルコールの非存在下でさえも、低濃度で、アクリル酸とtert−ブチルアクリレートとを含有するコポリマー及びシリコーン含有コポリマーのような保形ポリマーを、透明な組成物に、効率的に溶解及び/又は分散できることが見出されている。
【0050】
また好ましいのは、エトキシ化(EO5〜50)ソルビタンの脂肪酸(C12〜C18)エステルからなる群から選択される非イオン性界面活性剤である。より好ましくは、前記界面活性剤は、ソルビトール及び無水ソルビトールのラウリン酸エステルの混合物;ソルビトール及び無水ソルビトールのステアリン酸エステルの混合物;並びにソルビトール及び無水ソルビトールのオレイン酸エステルの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、前記界面活性剤は、約20モルのエチレンオキシドと縮合した、主にモノエステルからなるソルビトール及び無水ソルビトールのラウリン酸エステルの混合物であるポリソルベート20;約20モルのエチレンオキシドと縮合した、主にモノエステルからなるソルビトール及び無水ソルビトールのステアリン酸エステルの混合物であるポリソルベート60;約20モルのエチレンオキシドと縮合した、主にモノエステルからなるソルビトール及び無水ソルビトールのオレイン酸エステルの混合物であるポリソルベート80;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、前記界面活性剤はポリソルベート60である。
【0051】
好ましいエトキシ化界面活性剤の他の例としては、Rが約12〜約16個の炭素原子を有し、sが約5〜約13である、エーテルカルボキシレートとしても知られるカルボキシル化アルコールエトキシレート;PEG−5ココモニウムメトサルフェート、PEG−15塩化ココモニウム、PEG−15塩化オレアモニウム及びビス(ポリエトキシエタノール)タローアンモニウムクロリドのようなエトキシ化四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0052】
他の好適な非イオン性エトキシ化界面活性剤は、R8が約8〜約22個の炭素原子を有し、sが約3〜約30である、エチレンオキシドと疎水性アルキルアミンとの縮合から生じるエトキシ化アルキルアミンである。
【0053】
他の有用なシリコーン界面活性剤は、疎水部分、並びに、例えば、アニオン性、カチオン性及び両性基を含む、親水性イオン基を有するものである。アニオン性シリコーン界面活性剤の非限定的な例は、それぞれ米国特許第4,717,498号、同第4,960,845号、同第5,149,765号及び同第5,296,434号に開示されているような、シリコーンスルホスクシネート、シリコーンサルフェート、シリコーンホスフェート、シリコーンカルボキシレート及びこれらの混合物である。カチオン性シリコーン界面活性剤の非限定的な例は、それぞれ米国特許第5,098,979号、同第5,135,294号及び同第5,196,499号に開示されているような、シリコーンアルキルクァット(四級アンモニウム(ammoniurns))、シリコーンアミドクァット、シリコーンイミダゾリンクァット及びこれらの混合物である。両性シリコーン界面活性剤の非限定的な例は、それぞれ米国特許第4,654,161号、同第5,073,619号及び同第5,237,035号に開示されているような、シリコーンベタイン、シリコーンアミノプロピオネート、シリコーンホスホベタイン及びこれらの混合物である。
【0054】
シクロデキストリン適合性界面活性剤
任意のシクロデキストリンが存在するとき、本発明の組成物に必要な低表面張力を提供するために用いる界面活性剤は、シクロデキストリン適合性であるべきである、すなわち、シクロデキストリンが存在するとき、シクロデキストリン及び/又は界面活性剤の性能を低下させるようなシクロデキストリンとの錯体形成を実質的にするべきではない。錯体形成は、シクロデキストリンの匂いを吸収する能力及び界面活性剤の水性組成物の表面張力を低下させる能力の両方を低下させる。
【0055】
好適なシクロデキストリン適合性界面活性剤は、界面活性剤により提供される表面張力に対して、シクロデキストリンの影響が存在しないことにより、容易に特定することができる。これは、溶液中における約1%の特定のシクロデキストリンの存在下及び非存在下で、界面活性剤の水溶液の表面張力(kPa(ダイン/cm))を測定することにより達成される。水溶液は、約0.5%、0.1%、0.01%及び0.005%の濃度で界面活性剤を含有する。シクロデキストリンは、界面活性剤溶液の表面張力を上昇させることにより、界面活性剤の界面活性に影響を及ぼすことができる。水中の所与の濃度における表面張力が、シクロデキストリンの1%溶液中の同じ界面活性剤の表面張力と約10%超異なる場合、それは、界面活性剤とシクロデキストリンとの間の強力な相互作用の指標である。本明細書で好ましい界面活性剤は、1%のシクロデキストリンを含有する同じ濃度の溶液と、約10%未満、好ましくは約5%未満、より好ましくは約1%未満だけしか違わない(低い)、水溶液中の表面張力を有するべきである。
【0056】
シクロデキストリン適合性非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーが挙げられる。大部分のシクロデキストリンと適合性である、好適なブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー界面活性剤としては、最初の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。C12〜C18脂肪族アルコールのような、最初の化合物と1個の反応性水素原子との、連続して起こるエトキシ化及びプロポキシ化から作製されるポリマー化合物は、一般にシクロデキストリンと適合性ではない。BASF−ワイアンドット社(BASF-Wyandotte Corp.)(ミシガン州ワイアンドット(Wyandotte))により、プルロニック(Pluronic)(登録商標)及びテトロニック(Tetronic)(登録商標)と命名された、特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、容易に入手可能である。
【0057】
この種のシクロデキストリン適合性界面活性剤の非限定的な例としては、
一般式H(EO)(PO)(EO)H(式中、EOはエチレンオキシド基であり、POはプロピレンオキシド基であり、n及びmは界面活性剤中の基の平均数を示す)を有するプルロニック界面活性剤が挙げられる。シクロデキストリン適合性プルロニック界面活性剤の典型的な例は:
【表4】

及びこれらの混合物である。
【0058】
テトロニック界面活性剤は一般式:
[H(EO)(PO)NCHCHN[(PO)(EO)H]
(式中、EO、PO、n及びmは上記と同じ意味を有する)を有する。シクロデキストリン適合性テトロニック界面活性剤の典型的な例は、
【表5】

及びこれらの混合物である。
【0059】
「リバース(Reverse)」プルロニック及びテトロニック界面活性剤は、以下の一般式:
リバースプルロニック界面活性剤
H(PO)(EO)(PO)
リバーステトロニック界面活性剤
[H(PO)(EO)NCHCHN[(EO)(PO)H]
(式中、EO、PO、n及びmは上記と同じ意味を有する)を有する。シクロデキストリン適合性リバースプルロニック及びリバーステトロニック界面活性剤の典型的な例は、
【表6】

【表7】

及びこれらの混合物である。
【0060】
シクロデキストリン適合性非イオン性界面活性剤の好ましい部類は、上記のようなポリアルキレンオキシドポリシロキサンである。
【0061】
シクロデキストリン適合性アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、一般式:
【化1】

(式中、Rはアルキル基である)を有する、アルキルジフェニル(alkyidiphenyl)オキシドジスルホネートである。この種の界面活性剤の例は、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)から、商品名ダウファックス(Dowfax)(登録商標)(式中、Rは直鎖又は分枝鎖C〜C16アルキル基である)として入手可能である。これらのシクロデキストリン適合性アニオン性界面活性剤の例は、Rがおよそ直鎖C10基であるダウファックス(Dowfax)3B2である。これらのアニオン性界面活性剤は、抗微生物活性物質又は防腐剤などがカチオン性であるとき、界面活性剤と活性物質の両方の効果が低下するので、カチオン性活性物質との相互作用を低減するために、用いないことが好ましい。
【0062】
上記界面活性剤は、シクロデキストリンと弱く相互作用する(表面張力の上昇が5%未満)又は相互作用しない(表面張力の上昇が1%未満)。ドデシル硫酸ナトリウム及びドデカノールポリ(6)エトキシレートのような標準的な界面活性剤は、強く相互作用し、ヒドロキシプロピル−βシクロデキストリン及びメチル化β−シクロデキストリンのような典型的なシクロデキストリンの存在下で、表面張力の上昇が10%を超える。
【0063】
本発明の組成物中のシクロデキストリン適合性界面活性剤の典型的な濃度は、組成物の約0.01重量%〜約2重量%、好ましくは約0.03重量%〜約0.6重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約0.3重量%である。濃縮組成物中のシクロデキストリン適合性界面活性剤の典型的な濃度は、濃縮組成物の約0.1重量%〜約8重量%、好ましくは約0.2重量%〜約4重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約3重量%である。
【0064】
任意の匂い抑制剤
匂いを抑制するための組成物は、米国特許第5,534,165号、同第5,578,563号、同第5,663,134号、同第5,668,097号、同第5,670,475号及び同第5,714,137号に開示されている種類のものである。このような組成物は、アミンの匂いを抑制することができる、上記ポリマーに加えて、数種の異なる任意の匂い抑制剤を含有することができる。
【0065】
シクロデキストリン
本明細書で使用するとき、「シクロデキストリン」という用語は、6〜12個のグルコース単位を含有する非置換型シクロデキストリン、特に、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及び/若しくはこれらの誘導体並びに/又はこれらの混合物のような既知のシクロデキストリンのいずれかを含む。α−シクロデキストリンは、6個のグルコース単位からなり、β−シクロデキストリンは、7個のグルコース単位からなり、γ−シクロデキストリンは、ドーナツ状の環に配置される8個のグルコース単位からなる。グルコース単位の特定のカップリング及び高次構造は、シクロデキストリンに特定の体積の中空内部を有する剛性、円錐分子構造を与える。空洞の独特の形状及び空洞の物理的−化学的性質により、シクロデキストリン分子は、空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収する(包接錯体を形成する)ことが可能になる。多くの悪臭分子及び香料分子などの、多くの匂い分子が空洞に収まることができる。したがって、シクロデキストリン及び特に異なる大きさの空洞を有するシクロデキストリンの混合物を用いて、反応性官能基を含有し得る、広域スペクトルの、匂いを発生する有機物質に起因する匂いを抑制することができる。シクロデキストリンと匂い分子との間の錯体化は、水の存在下で容易に生じる。しかしながら、錯体形成の程度は、吸収される分子の極性にも依存する。水溶液では、親水性の高い分子(極めて水溶性であるもの)は、仮に吸収されたとしても、一部しか吸収されない。したがって、シクロデキストリンは、濡れた布地上に低濃度で存在するとき、数種の非常に低分子量である有機アミン及び酸とは効率よく錯体を形成しない。しかしながら、水を除去したとき、例えば布地を完全に乾燥させたとき、数種の低分子量有機アミン及び酸は、より高い親和性を有し、より容易にシクロデキストリンと錯体を形成する。
【0066】
本明細書に記載されている溶液組成物中のシクロデキストリン内の空洞は、溶液を表面に適用するとき、シクロデキストリンが種々の匂い分子を吸収できるように、溶液中では本質的に空である(シクロデキストリンが錯体化しないまま残っている)べきである。誘導体化されていない(標準的な)β−シクロデキストリンは、室温で、その溶解限度の約1.85%(水100g中に約1.85g)以下の濃度で存在することができる。β−シクロデキストリンは、その溶解限度より高いシクロデキストリン濃度を必要とする組成物中では好ましくない。非誘導体化β−シクロデキストリンは、誘導体化シクロデキストリンに適合する大部分の好ましい界面活性剤の界面活性に影響を及ぼすため、組成物が界面活性剤を含有する場合は一般に好ましくない。
【0067】
好ましくは、本明細書に記載されている組成物の匂い吸収溶液は透明である。本明細書で定義するとき、「透明(clear)」という用語は、透き通っている(transparent)又は半透明であることを意味し、好ましくは約10cm未満の厚さを有する層を通して観察するとき「無色透明(water clear)」であるように透き通っている。
【0068】
好ましくは、色回復組成物で用いられるシクロデキストリンはいずれも、α−シクロデキストリン及び/若しくはその誘導体、γ−シクロデキストリン及び/若しくはその誘導体、誘導体化β−シクロデキストリン並びに/又はこれらの混合物のように、極めて水溶性である。シクロデキストリンの誘導体は、主に、一部のOH基がOR基に変換されている分子からなる。シクロデキストリン誘導体としては、例えば、メチル化シクロデキストリン及びエチル化シクロデキストリン(式中、Rはメチル又はエチル基である)のような、短鎖アルキル基を有するもの;ヒドロキシプロピルシクロデキストリン及び/又はヒドロキシエチルシクロデキストリン(式中、Rは−CH7−CH(OH)−CH3又はCH2CH2−OH基である)のような、ヒドロキシアルキル置換基を有するもの;マルトース結合シクロデキストリンのような分枝鎖シクロデキストリン;2−ヒドロキシ−3−(ジメチルアミノ)プロピルエーテル(式中、Rは、低pHでカチオン性である、CH2−CH(OH)−CH2−N(CH3)2である)を含有するもののようなカチオン性シクロデキストリン;四級アンモニウム、例えば、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルクロリド基(式中、RはCH2−CH(OH)−CH2−N+(CH3)3Cl−である);カルボキシメチルシクロデキストリン、シクロデキストリンサルフェート及びシクロデキストリンスクシニレートのようなアニオン性シクロデキストリン;カルボキシメチル/四級アンモニウムシクロデキストリンのような両性シクロデキストリン;少なくとも1個のグルコピラノース単位が3−6−アンヒドロ−シクロマルト(cyciomalto)構造を有するシクロデキストリン、例えば、F.ダイダイニ−ピラード(Diedaini-Pilard)及びB.パーリー(Perly)「最低限の化学修飾を施したシクロデキストリンの最適性能(Optimal Performances with Minimal Chemical Modification of Cyclodextrins)」(「第7回国際シクロデキストリンシンポジウム要旨集(The 7th International Cyclodextrin Symposium Abstracts)」1994年4月、49頁)に開示されているようなモノ−3−6−アンヒドロシクロデキストリン;並びにこれらの混合物が挙げられる。他のシクロデキストリン誘導体は、米国特許第3,426,011号(パーメーター(Parmerter)ら、1969年2月4日発行);同第3,453,257号、同第3,453,258号、同第3,453,259号、及び同第3,453,260号(全てパーメーターら、全て1969年7月1日発行);同第3,459,731号(グラメラ(Gramera)ら、1969年8月5日発行);同第3,553,191号(パーメーターら、1971年1月5日発行);同第3,565,887号(パーメーターら、1971年2月23日発行);同第4,535,152号(セユトリ(Szejtli)ら、1985年8月13日発行);同第4,616,008号(ヒライ(Hirai)ら、1986年10月7日発行);同第4,678,598号(オギノ(Ogino)ら、1987年7月7日発行);同第4,638,058号(ブランド(Brandt)ら、1987年1月20日発行);並びに同第4,746,734号(ツチヤマ(Tsuchiyama)ら、1988年5月24日発行)に開示されている。
【0069】
極めて水溶性であるシクロデキストリンは、室温で100mLの水に少なくとも約10g、好ましくは100mLの水に少なくとも約20g、より好ましくは室温で100mLの水に少なくとも約25gの水溶性を有するものである。可溶化された、非錯体化型シクロデキストリンの能力は、有効かつ効率的な匂い抑制性能に必須である。可溶化、水溶性シクロデキストリンは、表面、特に布地上に配置されるとき、非水溶性シクロデキストリンより効率的な匂い抑制性能を示すことができる。
【0070】
本明細書に用いるのに好適な好ましい水溶性のシクロデキストリン誘導体の例は、ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリン、メチル化α−シクロデキストリン、メチル化β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンである。シクロデキストリン当たりのOR基の総数を置換度として定義するとき、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン誘導体は、好ましくは、約1〜約14、より好ましくは約1.5〜約7の置換度を有する。メチル化シクロデキストリン誘導体は、典型的には、約1〜約18、好ましくは約3〜約16の置換度を有する。既知のメチル化β−シクロデキストリンは、各グルコース単位が約14の置換度の約2個のメチル基を有する、一般にDIMEBとして知られる、へプタキス−2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンである。より多く市販されている好ましいメチル化β−シクロデキストリンは、通常約12.6の異なる置換度を有する、一般にRAMEBとして知られる、ランダムにメチル化されたβ−シクロデキストリンである。DIMEBは、好ましい界面活性剤の界面活性にRAMEBよりも大きな影響を及ぼすため、RAMEBがDIMEBよりも好ましい。好ましいシクロデキストリンは、例えば、セレスターUSA社(Cerestar USA, Inc.)及びワッカー・ケミカル(USA)社(Wacker Chemicals (USA), Inc.)から入手可能である。
【0071】
シクロデキストリンの混合物を使用することも好ましい。このような混合物は、広範な分子サイズを有する広範な、匂いを発する分子と錯体化することにより、より広範な匂いを吸収する。好ましくは、シクロデキストリンの少なくとも一部は、α−シクロデキストリン及びその誘導体、γ−シクロデキストリン及びその誘導体、並びに/又は誘導体化β−シクロデキストリンであり、より好ましくはα−シクロデキストリン又はα−シクロデキストリン誘導体と、誘導体化β−シクロデキストリンとの混合物であり、更により好ましくは誘導体化α−シクロデキストリンnと誘導体化β−シクロデキストリンとの混合物であり、最も好ましくはヒドロキシプロピルα−シクロデキストリンとヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンとの混合物及び/又はメチル化α−シクロデキストリンとメチル化β−シクロデキストリンとの混合物である。
【0072】
布地上の匂いを抑制するために、組成物は好ましくはスプレーとして用いられる。本発明の使用組成物は、通常の使用濃度で布地上に目に見える染みが現れないように、低濃度のシクロデキストリンを含有することが好ましい。好ましくは、使用条件下で表面を処理するために用いられる溶液は、乾燥したとき実質上認識不可能である。使用条件での使用組成物中のシクロデキストリンの典型的な濃度は、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約4重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約2重量%である。より高濃度である組成物は、溶液が布地から蒸発すると、布地上に許容できないほどの目に見える染みが残る場合がある。これは、薄い、有色の合成繊維で特に問題であり、布地の染みの発生を避ける又は最小限に抑えるために、布地1g当たりシクロデキストリン約5mg未満の濃度で布地を処理することが好ましく、より好ましくは布地1g当たり約2mg未満の濃度で布地を処理する。界面活性剤の存在は、局部的な斑点を最小限に抑えることにより、外観を向上させることができる。
【0073】
濃縮組成物はまた、より安価な製品を供給するために用いることもできる。濃縮製品を使用するとき、すなわち、用いられるシクロデキストリン濃度が濃縮組成物の約3重量%〜約20重量%、より好ましくは約5重量%〜約10重量%であるとき、染みができるのを避けるために、布地を処理する前に濃縮組成物を希釈することが好ましい。好ましくは、濃縮シクロデキストリン組成物を、濃縮組成物の約50重量%〜約6000重量%、より好ましくは約75重量%〜約2000重量%、最も好ましくは約100重量%〜約1000重量%の水で希釈する。得られる希釈された組成物は、以上で論じたようなシクロデキストリンの使用濃度、例えば、希釈された組成物の約0.1重量%〜約5重量%を有する。
【0074】
低分子量ポリオール
エチレングリコール、プロピレングリコール及び/又はグリセロールのような、水に比べて比較的高い沸点を有する低分子量ポリオールは、シクロデキストリンが存在するとき、本発明の組成物の匂い抑制性能を向上させるために好ましい任意成分である。理論に束縛されるものではないが、少量の低分子量グリコールを本発明の組成物に組み込むことにより、布地を乾燥させるとき、シクロデキストリン包接錯体の形成が促進されると考えられる。
【0075】
ポリオールが水より長期間布地上に留まることができることにより、布地が乾燥するときに、シクロデキストリンといくらかの悪臭分子とが三元錯体を形成することが可能になると考えられている。グリコールの添加は、比較的サイズの小さな一部の悪臭分子によって埋めることのできないシクロデキストリンの空洞内の空間を埋めると考えられている。好ましくは、用いられるグリコールは、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール又はこれらの混合物であり、より好ましくはエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールである。ある程度のこのようなポリオールが生じるプロセスにより調製されたシクロデキストリンが極めて望ましく、それはポリオールを除去することなく用いることができるためである。
【0076】
このようなポリオール、例えば、ジプロピレングリコールはまた、本発明の組成物中の一部の香料成分の可溶化を促進するのにも有用である。
【0077】
典型的には、グリコールは、本発明の組成物に、組成物の約0.01重量%〜約3重量%、好ましくは約0.05重量%〜約1重量%、より好ましくは組成物の約0.1重量%〜約0.5重量%の濃度で添加される。低分子量ポリオールとシクロデキストリンとの好ましい重量比は、約2:1,000〜20:100、より好ましくは約3:1,000〜約15:100、更により好ましくは約5:1,000〜約10:100、最も好ましくは約1:100〜約7:100である。
【0078】
金属塩
所望により、しかし極めて好ましくは、本発明は、シクロデキストリンが存在するとき、シクロデキストリン溶液の匂い吸収及び/又は抗微生物効果を付加するために、金属塩を含んでもよい。金属塩は、銅塩、亜鉛塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0079】
銅塩は多少の抗微生物効果を有する。特に、アビエチン酸第二銅は殺真菌剤として作用し、酢酸銅は白カビ阻害物質として作用し、塩化第二銅は殺真菌剤として作用し、乳酸銅は殺真菌剤として作用し、硫酸銅は殺菌剤として作用する。銅塩はまた、多少の悪臭抑制能も有する。銅塩及び亜鉛塩が挙げられる、アシルアセトンの少なくとも僅かに水溶性である塩を含む、使い捨て物品を処理するための脱臭組成物を開示する、米国特許第3,172,817号(ロイポルト(Leupold)ら)を参照のこと。
【0080】
好ましい亜鉛塩は悪臭抑制能を有する。亜鉛は、米国特許第4,325,939号(1982年4月20日発行)及び同第4,469,674号(1983年9月4日発行、N.B.シャー(Shah)ら)に開示されているように、例えばうがい薬製品中で、悪臭を改善する能力のために、最も頻繁に用いられている。塩化亜鉛のような、高度にイオン化し、可溶性である亜鉛塩は、最良の亜鉛イオン源を提供する。ホウ酸亜鉛は静真菌剤及び白カビ阻害物質として機能し、カプリル酸亜鉛は殺真菌剤として機能し、塩化亜鉛は消毒及び脱臭効果を提供し、リシノール酸亜鉛は殺真菌剤及び匂い抑制剤として機能し、硫酸亜鉛七水和物は殺真菌剤として機能し、ウンデシレン酸亜鉛は静真菌剤として機能する。
【0081】
好ましくは、金属塩は水溶性亜鉛塩、銅塩又はこれらの混合物であり、より好ましくは亜鉛塩、特にZnCl2である。これらの塩は、好ましくは本発明中に存在して、主に、シクロデキストリン分子と効率的に錯体化するには小さすぎる分子サイズを有するアミン及びイオウ含有化合物を吸着する。低分子量イオウ含有物質、例えば、硫化物及びメルカプタンは、多くの種類の悪臭、例えば食品臭(ニンニク、タマネギ)、体臭/発汗臭、口臭などの成分である。低分子量アミンもまた、多くの悪臭、例えば食品臭、体臭、尿などの成分である。
【0082】
金属塩を本発明の組成物に添加するとき、それらは典型的には、使用組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.2重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約5重量%の濃度で存在する。亜鉛塩を金属塩として用い、かつ、透明な溶液が所望されるとき、溶液のpHは、溶液を透明に保つために、約7未満、より好ましくは約6未満、最も好ましくは約5未満に調節することが好ましい。
【0083】
可溶性炭酸塩及び/又は重炭酸塩
重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム及びこれらの混合物のような水溶性アルカリ金属炭酸塩及び/又は重炭酸塩を、特定の酸性型匂いを抑制するのを助けるために、本発明の組成物に添加することができる。好ましい塩は、炭酸ナトリウム一水和物、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及びこれらの混合物である。これらの塩を本発明の組成物に添加するとき、それらは、典型的には組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.2重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約2重量%の濃度で存在する。これらの塩を本発明の組成物に添加するとき、不適合な金属塩が本発明中に存在しないことが好ましい。好ましくは、これらの塩を用いるとき、組成物は、非水溶性塩を形成する、亜鉛と、例えば、Ca、Fe、Baなどの他の不適合金属イオンを本質的に含むべきではない。
【0084】
酵素
酵素を用いて、特定の種類の悪臭、特に尿及び吐瀉物を含む他の種類の排泄物由来の悪臭を抑制することができる。プロテアーゼが特に望ましい。市販の酵素の活性は、検討されている酵素の種類及び純度に大きく依存する。ペプシン、トリプシン、フィシン、ブロメリン、パパイン、レンニン及びこれらの混合物のような水溶性プロテアーゼである酵素が特に有用である。
【0085】
酵素は、通常、水性組成物1g当たりの重量で、約5mg以下、好ましくは約0.001mg〜約3mg、より好ましくは約0.002mg〜約1mgの活性酵素を提供するのに十分な濃度で組み込まれる。別の言い方をすれば、本明細書の水性組成物は、約0.0001重量%〜約0.5重量%、好ましくは約0.001重量%〜約0.3重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約0.2重量%の市販の酵素製剤を含むことができる。プロテアーゼ酵素は、通常そのような市販製剤中に、水性組成物1g当たり0.0005〜0.1アンソン単位(AU)の活性をもたらすのに十分な濃度で存在する。
【0086】
好適な、市販の水溶性プロテアーゼの非限定的な例は、ペプシン、トリプシン、フィシン、ブロメリン、パパイン、レンニン及びこれらの混合物である。パパインは、例えばパパイヤラテックスから単離することができ、約80%タンパク質又はより未精製である、非常に活性の低い工業銘柄の精製形で市販されている。他のプロテアーゼの好適な例は、枯草菌(B.subtilis)及びバチルス・リケニホルミス(B.licheniforms)の特定の株から得られるサブチリシンである。別の好適なプロテアーゼは、ノボ・インダストリーズ社(Novo Industries A/S)によって開発され、登録商標エスペラーゼ(ESPERASE)(登録商標)として販売されている、pH8〜12の範囲にわたり最大活性を有する(flaying)バチルス(Bacillus)株から得られる。この酵素及び類似の酵素の調製は、英国特許明細書第1,243,784号(No. I ,243,784)(ノボ(Novo))に記載されている。市販の、タンパク質系の染みを取り除くのに好適なタンパク質分解酵素としては、ノボ・インダストリーズ社(Novo Industries A/S)(デンマーク)により商品名アルカラーゼ(ALCALASE)(登録商標)及びサビナーゼ(SAVINASE)(登録商標)として販売されているもの、並びに、インターナショナル・バイオシンセティック社(International Bio-Synthetics, Inc.)(オランダ)により商品名マクサターゼ(MAXATASE)(登録商標)として販売されているものが挙げられる。他のプロテアーゼとしては、プロテアーゼA(欧州特許出願第130,756号(1985年1月9日公開)を参照のこと);プロテアーゼB(欧州特許出願シリアル番号第87303761.8号(1987年4月28日出願)及び欧州特許出願第130,756号(ボット(Bott)ら、1985年1月9日公開)を参照のこと);並びにカルドウェル(Caldwell)らによる米国特許第5,185,258号、同第5,204,015号及び同第5,244,791号のうちの1つ以上に従って、ジェネンコア・インターナショナル社(Genencor International, Inc.)により製造されているプロテアーゼが挙げられる。
【0087】
広範な酵素物質及びそれらを液体組成物へ組み込むための手段もまた、米国特許第3,553,139号(マッカーティ(McCarty)ら、1971年1月5日発行)に開示されている。酵素は、米国特許第4,101,457号(プレース(Place)ら、1978年7月18日発行)及び米国特許第4,507,219号(ヒューズ(Hughes)ら、1985年3月26日発行)に更に開示されている。液体製剤のために有用な他の酵素物質、及びそれらのこのような製剤への組み込みについては、米国特許第4,261,868号(ホラ(Hora)ら、1981年4月14日発行)に開示されている。酵素は、様々な技術、例えば、米国特許第3,600,319号(1971年8月17日発行、ゲッジ(Gedge)ら)、欧州特許出願公開第0 199 405号、欧州特許出願第86200586.5号(1986年10月29日公開、ベネガス(Venegas))及び米国特許第3,519,570号に開示及び例示されているものにより、安定化することができる。
【0088】
酵素−ポリエチレングリコール複合体もまた好ましい。このような酵素のポリエチレングリコール(PEG)誘導体では、PEG又はアルコキシ−PEG部分が、例えば二級アミン結合を通してタンパク質分子に結合される。好適な誘導体化により、免疫原性が低下し、それによりアレルギー反応を最小限に抑える一方で、多少の酵素活性を依然として維持する。プロテアーゼ−PEGの例は、二級アミン結合を通してメトキシ−PEGに結合したB.リケニホルミス(B. lichenniformis)由来のPEG−サブチリジン・カールスベルグ(Carlsberg)であり、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corp.)から入手可能である。
【0089】
香料
本明細書に記載されている色回復組成物はまた、所望により、処理された布地に爽やかな印象を与える快い匂いの形で「香気信号(scent signal)」を提供することができる。香気信号は、一過性の香料香気を提供するように設計することができる。香料を香気信号として添加するとき、それは、例えば使用組成物の約0.001重量%〜約5.0重量%、好ましくは約0.003重量%〜約3.0重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約1.0重量%という非常に低濃度でしか添加されない。好適な香料、香料成分及び香料キャリアは、米国特許第5,500,138号及び米国特許出願公開第20020035053(A1)号に記載されている。
【0090】
香料はまた、製品中及び布地上に、より強い匂いとして添加することもできる。布地の爽やかさの水準が高いことが好ましいとき、比較的高濃度の香料を添加することができる。
【0091】
いかなる種類の香料も、本発明の組成物に組み込むことができる。好ましい香料成分は、布地及び衣類に適用するための使用に好適なものである。このような好ましい成分の典型的な例は、米国特許第5,445,747号(1995年8月29日発行、クビトク(Kvietok)ら)に与えられている。
【0092】
布地上で芳香剤の匂いが長持ちすることが所望されるとき、約240℃以上、好ましくは約250℃以上の沸点を有する香料成分を少なくとも有効量で用いることが好ましい。このような好ましい成分の非限定的な例は、米国特許第5,500,138号(1996年3月19日発行、ベーコン(Bacon)ら)に与えられている。布地を本発明の皺抑制組成物で処理した後、香料成分をゆっくりと放出することができる物質を用いることも好ましい。この種の物質の例は、米国特許第5,531,910号(セバーンズ(Severns)ら、1996年7月2日発行)に与えられている。
【0093】
シクロデキストリンが存在するときに組成物中の全ての香料がシクロデキストリン分子と錯体化するとしても、シクロデキストリンが存在するときは、依然として溶液中には有効量の非錯体化シクロデキストリン分子が存在して、適切な匂い抑制を提供する濃度で、香料を添加することが必須である。あるいは、シクロデキストリンを主として滑り防止剤として色回復組成物に組み込むこともでき、この場合、香料がシクロデキストリンと錯体化するかどうか又はどの程度の量が錯体化するかは問題ではない。シクロデキストリンが存在するとき、匂い抑制用に有効量のシクロデキストリン分子を取っておくために、香料は、典型的には、約90%未満のシクロデキストリンが香料と錯体化する、好ましくは約50%未満のシクロデキストリンが香料と錯体化する、より好ましくは約30%未満のシクロデキストリンが香料と錯体化する、最も好ましくは約10%未満のシクロデキストリンが香料と錯体化するような濃度で存在する。シクロデキストリンと香料の重量比は、約8:1超、好ましくは約10:1超、より好ましくは約20:1超、更により好ましくは約40:1超、最も好ましくは約70:1超であるべきである。
【0094】
好ましくは、香料は親水性であり、主に、以下の2群の成分、つまり(a)約3.5未満、より好ましくは約3.0未満のClogPを有する親水性成分、及び(b)著しく低い検出閾値を有する成分、並びにこれらの混合物から選択される成分で構成される。典型的には、少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約60重量%、より好ましくは少なくとも約70重量%、最も好ましくは少なくとも約80重量%の香料が、上記群(a)及び(b)の香料成分で構成される。これらの好ましい香料では、シクロデキストリンと香料の重量比は、典型的には、約2:1〜約200:1、好ましくは約4:1〜約100:1、より好ましくは約6:1〜約50:1、更により好ましくは約8:1〜約30:1である。
【0095】
場合によっては、例えば、すすぎ時に添加する(rinse-added)布地柔軟仕上げ組成物に調和する香気を生じさせようとするとき、成分が約3.5を超えるClogPを有する、少なくとも数種の香料成分を用いることが好ましい。
【0096】
親水性香料成分
親水性香料成分は水に対してより可溶性であり、シクロデキストリンと錯体化する傾向が弱く、従来の香料成分よりも匂い吸収組成物中でより利用しやすい。香料成分の疎水性の程度は、そのオクタノール/水分配係数Pと相関することができる。香料成分のオクタノール/水分配係数は、オクタノール中の平衡濃度と水中の平衡濃度の比である。より大きな分配係数Pを有する香料成分は、より疎水性であると考えられる。逆に、より小さな分配係数Pを有する香料成分は、より親水性であると考えられる。香料成分の分配係数は通常高い値を有するため、それらは10を底とするそれらの対数、logPの形でより便利に表される。したがって、本発明の好ましい香料の親水性香料成分は、約3.5以下、好ましくは約3.0以下のlogPを有する。
【0097】
多くの香料成分のlogPが報告されてきており、例えば、カリフォルニア州アーヴァイン(Irvine)のデイライト・ケミカル・インフォメーション・システムズ社(Daylight Chemical Information Systems,Inc.)(デイライトCTS(Daylight CTS))から入手可能なポモナ92データベース(Pomona92 database)には、元の文献の引用と共に多くのものが入れられている。ただし、logP値は、デイライトCIS(Daylight CIS)からも入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便利に計算される。このプログラムはまた、それらがポモナ92(Pomona92)データベースにおいて入手可能な場合には、logPの実験値も収載している。「logPの計算値」(ClogP値)は、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)のフラグメント手法により求められる(参照することにより本明細書に組み込まれる、A.レオ(A. Leo)著、「包括的医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C. Hansch)、P.G.サメンズ(P. G. Sammens)、J.B.テイラー(J. B.Taylor)及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編、295頁、パーガモン・プレス(Pergamon Press)、1990年を参照のこと)。このフラグメント手法は、各香料成分の化学構造に基づき、そして原子の数と種類、原子の連結性、及び化学結合を考慮に入れる。この物理化学的特性のために最も信頼できかつ広く用いられている推定値であるClogP値を、本発明で有用な香料成分の選択においてlogPの実験値の代わりに用いる。
【0098】
より好ましい親水性香料成分の非限定的な例は、アリルアミルグリコレート、アリルカプロエート、アミルアセテート、アミルプロピオネート、アニスアルデヒド、アニシルアセテート、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルホルメート、ベンジルイソバレレート、ベンジルプロピオネート、βγヘキセノール、カロン、カンファーガム(camphor gum)、左旋性カルベオール、d−カルボン、左旋性カルボン、ケイ皮アルコール、酢酸シンナミル、ケイ皮アルコール、シンナミルホルメート、シンナミルプロピオネート(cinnarnyl propionate)、シス−ジャスモン、シス−3−ヘキセニルアセテート、クマリン、クミンアルコール、クミンアルデヒド、シクラールC、シクロガルバネート(cyclogalbanate)、ジヒドロオイゲノール(dihydroeuginol)、ジヒドロイソジャスモネート、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルアントラニレート、エチルベンゾエート、エチルブチレート、エチルシンナメート、エチルヘキシルケトン、エチルマルトール、エチル−2−メチルブチレート、エチルメチルフェニルグリシデート、エチルフェニルアセテート、サリチル酸エチル、エチルバニリン、オイカリプトール、オイゲノール、オイゲニルアセテート、オイゲニルホルメート、オイゲニルメチルエーテル、フェンキルアルコール、フロルアセテート(for acetate)(トリシクロデセニルアセテート)、フルクトン(fructone)、フルテン(frutene)(トリシクロデセニルプロピオネート)、ゲラニオール、ゲラニルオキシアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヒノキチオール、屈水性アルコール(hydrotropic alcohol)、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジエチルアセタール、ヒドロキシシトロネロール、インドール、イソアミルアルコール、イソシクロシトラール、イソオイゲノール、イソオイゲニルアセテート、イソメントン、イソプレギルアセテート、イソキノリン、ケオン(keone)、リグストラール(ligustral)、リナロール、リナロールオキシド、リナリルホルメート、リラール(lyral)、メントン、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、メチルアントラニレート、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルシンナメート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、メチル−N−メチルアントラニレート、メチルβナフチルケトン、メチルフェニルカルビニルアセテート、サリチル酸メチル、ネロール、ノナラクトン、オクタラクトン、オクチルアルコール、(オクタノール−2)、パラ−アニスアルデヒド、パラクレゾール、パラ−クレシルメチルエーテル、パラヒドロキシフェニルブタノン、パラ−メトキシアセトフェノン、パラ−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェノキシエチルプロピオネート、フェニルアセトアルデヒド(phenyl aeetaldehyde)、フェニルアセトアルデヒドジエチルエーテル、フェニルエチルオキシアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール(phenyl ethyl dirnethyl carbinol)、プレニルアセテート、プロピルブチレート、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、テルピネオール、バニリン、ビリジン及びこれらの混合物である。
【0099】
本発明の香料組成物で用いることができる他の好ましい親水性香料成分の非限定的な例は、アリルヘプトエート(ailyl heptoate)、アミルベンゾエート、アネトール、ベンゾフェノン、カルバクロール(canvacrol)、シトラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、シクロヘキシルエチルアセテート(cyciohexyl ethyl acetate)、サイマール、4−デセナール、ジヒドロイソジャスモネート、ジヒドロミルセノール、エチルメチルフェニルグリシデート、フェンキルアセテート、フロルヒドラル、γ−ノナラクトン、ゲラニルホルメート、ゲラニルニトリル、ヘキセニルイソブチレート、α−イオノン、イソボミルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソノニルアルコール、イソメントール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、リナリルアセテート、2−メトキシナフタレン、メンチルアセテート、メチルカビコール、ムスクケトン、βナフトールメチルエーテル、ネラール、ノニルアルデヒド、フェニルヘプタノール、フェニルヘキサノール、テルピニルアセテート、ベラトロール、ヤラヤラ及びこれらの混合物である。
【0100】
本発明で用いられる好ましい香料組成物は、少なくとも4種の異なる親水性香料成分、好ましくは少なくとも5種の異なる親水性香料成分、より好ましくは少なくとも6種の異なる親水性香料成分、更により好ましくは少なくとも7種の異なる親水性香料成分を含有する。天然原材料由来の最も一般的な香料成分は、複数の成分で構成される。このような各物質が本発明の好ましい香料組成物の配合で使用されるとき、それは、本発明を定義する目的のために、単一成分として数えられる。
【0101】
低い匂い検出閾値の香料成分
匂い物質の匂い検出閾値とは、匂いとして検知可能な物質の最も低い蒸気濃度である。匂い検出閾値及びいくつかの匂い検出閾値の値については、例えば、「標準化された、ヒトの嗅覚の閾値(Standardized Human Olfactory Thresholds)」(M.デボス(M. Devos)ら、オックスフォード大学出版IRLプレス(IRL Press at Oxford University Press)、1990年)及び「匂い及び味覚閾値の値のデータ集(Compilation of Odor and Taste Threshold Values Data)」(F.A.ファザラーリ(F.A.Fazzalari)編、ASTMデータシリーズDS48A、米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)、1978年)で論じられている。低い匂い検出閾値を有する香料成分を少量用いると、たとえ上記群(a)の香料成分ほど親水性ではなくとも、香料の匂い特性を改善することができる。本発明の組成物で有用である、上記群(a)に属さないが、著しく低い検出閾値を有する香料成分は、アンブロックス、バクダノール(bacdanol)、サリチル酸ベンジル、アントラニル酸ブチル、セタロックス(cetalox)、ダマセノン、α−ダマスコーン、γ−ドデカラクトン、エバノール(ebanol)、ハーババート(herbavert)、シス−3−ヘキセニルサリチラート、α−イオノン、β−イオノン、αイソメチルイオノン、リリアール、メチルノニルケトン、γ−ウンデカラクトン、ウンデシレンアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される。これらの物質は、群(a)の親水性成分に加えて、好ましくは低濃度で、典型的には本発明の全香料組成物の約20重量%未満、好ましくは約15重量%未満、より好ましくは約10重量%未満で存在する。しかしながら、効果を提供するのに必要なのは低濃度のみである。
【0102】
著しく低い検出閾値を有し、かつ、本発明の組成物で特に有用である群(a)の親水性成分も存在する。これらの成分の例は、アリルアミルグリコレート、アネトール、ベンジルアセトン、カロン、ケイ皮アルコール、クマニン、シクロガルバネート、シクラールC、サイマール、4−デセナール、ジヒドロイソジャスモネート、エチルアントラニレート、エチル−2−メチルブチレート(ethyi-2-methyl butyrate)、エチルメチルフェニルグリシデート(ethyl methyiphenyl glycidate)、エチルバニリン、オイゲノール、フロルアセテート、フロルヒドラル、フルクトン(fructone)、フルテン(frutene)、ヘリオトロピン、ケオン(keone)、インドール、イソシクロシトラール、イソオイゲノール、リラール、メチルヘプチンカーボネート、リナロール、アントラニル酸メチル、メチルジヒドロジャスモネート、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、メチルβナフチルケトン、βナフトールメチルエーテル、ネロール、パラ−アニスアルデヒド、パラヒドロキシフェニルブタノン、フェニルアセトアルデヒド、バニリン、及びこれらの混合物である。匂い検出閾値の低い香料成分の使用は、大気中に放出される有機物質の量を最小限に抑える。
【0103】
香料マイクロカプセル
一実施形態では、香料は香料マイクロカプセルを含む。好適な香料マイクロカプセル及び香料ナノカプセルとしては、米国特許出願公開第2003215417(A1)号、同第2003216488(A1)号、同第2003158344(A1)号、同第2003165692(A1)号、同第2004071742(A1)号、同第2004071746(A1)号、同第2004072719(A1)号、同第2004072720(A1)号、欧州特許出願公開第1393706(A1)号、米国特許出願公開第2003203829(A1)号、同第2003195133(A1)号、同第2004087477(A1)号、同第20040106536(A1)号、米国特許第6645479号、同第6200949号、同第4882220号、同第4917920号、同第4514461号、米国特許再発行特許第(US RE)32713号、米国特許第4234627号が挙げられる。本発明の目的のためには、「香料マイクロカプセル」という用語は香料マイクロカプセルと香料ナノカプセルとの両方を表す。
【0104】
抗微生物活性物質
所望により、本発明の皺抑制組成物は、微生物を殺す又は微生物の増殖を低下させるために、抗微生物活性物質を有効量、好ましくは使用組成物の約0.001重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.002重量%〜約1重量%、更により好ましくは約0.003重量%〜約0.3重量%含む。有効な抗微生物活性物質は、消毒剤/清浄剤として機能することができ、布地に付着する生物からの保護を提供するのに有用である。
【0105】
本発明で有用な抗微生物活性物質の非限定的な例を以下に挙げる:
ピリチオン、ナトリウム及び特に亜鉛錯体(ZPT);オクトピロックス;メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン、メチルパラベンナトリウム及びプロピルパラベンナトリウムを含むパラベン;DMDMヒダントイン(グライダント(Glydant));メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン(カトンCG);亜硫酸ナトリウム;亜硫酸水素ナトリウム;イミダゾリジニル尿素;ジアゾリジニル尿素(ガーメイル(Germail)2);ソルビン酸/ソルビン酸カリウム;デヒドロ酢酸/デヒドロ酢酸ナトリウム;ベンジルアルコール:ホウ酸ナトリウム;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ブロノポール(Bronopol));ホルマリン;ヨードプロピニルブチルカルバメート;ホウ酸;クロロアセトアミド;メテナミン(Methenamilie);メチルジブロモグルタロニトリル;グルタルアルデヒド;イセチオン酸ヘキサミジン;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;フェネチルアルコール;o−フェニルフェノール/o−フェニルフェノールナトリウム(sodi urn o-phenylphenol);ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート;ポリメトキシ二環式オキサゾリジン;ジメトキサン;チメロサール(Thimersol);ジクロロベンジルアルコール;カプタン;クロルフェネシン(Chlorphenenesin);ジクロロフェン;クロロブタノール(Chiorbutanol);フェノキシエタノール;フェノキシイソプロパノール;ハロゲン化ジフェニルエーテル;2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン);2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジブロモ−ジフェニルエーテル;フェノール化合物−(フェノール及びその同族体、モノ−及びポリアルキル及び芳香族ハロフェノール、レゾルシノール及びその誘導体、ビスフェノール化合物並びにハロゲン化サリチルアニリドを含む);フェノール、2メチルフェノール、3メチルフェノール、4メチルフェノール、4エチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、4−n−プロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−n−アミルフェノール(Arnyl Phenol)、4−tert−アミルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、及び4−n−へプチルフェノールを含む、フェノール及びその同族体;p−クロロフェノール、メチルp−クロロフェノール、エチルp−クロロフェノール、n−プロピルp−クロロフェノール、n−ブチルp−クロロフェノール、n−アミルp−クロロフェノール、sec−アミルp−クロロフェノール、n−ヘキシルp−クロロフェノール、シクロヘキシルp−クロロフェノール、n−へプチルp−クロロフェノール、n−オクチルp−クロロフェノール、o−クロロフェノール、メチルo−クロロフェノール、エチルo−クロロフェノール、n−プロピルo−クロロフェノール、n−ブチルo−クロロフェノール、n−アミルo−クロロフェノール、tert−アミルo−クロロフェノール、n−ヘキシルo−クロロフェノール、n−へプチルo−クロロフェノール、o−ベンジルp−クロロフェノール、o−ベンジル−m−メチルp−クロロフェノール、o−ベンジル−m,m−ジメチルp−クロロフェノール、o−フェニルエチルp−クロロフェノール、o−フェニルエチル−m−メチルp−クロロフェノール、3−メチルp−クロロフェノール、3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−エチル−3−メチルp−クロロフェノール、6−n−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール、6−イソ−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール、2−エチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−sec−ブチル−3−メチルp−クロロフェノール、2−イソ−プロピル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−ジエチルメチル−3−メチルp−クロロフェノール、6−イソ−プロピル−2−エチル−3−メチルp−クロロフェノール、2−sec−アミル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、2−ジエチルメチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−sec−オクチル−3−メチルp−クロロフェノール、p−クロロ−m−クレゾール、p−ブロモフェノール、メチルp−ブロモフェノール、エチルp−ブロモフェノール、n−プロピルp−ブロモフェノール、n−ブチルp−ブロモフェノール、n−アミルp−ブロモフェノール、sec−アミルp−ブロモフェノール、n−ヘキシルp−ブロモフェノール、シクロヘキシルp−ブロモフェノール(Bromophenoi)、o−ブロモフェノール、tert−アミルo−ブロモフェノール、n−ヘキシルo−ブロモフェノール、n−プロピル−m,mジメチルo−ブロモフェノール、2−フェニルフェノール、4−クロロ−2−メチルフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェノール、3,4,5,6−テトラブロモ(terabromo)−2−メチルフェノール、5−メチル−2−ペンチルフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(methyiphenol)、パラ−クロロ−メタ−キシレノール(PCMX)、5−クロロ−2−ヒドロキシジフェニルメタンを含む、モノ−及びポリ−アルキル並びに芳香族ハロフェノール;レゾルシノール、メチルレゾルシノール、エチルレゾルシノール、n−プロピルレゾルシノール、n−ブチルレゾルシノール、n−アミルレゾルシノール、n−ヘキシルレゾルシノール、n−へプチルレゾルシノール、n−オクチルレゾルシノール、n−ノニルレゾルシノール、フェニルレゾルシノール、ベンジルレゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、フェニルプロピルレゾルシノール、p−クロロベンジルレゾルシノール、5−クロロ2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、4’−クロロ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン、5−ブロモ2,4−ジヒドロキシフェニルメタン及び4’−ブロモ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタンを含むレゾルシノール及びその誘導体;2,2’−,メチレンビス(4−クロロフェノール)(methylene his(4-chiorophenol))、2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリクロロフェノール)(tnichlorophenol)、2,2’−メチレンビス(4−クロロ−6−ブロモフェノール)(brornophenol)、ビス(2−ヒドロキシ−3.5−ジクロロフェニル)スルフィド及びビス(2−ヒドロキシ−5−クロロベンジル)スルフィドを含むビスフェノール化合物;p−ヒドロキシ安息香酸、メチルp−ヒドロキシ安息香酸、エチルp−ヒドロキシ安息香酸、プロピルp−ヒドロキシ安息香酸、及びブチルp−ヒドロキシ安息香酸を含む、安息香酸エステル。
【0106】
本発明で有用である抗微生物剤の別の部類は、天然精油と呼ばれる、いわゆる「天然」抗微生物活性物質である。これらの活性物質の名称は、それらが自然に発生する植物に由来する。典型的な天然精油抗微生物活性物質としては、油01アニス、レモン、オレンジ、ローズマリー、ウインターグリーン、タイム、ラベンダー、クローブ、ホップ、茶木、シトロネラ、コムギ、オオムギ、レモングラス、ニオイヒバ、シーダー材、桂皮、フリーグラス(fleagrass)、ゼラニウム、ビャクダン、バイオレット、クランベリー、ユーカリ、クマツヅラ、ペパーミント、安息香、ヒドラスチス・カナデンシス(Hydastis carradensis)、バーベリダセア・ダセア(Berheridaceae daceae)、ラタニア(Ratanhiae)及びウコンイオンOHが挙げられる。また、天然精油のこの部類には、抗微生物効果を提供することが見出されている植物油の鍵となる化学成分が含まれている。これらの化学物質としては、アネトール、カテコール、カンフェン、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、フェルラ酸、ファルネソール、ヒノキチオール、トロポロン、リモネン、メントール、サリチル酸メチル、サリチル酸、チモール、テルピネオール、ベルベノン、ベルベリン、ラタニア抽出物、カリオフィレン(caryophellene)オキシド、シトロネル酸、クルクミン(curcurnin)、ネロリドール、ゲラニオール及び安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
更なる活性剤は抗微生物性金属塩である。この部類は一般に、3b〜7b、8及び3a〜5a族の金属塩を含む。特に、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、銀、金、銅、ランタン、スズ、水銀、ビスマス、セレン、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、プラセオジム(praseodymiun)、ネオジム、プロメチウム(promethum)、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムの塩及びこれらの混合物である。
【0108】
本明細書で用いるのに好ましい抗微生物剤は、トリクロサン、フェノキシイソプロパノール、フェノキシエタノール、PCMX、天然精油及びその鍵となる成分並びにこれらの混合物からなる群から選択される広域スペクトルの活性物質である。本発明で用いるのに最も好ましい抗微生物活性物質は、トリクロサンである。
【0109】
第四級化合物
広範な第四級化合物を、本発明の組成物のために、好ましい界面活性剤と併用して、抗微生物活性物質として用いることもできる。有用な第四級化合物の非限定的な例としては:(1)市販のバークァット(Barquat)(登録商標)(ロンザ(Lonza)から入手可能)、マクァット(Maquat)(登録商標)(メイソン(Mason)から入手可能)、バリクァット(Variquat)(登録商標)(ウィトコ/セレックス(Witco/Sherex)から入手可能)及びヒアミン(Hyamine)(登録商標)(ロンザから入手可能)のような塩化ベンザルコニウム(benzalkoniurn chloride)並びに/又は置換塩化ベンザルコニウム;(2)バルダック(Bardac)(登録商標)製品(ロンザ製品)のようなジ(C6〜C14)アルキルジ−短鎖(C1〜4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級(これらの第四級化合物は、2個の比較的短い鎖、例えばC1〜4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル基並びに2個のC6〜C12、好ましくはC6〜C10、より好ましくはC8アルキル基を含有する);(3)ダウ(Dow)から入手可能なダウィシド(Dowicide)(登録商標)及びダウィシル(Dowicil)(登録商標)のようなN−(3−クロロアリル)ヘキサミニウムクロリド;(4)ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)製のヒアミン(Hyamine)(登録商標)1622のような塩化ベンゼトニウム;(5)ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)により供給されるヒアミン(Hyamine)(登録商標)10Xで代表される塩化メチルベンゼトニウム;(6)メレルラボ(Merrell Labs)から入手可能な塩化セパコール(Cepacol chloride)のような塩化セチルピリジニウムが挙げられる。好ましいジアルキル第四級化合物の例は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(バルダック22)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド(バルダック2050)のようなジ(C8〜C12)ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド;及び水素添加タロー2−エチルヘキシルアンモニウムメトサルフェート(アーカッド(Arquad)HTL8−MS、例えば、アクゾ(Akzo))である。これらの第四級化合物の殺生物効果のための典型的な濃度は、使用組成物の約0.001重量%〜約0.8重量%、好ましくは約0.005重量%〜約0.3重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約0.2重量%の範囲である。濃縮組成物の対応する濃度は、濃縮組成物の約0.003重量%〜約2重量%、好ましくは約0.006重量%〜約1.2重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.8重量%である。
【0110】
シクロデキストリンが存在するとき、可溶化した、水溶性抗微生物活性物質は、処理された布地に付着する生物からの保護を提供するのに有用である。抗微生物剤は、シクロデキストリン適合性であるべきで、例えば、シクロデキストリンが存在するとき、匂い吸収組成物中で実質的にシクロデキストリンと錯体を形成するべきではない。遊離、非錯体化抗微生物剤、例えば抗細菌剤は、最適な抗細菌性能を提供する。
【0111】
布地の清浄化は、抗微生物性物質、例えば抗細菌ハロゲン化化合物、第四級化合物及びフェノール化合物並びにこれらの混合物を含有する本発明の組成物により達成することができる。
【0112】
ビグアニド
消毒剤/清浄剤並びに最終製品の防腐剤として機能することができ、並びに、本発明の組成物中で有用である、いくつかのより強いシクロデキストリン適合性抗微生物性ハロゲン化化合物としては、一般にクロルヘキシジンとして知られる1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)及びその塩、例えば、塩酸、酢酸及びグルコン酸が挙げられる。ジグルコン酸塩は、極めて水溶性(水に約70%)であり、二酢酸塩は水に約1.8%の溶解度を有する。シクロデキストリンを本発明の清浄剤として用いるとき、それは典型的には、使用組成物の約0.001重量%〜約0.4重量%、好ましくは約0.002重量%〜約0.3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約0.2重量%の濃度で存在する。場合によっては、殺ウイルス活性のために、約1%〜約2%の濃度が必要とされる場合がある。
【0113】
他の有用なビグアニド化合物としては、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロリドを含む、コスモシ(Cosmoci)(登録商標)CQ(登録商標)、バントシル(Vantocil)(登録商標)IBが挙げられる。他の有用なカチオン性抗微生物剤としては、ビス−ビグアニドアルカンが挙げられる。上記の使用可能な水溶性塩は、塩化物、臭化物、硫化物、スルホン酸メチル及びスルホン酸エチルのようなアルキルスルホネート、p−メチルフェニルスルホネート(p-methylplienyl sulfonate)のようなフェニルスルホネート、硝酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩などである。
【0114】
好適なビスビグアニド化合物の例は、クロルヘキシジン;1,6−ビス−(2−エチルヘキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロリド;1,6−ジ−(N1,N1’−フェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ−(N1,N1’−フェニル−N1,N1’−メチルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−.β.−(p−メトキシフェニル)ジグアニド−N5,N5’]−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−.α.−メチル−.β.−フェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−p−ニトロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;.ω,ω.’−ジ(N1,N1’−フェニルジグアニド−N5,N5’)−ジ−n−プロピルエーテルジヒドロクロリド;.ω,ω.’−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ジ−n−プロピルエーテルテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−p−メチルフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,4,5−トリクロロフェニルジグアニド−N5,N5)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−.α.(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N5,N5’]ヘキサンジヒドロクロリド;.ω,ω.’ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ドデカンジヒドロクロリド;1,10−ジ(N1,N1’−フェニルジグアニド−N5,N5’)−デカンテトラヒドロクロリド;1,1 2−ジ(N1,N1’−フェニルジグアニド−N5,N5’)−ドデカンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;エチレンビス(1−トリルビグアニド);エチレンビス(p−トリルビグアニド);エチレンビス(3,5−ジメチルフェニルビグアニド);エチレンビス(p−tert−アミルフェニルビグアニド);エチレンビス(ノニルフェニルビグアニド);エチレンビス(フェニルビグアニド);エチレンビス(N−ブチルフェニルビグアニド);エチレンビス(2,5−ジエトキシフェニルビグアニド);エチレンビス(2,4−ジメチルフェニルビグアニド);エチレンビス(o−ジフェニルビグアニド);エチレンビス(混合されたアミルナフチルビグアニド);N−ブチルエチレンビス(フェニルビグアニド);トリメチレンビス(o−トリルビグアニド);N−ブチルトリメチレンビス(フェニルビグアニド);並びに酢酸塩;グルコン酸塩;塩酸塩;臭化水素酸塩;クエン酸塩;亜硫酸水素塩;フッ化物;ポリマレアート;N−ココナツアルキルサルコシネート;亜リン酸塩;次亜リン酸塩;ペルフルオロオクタノエート;ケイ酸塩;ソルビン酸塩;サリチル酸塩;マレイン酸塩;酒石酸塩;フマル酸塩;エチレンジアミン四酢酸塩;イミノ二酢酸塩;桂皮酸塩;チオシアン酸塩;アルギン酸塩(arginate);ピロメリト酸塩;テトラカルボキシ酪酸塩;安息香酸塩;グルタル酸塩;モノフルオロリン酸塩;及びペルフルオロプロピオン酸塩及びこれらの混合物のような、上記全ての、対応する薬剤として許容される塩である。この群の好ましい抗微生物剤は、1,6−ジ−(N1,N1’−フェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ[N1,N1’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N5,N5’]ヘキサンジヒドロクロリド;.ω,ω.’ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ドデカンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;及びこれらの混合物であり、より好ましくは、1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ[N1,N1’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N5,N5’]ヘキサンジヒドロクロリド;.ω,ω.’ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ドデカンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−o−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N1,N1’−p−クロロフェニルジグアニド−N5,N5’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;及びこれらの混合物である。上述のように、ビスビグアニドの最適のものは、クロルヘキシジン及びその塩、例えば、ジグルコネート、ジヒドロクロリド、ジアセテート、及びこれらの混合物である。
【0115】
抗微生物剤に添加されるとき、界面活性剤は、抗微生物作用を改善する傾向がある。これは、シロキサン界面活性剤に関して、特にシロキサン界面活性剤をクロルヘキシジン抗微生物活性物質と併用するときに、特に当てはまる。
【0116】
任意のアミノカルボキシレートキレート化剤
キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミントリ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及び他のアミノカルボンキシレートキレート化剤及びこれらの混合物及びこれらの塩並びにこれらの混合物は、所望により、グラム陰性菌、特にシュードモナス種に対する抗微生物及び防腐効果を高めるために用いることができる。EDTA及び他のアミノカルボキシレートキレート化剤に対して感受性であることは、主にシュードモナス種の特徴であるが、キレート化剤に対して高度の感受性を示す他の細菌種としては、アクロモバクター、アルカリゲネス、アゾトバクター、エシェリキア、サルモネラ、スピリルム及びビブリオが挙げられる。真菌及び酵母を含む他の群の生物もまた、これらのキレート化剤に対する感受性の増大を示す。更に、アミノカルボキシレートキレート化剤は、例えば、製品の透明度の維持、芳香剤及び香料成分の保護、並びに、酸敗の匂い及び不快な匂いの防止を補助することができる。
【0117】
これらのアミノカルボキシレートキレート化剤はそれ自体強力な殺生物剤である場合もあるが、それらは本発明の組成物中の他の抗微生物剤/防腐剤の性能を向上させるための相乗剤として機能する。アミノカルボキシレートキレート化剤は、本発明の組成物中で抗微生物剤/防腐剤として用いられる、多くのカチオン性、アニオン性及び非イオン性抗微生物剤/防腐剤、フェノール化合物並びにイソチアゾリノンの性能を増強することができる。溶液中のアミノカルボキシレートキレート化剤によって増強されるカチオン性抗微生物剤/防腐剤の非限定的な例は、クロルヘキシジン塩(ジグルコネート、ジアセテート及びジヒドロクロリド塩を含む)及びダウィシル(Dowicil)200としても知られるクオタニウム(Quaternium)−15、ダウィシドQ、プリベントール(Preventol)Dl、塩化ベンザルコニウム、セトリモニウム、ミリスタルコニウムクロリド、塩化セチルピリジニウム、ラウリルピリジニウムクロリドなどである。アミノカルボキシレートキレート化剤によって強化される有用なアニオン性抗微生物剤/防腐剤の非限定的な例は、ソルビン酸及びソルビン酸カリウムである。アミノカルボキシレートキレート化剤によって増強される有用な非イオン性抗微生物剤/防腐剤の非限定的な例は、DMDMヒダントイン、フェネチルアルコール、モノラウリン、イミダゾリジニル尿素及びブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)である。
【0118】
これらのキレート化剤によって増強される有用なフェノール抗微生物剤/防腐剤の例は、クロロキシレノール、フェノール、tert−ブチルヒドロキシアニソール、サリチル酸、レゾルシノール及びナトリウムo−フェニルフェナートである。アミノカルボキシレートキレート化剤によって強化されるイソチアゾリノン抗微生物剤/防腐剤の非限定的な例は、カトン(Kathon)、プロキセル(Proxel)及びプロメキサル(Promexal)である。
【0119】
任意のキレート化剤は、本発明に抗微生物効果を提供するために、使用組成物の、典型的には約0.01重量%〜約0.3重量%、より好ましくは約0.02重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約0.05重量%の濃度で本発明の組成物中に存在する。
【0120】
遊離、非錯体化アミノカルボキシレートキレート化剤は、抗微生物剤の効果を増強するために必要である。したがって、過剰なアルカリ土類金属(特にカルシウム及びマグネシウム)及び遷移金属(鉄、マンガン、銅及び他のもの)が存在するとき、遊離キレート化剤は利用不可能であり、抗微生物剤の増強は見られない。有意な水の硬度又は遷移金属が利用可能である場合、又は、製品の審美性のために特定のキレート化剤濃度が必要とされる場合、遊離、非錯体化アミノカルボキシレートキレート化剤を抗微生物剤/防腐剤相乗剤として機能させるために、より高濃度であることが必要な場合がある。
【0121】
シクロデキストリン防腐剤
所望により、しかし望ましくは、シクロデキストリンが存在する場合、好ましくは、抗微生物物質がシクロデキストリンを保護するのに十分ではない場合又は存在しない場合、可溶化された、水溶性抗微生物性防腐剤を本発明の組成物に添加することができるが、それは、シクロデキストリン分子が、特に水性組成物中に存在するとき、それを特定の微生物にとって優良な培養場所にすることができる種々の数のグルコース単位で作製されるからである。この欠点により、任意の有意な期間の、シクロデキストリン溶液の保存安定性の問題が生じる恐れがある。特定の微生物の混入に続き微生物の増殖が起こることにより、見苦しい及び/又は悪臭を放つ溶液が生じる恐れがある。シクロデキストリン溶液中での微生物の増殖は、それが起こると極めて不快であるため、好ましくは水溶性シクロデキストリンを含有する透明で、水性である匂い吸収溶液の保存安定性を上昇させるために、微生物の増殖を阻害する及び/又は調節するのに有効な、可溶化された、水溶性抗微生物性防腐剤を含むことが極めて好ましい。
【0122】
広域スペクトルの防腐剤、例えば、細菌(グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方)及び真菌の両方に有効なものを用いることが好ましい。限域スペクトルの防腐剤、例えば、微生物の一群、例えば真菌にしか効果のないものを、広域スペクトルの防腐剤又は補完的及び/若しくは追加活性を有する他の限域スペクトルの防腐剤と併用することができる。広域スペクトルの防腐剤の混合物を用いることもできる。特定の群の微生物(グラム陰性菌など)の混入が問題である場合、アミノカルボキシレートキレート化剤を単独で、又は他の防腐剤と併せて相乗剤として用いてよい。例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(diethylenetriarninepentaacetic acid)及び他のアミノカルボキシレートキレート化剤、及びこれらの混合物、及びこれらの塩、並びにこれらの混合物を含むこれらのキレート化剤は、グラム陰性菌、特にシュードモナス種に対する防腐剤の効果を増大させることができる。
【0123】
本発明で有用な抗微生物性防腐剤は、殺生物性化合物、すなわち、微生物を殺す物質、又は、静生物性化合物、すなわち、微生物の増殖を阻害する及び/又は調節する物質を含む。好適な防腐剤は、米国特許第5,534,165号、同第5,578,563号、同第5,663,134号、同第5,668,097号、同第5,670,475号及び同第5,714,137(トリン(Trinh)ら、それぞれ1996年7月9日、1996年11月26日、1997年9月2日、1997年9月16日、1997年9月23日及び1998年2月3日発行)に開示されている。好ましい抗微生物性防腐剤は、水溶性であり、低濃度で有効なものであるが、それは有機防腐剤はシクロデキストリン分子と包接錯体を形成し、シクロデキストリンの空洞について悪臭分子と競合し、それによりシクロデキストリンを匂い抑制活性物質として無効にすることができるからである。本発明で有用な水溶性防腐剤は、水100mL当たり少なくとも約0.3gの、すなわち、室温で約0.3%を超える、好ましくは室温で約0.5%を超える水への溶解度を有するものである。これらの種類の防腐剤は、少なくとも水相中で、シクロデキストリンの空洞への親和性が低く、したがって、抗微生物活性を提供するために利用しやすい。約0.3%未満の水溶性を有し、シクロデキストリンの空洞に容易に収まる分子構造を有する防腐剤は、シクロデキストリン分子と包接錯体を形成し、それにより、防腐剤の、シクロデキストリン溶液中の微生物を抑制する効果を低下させる傾向が強い。
【0124】
本発明の水溶性抗微生物性防腐剤は、有効量で含まれる。本明細書で定義するとき、「有効量」という用語は、特定の期間、腐敗を防ぐ、又は、不注意で添加された微生物の増殖を防ぐのに十分な濃度を意味する。換言すれば、防腐剤は、微生物の産生する匂いを除くために、組成物が付着した表面上の微生物を殺すように用いられているのではない。代わりに、組成物の貯蔵寿命を増加させるために、シクロデキストリン溶液の腐敗を防ぐように用いられることが好ましい。防腐剤の好ましい濃度は、使用組成物の約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.2重量%、最も好ましくは約0.0003重量%〜約0.1重量%である。
【0125】
匂い抑制のために大部分のシクロデキストリンを取っておくために、シクロデキストリンと防腐剤のモル比は、約5:1超、好ましくは約10:1超、より好ましくは約50:1超、更により好ましくは約100:1超であるべきである。
【0126】
防腐剤は、布地の外観に、例えば変色、着色、漂白といった損害を与えない、任意の有機防腐剤物質であることができる。好ましい水溶性防腐剤としては、有機イオウ化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、第四級アンモニウム化合物、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノール化合物並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0127】
本発明の防腐剤は、広範な微生物を抑制するために、混合物中で用いることができる。
【0128】
静菌効果は、時に、組成物のpHを酸性pH、例えば約pH4未満、好ましくは約pH3未満、又は塩基性pH、例えば約10超、好ましくは約11超に調節することにより得ることができる。低pHはシクロデキストリンの化学的分解を引き起こし得るため、微生物抑制のためにpHを低下させることは、本発明では好ましいアプローチではない。高pH、例えば約10超、好ましくは約11超では、シクロデキストリンはイオン化し、その有機物質と錯体を形成する能力が低下する恐れがあるため、微生物抑制のためにpHを上昇させることもまた好ましくない。したがって、本発明の水性組成物は、約3〜約10、好ましくは約4〜約8、より好ましくは約4.5〜約6のpHを有するべきである。pHは、典型的には、シクロデキストリンとの錯体化を最小限に抑えるために、無機分子で調節される。
【0129】
他の任意成分
本発明の組成物は、所望により、シリコーン分子に加えて、補助匂い抑制物質、キレート化剤、静電気防止剤、柔軟化剤、昆虫及び蛾忌避剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ひだ及び形状制御剤、スムージング剤、皺制御剤、清浄剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ抑制剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、染み防止剤、汚れ放出剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤及び洗い立て感維持剤(freshness extending agent)、塩素漂白匂い抑制剤、染料固定剤、移染防止剤、色保全剤、蛍光増白剤、色回復/再生剤、退色防止剤、白色度強化剤、抗摩擦剤、耐摩耗剤、布地保全剤(fabric integrity agent)、磨耗防止剤、毛玉防止剤、消泡剤及び起泡防止剤、布地及び皮膚用の紫外線保護剤、太陽光劣化阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地調整剤(fabric comfort agent)、防縮剤、伸び防止剤、伸び回復剤、香料のような活性物質を含有する機能性マイクロカプセル、シリコーン、スキンケア剤、グリセリン、及びアロエベラ、ビタミンE、シアバターなどのような天然活性物質、並びにこれらの混合物を含有することができる。任意成分の総濃度は低く、好ましくは使用組成物の約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満、更により好ましくは約2重量%未満である。これらの任意成分は、具体的に上述した他の成分を除く。補助匂い抑制物質を組み込むことにより、シクロデキストリンの匂いを抑制する能力を強化し、抑制することができる匂いの種類及び分子量サイズの範囲を広げることができる。このような物質としては、例えば、金属塩、水溶性のカチオン性及びアニオン性ポリマー、ゼオライト、水溶性重炭酸塩並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0130】
水溶性のポリイオン性ポリマー
いくつかの水溶性のポリイオン性ポリマー、例えば、水溶性のカチオン性ポリマー及び水溶性のアニオン性ポリマーを、更なる匂い抑制効果を提供するために、本発明の組成物で用いることができる。
【0131】
カチオン性ポリマー、例えば、ポリアミン
水溶性のカチオン性ポリマー、例えば、アミノ官能基、アミド官能基を含有するもの、及びこれらの混合物は、特定の酸性型匂いを抑制するために、本発明で有用である。
【0132】
アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸
水溶性のアニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸及びその水溶性塩は、特定のアミン型匂いを抑制するために、本発明で有用である。好ましいポリアクリル酸及びその金属塩は、約20,000未満、より好ましくは15,000未満、更に好ましくは10,000未満、更により好ましくは約500〜約5,000の平均分子量を有する。スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及びこれらの水溶性塩、及びこれらの混合物、並びにカルボン酸及びカルボキシレート基との混合物を含有するポリマーもまた好適である。
【0133】
カチオン性及びアニオン性官能基の両方を含有する水溶性ポリマーもまた好適である。これらのポリマーの例は、米国特許第4,909,986号(1990年3月20日発行、N.コバヤシ(N. Kobayashi)及びA.カワゾエ(A. Kawazoe))に与えられている。カチオン性及びアニオン性官能基の両方を含有する水溶性ポリマーの別の例は、カルゴン(Calgon)から商品名マークァット(Merquat)280(登録商標)として市販されている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸とのコポリマーである。
【0134】
水溶性ポリマーを用いる場合、それは、典型的には、使用組成物の約0.001重量%〜約3重量%、好ましくは約0.005重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、更により好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%の濃度で存在する。
【0135】
静電気防止剤
本明細書で記載されている組成物は、所望により、処理された布に着用時の静電気を提供するために、有効量の静電気防止剤を含有してよい。好ましい静電気防止剤は、組成物が透明又は半透明な溶液のままであるように、少なくとも有効量で水に溶解するものである。これらの静電気防止剤の例は、モノアルキルカチオン性第四級アンモニウム化合物、例えば、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びモノココトリメチルアンモニウムクロリドのようなモノ(C10〜14アルキル)トリメチルアンモニウムハロゲン化物、ヘンケル(Henkel)から商品名デヒコート(Dehyquart)E(登録商標)として入手可能なヒドロキシセチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、及びウィトコ社(Witco Corp.)から商品名バリクァット(Variquat)66(登録商標)として入手可能な、エチルビス(ポリエトキシエタノール)アルキルアンモニウムエチルサルフェート、アクゾ・ノベル(Akzo Nobel)から商品名アークアド(Arquad)HTL8−MSとして入手可能な、水素添加タロー2−エチルヘキシルアンモニウムメトサルフェート、ポリエチレングリコール、一般式:
−[N(CH−(CH−NH−CO−NH−(CH−N(CH−CHCHOCHCH]−2+2x[Cl
(ローヌ−プーランク(Rhone-Poulenc)から商品名ミラポール(Mirapol)A−15(登録商標)として入手可能)及び
−[N(CH−(CH−NH−CO−(CH−CO−NH−(CH−N(CH(CHCHOCHCH−xx[Cl]、
(ローヌ−プーランク(Rhone-Poulenc)から商品名ミラポール(Mirapol)AD−1(登録商標)として入手可能)に一致するポリマーのようなポリマーの第四級アンモニウム塩、四級化ポリエチレンイミン、GAFから商品名ガフクァット(Gafquat)HS−100(登録商標)として入手可能な、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー;メイブルックス(Maybrook)から商品名クァットプロE(QuatPro E)(登録商標)として入手可能な、トリエトニウム加水分解コラーゲンエトサルフェート;例えば、アルコ・ケミカル(Alco Chemical)から商品名ベルサ(Versa)TL−130(登録商標)として入手可能な、中和スルホン化ポリスチレン、例えばアルコ・ケミカル(Alco Chemical)から商品名ベルサ(Versa)TL−4(登録商標)として入手可能な、中和スルホン化スチレン/無水マレイン酸コポリマー;エトキシ化脂肪族化合物;エトキシ化界面活性剤(例えば、ポリソルベート);並びにこれらの混合物である。
【0136】
更に他の静電気防止剤としては、ジアルキル及びモノアルキルカチオン性界面活性剤及びこれらの混合物、並びに、モノアルキルカチオン性界面活性剤と脂肪酸との組み合わせが挙げられる。タロートリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、オレイルトリメチルアンモニウムクロリド、及びラウリルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。他の例は、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(アクゾ(Akzo)から商品名アーモソフト(Armosoft)(登録商標)DEQとして入手可能)、N,N−ジ(キャノーラ−オイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(デグサ(Degussa)から商品名アドゲン(Adogen)(登録商標)CDMCとして入手可能)、及び商品名レオクァット(Rewoquat)(登録商標)WE 15及びバリソフト(Varisoft)(登録商標)WE 16として販売され、いずれもデグサ(Degussa)から入手可能である、ジ−(オレオイルオキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートである。他の静電気防止剤としては、グリセロールモノステアレート(ユニケマ(Uniqema)製のアトマー(Atmer)(登録商標)129)、エトファット(Ethofat)(登録商標)245/25(アクゾ・ノベル(Akzo Nobel)製のエトキシ化トール油)、DC−5200(登録商標)(ダウ・コーニング(Dow Corning)製のラウリルPEG/PPG18/18メチコン)、エトミーン(Ethomeen)(登録商標)18/12(アクゾ・ノベル製のビス[2−ヒドロキシエチル]オクタデシルアミン、エトミーン(Ethomeen)(登録商標)HT/12(アクゾ・ノベル製の水素添加タローアミン2EO)、及びワッカー(Wacker)L656アミノ官能性シリコーン(ワッカー・ケミカル・コーポレーション(Wacker Chemical Corporation)製)が挙げられる。
【0137】
布地処理中の泡形成を避けるために、非起泡性剤又は低起泡性剤を用いることが好ましい。しかしながら、目に見える、すぐに壊れる泡の出現は、消費者が、布地上の製品を噴霧した箇所を見つけ出すのを助けるのに有用である場合がある。また、ポリエチレングリコール又はバリクァット(Variquat)66(登録商標)のようなポリエトキシ化剤は、α−シクロデキストリンを用いるときには、使用しないことが好ましい。ポリエトキシレート基は、順次匂い抑制のために利用可能な非錯体化シクロデキストリンを激減させるα−シクロデキストリンに強い親和性を有し、それと容易に錯体を形成する。
【0138】
静電気防止剤を用いるとき、それは、典型的には、使用組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在する。
【0139】
柔軟化剤
本発明の1つの態様は、布地柔軟化活性物質の添加を提供する。1つの実施形態では、布地柔軟化活性物質は、カチオンに荷電している。更に別の実施形態では、布地柔軟化活性物質は、第四級アンモニウム化合物を含む。
【0140】
ジエステル第四級アンモニウム(DEQA)化合物
1つの実施形態では、布地柔軟化活性物質は、DEQA化合物を含む。DEQA化合物は、ジアミド布地柔軟仕上げ剤活性物質、並びに、アミド結合及びエステル結合の混合を有する布地柔軟仕上げ剤活性物質を包含する。
【0141】
本組成物中の布地柔軟化活性物質として好適な第1の種類のDEQAとしては、式:
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
の化合物が挙げられる。
【0142】
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜C、好ましくはC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基、例えば、メチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル等、ポリ(C2〜3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ、基、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり;各mは2又は3であり;各nは、1〜約4、好ましくは2であり、各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各Yは同じであっても又は異なってもよく、各R中の炭素の合計(Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−であるときはプラス1)は、C12〜C22、好ましくはC14〜C20であり、各Rは、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基であり;Rは、不飽和又は飽和、及び、分枝又は直鎖であってよく、好ましくは直鎖であり;各Rは同じであっても又は異なってもよく、好ましくはこれらは同じであり;Xはいずれかの柔軟仕上げ剤適合性アニオン、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、及び硝酸イオンであり、より好ましくは塩化物イオン又はメチル硫酸イオンであってよい。
【0143】
他の好適な布地柔軟化活性物質は、米国特許出願公開第2004/0204337(A1)号(2004年10月14日発行、段落74〜79)及び米国特許出願公開第2006/0079438(A1)号(2006年4月13日発行、段落0068〜0088)に記載されている。
【0144】
別の実施形態では、布地柔軟化活性物質は、ジタローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水素添加タローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラ−オイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、トリタローメチルアンモニウムクロリド、メチルビス(タローアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(水素添加タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(オレイルアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジタローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ水素添加タローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラ−オイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、N−タローオイルオキシエチル−N−タローオイルアミノプロピルメチルアミン、1,2−ビス(硬化タローオイルオキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、及びこれらの混合物のうち少なくとも1つから選択される。
【0145】
他の柔軟化活性物質
これらの他の剤の非限定例としては、粘土、脂肪酸のような脂肪油、トリグリセリド、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アミン、ショ糖エステル、分散性ポリエチレン、炭化水素油及びポリマーラテックスが挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野において既知であり、米国仮特許出願第60/653,897号(2005年3月11日出願(P&G案件9910P))と、その後の米国仮特許出願及び非仮特許出願に更に記載されている。脂肪酸の例は、米国仮特許出願第60/621,204号(2004年11月22日出願(P&G案件9812P))と、その後の米国仮特許出願及び非仮特許出願に記載されている。粘土は、米国特許出願公開第2004/0142841(A1)号(2004年7月22日公開、ド・バザカリーニ(de Buzzaccarini)ら、段落74〜99)に記載されている。
【0146】
非イオン性布地柔軟仕上げ剤は、典型的にはショ糖エステルを含むことができる。ショ糖エステルは、そのヒドロキシル基の1個以上がエステル化されたショ糖部分から構成される。
【0147】
ショ糖は以下の式を有する二糖である。
【化2】

あるいは、ショ糖分子は、式:M(OH)で表すことができ、ここでMは二糖主鎖であり、分子中に合計8個のヒドロキシル基が存在する。
【0148】
したがって、ショ糖エステルは、以下の式によって表すことができる。
【0149】
M(OH)8−x(OC(O)R
式中、xはエステル化されているヒドロキシル基であり、(8−x)は、変化していないヒドロキシル基であり、xは1〜8、又は2〜8、又は3〜8、又は4〜8から選択される整数であり、R部分は独立して、C1〜C22アルキル又はC1〜C30アルコキシ、直鎖又は分枝鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換のものから選択される。
【0150】
1つの実施形態では、R部分は、独立して選択される、様々な鎖長を有する直鎖アルキル又はアルコキシ部分を含む。例えば、Rは、直鎖の約20%超がC18である、又は直鎖の約50%超がC18である、又は直鎖の約80%超がC18である直鎖アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含んでもよい。
【0151】
別の実施形態では、R部分は、飽和及び不飽和アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み、不飽和度は、「ヨウ素価」(本明細書では以下「IV」と称し、標準的なAOCS法によって測定される)によって判定することができる。本明細書に用いるのに好適なショ糖エステルのIVは、約1〜約150、又は約2〜約100、又は約5〜約85の範囲である。不飽和度を低減するために、R部分を水素化してもよい。
【0152】
更なる実施形態では、不飽和R部分は、不飽和部位について「シス」及び「トランス」形の混合物を含んでもよい。「シス」/「トランス」比は、約1:1〜約50:1、又は約2:1〜約40:1、又は約3:1〜約30:1、又は約4:1〜約20:1の範囲であってよい。
【0153】
微粒子制御ポリマー
埃及び/又はアレルゲンのような微粒子が、布地又は衣類のような表面から浮揚するのを防ぐことが極めて望ましい場合があり、これは、表面を、微粒子制御ポリマーと、水性キャリアと、好ましくは可塑剤、溶媒、匂い抑制剤、エアゾール噴射剤、界面活性剤、活性物質を収容するマイクロカプセル、香料、防腐剤/抗微生物活性物質、皺抑制剤などから選択される任意成分とを含む本発明の水性組成物と接触させる工程を含む。本方法の水性組成物中で微粒子制御ポリマーと組み合わせるのに極めて好ましい任意成分としては、可塑剤、匂い抑制剤及び/又は界面活性剤(特に、少なくとも約1,000の分子量を有する界面活性剤)が挙げられる。本方法に従って布地又は表面に適用されるとき、組成物は、表面上に、微粒子が浮揚するのを防ぐことができる膜を形成する傾向がある。本発明のシリコーンポリマーもまた同様に機能するが、前述したような追加の効果(色回復及び柔らかで平らな感触など)も有することができる。
【0154】
本方法及び物品で用いられる組成物は、所望により、1種以上の微粒子制御ポリマーを含むことができる。これらの微粒子制御ポリマーは、組成物が表面に適用され、蒸発した後、処理された表面上に膜を形成する傾向がある。
【0155】
本明細書で好適な微粒子制御ポリマーは、広範なガラス転移温度(「T」、ポリマーが脆性ガラス質の状態から塑性状態へ変化する温度)を示すことができる。微粒子制御ポリマーは、約−50℃〜約500℃、好ましくは約−30℃〜約400℃、より好ましくは約−20℃〜約300℃のTを有することができる。本明細書で好ましいポリマーは、少なくとも約20℃、好ましくは少なくとも約25℃、より好ましくは少なくとも約30℃のTを有する。より高いT値を有するポリマーを用いることができるが、可塑剤と併用することが好ましい。
【0156】
本方法の組成物中で用いるのに好適な微粒子制御ポリマーは、好ましくは、アルギン酸塩、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、グアーガム、ガムアガー(gum agar)、アラビアゴム、ガティゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ローカストビーンガム、ペクチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の同族体、ポリシロキサン、ポリシロキサンの同族体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、タマリンドゴム、キサンタンガム、他のポリマー並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0157】
本方法の組成物は、一般に、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で、微粒子制御ポリマーを含む。スプレー組成物のような好ましい組成物では、微粒子制御ポリマーの濃度は、好ましくは組成物の約1重量%未満、より好ましくは約0.9重量%未満、更により好ましくは約0.8重量%未満である。
【0158】
好適なアルギン酸塩の非限定的な例としては、アルギン酸アンモニウムが挙げられる。
【0159】
好適なアルキル及びヒドロキシアルキルセルロースポリマーの非限定的な例としては、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸カルボン酸セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチル/メトキシエチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート/スクシネート、メチルエチルセルロース及びこれらの混合物が挙げられる。
【0160】
好適なカルボキシメチルセルロースポリマーの非限定的な例としては、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物が挙げられる。
【0161】
好適なカラギーナンポリマーの非限定的な例としては、カラギーナンカルシウム、カラギーナンナトリウム、カラギーナンカリウム及びこれらの混合物が挙げられる。
【0162】
好適なアクリルアミドの非限定的な例としては、アミノエチルプロパンジオール−アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アミノエチルプロパンジオール−AMPD−アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びこれらの混合物が挙げられる。
【0163】
好適なポリアクリル酸ポリマー及びポリアクリル酸の同族体の非限定的な例としては、アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー、アクリルアミドコポリマー、アクリルアミド/DMAPA、アクリレート/メトキシPEGメタクリレートコポリマー、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウム、クロリド/アクリレートコポリマー、アクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレートコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、アクリレートコポリマー、アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、アクリレート/ジメチコンコポリマー、アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー、アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、アクリレート/PVPコポリマー、アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコンアクリレートコポリマー、アクリレート/VAコポリマー、アクリレート/VAクロスポリマー、アクリル酸/アクリロニトロゲンコポリマー、アミノエチルアクリレートホスフェート/アクリレートコポリマー、アンモニウムアクリレートコポリマー、アンモニウムアクリレート/アクリロニトロゲンコポリマー、アンモニウムポリアクリレート、アンモニウムスチレン/アクリレートコポリマー、アンモニウムVA/アクリレートコポリマー、AMP−アクリレート/C1〜18アルキルアクリレート/C1〜8アルキルアクリルアミドコポリマー、AMP−アクリレートコポリマー、AMP−アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、AMP−アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、AMPD−アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、ブチルアクリレート/エチルヘキシルメタクリレートコポリマー、ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ブチルアクリレート/スチレンコポリマー、カルシウム/ナトリウムPVM/MAコポリマー、DEA−スチレン/アクリレート/DVBコポリマー、DMAPAアクリレート/アクリル酸/アクリロニトロゲンコポリマー、ジメチコンコポリオールポリアクリレート、ラウリルメタクリレート/グリコールジメタクリレートコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー、メチルメタクリレート/アクリロニトリルコポリマー、メチルメタクリレートクロスポリマー、オクタデセン/MAコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールコポリマー、ナトリウムアクリレートコポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクロレインコポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクリロニトロゲンコポリマー、ナトリウムDVB/アクリレートコポリマー、ナトリウムポリアクリレート、ナトリウムポリメタクリレート、ナトリウムスチレン/アクリレートコポリマー、ナトリウムタウリド(Tauride)アクリレート/アクリル酸/アクリロニトロゲンコポリマー、デンプン/アクリレート/アクリルアミドコポリマー、ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー、スチレン/アクリレート/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマー、ナトリウムPVM/MA/デカジエンクロスポリマー、ステアリルビニルエーテル/MAコポリマー、スチレン/MAコポリマー、スチレン/メタクリルアミド/アクリレートコポリマー、トロメタミンアクリレート/アクリロニトロゲンコポリマー、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、アクリレート/アミノアクリレートコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0164】
好適なポリエチレングリコールポリマーの非限定的な例としては、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸/VAコポリマー、エチレン/アクリル酸カルシウムコポリマー、エチレン/MAコポリマー、エチレン/マグネシウムアクリレートコポリマー、エチレン/メタクリレートコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸ナトリウムコポリマー、エチレン/VAコポリマー、エチレン/アクリル酸亜鉛コポリマー、PVM/MAコポリマーのエチルエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0165】
好適なポリビニルアルコールポリマーの非限定的な例としては、ラウリルアクリレート/VAコポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルカプロラクタム、ポリ塩化ビニル、ポリビニルイミダゾリニウムアセテート、ポリビニルラウレート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルステアリルエーテル、VA/ブチルマレアート/アクリル酸イソボルニルコポリマー、VA/クロトネートコポリマー、VA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノン−1コポリマー、VA/クロトネート/ネオデカン酸ビニルコポリマー、VA/クロトネート/プロピオン酸ビニルコポリマー、VA/クロトン酸/PEG−20Mコポリマー、VA/DBMコポリマー、VA/イソブチルマレアート/ネオデカン酸ビニルコポリマー、VA/ビニル安息香酸ブチル/クロトネートコポリマー、ナトリウムMA/ビニルアルコールコポリマー、スチレン/VAコポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0166】
好適なポリビニルピロリドンポリマーの非限定的な例としては、ブチル化PVP、PVP、PVP/ジメチコニルアクリレート/ポリカルバミル/ポリグリコールエステル、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ポリカルバミルポリグリコールエステル、PVP/エイコセンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマー、PVPモンモリロナイト、PVP/ポリカルバミルポリグリコールエステル、PVP/VAコポリマー、PVP/VA/イタコン酸コポリマー、PVP/VA/プロピオン酸ビニルコポリマー、スチレン/PVPコポリマー、ポリ(1−ビニルピロリドン−コ−アクリル酸)コポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0167】
好適なデンプン及び化工デンプンポリマーの非限定的な例としては、コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー、化工コーンスターチ、ワキシーメイズスターチ及びこれらの混合物が挙げられる。
【0168】
他の好適な微粒子制御ポリマーの非限定的な例としては、ブトキシキトサン、カルボキシブチルキトサン、カルボキシメチルキトサン、カルボキシメチルキトサンスクシンアミド、キトサン、アジピン酸キトサン、アスコルビン酸キトサン、ギ酸キトサン、グリコール酸キトサン、乳酸キトサン、キトサンPCA、サリチル酸キトサン、キトサンスクシンアミド、ポリクアテルニウム、ポリシリコーン、ポリスチレン、ポリウレタン、イソマルトオリゴ糖及びこれらの混合物が挙げられる。
【0169】
他の好適な微粒子制御ポリマーは、米国特許第4,048,369号及び同第6,117,440号;並びに、ロバート・L.デビッドソン(Robert L. Davidson)編「水溶性ゴム及び樹脂ハンドブック(HANDBOOK OF WATER-SOLUBLE GUMS AND RESINS)」(マグローヒル(McGraw-Hill)1980年)に開示されている。
【0170】
好ましい組成物では、微粒子制御ポリマーはメタクリレートポリマーではない。
【0171】
可塑剤
本方法及び物品で用いられる組成物は、所望により、1種又はそれ以上の可塑剤を含むことができる。可塑剤は、本方法及び物品の組成物中に非常に広範な微粒子制御ポリマーを組み込むことを可能にするため、極めて好ましい成分であることができる。可塑剤は、処理された表面からの組成物の蒸発から得られる膜の全体のガラス転移温度を低下させる傾向があり、それにより、別の方法で使用できるものよりも高いガラス転移温度を有するポリマーの使用を可能にする。
【0172】
可塑剤の非限定的な例としては、C〜C24一価アルコール及び多価アルコールが挙げられる。好適なC〜C24一価アルコールとしては、ブタノール、ペンタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール及びこれらの混合物が挙げられる。本組成物中で可塑剤として有用な多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールのようなグリコール、グリセリン、及びこれらの混合物などが挙げられる。他の好適な可塑剤としては、水混和性エーテル、水混和性グリコールエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。水混和性エーテルの非限定的な例としては、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物が挙げられる。水混和性グリコールエーテルの非限定的な例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びこれらの混合物が挙げられる。
【0173】
他の好適な可塑剤の非限定的な例としては、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリエチルヘキシルシトレート、アセチルトリヘキシルシトレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルオクチルベンゾエート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ブチロイルトリヘキシルシトレート、カンファー、デシルオキサゾリジノン、ジブチルアジパート、ジブチルオキザラート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、ジカプリルアジパート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコール、ジエチルヘキサノエート/ジイソノナノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ジエチルヘキシルアジパート、ジエチルヘキシルフタレート、ジエチルヘキシルセバケート、ジエチルヘキシルスクシネート、ジエチルオキザラート、ジエチルフタレート、ジエチルセバケート、ジエチルスクシネート、ジイソブチルアジパート、ジイソブチルオキザラート、ジイソセチルアジパート、ジイソデシルアジパート、ジイソノニルアジパート、ジイソプロピルアジパート、ジイソプロピルオキザラート、ジイソプロピルセバケート、ジイソステアリルアジパート、ジメチコンコポリオールポリアクリレート、ジメチルアジパート、ジメチルオキザラート、ジメチルフタレート、ジオクチルドデシルアジパート、ジプロピルオキザラート、エポキシ化大豆油、エチルトシルアミド、ヘキシルデシルベンゾエート、イソデシルシトレート、イソプロピルシトレート、ネオペンチルグリコール、PEG−800、PEG−8/SMDIコポリマー、PPG−26/HDIコポリマー、PPG−35/PPG−51グリセリルエーテル/IPDIクロスポリマー、PPG−12/SMDIコポリマー、PPG−26/TDIコポリマー、スクロースアセテートイソブチレート、スクロースベンゾエート、トシルアミド/エポキシ樹脂、トシルアミド/ホルムアルデヒド樹脂、トリアセチン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0174】
他の好適な可塑剤は、ロバート・L.デビッドソン(Robert L. Davidson)編「水溶性ゴム及び樹脂ハンドブック(HANDBOOK OF WATER-SOLUBLE GUMS AND RESINS)」(マグローヒル(McGraw-Hill)1980年)に開示されている。
【0175】
存在するとき、本方法の組成物中の可塑剤の濃度は、一般に、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%である。スプレー組成物のような好ましい組成物では、可塑剤の濃度は、好ましくは組成物の約5重量%未満、より好ましくは約4重量%未満、より好ましくは約3重量%未満である。
【0176】
昆虫及び/又は蛾忌避剤
本発明の組成物は、所望により、有効量の昆虫及び/又は蛾忌避剤を含有することができる。典型的な昆虫及び蛾忌避剤は、抗集合フェロモンのようなフェロモン、並びに、他の天然及び/又は合成成分である。本発明の組成物中で有用な好ましい昆虫及び蛾忌避剤は、シトロネロール、シトロネリアル(citronelial)、シトラール、リナロール、シーダー抽出物、ゼラニウム油、ビャクダン油、2−(ジエチルフェノキシ)エタノール、I−ドデセンなどのような香料成分である。本発明の組成物中で有用な昆虫及び/又は蛾忌避剤の他の例は、米国特許第4,449,987号、同第4,693,890号、同第4,696,676号、同第4,933,371号、同第5,030,660号、同第5,196,200号、及びB.D.ムケルジー(Mookherjee)ら「種々の昆虫種に対するフレーバ及び芳香分子のセミオ活性(Semio Activity of Flavor and Fragrance Molecules on Various Insect Species)」、(R.テラニシ(Teranishi)、R.G.バッテリー(Buttery)及びH.スギサワ(Sugisawa)「植物由来の生物活性揮発性化合物(Bioactive Volatile Compounds from Plants)」、ACSシンポジウムシリーズ525、1993年、35〜48頁に所収)に開示されている。
【0177】
昆虫及び/又は蛾忌避剤を用いるとき、それは典型的には、使用組成物の約0.005重量%〜約3重量%の濃度で存在する。
【0178】
着色剤
着色剤及び染料、特に青味剤を、所望により、視覚的魅力及び性能の印象のために、色回復組成物に添加することができる。1つの例は、ブルーデニムの外観を向上させることである。別の例は、くすんだ白色布地に白さ及び/又は白色度を回復することである。この場合、色相染料(hueing dye)及び増白剤を用いることができる。有用な色相染料及び増白剤の非限定的な例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20060079438(A1)号中に見ることができる。着色剤を用いるとき、それは、布地に染みが生じるのを避けるために極めて低濃度で用いられる。本組成物中で用いるのに好ましい着色剤は、極めて水溶性の染料、例えば、ミリケン・ケミカル(Milliken Chemical Co)から入手可能な、リキチント(登録商標)染料である。好適な染料の非限定的な例は、リキチント(登録商標)ブルーHP、リキチント(登録商標)ブルー65、リキチント(登録商標)パテントブルー、リキチント(登録商標)ロイヤルブルー、リキチントエクスペリメンタルイエロー8949−43リキチントグリーンHMC(登録商標)、リキチントイエローII(登録商標)及びこれらの混合物であり、好ましくはリキチント(登録商標)ブルーHP(登録商標)、リキチント(登録商標)ブルー65、リキチントパテントブルー(登録商標)、リキチントロイヤルブルー(登録商標)、リキチントエクスペリメンタルイエロー8949−43(登録商標)、リキチント(登録商標)ブルーDW、リキチント(登録商標)ブルーEM、リキチント(登録商標)バイオレットCT、リキチント(登録商標)バイオレットLS及びこれらの混合物である。しかしながら、本明細書で記載されている組成物は、いかなる着色剤又は染料の非存在下でも、有色の、色あせた布地の視覚的色回復を提供することを理解すべきである。
【0179】
任意の目詰まり防止剤
特にデンプンが存在するとき、組成物の湿潤性能及び目詰まり防止性能を強化する、任意の目詰まり防止剤は、2〜約6個、好ましくは2個の炭素原子を有するアルカン及びオレフィンのポリマーグリコールの群から選択される。目詰まり防止剤は、スプレーノズル内の「栓(plug)」の形成を阻害する。好ましい目詰まり防止剤の例は、約800〜約12,000、より好ましくは約1,400〜約8,000の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。使用するとき、目詰まり防止剤は、使用組成物の約0.01重量%〜約1重量%、好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.3重量%の濃度で存在する。
【0180】
構造剤
本発明の組成物は構造化剤又は構造剤を含有してもよい。構造化剤は、安定性を向上させるために、香料のマイクロカプセルを懸濁するのに有用であり得る。この成分の好適な濃度は、組成物の約0重量%〜20重量%、好ましくは0.001重量%〜10重量%、更により好ましくは0.05重量%〜3重量%の範囲である。構造化剤はまた、本発明の組成物中でシリコーンポリマーを安定化し、それが凝固及び/又はクリーム状になるのを防ぐ働きをすることができる。
【0181】
本明細書で使用するのに好適な構造化剤は、増粘安定剤から選択することができる。これらとしては、ガム及び他の類似の多糖、例えばジェランガム、カラギーナンガム、キサンタンガム、デュータン(Diutan)ガム(CPケルコ(CP Kelco)から)、並びにレオビス(Rheovis)CDP及びレオビスCDE(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から)、アルコガム(Alcogu)L−520(アルコ・ケミカル(Alco Chemical)から)、メトセル(Methocel)、カーボポール(Carbopol)及びセピゲル(Sepigel)305(SEPPICから)のような他の既知の種類の増粘剤及びレオロジー添加剤が挙げられる。
【0182】
1種の好ましい構造化剤は結晶性、ヒドロキシル含有安定化剤であり、更により好ましくは、トリヒドロキシステアリン、水素添加油又はこれらの誘導体である。
【0183】
理論に制限されるものではないが、結晶性のヒドロキシル含有安定化剤は、「糸状構造化系」の非限定的な例である。本明細書で使用するとき、「糸状構造化系」は、物質が結合して凝集する傾向及び/又は相分離する傾向を低減する化学的網状構造を提供可能な1種又はそれ以上の剤を含む系を意味する。その1種又はそれ以上の剤の例としては、結晶性ヒドロキシル含有安定化剤及び/又は水素添加ホホバが挙げられる。界面活性剤は、糸状構造化系の定義に包含されない。理論に束縛されるものではないが、糸状構造化系は、マトリクスの冷却持に繊維状の、又はからみ合った糸状の網目構造をその場で形成すると考えられている。糸状構造化系は、1.5:1、好ましくは少なくとも10:1〜200:1の平均縦横比を有する。糸状構造系の調製方法は、国際特許公開第02/18528号に開示されている。
【0184】
他の好ましい安定剤は、荷電されていない中性の多糖、ゴム、セルロースポリマー、並びにポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート及びコポリマーなどのようなポリマーである。
【0185】
キャリア
本発明の好ましいキャリアは水である。用いられる水は、蒸留水、脱イオン水又は水道水であることができる。水は、その低コスト、有効性、安全性及び環境適合性のために、主な液体キャリアである。水溶液はまた、皺抑制及び匂い抑制効果が望ましいとき、好ましい。
【0186】
水は、布地の皺除去又は低減に非常に有用である。理論に束縛されるものではないが、水は、布地を皺状態に保つ多くの繊維内及び繊維間水素結合を壊すと考えられている。それはまた、繊維を膨潤、潤滑及び弛緩させ、皺除去プロセスを補助する。
【0187】
水はまた、シクロデキストリンの液体キャリアとしても機能し、シクロデキストリン分子と、処理されるとき布地上に存在する任意の悪臭分子との錯体化反応を促進する。希釈水溶液はまた、布地上のシクロデキストリン分子の最大分離をもたらし、それにより匂い分子がシクロデキストリン分子と相互作用する機会を最大化する。近年、水はそれ自体予想外の匂い抑制効果を有することが発見されている。匂いで汚染された布地を水溶液で処理すると、いくつかの極性、低分子量有機アミン、酸及びメルカプタンにより生成される匂いの強度が低下することが発見されている。理論に束縛されるものではないが、水は、これらの極性、低分子量有機分子を可溶化し、その蒸気圧を低下させ、それにより匂い強度を低下させると考えられる。
【0188】
本発明の組成物中の液体キャリアの濃度は、典型的には、組成物の約80重量%超、好ましくは約90重量%超、より好ましくは約95重量%超である。濃縮組成物を用いるとき、液体キャリアの濃度は、典型的には、組成物の約50重量%〜約98重量%、好ましくは約60重量%〜約97重量%、より好ましくは組成物の約70重量%〜約95重量%である。
【0189】
所望により、水に加えて、キャリアは、極めて水に可溶性である低分子量有機溶媒、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール脱臭アセトン、及びアセトンなど並びにこれらの混合物を含有することができる。低分子量アルコールは、処理された布地を素早く乾燥させるのを補助することができる。また、エチレングリコール及びプロピレングリコールのエーテル(例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル)、並びに、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びエチレングリコールなどといったグリコールのような他の溶媒を用いることもできる。他の非限定的な例としては、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,2,3−プロパントリオール、プロピレンカーボネート、フェニルエチルアルコール、2−メチル1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ピナコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(及びエトキシレート)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、フェノキシエタノール(及びエトキシレート)、他のグリコールエーテル(ブチルカルビトール及びジプロピレングリコールn−ブチルエーテルなど)、エステル溶媒(アジピン酸、グルタル酸及びコハク酸のジメチルエステルなど)、並びにこれらの混合物が挙げられる。最適な溶媒はまた、いくつかの保形ポリマー及びいくつかの上述のシリコーンポリマーの可溶化にも有用である。最適な水溶性低分子量溶媒は、総組成物の約75重量%以下、典型的には約0.1重量%〜約25重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約5重量%〜約10重量%の濃度で用いることができる。高濃度の溶媒を組成物中で用いるとき、考慮する必要がある要因は、コスト、匂い、可燃性及び環境的影響である。組成物の目的とする用途が、それを自動衣類乾燥機内に分配すること(例えば、スプレー)である場合には、可燃性有機溶媒は好ましくない。
【0190】
製品
本発明の組成物はまた、前記組成物に加えてスプレーディスペンサーを含む製品で用いることができる。好ましくは、製品は、例えば、組成物の噴霧方法及び/又は噴霧する組成物の量といった、色あせた有色の布地を処理するための組成物の使用方法についての取扱説明書を伴う。皺低減効果が所望される場合、好ましくは製品は、例えば、組成物の噴霧方法及び/又は噴霧する組成物の量、並びに、以下により詳細に記載するように、布地を伸ばす及び/又は平らにする好ましい方法を含む、皺のついた布地を正しく処理するための組成物の使用方法についての取扱説明書を伴う。取扱説明書は、できる限り単純かつ明快であることが重要であるため、絵及び/又は図像を用いることが望ましく好ましい。
【0191】
製品はまた、布地の色回復に加えて、微生物を殺す若しくは微生物の量を低減する;皺を低減する;及び/又は匂い低減に加えて静電気を抑えることからなる群から選択されるものに関連する、問題の解決並びに/あるいは効果の供給を提供するのに有効な量で組成物を使用するための取扱説明書一式を伴う容器内に本発明の組成物を含むことができ、布地に爽やかさを提供し、かつ、長期間にわたって布地の爽やかさを持続させ、布地の柔軟性、摩擦からの保護及び磨耗防止効果を提供する。消費者がこれらの追加の効果に気づくことが重要であり、これはなぜなら、さもなければ、消費者は組成物がこれらの問題を解決する及び/若しくはこれらの効果を提供することを知り得ないからである。
【0192】
本明細書で使用するとき、「伴う」という言い回しは、取扱説明書一式が、製品の消費者に情報を伝達するように容器自体の上に直接印刷されていること、あるいは、冊子、印刷広告、電子広告及び/又は言語的コミュニケーションが挙げられるがこれらに限定されない別のやり方で提示されることを意味する。取扱説明書一式は、好ましくは噴霧により有効量の組成物を適用して、表示された効果、例えば皺低減、抗微生物作用、柔軟性、爽やかさ、匂い抑制及び/若しくは低減、並びに/又は静電気防止効果、並びに主な効果である布地の色回復効果の供給を提供するための、取扱説明書を好ましくは含む。
【0193】
本発明の組成物用の容器は、典型的には、プラスチック瓶(ポリエチレン、ポリプロピレン、PET及び混合物製)あるいは加圧可能なエアゾール缶(ガラス、プラスチック、ブリキ又はアルミニウム製)である。組成物は、好ましくは透明又は半透明であり、多くの場合、透明又は半透明の瓶(プラスチック又はガラス製)に組成物を詰めることが好ましい。透明又は半透明な瓶内にあることにより、消費者は、組成物が透明又は半透明であるのを見ることができ、したがって、組成物を布地上に噴霧しても安全である(すなわち、染みが残らない)と安心することができる。
【0194】
物品がエアゾールである場合、アルミニウム又はプラスチック「缶」に詰めることが好ましい。これらはより耐久性が高く、腐食耐性であり、図、絵、記号、図像及び使用のための取扱説明書で容易に装飾することができる。
【0195】
スプレーディスペンサー
本明細書の製品はスプレーディスペンサーを含む。布地色回復組成物は、布地上に分配するために、スプレーディスペンサー内に入れる。液体の滴を噴霧するための、前記スプレーディスペンサーは、色回復組成物で小さな布地表面積及び/又は少量の衣類を処理するための、例えば、トリガー型、ポンプ型、非エアゾール自己加圧及びエアゾール型噴霧手段といった当該技術分野において既知である、任意の手動で作動する手段であることができ、並びに、色回復組成物で大きな布地表面積及び/又は大量の衣類を便利に処理するための(電池式及び静電噴霧器のような)非手動で操作され、作動する噴霧器であってもよい。本明細書でスプレーディスペンサーは、通常、実質的に透明な、水性色回復組成物を泡立てるものを含まない。より小さな粒子状液滴を提供して、布地上へのシリコーンポリマーの分配を改善することにより、性能が向上すると考えられる。望ましくは、ザウター平均粒径は、約10マイクロメートル〜約150マイクロメートル、より好ましくは約20マイクロメートル〜約100マイクロメートルである。皺防止効果は、特に界面活性剤が存在するとき、上述のような小さな粒子(液滴)を提供することにより、改善できる。
【0196】
噴霧のための粒径法
原理及び範囲
この試験手順を用いて、エアゾール又は非エアゾールスプレーのザウター平均粒径D[3,2]を決定する。
【表8】

【0197】
手順
試料の調製
・試験試料(非エアゾール瓶又はエアゾール缶)は適切にコード化されるべきである。
・試験試料(非エアゾール瓶又はエアゾール缶)は20〜24℃であるべきである。必要であれば、瓶又は缶を21±1℃の水浴中で、21℃になるまで調整する。
【0198】
マルバーン2600の準備/操作
1.試験は20〜24℃の室温で実行し、較正された温度計で測定する。各試験の前に温度記録計を点検し、室温が特定の範囲外である場合は試験を行わない。
2.ドラフトは、確実にVOC及び噴射剤を適切に除去するために、スイッチを入れておかなければならない。
3.非エアゾールの場合、作動装置の給気を確実に「オン(on)」にしておく。自動作動装置の圧力調整器を、較正された計測器が551.5〜586kPa(80〜85psig)と読めるまで調節する。
4.非エアゾールの場合、較正された流量計で、作動装置の気流速度が14L/分(±3L/分)であることを確認する。このプロセスは、自動作動装置の最上部から流量計の背後まで、管及びニードル弁で連結することにより行われる。ボタンを押し、ニードル弁で空気流を特定の範囲に調節する。
5.レーザーのスイッチを入れる。
a.両方のレンズキャップを外す。
b.レーザーの左端のキーをオンの位置に回す。
6.コンピュータのスイッチを入れ、試験の構成をロードする。
A.コンピュータ及びモニタの向きを変える。
B.「#1プログラム」のメニューが立ち上がるまで待つ。
a.「B」と打ち込み、パスワード(APDO)を入れ、次いでenterを押す。
b.マルバーンメニューウインドウが現れたら、2600 BOの場合F1と入力する。マルバーンソフトウェアが、ここでロードアップする。
c.「簡単寸法測定器メニュー(Easy Sizer Menu)」が現れたら、「M」と打ち込み、enterを押す。
d.キルデータ(kill data)をチェックするための、「設備のパラメータの概要(Summary of equipment parameters)」メニューが現れる。
e.以下のチェックチャートを試験する前に、製品のための正しいキルロウデータ(kill low data)を実行していることを確認する。
【表9】

f.キルを変更する必要がある場合、非エアゾールでは「kil 0」と打ち込む。
g.キルを変更する必要がある場合、エアゾールでは「kil 1」と打ち込む。
7.非エアゾールの場合、全てのポンプ構成要素が配置され、機能していることを保証するため、更に最低5〜10回、試験ポンプに呼び水をし、作動させる。
8.非エアゾールの場合、瓶を自動作動装置内に置く。ポンプ作動装置が、ボタンを押すことなく空気シリンダにぴったり合うまで、瓶を持ち上げる。剛性シムを瓶の下に滑らせ、正確な瓶の高さを維持する。
9.レーザービームがスプレー雲の中心線と交差し、スプレー雲がレーザービームに対して垂直であるように、試験試料を置く。レーザービームから開口部までの距離は、非エアゾールの場合15.2cm(6インチ)であり、エアゾールの場合20.3cm(8インチ)である。注記:手動モードで実行するために、手動構成を参照のこと。
10.F4ファンクションキーを押す。
11.測定バックグラウンドウインドウ(Measuring Background window)が現れる間待つ。
12.測定実行バックグラウンドウインドウ(Executing Measuring Background window)が現れる間待つ。
13.測定試料スクリーンウインドウ(Measuring Sample Screen window)が現れたら、計算実行スクリーンウインドウ(Executing Calculations Screen window)が立ち上がるまでスプレーの噴霧を開始し、次いで噴霧を停止し、計算が行われる間待つ。
14.計算状態ウインドウスクリーン(Calculations Status window screen)が現れたら、データシートにザウター平均粒径D[3,2]を記録する。
15.試験用缶又は瓶を取り出す。
16.非エアゾールの場合は工程7〜15を、エアゾールの場合は工程9〜15を、全ての試料を試験するまで繰り返す。
17.非エアゾールの試験完了時、流入空気弁を閉じる。計測器が0kPa(0psig)と読めるまで、タイマーのスイッチを押したり放したりする。スイッチを押したり放したりすることにより、順次、システムの圧力が0kPa(0psig)に低下する。
【0199】
手動構成:
1.「dis par」と入力し、以下のチャートを参照してキルロウデータをチェックすることにより、設備のパラメータを設定する。
【表10】

a.キルを変更する必要がある場合、非エアゾールでは「kil 0」と打ち込む。
b.キルを変更する必要がある場合、エアゾールでは「kil 1」と打ち込む。
2.コマンド「m b」を打ち込み、enterを押す。これはバックグラウンドの光錯乱を測定する。リング0の数値が、良好なアラインメントを示す約550であることをチェックする。リング1〜31の数値が10以下であることをチェックする。これはレンズが清浄であることを裏付ける。リング1〜31の数値が20以上である場合、レンズを洗浄する。アラインメントのチェック及びバックグラウンド測定を繰り返す。
3.レーザービームがスプレー雲の中心線と交差し、スプレー雲がレーザービームに対して垂直であるように、試験試料を置く。レーザービームから開口部までの距離は、非エアゾールの場合15.2cm(6インチ)であり、エアゾールの場合20.3cm(8インチ)である。
4.以下の文字列のコマンドを打ち込む(又はファンクションキーF2を押す):
m:cal:dis res:sam ed:dis dia
5.次いで、enterキーを押す。
6.palmボタンを押すことにより、試験試料の噴霧を開始し、キーボードのenterキーを押す。マルバーンが試料の測定を開始する。分析が完了し、スクリーンが変化するまで、約10秒間噴霧を続ける。
7.キーボードの「endボタン」を押す。適切なデータシートにザウター平均粒径D[3,2]を記録する。
8.次の試料を測定するために、試料を置き、F2を押す。これにより、入力したコマンドの最後の文字列を再表示する。残っている試料全てについて続ける。
9.非エアゾールの試験完了時、流入空気弁を閉じる。計測器が0kPa(0psig)と読めるまで、タイマーのスイッチを押したり放したりする。スイッチを押したり放したりすることにより、順次、システムの圧力が0kPa(0psig)に低下する。
【0200】
維持管理:マルバーン2600シリーズ粒径分析器
・レンズを少なくとも週1回洗浄する。
【0201】
特別な安全対策
・試験中ドラフトのスイッチが入っていることを保証する。
・適切な個人保護設備が装備されていることを保証する。
・試験前に、確実に、試験している製品の配合のCOSHH/MSDSの他の評価を受け取り、読む。
【0202】
システムの適合性/品質管理要件:マルバーン2600シリーズ粒径分析器
・年1回マルバーンにより完了する。
【0203】
結果の報告
・ザウター平均粒径D[3,2]を記録する。
【0204】
スプレーディスペンサーはエアゾールディスペンサーであってもよい。前記エアゾールディスペンサーは、エアゾール容器を製作するのに使用される任意の従来の材料で構築することができる容器を含む。ディスペンサーは、約137.8kpa〜約1241kpa(約20〜約180p.s.i.g.)、より好ましくは約137.8kpa〜約1103.1kpa(約20〜約160p.s.i.g.)、更により好ましくは約137.8kpa〜約896.3kpa(約20〜約130p.s.i.g.)の範囲の内圧に耐えることができなければならない。ディスペンサーに関する1つの重要な要件は、ディスペンサー内に収容されている好ましくは透明又は半透明である布地色回復組成物が、非常に微細な粒子若しくは超微粒子又は微細液滴若しくは超微液滴の形で分配されるのを可能にする弁部材を備えることである。エアゾールディスペンサーは、そこから加圧下で特殊な作動装置/弁アセンブリを通して布地色回復が分配される、加圧された密封容器を利用する。エアゾールディスペンサーは、その中に噴射剤として一般に知られているガス状成分を組み込むことにより、加圧される。例えば、イソブタン、ブタン及びプロパン、混合ハロゲン化炭化水素、並びに噴射剤152aのようなガス状炭化水素などの一般的なエアゾール噴射剤を用いることができる。クロロフルオロ炭化水素のようなハロゲン化炭化水素噴射剤は、環境問題の一因となる疑いがあり、好ましくない。シクロデキストリンが存在するとき、炭化水素噴射剤は好ましくないが、なぜならばこれらがシクロデキストリン分子と錯体を形成し、それにより臭気吸収用の非錯体化シクロデキストリン分子の利用できる度合いを低下させる恐れがあるからである。好ましい噴射剤は、圧縮空気、窒素、不活性ガス、二酸化炭素などである。市販のエアゾールスプレーディスペンサーのより完全な説明は、米国特許第3,436,772号(ステビンズ(Stebbins)、1969年4月8日発行)及び同第3,600,32号(カウフマン(Kaufman)ら、1971年8月17日発行)に掲載されている。
【0205】
好ましくは、スプレーディスペンサーは、回旋状ライナー及び弾性スリーブを有する自己加圧非エアゾール容器であってよい。前記自己加圧ディスペンサーは、本質的に円筒形である弾性スリーブ内部に、厚さ約0.025cm〜約0.050cm(約0.010〜約0.020インチ)の薄く、可撓性である、放射状に膨張可能な回旋状プラスチックライナーを収容する、ライナー/スリーブアセンブリを含む。ライナー/スリーブは、大量の色回復組成物製品を保持し、前記製品を分配させることができる。自己加圧スプレーディスペンサーのより完全な説明は、米国特許第5,111,971号(ワイナー(Winer)、1992年5月12日発行)及び同第5,232,126号(ワイナー(Winer)、1993年8月3日発行)に見ることができる。エアゾールスプレーディスペンサーの別の種類は、米国特許第4,260,110号(1981年4月7日発行)に開示されているような、バリアにより色回復組成物が噴射剤(好ましくは圧縮空気又は窒素)と分離されているものである。このようなディスペンサーは、EPスプレーシステムズ(EP Spray Systems)(ニュージャージー州イーストハノーバー(East Hanover))から入手可能である。
【0206】
摩擦係数(COF)試験
本明細書に開示する組成物及び方法の好ましい実施形態に従って、色回復組成物は、COF試験法を用いて、乾燥した組成物の静摩擦係数を少なくとも0.4、好ましくは少なくとも0.5に増加させる静止摩擦増加剤(滑り防止剤)を含む。
【0207】
装置ユーザーは、使用前にBOT−3000ユニット(Nu−セーフ・フロア・ソリューションズ(Nu-Safe Floor Solutions, Inc.)(ケンタッキー州ウォルトン(Walton))が完全にチャージされていることを保証する責任がある。ユニットのチャージに関する取扱説明書は、ユーザーマニュアルの第2章にある。ユーザーは、使用前にBOT−3000システム(ユニット及びセンサーの両方)を検証する責任がある。ユニット及びセンサーの検証に関する取扱説明書は、ユーザーマニュアルの第3章に見ることができる。
【0208】
試薬及び溶液ユーザーは、BOT−3000ユニットに含まれるセンサー検証パネルの洗浄のためにDI水を準備しなければならない。ユーザーは、試験前に床表面を洗浄するために、ミスタークリーン(Mr. Clean)(登録商標)抗微生物性多表面用スプレー(Antibacterial Multi-Surface Spray)及びイソプロピルアルコールを準備しなければならない。ユーザーは、COF(静摩擦係数)試験のために、床に適用する任意の溶液を準備しなければならない。紙やすり(100グリット−赤)が、処理間にセンサーの表面を新しくするために必要である。
【0209】
設備試験は、調理台又は床のような、安定な固体水平表面上で実施しなければならない。振動により、試験結果が変動する恐れがある。
【0210】
手順ミスタークリーン(登録商標)抗微生物性多表面洗浄スプレー及びバウンティ(Bounty)(登録商標)紙タオルを用いて、試験用に用いられる床試料を洗浄する。床の試料が乾燥したら、イソプロピルアルコールの拭き取りシートで拭き、床上に残っている残留物の全てを確実に除去する。試験される液体製品を、清浄な、乾燥した床試料に適用する(約2gがエアゾール缶から分配される)。バウンティ(登録商標)紙タオルを用いて、液体製品を試験領域全体に軽く広げる。幅7.62cm(3インチ)及び長さ60.96cm(24インチ)の試験領域が、典型的には、十分である。床上で製品を完全に乾燥させる。
【0211】
BOT−3000システムを検証及び認証したら、処理された領域上をセンサーが移動するように、ユニットを床試料上に置く。処理された領域とセンサーが接触したままで、ユニットが端から転げ落ちることなく、床試料上に留まるように、確実にユニットを床上に直立させる。車輪が滑ることによる汚染又は無効な読み取りを防ぐために、ユニットの車輪は処理された領域に入れない。
【0212】
ネオライト(Neolite)センサー(金色の筐体)を用いるとき、「RUN WET(NFSI)」の印のついたボタンを押す。パネルは、「Enter Facility#」と表示する。ユーザーは、ファシリティコードを入力する、又は、「VERIFY/SETUP」ボタンを押すことができる。試験が完了したとき、ユニットは床試料上で停止し、同時に印刷出力を得ることができる。報告書全文の場合は「PRINT WITH GRAPH」ボタンを押し、概略報告の場合は「PRINT TEXT ONLY」ボタンを押す。床に対して反対方向に繰り返す。例えば、初回BOT−3000が床を右から左に移動した場合、今回は左から右へ行かなくてはならない。注記:印刷出力は各試験後に入手しなければならず、結果は最後の試験を実施した後再表示することはできない。両方向に試験が完了した後、ネオライトセンサーを取り除き、ユーザーマニュアルの第2章に記載されているようにその表面を新しくする(紙やすり)。
【0213】
システムの適合性ユニットを用いる度に、検証しなくてはならない。各センサーは、使用前に磨耗を点検し、検証しなくてはならない。
【0214】
非白色の色あせた布地に対する色回復の結果を測定するために用いられる、布地の外観試験は、以下の通りである。
【0215】
布地の外観試験
装置カラークエスト(ColorQuest)分光光度計LAVユニット
紫外線フィルターを「OUT」に、ポートの大きさを5.08cm(2インチ)に、照射をD65に、目盛りをCIELABに、及び「observer」を10に設定する。注記:CIE L(CIELAB)カラースケールのL値を実施例で用いる。
【0216】
ケンモア(Kenmore)80シリーズ洗濯機
標準的な米国の乾燥機(ケンモア又はメイタッグ(Maytag))
試薬及び溶液増白剤を含まないAATCC 1993(標準的な参照洗剤WOB)粉末
手順試験する各噴霧処理に対するバラスト負荷(ballast load)を組み立てる。各バラスト負荷は、約3.4kg(7.5ポンド)であり、75重量%の木綿/25重量%のポリエチレンからなるべきである。含まれる衣類を以下に列挙する。
【0217】
−縁部が波打っており、IDタグ(EMC製)が取り付けられている3個の、黒色チノクロスの綾織物の材料見本、30.48cm×30.48cm(12”×12”)
−IDタグが取り付けられている3足の黒色のギャップ(gap)の靴下(EMC、エンピリカル・マニュファクチャリング社(Empirical Manufacturing Company, Inc.)(オハイオ州45237−3208シンシナティ、レインホールドDr.7616(7616 Reinhold Dr., Cincinnati, OH 45237-3208))製)
−3着の、青色のアウターバンクス(Outer Banks)のポロシャツ、サイズは男性用M、100%木綿、両面編み布地(interlock knit fabric)(ゼネラル・アドバータイジング・プロダクツ(General Advertising Products, Inc.)(オハイオ州45246−088012150シンシナティ、ノースウエストBlvd.、私書箱46880(12150 Northwest Blvd., PO Box 46880, Cincinnati, OH 45246-0880))製)
−3着の、黒色のアウターバンクスのポロシャツ、サイズは男性用M、100%木綿、両面編み布地(ゼネラル・アドバータイジング・プロダクツ製)
−バラストの木綿充填剤として、約8個のCW25プラス(pluses)(EMC製)
−バラストのポリエステル充填剤として、約15個のPW19プラス(EMC製)
用いる製品の種類、反復番号及び衣類の種類を示す、関連性のある符号を用いて各衣類にラベルを付ける。必ず耐水性マーカーを用いること。負荷全体を計量し、確実に総重量を3.28kg〜3.51kg(7.25〜7.75ポンド)にする(必要に応じてプラスを加える又は取り除く)。
【0218】
各洗浄に対して、AATCC洗剤を66g(±0.25g)を計り分ける。洗浄サイクルを10回繰り返すため、各布地噴霧処理群に対して10回分の用量が必要である。
【0219】
全ての洗濯機を、硬度0.13g/L(8gpg)の混合水源を用いて32.3℃(90°F)での洗浄に設定する。各洗濯機サイクルを、64.3L(17ガロン)(中程度の負荷)注入するように設定する。各洗濯機を、「超清浄(Ultra Clean)」サイクルで12分間攪拌/洗浄するように設定する。約5.08cm(2インチ)の水が洗濯機内に存在するとき、AATCCを添加し、それを溶解させる。洗濯機が半分程度満たされたとき、洗浄するバラスト負荷を添加する。すすぎサイクル(水は15.5℃(60°F))中に負荷をチェックし、洗剤のキャリーオーバーに起因する「泡」の量を観察する。大量に存在する場合(例えば、水の最上部が「泡」により覆われている)、2回目のすすぎを洗浄サイクルに追加する。
【0220】
布を乾燥させるために、各バラスト負荷を(混合せずに)一緒に保持し、乾燥するまで約50分間高温で標準的な米国の乾燥機(ケンモア又はメイタッグ)を使用する。
【0221】
10サイクルの終了時、プラスを残りの負荷から分離する。カラークエスト分光光度計(ColorQuest Spectrophotometer)を用いて、ポロシャツのL値を読み取る。シャツの各側から3個、合計シャツ1枚当たり6個の数値をとる。これらの値を各シャツ毎に平均する。
【0222】
完全に乾燥した衣類をそれぞれ計量し、重量を記録する。各衣類について、総重量の8%を計算し、この数を布地に適用されたスプレーの目標量とする。天秤計り上のラック一式に各布地の衣類をかけ、天秤計りを0に設定する。できる限り所望の量に近い量のスプレー製品を適用し、布地の実際の重量を記録する。全ての衣類を完全に乾燥させる。カラークエスト分光光度計での評価を繰り返す。
【0223】
布地の外観に対するスプレーの影響を評価するために、10洗浄サイクル後のL値を噴霧後のL値と比較し、以下のようにΔL値の百分率変化を計算する。
【数1】

【実施例】
【0224】
(百分率は重量%である)
【表11】

シロキサン、EO及びPOから構成される、ダウ・コーニング(Dow Corning)製シリコーングラフト型ポリエーテル(ジメチル,メチルヒドロキシプロピル,エトキシ化プロポキシ化シロキサン、一級CAS番号68937−55−3)。
粘度が約4000であり、メチルで末端保護されたエチレンオキシドが付着しているポリジメチルシロキサン由来の、GE製シリコーンポリマー界面活性剤(CAS番号68938−54−5)。
カーギル社(Cargill Incorporated)から水溶液(カビトロン(Cavitron)82057)として供給される。
BASF社(BASF Corporation)により供給されている、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー(CAS番号25212−88−8)。
最終組成物のpHが約6〜約7の範囲になるように調節された水酸化ナトリウム溶液。
THOR社(THOR GmbH)により供給されている、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(CAS番号2634−33−5)の防腐剤。
アーチ・ケミカルズ(Arch Chemicals)により供給されている、水及びジプロピレングリコール中の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(CAS番号2634−33−5)の防腐剤。
【0225】
【表12】

アウターバンクス製、100%木綿、両面編み。
【0226】
【表13】

床は、ロウズ(Lowes)の、10.1cm(4インチ)×91.4cm(36インチ)の、ノヴァリス・ホームファッションズ(Novalis Home Fashions)により製造された、高級ビニル厚板材木シリーズ(Luxury Vinyl Plank Timber Series)である。
床は、ポリウレタン仕上げ(ミンワックス速乾ポリウレタン透明半光沢(Minwax Fast−Drying Polyurethane Clear Semi-Gloss))したオーク堅木である。
【0227】
【表14】

【0228】
実施例C及びDは、以下の手順で作製した。
1.容器にDI水を入れる。
2.アクチシド(Acticide)B 20を添加する。
3.ルビフレックス・ソフト(Luviflex Soft)を添加する。
4.ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンを添加する。
5.DC Q2−5247を添加する。
6.シルウェット(Silwet)L−7600(存在する場合)を添加する。
7.エタノールを添加する。
8.香料を添加する。
9.全ての成分がブレンドされたと思われるまで、約5分間混合する。
10.pHを測定する。
11.pHが6.5(±0.5)に達するまで、20%のNaOHを、混合しながらゆっくりと添加する。
12.約30分間混合を続ける。
13.280g(±2g)を空のエアゾール缶(DOT 2Qアルミニウム缶)に分配する。
14.充填された缶に弁を置き、圧着する。
15.圧着した缶を、窒素(約2g)を供給し、861.8kPa(125psig)にする。
16.作動装置を缶に適用する。
【0229】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0230】
本明細書を通じての所与のあらゆる最大数値限定は、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を含むと理解されるべきである。本明細書を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、より大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にある、あらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0231】
特に指定がない限り、本明細書の明細書、実施例及び請求の範囲における全ての部、比及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当前記技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0232】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0233】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0234】
本明細書で使用するとき、「本質的に含まない」とは、微量しか含有しないと定義される。1つの実施形態では、この量は約1%未満、あるいは約0.5%未満、あるいは約0.1%未満、あるいは約0.01%未満である。
【0235】
本明細書で使用するとき、「及び/又は」は、特定の組の1つ以上の要素の任意の組み合わせとして定義される。例えば、A及び/又はBは、A、B、又はA及びBのいずれかであると解釈される。
【0236】
特に記載のない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ又はそれ以上」を意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧機構と、シリコーンポリマー活性物質及び水、溶媒又はこれらの混合物を含む組成物を収容する容器とを含む布地ケア物品であって、前記組成物が、布地に噴霧されたとき、布地の外観試験法により測定される外観効果において少なくとも約−2のΔL値の百分率変化の改善を提供する、物品。
【請求項2】
前記組成物が、前記組成物の総重量を基準として、約1.75重量%〜約10重量%のシリコーンポリマー活性物質を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記シリコーンポリマーが、ポリジメチルシロキサン、エトキシ化シリコーンポリマー、プロポキシ化シリコーンポリマー、エトキシ化/プロポキシ化シリコーンポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記組成物が香料を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記香料がマイクロカプセルに収容されている、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記組成物が、前記組成物の総重量を基準として、約0.001重量%〜約5重量%の香料を含む、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記組成物が、乳化剤又は展着剤及びこれらの混合物を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記溶媒が、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール脱臭アセトン、アセトン、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記溶媒が脱臭アセトンである、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記組成物が、乾燥時に、COF試験法を用いて少なくとも約0.4の静摩擦係数を有する前記噴霧された組成物を提供するのに十分な量の、滑り防止剤又は滑り防止剤の混合物を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記滑り防止剤が、多糖、ポリマー、天然ゴム、界面活性剤、シリカ、粘土及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記滑り防止剤が、デンプン若しくはデンプン誘導体、糖若しくは糖誘導体、シクロデキストリン、ポリアクリレート、又は、これらの混合物である、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
シリコーンポリマーと滑り防止剤との重量比が約1.5〜約5である、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記噴霧された組成物が、約30マイクロメートル〜約100マイクロメートルの中央粒径を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記噴霧機構がトリガー噴霧器である、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記噴霧機構が電気によって作動する、請求項14に記載の物品。
【請求項17】
前記電気が電池により供給される、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記噴霧機構が静電噴霧器である、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記組成物がエアゾールスプレーとして前記布地に放出される、請求項14に記載の物品。
【請求項20】
前記容器がスプレー噴射剤として窒素を含む、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記組成物が、1秒当たり約0.1g〜1秒当たり約2gの噴霧速度で放出される、請求項14に記載の物品。
【請求項22】
前記組成物が、布地の1平方フィート当たり約2gの前記組成物を放出するように噴霧され、約5分〜約15分間の布地を乾燥させる時間を必要とする、請求項1に記載の物品。
【請求項23】
請求項1に記載の物品を用いて布地に噴霧し、前記布地の1平方フィート当たり約1g〜約4gの前記布地ケア組成物を適用することを含む、有色の、色あせた布地の色を回復する方法。
【請求項24】
噴霧機構と、シリコーンポリマー及び水、溶媒又はこれらの混合物を含む組成物を収容する容器とを含む布地ケア物品であって、前記組成物が、布地に噴霧されたとき、(1)布地の外観試験法により測定される外観効果において少なくとも約−2のΔL値の百分率変化の改善、及び、(2)COF試験法を用いて、少なくとも約0.4の静摩擦係数を提供する、物品。

【公表番号】特表2010−515839(P2010−515839A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545278(P2009−545278)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050100
【国際公開番号】WO2008/084460
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】