説明

布類展張搬送機

【課題】 公知の布類展張搬送機で使用されている受取チャックは、布類角部を前側に下降傾斜した固定側挟持片の上面側において可動側挟持片で保持するようにしているので、受取チャックが開放したときに布類角部が固定側挟持片に引っ掛かる虞れがある。
【解決手段】 大面積布類の一辺の両端角部を所定高位置において一対の受取チャック21,21で吊上げ状態で展張させた後、各受取チャックを開放して展張吊上げ布類の上辺部を受渡し装置4側に移乗させ得るようにした布類展張搬送機において、両受取チャック21,21を、前側に下降傾斜させた姿勢で設置した固定側挟持片26と、固定側挟持片の下面側挟持面に対して揺動開閉される可動側挟持片27とを有し、可動側挟持片27の開放姿勢で該可動側挟持片の挟持面が鉛直姿勢以上に開くようにしていることにより、受取チャックの開放時に布類角部が受取チャックに引っ掛からないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、シーツ(布団包布も含む)のような大面積の布類を展張させ、その展張布類を後工程側に搬送させるための布類展張搬送機に関し、特にそのような布類展張搬送機に使用される受取チャックの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ランドリー工場において、シーツのような大面積の布類は、洗濯・乾燥後にプレス機でプレスしたり、折畳み機で折畳む作業が行われるが、その後工程装置(プレス機を経て折畳み装置)に布類を供給する際には、予め布類をきれいに展張させておく必要がある。
【0003】
ところで、シーツのような大面積の布類を展張させて後送するための布類展張搬送機として、従来から図4及び図5に示すようなものがある。尚、この種の布類展張搬送機としては、例えば特開2001−159067号公報(特許文献1)に示されるもののほか、多数公知になっている。
【0004】
この図4及び図5に示す公知例の布類展張搬送機は、大面積の布類(例えばシーツ)Sを投入する投入装置1と、投入された布類を所定高位置まで吊上げた状態(符号S1の状態)で左右に展張させる左右展張装置2と、吊上げ展張された布類S2の下部側を下方に吸引する吸引装置3と、展張吊上げ布類S2を搬送装置5(吸着コンベア51)側に受渡す受渡し装置4とを基本構成としている。
【0005】
投入装置1は、左右一対の投入チャック11,11と昇降装置12とを有している。そして、この投入装置1は、各投入チャック11,11で布類Sの一辺の両端角部Sa,Saをそれぞれ保持した状態で昇降装置12により所定高位置まで吊上げ得るようになっている。
【0006】
左右展張装置2は、上方で待機している左右一対の受取チャック21,21と、該各受取チャック21,21をそれぞれ左右に移動させる左右動装置22,22を有している。そして、この左右展張装置2は、上記各投入チャック11,11が布類一辺の両端角部Sa,Saを保持して上動したときに該各角部Sa,Saをそれぞれ受取チャック21,21で受取り(布類がS1の状態)、続いて該各受取チャック21,21を布類上辺部Sbが緊張するまで左右に離間させて、布類を吊上げ状態で展張させる(布類がS2の状態)ようになっている。
【0007】
吸引装置3は、展張吊上げ布類S2の下部側を吸気ファン33により吸引ボックス31内に吸引して(布類が符号S4の状態)、該布類をきれいに展張させるものである。
【0008】
受渡し装置4は、吸着ボックス41を伸縮シリンダ43で前後動させるように構成したものである。吸着ボックス41の前側上面は、吸気ファン42によって吸引されている。そして、この受渡し装置4は、展張吊上げ布類S4に対して、吸着ボックス41を前側に移動させて状態で両受取チャック21,21を開放させることにより、布類上辺部Sbを吸着ボックス41の上面に移乗させ得るようになっている。尚、両受取チャック21,21が開放するのと同時に、図示しないエアブローにより布類上辺部を吸着ボックス41の上面に向けて付勢する。
【0009】
布類上辺部Sbを受取った吸着ボックス41は、図5に鎖線図示(符号41′)するように高速で後退し、そのとき布類上辺部Sbが吸着コンベア51の始端部に移乗され(布類がS5に状態)、その後、布類S5が吸着コンベア51及び排出コンベア52に乗って後工程側(プレス工程を経て折畳み工程側)に移送されるようになっている。
【0010】
ところで、この公知例の布類展張搬送機で使用されている受取チャック21,21は、図5に示すように前側に下降傾斜させた姿勢で台板24に固定された固定側挟持片26と該固定側挟持片26の上面(前面)側において揺動開閉する可動側挟持片27とを有している。尚、可動側挟持片27は、シリンダ(ソレノイド又はエアー式)28で開閉作動される。
【0011】
そして、各側の受取チャック21,21は、布類の各角部Sa,Saを保持した状態から同時に開放される(各側の可動側挟持片27が同時に上動開放される)が、そのとき保持していた各側の布類角部Sa,Saが各側の固定側挟持片26の上面からそれぞれ擦り落ちるようになる。
【0012】
【特許文献1】特開2001−159067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上記した公知例の布類展張搬送機に使用されている各受取チャック21,21は、固定側挟持片26が前側に下降傾斜する姿勢で取付けられ、且つ可動側挟持片27が固定側挟持片26の上面(前面)側で開閉するようになっているので、該可動側挟持片27が開放した瞬間には、左右各側で保持していた布類の各角部Sa,Saがまだ固定側挟持片26の上面に接触している。そして、両受取チャック21,21が開放して布類上辺部Sbが吸着ボックス41上に移乗されるときには、布類両端角部Sa,Saがそれぞれ各側の固定側挟持片26の上面から擦り落ちるが、そのとき布類の角部Sa,Saが固定側挟持片26の上面に引っ掛かる虞れがある。
【0014】
このように、左右の受取チャック21,21が開放された時点で、いずれかの側の布類角部Saが瞬間的であっても固定側挟持片26に引っ掛かると、左右の布類角部Sa,Saが吸着ボックス41上に移乗するときに時間差が生じるようになり、その結果、布類上辺部Sbが吸着ボックス41上に移乗したときに正常姿勢にならなくなる。つまり、該布類上辺部Sbが平面視において吸着ボックス41の長さ方向(機体の左右方向)に対して傾斜した状態で吸着ボックス41上に移乗されてしまう。
【0015】
そして、布類上辺部Sbが傾斜状態で吸着ボックス41上に移乗すると、該布類上辺部Sbが吸着ボックス41から吸着コンベア51上に移乗されるときも傾斜したままとなり、展張布類が傾いた姿勢のまま後工程側(プレス工程を経て折畳み工程)に搬送されるようになるという問題が発生する。尚、展張布類が傾いた姿勢のまま折畳み工程まで搬送されると、布類端縁が揃わない状態で折畳まれてしまい、見映えの悪い仕上がり状態になる(顧客から苦情が出る)。
【0016】
そこで、本願発明は、上記した公知の受取チャックの問題点に鑑み、左右一対の受取チャックで保持していた布類両端角部を確実に同時に受渡し装置側に移乗させ得るようにすることにより、展張布類を常時正常姿勢(傾いていない姿勢)で後工程側に搬送させ得るようにした布類展張搬送機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。本願発明は、シーツ(布団包布も含む)のような大面積の布類をきれいに展張させた後、後工程側に搬送させ得るようにした布類展張搬送機を対象にしている。
【0018】
本願発明の布類展張搬送機は、シーツのような大面積の布類の一辺の両端角部をそれぞれ投入チャックで保持した状態で所定高位置まで吊上げ、その布類の各角部を一対の受取チャックで受取り、該各受取チャックを左右に離間させて布類を吊上げ状態で展張させた後、各受取チャックを開放して展張吊上げ布類の上辺部を受渡し装置側に移乗させ得るようにしたものである。尚、受渡し装置側に移乗された布類上辺部は、該受渡し装置から搬送装置(コンベア)側に移乗された後、展張布類の状態で後工程側(プレス工程をへて折畳み工程側)に搬送される。
【0019】
そして、上記両受取チャックは、前側に下降傾斜させた姿勢で設置した固定側挟持片と、該固定側挟持片の下面側挟持面に対して揺動開閉される可動側挟持片とを有しているとともに、可動側挟持片の開放姿勢で該可動側挟持片の挟持面が鉛直姿勢以上に開くようにしている。
【0020】
従って、本願の布類展張搬送機に使用している各受取チャックでは、固定側と可動側の両挟持片で布類角部を保持している状態から可動側挟持片が開動作したときに、固定側挟持片の挟持面と可動側挟持片の挟持面とがそれぞれ鉛直方向の前後各外側に開くようになり、各側の受取チャックで保持していた布類の各角部がそれぞれ各受取チャックからスムーズに(引っ掛かることなく)離脱するようになる。
【0021】
尚、可動側挟持片は開閉装置により揺動開閉されるが、この開閉装置としては、例えばソレノイド又はエアーで伸縮するシリンダが採用可能である。
【発明の効果】
【0022】
本願発明の布類展張搬送機では、一対の受取チャックに上記構成のものを使用していることにより、両受取チャックで展張吊上げ布類の各角部を保持している状態から、該両受取チャックが同時に開放すると、固定側挟持片と可動側挟持片の各挟持面がそれぞれ鉛直方向の前後各外側に開くので、各側の受取チャックで保持されていた布類の両角部が該各受取チャックからスムーズに(引っ掛かることなく)且つ同時に離脱するようになる。
【0023】
従って、本願発明の布類展張搬送機では、展張吊上げ布類の上辺部を受取チャック側から受渡し装置側に移乗させる際に、該布類上辺部を受渡し装置(吸着ボックス)上に毎回正常姿勢で移乗させることができ、その後、展張布類を正常姿勢のまま後工程側(プレス工程を経て折畳み工程側)に移送させることができるという効果がある。尚、展張布類を正常姿勢のまま折畳み装置まで移送させると、該折畳み装置において布類をきれいに(端縁のはみ出しがない状態で)折畳むことができる。
【実施例】
【0024】
以下、図1〜図3を参照して本願実施例の布類展張搬送機を説明する。尚、この実施例の布類展張搬送機は、シーツ(布団包布を含む)のような大面積の布類を展張させた後、その展張布類を後工程側に搬送し得るようにしたものである。
【0025】
図1〜図3に示す実施例の布類展張搬送機は、投入装置1と、左右展張装置2と、吸引装置3と、受渡し装置4と、搬送装置5とを基本構成としている。尚、投入装置1、左右展張装置2、吸引装置3、受渡し装置4、搬送装置5は、それぞれ図4及び図5に示す公知例(特許文献1)のものとほぼ同構造であって、上記公知例の説明と重複する部分があるが、本願実施例の布類展張搬送機の基本構成についても以下に説明する。
【0026】
投入装置1は、展張すべき布類Sの一辺の両端角部Sa,Saを保持する一対の投入チャック11,11を有し、該各投入チャック11,11を昇降装置(ロッドレスシリンダ)12で上下動させ得るようにしたものである。
【0027】
各投入チャック11,11は、人の肩幅程度の間隔で左右に並置されている。そして、この各投入チャック11,11は、昇降装置12により投入作業高さとなる低位置(図1、図2の高さ)と布類全体を吊下げ得る高位置(布類の保持部分を後述の受取チャック21に受け渡し得る高さ)との間で上下動せしめられる。そして、低位置において、布類の一辺の両端角部Sa,Saを各投入チャック11,11で保持させた後(布類が図1の符号Sの状態となる)、昇降装置12で受け渡し高さまで上昇せしめられる。
【0028】
尚、この実施例では、投入装置1は中央部に1基だけ設けているが、この投入装置1は、左右に複数基(2〜4基)設けて、何れの投入装置1からでも布類を投入することができるようにすることができる。
【0029】
左右展張装置2は、所定高位置において投入装置1の各投入チャック11,11から布類の両端角部Sa,Saをそれぞれ受取る一対の受取チャック21,21を有し、該各受取チャック21,21をそれぞれ左右動装置22,22で左右方向に移動させ得るようにしたものである。各左右動装置22,22にはそれぞれ可逆回転可能なサーボモータ23が使用されている。
【0030】
各受取チャック21,21の詳細な構成は後述するが、この各受取チャック21,21は、各左右動装置22,22によってそれぞれ左右に移動せしめられる台板24,24の前端部に取付けられている。尚、各台板24,24は、機体に左右方向に向けて設置されたレール25,25(図2、図3参照)にガイドされている。
【0031】
各受取チャック21,21は、待機状態では図1に示すように機体の幅中央部において投入装置1の各投入チャック11,11の間隔と同間隔で待機しており、布類の両端角部Sa,Saを保持した各投入チャック11,11が上動したときに、布類の両端角部Sa,Saを各投入チャック11,11から各受取チャック21,21で受取るようになっている(符号S1の状態となる)。そして、各受取チャック21,21で布類の両端角部Sa,Saを受取った後、各左右動装置22,22により各受取チャック21,21を布類の上辺部Sbが緊張するまで左右外方に移動せしめて(各受取チャックが符号21′,21′の位置まで移動する)、布類を図1にS2で示す展張吊上げ状態とする。
【0032】
吸引装置3は、受取チャック21,21が左右移動する部分の下方位置に吸気ボックス31を設けるとともに、該吸気ボックス31内の空気を吸気ファン33で吸引し得るものが採用されている。吸気ボックス31と吸気ファン33とを連続させる吸気通路32中には、切換ダンパー36が設けられており、該切換ダンパー36が図2に鎖線図示する符号36′側に位置するときに、吸気ボックス31内が吸気ファン33によって吸引されるようになっている。又、吸気ボックス31の前壁上端部には、左右2本の送込みローラ34,34が設けられている。この各送込みローラ34,34は、それぞれモータ35,35によって所定タイミングで送込み方向に回転せしめられる。
【0033】
そして、この吸引装置3は、布類Sが展張吊上げ状態において、送込みローラ34を送込み方向に回転させるとともに、吸気ボックス31内を吸引することにより、展張吊上げ状態の布類の下部側を図2の符号S3の状態を経て符号S4のように吸気ボックス31内に吸引するようになっている。そして、布類の下部側を吸引ボックス31内に吸引すると、布類の下部側にテンション作用が働いて、展張吊上げ状態の布類S4を下方に展張させる機能が発生する。
【0034】
受渡し装置4は、各受取チャック21,21により展張吊上げ状態で支持されている布類Sの上縁部を受取る吸着ボックス41と、該吸着ボックス41を前後に進退させるエアシリンダ43とを有している。吸着ボックス41の布類受取面となる先端部上面41a(図3参照)には多数の小孔を形成しており、吸着ボックス41内を吸気ファン42で吸引することにより、該先端部上面41aに布類上辺部Sbを吸着(保持)させ得るようになっている。そして、この受渡し装置4は、吸着ボックス41が前位置にある状態で布類受取面41a(図3)に布類上辺部Sbを吸着させた後、該吸着ボックス41を図2に鎖線図示(符号41′)する位置まで後退させる間に、該布類上縁部を搬送装置5(吸着コンベア51)の始端部上に移乗させるように作動する。
【0035】
搬送装置5は、手前側に多数の小孔を設けた吸着コンベア51と、その後端部に連続する搬出コンベア52有している。吸着コンベア51の始端部は、前位置にある吸着ボックス41の先端部(布類受取面)よりやや後側の直下近傍に位置している。吸着コンベア51の上面走行部の下面には、吸気ボックス53が設置されていて、該吸気ボックス53内を吸気することで、吸着コンベア51の上面に布類上縁部を吸着させ得るようになっている。
【0036】
吸着コンベア51側の吸気ボックス53内は、上記吸引装置3の吸気ファン33を共用して、吸引装置3の吸気ボックス31とは択一的に吸気される。即ち、図2において、切換ダンパー36が実線図示位置にあるときには、吸引装置3側の吸気ボックス31内の吸気が停止する一方、吸着コンベア51側の吸気ボックス53内がダクト54を通して吸気され、切換ダンパーが鎖線図示する符号36′側に切換わると、逆に吸着コンベア51側の吸気ボックス53内の吸気が停止する一方、吸引装置3側の吸気ボックス31内が吸気されるようになっている。
【0037】
ところで、図5に示す公知例の布類展張搬送機に使用されている受取チャック21は、「背景技術」の項で説明したように、前側に下降傾斜させた姿勢で固定された固定側挟持片26の上面側において可動側挟持片27で布類角部Saを保持するようになっていて、受取チャック21が開放したときに保持していた布類角部Saが固定側挟持片26の上面から擦り落ちるようになり、そのとき布類の角部Saが固定側挟持片26の上面に引っ掛かる虞れがある(左右の布類角部Sa,Saが受取チャック21,21から時間差をもって離脱する)、という問題があったが、本願ではこのような問題を解消するために、各受取チャック21,21を次のように構成している。
【0038】
第1実施例で使用される各受取チャック21,21は、図3に拡大図示するように、前側に下降傾斜させた姿勢で設置した固定側挟持片26と、該固定側挟持片26の下面(後面)側挟持面に対して揺動開閉される可動側挟持片27とを有している。
【0039】
固定側挟持片26の下面(後面)側挟持面の前側下降傾斜角は、この第1実施例では鉛直線に対して約30°に設定しているが、該固定側挟持片26の下面挟持面の傾斜角は鉛直線より前側に下降傾斜していれば任意でよい。
【0040】
可動側挟持片27は、略三角形状のものが使用されていて、その上部側の角部付近を固定側挟持片26より後側において台板24(又は固定側挟持片26)に軸29で枢着している。そして、この可動側挟持片27は、ソレノイド又はエアーで伸縮するシリンダ28によって、図3に実線図示する閉位置と鎖線図示(符号27′)する開位置との間で前後に揺動せしめられる。
【0041】
可動側挟持片27の閉位置では、該可動側挟持片27の挟持面が固定側挟持片26の下面(後面)側挟持面に接触する一方、該可動側挟持片27の開位置(鎖線図示位置)では、該可動側挟持片27の挟持面が鉛直線より若干角度だけ後側に下降傾斜するようになっている。
【0042】
そして、この実施例(図2、図3)で使用している受取チャック21では、両挟持片26,27で布類角部Saを保持している状態から可動側挟持片27が開動作したときに、固定側挟持片26の挟持面と可動側挟持片27の挟持面とがそれぞれ鉛直方向の前後各外側に開くようになり、左右各側の受取チャック21,21で保持していた布類の各角部Sa,Saがそれぞれスムーズに(引っ掛かることなく)離脱するようになっている。即ち、左右各側の受取チャック21,21で保持されていた布類両端角部Sa,Saが毎回同時に(時間差なしに)解放されるようになる。
【0043】
このように、上記実施例で使用されている各受取チャック21,21では、展張吊上げ布類S4の上辺部Sbを両受取チャック21,21側から受渡し装置4の吸着ボックス41側に移乗させる際に、該布類上辺部Sbを吸着ボックス41上に毎回正常姿勢で移乗させることができ、その後、展張布類を正常姿勢のまま吸着コンベア51、排出コンベア52を経て後工程側(プレス工程を経て折畳み工程側)に移送させることができる。尚、展張布類を正常姿勢のまま折畳み装置まで移送させると、該折畳み装置において布類をきれいに(端縁のはみ出しがない状態で)折畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本願実施例の布類展張搬送機の正面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図2の受取チャック付近の拡大図である。
【図4】公知例の布類展張搬送機の正面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【符号の説明】
【0045】
1は投入装置、2は左右展張装置、3は吸引装置、4は受渡し装置、5は搬送装置、11は投入チャック、21は受取チャック、22は左右動装置、26は固定側挟持片、27は可動側挟持片、28はシリンダ、41は吸着ボックス、Sは布類、Saは布類角部、Sbは布類上辺部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーツのような大面積の布類(S)の一辺の両端角部(Sa,Sa)をそれぞれ投入チャック(11,11)で保持した状態で所定高位置まで吊上げ、その布類の各角部(Sa,Sa)を一対の受取チャック(21,21)で受取り、該各受取チャック(21,21)を左右に離間させて布類(S)を吊上げ状態で展張させた後、前記各受取チャック(21,21)を開放して展張吊上げ布類(S)の上辺部(Sb)を受渡し装置(4)側に移乗させ得るようにした布類展張搬送機であって、
前記両受取チャック(21,21)は、前側に下降傾斜させた姿勢で設置した固定側挟持片(26)と、該固定側挟持片(26)の下面側挟持面に対して揺動開閉される可動側挟持片(27)とを有しているとともに、
前記可動側挟持片(27)の開放姿勢で該可動側挟持片(27)の挟持面が鉛直姿勢以上に開くようにしている、
ことを特徴とする布類展張搬送機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−24552(P2010−24552A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183279(P2008−183279)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(502407130)株式会社プレックス (75)
【Fターム(参考)】