説明

希土類含有金属酸化物薄膜の製造方法

【課題】 例えばUV光励起高効率蛍光膜等に有用な希土類含有金属酸化物薄膜を安定して製造できる方法を提供する。
【解決手段】 液相析出法(LPD法)により基板上に希土類含有金属酸化物薄膜を直接析出させる。前記LPD法における反応溶液が、希土類イオンキレート錯体と金属フッ化物錯体とを混合する工程を含む方法で製造されている。上記反応溶液にフッ素イオン消費剤を添加することにより、前記基板上に希土類含有金属酸化物薄膜をLPD法により析出させる(選択図(a))。そして、生成した薄膜を高温加熱処理する(選択図(b)〜(d))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類を含有する金属酸化物の薄膜ないし微細構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性材料の薄膜を得る方法としては、例えば特許文献1は、二酸化ケイ素薄膜に関して、ケイフッ化水素酸水溶液を二酸化ケイ素で過飽和状態にする工程、有機物の添加、有機物含有二酸化ケイ素薄膜の形成、の3つの工程からなる、有機物を含んだ二酸化ケイ素薄膜の製造方法を開示している。
【特許文献1】特開平3−50111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、金属酸化物は、その電子、光学、磁性材料としての可能性から数多くの研究開発がなされてきており、この金属酸化物についても、上記と同様に薄膜等として用いることが多くなってきている。
【0004】
また、強い磁石や強強度の光を得られる蛍光体は、電気・電子機器の小型化や高性能化に貢献するとともに、省電力即ちエネルギーの有効利用にも貢献するものである。また、酸素のみが固体中を選択的に遊離・移動できる材料は、エンジン内で燃料を効率よく燃焼させるための酸素センサとして機能するだけでなく、排気ガスとして放出される有害物質を無害化する浄化用触媒の主要成分として、広く使用されている。このような優れた機能を有する材料となるのが希土類系物質である。ここで希土類とは、周期律表の欄外に位置するLaからLuまでの15個の元素に、ScとYとを加えた17個の元素の総称である。
【0005】
そして、このような希土類を含有する金属酸化物の薄膜等の機能性材料の設計については、その有力な手法の一つとして、溶液内での金属フッ化物錯体の加水分解平衡反応を利用する液相析出法(Liquid Phase Deposition, LPD法)が考えられる。この反応を下記に示す。
【0006】
【化1】

【0007】
この[化1]の式(1)で示される加水分解平衡反応は、式(2a),(2b)で示されるようなより安定なホウ素もしくはアルミニウムからなるフッ化物錯体を形成することにより、酸化物と遊離フッ素が形成される方向に進行する。LPD法は、金属フッ化物錯体を母液とし、その系内にホウ酸又は金属アルミニウム(フッ素イオン消費剤)を添加することにより、酸化物を基板上に直接析出させることを特徴とする。
【0008】
しかし、このLPD法の反応においては、上記[化1]の式(1)に示す液相中の平衡反応が成立することが前提である。一方、フッ素錯体が系内に存在するということは、フッ化物の溶解度が非常に小さい希土類含有物質の薄膜を合成する上で、直ちにフッ化物の沈殿を生じさせるという問題が生じている。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
◆本発明の第1の観点によれば、以下のような、LPD法により基板上に希土類含有金属酸化物薄膜を直接析出させる希土類含有金属酸化物薄膜の製造方法が提供される。前記LPD法における反応溶液が、希土類イオンキレート錯体と金属フッ化物錯体とを混合する工程を含む方法で製造されている。上記反応溶液にフッ素イオン消費剤を添加することにより、前記基板上に希土類含有金属酸化物薄膜をLPD法により析出させる。生成した薄膜を高温加熱処理する。
【0011】
これにより、フッ化物の沈殿を生じさせることなく、希土類含有金属酸化物薄膜を容易かつ安定的に製造することができる。
【0012】
◆本発明の第2の観点によれば、以下のような、希土類含有金属酸化物構造体の製造方法が提供される。前述の製造方法により希土類含有金属酸化物薄膜を製造し、その薄膜の表面にポリスチレン粒子を自己集積化させることで三次元周期構造のテンプレートを形成する。前記反応溶液に前記テンプレートを浸漬することにより、前記ポリスチレン粒子の隙間に希土類含有金属酸化物を析出させる。加熱処理によってポリスチレン粒子を除去することで三次元反転オパール構造体を得る。
【0013】
これにより、表面積の大きい希土類含有金属酸化膜構造体を容易かつ安定的に製造することができる。
【0014】
◆前記の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法においては、前記希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体が、酸化ジルコニウム:ユーロプウム付活(ZrO2;Eu)結晶、酸化ジルコニウム:イットリウム付活(ZrO2;Y)結晶、酸化ジルコニウム:ランタン付活(ZrO2;La)結晶、酸化ジルコニウム:プラセオジウム付活(ZrO2;Pr)結晶、酸化ジルコニウム:ネオジウム付活(ZrO2;Nd)結晶、酸化ジルコニウム:テリビウム付活(ZrO2;Tb)結晶、のいずれか1種類又は2種類以上の組み合わせからなることが好ましい。
【0015】
これにより、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法が広範囲において実用可能になる。
【0016】
◆前記の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。前記LPD法における反応溶液には、金属フッ化物錯体溶液と、希土類イオンをジエチレントリアミン五酢酸キレート錯体によりマスクした溶液と、を混合したものが含まれている。前記フッ素イオン消費剤はアルミニウム又はホウ酸である。
【0017】
これにより、希土類含有金属酸化物薄膜の製造方法の広範囲の応用が期待できる。
【0018】
◆前記の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法においては、前記高温加熱処理が400℃以上700℃以下の温度範囲で行われることが好ましい。
【0019】
これにより、ZrO2の正方晶からなる希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体を得ることができる。
【0020】
◆前記の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法においては、前記高温加熱処理が700℃以上更に好ましくは800℃以上1000℃以下の温度範囲で行われることが好ましい。
【0021】
これにより、ZrO2の正方晶に相変化を起こさせて、かつ結晶格子の内部に希土類イオンが挿入固溶体化され、ZrO2の立方晶からなる希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体を得ることができる。
【0022】
◆前記の希土類含有金属酸化物構造体の製造方法においては、前記ポリスチレン粒子の粒径が80nm以上320nm以下であることが好ましい。
【0023】
これにより、三次元反転オパール構造の最適化によって表面積が大きくかつ均質な構造体が得られ、構造体の各種特性の向上が期待できる。
【0024】
◆前記の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法においては、前記基板が、ソーダライムガラス、溶融石英板、シリコンウェハ、シリコンカーバイドのうち何れか1つとされていることが好ましい。
【0025】
これにより、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体とそれぞれの用途に合わせた基板とを組み合わせることで、応用範囲の拡大が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は液相析出法(LPD法)の装置を示した模式図である。図2は本実施形態で製造された薄膜の様子を示すAFM写真である。図3は種々の温度で焼成した薄膜のX線回折パターンを示すグラフ図である。
【0027】
〔薄膜の製造〕
本実施形態では、希土類含有金属酸化物として、透明な酸化ジルコニウム:ユーロプウム付活(ZrO2;Eu)薄膜をLPD法(液相析出法)により製造した。この酸化ジルコニウム(ZrO2)は、Al23やSiO2等と比較して低いフォノン振動を有すること、高誘電性であり、融点も多く、安定性に優れていることから、マトリックスとしての有用性が高いと期待されている。しかしながら従来は、LPD法における溶液内反応に用いるフッ化ジルコン酸溶液中では、溶液中に存在するF-イオンのため、希土類イオンを共存させると直ちに沈殿が生じてしまっていた。
【0028】
本実施形態では、この沈殿生成を回避するために、Eu3+イオンをジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)キレート錯体によりマスクして安定化することで、フッ化物共存下においても沈殿を生じさせずに可溶化させることができ、結果として基板上にEu3+/ZrO2薄膜を形成することができたのである。
【0029】
具体的な薄膜の製造方法を以下に示す。ZrO2の薄膜生成における出発物質としては、森田化学株式会社製のフッ化ジルコン酸(H2ZrF6)を使用した。また、酸化ユーロプウム(Eu23)を10%塩酸中にて溶解させ、Eu3+イオンを0.2mol dm-3 とした。そして、この溶液にDTPAキレート水溶液を、Eu3+:DTPA=1:1となるように混合した。また、溶液を所定の組成比にてジルコニウムフッ化物錯体と混合し、反応溶液とした。
【0030】
この反応溶液に、フッ素イオン消費剤として板状の金属アルミニウム(ホウ酸を用いても良い)を添加し、反応を進行させた。最終的な反応溶液中のZr4+イオン濃度は0.06mol dm-3とした。Eu2+のDTPA錯体濃度は2mmol dm-3とした。
【0031】
基板としては、本実施形態ではソーダライムガラスを用いたが、それに限定されず、溶融石英板、シリコンウェハ、シリコンカーバイドを用いることもできる。基板はケイ酸ナトリウム中でのアルカリ脱脂を行い、30℃、24時間の超音波洗浄を行った後、前記反応溶液中に浸漬して薄膜形成を行った。
【0032】
この薄膜の形成は、図1に示すLPD法の装置21を用いて行った。具体的には、H2ZrF6水溶液及びEu3+イオンを含む塩酸水溶液及びDTPAキレート水溶液及び蒸留水の混合物としての反応溶液26をポンプ24で吸い上げ、配管25を通して、アルミニウム板が内壁に沿って設置された容器23に流し込んで処理液22とし、上下搬送機構27の基板保持金具29に取り付けた基板1を垂直に下降させて速やかに容器23内の処理液22に浸漬し、所定の時間だけ反応させた。その後、基板1を取り出し、蒸留水にて洗浄後、室温にて乾燥させた。その後、焼成を所定の温度(500℃から900℃まで、100℃刻み)にて1時間行った。
【0033】
得られた薄膜表面を原子間力顕微鏡(AFM)で撮影した様子を図2に示す。なお図2には、(a)焼成前、(b)500℃で焼成した場合、(c)700℃で焼成した場合、(d)900℃で焼成した場合の4つの場合の様子が示されている。
【0034】
図2(a)によると、形成した薄膜におけるEu/ZrO2は数十nm程度の微細な粒子からなり、基板1の表面に緻密に析出していることが判る。析出直後(焼成前)の薄膜は、約80nmの平均粒径を有する球状粒子が緻密かつ一様に基板1の表面を被覆しており、亀裂は認められなかった。
【0035】
また図2の(b)〜(d)を比較すれば、焼成温度が上昇するに伴い、基板1の表面に存在する微小な粒子が互いに凝集し、900℃での焼成時には粒径が200nm程度まで増大することが判る。ただし、凝集するといっても粒径が数百nm程度であり、基板1の表面に亀裂も生じていないことから、これらの薄膜は(焼成の前後を問わず)可視光透過性に優れていることが判る。
【0036】
次に、焼成後の薄膜についてX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンを図3に示した。この図3をみると、薄膜が、正方晶もしくは立法晶からなるZrO2結晶に同定されることが考えられる。また、各温度で焼成した後の薄膜は相変化することなく、室温において正方晶(または立法晶)で安定化されていることが判る。
【0037】
また、このX線回折測定において認められる回折ピークのうち、2θ=30.5°付近において認められるピークは、焼成時に800℃以上の温度まで加熱した場合、低角度側にシフトしている(図3のグラフの中の小グラフは、横軸を拡大して示したものである)。これは、Zr4+(イオン半径:87pm)より大きなイオン半径を有するEu3+(イオン半径:98pm)が結晶格子内に挿入され、固溶体化したものと考えられる。
更にまた、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃と焼成温度を高めていく事でスペクトル強度が大幅に向上されており、ZrO2の結晶格子の中にEuイオンの挿入が進み活性剤としての働きをしてフォトルミネッセンスが向上しているものと考えられる。
【0038】
一方、ラマン散乱スペクトルにおいては、700℃以下の焼成を行った場合、261,330,461,612,および636cm-1にZrO2の正方晶に基づくピークが認められたが、900℃まで焼成した場合、630cm-1において立法晶に帰属されるピークが生じた。従って、800℃付近において相変化が認められ、それ以上の温度で焼成すると正方晶から立法晶へ変化すると考えられる。
【0039】
〔周期構造体の製造〕
次に、上述の方法で製造された希土類含有金属酸化物薄膜3の表面に、図4に示すように単分散ポリスチレン粒子2を自己集積化させることで、テンプレートを作成した。ポリスチレン粒子2の粒径は、307nm,191nm,178nm,88nmの4種類を用いた。このテンプレートを図1の装置の前述の処理液22に再び浸漬して所定の時間だけ反応させ、図5に示すように、ポリスチレン粒子2の間隙に酸化ジルコニウム:ユーロプウム付活(ZrO2;Eu)4を析出させた(液相充填法)。その後、400℃の高温で熱処理することで、ポリスチレン粒子2を分解除去し、基板1の表面に構造体を形成した。
【0040】
図6に、粒径307nmのポリスチレン粒子2を使用した場合の上記構造体のSEMによる観察結果を示す。この図6からは、ポリスチレン粒子2の間といった非常に微細な空間や間隙にも隙間なくZrO2が析出し、上記のポリスチレン粒子2を配列させたテンプレートの三次元形状が、基板1上に正確に転写されていることが判る。また、ポリスチレン粒子2は自己集積化により六方細密充填に配列し、これが転写された結果、構造体の表面が三次元反転オパール構造となっていることが判る。このように、三次元周期を有する希土類含有金属酸化物構造体が容易に作成可能であることが明らかになった。なお上記の結果は、他の粒径のポリスチレン粒子2(191nm,178nm,88nm)を用いた場合でも同様であった。
【0041】
また、得られた酸化物の結晶性について検討するため、上記構造体の断面のTEM観察を行った。すると、析出したEu/ZrO2はアナターゼ型を呈しており、微細領域及びポリスチレン粒子2との境界面においては、通常得られる薄膜と比較して特異的に高い結晶性を有することが確認された。
【0042】
更に、上記の三次元反転オパール構造体を蛍光体膜として用いた場合の、240nmUV励起フォトルミネッセンス発光特性を計測した。計測値を、通常の市販の蛍光灯用希土類蛍光体膜のそれと比較したグラフを図7に示す。この図7に示すように、本発明の構造体は、240nmの光で励起した場合、非常に強度の強い発光スペクトルが得られていることが判る。この良好な結果は、上記の三次元反転オパール構造体4が形成されることによって、単位容積あたりの表面積が極めて大きくなっていることが一因であると考えられる。
【0043】
本発明で利用するLPD法は、大面積・複雑形状を有する基板に対して追随性が良く、また、低コスト且つ低温での合成が可能であり、組成の制御が容易でプロセスが簡便であるなど、他の方法と比較して様々な優位性を有している。本発明の方法により、このように有用なLPD法を、希土類含有金属酸化物の薄膜ないし構造体の作製に適用する際の障害を克服することができた。
【0044】
また、本発明では、上記のように希土類含有金属酸化物の薄膜、ないし大きな表面積を有する構造体を容易に得られることから、蛍光体のほかにもフォトニクス結晶、磁性体、触媒担持体、色素増感型太陽電池、センサー等、種々のデバイスへの応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】液相析出法(LPD法)の装置を示した模式図。
【図2】薄膜のAFM撮影写真であって、(a)は焼成前の様子、(b)は500℃で焼成した様子、(c)は700℃で焼成した様子、(d)は900℃で焼成した様子を、それぞれ示す。
【図3】種々の温度で焼成した薄膜のX線回折パターンを示すグラフ図。
【図4】基板上に形成した薄膜表面にポリスチレン粒子を自己集積化させる様子を示した模式図。
【図5】ポリスチレン粒子の間隙にZrO2を析出させた様子を示す模式図。
【図6】基板上に形成された構造体の三次元反転オパール構造をSEMで撮影した写真
【図7】本発明の製造方法で得られた構造体の240nmUV励起フォトルミネッセンス発光特性を示すグラフ図。
【符号の説明】
【0046】
1 基板
2 ポリスチレン粒子
3 希土類含有金属酸化物薄膜
4 希土類含有金属酸化物構造体(三次元反転オパール構造)
21 LPD法による希土類含有金属酸化物製造装置
22 処理液
23 容器
24 ポンプ
25 配管
26 反応溶液
27 上下搬送機構
29 基板保持金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LPD法により基板上に希土類含有金属酸化物薄膜を直接析出させる、希土類含有金属酸化物薄膜の製造方法であって、
前記LPD法における反応溶液が、希土類イオンキレート錯体と金属フッ化物錯体とを混合する工程を含む方法で製造されており、
上記反応溶液にフッ素イオン消費剤を添加することにより、前記基板上に希土類含有金属酸化物薄膜をLPD法により析出させ、
生成した薄膜を高温加熱処理することを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法により希土類含有金属酸化物薄膜を製造し、その薄膜の表面にポリスチレン粒子を自己集積化させることで三次元周期構造のテンプレートを形成し、
前記反応溶液に前記テンプレートを浸漬することにより、前記ポリスチレン粒子の隙間に希土類含有金属酸化物を析出させ、
加熱処理によってポリスチレン粒子を除去することで三次元反転オパール構造体を得ることを特徴とする、希土類含有金属酸化物構造体の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法であって、
前記希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体が、
酸化ジルコニウム:ユーロプウム付活(ZrO2;Eu)結晶、
酸化ジルコニウム:イットリウム付活(ZrO2;Y)結晶、
酸化ジルコニウム:ランタン付活(ZrO2;La)結晶、
酸化ジルコニウム:プラセオジウム付活(ZrO2;Pr)結晶、
酸化ジルコニウム:ネオジウム付活(ZrO2;Nd)結晶、
酸化ジルコニウム:テリビウム付活(ZrO2;Tb)結晶、
のいずれか1種類又は2種類以上の組み合わせからなることを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法であって、
前記LPD法における反応溶液には、金属フッ化物錯体溶液と、希土類イオンをジエチレントリアミン五酢酸キレート錯体によりマスクした溶液と、を混合したものが含まれており、
前記フッ素イオン消費剤はアルミニウム又はホウ酸であることを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法であって、前記高温加熱処理が400℃以上700℃以下の温度範囲で行われることを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法であって、前記高温加熱処理が700℃以上1000℃以下の温度範囲で行われることを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項2に記載の希土類含有金属酸化物構造体の製造方法であって、前記ポリスチレン粒子の粒径が80nm以上320nm以下であることを特徴とする、希土類含有金属酸化物構造体の製造方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法であって、
前記基板が、ソーダライムガラス、溶融石英板、シリコンウェハ、シリコンカーバイドのうち何れか1つとされていることを特徴とする、希土類含有金属酸化物薄膜又は構造体の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−256916(P2006−256916A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77724(P2005−77724)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会で文書をもって発表 主催者名 社団法人電気化学会 研究集会名 2004年電気化学会秋季大会(2004年合同大会) 開催日 平成16年10月3−8日 2.特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会で文書をもって発表 主催者名 日本希土類学会 研究集会名 Rare Earths’04 in Nara JAPAN 開催日 平成16年11月7−12日
【出願人】(800000057)財団法人新産業創造研究機構 (99)
【Fターム(参考)】