説明

希土類有機リン酸塩の有機溶媒中溶液を調製する方法

本発明の希土類有機リン酸塩の有機溶媒中溶液を調製する方法は、この溶媒中で、希土類の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびヒドロキシ炭酸塩から選択される希土類化合物と有機リン含有酸とを、水、硝酸、塩酸、酢酸、蟻酸およびプロピオン酸から選択される促進剤およびこれらの酸の希土類塩の存在下で反応させるステップを含む。促進剤を使用すると、方法を単純化すること、反応時間を低減することおよび残留固体物含有量が低くなり得る溶液を得ることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類有機リン酸塩の有機溶媒中溶液を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
希土類有機リン酸塩溶液は、特にジエン重合用触媒を調製するための出発物質として使用される。
【0003】
無機希土類塩から始めて希土類有機リン酸塩溶液を調製することは一般的に難しい。これは、無機希土類塩を完全に溶解させるための大過剰量の有機リン酸、または工業的な使用に適さない非常に長い反応時間のどちらかが必要となるからである。大過剰量の有機リン酸は、存在すると使用上望ましくない酸残留物を生成物中に発生させる。さらに、得られる溶液は、一般的に高粘度(>15000cPs)であり、このため生成物中に存在する残留固体物を濾過するためのいかなる操作の実施も実質的に不可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、固体状の無機希土類塩含有量が低く、また許容可能な残留酸性度を有する溶液を工業的条件下で得ることを可能にする方法を有することは重要である。
【0005】
本発明の目的は、したがって、そのような方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、本発明の希土類有機リン酸塩の有機溶媒中溶液を調製する方法は、前記溶媒の存在下で希土類の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびヒドロキシ炭酸塩から選択される希土類化合物が有機リン含有酸と反応させられる種類のものであり、本方法は、水、硝酸、塩酸、酢酸、蟻酸およびプロピオン酸から選択される促進剤およびこれらの酸の希土類塩の存在下でこの反応が実施されることを特徴とする。
【0007】
本発明による促進剤を使用すると、特に、方法を単純化すること、反応時間を低減することおよび残留固体物含有量が低くなり得る溶液を得ることが可能になる。
【0008】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下の記載、および本発明の説明を目的とした具体的ではあるが制限しない種々の実施例を読むとさらにより完全に明確になる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語「希土類」は、イットリウムおよび57から71の間(両端の原子番号も含む)の原子番号を有する周期律表の元素で構成される群の元素を意味することを意図する。
【0010】
本発明の方法は、最も詳しくは、ネオジム、ランタン、プラセオジム、サマリウムおよびセリウムから選択される希土類元素の有機リン酸塩の調製に適用する。
【0011】
本発明の方法は、希土類化合物と有機リン含有酸とを反応させるステップを含む。
【0012】
希土類化合物として、上記のものを使用する。これらの中でも、酸化物が好ましく使用される。
【0013】
有機リン含有酸は、より詳しくは、リン酸モノエステルまたはジエステル、ホスホン酸およびホスフィン酸から選択され得る。
【0014】
リン酸モノエステルまたはジエステルは、それぞれ式(RO)PO(OH)および(RO)(R’O)PO(OH)に対応可能であり、式中RおよびR’は同一または異っていてもよく、アルキルまたはアリール基を表す。
【0015】
例として、RおよびR’はn−ブチル、イソブチル、ペンチル、アミル、イソペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、2,2−ジメチルオクチル、トリルまたはノナフェニル基でよい。
【0016】
有機リン含有酸は、一般式(RO)R’P(O)(OH)およびRP(O)(OH)のホスホン酸からも選択可能であり、式中RおよびR’は同一または異っていてもよく、アルキルまたはアリール基を表す。例として、RおよびR’はn−ブチル、イソブチル、ペンチル、アミル、イソペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、2,2−ジメチルオクチル、トリルまたはノナフェニル基でよい。
【0017】
有機リン含有酸は、一般式R(R’)P(O)OHおよびR(H)P(O)OHのホスフィン酸からも選択可能であり、式中RおよびR’は同一または異っていてもよく、アルキルまたはアリール基を表す。例として、RおよびR’はn−ブチル、イソブチル、ペンチル、アミル、イソペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、2,2−ジメチルオクチル、トリルまたはノナフェニル基でよい。
【0018】
上記の有機リン含有酸の混合物は、当然ながら使用可能である。
【0019】
本発明の必要不可欠な特徴は、希土類化合物および有機リン含有酸の間の反応が、上記で与えられる種類の促進剤の存在下で実施されることである。
【0020】
反応は、希土類化合物、有機リン含有酸および促進剤を有機溶媒中で混合することにより一般的に実施される。
【0021】
使用される有機溶媒は、一般的に炭化水素系溶媒であり、より詳しくは脂肪族、環状脂肪族、またはさらに芳香族溶媒である。
【0022】
この溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、メチルペンタン、メチルシクロペンタン、ペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルペンタン、2,3−ジメチルペンタンおよびそれらの異性体、トルエンおよびキシレン、ならびにそれらの混合物を含む群から選択できる。ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、それらの異性体およびそれらの混合物が好ましい。市販の炭化水素系溶媒は、Exxon社により提供されるExxsol(登録商標)ヘキサン、Exxon社により提供されるExxsol(登録商標)ヘプタン、Exxon社により提供されるIsopar(登録商標)、Isopar−M(登録商標)およびIsopar−L(登録商標)、Exxon社により提供されるSolvent 140(登録商標)、Philips社により提供されるMineral Spirits 66(登録商標)、BASF社により提供されるシクロヘキサンおよびTotal Fluides社により提供されるメチルシクロヘキサンである。
【0023】
使用される促進剤の量は、下記で特定される。一般的に、最低量とは、促進剤が役割を果たすことができる量から始まること、すなわち、反応からの収率が許容できる量から始まることが指摘される。反応媒体が反応の終了時に、もはや全く濁りを示さなくなる場合に、収率は許容される。したがって、この量は当業者によって容易に割り出すことができる。最大量は、一般的に重要ではなく、産業上の制約によって定めることができる。下記で与えられる量は、説明的な例という目的のみでそのように定められ、したがって、これらの最小および最大量の間にあると理解されるべきである。
【0024】
促進剤が水の場合、水/希土類モル比による表現で、一般的に約1および約500の間、より詳しくは1および300の間、さらにより詳しくは5から100の間の量の水が使用される。1つの好ましい実施形態によると、この比は少なくとも25、より詳しくは少なくとも50、さらにより詳しくは少なくとも90であり、上記で与えられる値の上限を、この実施形態にも適用することは可能である。
【0025】
促進剤が酸である場合は、酸/希土類モル比による表現で、一般的に約0.005および約0.2の間、より詳しくは0.005および0.1の間、さらにより詳しくは0.005から0.06の間の量の酸が使用される。
【0026】
酸は純粋な状態で、または濃溶液または希溶液として使用可能なことが指摘され得る。
【0027】
上記のように、促進剤は希土類の硝酸塩、塩化物、酢酸塩、蟻酸塩またはプロピオン酸塩でよい。この場合、塩の量は、塩/希土類モル比による表現で、一般的に約0.005および約0.2の間、より詳しくは0.005および0.1の間である。
【0028】
促進剤の存在下における希土類化合物と有機リン含有酸との反応は、少なくとも60℃の温度、より詳しくは80℃から100℃の間の温度で、一般的には実施される。しかし、100℃を超える温度が想定可能である。
【0029】
この攻撃の持続時間は、大幅に変えることが可能であり、例えば、1から6時間の間であり、実用上は、持続時間は1から2時間の間でよい。
【0030】
好ましくは、溶液が空気からの酸素で汚染されることを防止するために、反応は不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で実施される。
【0031】
反応の終了時に、希土類有機リン酸塩溶液が得られる。
【0032】
溶液は、酸残留物を除去するために、場合によって、水で洗浄してもよい。この洗浄は、有機溶液と水とを混合し、攪拌し、放置して沈降により分離し、次に有機相から水相を分離することにより実施してもよい。
【0033】
この溶液はまた、残留水を除去するために、場合により、蒸留にかけてもよい。この方法で、水分含有量が最大でも500ppm、より詳しくは最大でも100ppmである溶液を得ることが可能である。この水分含有量は、水/希土類モル比による表現で、最大でも0.2、より詳しくは最大でも0.04でよい。
【0034】
残留酸性度は、有機リン含有酸/希土類モル比による表現で、最大でも0.75、より詳しくは最大でも0.6、さらにより詳しくは最大でも0.4でよい。
【0035】
反応からの収率は、非常に少量の出発希土類化合物が溶液中に残るだけの場合は高い。実際、溶液は透明な外観を呈する。得られる収率は、一般的には少なくとも95%であり、100%の収率も達成可能である。
【0036】
アルコール、カルボン酸またはリン酸から選択される化合物を溶液に添加することによって得られる溶液の粘度を調整することは可能である。非限定的な例として、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、酢酸およびプロピオン酸が挙げられる。
【0037】
上記に示すように、本発明の方法から誘導される希土類有機リン酸塩溶液は、ブタジエンおよびイソプレン等のジエン重合用触媒の調製に使用することができる。
【0038】
実施例が以下に与えられる。
【実施例1】
【0039】
72.4重量%のネオジムを含有する3.03gの酸化ネオジム、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)、80gのメチルシクロヘキサン(MCH)および25.9gの水を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。固体が完全に見えなくなるまで、すなわちこの場合では1時間、混合物を攪拌し、95℃にする。混合物を冷却し、沈降によって分離する。このようにして、22.5gの水を混合物から除去する。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。このようにして、84gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を得る。
【0040】
この溶液は、透明な外観で、溶液中のネオジムの含有量が2.65%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が2.2%および水分含有量が382ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のとおりである:DEHPA/Nd=0.37および水/Nd=0.11。攻撃収率は100%である。
【実施例2】
【0041】
72.4重量%のネオジムを含有する3.03gの酸化ネオジム、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)、80gのメチルシクロヘキサン(MCH)および1.8mlの0.5mol/l硝酸を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。この量の硝酸は、ネオジムに対して0.06モル等量のHNOに対応する。固体が目視でもはや識別できなくなるまで、すなわちこの場合では3時間、混合物を攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。硝酸の残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、12時間持続する最終の沈降による分離を除くと、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。このようにして、18g、18g、次に23gの水を連続的に回収する。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。このようにして、100gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を得る。
【0042】
この溶液は、透明な外観で、溶液中のネオジムの含有量が2.15%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が3.0%および水分含有量が72ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のとおりである:DEHPA/Nd=0.62および水/Nd=0.03。攻撃収率は98%である。
【実施例3】
【0043】
72.4重量%のネオジムを含有する3.03gの酸化ネオジム、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)、80gのメチルシクロヘキサン(MCH)および0.9mlの1mol/l塩酸を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。この量の塩酸は、ネオジムに対して0.06モル等量のHClに対応する。この混合物を、3時間攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。塩酸の残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、12時間持続する最終の沈降による分離を除くと、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。透明なジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を、このようにして得る。
【0044】
この溶液は、透明な外観で、溶液中のネオジムの含有量が2.25%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が2.85%および水分含有量が249ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のようになる:DEHPA/Nd=0.56および水/Nd=0.09。攻撃収率は100%である。
【実施例4】
【0045】
72.4重量%のネオジムを含有する2.88gの酸化ネオジム、24.4重量%のネオジムを含有する0.53gの硝酸ネオジム水溶液、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)および80gのメチルシクロヘキサン(MCH)を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。固体が完全に見えなくなるまで、すなわちこの場合では1時間、混合物を攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。無機残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、12時間持続する最終の沈降による分離を除くと、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。透明なジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を、このようにして得る。
【0046】
この溶液は、透明な外観で、溶液中のネオジムの含有量が2.1%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が3.2%および水分含有量が369ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のようになる:DEHPA/Nd=0.68および水/Nd=0.14。攻撃収率は99%である。
【実施例5】
【0047】
72.4重量%のネオジムを含有する2.88gの酸化ネオジム、22.2重量%のネオジムを含有する0.58gの塩化ネオジム水溶液、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)および80gのメチルシクロヘキサン(MCH)を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。この混合物を、5時間攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。無機残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、12時間持続する最終の沈降による分離を除くと、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。透明なジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を、このようにして得る。
【0048】
この溶液は、透明な外観で、溶液中のネオジムの含有量が2.05%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が3.3%および水分含有量が406ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のようになる:DEHPA/Nd=0.72および水/Nd=0.16。攻撃収率は98%である。
【実施例6】
【0049】
72.4重量%のネオジムを含有する3.03gの酸化ネオジム、16.15gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)、80gのメチルシクロヘキサン(MCH)および1.8mlの0.5mol/l硝酸を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。この量の硝酸は、ネオジムに対して0.06モル等量のHNOに対応する。固体が目視でもはや識別できなくなるまで、すなわちこの場合では3時間、混合物を攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。無機残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。20g、19.5g、次に19.5gを、このようにして回収する。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。透明な外観を有するジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を、このようにして得る。この溶液は、溶液中のネオジムの含有量が2.05%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が1.59%および水分含有量が209ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のようになる:DEHPA/Nd=0.34および水/Nd=0.08。攻撃収率は95%である。
【実施例7】
【0050】
72.4重量%のネオジムを含有する3.03gの酸化ネオジム、17.39gのジ(2−エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)、80gのメチルシクロヘキサン(MCH)および0.054gの99.8%酢酸を、あらかじめアルゴンで不活性にした反応器内に導入する。この量の酢酸は、ネオジムに対して0.06モル等量のCHCOOHに対応する。固体が目視でもはや識別できなくなるまで、この場合では1時間、混合物を攪拌し、80℃にする。混合物を冷却する。無機残留物を除去するため、20gの水を用いる3回洗浄を、連続的に実施する。各洗浄は、1晩の間である最終の沈降による分離を別にすると、30分間攪拌するステップと、次にまた30分間の沈降により分離するステップとを含む。このようにして、16g、24.2g、次に17.1gを回収する。水/MCH共沸混合物を、続いてDean Stark装置を用いて蒸留する。透明な外観を有するジ(2−エチルヘキシル)リン酸ネオジムのMCH中溶液を、このようにして得る。この溶液は、溶液中のネオジムの含有量が2.3%、DEHPAの重量パーセントとして表現される残留遊離酸性度が2.65%および水分含有量が77ppmであることを特徴とする。この場合、モル比は以下のようになる:DEHPA/Nd=0.51および水/Nd=0.026。攻撃収率は100%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類有機リン酸塩の有機溶媒中溶液を調製する方法であって、前記有機溶媒の存在下で、希土類の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびヒドロキシ炭酸塩から選択される希土類化合物が有機リン含有酸と反応させられ、水、硝酸、塩酸、酢酸、蟻酸およびプロピオン酸から選択される促進剤およびこれらの酸の希土類塩の存在下で反応が実施されることを特徴とする方法。
【請求項2】
リン酸モノエステルまたはジエステル、ホスホン酸およびホスフィン酸から選択される有機リン含有酸が使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
炭化水素系溶媒、より特に脂肪族または環状脂肪族溶媒が使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ネオジム、ランタン、プラセオジム、サマリウムおよびセリウムから選択される希土類元素の有機リン酸塩が調製されることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の方法。
【請求項5】
希土類化合物と有機リン酸との反応が少なくとも60℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
有機リン酸と反応させるための希土類化合物として酸化物が使用されることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−535729(P2010−535729A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519403(P2010−519403)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058849
【国際公開番号】WO2009/019100
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(508183151)ロデイア・オペラシヨン (70)
【Fターム(参考)】