説明

希釈時に安定性及び流動性を維持するレオロジー調整剤を含む濃縮布帛柔軟剤組成物

粘度約3000cp〜約15,000cp、好ましくは4000〜15000cpを有する安定な濃縮水性布帛柔軟化組成物であって、得られた希釈柔軟化組成物が物理的に安定であり、中間粘度約90cp〜約300cpを有するように、前記組成物は使用する前に水対濃縮柔軟化組成物の4:1の重量比で水を用いて希釈されることができる、組成物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮布帛コンディショニング組成物に関し、より詳細には、陽イオン性ポリマーまたは陽イオン性ポリマーの混合物を含む水性濯ぎサイクル濃縮布帛柔軟剤組成物に関し、ここで、濃縮組成物を使用する前に水対濃縮物の4:1の重量比で水を用いて希釈して、濃縮形態及び希釈形態の両方で物理的に安定な柔軟剤組成物を提供することができ、濃縮組成物及び希釈組成物は物理的に安定であり、商業的に望ましいレベルの粘度を明らかにする。
【背景技術】
【0002】
従来、大部分の液体布帛コンディショニングまたは布帛柔軟剤組成物は、界面活性剤成分または加えられた塩の増粘特性を利用して、所望のレオロジーを提供している。より最近では、傾向は、特定の増粘剤を布帛柔軟化組成物中に取り入れて、長期間にわたって安定なままである所望の粘度を提供するというものだった。
【0003】
市販の液体布帛柔軟剤配合物においては、製品のレオロジカル特性は、消費者に受け入れられるために重要である。製品の魅力を向上し、製品の豊かさ及び効力の感覚を伝える一般的な方法は、液体製品の見掛け粘度を少なくとも50cp(ブルックフィールドRVT、50rpm、スピンドル2上で測定して)を超える値に増大させることである。陽イオン性線状または架橋済みポリマーは、布帛柔軟剤組成物中の見掛け粘度を提供する成分として従来技術において周知である。
【0004】
製品の魅力を向上する別の一般的な技術は、流れを低減し、それによって性質をよりシロップ状にし、同時に、審美的に快くない粘質の不均一流を避けるように、液体製品の流動弾性成分を調整することである。しかしながら、流動弾性が陽イオン性ポリマー構造それ自体、及び製品組成物中のそのレベルの関数である限りは、与えられたレベルの粘度で流動弾性特性を調整する周知の方法が存在しない。
【0005】
高分子量を有する線状陽イオン性ポリマーは、高い流動弾性を液体布帛柔軟剤に提供することが周知である。しかし、得られた組成物はしばしば、無機電解質及び高い剪断に対して鋭敏であり、エージング時に一般に不安定でかつ様々な相へと分離する液体製品を生じる。
【0006】
使用する前に消費者が希釈し、希釈形態で濯ぎサイクル中に導入できる濃縮布帛柔軟化組成物の配合は、特に困難な問題を提起する。これは、このような濃縮物は、濃縮形態及び希釈形態の両方で、すなわち消費者が濃縮物を希釈する前及び後の両方で、物理的に安定でかつ適切に流動可能な柔軟化組成物であることが商業的に絶対に必要だからである。所望の希釈度が約4:1(水対濃縮組成物の重量比である)である場合、その物理的安定性を維持でき、依然として精鉱濃縮組成物及び希釈組成物の両方で消費者に許容される流動粘度を提供する柔軟化組成物を提供することは困難である。
【0007】
EP 394 133(コルゲート・パーモリブ(Colgate-Palmolive))において、レオロジカル特性を改良し、組成物の柔軟化性能を向上するための、脂肪族アルコール及び水溶性ポリマーと組み合わせたジ−長鎖、ジ−短鎖第四級アンモニウム柔軟化化合物を含む安定な水性布帛柔軟化組成物が説明されている。
【0008】
WO 90/12862(BPケミカルズLtd.(BP Chemicals Ltd.))は、水分散可能な陽イオン柔軟剤及びポリエチレン官能基を含む5〜45ppmの架橋剤によって架橋される水溶性陽イオン性エチレン性不飽和モノマーまたはモノマーのブレンドから誘導可能である増粘剤としての架橋済み陽イオン性ポリマーを含む水性ベースの布帛コンディショニング配合物を開示している。このような架橋剤の例は、メチレンビスアクリルアミドである。
【0009】
EP-A-0 799 887(プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble))においては、優れた粘度及び相安定性並びに柔らかさ性能を示すと言われている液体布帛柔軟化組成物が説明されており、組成物は:(a)0.01〜10重量%の布帛柔軟剤成分、(b)(i)親水性主鎖及び親水性主鎖に付着した分子当り少なくとも2つの疎水基を有する会合ポリマー、(ii)ポリエチレン官能基を含む5〜45ppmの架橋剤によって架橋される上述のWO 90/12862において説明されている架橋済み陽イオン性ポリマー、及び(iii)(i)と(ii)との混合物、の群から選択される少なくとも0.001%の増粘剤、並びに(c)金属イオンを金属イオン封鎖できる成分を含む。
【0010】
WO 02/057400(コルゲート・パーモリブ)においては、水溶性陽イオン性ビニル付加モノマー、0〜95モル%のアクリルアミド及び70〜300ppmの二官能ビニル付加モノマー架橋剤の重合によって得られる陽イオン性ポリマー増粘剤を含む布帛コンディショニング組成物が説明されている。増粘柔軟化組成物は、治療される布帛に柔軟化組成物中の芳香物質を送達するために特に効果的であると述べられている。
【0011】
消費者向けの魅力を向上するためにポリマー増粘剤を使用することは従来技術において広く周知であるが、高粘度で物理的に安定でかつ流動可能であり、濯ぎサイクルにおいて使用するために約4:1で水を用いて希釈することができ、同時に、希釈組成物として中間粘度液体の範囲内で物理的に安定でかつ容易に注ぐことが可能なままである濃縮液体布帛柔軟剤に対する必要が、依然として存在する。
【発明の開示】
【0012】
本発明は、粘度約3000cp〜約15,000cp、好ましくは4000〜15000cpを有する安定な濃縮水性布帛柔軟化組成物であって、得られた希釈柔軟化組成物が物理的に安定であり、中間粘度約90cp〜約300cpを有するように、前記組成物は使用する前に水対濃縮柔軟化組成物の4:1の重量比で水を用いて希釈されることができ、前記組成物は:
a)約5〜約30重量%の陽イオン布帛柔軟剤;
b)少なくとも約0.01重量%の(i)アクリル酸及び/またはメタクリル酸の重合から誘導可能な陽イオン性線状ホモポリマー;または(ii)アクリル酸及び/またはメタクリル酸及びアクリルアミドまたはアクリルアミドの重合から誘導可能な線状コポリマー(前記ホモポリマーまたはコポリマーは分子量約10,000〜約3千万を有する);または(iii)5〜100モル%の陽イオン性ビニル付加モノマー、0〜95モル%のアクリルアミド、及び70ppm〜300ppmの二官能ビニル付加モノマー架橋剤の重合から誘導可能な陽イオン性架橋済みポリマー;または
c)本明細書においてそれぞれ(i)または(ii)において定義される陽イオン性線状ホモポリマーまたは線状コポリマー、及び本明細書において(iii)において定義される陽イオン性架橋済みポリマーを含む少なくとも約0.01重量%のポリマーの混合物(前記濃縮柔軟化組成物中の(i)または(ii)または(iii)のそれぞれの量を選択して、前記希釈組成物中の所望の中間粘度約90cp〜約300cpを提供する);を含む、組成物を提供する。
【0013】
本発明は、水性濃縮濯ぎサイクル布帛柔軟化組成物中の本明細書において定義する陽イオン性ホモポリマーまたはコポリマーまたは架橋済みポリマー、またはこのような陽イオン性ポリマーの混合物を使用することは、濃縮組成物中の粘度4,000〜15,000cpでまた希釈組成物中の中間粘度90cp〜300cpで所望の濃厚さの流動特性及び容易に注ぐことができる能力を実現するように流動弾性及び粘度のレオロジカル特性を調節することを可能にする、という発見に基づいている。従って、ブルックフィールド粘度の調節と関係なく、本発明に従って流動弾性を容易に制御し、調節することができる。
【0014】
液体粘度は、この用語を本明細書において使用する際には、50rpmでスピンドル2を用いてブルックフィールドRVT上で測定して、センチポアズ単位で表される。
“流動弾性”または“流動弾性インデックス”という用語は、"Viscoelastic Properties of Polymers", John D. Ferry, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc., Chapter 1において定義される通り、剪断速度2500S−1で測定したパスカルの単位の一次法線応力の差を指す。
【0015】
実際に、液体布帛柔軟剤を注ぐ場合、高い流動弾性は流れを低減し、それによって流れをよりシロップ状に見えるようにし、これはしばしば消費者によって豊かさのしるしとして知覚される。流動弾性が高い程、流れはより遅くなる。流動弾性が過度に高くなると、布帛柔軟剤の流れは粘質で粘着性になり、液体製品を洗濯機中に吐出する場合に問題を生じる。これは、商業的観点から明らに好ましくない状態である。
【0016】
与えられた化学の場合、本明細書において定義する弾性流れを調整するための唯一の様式は、ポリマーの分子量、その架橋度またはその濃度を調整することである。
線状ポリマーの場合には、多量のポリマーを使用することなく許容可能なブルックフィールド粘度を確立するためには、ポリマーの分子量は高くなければならず、このことは高い流動弾性を誘起する。低分子量ポリマーを使用して流動弾性を低減することは可能であるが、同じブルックフィールド粘度に達するためには、組成物中のポリマーのレベルを増大させなければならない。これはより高いコストを意味するのみならず、高いイオン強度が理由となって安定性の問題をエマルションに導入する。
【0017】
それに反して、本発明による線状及び架橋済みポリマーの組合せは望ましい粘度及び流動弾性を提供し、一方、適度の量のポリマーを使用し、同時に製品安定性の問題を避けることができる。
【0018】
好適な具体例においては、本発明のポリマー混合物において使用される線状ポリマーは、分子量約8百万を有する第四級アンモニウムアクリレートのホモポリマーであり、このポリマーは、フランスのSNFフロエルジェール(SNF Floerger of France)がフロエルジェールEM 949 CT(Floerger EM 949 CT)として販売しており(エタンアミニウムN,N,N−トリメチル−2−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ−)−、クロリドホモポリマー);分子量約5百万を有する同じ構造ポリマーは、フロエルジェールEM 949 Lとして同じ製造業者が販売している。
【0019】
別の好適な具体例においては、本発明のポリマー混合物において使用される架橋済みポリマーは、150ppmのメチレンビスアクリルアミドを用い、架橋の前に分子量5百万未満を有するアクリルアミド及びメタクリレートの架橋済みコポリマーであり;このポリマーは、フランスのSNFフロエルジェールがフロソフトDP 200として販売している。
【0020】
本発明はまた、有効な量の上記に定義した布帛柔軟化組成物を含む水性浴中で、処理すべき布帛を濯ぐことを含む、布帛を柔軟化する方法を包含する。
好ましい陽イオン柔軟剤は、以下の構造式を有するエステルクアト化合物である:
【0021】
【化1】

【0022】
[式中、R4は、8〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、R及びRは、(CH−Rを表し、ここで、Rは、8〜22個の炭素原子を含むアルコキシカルボニル基、ベンジル、フェニル、(C1−C4)−アルキル置換フェニル、OHまたはHを表し;R1は、(CHを表し、ここで、Rは、ベンジル、フェニル、(C1−C4)−アルキル置換フェニル、OHまたはHを表し;q、s、及びtは各々独立して、1〜3の整数を表し;Xは柔軟剤適合性陰イオンである。]
特に好ましい陽イオン柔軟剤は、アルカノールアミン及び脂肪酸誘導体の反応に続いて四級化から誘導した脂肪エステル第四級アンモニウム化合物であって、該脂肪エステル第四級アンモニウム化合物は、式:
【0023】
【化2】

【0024】
[式中、Qは、構造−OCO−または−COO−を有するカルボキシル基を表し;R1は、8〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し;R2は、−Q−R1または−OHを表し;q、r、s及びtは、各々独立して、1〜3の数を表し;X−aは、原子価aの陰イオンであり;
前記脂肪エステル第四級アンモニウム化合物は、モノエステル、ジエステル及びトリエステル化合物の分布で構成され、各Rが−OHである場合に、モノエステルクアト化合物が形成され;1つのRが−OHであり、他のRが−Q−R1である場合に、ジエステルクアト化合物が形成され;各Rが−Q−R1である場合に、トリエステルクアト化合物が形成され;前記脂肪エステル第四級アンモニウム化合物中のモノエステルクアト化合物の基準化パーセントは約28%〜約39%であり;ジエステルクアト化合物の基準化パーセントは約52%〜約62%であり、トリエステルクアト化合物の基準化パーセントは約7%〜約14%であり;全てのパーセントは重量による。]
によって表される脂肪エステル第四級アンモニウム化合物である。
【0025】
上記に説明したモノ、ジ、及びトリエステルクアトの重量%を、"Characterisation of quaternized triethanolamine esters (esterquats) by HPLC, HRCGC and NMR" A. J. Wilkes, C. Jacobs, G. Walraven and J. M. Talbot - Colgate Palmolive R&D Inc.- 4th world Surfactants Congress, Barcelone, 3-7 VI 1996, page 382という刊行物において説明されている定量的分析方法によって決定する。乾燥試料に関して測定したモノ、ジ及びトリエステルクアトの重量%を、100%で基準化する。基準化は、約10〜15重量%の非四級化種の例えばエステルアミン及び遊離脂肪酸の存在が理由となって必要となる。従って、基準化重量%は、原料の純粋なエステルクアト成分を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の組成物において使用される架橋済みコポリマーは、二官能ビニル付加モノマーの架橋剤を70〜300ppm、好ましくは約75〜200ppm、最も好ましくは約80〜150ppmのレベルで使用して架橋された架橋済み陽イオン性ビニルポリマーである。こうしたポリマーはUS-A-4,806,345及び上述のWO 02/057400においてさらに説明されており、これらの文書を本明細書において参考のために引用する。
【0027】
一般に、このようなポリマーは、架橋済みポリマーが鉱油中に分散し、界面活性剤を含んでよい油中水滴型エマルションとして製造される。完成品の製造の最中、水相と接触した状態で、エマルションは逆転し、水溶性ポリマーが膨潤することを可能にする。
【0028】
本発明において使用するために最も好ましい増粘剤は、アクリルアミドコモノマーと組み合わせた第四級アンモニウムアクリレートまたはメタクリレートの架橋済みコポリマーである。
【0029】
本発明の組成物において使用される線状ポリマーは、分子量10,000〜3千万、最も好ましくは5〜8百万を有するアクリレートまたはメタクリレートの水溶性線状陽イオン性ホモポリマーである。
【0030】
このようなポリマーは通常、界面活性剤を含んでよいがまた粉末形態で供給される油中水滴型エマルションとして製造される。
本発明において使用するために好ましいポリマーは、分子量5百万を有する第四級アンモニウムアクリレートの線状ホモポリマーである。
【0031】
必要ならば、本発明の組成物は、単数または複数の柔軟化成分を組成物中に分散させ、組成物の物理的安定性を確実にするために、乳化剤を含んでよい。所望により、乳化剤を柔軟剤組成物中に含めてよく、例えば、アルキル鎖長約13〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルコールエトキシラートであり、ここで、1モル当りのエチレン基の数は約15〜20である。このような使用のために特に好ましいのは、ICIケミカルズ(ICI Chemicals)が製造するシンペロニックA20(Synperonic A20)であり、これは、アルコール1モル当り20モルのエチレンオキシドを有するエトキシル化C13〜C15脂肪族アルコールである非イオン性界面活性剤である。
【0032】
本発明の組成物は、0%〜約5%の香料を含んでよい。本明細書において使用する“香料”という用語をその通常の意味で使用して、任意の非水溶性芳香物質または天然(すなわち、花(flower)、ハーブ、花(blossom)または植物の抽出によって得られる)、人工(すなわち、天然油または油成分の混合物)及び合成によって製造した芳香を放つ物質(synthetically produced odoriferous substance)を含む物質の混合物を指し、含む。典型的に、香料は、様々な有機化合物の例えばアルコール、アルデヒド、エーテル、芳香族化合物及び様々な量の精油(例えば、テルペン)のブレンドの複雑な混合物であり、精油自体が揮発性の芳香を放つ化合物であり、香料の他の成分を溶解するのにも役立つ。
【0033】
本発明においては、水不混和性の基準に適合し、快い臭気を有する限りは、液体布帛柔軟剤組成物の性能に関して、香料の特定の組成は重要ではない。
本発明の組成物は、0%〜約2%の保存剤の例えば、乳酸若しくはホルムアルデヒドの溶液、ブロモニトロプロパンジオール(シュルケ&マイル(Schulke & Mayr)製のオイキシルK446(Euxyl K446))と混合した1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタンの分散系または1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン分子(アベシア・バイオサイズ(Avecia Biocides)製のプロキセルBD2(Proxel BD2)またはプロキセルGXL)の分散系を含んでよい。
【0034】
共柔軟剤(co-softener)を所望により本組成物中に含んでよく、これは例えば脂肪族アルコール、グリセリンモノ−ステアラートまたはグリセリンモノ−オレアートである。
布帛柔軟化組成物において一般に使用される他の任意の成分を少量加えて、本発明の液体布帛柔軟剤組成物の外観または性能特性を向上させてよい。このタイプの典型的な成分としては、着色剤、例えば、染料または顔料、青味付け剤(bluing agent)及び殺菌剤、不透明化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
布帛柔軟剤組成物は、濃縮形態であろうと希釈形態であろうと、最終使用者によって容易に注ぐことが可能でなければならない。従って、一般に、生成物の粘度は、消費者が使用する場合に、希釈を意図した製品の場合約15000センチポアズを超えるべきではない。粘度は、10rpmでスピンドル#3を用いてブルックフィールドRVTDデジタル粘度計を使用して25℃(22〜26℃)で測定する。
【0036】
金属イオン封鎖またはキレート化化合物を、本発明の布帛柔軟化組成物中に0〜2重量%の濃度で所望により含めてよい。有用な金属イオン封鎖化合物は、金属イオンを金属イオン封鎖でき、柔軟化組成物の少なくとも0.001重量%のレベルで、好ましくは約0.001%(10ppm)〜0.5%、より好ましくは約0.005〜0.25重量%存在する。性質が酸性である金属イオン封鎖化合物は、酸形態で或いは適切な対陽イオンの例えばアルカリ若しくはアルカリ土類金属イオン、アンモニウム若しくは置換アンモニウムイオンまたは任意のこれらの混合物との錯体/塩として存在してよい。
【0037】
金属イオン封鎖化合物は、アミノカルボン酸化合物及び有機アミノホスホン酸化合物、並びにその混合物の中から選択される。適切なアミノカルボン酸化合物としては:エチレンジアミン四酢酸(EDTA);N−ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸;ニトリロ三酢酸(NTA);及びジエチレントリアミン五酢酸(DEPTA)が挙げられる。
【0038】
適切な有機アミノホスホン酸化合物としては:エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸);1−ヒドロキシエタン1,1−ジホスホン酸(HEDP);及びアミノトリ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
【実施例】
【0039】
以下の実施例において、線状ホモポリマー、線状コポリマー及び陽イオン性架橋済みポリマーをそれらの商品名に関連して下記に説明する:
フロソフトDP 200(SNF製)−アクリルアミドコモノマーと組み合わせた、ー分子量約5百万未満、好ましくは4百万を有する第四級アンモニウムアクリレートまたはメタクリレートの陽イオン性架橋済みコポリマー。
【0040】
フロエルジェール949 CT(SNF製)−分子量約8百万を有するアクリレートまたはメタクリレートの水溶性線状ホモポリマー。
フロエルジェールEM 949 L(SNF製)−分子量約5百万を有するアクリレートまたはメタクリレートの水溶性線状ホモポリマー。
【0041】
フロエルジェールDP/LC 2322A(SNF製)−アクリルアミドコモノマーと組み合わせ、二官能ビニル付加モノマーの架橋剤(MBA、すなわちメチレンビスアクリルアミド)を70〜300ppm、好ましくは約75〜200ppm、最も好ましくは80〜150ppmのレベルで使用した第四級アンモニウムアクリレートまたはメタクリレートの陽イオン性架橋済みコポリマー。このコポリマーは、フロソフトDP 200と同様であるが、ただし、約300〜400ppmの転移剤(transfer agent)を含むフロソフトDP 200よりも多くの転移剤(450〜600ppm)を含む。得られたフロエルジェールDP/LC 2322Aは、架橋の前に固有粘度<4dl/gを特徴とするフロソフトDP 200よりも枝分れした水膨潤ポリマーである。
【0042】
フロエルジェールDP/LC 2322B(SNF製)−アクリルアミドコモノマーと組み合わせ、二官能ビニル付加モノマーの架橋剤(MBA)を70〜300ppm、好ましくは約75〜200ppm、最も好ましくは80〜150ppmのレベルで使用した第四級アンモニウムアクリレートまたはメタクリレートの陽イオン性架橋済みコポリマー。このコポリマーは、フロソフトDP 200と同様であるが、ただし、約300〜400ppmの転移剤を含むフロソフトDP 200よりも多くの転移剤(600〜800ppm)を含む。得られたフロエルジェールDP/LC 2322Bは、架橋の前に固有粘度<4dl/gを特徴とするフロソフトDP 200よりも枝分れした水膨潤ポリマーである。
【0043】
4:1希釈を意図した本発明の典型的な濃縮布帛柔軟化組成物を下記の実施例1〜7に示し、これは、約34%のモノエステル、約56%のジエステル及び約10%のトリエステル化合物(乾燥試料に関する基準化重量%)の分布を特徴とする陽イオン柔軟剤エステルクアトB(商品名L1−90;KAO製)を含む。濃縮(ニート)製品の粘度及び4:1希釈後の粘度を実施例に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
本発明の範囲外の濃縮柔軟剤組成物を下記の実施例8〜11に示し、これは、本請求の範囲外の市販の増粘剤を含む。
【0046】
【表2】

【0047】
実施例1〜7は、本発明による陽イオン性コポリマーまたはホモポリマーまたはコポリマー−ホモポリマーの混合物を使用することは、使用する前に水対濃縮柔軟剤組成物の4:1の重量比で水を用いて希釈することができる安定な濃縮組成物を提供し、濃縮組成物及び希釈組成物は物理的に安定であり、商業的に望ましいレベルの粘度(希釈形態で>90cp及び濃縮形態で3,000〜15,000cp)を明らかにすることを証明する。
【0048】
実施例8〜11は、会合またはセルロースベースの増粘剤のような本発明の範囲外の他のタイプの周知の増粘剤を使用することは、使用する前に水対濃縮物の4:1の重量比で一旦希釈すると物理的に安定ではない、非常に濃厚で粘稠な濃縮組成物を提供することを証明する。濃縮製品並びに希釈製品は、商業的に望ましくないレベルの粘度を明らかにする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘度約3000cp〜約15,000cpを有する安定な濃縮水性布帛柔軟化組成物であって、得られた希釈柔軟化組成物が物理的に安定であり、中間粘度約90cp〜約300cpを有するように、前記組成物は使用する前に水対濃縮柔軟化組成物の4:1の重量比で水を用いて希釈されることができ、前記組成物は:
a)約5〜約30重量%の陽イオン布帛柔軟剤;
b)少なくとも約0.01重量%の(i)アクリル酸及び/またはメタクリル酸の重合から誘導可能な陽イオン性線状ホモポリマー;または(ii)アクリル酸及び/またはメタクリル酸及びアクリルアミドまたはアクリルアミドの重合から誘導可能な線状コポリマー(前記ホモポリマーまたはコポリマーは分子量約10,000〜約3千万を有する);または(iii)5〜100モル%の陽イオン性ビニル付加モノマー、0〜95モル%のアクリルアミド、及び70ppm〜300ppmの二官能ビニル付加モノマー架橋剤の重合から誘導可能な陽イオン性架橋済みポリマー;または
c)本明細書においてそれぞれ(i)または(ii)において定義される陽イオン性線状ホモポリマーまたは線状コポリマー、及び本明細書において(iii)において定義される陽イオン性架橋済みポリマーを含む少なくとも約0.01重量%のポリマーの混合物(前記濃縮柔軟化組成物中の(i)または(ii)または(iii)のそれぞれの量を選択して、前記希釈組成物中の所望の中間粘度約90cp〜約300cpを提供する);
d)アミノカルボン酸化合物、有機アミノホスホン酸化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される0〜約10重量%の金属イオン封鎖化合物;
e)0〜約5重量%の香料;
f)0〜約10重量%の乳化剤;
g)染料、不透明化剤、ビルド剤及び保存剤からなる群から選択される0〜約10重量%の1種以上のアジュバント;並びに
h)残りは水;
を含む、組成物。
【請求項2】
脂肪族アルコール、グリセリンモノステアラート及びグリセリンモノオレアートからなる群から選択される0〜約10重量%の共柔軟剤をさらに含む、請求項1に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項3】
前記乳化剤は脂肪族アルコールエトキシラート非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の布帛柔軟剤組成物。
【請求項4】
陽イオン性線状ポリマーはアクリレートまたはメタクリレートの第四級塩を含む、請求項1に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項5】
前記陽イオン性架橋済みポリマーは架橋済みビニルポリマーである、請求項1に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項6】
前記陽イオン性架橋済みポリマーはアクリレートまたはメタクリレートの第四級塩を含む、請求項1に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項7】
陽イオン柔軟剤は、第四級アンモニウム化合物、エステルクアト、イミダゾリニウムクアト及びジ脂肪ジアミドアンモニウムメチルサルフェートからなる群から選択される、請求項1に記載の布帛組成物。
【請求項8】
前記陽イオン柔軟剤はジ獣脂ジエステルアンモニウムメトサルフェートを含む、請求項7に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項9】
前記陽イオン柔軟剤はエステルクアトを含む、請求項7に記載の布帛柔軟化組成物。
【請求項10】
有効な量の請求項1に記載の布帛柔軟化組成物を含む水溶液を形成することと、次に柔軟化すべき布帛を前記水溶液と接触させることとを含む、布帛を柔軟化する方法。

【公表番号】特表2006−509930(P2006−509930A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508575(P2005−508575)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/039445
【国際公開番号】WO2004/061066
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】