説明

帯域阻止フィルタ

【課題】安価で組立の容易な導波管形の帯域阻止フィルタを得る。
【解決手段】管内波長をλgとする導波管と、阻止周波数で半波長の整数倍の長さを有し、前記導波管の管壁面同士を前記導波管内にて接続する線状導体とを備えた帯域阻止フィルタであって、前記線状導体は、前記導波管の管軸方向に前記阻止周波数でλg/4の奇数倍の間隔で配置される。すなわち、導波管の管壁面同士を接続する線状導体を、阻止周波数の半波長の整数倍の長さとし、阻止周波数でλg/4の奇数倍の長さの間隔で導波管の管軸方向に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、マイクロ波帯やミリ波帯で用いられる導波管形の帯域阻止フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の導波管形フィルタの一つとして、特許文献1に見られるようなE面帯域通過フィルタがある。このフィルタは、より急峻な遮断特性を得るために、シャント直列共振回路として機能する減衰極形成用の共振器を入出力部に配置していることが特徴である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−202601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は、特許文献1に記載のE面帯域通過フィルタの構成部品となる金属板を示す図である。特許文献1に記載のフィルタは、本金属板の平板部408aと408bを、矩形導波管のE面分割面に挟むようにして固定することで構成される。図11における401が帯域通過フィルタとして動作する部分であり、410から413は、帯域通過フィルタ構成用共振器である。
【0005】
一方、破線部内の共振器402a、402bが、上述の減衰極形成用共振器である。このようなE面帯域通過フィルタは、導波管部分の形状が簡素であるため、切削加工に要するコストを大幅に削減でき、切削加工部品のみで構成される導波管形フィルタに比べ、低価格化が見込めることが大きな特徴である。
【0006】
ところで、一般に、帯域通過フィルタでは、通過帯域における通過損失は、フィルタに含まれる共振器の性能に大きく依存する。図11のような金属板を使用するE面帯域通過フィルタの場合、共振器411〜413は、各共振器と、隣接するその他の回路とを隔てる金属板の縁を集中して流れる電流に起因する導体損により、共振器の性能が劣化する。このため、E面帯域通過フィルタでは、金属板を使用せず、切削加工のみで形成される導波管形帯域通過フィルタに比べ、通過損失が大きくなる欠点があった。
【0007】
フィルタの通過帯域における通過損失を低減する合理的な方法の一つとしては、フィルタの性能に対する要求次第では選択できない場合もあるが、フィルタの回路構成を帯域通過形から帯域阻止形とする方法が考えられる。多くの場合、回路構成を帯域通過形から帯域阻止形とすることで、フィルタに含まれる共振器に求められる性能が大幅に緩和され、通過損失の低減が期待できる。
【0008】
例えば、図11に見られる共振器402a、402bのように、シャント直列共振回路として機能する共振器を複数個、一定間隔で金属板上に形成し、この金属板を共振器に組み込めば、E面帯域阻止フィルタが得られると考えられる。しかしながら、共振器402a、402bは、平板部408a、408b間を物理的につなぐものではないため、本共振器だけで帯域阻止フィルタを構成した場合には、金属板が2つに分離してしまい、組立時に位置合わせが困難になるという問題があった。
【0009】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、安価で組立の容易な導波管形の帯域阻止フィルタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る帯域阻止フィルタは、管内波長をλgとする導波管と、阻止周波数で半波長の整数倍の長さを有し、導波管の管壁面同士を接続する線状導体とを備えた帯域阻止フィルタであって、線状導体は、導波管の管軸方向に阻止周波数でλg/4の奇数倍の間隔で配置されるものである。ここで、阻止周波数とは阻止帯域内の任意の周波数であり、主に阻止帯域の中心周波数と定義する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る帯域阻止フィルタによれば、高周波を通す導波管内に、導波管の管壁面同士を接続する線状導体を、阻止周波数の半波長の整数倍の長さとし、阻止周波数でλg/4の奇数倍の長さの間隔で導波管の管軸方向に配置することにより、安価で組立の容易な導波管形の帯域阻止フィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタの外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタを構成する導波管構成パーツに挟まれた金属板の外観図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る各種線状導体を含む金属板の外観図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る線状導体とその等価回路である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタの特性図である。
【図6】本発明の実施の形態1において矩形導波管の基本モードが発生している場合の、導波管横断面での線状導体の配置を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る帯域阻止フィルタを構成する導波管パーツに挟まれた金属板の外観図である。
【図8】本発明の実施の形態2において矩形導波管の基本モードが発生している場合の、導波管横断面での線状導体の別の配置を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態2において円形導波管の基本モードが発生している場合の、導波管横断面での線状導体の配置を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る線状導体を含む金属板の外観図である。
【図11】従来のフィルタの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の導波管形の帯域阻止フィルタの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態における説明では、導波管形の帯域阻止フィルタのことを、単に帯域阻止フィルタあるいは導波管形フィルタと称して説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタの外観図であり、一般的な導波管形アンテナの給電部におけるE面フィルタを示す外観図である。本実施の形態1における帯域阻止フィルタ1は、矩形導波管の幅広面中心において分割された導波管構成パーツ4aおよび4bの間に、金属板3を挟み込むことにより実現されている。
【0015】
また、図2は、本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタ1を構成する導波管構成パーツ4a、4bに挟まれた金属板3の外観図である。ここで、金属板3は、図2に示す通り、金属板3の平板部108a、108bの間に、平板部108a、108bを機構的に連結する平板である第1共振器101、第2共振器102、第3共振器103、および第4共振器104を、阻止周波数でλg/4の奇数倍の共振器間隔105、106、107でそれぞれ配置したものである。ここでは、共振器間隔105、106、107を、すべて阻止周波数で約3λg/4としている。図2における導波管開口部100は、図1の導波管開口部2より導波管内部を観察する際に観察可能な領域に相当する。
【0016】
また、図3は、本発明の実施の形態1に係る各種線状導体を含む金属板3の外観図である。図2における第1共振器101、第2共振器102、第3共振器103、および第4共振器104は、平板部108a、108bの間を線状導体で接続した金属板3により構成されているが、本発明における各線状導体は、この図3に示すような種々の形状であっても構わない。また、高周波を通す導波管内に、導波管の管軸方向に、導波管の幅広面同士を接続するように構成されたこの線状導体は、阻止周波数の半波長の整数倍の長さを有している。
【0017】
図4は、本発明の実施の形態1に係る線状導体とその等価回路である。任意の形状で長さLの線状導体602は、導波管の幅広面601a、601bを接続するように構成される。これは、等価回路において、伝送線路603a、603bを並列接続する、長さLで、ある入力インピーダンスを持つ先端短絡線路604とみなすことができる。
【0018】
ここで、標準的な矩形導波管の断面寸法を、基本モードであるTE10モードのみが伝搬するよう設定した場合、線状導体は、阻止周波数で1波長の長さが最適であることを示す。通過帯域より阻止帯域が高周波数帯にある場合、帯域阻止フィルタを実現するためには、基本モードの導波管のカットオフ周波数fcと阻止周波数frとの間に、線状導体が開放に見える周波数(反射特性が良好となる周波数)が存在する必要がある。
【0019】
また、阻止周波数frは、標準的な矩形導波管において、基本モードのみが伝搬する周波数帯域内に設定する必要があり、すなわち、fc<fr<2fcの関係がある。線状導体の長さLが阻止周波数で半波長の長さである場合、線状導体の長さLが開放に見える周波数fは、阻止周波数の半分となる。このため、周波数fは、f=fr/2<fcとなり、カットオフ周波数より低いために、導波管内では存在しない。よって、本条件において、線状導体の長さは、半波長では不適であり、1波長以上が望ましい。換言すると、線状導体の長さが1波長以上の場合、阻止帯域より低周波数帯において、良好な反射特性が得られる。
【0020】
一方、1波長を超える長さの線状導体は、管軸方向に広がりを持つことなく導波管内に収めることが物理的に困難であるため、より短い方が好ましい。したがって、電気特性と物理形状の双方の観点から、1波長が最適であると言える。
【0021】
また、線状導体を折り曲げることで、管軸方向への広がりを抑えるとともに、導体幅、折り曲げ回数、折り曲げ位置、および折り曲げ角度を変化させることによって、外部Qを調整することが可能である。
【0022】
このような構成を有する本発明の帯域阻止フィルタの周波数特性について、次に説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る帯域阻止フィルタの特性図である。各共振器101〜104は、所望の外部Qと無負荷Qを有し、例えば、線状導体が図2に示すような2回の折れ曲がり箇所を有し、それぞれの長さが約1波長であるとする。
【0023】
この場合、図5に示すような4段の帯域阻止フィルタの特性を得ることができる。図5において、fは、周波数、frは、阻止周波数を表わし、横軸は、阻止周波数で規格化された周波数を表わす。また、縦軸は、同フィルタの通過特性(図5における実線に相当)と反射特性(図5における破線に相当)のデシベル表示である。図5では、一例として、通過帯域で−20dB以下の反射特性を確保し、阻止帯域で50dB以上の減衰量を確保する通過特性を示す。
【0024】
このような帯域阻止フィルタは、高周波を通す導波管内に、導波管の幅広面同士を接続する線状導体を、阻止周波数の半波長の整数倍の長さとし、阻止周波数でλg/4の奇数倍の長さの間隔で導波管の管軸方向に設けることで実現できる。また、線状導体の長さを、阻止周波数において1波長とした場合には、低周波数帯の反射特性をさらに改善することができる。
【0025】
また、各線状導体は、特定の周波数のみを阻止する共振器となり、適切な外部Q、無負荷Q値を有する共振器を1つ、あるいは複数個に配置することにより、所望の帯域阻止フィルタ特性を得ることができる。
【0026】
また、図6は、本発明の実施の形態1において導波管横断面の電磁界分布を示した図である。図6に示すように、本実施の形態1における線状導体は、導波管の横断面中心を通過し、各基本モードの電界と平行になるように配置される。
【0027】
さらに、金属板は、エッチング加工等により、ミリ波帯などの高周波数帯においても、波長に対して無視できるほどの高い加工精度を得ることができる。
【0028】
以上のように、実施の形態1によれば、高周波を通す導波管内に、導波管の幅広面同士を接続する線状導体を、阻止周波数の半波長の整数倍の長さとし、阻止周波数でλg/4の奇数倍の長さの間隔で、導波管の管軸方向に複数個配置することで、帯域阻止フィルタを構成している。このような構成を備えることにより、安価で組立の容易な帯域阻止フィルタを得ることができる。
【0029】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る帯域阻止フィルタを構成する導波管構成パーツに挟まれた金属板3の外観図である。導波管の外形は、先の実施の形態1における図1と同一で構わない。
【0030】
本実施の形態2における導波管形フィルタは、先の実施の形態1と同様に、矩形導波管の幅広面中心において分割された導波管構成パーツ4aおよび4bの間に、金属板3を挟み込むことにより実現されている。ここで、金属板3は、図7に示す通り、平板部208a、208bの間に、第1共振器201および、第2共振器202、第3共振器203、および第4共振器204を、阻止周波数でλg/4の奇数倍の共振器間隔205、206、207でそれぞれ配置したものである。
【0031】
ここでは、各共振器間隔205、206、207を、すべて阻止周波数で約3λg/4としている。図7における導波管開口部200は、図1の導波管開口部2より導波管内部を観察する際に観察可能な領域に相当する。
【0032】
さらに、本実施の形態2における導波管形フィルタは、図7に示すように、平板部208aおよび208bを、導波管の内側に突出させた構成とし、飛び出し部209aおよび209bが設けられている。このような飛び出し部209aおよび209bを有することにより、導波管形フィルタの組立て時において、基本モードの電界方向に金属板の位置ずれが生じても、導波管内における線状導体の長さが変化しない。従って、例えば、垂直方向に波長に対して3%のずれが生じた場合にも、阻止周波数frの変化は、0.5%未満に収まり、組立誤差に対する耐性が向上する。
【0033】
以上のように、実施の形態2によれば、導波管に金属板を挟み込む際に、金属板の平板部分を、導波管の内側に突出させることで、帯域阻止フィルタを構成している。このような構成を備えることにより、組立て時に基本モードの電界方向に金属板の位置ずれが生じても、周波数特性への影響を軽微に抑えることができる。
【0034】
なお、本実施の形態2では、金属板の平板部が導波管の管壁面より内側に突出する例を示したが、逆に、金属板の平板部が導波管の管壁面より外側に引込む形でも差し支えなく、同様の効果を得ることができる。
【0035】
上述の実施の形態1、2では、矩形導波管を例にとり、一波長で2回の折れ曲がり箇所を有する線状導体を共振器として、阻止周波数で3λg/4の間隔で導波管の管軸方向に配置した金属板を、E面に挟み込む構造を示したが、他の構造とすることもできる。図8は、本発明の実施の形態2において矩形導波管の基本モードが発生している場合の、導波管横断面での線状導体の別の配置を示した図である。金属板は、図8に示すように、E面と平行でない向きに配置してもよい。
【0036】
また、図9は、本発明の実施の形態2において円形導波管の基本モードが発生している場合の、導波管横断面での線状導体の配置を示した図である。図9のように、円形導波管を用いて電界と平行に、もしくは平行でない向きに配置してもよい。
【0037】
また、フィルタの段数は、4段に制限されることはなく、他の段数でも同様の効果を得ることができる。
【0038】
さらに、線状導体の長さは、1波長に限られることはなく、一般的に半波長の整数倍であれば、同様の効果を得ることができる。特に、通過帯域より阻止帯域が低周波帯域にある場合は、半波長であっても差し支えない。
【0039】
加えて、折り曲げ回数は、2回に限定されることはなく、形状も必ずしもイナズマ形である必要はない。上述した折り曲げ回数、および折り曲げ位置、折り曲げ角度、導体幅等を変化させて適切な外部Qを得ることで、同様の効果を得ることができる。
【0040】
上述の実施の形態1、2では、線状導体と平板部を合わせた金属板を用いて導波管に挟み込む構成であったが、線状導体は、金属板の一部である必要はない。例えば、単体、もしくは複数の線状導体をばね状に形成し、導波管内の所望の位置に所望の形状で固定すれば、同様の効果を得ることができる。
【0041】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る線状導体を含む金属板3の外観図である。先の図2における第1共振器101、第2共振器102、第3共振器103、および第4共振器104は、平板部108a、108bの間を線状導体で接続した金属板3により構成されているが、本発明における各線状導体は、この図10に示すような形状であっても構わない。
【0042】
この図10に示した線状導体は、先の図3に示した形状と同様に、高周波を通す導波管内に、導波管の管軸方向に、導波管の幅広面同士を接続するように構成されており、阻止周波数の半波長の整数倍の長さを有している。
【0043】
本実施の形態3における金属板は、図10に示すように、線状導体である共振器702において、平板部710aおよび710bとのつなぎ目部分721a、721b、内側の折れ曲がり部分722a、722b、外側の折れ曲がり部分723a、723bの少なくとも一箇所に丸みを有している点を特徴としている。なお、図10では、全ての箇所に丸みを有した形状を示している。ここで、以下の説明においては、つなぎ目部分、および折れ曲がり部分を合わせて、隅部と定義する。
【0044】
外周および内周の隅部では、エッチング加工時に金属板の厚みおよび角度に依存して、エッチング不足/エッチング過多により角が丸くなり、隅が埋まるなどの問題がある。そのため、複数の金属板を製造した際に、仕上がり形状に差が生じやすく、周波数特性のばらつきの原因となる。
【0045】
特に、共振器702と平板部710a、710bのつなぎ目部分は、最も鋭角となるため、エッチング不足量が大きい。これに加え、当該部分は、導波管に挟まれて両端とも電気的に短絡となり、電流分布が最大値を示すことから、形状の差異に影響されやすい。
【0046】
これに対して、本実施の形態3における金属板には、製造誤差を生じる鋭角、直角、鈍角など全ての角が存在しない、丸みを帯びた形状となっている。これにより、エッチング加工を行う場合にも、その仕上がり形状に大きな差が生じにくく、阻止周波数のばらつきも低減される。すなわち、設計上、隅部の形状を、丸みを帯びた形状とすることで、エッチング加工時の製造誤差に対する耐性を向上させることができる。
【0047】
以上のように、実施の形態3によれば、導波管に金属板を挟み込む際に、金属板の隅部を、丸みを帯びた形状とすることで、帯域阻止フィルタを構成している。このような構成を備えることにより、エッチング加工時の仕上がり形状に大きな差を生じにくくさせることができ、エッチング加工時の製造誤差に対する耐性を向上させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態3では、図10に記載の共振器を例にとって示したが、隅部に丸みを設けた形状であれば、この形状に限定されるものではない。例えば、図10は、先の図3における右上の共振器形状302を例にしているが、それ以外の共振器形状においても同様に、金属板の隅部を、丸みを帯びた形状とすることで、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 帯域阻止フィルタ(導波管形フィルタ)、2 開口部、3 金属板、4a、4b 導波管構成パーツ、100 導波管開口部(破線部)、101 第1共振器、102 第2共振器、103 第3共振器、104 第4共振器、105 第1−第2共振器間隔、106 第2−第3共振器間隔、107 第3−第4共振器間隔、108a、108b 平板部、200 導波管開口部(破線部)、201 第1共振器、202 第2共振器、203 第3共振器、204 第4共振器、205 第1−第2共振器間隔、206 第2−第3共振器間隔、207 第3−第4共振器間隔、208a、208b 平板部、209a、209b 飛び出し部、301〜305 共振器形状、402a、402b 共振器、408a、408b 平板部、411 第1共振器、412 第2共振器、413 第3共振器、501 矩形導波管(TE10モード)、502 金属導体、503 円筒導波管(TE11モード)、504 金属導体、601a、601b 幅広面、602 線状導体、603a、603b 伝送線路、604 先端短絡線路、702 共振器形状、710a、710b 平板部、721a、721b つなぎ目部分、722a、722b 内側の折れ曲がり部分、723a、723b 外側の折れ曲がり部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内波長をλgとする導波管と、
阻止周波数で半波長の整数倍の長さを有し、前記導波管の管壁面同士を接続する線状導体と
を備えた帯域阻止フィルタであって、
前記線状導体は、前記導波管の管軸方向に前記阻止周波数でλg/4の奇数倍の間隔で配置される
ことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記導波管は、矩形導波管もしくは円形導波管であり、
前記導波管の断面寸法は、基本モードのみが伝搬する寸法に設定されており、
前記線状導体は、前記導波管の横断面の中心における前記基本モードの電界と平行に配置される
ことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記導波管は、前記横断面の中心における電界と平行に分割され、
分割された前記導波管の間に挟み込まれる一対の平板部と、前記線状導体の代わりとして前記一対の平板部を機構的に連結する平板とを含む金属板をさらに備える
ことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項4】
請求項3に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記金属板の平板部は、分割された前記導波管で挟み込まれる際に、前記導波管の前記管壁面から内側に突出する、あるいは前記管壁面から外側に引込む形状を有する
ことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項5】
請求項3または4に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記金属板は、エッチング成形されることを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項6】
請求項5に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記管壁面の内部に存在する前記金属板の前記平板部および前記線状導体は、外周および内周の隅部のうち、少なくとも一箇所に丸みを帯びた形状を有することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記線状導体は、阻止周波数で長さが1波長である
ことを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記線状導体は、少なくとも1回の曲げ部分を有することを特徴とする帯域阻止フィルタ。
【請求項9】
請求項8に記載の帯域阻止フィルタにおいて、
前記線状導体は、2回の折れ曲げ部分を有するイナズマ形となっていることを特徴とする帯域阻止フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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