説明

帯形状の縦糸のためのへドル

【課題】繊維帯での製織のために用いることのできるへドルを作り出す。
【解決手段】本発明にしたがい、特に帯形状縦糸のために設けられるへドルは、二つのバンド(5、6)を備えて成り、当該バンドは、使用の間、鉛直方向に延在し、互いに対して少し離れて並行に配置され、それらの間に配置される二つの糸支持要素(16、17)を保持する。糸支持要素(16、17)は、それらの間のバンド(5、6)のそれぞれ平坦部と共に、縦糸とへドルの縦方向(7)とに対して横方向に向けられた平坦糸はと目(18)を一緒に形成する。バンド(5、6)は、へドル支持レール(2、3)まで幅を減少させずに好ましくは延在し、支持レール上にそれらを位置決めするための端部はと目(10、11、12、13)を設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯形状の平坦な繊維束の形態の縦糸のためのへドルに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】DE-PS 22995
【0003】
製織産業では、杼口形成(shed forming)のために、いわゆる製織シャフト又はフレームを使用する。当該製織シャフト又はフレームは、垂直な側面支持具と水平バーとを有し、互いに対して少し距離をおいて配置される長方形フレームから基本的に成り、シャフトステーブ(shaft staves)と呼ばれる。シャフトステーブは、シャフトステーブに沿って延びる鋼レール形態でへドル支持レールを担持する。たいていの場合、これらは、およそ長方形断面を有する。へドル支持バー上にそれらの端部はと目とともに位置するへドルは、これらへドル支持バーの内側に配置される。各へドルは、少なくとも一つの糸はと目を設けられ、それを通して縦糸は延在する。へドルを備えたシャフトが鉛直方向に上下動する場合、それぞれの糸は、縦糸面の外に案内され、そして、この面内に戻って案内される。
【0004】
通常用いられる縦糸の代わりに、例えば、技術的織物(technical textile)、特に複合繊維材料又は高強度繊維材料(例えば防弾繊維)を製造するために用いられる繊維帯(fiber bands)での杼口を形成することが、近代になってますます目的とされる。原則として、これら材料を製造するための帯形状縦糸は、繊維材料内で平坦に処理されなければならない(側面に束にすること無しにを意味する)。さらに、個々の繊維帯は、織物内でできる限り互いに近接して配置されるべきである。
【0005】
さらに、他の製織シャフトのへドルを通過し、最初に考えられた縦糸とは別に動かされる追加の縦糸は、隣接のへドルの間に案内されなければならない。十分な空間もこれら縦糸のために設けなければならず、縦糸に対するダメージが回避されなければならない。
【0006】
特許文献1は、他方の上に一方を配置する二枚の薄い金属板ストリップからなるへドルを開示する。はと目を形成するために、金属板ストリップは、中央部分で、曲げられて互いから離れ、それによって、へドル横方向よりもへドル縦方向に大きい楕円のはと目を作り出す。このタイプのへドルは、繊維帯での製織に適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに基づいて、本発明の目的は、繊維帯での製織のために用いることのできるへドルを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に開示されるへドルで達成される。
【0009】
本発明にしたがうへドルは、縦方向に延在する少なくとも二つのバンドを設けられ、且つ、へドル支持レール上にへドルを位置決めするための手段を設けられる。はと目領域において、二つのバンドは、それぞれ単一の平面に位置し、当該単一の平面は、案内される縦糸に対して平行に延在し、かくして、縦糸のための移動方向に平行に延在するだけでなく、シャフト移動方向にも平行に延在する。糸支持要素は、バンドの間で位置決めされ、当該糸支持要素は、それらの間で糸はと目を規定する。このように形成されたはと目は、側面に極端に狭いウェッブ(webs)を有し、これらは、高い引張り強さを有する。したがって、帯形状縦糸を、互いに近接して位置決めするのと同時に案内することができ、それは、目の詰んだ織物材料を作り出すのに望ましい。
【0010】
バンド間に配置される二つの糸支持要素は、基本的に長方形断面を備えた糸はと目を側面にバンドと共に形成し、当該糸はと目は、平坦で、帯形状の縦糸を案内するための状態を助ける。かくして、杼口形成の間における帯形状縦糸の型崩れ乃至変形は、大部分は排除される。帯形状縦糸の個々の微細繊維(filaments)は、互いに対して平行に案内される。
【0011】
バンドは、少なくとも一つの糸支持要素から他の糸支持要素まで延在する。加えて、へドル支持レール上にへドルを位置決めするための手段を形成する端部はと目にまで、バンドをそれぞれ延在させることができる。端部はと目をバンドに取付けることもできるし、又は、例えば、バンドに同一の凹部をそれぞれ打抜くことによって、あるいは別の方法で処理することよって、バンドそれ自身から形成することもできる。端部はと目を通って、へドル支持レールは延在することができる。代わりに、バンドと同一の材料から作られた、又は、他の種類の材料から作られた端部はと目要素を、例えば、バンドにそれらを接着することによって、溶接することによって、又は、リベット留めすることによって、バンドに取付けることもできる。他の接続選択肢も考えることができる。
【0012】
バンドは、好ましくは、同一に具体化される。さらに、へドルは、好ましくは、全体から見て中央面で対称に具体化される。この中央面は、二つのバンドの平坦な側面に対して平行に延在し、かくして、二つのバンドの間の中央に位置決めされ、高い操作速度を可能にする。
【0013】
バンドは、適当な平坦材料、特に金属(例えば、鋼)から成る。しかしながら、それらを複合繊維材料(例えば、炭素繊維強化プラスチック)によって構成することもできる。その場合、有向繊維(directed fibers)を備えた複合繊維材料、例えば、それぞれのバンドの縦方向に向けられた繊維を備えた複合繊維材料が、好ましくは用いられる。特に軽量で高張力なへドルを、このように製造することができる。
【0014】
互いに対して表面を平行に好ましくは配置されたバンドは、一つの好適な実施形態にしたがって、完全に平坦に具体化され、かくして、全長にわたり均一な間隔を維持する。この実施形態は、バンドが、運転の間、張力と圧力とに関してだけ応力を加えられるという長所と、全く曲げ応力が生じないという長所とを有する。故に、軽量へドルは、安定であり、高応力にさらされることができる。
【0015】
へドル間の間隔をそれぞれの位置(例えば、端部はと目と直接に隣接した位置)で一定に保つために、一つ又はいくつかのスペーサーをバンド間に設けることができる。例えば、製織シャフト上へ構成要素を取付ける間に、へドルがへドル支持レールの方に押されるときに、この措置で、へドル支持レール上の端部はと目がつまる乃至故障することを防止する。スペーサーを、金属スペーサー又はプラスチックスペーサーとすることができる。より軽いへドル重量を得るために、プラスチックスペーサーを用いることができる。
【0016】
好ましくは、糸支持要素はピンとして具体化され、当該ピンは、バンドにそれら端部で保持される。糸支持要素は、円柱形状、管状、中空又はそれらに似た形状を有する本体にすることができる。管状且つ中空断面体は、縦糸のために大きいのと同時に十分に丸い支持表面を提供する長所を有する一方で、糸支持要素の重量、故にへドルの重量は、低いままである。糸支持要素は、硬化鋼、硬質合金、又は、セラミックから成ることができる。それらは、完全に又は一部分だけ前述の材料から成ることができる。例えば、へドルバンドの間に保持され、糸支持要素を担持するプラスチック体に、糸支持要素を埋め込むこともできるし、接続することもできる。該当する場合、特に、前記位置で縦糸が押込まれる可能性のある間隙が形成するのを防止するために、糸支持要素を端部でバンドに付加的に接続することができる。かくして、上述のプラスチック要素は、糸支持要素を支持するように機能することができる一方で、総重量は減少する。
【0017】
糸支持要素は、好ましくは、バンドによって適所に固定して保持され、そこで、それらは、前述のようにそれら端部での全表面をバンドに留まる。このタイプのへドルは、例えば、互いにルーズに隣接して位置決めされるが、互いとは接続されない繊維束から構成される帯形状縦糸を案内するのに適している。これらは、粗糸(roving)の形態で具体化される。これは、複合繊維材料のための繊維芯として意図される技術的織物を製造するのに特に有利である。非常に繊細な繊維を処理するために、糸支持要素を、摩擦を低減するために選択することのできるプラスチックから作ることも可能である。
【0018】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、図、明細書、又は、従属請求項のサブジェクトマターである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の例示的な実施形態が、図面に図解される。
【0020】
図1は、製織織機シャフト上で互いに少し離れて平行に位置決めされる二つのへドルレール2、3の間に配置されるへドル1を図解する。一方、当該製織織機シャフトは、ここでは示されない。へドルは、例えば、互いにルーズに隣接して位置決めされる個々の糸から成る帯形状縦糸での杼口形成のために用いられる。したがって、縦糸4は帯を形成し、帯形状縦糸と呼ぶこともできる。これら糸は、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、又は、他の繊維、特に技術的織物を製造するために用いられる合成繊維から構成される。
【0021】
へドル1は、二つのバンド5、6を備えて成り、当該バンドは、薄板鋼ストリップ(thin sheet steel strip)の形をとることができる。バンド5、6は、例えば、わずか0.1mm〜0.5mmの厚さを有し、縦方向における長さは、へドル支持レール2、3の間の間隔を越える。それらは、好ましくは直線的な縁部8、9によって、それぞれ区切られる。縁部8、9の間で測定される各バンド5、6の幅は、1mm〜80mmあるいはそれ以上の範囲である。バンド5、6の幅は、製織のために用いられる繊維帯に適合させなければならず、それに左右される。例示的な実施形態のためのへドル1のバンド5、6は、完全に平らに具体化され、ある距離をおいて互いに対して平行に配置され、同一の形状である。バンドの端部は、それぞれ、端部はと目10、11、12、13を設けられ、当該端部はと目は、例えば、バンド5、6の端部領域で開口をパンチングすることによって得られる。図1は、いわゆるC形状端部はと目を図解する。しかしながら、他のタイプの端部はと目、例えば、O形状又はJ形状を設けるか、又は、使用することもできる。端部はと目10、11、12、13は、へドル支持レール2、3にとって現在一般的に用いられている標準的な寸法及び形状にそれらが対応するように、好ましくは具体化される。しかしながら、へドル支持レール2、3にとっての新しい形状に、問題無く適合可能である。端部はと目10、11、12、13は、縦方向7に適度なあそびを備えて、へドル支持レール2、3上にバンド5、6を位置決めするための機構14及び/又は15をそれぞれペアで形成する。本実施形態のために、端部はと目10〜13の形態の機構14、15は、バンド5、6に一体化して形成される。しかしながら、へドル支持レール2、3上に他の固定機構又は端部はと目として機能する金属又はプラスチック要素を、バンド5、6に取付けることも可能である。
【0022】
一つの好適で単純な実施形態のバンド5、6は、薄い鋼バンドである。代わりに、それらは、プラスチック、例えば繊維強化プラスチックから成ることもでき、これは、図1にしたがう実施形態だけでなくここに記述される他の全ての実施形態に適合する。
【0023】
図1は、バンド5、6の間に配置される二つの糸支持要素16、17を示し、当該糸支持要素は、それらの間でへドル1の糸はと目18を形成する実質的に長方形断面を備えた平らな経路を規定する。この場合におけるバンド5、6の間の間隔は、糸支持要素16、17の間の間隔よりも相当に長い場合が好ましい。バンド5、6の間のこの間隔は、糸はと目18の長方形断面の長縁部を形成する。糸はと目18の長縁部は、へドル支持レール2、3の縦方向に対して実質的に平行に位置決めされ、これは、糸支持要素16、17がへドル支持レール2、3に対して実質的に平行に延在することを意味する。その場合、糸はと目は、バンド5、6の縦方向7に対して横方向に配置される。糸はと目開口は、縦糸動作方向4に固定される。理想的な場合では、それは、端部はと目凹部の方向に対して90°の角度で配置され、へドル支持レール2、3に対して平行に配置される。この好適な方位から特定用途の偏向があり得る。
【0024】
糸支持要素16、17は、好ましくは円柱形状を有し、その直径は、示されるように、バンド5、6の幅よりもいくぶん小さくすることができる。代わりに、糸支持要素16、17の直径は、バンド5、6の幅と一致するか又はわずかに超過することもできる。糸支持要素16、17は、例えば硬化鋼から構成され、それは多くの適用事例にとって十分である。特別な適用のために、糸支持要素16、17は、特別な要求(例えば、耐摩擦抵抗や耐磨耗抵抗)を満たすために硬質合金又はセラミック材料から構成されることもできる。さらに、支持要素は、セラミックコーティング付きの金属支持体、セラミック芯、又は、硬質合金芯から成ることもできる。これらのコーティング又は芯は、それぞれ、糸支持要素16、17の全長(好ましくはバンド5からバンド6までを意味する)に及ぶ。二つの糸支持要素16、17を材料及び形状に関して、同一に又は異なって具体化することができる。さらに、糸支持要素16、17は、プラスチック(例えば、案内されるべき縦糸4にわずかな摩擦しか発生させないプラスチック材料)から成ることもできる。さらに、糸支持要素16、17は、プラスチックコーティングを設けられた金属のような異なった材料から構成されることもでき、又は、それらは、例えば中空円柱形プラスチック要素を支持することができる。糸支持要素16、17の糸支持表面は、好ましくは、バンド5、6に対して直角に向けられ、バンド5、6に対して垂直な方向に直線で具体化される。
【0025】
糸支持要素16、17は、好ましくは、バンド5、6とそれら端部でしっかりと且つ分離不能に接続される。例えば、それらは、バンド5、6と材料同士を結合させることができる。選択された材料に応じて、それらをバンド5、6に接着するか、溶接するか、又は、リベット留めするかが可能である。代わりに、又は、付加的に、形状結合的接続(form-locking connection)が、糸支持要素16、17とバンド5、6との間で可能である。例えば、リベットを糸支持要素16、17上に形成することができ、当該リベットは、バンド5、6の開口を通って延び、外側でリベット頭を形成する。さらに、糸支持要素16、17を中空で具体化することもでき、そこでは、リベットは、支持要素とバンド5、6通って延びることができ、且つ、糸支持要素16、17に対してバンド5、6をしっかりと保持することができる。糸支持要素16、17によって規定される円柱形状(円筒又は他の円柱タイプ)の糸支持表面は、かくして、連続してバンド5からバンド6まで延在する。バンド5、6と糸支持要素16、17との間には、何らの間隙も残らない。したがって、糸支持要素は16、17は、継目無くバンド5、6を接合する。
【0026】
へドル1には、端部はと目10〜13の近くに好ましくは配置されるスペーサー19、20を付加的に設けることが可能である。スペーサーは、例えば、熱可塑性プラスチックから構成されるプラスチックピンとして具体化され、ペグ21、22(図6参照)を設けられる。当該ペグは、バンド5、6における対応する開口を通って延び、リベット頭形式で機械的締結を形成するために、平坦な外側平面上でわずかに溶かされる。さらに、スペーサーを、ディスク、ウェッブ、又は、立方体のような形状にすることもできる。
【0027】
図1に示されるように、へドル1が、へドル支持レール2、3上に連続して並べられる場合に、これまで記述されたへドル1を、標準的なシャフトを備えた製織織機に挿入することが可能であり、それを通して帯形状縦糸4が引張られる。かくして、縦糸4は、へドル1の糸はと目18だけでなく、隣接するへドル間の領域を通ることができる。製織運転のために、シャフトとへドル1とは、製織織機の運転サイクルにおいて上下に移動し、それ自身は公知の方法で、横糸を摘み取る。
【0028】
本発明にしたがうへドル1で、縦糸4を側面にまとめること無しに案内することが可能となり、バンド5、6のわずかな厚さのために、隣接する縦糸を互いにすぐ隣に位置決めすることができる。
【0029】
図2は、既に紹介された参照番号を用いて、へドルの改良された実施形態1aを図解し、ここでは、上記記述が参照され、この場合に適用される。
【0030】
加えて、へドル1aには追加のスペーサーが設けられることを指摘しなければならない。スペーサー23、24は、例えば、上側へドル支持レール2の上方、及び/又は、下側へドル支持レール3の下方においてバンド5、6の自由端部に配置される。スペーサー19、20を付加的に設けることもできるし、省略することもできる。スペーサー19、20、23、24を、図のように円柱状のピンの形状で具体化することができ、又は、それとは異なって具体化することもできる。それらは、好ましくは、プラスチックから作られる。
【0031】
図3は、へドル1bの形態で本発明の異なる実施形態を図解する。へドル1bは、糸支持要素16、17に関して上述のへドル1、1aとは異なる。そのほかの点では、図1又は2にための上記記述が適用される。その場合には、糸支持要素16、17は、支持体の上に位置決めされる糸案内要素27、28付きのそれぞれ一つの支持体25、26から成る。例えば、支持体25、26を立方体形状にすることができ、プラスチック要素として具体化することができる。例えば、糸案内要素27、28を、支持体25、26によって支持される円柱形状、棒形状、U断面形状、又は同種のものにすることができる。それらは、材料同士確実に結合されて接続されるか、又は、支持体25、26とそれらの組み合わせで接続することができる。支持体25、26は、例えば、接着されるか、溶接されるか、又は、それらをリベット留めするかによって確実な結合で接続されるか、又は、バンド5、6と材料同士で接続されることができる。それぞれの糸案内要素27、28の糸支持表面とバンド5、6との間に間隙が形成するのを防止するために、糸案内要素27、28をバンド5、6と付加的に材料同士で接続することができる。
【0032】
図3にしたがう実施形態は、特に低重量が重要とされる適用事例にとって重要である。極度に軽い重量を有するようにするために、支持体25、26をプラスチックから具体化することができる。糸案内要素27、28は、繊細な構成のため、重量に対してわずかにしか貢献しない。
【0033】
図4は、へドル1Cの形態で、本発明の異なった実施形態を図解する。以下の記述において、特に何も明示しない限りにおいては、図1、2、3の記述が対応して適用される。特に糸支持要素16、17に関して、同様のことが言える。当該糸支持要素は、上述のいかなる形状も有することができる。
【0034】
バンド5、6は、糸支持要素16、17を上側方向及び下側方向に少なくともわずかに越えて延在する。これは、図4に示されるように対称に又は非対称にすることができる。ヘドル1cをヘドル支持レール上に固定し、位置決めするための機構14及び/又は15によって、バンド5、6を接合することができる。へドル支持レールの内へドル支持レール2だけが図解される。機構14は、例えば、金属板ストリップから成り、当該金属板ストリップは、バンド5、6からへドル支持レール2までバンド29として延在する。バンド29を、示されるように完全に平坦にすることができ、また、必要であれば、縦方向7に延在するリブ、凹部等を設けることもできる。例示的な本実施形態にとって、バンド29は、バンド5、6に対し直角に位置決めされ、溶接継目30、31によってそれらに接続される。しかしながら、バンド5、6、29を一体で、例えば、打抜き、曲げた構成要素の形態で具体化することもできる。その場合には、バンド5、6は、上述したように、へドル支持レール2、3をわずかに越えるか又はへドル支持レール2、3まで延在することができる。へドル支持レール2にバンド29を固定するために、へドル支持レール2を取り囲むように、バンド29を上側端部32でU形状に曲げることができる。加えて、トング(tongue)33をこの端部で打抜くことができる。当該トング33は、その際、下からへドル支持レール2を取り囲み、支持部を設ける。このトング33の代わりに、対応する金属板片をバンド29に溶接することもできる。溶接継目は、好ましくは、縦方向7に対して横方向に延在する。
【0035】
バンド5、6を接続する異なったバンド34を、糸はと目18の下に相応して設けることができ、当該バンド34は、バンド5、6と一体を形成するように、又は、溶接継目35、36を用いて接続される。バンド29、34を、バンド5、6の間、例えば中央に挿入することもできる。
【0036】
図5は、へドル1dの形態で、本発明の異なる実施形態の詳細図を概略的に示す。説明には、図1と3に提供された説明が参照され、対応して適用される。上述の例示的な実施形態に関しては、へドル1dは、糸はと目18領域において、互いに対して平行に向けられる二つのバンド5、6をまた有する。途中で互いに対して平行に向けられるバンド5、6の一部は、二つの糸支持要素16、17を少なくとも越えて延在し、一旦、製織シャフトが、製織杼口を形成するために、上向き又は下向き方向にアイドル位置から対応して動かされると、該当する場合、図5に描かれる水平ラインHと共に縦糸4によって最大に囲まれる角度αをも越えて延在する。バンド5、6の対応部分と糸支持要素16、17とによって形成される糸はと目に十分な間隔で、バンド5、6は互いの方へ曲げられる。曲げ領域と糸はと目18との間の間隔は、十分に大きいので、縦糸4は、曲げ領域に達することはできない。さらなる推移において、バンド5、6は、その後、互いに対してぴったりとすり合い、それらは、例えば、接着されるか、リベット締めされるか、溶接されるか、又は、クリンプされることによって、互いに接続することができる。バンド5、6の上側/下側端部で、今度は、機構が、へドル支持レール上にバンドを位置決めするために配置され、当該機構を、図1〜4に示される上記記述の例示の一つと同様に又は異なって具体化することができる。
【0037】
図1〜5にしたがう既述の実施形態で、糸支持要素16、17は、両方の意味において対称に、すなわち、バンド5、6のための仮定された中心線に関してだけでなく、糸はと目18を通って延在する水平面にも対称に配置される。図7は、糸支持要素16、17がバンド5、6上で中心から外れて保持される別の実施形態を図解する。例えば、それらは、バンド5、6上の対応する半円の切欠きに挿入され、そこで、バンドと溶接される。糸支持要素16、17は、例えば、鋼ピンである。確かに、配置は、糸はと目18を通って延在する水平面に対しては対称であるが、鉛直面に対しては非対称である。
【0038】
図8は、別の改良された実施形態を図解し、当該実施形態は、下側糸支持要素17が二つの好ましく相隔たる糸支持要素17a、17bの形態で具体化される点で異なる。図7における例示に示されるように、これらは、バンド5、6の縁部に取付けられ、そこで、対向して配置された縁部にそれらを配置することができる。糸支持要素16を円柱状ピンとして具体化することもでき、当該糸支持要素16は、バンド5、6に対して中央でその端部を接続される。必要ならば、それを中心から外して配置することもでき、また、二つ以上の個々の要素によって置き換えることもできる。
【0039】
本発明にしたがい、特に帯形状縦糸のために設けられるへドルは、鉛直方向に運転の間延在し、互いに対して並行且つ少し離れて配置される二つのバンド5、6を備えて成り、当該二つのバンドは、それらの間で少なくとも二つの糸支持要素16、17を保持する。バンド5、6の対応する平坦部と共に、糸支持要素16、17は、平坦な糸はと目18を一緒に形成する。当該平坦糸はと目18は、縦糸とへドルの縦方向7とに対して横方向に向けられる。バンド5、6は、好ましくは、へドル支持レール2、3まで幅を減少させずに延在し、へドル支持レールの上に位置決めするための端部はと目10、11、12、13を設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】概略的に且つ斜視図で、2つのへドル支持レールに支持される本発明にしたがうへドルを示す。
【図2】図1に記載のへドルの改良実施形態を概略的に且つ斜視図で示す。
【図3】本発明にしたがうへドルの別の改良された実施形態を斜視図で示す。
【図4】本発明にしたがうへドルの実施形態を示し、斜視基本図で実施形態の一部分を示す。
【図5】本発明にしたがう別のへドルの実施形態を示し、斜視基本図で実施形態の一部分を示す。
【図6】斜視分解図で、スペーサーを備えたへドルバンドの詳細を示す図である。
【図7】へドルの別の実施形態を示し、斜視図における詳細を示す。
【図8】本発明にしたがうへドルの更なる実施形態を示し、斜視図で詳細を示す。
【符号の説明】
【0041】
1 へドル
1a へドル
1b へドル
1c へドル
1d へドル
2 へドル支持レール
3 へドル支持レール
4 縦糸
5 バンド
6 バンド
7 縦方向
8 縁部
9 縁部
10 端部はと目
11 端部はと目
12 端部はと目
13 端部はと目
14 機構
15 機構
16 糸支持要素
17 糸支持要素
18 糸はと目
19 スペーサー
20 スペーサー
21 ペグ
22 ペグ
23 スペーサー
24 スペーサー
25 支持体
26 支持体
27 糸案内要素
28 糸案内要素
29 バンド
30 溶接継目
31 溶接継目
32 端部
33 トング
34 バンド
H 水平ライン
L 縦方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯形状の縦糸のためのへドル(1)において、
縦方向(7)に延在する二つのバンド(5、6)であって、少なくとも一つの端部に、へドル支持レール(2、3)を位置決めするための機構(14、15)をそれぞれ設けられる二つのバンド(5、6)を備え、
バンド(5、6)の間に配置される糸支持要素(16、17)であって、それらの間で糸はと目(18)を規定する糸支持要素(16、17)を備える、
へドル。
【請求項2】
バンド(5、6)が、同一であるように具体化される、請求項1に記載のへドル。
【請求項3】
バンド(5、6)が、平坦な材料から構成される、請求項1に記載のへドル。
【請求項4】
バンド(5、6)が、金属バンドである、請求項1に記載のへドル。
【請求項5】
バンド(5、6)が、プラスチック繊維複合材料から作られる、請求項1に記載のへドル。
【請求項6】
バンド(5、6)が、平坦構成を有し、且つ、互いに表面を平行に配置される、請求項1に記載のへドル。
【請求項7】
少なくとも一つのスペーサー(19、20)が、バンド(5、6)の間に設けられる、請求項1に記載のへドル。
【請求項8】
スペーサー(19、20)が、バンド(5、6)とは異なる材料から製造される、請求項1に記載のへドル。
【請求項9】
スペーサー(19、20)が、プラスチックから作られる、請求項1に記載のへドル。
【請求項10】
へドル支持レール(2、3)上にへドル(1)を位置決めするための機構(14、15)が、各バンド(5、6)の一つの端部上に直接形成される端部はと目(10、11、12、13)である、請求項1に記載のへドル。
【請求項11】
糸支持要素(16、17)が、バンド(5、6)によって、適所にそれら端部で保持されるピンとして具体化される、請求項1に記載のへドル。
【請求項12】
糸支持要素(16、17)が、直線に沿ってバンドからバンドまで延在する糸支持表面を設けられる、請求項1に記載のへドル。
【請求項13】
糸支持要素(16、17)が、硬化鋼、硬質合金、又は、セラミック材料から作られる、請求項1に記載のへドル。
【請求項14】
糸支持要素(16、17)が、バンド(5、6)によって適所に固定されて保持される、請求項1に記載のへドル。
【請求項15】
糸支持要素(16、17)が、それら端部で全表面をバンド(5、6)に接続される、請求項1に記載のへドル。
【請求項16】
糸はと目(18)が、へドル支持レール(2、3)の縦方向に対して横方向に配置される、請求項1に記載のへドル。
【請求項17】
糸はと目(18)が、へドル支持レール(2、3)に対して90°の角度になるように配置される、請求項1に記載のへドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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