説明

帯板洗浄装置における帯板通板方法および帯板洗浄装置

【課題】 帯板洗浄不要時にパスラインを切換えることなく同一洗浄装置内で帯板の通板をおこなうことができ、この通板に伴う帯板の液体によるしみの発生を防止できる、帯板洗浄装置における帯板の通板方法および帯板洗浄装置を提供する。
【解決手段】 槽体内に洗浄液吹付ノズル(温水吹付ノズル4,7)とブラシロール3,リンガーロール5等の洗浄用ロールとをそなえ、パスラインPに沿って走行する帯板2の洗浄をおこなう帯板洗浄装置において、帯板2の洗浄不要時に、洗浄用ロールをパスラインPから上下に離間させ、洗浄液吹付ノズルによる洗浄液吹付を停止するとともに、帯板2より広巾の防水シート61をパスラインPより上側で且つ上昇位置にある洗浄用ロールの下側位置において、槽体内全長にわたって張設し、槽体の外側に設けた支承ロール43,73により帯板2をパスラインP位置に保持しつつ、槽体内を通板させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は金属製の帯板を洗浄する洗浄装置において、帯板の洗浄不要時に帯板を帯板洗浄装置内に通板する方法、およびこの方法を実施する帯板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延された鋼帯や銅帯などの帯板やこれをさらに焼鈍処理した帯板の表面には、圧延油等の油脂分や、金属粉末やごみ等の異物が付着しているので、これらを除去する必要がある。そしてそのための洗浄装置としては、アルカリ溶液などの脱脂液を帯板の両面に吹付けてブラシロールでブラッシング後、温水を吹付けて仕上洗いをおこなう洗浄装置(たとえば、特許文献1参照)、脱脂液を用いずに温水の高圧スプレーで予備洗浄された帯板を、温水供給下でブラシロールとバックアップロールとの間に挟圧してブラシ洗浄後に、温水をスプレーして仕上洗浄する洗浄装置(たとえば、特許文献2参照)、ブラシを用いることなく帯板の両面に脱脂液を高圧で噴射後、洗浄水で水洗する洗浄装置(たとえば、特許文献3参照)など、種々の形式の洗浄装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−269678号公報(第2頁、第6−8頁、図1)
【特許文献2】特開平6−306654号公報(第2−3頁、図1−図2)
【特許文献3】特開平5−245526号公報(第2頁、図1)
【0003】
ところで上記の洗浄装置ををそなえた帯板の処理ラインにおいては、帯板の材種などによって洗浄が不要となる場合があるが、このときにこの洗浄不要の帯板を上記洗浄装置内に通板すると、脱脂液や温水の供給を停止したとしても、槽体の上部内壁面に付着した脱脂液や温水などの液体の滴下や、上記液体により濡れたブラシロールやリンガーロールとの接触により、帯板に不要な液体分が付着して、その表面にしみを発生させることになる。
【0004】
このため従来は、洗浄装置の槽体の上側または下側に、洗浄装置のパスラインと平行に別個の非洗浄時用のパスラインを設け、デフレクターロール等の切換機構を設けて、洗浄・非洗浄用のパスラインの切換えをおこなっていたので、装置全体が複雑・大型化し、設備費とともに設置スペースもかさむという問題点を有するものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上記従来の問題点を解決しようとするもので、帯板洗浄不要時にパスラインを切換えることなく同一洗浄装置内で帯板の通板をおこなうことができ、この通板に伴う帯板の液体によるしみの発生を防止できる、帯板洗浄装置における帯板の通板方法および帯板洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の帯板通板方法は、槽体内に帯板のパスラインに沿って、洗浄液吹付ノズルとブラシロール,リンガーロール等の洗浄用ロールとをそなえ、パスラインに沿って走行する帯板の洗浄をおこなう帯板洗浄装置において、前記帯板の洗浄不要時に、前記洗浄用ロールをパスラインから上下に離間させ、前記洗浄液吹付ノズルによる洗浄液吹付を停止するとともに、帯板より広巾の防水シートをパスラインより上側で且つ上昇位置にある前記洗浄用ロールの下側位置において、前記槽体内全長にわたって張設し、前記槽体の外側に設けた支承ロールにより帯板をパスライン位置に保持しつつ、槽体内を通板させることを特徴とする。
【0007】
また請求項2記載の帯板洗浄装置は、槽体内に帯板のパスラインに沿って、洗浄液吹付ノズルとブラシロール,リンガーロール等の洗浄用ロールとをそなえ、パスラインに沿って走行する帯板の洗浄をおこなう帯板洗浄装置において、前記槽体の前側に、帯板より広巾の防水シートのロールを、そのロール芯を帯板の通板方向と直交する水平方向に向けてパスラインより上方の位置で繰出・制動自在に保持するロールホルダと、前記ロールホルダから繰出された前記防水シートをパスラインより所定距離上側の位置へガイドする入側ガイドローラと、帯板をパスライン位置に支承する支承ロールとを設け、前記槽体の後側に、前記ロールホルダから前記槽体内を経て供給された前記防水シートをパスラインより上方の位置において巻取・保持するシート巻取装置と、前記入側ガイドローラ部から前記槽体内を経て供給された前記防水シートをパスラインより所定距離上側の位置から前記シート巻取装置に向けてガイドする出側ガイドローラと、帯板をパスライン位置に支承する支承ロールとを設けるとともに、帯板の洗浄不要時に、前記洗浄用ロールを昇降駆動してパスラインから上下に離間した位置に保持するロール昇降装置を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、帯板の洗浄不要時に、洗浄用ロールをパスラインから上下に離間させ、帯板より広巾の防水シートをパスラインより上側位置において槽体内全長にわたって張設し、支承ロールにより帯板をパスライン位置に保持しつつ槽体内を通板させるようにしたので、槽体壁面や洗浄用ロールに付着していた帯板洗浄時の残留液が落下しても防水シートにより遮られ、また帯板はパスライン下側の下降位置にある洗浄用ロールとも接触しないので、帯板は上下両面に液滴が付着することなく槽体内を通過してこの液滴による帯板のしみの発生が防止される。従って帯板洗浄不要時にパスラインを切換えることなく同一洗浄装置内で帯板の通板をおこなうことができ、この通板に伴う帯板の液体によるしみの発生を防止でき、帯板非洗浄時用の別個のパスラインを設けてパスラインを切換えるのに比べて、装置全体が簡潔・小型のもので済み、設備費および設置スペースも低減化される。
【0009】
また上記の効果に加えて、請求項2記載の発明によれば、防水シートのロールを繰出・制動自在に保持するロールホルダから繰出された防水シートを、入側ガイドローラによりパスラインより所定距離上側の位置へガイドし、この入側ガイドローラから槽体内を経て供給された防水シートを出側ガイドローラによりシート巻取装置に向けてガイドして該巻取装置により巻取・保持させる構成としたので、防水シートを槽体内に供給して槽体内全長にわたって張設する作業を迅速容易におこなうことができ、また張設状態の防水シートは入側ガイドローラと出側ガイドローラにより、パスラインより所定距離上側の位置に確実に保持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1〜図5に示す一例により、この発明の実施の形態を説明する。図1において帯板洗浄装置1は、図示しない帯板焼鈍炉の後段側(帯板進行方向側)に設置された湯洗式の洗浄装置で、帯板2のパスラインPに沿って、ブラッシング槽10の後段側に仕上湯洗槽20を連設して成る。
【0011】
ブラッシング槽10は、帯板2のパスラインPの上側と下側に配置した1組のブラシロール3と、このブラシロール3の前後に設けた2組の温水吹付ノズル4とを、それぞれそなえ、温水ポンプ11により供給された温水が温水吹付ノズル4から上下面に吹付けられた帯板2は、ブラシロール3によるブラッシングを受け、帯板表面から除去された金属粉末等を含んだ槽の流出液12は、図示しない濾過装置等を経て温水ポンプ11へと循環供給される。また5は、帯板2を上下から挟圧して帯板2に付着した異物や温水などの液分を除去するリンガーロールで、仕切板6で仕切られた槽入口部に1組、ブラシロール3の後段側に1組、それぞれ設けられている。なお仕切板6は、帯板2および後述する防水シート61の通過する通板口を有するとともに、その下端部は槽の底面から離間し、洗浄後の温水の流通を可能としている。
【0012】
次に仕上湯洗槽20は、帯板2のパスラインPの上側と下側に配置した2組の仕上湯洗用の温水吹付ノズル7をそなえ、温水ポンプ21により供給された温水が温水吹付ノズル7から帯板2の上下面に吹付られて金属粉末等の残留分が除去され、この除去分を含む槽の流出液22は、図示しない濾過装置を経て温水ポンプ21へと循環供給される。また温水吹付ノズル7設置部の後段側の、仕切板6,6により仕切られたリンガーロール室23,24には、仕上温水除去用のリンガーロール5が、それぞれ1組設けられている。
【0013】
上記のブラシロール3,リンガーロール5等の洗浄用ロールは、図5にリンガーロール5の例として示すように、パスラインPの上側のロールは油圧シリンダ8,8により、下側のロールは油圧シリンダ9,9により、それぞれ昇降自在に支持され、これら油圧シリンダによって各ロールは、図1に示すように帯板2を上下から挟圧する挟圧位置と、図4および図5に示すようにパスラインPから上下に離間した離間位置とに、切換・保持されるようになっている。なおこの例では下側の油圧シリンダ9は、帯板洗浄装置1の槽体を支持するフレーム30の横桁31にシリンダ部を保持され、上側の油圧シリンダ8は、上記横桁31上に各ロール毎に立設したロールフレーム32の上梁32a部に、シリンダ部を保持され、各油圧シリンダのピストンロッドはロール軸受部に接続されている。また図5においては、各ロール軸端部に接続された回転駆動機構の図示は省略してある。
【0014】
次に図1および図2において、41はロールホルダ、42は入側ガイドローラ、43は入側の支承ロールで、これらはブラッシング槽10の前側に設けられている。先ずロールホルダ41は、帯板2のパスラインPより上方の位置において、帯板2の通板方向と直交する方向に延びる支軸44を、前記横桁31上に支柱33を介して固設した保持台34に取付けた軸受45,45により、軸心まわりに回転自在に片持支持し、この支軸44の基端部に固着した円板46をクランプする空圧クランプ47を制動機として保持台34上に取付け、支軸44の先端部には、折曲ハンドル48a付きの略円板状の押え板48をねじ止めして成る。
【0015】
図2および図3において60は、帯板2より広巾の防水シート61をスリーブ62のまわり巻回して成る防水シートのロールで、このロール60は図2に示すように、押え板48取外状態の支軸44に嵌込んだのち押え板48を支軸44にねじ止めすることにより、スリーブ62部の両端部が支軸44の基部寄り位置に固設した段部49と押え板48とにより挟圧されて、支軸44に固定保持される。防水シート61としては可撓性と防水性を有するものであれば各種材質のものを使用でき、この例では不織布の表面にビニールコーティングを施した建築施工時等に用いられる防水シートを用いている。なお図1においてこのロール60は、鎖線で図示してある。
【0016】
また入側ガイドローラ42は、ロールホルダ41から繰出された防水シート61をパスラインPより所定距離hだけ上側の位置へガイドするもので、その軸芯は支軸44と平行であり、横桁31に固設した梁35上に立設した支柱36,36の上端部に取付けた軸受51,51により、回転自在に支持されている。また入側の支承ロール43は帯板2をパスラインP位置に支承するロールで、前記支柱36に固設したアーム部37に取付けた軸受52,52により回転自在に支持されている。
【0017】
一方、図1において、71はシート巻取装置、72は出側ガイドローラ、73は出側の支承ロールで、これらは仕上湯洗槽20の後側に設けられている。シート巻取装置71は、後述の帯板洗浄不要時に前記ロールホルダ41から槽体内を経て供給された防水シート61を、パスラインPより上方の位置において巻取・保持するもので、この例では前記ロールホルダ41と同一構造を有する(詳しくは構成各部は槽体長手方向中央横断面に対して面対称関係にある)ものであって、同一構成部分には同一符号を付して図示し、その詳細な説明は省略する。但しこのシート巻取装置71の支軸44には、後述するように防水シート61のロール60は嵌装されず、専ら防水シート61を巻付けるために使用される。
【0018】
また出側ガイドローラ72は、前記槽体内を経て供給された防水シート61を、パスラインPより所定距離(h)上側の位置から前記シート巻取装置71に向けてガイドするもので、このローラも前記の入側ガイドローラ42と同一構造を有し、また出側の支承ロール73は帯板2をパスライン位置に支承するロールで、入側の支承ロール43と同一構造を有するものであり、同一構成部分には同一符号を付して図示し、これらの詳細な説明は省略する。
【0019】
上記構成の帯板洗浄装置1において、通常の帯板2の洗浄時には図1に示すように、防水シート61は槽内に通すことなく、各ブラシロール3およびリンガーロール5は、油圧シリンダ8,9により帯板2を上下から挟圧する通常の挟圧状態に保持し、パスラインPに沿って通板中の帯板2に対して、温水吹付ノズル4,7から温水を吹付け、ブラッシング槽10におけるブラッシングとこれに続く仕上湯洗槽20における仕上湯洗をおこなって、表面(上下両面)が清浄化された帯板2を得る。
【0020】
帯板2の材種切替(たとえば銅板からステンレス鋼板への切替)により、帯板2の洗浄が不要となったときは、図4および図5に示すように、ブラシロール3およびリンガーロール5を油圧シリンダ8,9により帯板2のパスラインPから上下に離間させて該離間位置に保持し、温水吹付ノズル4,7からの温水吹付を停止するとともに、防水シート61をパスラインPより上側で且つ上昇位置にあるブラシロール3およびリンガーロール5の下側位置(これら各ロールの下端部に接触する該下端部と同位置を含む)において、ブラッシング槽10および仕上湯洗槽20の槽体内全長にわたって張設する。
【0021】
この防水シート61の張設は、ロールホルダ41の支軸44部にロール60を嵌装し、空圧クランプ47によるクランプを解除した状態でロール60から巻戻した防水シート61の先端部を、入側ガイドローラ42の前側位置において、切替前の帯板2の後端部付近あるいは切替後の帯板2の前端部付近に粘着テープ等により仮止めした状態で、帯板2を図示しない巻取装置などにより前進駆動して帯板2と共に槽体内を移送し、仕上湯洗槽20の後側に達した防水シート61の先端部を、出側ガイドローラ72の後側位置において帯板2から取外して、シート巻取装置71の支軸44に、押え板48の手回操作によりしっかりと巻付ける。ロールホルダ41の支軸44を空圧クランプ47でクランプ後、シート巻取装置71の支軸44の前記手回操作により防水シート61に張力を与えれば、防水シート61の前後両端部は入側ガイドローラ42および出側ガイドローラ72によりパスラインPから距離hだけ上方の位置に規制されるとともに、槽体内全長にわたって防水シート61がパスラインPからほぼ距離hだけ上側の位置に来るので、シート巻取装置71の空圧クランプ47により支軸44をクランプすれば、防水シート61の槽体内張設は完了する。このように防水シート61の張設は、上記各部の操作により、迅速容易におこなうことができる。
【0022】
この状態で切替後の帯板2の通板をおこなえば、帯板2は支承ロール43,73により支承されてほぼパスラインPに沿って槽体内を通過する。この通板中の帯板2の上方位置には帯板2より広巾の防水シート61が張設されているので、切替前の帯板洗浄により槽体天井面や仕切板6等の槽体壁面に付着していた水滴や、ブラシロール3,リンガーロール5等に付着していた水滴が落下しても、防水シート61により遮られ、帯板2の上面にこれらの水滴が付着することがなく、また帯板2はパスラインPの下側の下降位置にあるブラシロール3やリンガーロール5とも接触することはないので、これらの濡れたロールとの接触による帯板2の下面への水滴の付着も防止され、これら水滴の付着による帯板2の表面のしみの発生が防止される。
【0023】
また次の帯板2の材種切替などにより、上記の帯板非洗浄状態から、通常の帯板洗浄状態に戻すには、張設状態の防水シート61をたとえば入側ガイドローラ42付近で切断し、シート巻取装置71により巻取るなどして槽体内から除去すればよく、その後はブラシロール3,リンガーロール5等を挟圧状態に戻して通常の帯板洗浄をおこなえばよい。
【0024】
以上のように、洗浄不要時の帯板2は上下両面に水滴が付着することなく槽体内を通過するので、この水滴付着によるしみの発生が防止され、帯板洗浄用の帯板洗浄装置1内で、帯板洗浄不要時に同一パスラインで帯板2の通板を支障なくおこなうことができ、帯板非洗浄時用の別個のパスラインを設けてパスラインを切換えるのに比べて、装置全体が簡潔・小型のもので済み、設備費および設置スペースも低減化される。
【0025】
この発明は上記の例に限定されるものではなく、たとえば槽体内のブラシロール3,リンガーロール5,温水吹付ノズル4,7等の配列や個数は上記以外のものとしてもよい。また上記の例では洗浄用ロールとしてブラシロールとリンガーロールを用いたが、ブラシロールを用いない帯板洗浄装置や、ブラシロールとリンガーロールで帯板を挟圧する帯板洗浄装置などにも、この発明は適用できる。さらに上記の例では洗浄液として温水を用いたが、洗浄液としてアルカリ溶液などの脱脂液を用いる帯板洗浄装置にもこの発明は適用できるものである。
【0026】
また上記の例では防水シートとして、ロール状に巻回した防水シート61のロール60を用い、このロール60を繰出・制動自在に保持するロールホルダ41から繰出された防水シート61を、入側ガイドローラ42によりパスラインPより所定距離上側の位置へガイドし、この入側ガイドローラ42から槽体内を経て供給された防水シート61を出側ガイドローラ72によりシート巻取装置71に向けてガイドして該巻取装置により巻取・保持させる構成としたので、防水シート61を槽体内に供給して槽体内全長にわたって張設する作業を迅速容易におこなうことができ、また張設状態の防水シート61は入側ガイドローラ42と出側ガイドローラ72により、パスラインPより所定距離上側の位置に確実に保持させることができるという長所を有するものであるが、上記の構成以外の張設用装置によって防水シートの張設をおこなって、この発明の帯板通板方法を実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態の一例を示す帯板洗浄装置の模式縦断面図である。
【図2】図1の矢視A−A(一部切欠)側面図である。
【図3】図1の装置で用いる防水シートのロールの斜視図である。
【図4】図1の装置における帯板洗浄不要時の通板状態を示す図1相当図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1…帯板洗浄装置、2…帯板、3…ブラシロール、4…温水吹付ノズル、5…リンガーロール、7…温水吹付ノズル、8…油圧シリンダ、10…ブラッシング槽、20…仕上湯洗槽、41…ロールホルダ、42…入側ガイドローラ、43…支承ロール、44…支軸、47…空圧クランプ、60…ロール、61…防水シート、71…シート巻取装置、72…出側ガイドローラ、73…支承ロール、P…パスライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体内に帯板のパスラインに沿って、洗浄液吹付ノズルとブラシロール,リンガーロール等の洗浄用ロールとをそなえ、パスラインに沿って走行する帯板の洗浄をおこなう帯板洗浄装置において、前記帯板の洗浄不要時に、前記洗浄用ロールをパスラインから上下に離間させ、前記洗浄液吹付ノズルによる洗浄液吹付を停止するとともに、帯板より広巾の防水シートをパスラインより上側で且つ上昇位置にある前記洗浄用ロールの下側位置において、前記槽体内全長にわたって張設し、前記槽体の外側に設けた支承ロールにより帯板をパスライン位置に保持しつつ、槽体内を通板させることを特徴とする帯板洗浄装置における帯板通板方法。
【請求項2】
槽体内に帯板のパスラインに沿って、洗浄液吹付ノズルとブラシロール,リンガーロール等の洗浄用ロールとをそなえ、パスラインに沿って走行する帯板の洗浄をおこなう帯板洗浄装置において、前記槽体の前側に、帯板より広巾の防水シートのロールを、そのロール芯を帯板の通板方向と直交する水平方向に向けてパスラインより上方の位置で繰出・制動自在に保持するロールホルダと、前記ロールホルダから繰出された前記防水シートをパスラインより所定距離上側の位置へガイドする入側ガイドローラと、帯板をパスライン位置に支承する支承ロールとを設け、前記槽体の後側に、前記ロールホルダから前記槽体内を経て供給された前記防水シートをパスラインより上方の位置において巻取・保持するシート巻取装置と、前記入側ガイドローラ部から前記槽体内を経て供給された前記防水シートをパスラインより所定距離上側の位置から前記シート巻取装置に向けてガイドする出側ガイドローラと、帯板をパスライン位置に支承する支承ロールとを設けるとともに、帯板の洗浄不要時に、前記洗浄用ロールを昇降駆動してパスラインから上下に離間した位置に保持するロール昇降装置を具備したことを特徴とする帯板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−63401(P2006−63401A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247993(P2004−247993)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(591114102)大同プラント工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】