説明

帯電装置及び画像形成装置

【課題】放電電極の先端部に対する塵芥の付着を防止できるようにする。
【解決手段】シールドケース52内に放電電極53を保持する保持部材54を設けた。保持部材54は、第1ガイド部541と第2ガイド部542との間にスリット543を備えている。スリット543内で第1ガイド部541の内側面に放電電極53の裏面における第1の長辺部53Aを除く部分が貼着される。保持部材54は、放電電極53の表面の全面及び第1の長辺部53Aにおける裏面を吸気孔524から間隙523に至る空気経路501内に位置させ、かつ第1の長辺部53Aをグリッド電極58に対向させて放電電極53を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発明は、電子写真方式の画像形成時に感光体を帯電させる非接触型の放電電極を備えた帯電装置、及びこの帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置では、開口面を有するシールドケース内に非接触型の放電電極を固定した帯電装置により、感光体を帯電するようにしたものがあった。帯電装置は、高電圧が印加された放電電極の先端部から感光体に対してコロナ放電(以下、単に放電ともいう。)させて、感光体を帯電させる。
【0003】
帯電装置では、放電の際に発生するイオン風により、シールドケースの開口部から空気が流入し、シールドケース内を空気が循環する。このとき、シールドケースの外部から塵芥が流入すると放電電極に塵芥が付着する。放電電極の先端部以外に塵芥が付着しても問題は生じないが、放電電極の先端部に塵芥が付着すると均一に放電できないため放電ムラが生じ、感光体表面を均一に帯電させることができない。
【0004】
このため、放電電極を備えた従来の帯電装置には、シールドケースの基部に形成したスリットからシールドケース内に空気を取り入れることで、シールドケースの開口面に向けてイオン風を流し、放電電極に塵芥が付着するのを防ぐものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−230668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の帯電装置では、ケースの底面全体にスリットを設けるとシールドケース内の全体が空気の流路となるために流速が遅く、イオン風を開口面からシールドケースの外部に十分に排出できない。このため、感光体の表面を通過した空気がシールドケース内に流れ込み易くなる。また、シールドケース内の空気を開口面から感光体に向けて排出するため、感光体の周囲を浮遊しているシリカ粒子やトナー粒子等の塵芥がスリットからシールドケース内に吸い込まれる。これらのことから、従来の帯電装置では、電極の先端部に対する塵芥の付着を確実に防止できず、放電ムラによる画質の低下を十分に改善することができない。
【0007】
この発明の目的は、放電電極の先端部に対する塵芥の付着を確実に防止し、放電ムラによる画質の低下を十分に改善できる帯電装置及びこの帯電装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の帯電装置は、電子写真方式の画像形成装置内で感光体の表面にコロナ放電を行う帯電装置であって、ケース、放電電極、保持部材を備えている。ケースは、感光体の表面に対向する第1面が開口し、第1面に対向する第2面に吸気孔が形成されている。放電電極は、間欠的に形成した複数の放電先端からコロナ放電を行う。保持部材は、吸気孔からケース内部の横断面における中央部を経由してケースの第1面における感光体表面の移動方向の下流側端部側に向かう空気経路を形成するスリットを有し、放電電極の先端部が空気経路内に位置するように放電電極を保持する。
【0009】
この構成では、ケース内で放電電極の先端が、ケースの第2面の吸気孔からケース内部の横断面における中央部を経由してケースの第1面における感光体表面の移動方向の下流側端部に向かう空気経路内に位置する。放電電極の複数の放電先端から感光体に向けてコロナ放電が行われると、複数の放電電極から第1面に向かうコロナ風が発生し、ケース内には吸気孔から間隙に向かう空間に気流が形成される。外部からケース内に流入した塵芥は、ケース内における空気経路外に滞留し、空気経路内に位置する複数の放電先端の両面に付着することがない。
【0010】
この構成において、保持部材をそれぞれの内側面の間に吸気孔から第1面と第2面との間の中間部に至るスリットを形成する第1ガイド部及び第2ガイド部を有するものとし、間隙側に位置する第1ガイド部の内側面に放電電極の第1の長辺部を除く裏面を固定することが好ましい。表面の全面及び複数の放電先端の両面を吸気孔から間隙に至る空気経路内に位置させた状態で帯電電極をケース内に配置することができる。
【0011】
また、第2ガイド部を第1ガイド部よりも長くすることが好ましい。空気経路を通過する気流の流速が速くなり、空気経路外に滞留する塵芥を含んだ空気が複数の放電先端により接触し難くなる。
【0012】
さらに、第2ガイド部の内側面における第2面側の端部を第1ガイド部の内側面に向けて傾斜させることが好ましい。空気経路を通過する気流の流速が速くなり、空気経路外に滞留する塵芥を含んだ空気が複数の放電先端により接触し難くなる。
【0013】
加えて、第1面における感光体表面の移動方向の下流側端部を経由するケースの内側と外側との間の気流を制限するシール部材を備えることが好ましい。ケース内に吸気孔から間隙に至る空気経路を確実に形成することができる。
【0014】
また、上記構成の帯電装置を画像形成装置に備えることで、複数の放電先端への塵芥の付着を抑制することができ、感光体表面に対する放電ムラによる画質の劣化を防止できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、複数の放電先端の両面に対する塵芥の付着を抑制することができ、放電ムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施形態に係る帯電装置が備えられる画像形成装置の正面概略図である。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ帯電装置を備えたホルダの外観図、及び同ホルダの断面図である。
【図3】は放電電極の概観図である。
【図4】帯電装置の横断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、この発明の別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【図6】この発明のさらに別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【図7】この発明のさらに別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【図8】この発明のさらに別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【図9】この発明のさらに別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【図10】この発明のさらに別の実施形態に係る帯電装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明の実施形態に係る帯電装置及びこれを備えた画像形成装置の一例について、図を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置1は、4つの画像形成ユニット101A〜101D、中間転写ベルト105、2次転写ローラ108、ベルトクリーニングユニット110、用紙搬送路113、トレイ114、定着ユニット115、排紙ローラ116、排紙トレイ117を備えている。
【0019】
中間転写ベルト105は、無端ベルトであり、支持ローラ106Aと支持ローラ106Bに掛け渡され、矢印R方向に回転する。中間転写ベルト105の内周側には、支持ローラ106Aと支持ローラ106Bとの間に1次転写ローラ35A〜35Dが配置されている。中間転写ベルト105の周囲には、画像形成ユニット101A〜101D、2次転写ローラ108、ベルトクリーニングユニット110が、中間転写ベルトの回転方向に沿ってこの順に配置されている。
【0020】
2次転写ローラ108は、中間転写ベルト105を挟んで支持ローラ106Bに対向して配置されている。ベルトクリーニングユニット110は、中間転写ベルト105を挟んで支持ローラ106Aに対向して配置されている。
【0021】
4つの画像形成ユニット101A〜101Dは、それぞれ、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローのトナー画像を形成する画像形成ユニットである。各画像形成ユニット101A〜101Dは、それぞれ同じ構成であり、以下では主に画像形成ユニット101Aについて説明する。
【0022】
画像形成ユニット101Aは、帯電装置32A、露光装置33A、現像装置34A、転写装置(1次転写ローラ)35A、及びクリーナ装置36Aを備え、各装置は感光体ドラム31Aの周囲にこの順に配置されている。感光体ドラム31Aは、中間転写ベルト105を挟んで1次転写ローラ35Aに対向して配置されている。
【0023】
画像形成ユニット101A〜101Dの下方には、用紙を収納するトレイ114が配置されている。用紙搬送路113には、複数の給紙ローラ113A〜113D、支持ローラ106A、2次転写ローラ108、定着ユニット115、排紙ローラ116がこの順に配置されている。
【0024】
画像形成装置1は、以下のように動作する。各画像形成ユニット101A〜101Dは、制御部の指示により画像を形成する。例えば、画像形成ユニット101Aでは、帯電装置32Aが感光体ドラム31Aを帯電させ、露光装置33Aが感光体ドラム31Aに静電潜像を形成する。現像装置34Aは、感光体ドラム31Aにトナーを供給して、静電潜像をトナー画像に顕像化する。1次転写ローラ35Aは、感光体ドラム31A上のトナー画像を中間転写ベルト105上に転写する。クリーナ装置36Aは、トナー画像を転写後の感光体ドラム31Aの表面をクリーニングする。
【0025】
各画像形成ユニット101A〜101Dで形成された単色のトナー画像は、中間転写ベルト105上に重ね合うように転写されて、1つのカラー画像が形成される。
【0026】
トレイ114内に収納された用紙は、給紙ローラ113Aにより繰り出され、給紙ローラ113B〜113Dにより矢印Pの方向に、2次転写ローラ108が中間転写ベルト105と対向する2次転写位置まで搬送される。
【0027】
中間転写ベルト105上に形成されたカラー画像は、2次転写位置において、支持ローラ106Aと2次転写ローラ108とにより用紙に転写される。カラー画像を転写後の中間転写ベルト105の表面は、ベルトクリーニングユニット110によってクリーニングされる。
【0028】
カラー画像が転写された用紙は、定着ユニット115に搬送される。定着ユニット115は、カラー画像を用紙上に定着させる。排紙ローラ116は、カラー画像が定着された用紙を排紙トレイ117に排出する。
【0029】
次に、帯電装置の詳細について、画像形成ユニット101Aの帯電装置32Aを例に挙げて説明する。なお、画像形成ユニット101Aの帯電装置32Aは、他の画像形成ユニット101B〜101Dの帯電装置32B〜32Dと同様の構成であるので、第1の実施の形態中では、特にことわらない限り、これより前の文中で画像形成ユニットを区別するために用いていた符号中のA等は省略する。
【0030】
図2(a)及び(b)に示すように、帯電装置32は、一例として、感光体ドラム31とクリーナ装置36とともにホルダ31に収納されている。
【0031】
感光体ドラム31は、ホルダ30の両端に設けられた支持部301と支持部302により、回転自在に保持されている。帯電装置32は、図2(a)中に破線で示すように、感光体ドラム31の表面に感光体ドラム31の軸方向(矢印S方向)の全幅にわたって対向する位置に設けられている。
【0032】
クリーナ装置36は、ブレード361及びスクリュー362を備えている。ブレード361は、先端部を感光体ドラム31の表面に当接させて残留トナーや紙粉を感光体ドラム31の表面から除去する。スクリュー362は、感光体ドラム31の表面から除去された残留トナーや紙粉を支持部301側の図示しない排出口に向けて搬送する。
【0033】
ホルダ30は、感光体ドラム31の回転軸と直交する方向において、感光体ドラム31と反対側の面に、吸気口42を備えている。支持部302には、感光体ドラム31の回転軸と平行な方向に延出する筒状の排気部631が設けられている。排気部631には、ファンを配置することもできる。排気部631は、帯電装置32とホルダ30の一方の側面311との間に形成されるダクト部62に連通しており、ダクト部62内の空気を排気する。
【0034】
図2(b)に示すように、帯電装置32は、シールドケース52、放電電極53、保持部材54及びグリッド電極58を備えている。
【0035】
シールドケース52は、第1面521が開口した筐体であり、導電性材料によって構成されている。シールドケース52は、第1面521を感光体ドラム31の表面に全幅にわたって対向させてホルダ30に保持されている。第1面521には、グリッド電極58が配置されている。第1面521の一方の長辺側端部(感光体ドラム31の移動方向の下流側端部)とグリッド電極58との間には間隙523が形成されている。シールドケース52における第1面521に対向する第2面522には、吸気孔524が形成されている。
【0036】
保持部材54は、第1ガイド部541と第2ガイド部542とからなり、第2面522に固定されている。第1ガイド部541と第2ガイド部542は、それぞれの内側面の間に吸気孔524から第1面521と第2面522との間の中間部に至るスリット543を形成する。保持部材54は、間隙523側に位置する第1ガイド部541の内側面に放電電極53の第1の長辺部531を除く裏面を固定し、第1の長辺部531がグリッド電極58に対向する状態で放電電極53を保持する。
【0037】
なお、第1ガイド部541と第2ガイド部542とは、一体低に構成することもでき、互いに別部材で構成することもできる。また、グリッド電極58は必須ではない。
【0038】
第1面521における間隙523と反対側の長辺側端部(感光体ドラム31の移動方向の上流側端部)525には、感光体ドラム31の表面に感光体ドラム31の軸方向の全幅にわたって先端が接触するシール部材59が配置されている。
【0039】
図3に示すように、放電電極53は、一例として鋸歯状電極であり、第1の長辺部531に長手方向に沿って複数の放電先端5311を間欠的かつ等間隔に備えた平板状を呈している。放電電極53に帯電電圧が印加されると、複数の放電先端5311のそれぞれからグリッド電極58に向けてコロナ放電が行われる。このコロナ放電により複数の放電先端5311のそれぞれからグリッド電極58に向かうコロナ風が発生し、図4に示すように、シールドケース52内に吸気孔524から第1面521に向かって外気が流入する。
【0040】
即ち、放電電極53に、不図示の高圧電源から例えば−5kV程度の負の高電圧を印加すると、複数の放電先端5311に電界が集中し、複数の放電先端5311から放電が始まる。放電領域では酸素などの気体が電離し、負に帯電したイオン(荷電粒子)と、酸素が解離・結合したオゾンと、が生成される。放電領域において生成されたイオンは、電界に沿って移動する。このとき、グリッド電極58に、放電電極53に印加した電圧よりも弱い、例えば−650V程度の負の電圧を不図示の電源から印加すると、イオンは放電電極53からグリッド電極58に向かって移動する。イオンの一部はグリッド電極58へ流れ、残りのイオンはグリッド電極58を通過して感光体ドラム31まで到達して、感光体ドラム31の表面が帯電される。放電電極53付近からグリッド電極58の方向へとイオンが移動するのに伴って、コロナ風が発生する。
【0041】
図4に示すように、シールドケース52の第1面521において一方の長辺側端部523に間隙が形成されており、他方の長辺側端部525には外部にシール部材59が配置されているため、シールドケース52内に流入した外気は、主に間隙523から外部に排出される。したがって、シールドケース52内には、吸気孔524から間隙523に至る空間内に流速が比較的速い空気経路501が形成され、長辺側端部525側には流速が比較的遅い空気流502が形成される。
【0042】
シールドケース100において、側面526,527における保持部材54の上面544よりも上方が、電極53の対向電極として機能する。
【0043】
クリーナ装置36のブレード361をすり抜けてシールドケース52内に流入した塵芥は、空気経路501内の高速の気流に乗らず、低速の空気流502内に滞留する。空気経路501内には、放電電極53の第1の長辺部531が位置しているため、第1の長辺部531に形成されている複数の放電先端5311は、比較的速い流速の気流で覆われる。このため、複数の放電先端5311に塵芥が付着することがない。
【0044】
特に、スリット543内には、吸気孔524から流入した外気の流れを大きく遮るものを配置ないことが好ましい。これにより、吸気孔524からの外気の十分な流入量が確保されるとともに、空気経路501内における流速が低下することがない。また、スリット543は、流入した外気の流れる方向に、所定の長さを有している。これにより、吸気孔524から放電電極53の第1の長辺部531を経由して間隙523に至る空気経路501内の空気の流れが安定して形成される。空気経路501におけるスリット543の長さを放電電極53の第1の長辺部531の位置に応じて十分に長くすることで、スリット543の上部での気流の広がりを抑えて空気経路501内の流速を早くすることができ、放電先端5311への塵埃の付着を効果的に防止できる。
【0045】
放電電極53に対する帯電電圧の印加が停止された際にも、シールドケース52内に滞留した塵芥は、主に長辺側端部525側のシールドケース52の内面に付着し、複数の放電先端5311に塵芥が付着することを抑制できる。
【0046】
これによって、シリカ粒子やトナー粒子等の塵芥が放電電極53の放電先端5311に付着することを防止し、感光体ドラム31の表面の帯電ムラによる画質の劣化を防止できる。
【0047】
また、図2(b)に示したように、ホルダ30の感光体ドラム31に対向する面と反対側の面に、吸気口42を設けているため、吸気口42は感光体ドラム31から隔離され、塵芥量の少ない空気をシールドケース52内に流入させることができる。
【0048】
なお、吸気口42は、画像形成ユニット101Aの外部に面するように構成することも可能である。画像形成ユニット101の外部では、塵芥の浮遊量はさらに少ないため、より塵芥の少ない空気をシールドケース52内に流入させることができる。
【0049】
また、吸気口42にダクトを連結して、画像形成装置1の外部から塵芥を含まない空気を取り入れるように構成することも可能である。例えば、画像形成装置1の前面側(図1における手前側)に開放したダクトを吸気口42に連結する。さらに、吸気口42にフィルタを取り付けることもできる。
【0050】
本発明では、帯電装置32から排出された空気が、画像形成ユニット101内に滞留しないように、画像形成ユニット101の外部に排出する排気部631を備えている。帯電装置32から排出された空気は、排気部631から排出される。排気部631は、吸気口42から隔離された位置に設けている。例えば、画像形成装置1の前面に吸気口42を設けた場合には、反対側の面である画像形成装置1の背面に、排気部631を連通させる。これにより、排気部631から排出された塵芥を含む空気が、吸気口42から吸引されることが無い。
【0051】
なお、排気部631に、フィルタを取り付けて、排気ダクト621から塵芥が排出される内容にしてもよい。
【0052】
また、吸気口42又は排気部631にファンを取り付けることで、間隙523の外部を内部に対して負圧状態にし、空気経路501における流速をさらに高速にすることができる。この場合、放電電極53に対する帯電電圧の印加が停止された際に、ファンを稼働するようにしておけば、複数の放電先端5311に塵芥が付着することが更に抑制される。
【0053】
次に、この発明の別の実施形態に係る帯電装置について図5を用いて説明する。図5(a)に示す帯電装置132では、第2面522から第1面521に向かう方向について第2ガイド部1542の長さを第1ガイド部1541の長さよりも長くした保持部材154をシールドケース52内に備えている。これによって、スリット1543を通過後の空気経路1501を間隙523に確実に向かわせることができ、空気経路1501内の空気流量を増加して流速を速めることができる。
【0054】
なお、第1ガイド部1541と第2ガイド部1542とは、一体低に構成することもでき、互いに別部材で構成することもできる。
【0055】
図5(b)に示す帯電装置232では、第2ガイド部2542の内側面における第1面521側の端部を、第1ガイド部2541の内側面に向けて傾斜した傾斜面2543で構成した保持部材254をシールドケース52内に備えている。これによって、スリット2543を通過後の空気経路2501を間隙523に確実に向かわせて空気経路2501内の空気流量を増加できるとともに、スリット2543の第1面521側の絞り効果によってさらに空気経路2501内の流速を速めることができる。傾斜面254Aによる絞り効果は、第2面522から第1面521に向かう方向における第1ガイド部2541の長さと第2ガイド部2542の長さとの関係にかかわらず得ることができる。
【0056】
なお、第1ガイド部2541と第2ガイド部2542とは、一体的に構成することもでき、互いに別部材で構成することもできる。
【0057】
図6に示す帯電装置332では、シールドケース52の側面526の上部に排気口531を形成している。排気口531は、シールドケース52の内部において、上面521における感光体ドラム31の表面の移動方向の下流側端部側に形成される。これによって、シールドケース52の内部には、吸気口524からスリット543を通ってシールドケース52の内部の中央部から上面521における感光体ドラム31の表面の移動方向の下流側端部側に至る空気経路3501が形成され、この空気経路3501内に電極53の先端部531が位置する。
【0058】
図7に示す帯電装置432では、シールドケース52内に、保持部4542とスリット4543とを形成した単一の保持部材454を備えている。保持部材454は、保持部4542内に電極53を保持する。
【0059】
図8に示す帯電装置532では、筐体形状の保持部材554を備えている。保持部材554は、絶縁性材料で形成されており、スリット5543の一方の内壁面に電極53が貼着されている。保持部材554の内壁面に電極53の対向電極5601,5602が貼着されている。
【0060】
図9に示す帯電装置632では、筐体形状の保持部材654を備えている。保持部材654は、絶縁性材料で形成されており、保持部6542及びスリット6543が形成されている。保持部6542は、電極53を保持する。スリット6542は、保持部材654の底面6542と保持部材654の内部との間に連通している。保持部材654の内壁面に電極53の対向電極6601,6602が貼着されている。
【0061】
図10に示す帯電装置732では、筐体形状の保持部材754を備え、図9に示した帯電装置632の対向電極6601,6602に代えて、対向電極7601を備えている。対向電極7601は、コの字断面を呈し、保持部材754の上面7541に位置するグリッド電極部7602が一体的に形成されている。また、保持部材754における側面7546の上部に排気口731を形成している。
【0062】
なお、以上の説明では、放電電極の一例として鋸歯状電極を挙げて説明したが、本発明は、これに限るものではなく、放電先端が間欠的に配置されたものであれば、他の形状の電極であっても良い。
【0063】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
31A〜31D 感光体ドラム
32A〜32D 帯電装置
41 吸気部
52 シールドケース
53 帯電電極
531 第1の長辺部
54 保持部材
58 グリッド電極
521 第1面
522 第2面
523 間隙
541 第1ガイド部
542 第2ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式の画像形成装置内で感光体の表面にコロナ放電を行う帯電装置であって、
前記感光体表面に対向する第1面が開口し、前記第1面に対向する第2面に吸気孔を形成したケースと、
間欠的に形成した複数の放電先端からコロナ放電を行う放電電極と、
前記吸気孔から前記ケース内部の横断面における中央部を経由して前記ケースの上面における前記感光体表面の移動方向の下流側端部側に向かう空気経路を形成するスリットを有し、前記放電電極の先端部が前記空気経路内に位置するように前記放電電極を保持する保持部材と、を備えた帯電装置。
【請求項2】
前記保持部材は、それぞれの内側面の間に前記吸気孔から前記第1面と前記第2面との間の中間部に至るスリットを形成する第1ガイド部及び第2ガイド部を有し、
前記間隙側に位置する前記第1ガイド部の内側面に前記放電電極の前記第1の長辺部を除く前記裏面を固定した請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部よりも長い請求項2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記第2ガイド部の内側面における前記第1面側の端部が、前記第1ガイド部の内側面に向けて傾斜した請求項3に記載の帯電装置。
【請求項5】
前記ケース上面における前記感光体表面の移動方向の上流側端部を経由する前記ケースの内側と外側との間の気流を制限するシール部材を備えた請求項1乃至4の何れかに記載の帯電装置。
【請求項6】
電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置であって、
請求項1乃至5の何れかに記載の帯電装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−227368(P2011−227368A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98600(P2010−98600)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】