説明

帯電部材および画像形成装置

【課題】従来の帯電ブレードではブレードの侵入量によって放電領域の汚れや放電距離の変化が大きいため帯電性の固体間ばらつきが大きく画質が不安定であった。そこで、帯電ブレードにおいてブレードの侵入量の広い範囲でスジ画像などの帯電不良がない安定した帯電を行い、個体間の画質ばらつきを低減することを目的とする。
【解決手段】帯電ブレードに備えた帯電部をブレード侵入量に応じて高さ方向に伸縮する凸形状とすることによって、広い侵入量の範囲で帯電部と感光体との間の微小空隙を確保する。このため安定した非接触帯電が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体(被帯電体)に当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材、およびその帯電部材を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
上記において、静電潜像が形成される像担持体の代表例としては、電子写真感光体、静電記録誘電体が挙げられる。画像形成装置としては電子写真方式や静電記録方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機、画像表示ディスプレイ装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
転写方式の電子写真画像形成装置を例にして説明する。この装置は、一般に、回転ドラム型に代表される電子写真感光体(像担持体:以下、ドラムと記す)に対して、ドラム表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段と、そのドラム帯電面に選択的に露光する露光手段により画像情報の静電潜像が形成される。そして、その潜像が現像手段により現像剤(以下、トナーと記す)を用いてトナー像として可視化(現像)される。そのトナー像が転写手段により記録材(記録媒体)に転写される。そして、記録材上のトナー像が定着手段により固着画像として定着されて、その記録材が画像形成物として出力される。
【0004】
帯電手段(帯電装置)は、近年は、半導電性のゴムや樹脂によるベルト形状、ロール形状、ブラシ形状などの回転方式の帯電部材、あるいはブレード形状、フィルム形状などの固定方式の帯電部材を用いた接触型帯電方式が主流となっている。
【0005】
接触型帯電方式は従来から広く使用されていた非接触型帯電方式であるコロナ帯電方式に比べてオゾン発生量が微量であるためオゾン除去フィルターなどの必要性がなくなる。また、ドラム表面を所定電位にするために必要とする印加電圧の低電圧化が図れることから装置の小型化、低コスト化が可能になるという利点がある。
【0006】
接触型帯電方式の帯電メカニズムについて説明する。接触帯電方式によるドラム表面の帯電メカニズムは、微小空隙におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。これは以下のように説明される。
【0007】
1)帯電ローラの場合
図22の(a)と(b)は帯電部材として回転方式の帯電ローラ21を用いたローラ帯電装置の場合の斜視模式図と断面模式図である。帯電ローラ21は導電性芯金21aと芯金21aに対して同心一体にローラ状に形成された導電性弾性層21bを有する。ドラム1は導電性のドラム基体12の外周面に感光層11が形成されている。帯電ローラ21はドラム1に対してほぼ並行に配列されて所定の押圧力で接触(当接)している。
【0008】
帯電ローラ21はドラム1の表面の画像形成可能領域幅(最大画像領域幅)Gの全幅に渡る長さ寸法を有し、ドラム1の回転に従動して回転する。帯電ローラ21の芯金21aに対して帯電バイアス印加電源Eから所定の帯電バイアスが印加され、芯金21aを介して弾性層21bにバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0009】
帯電ローラ21とドラム1との間の放電に関与する微小ギャップの空気層とドラム1を電気的な等価回路に表現すると図22の(c)のように示される。帯電ローラ21の示すインピーダンスはドラム1、空気層のそれに比べて小さく無視できるためここでは扱わない。このため、帯電機構は単に2つのコンデンサーC1、C2で表現できる。この等価回路に直流電圧を印加すると、電圧はそれぞれのコンデンサーのインピーダンスに比例配分され、空気層に印加される電圧Vairは、
Vair=C2/(C1+C2)・・・(1)式
になる。空気層にはパッシェンの法則に従う絶縁破壊電圧があり、空気層の厚みをg[μm]とすると、Vairが
312+6.2g[V]・・・(2)式
を越えると放電が起き、帯電が行われる。
【0010】
はじめて放電が起きる電圧は(1)式と(2)式が等しくなった場合の空気層の厚みgに関する二次方程式が重解を持つときであるので(C1もgの関数)、このときの直流電圧値が放電開始電圧Vthに相当する。このようにして求められた理論値のVthは実験値と非常に近い値を取る。
【0011】
ローラ帯電装置は、帯電ローラ21の回転支持部材211や加圧ばね212などが必要になり装置の構造が複雑になりやすい。また、帯電部材がブラシ形状(帯電ブラシ)のものは、回転方式でも固定方式でもブラシの作製に手間がかかるうえ、ブラシの跡が帯電ムラになりやすい。
【0012】
2)帯電ブレードの場合
図23の(a)は帯電部材として固定方式の帯電ブレード22を用いたブレード帯電装置の場合の斜視模式図である。ブレード帯電装置の場合は、帯電ブレード22として、帯電部としての導電性の弾性ブレード部220とこのブレード部220を保持させた導電性の支持部材223を有するものを用いる。ブレード部220はドラム1の表面の画像形成可能領域幅Gの全幅に渡る長さ寸法を有する。そして、帯電ブレード22をドラム1に対してほぼ並行に配列して、ブレード部220をドラム1に接触させ、支持部材223を装置の不動部材(不図示)に固定して配設する。
【0013】
支持部材223に対して帯電バイアス印加電源Eから所定の帯電バイアスが印加され、支持部材223を介してブレード部220にバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。即ち、ブレード部220とドラム1との間に形成されるくさび型の微小空隙部分で放電を行うものであり、比較的安定した微小空隙を形成できる。そして、ローラ帯電装置で必要な回転支持部材211や加圧ばね212などが不要なため安価であるという特徴を有しており近年有望視されている。
【0014】
しかしながら、帯電ブレード22はブレード部220の一部が常にドラム1と接触しているため次のような課題がある。
【0015】
a:帯電ブレード22は、図23の(b)のように、ブレード部220とドラム1との接触部をすり抜けたトナーTなどが少しずつ微小空隙gに蓄積する場合がある。そして、そのトナーTなどの蓄積が進行すると放電を妨げるため、このような部分では画像上にスジ状の画像不良が現れることがあった。
【0016】
b:また、ドラム1の表面に存在するピンホールを介してブレード部220への印加電圧がリークするピンホールリークを防止するために、ブレード部220のドラム1との接触部分に保護層が設けられることが多い。その場合において、長期にわたって使用すると保護層が磨耗しピンホールリークが起きやすい。
【0017】
これらの課題に対して、特許文献1には、帯電ブレードとして、ブレードが放電を行う半導電性部分と、半導電性部分がドラムに対して非接触でかつ微小空隙を保持するようにドラムに当接して位置決めを行う絶縁部とを有する構成が提案されている。これにより、半導電性部分とドラムが常に非接触となるので、長期にわたる使用においてもピンホールリークの抑制が可能となっている。
【0018】
また、特許文献2には、板状の絶縁性弾性部材からなるブレードと、このブレードのドラムと対向する面に設けられた帯電電極層を有する構成が提案されている。これは、ブレードの先端から帯電電極層の先端までの距離を適切に設定することにより、ブレードをすり抜けたトナーなどが帯電電極層に蓄積することによる影響を受けることなくスジ状の画像不良のない良好な出力画像を得ることができるようになっている。
【0019】
また、特許文献3には、板状の絶縁性弾性部材からなるブレードと、このブレードのドラムと対向する面に設けられた帯電電極層を有する構成において、一旦ドラム表面から隔離したあと再びドラムに近接する凸状部を有する構成が提案されている。これは、ブレードの先端から帯電電極層の先端までの距離を上述の特許文献2よりも更に離れて設定できるため、更に安定してスジ状の画像不良のない良好な出力画像を得ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平09−319183号公報
【特許文献2】特開平08−62937号公報
【特許文献3】特開平08−62938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、ドラムに対するブレードの当接状態は個体間でばらつきが生じるため、上記従来例において次のような課題が生じた。即ち、特許文献1〜3では、半導電性部分とドラムとの微小空隙の距離が変化し個体によってドラム表面の帯電電位が異なるため、画質が安定しないという課題が生じる。また、ブレード設定によってはブレード当接部をすり抜けたトナーが帯電電極層に蓄積しスジ状の画像不良が起こりえる。さらに、半導電性部分とドラムが当接してしまうとピンホールリークの発生も起こりえる。
【0022】
上記のような理由から、ブレード帯電においては、ブレード設定の個体間ばらつきが生じる場合においても、帯電ブレードの帯電部とドラム(像担持体)の微小空隙の距離が安定する非接触帯電を満足できるように更なる改善/改良が望まれる。
【0023】
そこで本発明の目的は、ブレード設定の影響を低減し、安定した帯電が行えるブレード状の帯電部材、およびその帯電部材を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達成するための本発明に係る帯電部材の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体に当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が前記帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、前記帯電部は、前記像担持体と対向する方向に対して突出する凸形状部を有しており、前記凸形状部は、表層部と、前記表層部の内側の内側部を備え、前記帯電部材は、前記表層部と前記内側部を支持する凸形状支持部を備え、前記内側部は、前記凸形状支持部よりも柔らかい、ことを特徴とする。
【0025】
また、上記の目的を達成するための本発明に係る帯電部材の他の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体に当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が前記帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、前記帯電部は、前記像担持体と対向する方向に対して突出する凸形状部を有しており、前記凸形状部の表層を表層部としており、前記帯電部材は、前記表層部を支持する凸形状支持部を備え、前記表層部と前記凸形状支持部の間に空間があることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ブレード設定の影響を低減し、安定した帯電が行えるブレード状の帯電部材を提供することができる。また、安定した帯電が行えるブレード状の帯電部材を用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1の帯電ブレードにおける作用を説明する図
【図2】画像形成装置例の概略構成図
【図3】帯電ブレードの侵入量δおよびセッティングアングルSaの概念を示す図
【図4】実施例1の帯電ブレードの構成説明図
【図5】(a)と(b)はそれぞれ比較例1と2の帯電ブレードの概略図
【図6】(a)と(b)はそれぞれ比較例1と2の帯電ブレードの作用を示す概略図
【図7】(a)と(b)は実施例1における帯電ブレードの効果を示す図
【図8】帯電ブレードの長手位置における当接ニップ幅Iを示す図
【図9】(a)乃至(c)はそれぞれ実施例1における帯電ブレードの他の構成例の概略図(その1)
【図10】(a)乃至(c)はそれぞれ実施例1における帯電ブレードの他の構成例の概略図(その2)
【図11】(a)と(c)はそれぞれ実施例1における帯電ブレードの他の構成例の概略図(その3)
【図12】実施例1における帯電ブレードの他の構成例の概略図(その4)
【図13】実施例2の帯電ブレードの構成説明図
【図14】実施例2の帯電ブレードの変化量Zを示す図
【図15】(a)乃至(d)はそれぞれ実施例2における帯電ブレードの他の構成例の概略図(その1)
【図16】(a)と(c)はそれぞれ実施例2における他の構成の帯電ブレード概略図(その2)
【図17】実施例3の帯電ブレードの構成説明図
【図18】実施例3の帯電ブレードの変化量Zを示す図
【図19】(a)と(c)はそれぞれ実施例3における他の構成の帯電ブレード概略図
【図20】実施例4の帯電ブレード(クリーニング兼帯電ブレード)の構成説明図
【図21】実施例4の帯電ブレードを適用した画像形成装置の略断面図
【図22】(a)と(b)はローラ帯電装置の斜視模式図と断面模式図、(c)は帯電ローラとドラムとの間の放電に関与する微小ギャップの空気層とドラムを電気的な等価回路図
【図23】(a)はブレード帯電装置の斜視模式図、(b)は課題の説明図
【発明を実施するための形態】
【0028】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成及び作像動作
図2は本発明に従う帯電部材22を用いた画像形成装置100の一例の概略構成図である。装置100は、電子写真プロセス利用のプロセスカートリッジ着脱式の電子写真画像形成装置である。装置100はパソコン・イメージリーダ・ファクシミリ装置等のホスト装置400から制御回路部(制御手段:CPU)200に入力する電気的な画像信号に基づいて記録材(記録媒体)Pに対する画像形成を実行する。
【0029】
記録材Pは電子写真プロセスで画像形成が可能なシート状物であり、例えば、用紙、樹脂シート、ラベル等が挙げられる。制御回路部200は操作部300やホスト装置400との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、装置100の画像形成動作を記憶部に記憶させた所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
【0030】
装置100の装置本体内には、カートリッジ収納部100Aが設けられている。プロセスカートリッジ50はカートリッジ収納部100Aに対して所定の操作要領にて取り外し可能に装着されている。本実施例において、カートリッジ50は一体型のプロセスカートリッジである。即ち、現像剤Tで現像される静電潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体ドラム1と、ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電手段22・現像手段10・クリーニング手段7が共通の筺体に一体的に組み付けられて一体化されている。
【0031】
本実施例において、帯電手段22は帯電ブレードである。この帯電ブレード22については後述する。現像手段10は現像剤Tとして一成分磁性トナーを用いた非接触現像装置である。以下、現像剤Tをトナーと記す。クリーニング手段7はクリーニング部材として弾性ブレード7aを用いたブレードクリーニング装置である。
【0032】
現像装置10は、トナーTを収容している現像剤収容部としての現像容器10aを有する。また、ドラム1に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像剤担持体としての現像スリーブ10b、スリーブ10b内に配設された非回転のマグネットローラ10c、現像スリーブ10b上のトナーの量を規制する現像ブレード10d等を有する。
【0033】
カートリッジ収納部100Aの上方部には、像露光手段としてのレーザースキャナユニット3が配設されている。ユニット3は、ホスト装置400から制御回路部200に入力する画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。そのレーザー光Lがカートリッジ50の上面側の露光窓50aを通してカートリッジ50内に進入する。これにより、ドラム1の表面にレーザー走査露光がなされる。
【0034】
カートリッジ50のドラム1の下面には転写ローラ9が当接して転写ニップ部Nを形成している。カートリッジ収納部100Aに収容されているカートリッジ50は、押圧手段(不図示)により装置本体側の位置決め部(不図示)に押し付けられて位置決め固定されている。また、カートリッジ50の駆動入力部(不図示)に対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が結合している。また、カートリッジ50の各種電気接点(不図示)に対して装置本体側の対応する各種電気接点(不図示)が導通している。
【0035】
画像形成動作は次のとおりである。ドラム1は矢印Rの時計回りに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。ユニット3も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで帯電ブレード22に帯電バイアス印加電源Eから所定の帯電バイアスが印加されてドラム1の表面が帯電ブレード22により非接触式にて所定の極性・電位に一様に帯電処理される。ユニット3はドラム1の表面を画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、ドラム1の表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0036】
形成された静電潜像は現像装置10の現像スリーブ10bによりトナーが供給されてトナー像として現像される。現像スリーブ10bは矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、現像スリーブ10bには現像バイアス印加電源部(不図示)から所定の制御タイミングにて所定の現像バイアスが印加される。
【0037】
一方、給紙機構部(不図示)から記録材Pが一枚分離給送されて転写ニップ部Nに所定の制御タイミングで導入され、ニップ部Nを挟持搬送されていく。ニップ部Nを記録材Pが通過している間、転写ローラ9には転写バイアス印加電源部(不図示)から所定の転写バイアスが印加される。これにより、ドラム1側のトナー像が順次に記録材Pの面に転写されていく。
【0038】
ニップ部Nを出た記録材Pはドラム1の面から分離されて定着装置8に導入される。本実施例において、定着装置8はヒートローラ定着装置であり、記録材Pは定着ニップ部で挟持搬送されて熱と圧力を受ける。これにより、記録材P上の未定着トナー像が固着画像として熱圧定着される。そして定着装置8を出た記録材Pは画像形成物として装置100から排出される。また、記録材分離後のドラム1の表面はクリーニングブレード7aにより転写残トナー等の付着残留物の除去を受けて清浄面化されて、繰り返して画像形成に供される。
【0039】
(2)帯電ブレード22
帯電ブレード22は、ドラム1の水平方向よりβ゜(図2:ドラム1の中心(回転軸線)を通る水平線と、ブレード22とドラム1の当接位置とドラム中心とを結んだ線とがなす角度)のドラム位置においてドラム1の回転に対してカウンター方向に当接させている。また、図3のようにブレード22を仮想のドラム1に対して侵入(侵入させる量を以後「侵入量δ」と称する)させることにより実際にはドラム1と帯電ブレード22を圧接させて帯電ブレードの挙動を安定させている。
【0040】
また、セッティングアングルθ、即ち侵入量δを0mmとした場合におけるドラム1と帯電ブレード22とのなす角度θは15°〜30°程度がよい。実際の侵入量δとセッティングアングルθの求め方の一例を示す。侵入量δとセッティングアングルθは、画像形成時における帯電ブレード22とドラム1の配置状態から、ドラム1を取り去った状態で測定を行う。図3において、画像形成時にドラム1が配置されてた位置を仮想ドラム1とする。仮想ドラム1の中心を通り帯電ブレード22の先端のエッジ部を含み、ドラム1と対向する側の面と平行な軸をX軸とする。
【0041】
仮想ドラム1の中心を通りX軸に垂直な軸をY軸とする。図3のように仮想ドラム1の中心0からの帯電ブレード22の先端の座標(X,Y)を測定する。この座標と仮想ドラム1の半径rから式(1)および式(2)を用いて侵入量δとセッティングアングルθを求めることができる。
【0042】
δ=√(r−X)−Y ・・式(1)
θ=tan−1(X/r) ・・式(2)
図4の(a)は図2の装置100の帯電ブレード22を拡大して模式的に示した横断面図、(b)はドラム1に当接して配設されている状態の帯電ブレード22の先端部の拡大模式図である。本実施例の帯電ブレード22は、静電潜像が形成されるドラム1に当接して相対的に移動し電圧が印加されることによりドラム1の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材である。そして、ドラム1の表面に対して放電を行うための導電性の帯電部220と、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部221と、を有する。
【0043】
非帯電部221はドラム1と接触して、帯電部220とドラム1との間に放電可能な間隙gを設けることが可能である。非帯電部221は、非帯電部221からドラム1の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部220よりも高抵抗の物質で構成されている。帯電部220は、ドラム1と対向する方向に対して突出する凸形状部220aを有しており、凸形状部220aは、表層部220bと、表層部220bの内側の内側部220cを備えている。
【0044】
そして、帯電部材22は、凸形状部220aの表層部220bと内側部220cを支持する凸形状支持部221を備え、内側部220cは、凸形状支持部221よりも柔らかいことを特徴とする帯電部材である。本実施例の帯電ブレード22においては、上記の非帯電部221と凸形状支持部221を、その両方を兼ねる単一の絶縁性弾性ブレード(帯電ブレード基体)として構成している。以下、この単一の絶縁性弾性ブレードを凸形状支持部221と記す。
【0045】
凸形状支持部221は、ドラム1の母線方向(ドラム軸線方向)に長い部材であり、ドラム1の画像形成可能領域幅G(図23の(a):所定の帯電領域幅)の全幅に対応する長さ寸法を有する。本実施例においては、凸形状支持部221は体積抵抗が1×1011Ω・cm以上、マイクロゴム硬度72度(JIS−A)のウレタンゴムを使用している。ウレタンゴムのほかにシリコンゴムなどの絶縁性ゴムを使用しても良い。
【0046】
帯電部220は凸形状支持部221のドラム1と対向する側の面に凸形状支持部221の長手に沿って凸形状支持部221のほぼ全長に亘って設けられている。即ち、帯電部220もドラム1の画像形成可能領域幅Gの全幅に対応する長さ寸法を有する。
【0047】
凸形状支持部221の短手方向の一端側には凸形状支持部221を保持するホルダー224が一体に取り付けられている。凸形状支持部221とホルダー224の取り付け手段は、接着剤、止めネジなど適宜である。ホルダー224は本実施例では板金など導電性部材で構成されている。ホルダー224と帯電部220とは給電体229によって電気的に導通させている。
【0048】
帯電ブレード22は長手方向をドラム1の母線方向に並行にしてドラム1に対して配列される。そして、凸形状支持部221のホルダー224側とは反対側のエッジ部をドラム1に接触させ、ホルダー224をカートリッジ50の筺体に固定して、前記エッジ部を所定の押圧力でドラム1に当接させた状態にされる。帯電部220の凸形状部220aはドラム1との間に微小空隙gを持って非接触に配置される。
【0049】
導電性のホルダー224に対して帯電バイアス印加電源Eから所定の帯電バイアスが印加され、そのバイアスが、ホルダー224、給電体229を介して帯電部220に印加される。これにより、帯電部220の凸形状部220aとドラム1との間の微小空隙gにおいて帯電部220からドラム1の表面に対して放電がなされて回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0050】
図4の(b)に帯電ブレード22をドラム1に当接幅Iで当接させた状態を示す。帯電が安定して行われるには帯電部220の凸形状部220aとドラム1との間の微小空隙gは7.5μm以上150μm以下、望ましくは7.5μm以上100μm以下とすることが必要である。微小空隙gが7.5μm未満ではパッシェンの法則より放電が起こらない。一方、微小空隙gが150μm以上では放電は起こるが不均一な放電であり、画像形成時には斑点状の不良画像となって現れる。
【0051】
帯電部220はゴムに導電粉を添加して抵抗値を1×10〜1×10Ω・cmに制御している。ゴムは、SBR、BR、EPDM、ウレタン、シリコンゴム、クロロプレン、エピクロルヒドリンゴム等である。導電粉は、カーボンブラックや金属酸化物(酸化亜鉛・酸化チタン等)などである。
【0052】
1×10Ω・cmより小さい抵抗である場合には、ドラム1上にブツ等の不良部があった場合に電流リークを生じてしまい、いわゆる“横抜け”(反転現像の場合は、“横黒帯”)という画像不良を生じてしまう。また1×10Ω・cm以上になると抵抗が大きくなり、印加した電圧の減衰が大きく、帯電性が劣化してしまう。従って、帯電部220の抵抗値は、1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmが望ましい。
【0053】
本実施例の帯電部220の凸形状部220aは、導電化のためのカーボンブラックを分散させたポリウレタンの導電性と可撓性を有するシート状部材を用いて表層部220bとして凸形状に設けた。シートの厚さは帯電部220の柔軟性の観点から50μm以上200μm以下が望ましい。また、表層部220bの内側には内側部220cを備えており、内側部220cは凸形状支持部221よりも柔らかい。本実施例において内側部220cは発泡ポリウレタン(発泡体)である。
【0054】
本実施例における帯電ブレード22の仕様は下記のとおりである。
【0055】
a)ブレード自由長L:7.0mm
b)先端からの距離J:2.0mm
c)支持位置間の距離(点A−点B間の距離)K:2.0mm
d)凸形状支持部221
・ウレタンゴム
・マイクロゴム硬度:72度(JIS−A)
・体積抵抗:1×1011Ω・cm以上
e)表層部220b
・カーボン分散のポリウレタンシート
・体積抵抗値:1×10Ω・cm
・シート厚さ:150μm
・シート長さ(横断面方向の長さ):2.4mm
f)内側部220c
・発泡ポリウレタン
・マイクロゴム硬度:30度(JIS−A)
上述のように、本実施例の帯電ブレード22は、帯電部220の凸形状部220aの内側部220cと凸形状支持部221の硬度の関係が、凸形状支持部221>内側部220c、となっており、内側部220cは凸形状支持部221よりも柔らかい。ここでいう硬度は、凸形状支持部221および内側部220cから測定用試料を切り出し、アスカーゴム硬度計JA型を用いて測定圧1000gとしたときの測定値である。従って、帯電ブレード22をドラム1に圧接したときの帯電部220の凸形状部220aの変形量が大きくなるため凸形状部220aの高さが低くなる。
【0056】
(3)検証実験
次に、本実施例の帯電ブレード22を採用したカートリッジ50を着脱可能とした画像形成装置100を用いて画出し試験をおこなった。画出し試験はブレード侵入量δの異なるカートリッジを6種類準備し、常温常湿環境23℃/50%において8000枚の通紙試験を行った。また、比較のために本実施例の帯電ブレード22とは異なる構成の以下の比較例1と2の帯電ブレード22においても同様の通紙試験を行った。
【0057】
比較例1の帯電ブレード22(図5の(a)):帯電部220としての凸形状部220aを一体に設けた導電性ウレタンゴム部(凸形状支持部)222からなる帯電ブレード。帯電ブレード22のドラム1との当接部である先端部、即ち非帯電部221は絶縁性ウレタンゴムを成形して具備させた。凸形状部220aは凸形状支持部222に一体に設けられているため柔軟性を有していない。
【0058】
比較例2の帯電ブレード22(図5の(b)):帯電部220として導電性部材222を絶縁性ウレタンブレード221のドラム1側の面に備えた帯電ブレード。
【0059】
a)帯電ブレード設定条件
・侵入量δ(mm)=0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5
・セッティングアングルθ=25°
b)画出し条件
・プロセススピード:100mm/sec
・ドラム1の径:φ24
・クリーニングブレード7a:ウレタンゴム、カウンター当接
・帯電ブレード22に対する印加バイアス:DC−1050V
・電位設定:暗部VD=−500V、明部VL=−150V、
ハーフトーン部VH=−350V
結果を表1に示す。本実施例の帯電ブレード22を用いた画像形成装置では通紙試験の結果、ブレード侵入量δの異なる場合においても8000枚程度まで帯電性を損なうことがなかった。本実施例を用いていない比較例1と比較例2の帯電ブレード22ではスジ状の不均一帯電画像の発生やブレード侵入量δによって画質に大きなばらつきがあった。
【0060】
【表1】

【0061】
これは次のように考えられる。比較例1は、帯電部220の凸形状部220aにおいて帯電を行う構成である。この構成は帯電を担う帯電部220がブレード先端から離れているため、ブレード侵入量δが小さいときはブレード先端からすり抜けるトナーなどによる帯電部220の汚れはないので良好な出力画像が得られた。
【0062】
ブレード侵入量δがδ=0.9mm程度になるとドラム1と帯電部220の微小空隙が狭くなるため帯電部220に汚れが軽微に付着し、実用上問題ないレベルのスジ状の不均一画像が発生した。そして、δ=1.1mmよりも大きいときは図6の(a)のように帯電部220の凸形状部220aがドラム1と接触してしまい、帯電部220がひどく汚れ、帯電が不安定になった。その結果、スジ状の不均一画像が発生した。
【0063】
比較例2では、帯電性を確保するために帯電部220をできるだけブレード先端に近づけることが求められる。ブレード侵入量δが小さいときはブレード先端からすり抜けるトナーなどが帯電部220に付着しても、少量の汚れのため実使用上問題ないレベルの画像が得られた。
【0064】
しかしながら、ブレード侵入量δがδ=0.9mm以上に大きくなると図6の(b)のようにやはり帯電部220がドラム1と接触してしまい、帯電部220がひどく汚れ、帯電が不安定になった。その結果、スジ状の不均一画像が発生した。
【0065】
一方、本実施例では侵入量δ=1.1mmでは問題ない良好な画像が得られ、δ=1.3mmにおいても実用上問題ないレベルの画像であり、比較例1および比較例2に比べてブレード侵入量δの広い範囲で安定して良好な出力画像が得られた。
【0066】
ここで個体ばらつきによって帯電ブレード22の侵入量δが異なるときの本実施例の動作について図を用いて説明する。
【0067】
図1の(a)のように侵入量δ=0mmの時は、帯電部220の凸形状部220aの表層部(導電シート)220bを支持している部分である点Aと点Bとの間の距離は距離Y0である。侵入量δ=1.1mmの時は凸形状支持部(基体)221が弾性的に変位し、点Aと点Bとの間の距離は図1の(b)の距離Y1のように変位量Zmmだけ長くなる。このとき表層部220bは点Aおよび点Bにあわせて引っ張られるため、図1の(a)中の凸形状部220aの高さX(点Cと点Dとの間の距離)は図1の(b)のように距離X1に収縮する。
【0068】
例えば侵入量がΔδだけ大きくなったとき、図7の(a)のように点A−点B間はΔZ1だけ弾性的に変位する(ブレードの湾曲)。このとき、図7の(b)に示すように比較例1では微小空隙gがΔgだけ変化するのに対して、本実施例では帯電部220の凸形状部220aの収縮があるため微小空隙gはΔg1=Δg−(X−X1)の少ない変化となる。その結果、侵入量δと微小空隙gの関係のように比較例1と比べて侵入量δの広い範囲で安定した帯電が行える微小空隙を確保できた。
【0069】
つまり、帯電ブレード22が侵入量δmmで設定されたとき、帯電部220の凸形状部220aの高さが侵入量δに応じて変化し、広い範囲で帯電部220の凸形状部220aとドラム1の表面との微小空隙gが確保されるので、安定した帯電が可能となった。
【0070】
ここで、特許文献3の帯電ブレードは比較例1の帯電ブレードに対応しており、変位時に凸形状部以外が変形して凸形状部の高さがあまり変化しない。これに対して実施例の構成の帯電ブレード22は変位時に凸形状部が容易に変形することで、高さが侵入量δに応じて変化し、広い範囲で微小空隙gが確保されるので、安定した帯電が可能となった。
【0071】
また、ブレード長手方向における画像の均一性についても本実施例の帯電ブレード22は良好であった。これは、次のように考えられる。図8はブレード侵入量δ=1.2mmのときのブレード長手位置における帯電ブレード22とドラム1との当接幅I(図4の(b))である。
【0072】
当接幅Iはブレード長手中央が端部よりも当接幅Iが狭くなっている。これはドラム1の撓みなどによって中央領域の帯電ブレード22の侵入量δが小さくなっているためと考えられる。特に、本実施例のように小径のドラム1を用いた場合は撓みが大きくなるため、中央領域と端部領域での帯電ブレード22の侵入量δの差が顕著になる。このとき、本実施例の帯電ブレード22では帯電ブレードの侵入量δの広い範囲において安定した帯電が行えるので、長手方向にも均一な画像が得られたと考えられる。
【0073】
本実施例において帯電ブレード22は、帯電部220として、導電性・可撓性を有するシートからなる表層部220bと発泡ウレタンからなる内側部220cを備えた凸形状部220a、および絶縁部である凸形状支持部221を有する形態の帯電ブレードとした。しかしながら、帯電部220の凸形状部220aは、凸形状支持部221の変位量に応じて高さが低くなる構成であれば上記の構成に限るものではない。
【0074】
たとえば、図9の(a)や(b)のように、凸形状支持部221は、先端部の厚みS1に対して帯電部220の凸形状部220aを支持する部分の厚みS2が薄くなっていてもよい。また、(c)のように、凸形状部220aの表層部220bは多層構造220b1・220b2としても良い。
【0075】
また、本実施例では、凸形状支持部221に、絶縁性ウレタンを使用した。しかしながら、図10の(a)や(b)のような帯電ブレード形態にすることもできる。即ち、凸形状支持部222を例えばカーボンなどを添加して抵抗が1×10Ω・cm程度の導電性ウレタンとする。帯電部220の凸形状部220aとして、導電性ウレタンで成形した中空部分(内側部)220cに、ドラムリーク抑制の表層部220bを備える。そして、ブレード先端部を絶縁性ウレタンによる非帯電部221とした帯電ブレード22の形態である。
【0076】
この形態の帯電ブレード22も同様の効果が得られる。更に、導電性ウレタンで形成した凸形状支持部222介して帯電部220に帯電バイアス供給が行えるため、給電体229が不要になるためバイアス供給の安定化、ブレード構成の簡易化が可能となる。
【0077】
また、ドラム1と当接する非帯電部221の形状は特に指定するものではなく、図11(a)のように当接部が曲率を持つ形状や、(b)のような非帯電部221の先端が円弧形状でも良い。また、非帯電部221はドラム1の表面を帯電するための放電が生じなければ良く、図10の(c)のように多層構成とし、先端部と帯電部220の間に絶縁部221を有していれば先端部は導電部222であっても良い。
【0078】
本実施例の帯電ブレード22において、ドラム1に接触し、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部221は、ドラム1の表面の画像形成可能領域幅Gの全幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦している。しかし、帯電ブレード22の先端とドラム1とはブレード長手に一様に当接している必要はない。帯電部(放電部)220とドラム1の表面との間に放電に要する微小空隙gを持って非接触に配置されていれば良い。図12のように、ブレード長手両端部に凸部22aを設けた帯電ブレード22が凸部22aのみでドラム1と当接するように配置しても同様の効果が得られる。
【0079】
以上のように、本実施例によって、帯電ブレード侵入量δの広い範囲において安定して良好な出力画像が得られる。また、ブレード長手方向においても均一な出力画像が得られる。
【0080】
[実施例2]
(1)帯電ブレード構成
本実施例の帯電ブレードは、帯電部220の凸形状部220aの表層部220bと凸形状支持部221の間に空間があることに特徴がある。即ち、図13のように、凸形状部220の内側部220cは空間とし、帯電ブレード22の侵入量δに対して集中的に湾曲する部分(湾曲可能部)225として、凸形状支持部221である絶縁性ウレタンには、切り欠き部分225aを設けたところにある。具体的には、ブレード22のドラム1と当接する先端部分の厚みS1と切り欠き部分225aの厚みS2の関係が、S1>S2、となる部分を持つ。
【0081】
つまり、先端部のブレードの厚みに対して、凸形状支持部のブレードの厚みが薄くなっていることを特徴とする。本実施例の帯電ブレード22における集中的に湾曲する部分225の詳細を以下に示す。
【0082】
・先端からの距離J:2.0mm
・支持位置間の距離(点A−点B間の距離)K:2.0mm
・ブレード厚みS1:2.0mm
・切り欠き部分厚みS2:1.0mm
次に帯電部220について説明する。本実施例では、帯電部220の凸形状部220aの表層部220bとして、実施例1と同様の導電性の可撓性シートを用いた。そして、その表層部220bを帯電部220として集中的に湾曲する部分225を含むように図13中の点Aおよび点Bに支持し、凸形状部220aとして円弧状に備えた。集中的に湾曲する部分225と帯電部220のほかの帯電ブレード構成は実施例1で記載した構成と同様である。表層部220bとしての可撓性シートの詳細を以下に示す。
【0083】
・カーボン分散のポリウレタンシート
・体積抵抗値:1×10Ω・cm
・シート厚さ:150μm
・シート長さ(横断面方向の長さ):2.6mm
(2)検証実験
次に、本実施例の帯電ブレード22を採用したカートリッジ50を着脱可能とした画像形成装置を用いて画出し試験をおこなった。画出し試験は、実施例1と同様に、ブレード侵入量δの異なるカートリッジを準備し、常温常湿環境23℃/50%(N/N環境)において8000枚の通紙試験を行った。また、比較のために実施例1の帯電ブレード22においても同様の画出し試験を行った。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】

【0085】
本実施例の帯電ブレード22を用いた画像形成装置では、ブレード侵入量δがδ=0.5mmからδ=1.5mmの範囲で問題ない良好な画像が得られ、前記実施例1に比べて良好な画像が得られる侵入量δの範囲が広がった。
【0086】
これは次のように考えられる。図14の(a)に示すように侵入量δに対する点A−点B間の距離Yの変位量Zが実施例1と比較して実施例2は大きい。前述の実施例1の形状では侵入量δによって生じる応力は帯電ブレード22全体にほぼ均等に発生する。このため、帯電部220を備えた部分(点A−点B間)に加わる応力は侵入量δによって生じる応力全体の一部分でしかない。従って、帯電部220が伸びる方向の力が小さく距離Yの変位量Zが小さいため、凸部の高さXの収縮は小さい。
【0087】
一方、本実施例の帯電ブレード22は凸形状支持部として集中的に湾曲する部分225を有しており、侵入量δによって生じる応力が集中的に湾曲する部分に発生する。従って、侵入量δがΔδmm変化したときの変位量Zは図14の(a)のように実施例1ではΔZ1mmであったのに対して本実施例ではΔZ2mmと大きくなる。その結果、帯電部220を備えた部分(点A−点B間)が伸びる方向の力が大きくなり、帯電部220である凸部の高さXの収縮が大きくなる。
【0088】
従って、侵入量δの変化Δδによる微小空隙の変化Δgは図14の(b)に示すとおり実施例1ではΔg1であったが、本実施例ではΔg2のように小さくできる。その結果、侵入量δの変化Δδに対する微小空隙の変化Δgを小さくできるため、実施例1よりも広い範囲の侵入量δにおいて安定した帯電に必要な微小空隙gを確保することができた。
【0089】
本実施例では集中的に湾曲する部分225として横断面長方形形状の切り欠き部225aを設けたが、切り欠き部225aの横断面形状は図15の(a)の逆さ台形、(b)の台形、(c)の円弧としても良い。あるいは、(d)のように基体221の絶縁性ウレタン部分を略L字形状としてホルダー224に固定支持しても、同様の効果が得られる。
【0090】
本実施例では、帯電部220の凸形状部220aの凸形状支持部221に、絶縁性ウレタンを使用した。しかしながら、図16の(a)や(b)のような帯電ブレード形態にすることもできる。即ち、凸形状支持部222を例えばカーボンなどを添加した導電性ウレタンとする。そして、先端部を絶縁性ウレタンによる非帯電部221とした帯電ブレード22の形態である。
【0091】
この形態の帯電ブレードでも同様の効果が得られる。更に、導電性ウレタンで形成した凸形状支持部222介して帯電部220に帯電バイアス供給が行えるため、給電体229が不要になるためバイアス供給の安定化、ブレード構成の簡易化が可能となる。
【0092】
以上のように、本実施例によって帯電ブレード侵入量δの広い範囲において安定して良好な出力画像が得られる。また、長手方向においても均一な出力画像が得られる。
【0093】
[実施例3]
(1)帯電ブレード構成
本実施例の帯電ブレードは、凸形状支持部の少なくとも一部は、金属板バネ部材であることを特徴とする。
【0094】
具体的には、本実施例では、図17のように、金属板バネ部材225としてリン青銅の板バネ部材を用いている。そして、その先端に、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部(絶縁部)221を絶縁性ウレタンゴムで成形する。更に、板バネ部材225の非帯電部221側とは反対側をホルダー224に固定した。そして、帯電部220の凸形状部220aの表層部220bとして導電性の可撓性シートを用い、表層部220bを、板バネ部材225の領域を含むように図17中の点Aおよび点Bに支持させて、凸形状部220aとして円弧状に備えた。
【0095】
つまり、本実施例の帯電ブレード22の特徴は、実施例2における集中的に湾曲する部分225が金属板バネ部材225であり、帯電部220の凸形状部220aの表層部220bとして導電性の可撓性シートを凸形状に備えたところにある。本実施例において、上記の帯電ブレード22以外の画像形成装置の構成は前記実施例1と同様である。
【0096】
集中的に湾曲する部分225について説明する。本実施例の帯電ブレード22の集中的に湾曲する部分225となる支持部材223には本実施例ではリン青銅を使用している。更に、支持部材223はホルダー224に固定支持される。前記実施例2のように集中的に湾曲する部分225がウレタンなどの高分子材料の場合は画像形成装置の使用環境によって弾性が異なる。
【0097】
一方、リン青銅などの金属薄板バネは使用環境による弾性の変化がほとんどない。従って、図18に示す侵入量δと帯電部220を備えた部分(点A−点B間)の変位量Zの関係は、実施例2と本実施例3とでは次のようになる。
【0098】
即ち、実施例2の帯電ブレード22では、高温高湿環境32.5℃/80%(「H/H環境)と低温低湿環境15℃/10%(L/L環境)とで環境による差が生じている。これに対して、本実施例3の帯電ブレード22では使用環境による変位量Zの差が小さい。つまり、本実施例3では集中的に湾曲する部分225にリン青銅を用いることで変位量Zは使用環境による影響が軽減される。本実施例のほかにも支持部材223にはSUSなどの金属薄板バネを用いても良い。
【0099】
次にホルダー224について説明する。本実施例ではホルダー224として鉄鋼板を使用しており、支持部材223であるリン青銅を溶接によって固定支持し、更にホルダー224をカートリッジ50の筐体に固定支持している。ホルダー224は画像形成装置本体に取り付けても良いし、あるいは支持部材223を直接カートリッジ50の筐体や画像形成装置本体に固定支持しても良い。
【0100】
次に帯電部220について説明する。本実施例では、帯電部220の表層部220bに多層構成220b−1、220b−2の導電性の可撓性シートを使用している。導電性の可撓性シートは、抵抗が1×10Ω・cm〜1×10Ω・cm、シートの総膜厚150μmに調整された、内側層220b−2と表層220b−1からなる2層構成のシートである。内側層220b−2と表層220b−1の詳細は以下のとおりである。
【0101】
・内側層220b−2:抵抗4×10Ω・cm、膜厚100μm
・表層220b−1:抵抗7×1010Ω・cm、膜厚50μm
表層220b−1に高抵抗層を設けることでドラム1上のピンホールなどに起因するリークの発生を抑制できる。上記の可撓性シートを、帯電部220の凸形状部220aの表層部220bとして、実施例2と同様に、集中的に湾曲する部分225を含むように図17中の点Aおよび点Bに支持し、円弧状に備えた。本実施例の帯電ブレード22の詳細を以下に示す。
【0102】
a)先端部および集中的に湾曲する部分225
・先端部の距離J:3.5mm
・支持位置間の距離(点A−点B間の距離)K:3.5mm
・先端部厚みS1:2.0mm
b)帯電部220
・シート厚さ:150μm
・シート長さ(横断面方向の長さ):4.5mm
c)支持部材223
・リン青銅:厚み=0.1mm
d)ホルダー224
・鉄綱板:厚み=1.2mm
次に帯電バイアス供給について説明する。本実施例ではホルダー224に鉄綱板(導電性材料)を使用しており、ホルダー224を介して帯電部220に帯電バイアスを供給する構成としている。ホルダー224を介して帯電部220に帯電バイアス供給が行えるため、給電体229が不要になるためバイアス供給の安定化、ブレード構成の簡易化が可能となる。
【0103】
(2)検証実験
次に本実施例の帯電ブレード22を用いてブレード侵入量δの異なるプロセスカートリッジ50を準備し、このプロセスカートリッジを着脱可能とした画像形成装置を用いて画出しテストを行った。画出しテストは、H/H環境、常温常湿環境23℃℃/50%(N/N環境)、L/L環境において行った。画出しの条件は次に示す通りである。結果を表3に示す。
【0104】
a)帯電ブレード設定条件
・侵入量δ(mm)=0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、
1.5、1.7
・セッティングアングルθ=20°
b)画出し条件
・プロセススピード:100mm/sec
・ドラム径:φ24
・クリーニングブレード:ウレタンゴム、カウンター当接
・帯電印加バイアス:DC−1050V
【0105】
【表3】

【0106】
集中的に湾曲する部分225にリン青銅を使用することによって、点A−点B間の変位量Zが環境に影響されなくなり、帯電部220の凸形状分220aの収縮が安定するため良好な出力画像が得られたと考えられる。
【0107】
また、本実施例ではリン青銅のドラム1と当接する先端部221に絶縁性ウレタンを使用した。しかし、先端部にカーボンなどを添加した導電性ウレタン222を使用して、図19の(a)や(b)のように、ドラム1と当接する部分221のみを絶縁性ウレタンとした帯電ブレード22の形態でも同様の効果が得られる。
【0108】
以上のように、本実施例によって帯電ブレード22の侵入量δの広い範囲において環境に影響されずに安定して良好な出力画像が得られる。また、長手方向においても均一な出力画像が得られる。
【0109】
[実施例4]
(1)帯電ブレード構成
図20は本実施例の帯電ブレード22の説明図である。本実施例の帯電ブレード22は実施例3(図17)と同様の形態の帯電ブレード22であるが、これをクリーニング兼帯電ブレードとしているものである。即ち、ドラム1に接触し、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部221がドラム表面をクリーニングするための機能を満足する構成にしてクリーニングブレード兼用の帯電ブレードとしたところに特徴がある。非帯電部221はドラム1の表面の画像形成可能領域幅の全幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦する。
【0110】
本実施例では非帯電部221はウレタンなどの弾性部材からなり、ドラム1と圧接することにより、ドラム1上のトナーなどを掻き落すクリーニング機能をもつ。このクリーニング兼用帯電ブレードによりプロセスカートリッジおよび画像形成装置の小型化、コストダウンが可能となる。
【0111】
この非帯電部221が残留トナーなどのクリーニングを確実に行うためには、以下のような設定が必要である。非帯電部221のドラム1に対する接触線圧NFは1.0gf/mm以上に設定する必要があり、好ましくは2gf/mm以上である。このとき、非帯電部221をドラム1に圧接させた場合の侵入量δは、侵入量δ=0.4mm〜1.6mm程度、好ましくは侵入量δ=0.6mm〜1.3mmがよい。また、セッティングアングルθ、即ち絶縁部221の侵入量δを0mmとした場合におけるドラム1と非帯電部221先端部とのなす角度Saは15°〜30°程度が好ましい。
【0112】
また、非帯電部221とドラム1との接触幅Iは、クリーニング性能を維持するためには10μm〜120μm程度がよく、特に20μm〜80μm程度が好ましい。ワーキングアングル、即ち非帯電部221の先端部と、ドラム1との接触部における接線とのなす角度をWaとすると、良好なクリーニング効率を得るためのワーキングアングルWaは4°〜17°程度がよい。図20の(a)において非帯電部221は厚さS1=1mm〜3mm程度、マイクロゴム硬度(JIS−A)は30°〜85°程度のものが使用される。また、先端部分の角度γは90°、あるいは70°〜90°の鋭角のものが良い。
【0113】
(2)検証実験
次に、本実施例の帯電ブレード22をクリーニング兼帯電ブレードとして用いて、ブレード侵入量δの異なる図21のようなプロセスカートリッジ50を準備し、このプロセスカートリッジを着脱可能とした画像形成装置を用いて耐久試験を行った。耐久試験はN/N環境で通紙8000枚行った。結果を表4に示す。
【0114】
<帯電ブレード22>
a)非帯電部221
・材質:ウレタンゴム
・硬度(JIS−A):72°
・厚みS1:2mm
・先端部の距離J:3.5mm
・角度γ:90°
b)表層部220bおよび集中的に湾曲する部分225
・2層からなる可撓性シートであり、前記実施例3と同様。
【0115】
・下層220b−2:抵抗4×10Ω・cm、膜厚100μm
・表層220b−1:抵抗7×1010Ω・cm、膜厚50μm
・シート長さ(横断面方向の長さ):4.5mm
・支持位置間の距離(点A−点B間の距離)K:3.5mm
c)支持部材223
・リン青銅:厚み=0.1mm
d)ホルダー224
・鉄綱板:厚み=1.2mm
e)帯電ブレード設定条件
・セッティングアングルθ:20°
・侵入量δ(mm):0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、
1.5、1.7
・ワーキングアングルWa:8°〜15°
・接触幅I:30μm〜70μm
<画出し条件>
・プロセススピード:100mm/sec
・ドラム径:φ24
・帯電印加バイアス:DC−1050V
【0116】
【表4】

【0117】
侵入量δ=0.3mmのときは、帯電性は実用上問題なく良好なレベルであったが、クリーニング性は接触線圧が不足したために不十分なレベルであった。侵入量δ=1.7mmのときは、帯電性は帯電部220がドラム1表面と接触したためにスジ状の帯電不均一となり、クリーニング性は接触幅Iが広くなりすぎたために不十分なレベルとなっていた。侵入量δ=0.5mm〜1.5mmにおいては、帯電性およびクリーニング性において良好なレベルであり、良好な画像が得られた。
【0118】
以上のように、本実施例によって帯電ブレード侵入量δの広い範囲において安定して良好な出力画像を得ることができる小型の画像形成装置が得られる。また、長手方向においても均一な出力画像が得られる。
【0119】
[その他の事項]
1)本発明において静電潜像が形成される像担持体は、実施例の電子写真方式における電子写真感光体に限られない。静電記録方式における静電記録誘電体であっても良い。また、像担持体はドラム型に限られない。エンドレスの回動ベルトや走行される有端ベルトの形態であってもよい。また、像担持体は搬送手段で搬送されるシート状部材(エレクトロファックス紙、静電記録紙)の形態であってもよい。
【0120】
2)像担持体と帯電部材の相対的な移動には、実施例のように固定の帯電部材に対して像担持体が移動する形態に限られず、固定の像担持体に帯電部材が移動する形態、帯電部材と像担持体の両方が移動する形態も含まれる。
【0121】
3)帯電部材の像担持体に対する当接は実施例のカウンター方向当接に限られず、順方向当接でも良い。また、エッジ当接に限られず、腹当て当接でも良い。
【0122】
4)本発明において帯電部材による像担持体表面の帯電には像担持体表面を除電処理するための帯電も含まれるものである。
【符号の説明】
【0123】
1・・像担持体、22・・ブレード状の帯電部材、220・・帯電部、221・・非帯電部(凸形状支持部)、g・・放電可能な間隙、220a・・凸形状部、220b・・表層部、220c・・内側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体に当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が前記帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記帯電部は、前記像担持体と対向する方向に対して突出する凸形状部を有しており、
前記凸形状部は、表層部と、前記表層部の内側の内側部を備え、
前記帯電部材は、前記表層部と前記内側部を支持する凸形状支持部を備え、
前記内側部は、前記凸形状支持部よりも柔らかい、
ことを特徴とする帯電部材。
【請求項2】
静電潜像が形成される像担持体に当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、
前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が前記帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記帯電部は、前記像担持体と対向する方向に対して突出する凸形状部を有しており、
前記凸形状部の表層を表層部としており、
前記帯電部材は、前記表層部を支持する凸形状支持部を備え、
前記表層部と前記凸形状支持部の間に空間がある
ことを特徴とする帯電部材。
【請求項3】
先端部のブレードの厚みに対して、前記凸形状支持部のブレードの厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材。
【請求項4】
前記凸形状支持部の少なくとも一部は、金属板バネ部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材。
【請求項5】
前記内側部は発泡体であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
【請求項6】
前記凸形状部の表層部は可撓性を有するシート状部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電部材。
【請求項7】
前記非帯電部は前記像担持体の表面の画像形成可能領域幅の全幅に渡って当接して前記像担持体の表面を摺擦することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の帯電部材。
【請求項8】
静電潜像が形成される像担持体の表面を一様に帯電する帯電部材と、前記帯電部材に電圧を印加する電源と、を備えた画像形成装置であって、前記帯電部材が請求項1乃至7の何れか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−128078(P2012−128078A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278181(P2010−278181)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】