説明

帯電防止フィルム

【課題】 高い透明性を有するとともに、高い導電性が得られる帯電防止フィルムの提供。
【解決手段】 基材層と接着層とを有する導電性の帯電防止フィルムにおいて、ナノカーボンとポリマーとを含有する導電層を更に有し、前記帯電防止フィルムの表面抵抗率が、1×1011Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気の発生を防止するために導電性を持たせた帯電防止フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等の画面に貼り付けて使用する保護フィルムが用いられる。これらの保護フィルムを貼り付けることによって、液晶ディスプレイ表面が直接傷付くことを防止する。上記の保護フィルムにおいて、更に、帯電防止機能を有することによって、静電気が発生するのを防止することが提案されている(特許文献1)。静電気の発生の防止によって、例えば、保護フィルムにホコリが付着して、視認性を低下させることを防止することができる。更に、保護フィルムの粘着剤の中に帯電防止剤を含有させ使用することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−113367号公報
【特許文献2】特開2010−265388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィルムに帯電防止機能を持たせるために導電性物質を添加した場合、多量の導電性物質を添加することによって接着性が低下することや、全光透過率が低下するといった問題が発生する。そこで、本発明は、高い透明性を有するとともに、高い導電性が得られる帯電防止フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(1)は、基材層と接着層とを有する導電性の帯電防止フィルムにおいて、
ナノカーボンとポリマーとを含有する導電層を更に有し、
前記帯電防止フィルムの表面抵抗率が、1×1011Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルムである。
【0006】
本発明(2)は、前記ナノカーボンが、カーボンナノチューブである、前記発明(1)の帯電防止フィルムである。
【0007】
本発明(3)は、前記導電層の厚みが、0.1〜1μmである、前記発明(1)又は(2)の帯電防止フィルムである。
【0008】
本発明(4)は、前記導電層におけるカーボンナノチューブの含有量が、1〜90質量%である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの帯電防止フィルムである。
【0009】
本発明(5)は、前記帯電防止フィルムの全光透過率が、75%以上である、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの帯電防止フィルムである。
【0010】
本発明(6)は、液晶画面保護フィルムである、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの帯電防止フィルムである。
【0011】
本発明(7)は、帯電防止梱包材料である、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの帯電防止フィルム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、導電性材料の添加量は必要とされる導電性と透明度によって選ばれるが、特に少量の導電性材料の添加により高い導電性を有するフィルムが得られるので、ナノカーボンを添加した場合であっても高い全光透過率を有する帯電防止フィルムが得られる。また、接着層とは別に導電層を設けることによって、ナノカーボンの添加による接着性低下といった問題も生じないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係る帯電防止シートの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る帯電防止シートの概略構成図である。本発明に係る帯電防止シートは、基材層1、接着層2、及び導電層3を有する。導電層3は、ナノカーボンとポリマーとを含有する。このように、導電層3を設けることによって、少量のナノカーボンであっても、比較的高い導電性を有する帯電防止シートを得ることができると共に、ナノカーボンの含有量を減らすことができるので高い透明性を確保することができる。
【0015】
導電層
本発明に係る導電層は、ナノカーボンとポリマーとを含有する。
「ナノカーボン」とは、その材料の形状において、一辺が1000nm以下(好適には500nm以下)の大きさを有するカーボンを意味し、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン又はグラフェンを挙げることができる。これらのナノカーボンの中でも、カーボンナノチューブが好適である。ナノカーボンとして使用可能なカーボンナノチューブは、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であっても、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であってもよい。カーボンナノチューブの長さは、0.1〜100μmが好適であり、0.1〜50μmがより好適であり、0.1〜20μmが更に好適である。カーボンナノチューブの直径は、5〜200nmが好適であり、8〜160nmがより好適であり、9〜120nmが更に好適である。尚、当該チューブの長さ、直径は、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、所定範囲内に存在する100個以上の構造体について測定し、90%以上の個数が入る範囲とする。
【0016】
本発明に係る導電層を構成するポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化型樹脂等の樹脂や、ゴム系エラストマー、熱可塑性エラストマー類等のエラストマーが挙げられる。樹脂の具体例としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0017】
また、エラストマーの具体例としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)等のゴム系エラストマー類や、オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、等の熱可塑性エラストマー類が挙げられる。
【0018】
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレンや、ポリプロピレンや、エチレン酢酸ビニル共重合体、が挙げられる。
【0019】
アクリル系樹脂としては、公知のアクリル系樹脂を使用することができるが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアクリレート、芳香族アクリレートを使用することができる。
【0020】
樹脂としてアイオノマーを用いることが好適である。アイオノマーとしては、特に限定されないが、少なくとも不飽和カルボン酸を含む重合体の金属塩が挙げられる、また、アイオノマーは、不飽和カルボン酸とエチレン等のオレフィンとの共重合体であってもよい。この場合、不飽和カルボン酸の含有量は、5〜50重量%が好適である。また、不飽和カルボン酸由来のカルボキシル基は金属イオンによる中和度は30〜100%が好適であり、60〜100%がより好適である。
【0021】
ウレタン系樹脂としては、ウレタン骨格部位を有する樹脂であれば特に限定されないが、ウレタン水分散体を使用することが好適である。
【0022】
ポリマーは上記の例を単独で用いてもよく、2種以上を複合して用いても構わない。またこれらのポリマーの中でも、他の層との接着の親和性を考慮して選択することが好適である。更に、導電層において、任意で、上記ポリマーの物性を調整するための添加剤等が含まれていてもよい。
【0023】
導電層中のナノカーボンの含有量は、導電層の全体量に対して、1〜90質量%が好適であり、2〜50質量%がより好適であり、5〜30質量%が更に好適である。このような含有率とすることで、高い導電性を有する導電層が得られる。
【0024】
導電層の厚みは、特に限定されないが、0.01〜1μmが好適であり、0.05〜0.5μmがより好適であり、0.1〜0.3μmが更に好適である。当該範囲の厚みとすることによって、少量のカーボンナノチューブを添加することで高い導電性を有する導電層を得ることができると共に、全光透過率に与える悪影響も軽減される。
【0025】
基材層
本発明に係る基材層の材質は、その用途に応じて適宜選択可能であり、特に限定されないが、ポリマーにより形成されていることが好適である。また、基材層は一層に限らず、複数積層されていてもよい。ここで、基材層に使用するポリマーとしては、上記の導電層のポリマーの例と同様のものを選択することができるが、導電層のポリマーと親和性の高いものを選択することが好適である。
【0026】
基材層の厚みは、特に限定されないが、1〜1000μmが好適であり、10〜200μmがより好適であり、20〜100μmが更に好適である。このような範囲とすることにより、熱が伝わりやすくなり、接着のうえで好適である。
【0027】
接着層
本発明に係る接着層は、特に限定されず、粘着剤(感圧性接着剤)、硬化型接着剤、ホットメルト接着剤等が使用できる。ホットメルト接着剤としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を含有する接着剤であることが好適である。粘着剤もまた、公知の粘着剤を使用することができ、例えば、アクリル系の粘着剤、ゴム系の粘着剤など各種粘着剤を使用することができる。
【0028】
接着層の厚みは、特に限定されないが、0.05〜30μmが好適であり、0.1〜10μmがより好適であり、0.5〜3μmが更に好適である。このような範囲とすることにより、良好な接着性が得られる。
【0029】
本発明に係る帯電防止フィルムの表面抵抗率は、1011Ω/□以下が好適であり、1010Ω/□以下がより好適であり、109Ω/□以下が更に好適である。表面抵抗率の下限値は特に限定されないが、10−4Ω/□(あるいは10Ω/□)である。当該範囲とすることにより、好適に帯電防止が行われる。当該フィルム表面抵抗の測定方法は、三菱化学ロレスタ(4点法)を用いた。
【0030】
本発明に係る帯電防止フィルムの全光透過率は、75%以上が好適であり、78%以上がより好適であり、80%以上が更に好適である。全光透過率の上限は特に限定されないが、例えば99%である。このような範囲の全光透過率とすることによって、帯電防止フィルムの透明性が確保されて容易に透視することができる。
【0031】
(製造方法)
本発明に係る帯電防止フィルムの製造方法は、特に限定されないが、基材層上に導電層を形成するための分散液を塗布して乾燥させる導電層形成工程と、前記導電層形成工程により形成された導電層上に接着層を形成する接着層形成工程とを有することが好適である。
【0032】
導電層形成工程においては、ナノカーボンとポリマーとを含有する分散液を使用することが好適である。このような、分散液を公知の塗布方法によって、基材層上に塗布することによって、薄い導電層を容易に形成することができる。ナノカーボン及び、ポリマーとしては、前述のものを使用することができる。
【0033】
分散液の溶媒としては、水系溶媒、有機溶媒の何れであっても使用することができる。カーボンナノチューブは、当該分散液中で孤立分散していることが好適である。ここで、カーボンナノチューブが孤立分散した分散体を調製する手段としては、カーボンナノチューブを含む溶媒に孤立分散可能な分散剤を添加する方法や、カーボンナノチューブ自体に親水性の官能基を導入する化学修飾法(自己分散化)が挙げられる。ここで、分散剤としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤が好ましく用いられる。界面活性剤としては、アニオン系の界面活性剤、カチオン系の界面活性剤、両性イオン系の界面活性剤や、ノニオン系の界面活性剤が用いられる。これらの中でも、両性イオン系の界面活性剤や、ノニオン系の界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤を使用することにより、少量の添加量で高い導電率を有する導電層を得ることができる。尚、ノニオン系の界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド基とポリアルキレン基を有するアミン系界面活性剤を使用することが特に好適である。当該界面活性剤を使用した場合には、特に高い導電率を有する導電層を得ることができる。
【0034】
本形態において用いられる水系溶媒とは、水又は水と親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、が挙げられる。)との混合液を意味する。
【0035】
有機溶媒は、特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類であるトルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、塩化芳香族炭化水素類であるクロルベンゼン、オルト−ジクロルベンゼン、塩化脂肪族炭化水素類である塩化メチレン、クロロホルム(トリクロルメタン)、四塩化炭素(テトラクロルメタン)、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、トラクロルエチレン(パークロルエチレン)、アルコール類であるメタノール(メチルアルコール)、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール)、ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エステル類である酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル(酢酸アミル)、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、エーテル類であるエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ケトン類であるアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホン、グリコールエーテル(セロソルブ)類であるエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、脂環式炭化水素類並びにその誘導体であるシクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、脂肪族炭化水素類であるノルマルヘキサン、脂肪族又は芳香族炭化水素の混合物であるガソリン、ベンジン、ゴム揮発油、大豆揮発油、ミネラルスピリット、クリーニングソルベント、コールタールナフサ(沸点範囲120〜160℃、120〜180℃、140〜200℃)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、ミネラルスピリット、脂環族炭化水素(テレビン油)、混合炭化水素(HAWS、ソルベット100、ソルベット150)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトール、ブチルカービトール、メトキシブタノール)及びエステルエーテル類(酢酸セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カービトール、酢酸メトキシブチル)、シリコーンオイル類(ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン)、ハロゲン化炭化水素(クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ブロモベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン)、フッ素化物類、その他であるクレゾール、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。またこれらを2種以上混合してもよい。これらの溶剤の中でも、分散性と除去・回収の容易性から、メチルエチルケトン、トルエンが好適である。
【0036】
尚、分散液中に含まれるナノカーボンの濃度は、0.2〜50wt%が好適であり、0.5〜20wt%がより好適であり、1〜10wt%が更に好適である。また、分散剤のナノカーボンに対する重量比は、0.01〜100が好適であり、0.05〜20がより好適であり、0.1〜10が更に好適である。
【0037】
接着層形成工程としては、公知の手段を使用することができ、特に限定されない。例えば、接着剤を含有する塗料を塗布して形成することができる。
【0038】
(用途)
本発明に係る帯電防止フィルムは、液晶保護フィルムとして使用することが好適である。この場合、帯電防止フィルムの表面低効率は、1×1011Ω/□以下であることが好適である。下限は特に限定されないが例えば、1×10−4Ω/□(あるいは10Ω/□)である。更に、全光透過率を75%以上とすることが好適である。上限は特に限定されないが例えば、99%である。
【0039】
その他、本発明に係る帯電防止フィルムは、帯電防止梱包材料として使用することが好適である。この場合、帯電防止フィルムの表面抵抗率は、1×1011Ω/□以下であることが好適である。下限は特に限定されないが例えば、1×10−4Ω/□(あるいは10Ω/□)である。更に、全光透過率を75%以上として、収納された電子部品の様子を視認できるようにすることが好適である。上限は特に限定されないが例えば、99%である。
【実施例】
【0040】
表1に示すような処方にて、導電層コーティングと粘着層コーティングを調製した。ポリオレフィンフィルムに導電層を乾燥後膜厚が0.16μmとなるよう塗布し、60℃で15秒乾燥し、その上に粘着層を乾燥後膜厚が1μとなるように塗布し、60℃で1分乾燥して塗膜を作成した。その際、表面抵抗と透過率、ヘイズを測定した。尚、表中、カーボン量は固形分中のカーボンの量である。
【0041】
【表1】

【0042】
表2、表3に示すような処方にて、導電層コーティングと粘着層コーティングの組成を変化させて調製した。ポリオレフィンフィルムに導電層を乾燥後膜厚が0.16μmとなるよう塗布し、60℃で15秒乾燥し、その上に粘着層を乾燥後膜厚が1μとなるように塗布し、60℃で1分乾燥して塗膜を作成した。その際、表面抵抗と透過率、ヘイズを測定した。さらに、ポリスチレンフィルムとの粘着性強度を評価した。
【0043】
【表2】

【0044】
【表3】

【0045】
透過率(%):JIS K 7361−1に従い、分光光度計(日本分光V−650)を用いて測定した。
ヘイズ(%):JIS K 7136に従い、分光光度計(日本分光V−650)を用いて測定した。
表面抵抗:三菱化学ロレスタを用い、基材層に導電層、粘着層の順でコートを行い、乾燥後に粘着層の上から測定を行った。
粘着強度:100℃で30秒加熱した後その後2kg荷重ローラーで処理した。これを再度100℃で30秒2kgローラーで処理して、オートグラフ(島津AG−X)にて200mm/minにてピール試験を行なった。ここで貼り付けた対象物はポリスチレン(PS)フィルム(300μm)である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、特に透明性と導電性を両立したフィルムが得られるため、液晶画面の保護フィルムや、精密部品の梱包に用いられる。特に、液晶パネルの保護や、帯電防止包材、電子材料の梱包材料等として、好適に用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と接着層とを有する導電性の帯電防止フィルムにおいて、
ナノカーボンとポリマーとを含有する導電層を更に有し、
前記帯電防止フィルムの表面抵抗率が、1×1011Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止フィルム。
【請求項2】
前記ナノカーボンが、カーボンナノチューブである、請求項1記載の帯電防止フィルム。
【請求項3】
前記導電層の厚みが、0.1〜1μmである、請求項1又は2記載の帯電防止フィルム。
【請求項4】
前記導電層におけるカーボンナノチューブの含有量が、1〜90質量%である、請求項1〜3のいずれか一項記載の帯電防止フィルム。
【請求項5】
前記帯電防止フィルムの全光透過率が、75%以上である、請求項1〜4のいずれか一項記載の帯電防止フィルム。
【請求項6】
液晶画面保護フィルムである、請求項1〜5のいずれか一項記載の帯電防止フィルム。
【請求項7】
帯電防止梱包材料である、請求項1〜5のいずれか一項記載の帯電防止フィルム。


【図1】
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【公開番号】特開2012−166452(P2012−166452A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29225(P2011−29225)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000127307)株式会社イノアック技術研究所 (73)
【Fターム(参考)】