説明

平均期間設定支援装置、燃料残量検出システム、及び、平均期間設定支援方法

【課題】液面高さの計測に用いる平均時間について、適切な平均時間を容易に求めることができる平均時間設定支援装置、燃料残量検出システム、及び、平均期間設定支援方法を提供する。
【解決手段】燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料の残量を検出するに当たり、平均期間設定支援装置50は、周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得して、この液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めて、前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出して、この算出した周期を平均期間として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出するに当たり、前記液面高さを計測するための平均期間の設定を支援する平均期間設定支援装置、このような平均期間設定支援装置を有する燃料残量検出システム、及び、このような平均期間設定支援装置で用いられる平均期間設定支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される燃料残量検出装置は、燃料タンク内の燃料の液位(即ち、液面高さ)を検出する液位検出手段を有する。この液位検出手段としては、燃料液面上に浮かぶフロートの位置に応じて抵抗体上を摺動する接点を有し、抵抗体の両端に印加した電圧を分圧した電圧を接点に出力するような構成のものなどが一般に採用されている。そして、燃料残量検出装置は、液位検出手段の電気的特性、すなわち前記接点から出力される電圧に基づいて燃料の残量を検出して、この検出した燃料の残量を表示するように、インストルメントパネルに設けられた燃料計を制御する。
【0003】
このような燃料残量検出装置は、車両が傾斜したり、振動したりすることによって、車両の燃料タンク内の液面が変動するので、燃料タンク内の液面変動にフロートが追随してフロートの高さが変動し、そのため、燃料計の表示に誤差が生じてしまうことがあった。そこで、従来の燃料残量検出装置では、予め設定された平均期間において検出された液位の平均値(単純平均値、又は、相加平均値ともいう)を燃料の残量検出に用いることで、上記液面の変動に起因する測定誤差を低減していた。しかしながら、例えば、平均期間の設定が短いと、上記液面の変動の影響を十分に取り除くことができず、燃料残量の精度が低くなってしまい、また、平均期間の設定が長いと、残量検出が遅くなり、残量表示の更新タイミングが遅延してしまう、という問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1に提案されている燃料残量検出装置では、車両状態に応じて上述した平均期間を変更することにより、例えば、液面変動の大きい走行中等においては上記平均期間を長くして、燃料残量の精度の低下を防ぎ、または、液面変動の小さい給油中やエンジン始動直前等においては上記平均期間を短くして、残量表示の遅延を防いでいた。
【0005】
また、特許文献2に提案されている燃料残量検出装置では、所定周期毎に取り込んだ燃料残量データについて、所定数毎(即ち、所定の平均期間毎)にまとめたブロック毎の単純平均値を演算したのち、これら単純平均値をさらに平均した重み付き平均値を演算して燃料残量の検出に用いることにより、2度にわたる平均化処理を実行して、燃料残量の精度の低下を防いでいた。また、さらに、最新のブロックデータの分散に基づいて演算された重み付き平均の回数(母数)を用いることにより、液面の変動状態に応じて適宜調整された時間幅の燃料残量データを対象として重み付き平均を演算して燃料残量を検出し、即ち、液面が不安定に変動している場合には、上記回数が多くなって比較的長い時間幅(即ち、平均期間)での燃料残量データに基づいて燃料残量を検出して、または、液面が安定している場合には、上記回数が少なくなって比較的短い時間幅(即ち、平均期間)での燃料残量データに基づいて燃料残量を検出して、燃料残量の精度の低下を防ぐとともに、残量表示の遅延を防いでいた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−10416号公報
【特許文献2】特開平9−287997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、車室空間の拡大化の要求などを背景に、車両内スペースの効率化が求められる車両などにおいては、薄型の燃料タンクが平置きで搭載される場合があるが、このような燃料タンクでは、液面高さの変化に対する燃料残量の変化が非常に大きく、液面高さがわずかに変動しても燃料残量の検出値が大きく変わるので、車両の走行状態などに応じて設定される個々の平均時間について、燃料残量の精度と残量表示の遅延とをバランスよく調整した適切な値を設定するためには、数多くの実験を繰り返し行う必要があるなど多大な工数を要し、そのため、上記平均期間の設定が非常に困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、液面高さの計測に用いる平均時間について、適切な平均時間を容易に求めることができる平均時間設定支援装置、燃料残量検出システム、及び、平均時間設定支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、図1の基本構成図に示すように、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出するに当たり、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援装置50であって、(イ)周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得する液面高さ取得手段51aと、(ロ)前記液面高さ取得手段によって取得された前記液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるスペクトル解析手段51bと、(ハ)前記スペクトル解析手段によって求められた前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する周期算出手段51cと、(ニ)前記周期算出手段によって算出された前記周期を前記平均期間として出力する平均期間出力手段51dと、を有していることを特徴とする平均期間設定支援装置である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、図1の基本構成図に示すように、前記液面高さ取得手段51aによって取得された前記液面高さについて、前記解析期間より短い仮平均期間毎の平均値を算出する仮平均化手段51eを有し、且つ、前記スペクトル解析手段51bが、前記液面高さ取得手段51aによって取得された前記液面高さに代えて、前記仮平均化手段51eによって算出された前記液面高さの平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記周波数毎の振幅値を求める手段であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載された発明は、上記目的を達成するために、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出する燃料残量検出装置と、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援装置と、を有する燃料残量検出システムにおいて、前記平均期間設定支援装置として、請求項1又は2に記載の平均期間設定支援装置を有していることを特徴とする燃料残量検出システムである。
【0012】
請求項4に記載された発明は、上記目的を達成するために、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出するに当たり、液面高さ取得手段と、スペクトル解析手段と、周期算出手段と、平均期間出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援方法であって、(イ)前記液面高さ取得手段によって、周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得する液面高さ取得工程と、(ロ)前記スペクトル解析手段によって、前記液面高さ取得工程で取得された前記液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるスペクトル解析工程と、(ハ)前記周期算出手段によって、前記スペクトル解析工程で求められた前記複数の周波数毎の振幅値中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する周期算出工程と、(ニ)前記平均期間出力手段によって、前記周期算出工程で算出された前記周期を前記平均期間として出力する平均期間出力工程と、を順次有していることを特徴とする平均期間設定支援方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、4に記載された発明によれば、周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得して、この液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めて、前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出して、この算出した周期を平均期間として出力する。このような所定の基準値を超える振幅値に対応する周波数は、それが含まれる元の変動波形の変動幅(即ち、値のばらつき)に最も影響を与えるものであるが、この所定の基準値を超える振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を平均期間として設定して平均値を求めることにより、変動波形に含まれる当該周波数及びそれより高い周波数(即ち、基準値を超える他の周波数含む)における振幅値が小さくなり、必要以上に平均期間を長くすることなく変動波形の変動幅を効率よく縮小することができる。したがって、変動波形の変動幅を効率よく縮小できる、即ち、燃料残量の精度と残量表示の遅延とをバランスよく調整した、適切な平均期間を容易に求めることができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、所定の解析期間にわたり取得された液面高さについて、前記解析期間より短い仮平均期間毎の平均値を算出して、液面高さに代えて、この算出した平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求める。燃料タンクの液面高さは、例えば、道路の凹凸やカーブでの遠心力などを原因として変動するが、これらを原因とする液面高さの変動は比較的緩やかであるので、その変動波形に含まれる周波数成分は、低い周波数成分が多く、その一方で高い周波数成分は少ない。つまり、変動波形に含まれる周波数のうち、低い周波数は振幅値が大きく、高い周波数は振幅値が小さい。そして、予め仮平均期間で平均化した変動波形を用いることにより、仮平均期間を周期とする周波数及びそれより高い周波数における振幅値を小さくして、それらの変動波形への影響をより小さくすることができ、そのため、変動波形の変動幅に最も影響を与える周波数を的確に検出することができる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、請求項1又は2に記載された平均期間設定支援装置によって、燃料残量検出装置において液面高さの計測に用いられる平均期間を出力するので、変動波形の変動幅を効率よく縮小できる、即ち、燃料残量の精度と残量表示の遅延とをバランスよく調整した、適切な平均期間を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の平均期間設定支援装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の燃料残量検出システムの一実施形態を示す構成図である。
【図3】図2の燃料残量検出システムの車両計器が備える燃料計が配置されたコンビネーションメータの正面図である。
【図4】図2に燃料残量検出システムのパーソナルコンピュータの構成図である。
【図5】図4のパーソナルコンピュータが備えるCPUが実行する本発明に係る平均期間設定支援処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図4のパーソナルコンピュータが取得した液面高さ(A/D値)の波形の一例を示すグラフである。
【図7】図6の波形について、仮平均期間毎に算出した液面高さの平均値(A/D値)の波形の一例を示すグラフである。
【図8】図7の液面高さの平均値の変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示すグラフである。
【図9】図8におけるA1の範囲を拡大した波形を示すグラフである。
【図10】図6の波形について、図4のパーソナルコンピュータによって求められた平均期間毎に算出した液面高さの平均値(A/D値)の波形の一例を示すグラフである。
【図11】図10の液面高さの平均値の変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示すグラフである。
【図12】図11におけるA2の範囲を拡大した波形を示すグラフである。
【図13】図2の車両計器の平均期間を従来値とした場合における、燃料残量の検出結果を示すグラフである。
【図14】図2の車両計器の平均期間を図4のパーソナルコンピュータによって求められた値とした場合における、燃料残量の検出結果を示すグラフである。
【図15】図6の液面高さの変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の燃料残量検出システム一実施形態を、を図2〜図15を参照して説明する。
【0018】
図2に示す燃料残量検出システム1を備えた図示しない車両には、薄型の燃料タンク5が平置きに搭載されている。また、燃料タンク5内には、液位検出手段としてのフューエルセンダユニット40が設置されている。
【0019】
フューエルセンダユニット40は、巻線抵抗器VRと、燃料タンク5内の燃料Fの液面Lに浮かぶ図示しないフロートと、を備えている。巻線抵抗器VRは、巻線状の抵抗体を備えており、抵抗体の一端、他端、及び、この抵抗体上を摺動する接点、の3つの端子が設けられている。上記一端は、後述する車両計器10に接続され、上記他端及び上記接点はグランドGNDに接続される。また、上記接点はフロートと連結されており、液面高さに応じて抵抗体上を移動する。そのため、巻線抵抗器VRは、燃料タンク5内に残留する燃料Fの残量、即ち、液面高さに応じて抵抗値が変化する。
【0020】
燃料残量検出システム1は、図2に示すように、燃料残量検出装置としての車両計器10と、平均期間設定支援装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)50と、を備えている。
【0021】
車両計器10は、燃料計20と、制御部30と、固定抵抗器R1、R2と、を備えている。
【0022】
燃料計20は、周知の指針式計器であり、図3に示すように、図示しない車両のインストルメントパネルに配設されるコンビネーションメータ3などに設けられている。燃料計20は、燃料の残量を示す文字や目盛などの複数の指標21が設けられた文字板22と、文字板22の背面側に配置され、後述する制御部30から制御信号に基づいて指針軸を回動させる回動内機(図示なし)と、回動内機の指針軸の先端に固定され、文字板22の前面に沿って回動可能に配置された指針部材23と、を備えている。
【0023】
複数の指標21は、文字板22の外縁に沿って円弧状に配置されている。回動内機は、制御信号として入力されるパルス信号(パルス個数等)に応じて指針軸を回動させる、周知のステッピングモータである。この回動内機は、制御部30と接続されており、該制御部30から送られる燃料の残量に応じた上記パルス信号を受信して、指針軸の先端に固定された指針部材23を文字板22に設けられた指標21に沿って回動させる。そして、これら指標21が指針部材23によって指示されることにより指針部材23と協働して、燃料の残量を表示する。なお、燃料計20は、燃料の残量を示す数値を表示する液晶ディスプレイ装置等で構成してもよい。
【0024】
制御部30は、周知のマイクロコンピュータ(MPU)等で構成されている。MPUは、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、CPUのためのプログラムや各種パラメータを格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種データを格納するとともにCPUの処理作業に必要な領域を有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM、及び、電力供給が断たれた場合でも、格納された各種データの保持が可能であり、CPUの処理作業に必要な各種格納エリアを有するEEPROM等を備えている。
【0025】
また、制御部30は、アナログ電圧をデジタルデータに変換するA/D(Analog/Digital)変換回路、及び、車両内ネットワークであるCAN(Controller Area Network)と接続するためのCAN通信制御部、などの外部インタフェースを備えている。このA/D変換回路には、バッテリなどから供給される電源電圧VCCを固定抵抗器R1とフューエルセンダユニット40の巻線抵抗器VRとで分圧した電圧が、フューエルセンダユニット40の出力電圧(即ち、液面高さ)として、固定抵抗器R2を介して入力されている。A/D変換回路は、入力されたフューエルセンダユニット40の出力電圧(アナログ電圧)をデジタルデータに変換したA/D値(即ち、入力された電圧値を、A/D変換回路に入力可能な電圧範囲を所定の分解能で等分した値であらわす相対値)をCPUに出力する。また、CAN通信制御部には、車両内に敷設されたCANバスに接続されている。
【0026】
ROMには、CPUを、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測する計測手段、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出する平均化手段、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出する燃料残量検出手段、周期的に計測した液面高さをCAN通信制御部を通じてCANバス上に出力する液面高さ出力手段等の各種手段として機能させるプログラムが予め記憶されている。CPUは、ROMに格納された各種プログラムを実行することにより、これら手段等として機能する。また、ROMには、A/D変換回路によって出力されるフューエルセンダユニット40のA/D値に基づいて燃料の残量を検出するための、燃料残量変換テーブルが予め記憶されている。EEPROMには、液面高さの計測に用いる上記平均期間が設定される。又は、上記平均期間は、ROMに設定されていても良い。
【0027】
制御部30(即ち、CPU)は、A/D変換回路によって出力されるフューエルセンダユニット40のA/D値(即ち、車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さ)を周期的(例えば、0.1秒毎)に計測するとともに、EEPROMに予め設定された平均期間において計測された前記A/D値の平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出する。また、制御部30は、CAN通信制御部を通じて、周期的に計測した前記A/D値を示す情報をCANバス上に出力する。
【0028】
パソコン50は、図4に示すように、あらかじめ定められたプログラムに従ってパソコン50の全体の動作の制御などを行うCPU(中央演算処理装置)51を有している。このCPU51には、バスBを介してCPU51のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM52、CPU51の処理作業に必要な各種プログラム及び各種データを格納する作業エリア等を有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM53が接続されている。
【0029】
CPU51には、記憶装置54がバスBを介して接続されており、この記憶装置54にはハードディスク装置や大容量のメモリなどが用いられる。記憶装置54には、液面高さの測定に用いる平均期間を求めるための平均期間設定支援プログラムが格納されている。記憶装置54に格納された平均期間設定支援プログラムは、記憶装置54から読み出されたあとRAM53に格納(ロード)され、CPU51によって実行される。CPU51は、平均期間設定支援プログラムを実行することにより、液面高さ取得手段、スペクトル解析手段、周期算出手段、平均期間出力手段、仮平均化手段、などの各種手段として機能する。
【0030】
CPU51には、入力装置55、表示装置56、及び、外部I/F部57がバスBを介
して接続されている。入力装置55は、キーボード、マウス等を有しており、利用者の操
作に応じた入力情報をCPU51に出力する。表示装置56は、周知である液晶ディスプレイ、CRT等の各種表示器が用いられる。そして、表示装置56は、CPU51の制御によって、例えば、上述した平均期間設定支援プログラムを実行することにより得られた平均期間等の各種情報を表示する。
【0031】
外部I/F部57は、周知のUSBやCAN等の各種インタフェースを備え、これらインタフェースを備える外部機器等を接続するための部位であり、本実施形態においては、外部I/F部57のCANインタフェースが、車両内に敷設されたCANバスに接続されている。
【0032】
次に、燃料残量検出システム1が備えるパソコン50のCPU51が行う本発明に係る動作(平均期間設定支援処理)の一例について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
パソコン50の入力装置55に平均期間設定支援処理を開始する操作が入力されると、パソコン50の記憶装置54に格納された平均期間設定支援プログラムがRAM53上にロードされ、CPU51によって該平均期間設定支援プログラムが実行される。そして、所定の初期化処理が実行された後に、ステップS110に進む。
【0034】
ステップS110では、上述した車両計器10によって周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得する。具体的には、外部I/F部57のCANインタフェースを通じて、車両計器10によってCANバス上に出力されたフューエルセンダユニット40のA/D値(即ち、液面高さ)を示す情報を、予め定められた解析期間(例えば、1024秒間)にわたり取得する。そして、取得した情報を、RAM53上に設けられた液面高さ格納エリアに液面高さとして順次格納する。そして、上記解析期間が経過したのち、ステップS120に進む。
【0035】
ステップS120では、ステップS110で取得した液面高さについて、上記解析期間より短い仮平均期間毎の平均値を算出する。具体的には、上記液面高さ格納エリアから仮平均期間(例えば、25.6秒(=解析期間1024秒÷40))毎の液面高さを順次読み出して、これら仮平均期間における液面高さの平均値(相加平均値)を算出する。例えば、仮平均期間を25.6秒とすると、解析期間1024秒を、(1)0〜25.5秒、(2)25.6秒〜51.1秒、・・・、(40)998.4秒〜1023.9秒、の40区間に分割して、それぞれの区間について液面高さの平均値を算出する。そして、算出した平均値を、RAM53上に設けられた平均値格納エリアに順次格納する。そして、全ての仮平均期間について平均値を算出したのち、ステップS130に進む。
【0036】
ステップS130では、ステップS120で算出した平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求める。具体的には、上記平均値格納エリアから平均値を順次読み出し、これら平均値について周知のフーリエ変換処理を行うことにより、平均値の変動波形に含まれる複数の周波数と、これら各周波数の振幅値と、を算出する。そして、RAM53上に設けられた振幅格納エリアに、算出されたこれら複数の周波数とそれぞれの振幅値とを互いに関連づけて格納する。そして、ステップS140に進む。
【0037】
ステップS140では、ステップS130で算出した平均値の変動波形に含まれる複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する。具体的には、上記振幅格納エリアから振幅値を順次読み出して、所定の基準値(本実施形態においては振幅値6)を超える振幅値を抽出する。そして抽出した振幅値に関連づけて格納された周波数を読み出して、この読み出した周波数のうち最低となる周波数の逆数を、該周波数における周期として算出する。または、振幅値の抽出方法として、上記以外にも、例えば、上記振幅格納エリアから振幅値を順次読み出して、振幅値の上位から5番目までを(即ち、上位から6番目の振幅値を所定の基準値として)抽出するなど、上記平均値の変動波形に大きな影響を与える振幅値(周波数)が得られるのであれば、その方法は任意である。そして、ステップS150に進む。
【0038】
ステップS150では、ステップS140で算出した周期を平均期間として出力する。具体的には、ステップS140で算出した周期を平均期間として、該平均期間を表示(即ち、出力)するための制御信号を生成して、表示装置56に向けて送信する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0039】
上述したステップS110は、請求項中の液面高さ取得手段に相当し、ステップS120は、請求項中の仮平均化手段に相当し、ステップS130は、請求項中のスペクトル解析手段に相当し、ステップS140は、請求項中の周期算出手段に相当し、ステップS150は、請求項中の平均期間出力手段に相当する。また、上述したステップS110は、請求項中の液面高さ取得工程に相当し、ステップS120は、仮平均化工程に相当し、ステップS130は、請求項中のスペクトル解析工程に相当し、ステップS140は、請求項中の周期算出工程に相当し、ステップS150は、請求項中の平均期間出力工程に相当する。
【0040】
次に、上述した燃料残量検出システム1における本発明に係る動作(作用)について、図6〜図12を参照して説明する。
【0041】
燃料タンク5には、予め液面高さの変動幅が最も大きくなる量(例えば、26.1L)の燃料が入れられている。そして、車両の電源が投入されると、燃料残量検出システム1の車両計器10の制御部30は、燃料タンク5に残留する燃料Fの液面高さを示すフューエルセンダユニット40のA/D値を、周期的(例えば、0.1秒毎)に計測する。そして、事前にEEPROM(又は、ROM)に設定された平均期間(例えば、25.6秒)毎に、該平均期間において計測したA/D値の平均値を算出する。そして、この算出したA/D値の平均値を、ROMに記憶されている燃料残量変換テーブルに照らし合わせて、燃料の残量を検出する。そして、制御部30は、この検出した燃料残量値に応じた制御信号を燃料計20に送信し、燃料計20が、この検出した燃料残量値を指示する。また、車両計器10の制御部30は、周期的に計測したフューエルセンダユニット40のA/D値を、CANバス上に出力する。
【0042】
パソコン50は、車両の電源が投入された後に、オペレータの操作により平均期間設定支援処理を開始する。パソコン50(即ち、CPU51)は、車両計器10の制御部30によってCANバス上に出力されたフューエルセンダユニット40のA/D値を、液面高さとして所定の解析期間(例えば、1024秒)にわたり取得する(S110)。図6に、パソコン50が取得した液面高さ(A/D値)の波形の一例を示す。
【0043】
そして、パソコン50は、取得した液面高さについて、所定の仮平均期間(例えば、25.6秒)毎の平均値を算出する(S120)。図7に、図6の波形について、仮平均期間を25.6秒として、この仮平均期間毎に算出した液面高さの平均値(A/D値)の波形の一例を示す。
【0044】
そして、パソコン50は、液面高さの平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求める(S130)。図8に、図7の液面高さの平均値の変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示す。
【0045】
そして、パソコン50は、液面高さの平均値の変動波形に含まれる複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値(即ち、振幅値6)を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する。図9に、図8におけるA1の範囲を拡大した波形を示す。例えば、図9においては、円Wに囲われた箇所が上記最低となる周波数の振幅であり、このときの周波数が0.005Hzであるので、周期は200秒になる。また、図9の線K1は、仮平均期間25.6秒を周期とした周波数0.039Hzに対応しており、この線K1より右側の周波数は、周波数0.039Hzより高い周波数であり、この線K1より左側の周波数は、周波数0.039Hzより低い周波数である。そして、線K1より右側の周波数の振幅は、線K1より左側の周波数の振幅より、極端に小さくなり、仮平均化の効果が現れている。
【0046】
そして、パソコン50は、算出した周期を平均期間として、表示装置56に表示する。そして、このようにして求めた平均期間を、車両計器10の生産工程にフィードバックして、新たに生産する車両計器10の制御部30のEEPROM(又は、ROM)に設定する。そして、車両計器10は、この周期200秒で平均化処理を行うことで、0.005Hz以上の高い周波数の振幅値が小さくなる(即ち、平均化処理がローパスフィルタとして機能して、振幅を減衰させる)。換言すると、0.005Hz以下の周波数の振幅値を小さくするような平均化処理を行う必要がないので、平均期間を必要以上に長く設定することが無くなる。
【0047】
図10に、図6の波形について、平均期間をパソコン50によって求められた値(200秒)として、この平均期間毎に算出した液面高さの平均値(A/D値)の波形の一例を示す。また、図11に、図10の液面高さの平均値の変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示す。また、図12に、図11におけるA2の範囲を拡大した波形を示す。図12のK2線は、平均期間200秒を周期とした周波数0.005Hzに対応しており、このK2線より右側の周波数は、周波数0.005Hzより高い周波数であり、このK2線より左側の周波数は、周波数0.005Hzより低い周波数である。
【0048】
図12おいて、円Vで囲われた箇所が最大振幅値となる周波数であるが、この周波数は0Hzであり、即ち、液面高さの平均値の変動波形の変動幅に影響を与えないものである。そのため、次に大きい振幅値である円Uに囲われた箇所が、変動波形の変動幅に最も影響を与える周波数となるが、この周波数における振幅値が、図9のグラフにおける、円Wで囲われた箇所の振幅値などと比較して、非常に小さくなる。したがって、上述したようにパソコン50によって求められた平均期間を用いることにより、変動波形の変動幅を効率よく縮小でき、即ち、燃料残量の精度と残量表示の遅延とをバランスよく調整できる。
【0049】
また、本発明者らは、本発明の効果を確認するための試験を実施した。
【0050】
燃料タンク5は、概ね扁平な直方体形状に形成されているが、それが設置される車両スペースの形状に合わせて複雑な凹凸が設けられている。そのため、燃料タンク5内に残留する燃料Fの液面高さと燃料残量とは、ある区間に限れば線形関係(比例関係)であるものの、全区間でみると線形関係でなく、また、燃料残量によって液面高さの変動幅も異なる。そして、本発明者らは、上述した車両計器10の平均期間を、従来値(25.6秒)、及び、上述したパソコン50で液面高さの変動幅が最も大きくなる燃料残量時において求めた値(200秒)としたそれぞれの場合について、互いに異なる複数の燃料残量となるように燃料タンク5に燃料を投入し且つ燃料タンク5に実走行状態に近い揺動を与えて、各燃料残量を検出する試験を行った。その結果を、図13、図14に示す。各図において、検出した燃料残量の平均値(AVR)と、平均値に標準偏差σの3倍を加減算した値(AVR±3σ)と、を示している。即ち、各燃料残量について、検出値のほぼ全て(99%以上)が含まれる範囲を示している。
【0051】
図13は、車両計器10の平均期間を従来値とした場合における、燃料残量の検出結果を示しており、図14は、車両計器10の平均期間をパソコン50で求めた値とした場合における、燃料残量の検出結果を示している。これら図によれば、図13では、隣接する燃料残量について検出値の範囲が重複している(D1〜D4)ので、燃料残量の誤検出の恐れがあり、その一方で、図13では、隣接する燃料残量について検出値の範囲が重複することがないので、燃料残量の誤検出を回避できることが判る。
【0052】
以上より、本発明によれば、周期的に計測される液面高さを所定の解析期間にわたり取得して、この液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めて、前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出して、この算出した周期を平均期間として出力する。このような所定の基準値を超える振幅値に対応する周波数は、それが含まれる元の変動波形の変動幅(即ち、値のばらつき)に最も影響を与えるものであるが、この所定の基準値を超える振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を平均期間として設定して平均値を求めることにより、変動波形に含まれる当該周波数及びそれより高い周波数(即ち、基準値を超える他の周波数含む)における振幅値が小さくなり、必要以上に平均期間を長くすることなく変動波形の変動幅を効率よく縮小することができる。したがって、変動波形の変動幅を効率よく縮小できる、即ち、燃料残量の精度と残量表示の遅延とをバランスよく調整した、適切な平均期間を容易に求めることができる。
【0053】
また、所定の解析期間にわたり取得された液面高さについて、前記解析期間より短い仮平均期間毎の平均値を算出して、液面高さに代えて、この算出した平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求める。燃料タンクの液面高さは、例えば、道路の凹凸やカーブでの遠心力などを原因として変動するが、これらを原因とする液面高さの変動は比較的緩やかであるので、その変動波形に含まれる周波数成分のうち、低い周波数成分は多く、その一方で高い周波数成分は少ない。つまり、変動波形に含まれる周波数のうち、低い周波数は振幅値が大きく、高い周波数は振幅値が小さい。そして、予め仮平均期間で平均化した変動波形を用いることにより、仮平均期間を周期とする周波数及びそれより高い周波数における振幅値を小さくして、それらの変動波形への影響をより小さくすることができ、そのため、変動波形の変動幅に最も影響を与える周波数を的確に検出することができる。
【0054】
上述した本実施形態においては、液面高さの平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、液面高さの変動波形について、仮平均期間毎の平均値を求めることなく、その変動波形を直接用いて、該変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるものであってもよい。つまり、上述した図5のフローチャートにおいて、ステップS120の処理を省略してもよい。図15に、図6の液面高さの変動波形についてフーリエ変換処理を行って得た波形の一例を示す。
【0055】
また、本実施形態においては、パソコン50を用いて、適切な平均期間を求めるものであったが、これに限定されるものではなく、車両計器10が備える制御部30のCPUによって、上述した平均期間設定支援処理(図5のフローチャートに示す処理)を行うようにしてもよい。例えば、車両計器10は、その動作状態が各種パラメータなどを設定するメンテナンスモード等に移行した場合において、上記平均期間を算出する。そして、この算出した平均期間を、自らEEPROMの設定を更新したり、車両計器10が液晶ディスプレイ装置を備えている場合は該装置に表示したりする。この場合、車両計器10が平均期間設定支援装置及び燃料残量検出システムに相当する。
【0056】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 燃料残量検出システム
5 燃料タンク
10 車両計器(燃料残量検出装置)
20 燃料計
30 制御部
40 フューエルセンダユニット
50 パーソナルコンピュータ(平均期間設定支援装置)
51 CPU(液面高さ取得手段、スペクトル解析手段、周期算出手段、平均期間出力手段、仮平均化手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出するに当たり、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援装置であって、
(イ)周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得する液面高さ取得手段と、
(ロ)前記液面高さ取得手段によって取得された前記液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるスペクトル解析手段と、
(ハ)前記スペクトル解析手段によって求められた前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する周期算出手段と、
(ニ)前記周期算出手段によって算出された前記周期を前記平均期間として出力する平均期間出力手段と、
を有していることを特徴とする平均期間設定支援装置。
【請求項2】
前記液面高さ取得手段によって取得された前記液面高さについて、前記解析期間より短い仮平均期間毎の平均値を算出する仮平均化手段を有し、且つ、
前記スペクトル解析手段が、前記液面高さ取得手段によって取得された前記液面高さに代えて、前記仮平均化手段によって算出された前記液面高さの平均値の変動波形に含まれる複数の周波数について、前記周波数毎の振幅値を求める手段である
ことを特徴とする請求項1に記載の平均期間設定支援装置。
【請求項3】
車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出する燃料残量検出装置と、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援装置と、を有する燃料残量検出システムにおいて、
前記平均期間設定支援装置として、請求項1又は2に記載の平均期間設定支援装置を有していることを特徴とする燃料残量検出システム。
【請求項4】
車両の燃料タンクに残留する燃料の液面高さを周期的に計測するとともに、予め設定された平均期間において計測された前記液面高さの平均値を算出して、この平均値に基づいて前記燃料タンク内の前記燃料の残量を検出するに当たり、液面高さ取得手段と、スペクトル解析手段と、周期算出手段と、平均期間出力手段と、を備えたコンピュータを用いて、前記液面高さの計測に用いる平均期間の設定を支援する平均期間設定支援方法であって、
(イ)前記液面高さ取得手段によって、周期的に計測される前記液面高さを所定の解析期間にわたり取得する液面高さ取得工程と、
(ロ)前記スペクトル解析手段によって、前記液面高さ取得工程で取得された前記液面高さの変動波形に含まれる複数の周波数について、前記複数の周波数毎の振幅値を求めるスペクトル解析工程と、
(ハ)前記周期算出手段によって、前記スペクトル解析工程で求められた前記複数の周波数毎の振幅値の中から所定の基準値を超える振幅値を抽出し、抽出した振幅値に対応する周波数のうち最低となる周波数の周期を算出する周期算出工程と、
(ニ)前記平均期間出力手段によって、前記周期算出工程で算出された前記周期を前記平均期間として出力する平均期間出力工程と、
を順次有していることを特徴とする平均期間設定支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−180105(P2011−180105A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47525(P2010−47525)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】