説明

平板表示装置及び平板表示装置の製造方法

【課題】平板表示装置及び平板表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】画像を具現する表示部を一面に備える基板と、基板の一面を覆い、第1電源が印加される第1金属層、第2電源が印加される第2金属層、及び第1金属層と第2金属層との間に介在された絶縁層を備え、基板から第1金属層、絶縁層及び第2金属層が順次に積層されて形成された金属材の封止基板と、基板と金属材の封止基板との間に充填されて、両者を結合させる密封材と、金属材の封止基板の第1金属層に固定されて、第1電源を印加する第1電源印加部、金属材の封止基板の第2金属層に固定されて、第2電源を印加する第2電源印加部、及び第1電源印加部と第2電源印加部との間に備えられて、両者を絶縁する絶縁部を備え、金属材の封止基板に磁力で固定される電源印加素子と、を備える平板表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板表示装置に係り、特に金属材の封止基板を使用する平板表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、有機発光表示装置のような平板表示装置は、駆動の特性上、薄型化及びフレキシブル化が可能であって、これについての多くの研究が行われている。かかる有機発光表示装置は、水分の浸透により表示部が劣化する特性がある。したがって、外部からの水分の浸透を防止するために、表示部を密封して保護する封止構造を必要とする。かかる封止構造として、表示部が形成された基板に封止基板を覆って、シーラントで密封させる構造が採用される。ここで、封止基板は、ガラス材質を使用できる。しかし、平板表示装置が大型化されるにつれて、封止基板としてガラス材質を使用することは、価格競争力が低下し、工程が困難であるという問題点がある。
【0003】
したがって、他の材質の封止基板を使用する方案が要求され、他の材質の封止基板を使用するとき、それに合う電源印加素子及びそれに合う電源印加素子を設置する方法を開発する方案も共に要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前述した問題点を解決するために、金属材の封止基板を使用し、金属材の封止基板に簡便に設置される電源印加素子を備える平板表示装置及びその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による平板表示装置は、画像を具現する表示部を一面に備える基板と、前記基板の一面を覆い、第1電源が印加される第1金属層、第2電源が印加される第2金属層、及び第1金属層と前記第2金属層との間に介在された絶縁層を備え、前記基板から前記第1金属層、前記絶縁層及び前記第2金属層が順次に積層されて形成された金属材の封止基板と、前記基板と前記金属材の封止基板との間に充填されて、両者を結合させる密封材と、前記金属材の封止基板の前記第1金属層に固定されて、前記第1電源を印加する第1電源印加部、前記金属材の封止基板の前記第2金属層に固定されて、前記第2電源を印加する第2電源印加部、及び前記第1電源印加部と前記第2電源印加部との間に備えられて、両者を絶縁する絶縁部を備え、前記金属材の封止基板に磁力で固定される電源印加素子と、を備える。
【0006】
本発明の一側面によれば、前記第1金属層及び第2金属層は、アルミニウム、鉄、銅、モリブデン、銀、タングステン及びチタンのうち一つ以上の金属を含む。
【0007】
本発明の一側面によれば、前記絶縁層は、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンのうち選択された一つ以上の物質を含む。
【0008】
本発明の一側面によれば、前記密封材は、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤及びアクリル系接着剤のうち選択された一つ以上の物質を含む。
【0009】
本発明の一側面によれば、前記金属材の封止基板は、前記第1金属層と前記絶縁層との間に形成された第1粘着層と、前記絶縁層と前記第2金属層との間に形成された第2粘着層と、をさらに備える。
【0010】
本発明の一側面によれば、前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、前記密封材と同じ物質を含む。
【0011】
本発明の一側面によれば、前記金属材の封止基板の面積は、前記基板の面積より大きい。
【0012】
本発明の一側面によれば、前記金属材の封止基板は、前記基板の一面を覆う第1部分と、前記第1部分の一端のエッジが、前記基板より長く飛び出して面積を有するように形成された第2部分と、を備え、前記第2部分は、前記第1部分と前記第2部分との境界で、前記第1部分と重なるように折り畳まれる。
【0013】
本発明の一側面によれば、前記第2部分は、前記基板の反対側に折り畳まれる。
【0014】
本発明の一側面によれば、前記第2部分の四つのエッジのうち、前記第1部分から第2部分に延びる方向に位置した一つのエッジには、前記絶縁層が長く飛び出して面積を有するように形成される。
【0015】
本発明の一側面によれば、前記第1電源印加部は、磁石を備え、磁力を通じて折り畳まれた第2部分に固定されるように一端に備えられた第1固定部と、前記折り畳まれた第2部分に直接接触して、前記第1電源を前記第1金属層に印加するように他端に備えられた第1接続部と、を備える。
【0016】
本発明の一側面によれば、前記第1固定部は、前記折り畳まれた第2部分と接触される下面に備えられた第1接着部をさらに備える。
【0017】
本発明の一側面によれば、前記第2電源印加部は、磁石を備え、磁力を通じて残りの第1部分に固定されるように一端に備えられた第2固定部と、前記残りの第1部分と直接接触して、前記第2電源を前記残りの第1部分の前記第2金属層に印加するように他端に備えられた第2接続部と、を備える。
【0018】
本発明の一側面によれば、前記第2固定部は、前記残りの第1部分と接触される下面に備えられた第2接着部をさらに備える。
【0019】
本発明の一側面によれば、前記第1接着部及び第2接着部は、両面テープを含む。
【0020】
本発明の実施形態による平板表示装置の製造方法は、画像を具現する表示部を一面に備える基板を提供するステップと、前記基板の一面に密封材を配置するステップと、第1部分が前記基板の一面を覆い、第2部分は、前記基板より長く飛び出すように、前記密封材上に金属材の封止基板を配置するステップと、前記金属材の封止基板の第2部分を、前記第1部分と前記第2部分との境界で前記第1部分と重なるように折り畳むステップと、前記金属材の封止基板上に磁力で固定される電源印加素子を配置するステップと、を含む。
【0021】
本発明の一側面によれば、前記金属材の封止基板を折り畳むステップで、前記第2部分は、前記基板の反対側に折り畳む。
【0022】
本発明の一側面によれば、前記金属材の封止基板は、第1電源が印加される第1金属層、第2電源が印加される第2金属層、及び前記第1金属層と前記第2金属層との間に介在された絶縁層を備え、前記基板から前記第1金属層、前記絶縁層及び前記第2金属層が順次に積層されるように、前記金属材の封止基板を配置する。
【0023】
本発明の一側面によれば、前記電源印加素子は、前記金属材の封止基板に第1電源を印加する第1電源印加部、前記金属材の封止基板に第2電源を印加する第2電源印加部、及び前記第1電源印加部と前記第2電源印加部との間に備えられて、両者を絶縁する絶縁部を備え、前記電源印加素子を配置するとき、前記第1電源印加部は、折り畳まれた第2部分に配置し、前記第2電源印加部は、残りの第1部分に配置する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態による平板表示装置及びその製造方法は、次のような効果を有する。
【0025】
第1に、金属材の封止基板を使用することで、価格競争力を有した大型の平板表示装置の製造が可能である。
【0026】
第2に、金属材の封止基板に磁力を利用して電源印加素子を固定することで、ソルダリングのような複雑な設置工程が不要であるので簡便であり、接着剤のみを使用して固定する時より不良率が低いという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態による電源印加素子を備えた平板表示装置を概略的に示した斜視図及び断面図である。
【図2】図1に示した平板表示装置のうち一部を拡大して示した断面図である。
【図3】図1に示した電源印加素子を拡大して示した断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図5】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図6】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図7】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図8】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図9】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図10】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【図11】本発明の一実施形態による平板表示装置を製造する方法を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、多様な変換を加え、色々な実施形態を有するところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されねばならない。本発明を説明するにおいて、関連した公知の技術についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は、用語により限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0030】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、“備える”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されねばならない。
【0031】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態についてより詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による電源印加素子300を備えた平板表示装置1を概略的に示した斜視図及び断面図である。図2は、図1に示した平板表示装置1のうち一部を拡大して示した断面図である。図3は、図1に示した電源印加素子300を拡大して示した断面図である。
【0033】
図1を参照すれば、平板表示装置1は、基板100、金属材の封止基板200、基板100と金属材の封止基板200との間の密封材50、及び金属材の封止基板200上に配置された電源印加素子300を備える。
【0034】
基板100は、SiOを主成分とする透明なガラス材基板100を使用できるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0035】
基板100の一面には、表示部40が備えられて画像を具現する。
【0036】
表示部40は、画像を具現できる多様な表示素子を含む。例えば、有機発光素子、無機発光素子、液晶素子または電気泳動素子などを含む。
【0037】
表示部40を備える基板100の一面には、表示部40を封止する金属材の封止基板200が配置される
金属材の封止基板200は、図1に示したように基板の形状であってもよく、シートの形状であってもよい。
【0038】
図2を参照すれば、金属材の封止基板200は、第1金属層201、第2金属層202、及び第1金属層201と第2金属層202との間の絶縁層210を備える。
【0039】
第1金属層201及び第2金属層202は、封止基板の一部であって、表示部40を密封する役割を行うと共に、電源印加素子300から印加された電源を表示部40に伝達する経路の役割も行う。
【0040】
第1金属層201には、電源印加素子300から第1電源が印加され、第2金属層202には、電源印加素子300から第2電源が印加される。図示していないが、第1金属層201は、表示部40と電気的にカップリングされて、電源印加素子300から印加された第1電源を表示部40に含まれた電子素子に伝達する。また、第2金属層202も、表示部40と電気的にカップリングされて、電源印加素子300から印加された第2電源を表示部40に含まれた電極に伝達する。表示部40が有機発光素子(OLED)を含む場合、第1電源はELVDDであって、ピクセルに含まれたトランジスタに印加され、第2電源はELVSSであって、カソード電極に印加される。しかし、本発明は、これに限定されない。
【0041】
第1金属層201及び第2金属層202は、アルミニウム、鉄、銅、モリブデン、銀、タングステン及びチタンのうち一つ以上の金属を含む。しかし、これらに限定されず、ステンレススチール、インバー及びマグネシウムから選択された一つ以上の金属物質を含んでもよい。特に、第1金属層201及び第2金属層202は、電気伝導性のよい銅を含むことが望ましい。なぜならば、金属材の封止基板200が電源印加素子300から表示部40に電源を伝達するとき、IRドロップを最小化できるためである。
【0042】
第1金属層201及び第2金属層202は、数ないし数十μmの厚さを有する。
【0043】
絶縁層210は、第1金属層201と第2金属層202との間に配置されて、両者を絶縁する。絶縁層210がなければ、相異なる電源が印加される両金属層201,202の間にショートが起こりうる。絶縁層210は、第1金属層201または第2金属層202の面積より大きい。
【0044】
絶縁層210は、フィルム形態で、数ないし数十μmの厚さを有する。図2では、絶縁層210の厚さが第1金属層201及び第2金属層202より薄く示しているが、本発明は、これに限定されず、絶縁層210の厚さが第1金属層201及び第2金属層202より厚くてもよい。絶縁層210は、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの絶縁有機物、または酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンなどの絶縁無機物のうち選択された一つ以上の物質を含む。
【0045】
第1金属層201と絶縁層210との間には、第1粘着層211が形成され、第2金属層202と絶縁層210との間には、第2粘着層212が形成される。ここで、第1粘着層211及び第2粘着層212は、各金属層201,202と絶縁層210とを接着する役割を行う。
【0046】
第1粘着層211及び第2粘着層212は、数ないし数十μmの厚さを有するが、例えば、絶縁層210と同じ厚さを有する。第1粘着層211及び第2粘着層212は、エポキシ系接着剤、シリコン系粘着剤及びアクリル系粘着剤から選択された一つ以上の物質を含む。第1粘着層211及び第2粘着層212は、密封材50と同じ物質を含む。
【0047】
金属材の封止基板200は、約数μmの厚さまで薄型に製造可能であるため、ガラス材の封止基板を使用することに比べて、薄型のディスプレイを具現できる。また、金属材の封止基板200は、ガラス材の封止基板より価格が低いため、材料費を低減できる。そして、金属材の封止基板200は、ガラス材の封止基板と異なり、40インチ以上の大型の平板表示装置1に適用できる。
【0048】
図1に示した本発明の一実施形態によれば、金属材の封止基板200は、一端のエッジが基板100より長く飛び出し、長く飛び出した金属材の封止基板200の一端のエッジは、金属材の封止基板200の上面側に折り畳まれたことを特徴とする。そして、金属材の封止基板200の折り畳まれた部分と折り畳まれていない部分いずれもにわたって電源印加素子300が配置されることを特徴とする。
【0049】
電源印加素子300から供給された第1電源は、金属材の封止基板200の第1金属層201に印加され、供給された第2電源は、第2金属層202にそれぞれ印加されねばならない。しかし、金属材の封止基板200により基板100を覆った場合、外部面は、第1金属層201または第2金属層202のうち一つの金属層のみが表れるため、反対側面の金属層を外部に引き出せねばならないという問題が発生する。かかる問題を解決するために、本発明の実施形態によれば、金属材の封止基板200の一側面のエッジを折り畳んで、反対側面の金属層を外部面に引き出すことができるのである。詳細な事項は、平板表示装置1の製造方法を説明する時に共に説明する。
【0050】
図3を参照すれば、電源印加素子300は、金属材の封止基板200上に磁力で固定されて、金属材の封止基板200を通じて表示部40に電源を供給する。
【0051】
電源印加素子300は、第1電源印加部310、第2電源印加部320、及び第1電源印加部310と第2電源印加部320との間に備えられた絶縁部330を備える。
【0052】
第1電源印加部310は、金属材の封止基板200の第1金属層201が表れた部分に固定されて、第1金属層201に第1電源を印加する。一方、第2電源印加部320は、金属材の封止基板200の第2金属層202が表れた部分に固定されて、第2金属層202に第2電源を印加する。
【0053】
第1電源印加部310は、第1固定部312と第1接続部311とを備える。第1固定部312は、磁石を備える。したがって、第1固定部312は、磁力を通じて第1金属層201に固定される。一方、第1金属層201と直接接触する第1固定部312の下面には、両面テープが備えられた第1接着部313をさらに備える。第1接続部311は、第1金属層201と直接接触して、第1電源を第1金属層201に伝達する。
【0054】
第2電源印加部320は、第2固定部322と第2接続部321とを備える。第2固定部322は、磁石を備える。したがって、第2固定部322は、磁力を通じて第2金属層202に固定される。一方、第2金属層202と直接接触する第2固定部322の下面には、両面テープが備えられた第2接着部323をさらに備える。第2接続部321は、第2金属層202と直接接触して、第2電源を第2金属層202に伝達する。
【0055】
一方、絶縁層210は、相異なる電源を印加する第1電源印加部310と第2電源印加部320との間に位置して両者を絶縁することで、ショートを防止する。
【0056】
結局、電源印加素子300は、それぞれ固定部を通じて、金属材の封止基板200に磁力で固定される。したがって、電源印加素子300を封止基板に固定するために、ソルダリングを行うなど複雑な工程が不要である。
【0057】
基板100と金属材の封止基板200との間には、密封材50が備えられる。
【0058】
密封材50は、エポキシ系接着剤、シリコン系粘着剤及びアクリル系粘着剤から選択された一つ以上の物質を含む。
【0059】
密封材50は、図1に示したように、表示部40の外郭を取り囲むように、基板100のエッジに配置される。しかし、これに限定されず、基板100の一面及び基板100上に形成された表示部40の全体を覆うように、密封材50を塗布してもよい。
【0060】
以下では、図1に示した平板表示装置1を製造する方法を、図4ないし図11を参照して順次に説明する。
【0061】
図4は、平板表示装置1の製造過程の一平面図を示したものであり、図5は、図4のII−II´に沿って切断した断面図を示したものである。
【0062】
図4及び図5を参照すれば、画像を具現する表示部40を一面に備える基板100を提供する。次いで、基板100の一面に密封材50を配置し、密封材50上に金属材の封止基板200を配置する。
【0063】
金属材の封止基板200は、基板100から第1金属層201、絶縁層210、第2金属層202が順次に積層されるように配置する。
【0064】
金属材の封止基板200の面積は、基板100の面積より大きいことを特徴とする。具体的に、金属材の封止基板200の一端のエッジは、基板100より長く飛び出している。説明の便宜上、金属材の封止基板200を、第1境界線Qを挟んで第1部分A及び第2部分Bに分ける。ここで、第1境界線Qの位置は、基板100の長辺部の長さにより決定される。第1部分Aは、基板100の一面を覆う部分である。第2部分Bは、第1部分Aの一端のエッジが前記基板100より長く飛び出して面積を有するように形成された部分である。
【0065】
一方、金属材の封止基板200に備えられた絶縁層210のエッジが、第1金属層201または第2金属層202より長く飛び出す。特に、図4及び図5に示したように、金属材の封止基板200の第2部分Bの四つのエッジのうち、第1部分Aから第2部分Bに延びる方向に位置した一つのエッジD側には、絶縁層210が長く飛び出して面積を有するように形成される。
【0066】
絶縁層210が飛び出すように形成されることで、この後、第2部分Bを折り畳んだ時、第2部分Bの終端と第1部分Aとが当接して、第2部分Bの第1金属層201に流れる第1電源と、第1部分Aの第2金属層202に流れる第2電源とのショートが起こることを防止できる。
【0067】
図6は、平板表示装置1の製造過程の他の平面図を示したものであり、図7は、図6のIII−III´に沿って切断した断面図を示したものである。
【0068】
図6及び図7を参照すれば、金属材の封止基板200の第2部分Bを第1部分Aと重なるように折り畳む。この時、第2部分Bは、第1部分Aと第2部分Bとの第1境界線Qを基準として折り畳み、基板100の反対側に折り畳む。ここで、基板100の反対側とは、表示部40に向かう側ではなく、金属材の封止基板200の上面に向かう側であって、第1部分Aと折り畳む第2部分Bが当接するように折り畳む。
【0069】
その結果、図6及び図7を参照すれば、金属材の封止基板200は、第2境界線Wを挟んで折り畳まれた第2部分B´と残りの第1部分A´とに区別される。以下では、折り畳まれた第2部分B´は、図4の第2部分Bと区別してB´と表示し、残りの第1部分A´は、図4の第1部分Aと区別してA´と表示する。折り畳まれた第2部分B´は、第2部分Bが折り畳まれて第1部分Aと重なる領域を意味し、第1金属層201が表れる領域である。残りの第1部分A´は、第1部分Aで重なった第2部分を除いた残りの領域を意味し、第2金属層202が表れる領域である。
【0070】
図8及び図9を参照して、金属材の封止基板200を折り畳んだ後の構造を詳細に説明する。
【0071】
図8は、折り畳まれた第2部分B´を示したものである。金属材の封止基板200は、基板100から第1金属層201、絶縁層210及び第2金属層202が順次に積層された構造である。したがって、折り畳まれた第2部分B´の上面に一番下部に位置した第1金属層201が表れる。
【0072】
図9は、折り畳まれた第2部分B´及び残りの第1部分A´の境界を示したものである。残りの第1部分A´は、第2金属層202が露出される。すなわち、第2境界線Wを挟んで第1金属層201及び第2金属層202がいずれも金属材の密封基板200の上面に表れる。一方、前述したように絶縁層210の一端のエッジが長く飛び出すので、第1金属層201に流れる第1電源と第2金属層202に流れる第2電源とがショートされる恐れがない。
【0073】
図10は、平板表示装置1の製造方法の一平面図を示したものであり、図11は、図10のIV−IV´に沿って切断した断面図を示したものである。
【0074】
次いで、図10及び図11を参照すれば、金属材の封止基板200上に磁力で固定される電源印加素子300を配置する。
【0075】
ここで、電源印加素子300を配置するとき、第1電源印加部310は、折り畳まれた第2部分B´に配置し、第2電源印加部320は、残りの第1部分A´に配置する。
【0076】
第1電源印加部310に備えられた第1固定部312は、磁石を備えるので、磁力を通じて折り畳まれた第2部分B´に固定される。一方、第1接続部311は、折り畳まれた第2部分B´により表れる第1金属層201に直接接触して、第1電源を印加する。
【0077】
同じ方式で第2電源印加部320に備えられた第2固定部322は、磁石を備えるので、磁力を通じて残りの第1部分A´に固定される。一方、第2接続部321は、残りの第1部分A´により表れる第2金属層202に直接接触して、第2電源を印加する。
【0078】
さらに、第1固定部312及び第2固定部322は、両面テープを含む第1接着部313及び第2接着部323を備えるので、金属材の封止基板200にさらに堅固に固定される。
【0079】
本発明の実施形態によれば、電源印加素子300に備えられた磁石により、電源印加素子300をソルダリングのような複雑な工程なしに金属材の封止基板200に容易に固定できる。そして、金属材の封止基板200の一端のエッジを折り畳んで、上面に第1金属層201及び第2金属層202がいずれも表れるようにすることで、単一の電源印加素子300を上面に付着して、表示部40に第1電源及び第2電源を一回に供給できる。
【0080】
一方、前記図面に示した構成要素は、説明の便宜上、拡大または縮小して表示されうるので、図面に示した構成要素の大きさや形状に本発明が拘束されるものではなく、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 平板表示装置
40 表示部
50 密封材
100 基板
200 金属材の封止基板
300 電源印加素子
201 第1金属層
202 第2金属層
210 絶縁層
211 第1粘着層
212 第2粘着層
310 第1電源印加部
311 第1接続部
312 第1固定部
313 第1接着部
320 第2電源印加部
321 第2接続部
322 第2固定部
323 第2接着部
330 絶縁部
A 第1部分
B 第2部分
A´ 残りの第1部分
B´ 折り畳まれた第2部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を具現する表示部を一面に備える基板と、
前記基板の一面を覆い、第1電源が印加される第1金属層、第2電源が印加される第2金属層、及び前記第1金属層と前記第2金属層との間に介在された絶縁層を備え、前記基板から前記第1金属層、前記絶縁層及び前記第2金属層が順次に積層されて形成された金属材の封止基板と、
前記基板と前記金属材の封止基板との間に充填されて、両者を結合させる密封材と、
前記金属材の封止基板の前記第1金属層に固定されて、前記第1電源を印加する第1電源印加部、前記金属材の封止基板の前記第2金属層に固定されて、前記第2電源を印加する第2電源印加部、及び前記第1電源印加部と前記第2電源印加部との間に備えられて、両者を絶縁する絶縁部を備え、前記金属材の封止基板に磁力で固定される電源印加素子と、を備えることを特徴とする平板表示装置。
【請求項2】
前記第1金属層及び第2金属層は、アルミニウム、鉄、銅、モリブデン、銀、タングステン及びチタンのうち一つ以上の金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項3】
前記絶縁層は、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンのうち選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項4】
前記密封材は、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤及びアクリル系接着剤のうち選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項5】
前記金属材の封止基板は、
前記第1金属層と前記絶縁層との間に形成された第1粘着層と、
前記絶縁層と前記第2金属層との間に形成された第2粘着層と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項6】
前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、前記密封材と同じ物質を含むことを特徴とする請求項5に記載の平板表示装置。
【請求項7】
前記金属材の封止基板の面積は、前記基板の面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項8】
前記金属材の封止基板は、
前記基板の一面を覆う第1部分と、
前記第1部分の一端のエッジが、前記基板より長く飛び出して面積を有するように形成された第2部分と、を備え、
前記第2部分は、前記第1部分と前記第2部分との境界で、前記第1部分と重なるように折り畳まれたことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項9】
前記第2部分は、前記基板の反対側に折り畳まれたことを特徴とする請求項8に記載の平板表示装置。
【請求項10】
前記第2部分の四つのエッジのうち、前記第1部分から第2部分に延びる方向に位置した一つのエッジには、前記絶縁層が長く飛び出して面積を有するように形成されることを特徴とする請求項8に記載の平板表示装置。
【請求項11】
前記第1電源印加部は、
磁石を備え、磁力を通じて折り畳まれた第2部分に固定されるように一端に備えられた第1固定部と、
前記折り畳まれた第2部分に直接接触して、前記第1電源を前記第1金属層に印加するように他端に備えられた第1接続部と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の平板表示装置。
【請求項12】
前記第1固定部は、前記折り畳まれた第2部分と接触される下面に備えられた第1接着部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の平板表示装置。
【請求項13】
前記第2電源印加部は、
磁石を備え、磁力を通じて残りの第1部分に固定されるように一端に備えられた第2固定部と、
前記残りの第1部分と直接接触して、前記第2電源を前記残りの第1部分の前記第2金属層に印加するように他端に備えられた第2接続部と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の平板表示装置。
【請求項14】
前記第2固定部は、前記残りの第1部分と接触される下面に備えられた第2接着部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の平板表示装置。
【請求項15】
前記第1接着部は、両面テープを含むことを特徴とする請求項12に記載の平板表示装置。
【請求項16】
前記第2接着部は、両面テープを含むことを特徴とする請求項14に記載の平板表示装置。
【請求項17】
画像を具現する表示部を一面に備える基板を提供するステップと、
前記基板の一面に密封材を配置するステップと、
第1部分が前記基板の一面を覆い、第2部分は前記基板より長く飛び出すように、前記密封材上に金属材の封止基板を配置するステップと、
前記金属材の封止基板の第2部分を、前記第1部分と前記第2部分との境界で、前記第1部分と重なるように折り畳むステップと、
前記金属材の封止基板上に磁力で固定される電源印加素子を配置するステップと、を含むことを特徴とする平板表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記金属材の封止基板を折り畳むステップで、前記第2部分は、前記基板の反対側に折り畳むことを特徴とする請求項17に記載の平板表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記金属材の封止基板は、第1電源が印加される第1金属層、第2電源が印加される第2金属層、及び前記第1金属層と前記第2金属層との間に介在された絶縁層を備え、
前記基板から前記第1金属層、前記絶縁層及び前記第2金属層が順次に積層されるように、前記金属材の封止基板を配置することを特徴とする請求項18に記載の平板表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記電源印加素子は、前記金属材の封止基板に第1電源を印加する第1電源印加部、前記金属材の封止基板に第2電源を印加する第2電源印加部、及び前記第1電源印加部と前記第2電源印加部との間に備えられて、両者を絶縁する絶縁部を備え、
前記電源印加素子を配置するとき、前記第1電源印加部は、折り畳まれた第2部分に配置し、前記第2電源印加部は、残りの第1部分に配置することを特徴とする請求項19に記載の平板表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−151094(P2012−151094A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267170(P2011−267170)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】