説明

平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法

【課題】使用済みの平版印刷版を再利用してもアルミニウム純度や微量金属含有量の品質保証を確保した上で、エネルギーロス、収率ロスを顕著に低減することができる。
【解決手段】付着物を除去した後の再生材料40を溶解炉42で溶解して再生溶湯44とし、その再生溶湯44を分析した分析結果を用いて圧延前溶解炉に投入する再生溶湯44、新地金、及び微量金属母合金の配合割合を決定すると共に、得られた再生溶湯44を溶湯状態のまま圧延前溶解炉に投入して新地金や微量金属母合金と混合するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法に係り、特に使用済みの平版印刷版をリサイクルして再利用する際のエネルギーロス及び収率ロスを低減することで地球温暖化の原因となるCO発生量を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
平版印刷版は、粗面化処理されたアルミニウム製の平版印刷版用支持体に製版層(例えば感光層)を形成することにより製造される。粗面化処理方法としては、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理、化学的粗面化処理(化学エッチング)やこれらを組み合わせた方法があり、表面に均一且つ緻密な粗面化を施す際のアルミニウム原料としては、純度の高い新地金が使用されていると共に、Si,Fe,Cu,Mn等の微量金属の含有率が厳密に調整されたものであることが必要になる。
【0003】
このため、従来は、使用済み平版印刷版(アルミスクラップ)を平版印刷版用支持体の再生原料として使用することが難しく、前記微量金属含有率許容度の大きな用途向け、例えば窓サッシ用、自動車のエンジン用や車輪のホイール用等の材料としてリサイクルされているのが実情である。
【0004】
しかし、新地金1kgの製造には140.9MJという大きなエネルギーを必要とし、地球温暖化の原因となっているCO発生量は9.22kg/地金1kgと非常に大きい。一方、印刷に使用した使用済みの平版印刷版や、平版印刷版の製造加工途中で発生する平版印刷版の切断片等の端材を原料とした再生地金1kgの製造エネルギーは新地金を100%とすると約4%であり、CO発生量も新地金の約4%と非常に小さい。
【0005】
したがって、平版印刷版を低エネルギーで製造するには、使用済みの平版印刷版や切断片等の端材を再生材料としてリサイクルすることが重要であるが、そのためには平版印刷版用支持体の品質を確保した上でエネルギー削減を図るリサイクル方法の構築が重要になる。
【0006】
近年、上記した使用済みの平版印刷版や端材を再生材料としてリサイクルする検討がなされており、例えば特許文献1がある。
【0007】
特許文献1には、使用済み平版印刷版の感光層、感光層保護材、包装材料もしくは粘着テープ等の不純物を除去した後、使用済み平版印刷版1%以上、新地金、及び母合金から成る溶解原材料を圧延前溶解炉に直接投入して溶湯を調製し、調製した溶湯に対して溶湯処理と濾過処理を行って不純物を除去することにより、使用済み平版印刷版を再利用した平版印刷版用支持体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3420817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の平版印刷版用支持体の製造方法は、使用済み平版印刷版を直接、圧延前溶融炉に投入する方式(以下、直接投入法という)である為、投入する使用済みアルミニウムの組成によって圧延後のアルミニウム板の合金組成が大きく影響されることは避け難い。しかし、平版印刷版の粗面化において電解方式を用いる場合には、アルミニウム板の合金組成が粗面化形状の良否に決定的に影響する。
【0010】
したがって、電解方式に必要なアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム板を得ようとすると、上記特許文献1の方式では、各種アルミ材質からなる使用済み平版印刷版の圧延前溶解炉への最大可能投入量は事前に判断できず、品質保証上少なめの投入量になる。一方、使用済み平版印刷版の投入量を上げようとすると、使用済み平版印刷版を圧延前溶解炉に投入しながら不純物組成を測定することを繰り返さなければならず、溶解や成分調整に時間を要し、酸化物質(酸化アルミ)の発生により収率が悪くなる。したがって、再生技術として極めて重要なエネルギーロスや収率ロスの低減効果が得られない。
【0011】
また、使用済み平版印刷版を一旦再生地金にすることで、圧延前溶解炉に投入するまでの保管や運搬等のハンドリング性は良くなるが、再生地金を溶解するエネルギーが必要であると共に溶解時の酸化が生じるので、エネルギーロスや収率ロスを招く。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、平版印刷版用支持体を製造する際に使用済みの平版印刷版を再利用してもアルミニウム純度や微量金属含有量の品質保証を確保した上で、エネルギーロス、収率ロスを顕著に低減することができるので、地球温暖化の原因となるCO発生量を大幅に削減することができる平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、使用済みの平版印刷版を再生材料として準備する準備工程と、前記材料を溶解炉で溶解して再生溶湯を得る溶解工程と、前記再生溶湯のアルミニウム純度及び微量金属含有率を分析する分析工程と、前記溶解炉より再生溶湯を取り出して溶融状態のまま圧延前溶解炉まで運搬する運搬工程と、前記分析工程において得られた分析値と予め定められた平版印刷版としての所望アルミニウム純度及び所望微量金属含有率とを対比して差を求め、その差に応じてアルミニウム純度と微量金属含有率との定まった新地金及び微量金属母合金を配合する割合を決定する配合割合決定工程と、前記圧延前溶解炉に溶融状態の再生溶湯並びに前記決定工程で決定された配合割合に応じて新地金及び微量金属母合金を投入すると共に加熱溶解して所望の成分のアルミニウム溶湯を得る成分調整工程と、前記得られたアルミニウム溶湯から圧延処理により帯状のアルミニウム板を作成するアルミニウム支持体作成工程と、を備えたことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法を提供する。
【0014】
ここで、再生材料には、印刷に使用した使用済みの平版印刷版以外に、未使用の平版印刷版や平版印刷版の製造加工途中で発生する平版印刷版の切断片等の端材を含めることが好ましい。また、予め定められた平版印刷版とは、製造する平版印刷版の種類によって要求されるアルミニウム純度や微量金属含有率が予め定められていることを言う。また、アルミニウム純度と微量金属含有率との定まった新地金及び微量金属母合金とは、アルミニウム純度と微量金属含有率とが既知な新地金及び微量金属母合金を言う。
【0015】
本発明によれば、再生材料である使用済みの平版印刷版を従来のように圧延前溶解炉に直接投入するのではなく、再生材料を溶解炉で溶解して再生溶湯とし、一旦再生地金にすることなく、その再生溶湯を分析した分析結果を用いて圧延前溶解炉に投入する再生溶湯、新地金、及び微量金属母合金の配合割合を決定するようにした。なお、分析のための試料は再生溶解炉中の溶湯から取り出してもよいし、運搬中の溶湯から取り出してよい。
【0016】
本発明により、再生溶湯を最大に配合するための割合を精度良く決定することができるので、エネルギー消費が大きい新地金の使用量を大幅に低減できる。更に、本発明は、再生溶湯のまま圧延前溶解炉に運搬して投入するので、従来のように再生地金を溶解するエネルギーを必要としないと共にアルミニウムの酸化も生じないので、エネルギーロスや収率ロスを大幅に低減できる。しかも電解方式の粗面化処理に必要な99.0%以上のアルミニウム純度の品質保証を確保したアルミニウム板を製造することができる。
【0017】
したがって、平版印刷版用支持体を製造する際に使用済みの平版印刷版を再利用してもアルミニウム純度や微量金属含有量の品質保証を確保した上で、エネルギーロス、収率ロスを顕著に低減することができる。これにより、地球温暖化の原因となるCO発生量を大幅に削減することができる。
【0018】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記運搬工程では前記再生溶湯を保温容器に充填して運搬することが好ましい。
【0019】
これにより、溶解工程と成分調整工程とが離れている(例えば別工場)場合でも、再生溶湯を溶融状態で成分調整工程での圧延前溶解炉に投入することができる。また、使用済み平版印刷版を溶解炉に投入する際には、煙が生じることがあり、また、再生材料への水分等の付着で水蒸気爆発の恐れもあることから、再生材料の溶解工程を別の場所に設けることで、圧延前溶解炉でのトラブルを防止して稼動を維持することができる。
【0020】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記溶解工程の溶解炉は、再生材料のみを溶解する専用溶解炉であることが好ましい。
【0021】
このように、再生材料を専用溶解炉で溶解することにより、溶解炉に付着したコンタミネーション物質は再生材料と同じ成分であり、得られる再生溶湯の成分純度(アルミニウム純度や、微量金属含有量)の変動を極力抑えることができる。これにより、再生溶湯の品質を安定化させることができる。この専用溶解炉の使用は、再生材料の回収量を多く確保できる場合に特に有効である。
【0022】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記準備工程の前に、使用済みの平版印刷版から製版層及びインクを除去する除去工程をさらに有することが好ましい。
【0023】
これにより、溶解炉で溶解された再生溶湯中への不純物の混入を防止できるだけでなく、溶湯処理(再生溶湯中へのガス吹き込み)や濾過処理による不純物の除去工程を省略できるので、溶解工程におけるエネルギーロスや収率ロスを低減できる。この除去工程において、製版層やインク等の付着物質は、除去前の付着物質の質量を100質量%としたときに、1質量%以下になるように除去することが好ましい。また、再生材料に保護紙や包装紙が付着している場合には、これら保護紙や包装紙も除いておくことがより望ましい。
【0024】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記再生材料溶解工程では、前記再生材料を温度680〜900℃の範囲で溶解することが好ましい。680℃以上にすることで680℃未満の場合よりも溶解時間を短くでき、900℃以上の温度で溶解を行うと再生材料溶解工程で用いる炉の劣化が早くなるからである。特に溶湯の輸送を行う場合、輸送中の温度低下を補う保温のエネルギーや、再生材料溶解工程での再生材料の溶解にかかる時間に伴うエネルギーロスを少なくするためには、温度900℃未満のできるだけ高温で溶解をすることで、圧延炉に投入するまでに要するエネルギーを節約できる。
【0025】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記再生材料溶解工程の溶解炉は汎用溶解炉であると共に、前記再生材料を溶解する前にアルミニウム含有量が99.5%以上の純アルミニウムを前記溶解炉で溶解させて該溶解炉の内部を洗浄することが好ましい。
【0026】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法においては、前記圧延処理前のアルミニウム溶湯のアルミニウム純度は99.0%以上であることが好ましい。更には99.5%以上であることが一層好ましい。電解方式の粗面化には、アルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム板が好ましいからである。また、アルミニウム純度が99.0未満では、圧延工程でアルミニウム板に圧延する際に割れ等の不具合を生じ易いからである。
【0027】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法においては、前記再生溶湯について分析する微量金属は少なくともSi,Fe,Cu,Mnであることが好ましい。これらの微量金属が塩酸電解方式での粗面化処理の良否に影響が大きいからである。
【0028】
本発明においては支持体作成工程の圧延処理において、所定の厚さまで圧延して必要に応じて焼鈍処理を施して帯状材とする。そして、得られた帯状材の一方または両方の面を粗面化する。粗面化処理には、表面を機械的に粗面化する機械的粗面化処理、酸性電解液中で交流を印加して表面を電解粗面化する電気化学的粗面化処理などがある。次いで、前記平版印刷版支持体を陽極酸化処理し、必要に応じて珪酸ナトリウム溶液による親水化処理を施した後、粗面化面に製版層形成液を塗布して乾燥させ、感光性、感熱性、または光重合性の製版層を形成し、平版印刷版ウェブとする。得られた平版印刷版ウェブを所定の寸法に裁断、切断して平版印刷版とする。
【0029】
さらに本発明は前記目的を達成するために、請求項1〜7の何れか1に記載の製造方法で製造された平版印刷版用支持体に少なくとも製版層を形成して平版印刷版を製造する平版印刷版製造工程と、前記製造された平版印刷版により所望の印刷を行う印刷工程と、前記印刷工程で発生した使用済みの平版印刷版を回収する回収工程と、前記回収された使用済み平版印刷版を、前記請求項1〜7の何れか1に記載の製造方法の溶解工程の再生材料とするリサイクル工程と、を備えたことを特徴とする平版印刷版のリサイクル方法を提供する。
【0030】
本発明の平版印刷版のリサイクル方法によれば、最初のみ新地金100%で平版印刷版を製造し、2回目からは塩酸電解方式で粗面化処理された使用済み平版印刷版印刷を再生溶湯として最大限に利用するクローズドリサイクルの流れによって製造することができるので、平版印刷版の製造におけるCO発生量を大幅に低減できる。
【0031】
本発明の平版印刷版のリサイクル方法においては、前記再生材料として、印刷済みの平版印刷版以外に前記平版印刷版製造工程の製造加工途中で発生する平版印刷版の切断片等の端材を含むことが好ましい。
【0032】
これにより、平版印刷版に関連する産業分野で発生するアルミスクラップを再利用するための完全なクローズドリサイクルの流れを構築することができるので、CO発生量を一層低減できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法によれば、平版印刷版用支持体を製造する際に使用済みの平版印刷版を再利用してもアルミニウム純度や微量金属含有量の品質保証を確保した上で、エネルギーロス、収率ロスを顕著に低減することができる。これにより、地球温暖化の原因となるCO発生量を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】平版印刷版のリサイクル方法のクローズド・ループリサイクルの流れを説明する説明図
【図2】アルミニウム板から平版印刷版を製造するまでの工程を示した説明図
【図3】使用済み平版印刷版から再生溶湯を製造してから保温容器に充填するまでの再生溶湯製造装置の一例を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の平版印刷版のリサイクル方法のクローズド・ループリサイクルの流れを説明する説明図であり、感光性の製版層を有する平版印刷版の例で以下に説明する。なお、本発明の平版印刷版用支持体はクローズド・ループリサイクルの流れの一部として含まれる。
【0037】
図1に示すように、アルミ精錬工場10では、ボーキサイトからアルミニウムの新地金12を製造する。アルミニウムの新地金12のアルミニウム純度は99.7%以上であることが好ましい。
【0038】
次に、アルミニウムの新地金12は、アルミ圧延工場14において圧延前溶解炉で溶解されて溶湯となった後、熱間圧延、冷間圧延が行われる。圧延前溶解炉としては、公知のものを使用することができる。これにより、新地金100%のアルミニウム板16がコイル状に巻回されたロール体として製造される。熱間圧延の開始温度は350〜500℃が好ましい。熱間圧延の前又は後、あるいは途中において中間焼鈍処理を行ってもよいが、CO発生を抑制する観点からは、中間焼鈍処理を省略することが好ましい。圧延処理により得られるアルミニウム板の厚みは0.1〜0.5mmの範囲が好ましい。なお、圧延処理の後にローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。
【0039】
そして、圧延等の処理が施されたアルミニウム板16はコイル状に巻回されたアルミコイルの状態で平版印刷版の製造工場18に送られる。
【0040】
平版印刷版の製造工場18では、アルミニウム板16に図2に示す各工程を経て平版印刷版の帯状原版を製造する。即ち、先ず、粗面化処理工程20において、アルミニウム板16に粗面化処理を施してアルミニウム板16に砂目立てする。この場合、粗面化処理工程20の後に陽極酸化処理工程22を行ってアルミニウム板16の表面に陽極酸化被膜を形成することが一層好ましい。これにより、平版印刷版用支持体16Aが製造される。
【0041】
電解方式の粗面化処理は、塩酸等の水溶液中で交流電流を電解電流としてエッチングすることにより行われる。酸濃度は3〜150g/Lとすることが好ましく、5〜50g/Lが一層好ましい。塩酸水溶液としては、塩酸を2〜15g/L含有する希塩酸に塩化アルミニウムなどのアルミニウム塩を添加して、アルミニウムイオン濃度を2〜7g/Lに調整した溶液が特に好ましい。電解粗面処理の電気量は、20〜500C/dmになるように印加することが好ましい。前記交流としては、サイン波電流、矩形波電流、台形波電流、及び三角波電流など各種の波形を有する交流電流を用いることができるが、矩形波電流及び台形波電流が一層好ましく、台形波電流が特に好ましい。塩酸電解方式の粗面化処理において、アルミニウム板16のアルミニウム純度や微量金属の含有率は、電気化学粗面化処理でアルミニウム板を粗面化したときに生成するピットの均一性に影響し、耐刷性、耐汚れ性及び露光安定性に影響を及ぼす。したがって、アルミニウム純度や微量金属含有率は以下の範囲であることが好ましい。なお、ここで示すアルミニウム純度や微量金属の含有率は、新地金100%のアルミニウム板16の場合と、後述する再生材料含有のアルミニウム板88の場合との両方に適用される。
【0042】
即ち、アルミニウム板のアルミニウム純度は99.0%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。アルミニウム板の純度が99.0%未満で不純物を多く含むと、粗面化処理に好ましくない他に圧延中に割れ等の不具合が生じ易い。
【0043】
また、アルミニウム板16に含有される微量金属のうち、Siの含有率は、0.50質量%以下であるのが好ましく、0.05〜0.50質量%であるのがより好ましく、0.05〜0.25質量%であるのが更に好ましく、0.06〜0.15質量%であるのが特に好ましい。
【0044】
Cuの含有率は、0.30質量%以下であるのが好ましく、0.010〜0.30質量%であるのがより好ましく、0.02〜0.15質量%であるのが更に好ましく、0.040〜0.09質量%であるのが特に好ましい。
【0045】
Feの含有率は、0.7質量%以下であるのが好ましく、0.15〜0.7質量%であるのがより好ましく、0.15〜0.4質量%であるのが更に好ましく、0.20〜0.40質量%であるのが特に好ましい。
【0046】
Mnの含有率は、0.5質量%以下であるのが好ましく、0.002〜0.15質量%であるのがより好ましく、0.003〜0.02質量%であるのが更に好ましく、0.004〜0.01質量%であるのが特に好ましい。
【0047】
その他の微量金属として、Mgの含有率は、1.5質量%以下であるのが好ましく、0.001〜1.5質量%であるのがより好ましく、0.001〜0.60質量%であるのが更に好ましく、0.001〜0.40質量%であるのが特に好ましい。
【0048】
Znの含有率は、0.25質量%以下であるのが好ましく、0.001〜0.25質量%であるのがより好ましく、0.001〜0.10質量%であるのが更に好ましく、0.010〜0.03質量%であるのが特に好ましい。
【0049】
Tiの含有率は、0.10質量%以下であるのが好ましく、0.001〜0.10質量%であるのがより好ましく、0.001〜0.05質量%であるのが更に好ましく、0.003〜0.03質量%であるのが特に好ましい。
【0050】
Crの含有率は、0.10質量%以下であるのが好ましく、0.001〜0.10質量%であるのがより好ましく、0.001〜0.02質量%であるのが更に好ましく、0.002〜0.02質量%であるのが特に好ましい。
【0051】
前記のような電解方式で粗面化処理されたアルミニウム板16の面には、スマットや金属間化合物が存在するので、pH10以上で液温が25〜80℃のアルカリ溶液を使用してアルカリ処理した後に、硫酸を主体とすると共に液温が20〜80℃の酸性溶液で洗浄処理を行うことが好ましい。
【0052】
次に、製版層形成工程24において、平版印刷版用支持体16Aの粗面化処理された面に、感光層用塗布液が塗布され、乾燥工程26において感光層が乾燥される。これにより、平版印刷版の帯状原版28が製造されるので、加工工程において帯状原版28に帯状の合紙を重ね合わせた状態で所定寸法の四角形シートに切断して合紙付きの平版印刷版30(図1参照)を製造する。製造された合紙付きのシート状の平版印刷版30は複数枚積層された後、梱包されて印刷会社32に送られる。平版印刷版30を積層する際に平版印刷版30同士の間に合紙が挟み込まれるので、平版印刷版30の感光層面に傷をつけないようにすることができる。
【0053】
かかる帯状原版28の加工工程において、帯状原版28の切断片等の端材33が発生するので、図1に示すように、平版印刷版の製造工場18で再生材料として回収されて次の再生工場34に送られて再生処理される。
【0054】
一方、印刷会社32に送られた平版印刷版30は、画像露光及び現像が施された後、印刷機に取り付けて印刷に使用される。そして、印刷に使用された使用済み平版印刷版36は、印刷会社32で再生材料として回収されて次の再生工場34に送られて再生処理される。
【0055】
図3に、平版印刷版の製造工場18で発生した一辺が1〜60cm程度の端材33、及び印刷会社32で発生した使用済みあるいは未使用の平版印刷版36の再生材料を再生処理して再生溶湯を得る再生溶湯製造装置38の一例を示した。なお、ここでは端材33及び平版印刷版36をまとめて再生材料40として説明する。
【0056】
図3に示すように、再生材料40は、溶解炉42において680〜900℃の範囲で溶解されて再生溶湯44となる。このように、再生材料40から再生溶湯44を得る際に、溶解炉42において680〜900℃範囲の溶解温度で再生材料40を溶解することにより、溶解炉42での溶解速度が速く、再生溶湯44を得るまでのタクト時間を短縮できる。これにより、再生溶湯44の調製中における溶湯44と空気との接触時間が短くなるので、生成される酸化物質(酸化アルミ)の生成量が少なく、再生溶湯44として得られる収率が高くなるので、再生溶湯1Kgを製造する際のCO発生量を低減できる。即ち、680℃以上にすることで680℃未満の場合よりも溶解時間を短くでき、900℃以下にすることで900℃を超えた場合に比べて収率を高くできる。
【0057】
溶解炉42は、上方が天井壁46で遮蔽されていると共に、一方の側壁に再生材料40の投入口48が形成される。また、投入口48に対向する他方の側壁にはバーナー50が設けられ、投入された再生材料40を加熱溶解する。
【0058】
なお、溶解炉42としては、再生材料40を専用に溶解する専用溶解炉であることが好ましい。再生材料40を専用溶解炉で溶解することにより、溶解炉42の炉壁に付着したコンタミネーション物質は再生材料と同じ成分であり、得られる再生溶湯44の成分純度(アルミニウム純度や、微量金属含有量)の変動を極力抑えることができる。
【0059】
次に、溶解炉42で溶解された再生溶湯44は、管路52を流れて保温容器54に充填される。保温容器54は、容器本体54Aと該容器本体54Aの受湯口54Bを閉成する蓋部材54Cとで構成されると共に、蓋部材54Cはヒンジ54Dを介して容器本体54Aに開閉自在に支持される。なお、受湯口54Bは、後述するアルミ圧延工場14において溶湯のまま圧延前溶解炉に投入されるときには、注湯口として使用される。
【0060】
また、蓋部材54Cにはピン54Eを中心に回動するロックアーム54Fが設けられ、蓋部材54Cが開成しないようにロックする。容器本体54A及び蓋部材54Cは、耐火材で形成された内層54Gと、保温材で形成された中間層54Hと、鉄等の金属で形成された外層54Iとの3層構造に形成される。溶解炉42で溶解直後の高温の再生溶湯44と接触する内層54Gに使用される耐火材としては、圧延前溶解炉よりも高温で使用されることから、高アルミナ質耐火材が好ましい。耐火材として耐熱レンガを用いる場合は、Siを含まない耐熱レンガを内張りして用いることが、不純物の耐熱レンガからの染み出しを防止するうえで最も望ましい。本発明で使用する保温容器54は、アルミニウム純度を高純度に維持し、且つ不純物のコンタミネーションを極力避ける必要があることから、再生溶湯44専用の保温容器として使用することが好ましい。また、保温容器54を最初に使用するときや、保温容器54からサンプリングした再生溶湯44にコンタミネーション物質が検出された場合には、保温容器54の内部をアルミニウム含有量が99.5%以上の純アルミニウムの溶湯で洗浄することが好ましい。洗浄に用いた純アルミニウムの溶湯は、アルミニウム純度や微量金属の成分分析を行って新地金として問題ない範囲であれば、新地金の代わりに圧延前溶解炉で使用することができる。
【0061】
上記再生材料40の溶解炉42での溶解において、再生材料40からは製版層やインク等の付着物質を溶解前に予め除去しておくことが望ましい。製版層やインク等の付着物質は、除去前の付着物質の質量を100質量%としたときに、1質量%以下になるように除去することが好ましい。また、再生材料40に保護紙や包装紙が付着している場合には、これら保護紙や包装紙も除いておくことがより望ましい。
【0062】
ちなみに、製版層やインク、及び保護紙や包装紙が付着したまま溶解炉42で溶解し、再生溶湯44に溶湯処理(溶湯中へのガス吹き込み)や濾過処理(濾材による溶湯濾過)を行うことでも、付着物を除去することはできる(特許文献1参照)。しかし、溶湯処理や濾過処理を行う工程が増加するので、その分、再生材料40を溶解炉42で溶解し始めてから再生溶湯44を保温容器54に充填するまでのタクト時間が長くなる。これにより、エネルギーロスが発生すると共に、空気に曝される時間が長くなるので酸化物質の生成量が多くなり収率ロスになる。
【0063】
次に、再生工場34で製造された再生溶湯44が充填された保温容器54は、トラック等の運送手段に積まれてアルミ圧延工場14に送られる。なお、アルミ圧延工場14内に再生工場34が一体的に設けられている場合には、再生工場34で得られた再生溶湯44を保温容器54に充填することなく、保温配管(図示せず)によりアルミ圧延工場の圧延前溶解炉に直接送液することは可能である。
【0064】
アルミ圧延工場14では、再生工場34で製造された再生溶湯44のアルミニウム純度及び微量金属(例えば、Si,Fe,Cu,Mn)の含有率を分析する。再生溶湯44の分析は、再生工場34で行って、その再生溶湯44をアルミ圧延工場14に納品するときに分析データを添付してもよい。また、分析する微量金属は、Si,Fe,Cu,Mnに加えてMg,Zn,Ti,Crについても分析することが一層好ましい。
【0065】
次に、分析された再生溶湯44の分析値と、予め定められた平版印刷版としての所望アルミニウム純度及び所望微量金属含有率とを対比してその差を求め、求められた差に応じてアルミニウム純度と微量金属含有率との定まった新地金及び微量金属母合金の再生溶湯44に対する配合割合を決定する。即ち、予め定められた平版印刷版としての所望アルミニウム純度及び所望微量金属含有率とするために配合可能な再生溶湯44の最大配合割合を求め、再生溶湯44の配合割合が最大になるように決定する。なお、新地金及び微量金属母合金のアルミニウム純度と微量金属含有率が定まっていない場合には、再生溶湯44と同様に分析する。
【0066】
次に、決定された配合割合に応じて再生溶湯44を溶融状態のまま圧延前溶解炉に投入すると共に、圧延前溶解炉に別途投入した新地金及び微量金属母合金と混合されるように加熱溶解してアルミニウム溶湯を得る。得られたアルミニウム溶湯は、熱間圧延、冷間圧延によって再生材料40を含むアルミニウム板88がコイル状に巻回されたロール体として製造される。製造されたアルミニウム板88は平版印刷版の製造工場18に送られる。これにより、本発明のリサイクル方法のクローズド・ループリサイクルの流れが完成する。なお、熱間圧延の条件等は上記した新地金の場合と同様である。
【0067】
そして、本発明の平版印刷版のリサイクル方法では、アルミ圧延工場14から平版印刷版の製造工場18に新地金100%のアルミニウム板16を送る新地金100%ルート90は最初のみ行って、2回目からはアルミ圧延工場14から平版印刷版の製造工場18に再生材料含有のアルミニウム板88を送るリサイクルルート92を行う。
【0068】
これにより、平版印刷版の産業分野で発生するアルミスクラップを再利用するための完全なクローズドリサイクルの流れを構築することができる。この結果、CO発生量を新地金12のみで平版印刷版を製造した場合比べて大幅に低減できる。
【0069】
したがって、本発明は、アルミニウム純度や微量金属含有量の品質保証を確保した上で、エネルギーロス、収率ロスを顕著に改善することができるので、地球温暖化の原因となるCO発生量を大幅に低減することができる。
【0070】
このように本発明の平版印刷版のリサイクル方法は、従来のように再生材料40を圧延前溶解炉に直接投入するのではなく、付着物を除去した後の再生材料40を溶解炉42(好ましくは専用溶解炉)で溶解して再生溶湯44とし、その再生溶湯44を分析した分析結果を用いて圧延前溶解炉に投入する再生溶湯44、新地金、及び微量金属母合金の配合割合を決定する。
【0071】
また、本発明では、従来のように再生材料40を一旦再生地金にするのではなく、得られた再生溶湯44を溶融状態のまま圧延前溶解炉に投入して新地金や微量金属母合金と混合するようにした。
【0072】
これにより、本発明は、再生溶湯44を最大に配合するための割合を精度良く決定することができるので、エネルギー消費が大きい新地金の使用量を大幅に低減できる。
【0073】
更に、本発明は、従来のように再生地金を溶解するエネルギーを必要としないと共に再生地金を溶解する際の酸化物質も生じないので、エネルギーロスや収率ロスを大幅に低減できる。ちなみに、従来のように再生材料40を一旦再生地金にしてから圧延前溶解炉で再度溶解する場合には、再生地金の1〜3質量%が酸化され、収率ロスとなる。
【0074】
しかも本発明は、本発明における粗面化処理の好ましい態様である電解方式の粗面化処理に必要な99.0%以上のアルミニウム純度の品質保証を確保したアルミニウム板を製造することができる。電解方式で粗面化処理された使用済みの平版印刷版30は、機械的粗面化方式で粗面化処理したものに比べて、再生溶湯44の調製において溶解炉42での溶解速度が速く、再生溶湯44を得るまでのタクト時間を短縮できる。これにより、上記溶解温度で説明したと同様の理由から再生溶湯44として得られる収率が高くなるので、再生溶湯1Kgを製造する際のCO発生量を低減できる。
【実施例】
【0075】
実施例では、次の3つの方法の対比試験を実施した。
【0076】
(試験1)使用済みの廃平版印刷版を溶解炉で溶湯状態まで溶解し、溶融状態のままで圧延前溶解炉に運搬して投入した場合(表1の本発明)。
【0077】
(試験2)廃平版印刷版を溶解炉で一旦再生地金にしたものを、圧延前溶解炉に運搬して投入した場合(表1の地金を用いた場合)。
【0078】
(試験3)特許第3420817号のように、圧延前溶解炉に廃平版印刷版を直接投入する直接投入法で行った場合(表1の特許第3420817号)。
【0079】
そして、上記3つの試験方法について、再生収率、物測回数、溶解作業時間を調べた。なお、物測回数とは、所望のアルミニウム純度や微量金属のアルミニウム板を製造するために溶解炉で溶解中に溶湯のアルミニウム純度や微量金属の含有量を測定する必要回数をいう。
【0080】
上記の溶解炉は、内容量20トンの直火加熱型のSi(ケイ素)フリー炉を使用し、このSiフリー炉に純アルミニウムの鋳塊を投入して溶解し、投入した純アルミニウムを取り出して湯洗いすることを1〜2回繰り返したものを使用した。
【0081】
そして、使用済みの廃平版印刷版を前記のSiフリー炉に1回につき10トンずつ追い注ぎをして再生溶湯に調製し、試験1では溶融状態のままで圧延前溶解炉に運搬して投入し、試験2では再生溶湯を固めて再生地金とし、再生地金の状態で圧延前溶融炉に運搬して投入した。いずれの場合も、溶湯温度は680℃〜900℃で行ない、圧延前溶解炉では680℃〜750℃で行った。
【0082】
また、上記2つの方法による試験とは別に、特許第3420817号公報の[0017]〜[0021]欄および表1に示す実施例−4の試験結果と比較した。特許第3420817号公報の実施例−4においても廃平版印刷版の混入率は100%であるが、Siフリー炉でない通常の溶解炉を用いた。また、溶解炉の純アルミニウム洗浄を行うことなく、前記溶解炉に廃平版印刷版を投入して溶解し、ガスによる溶湯処理と濾過処理とを行ってから鋳造して再生地金とした。
【0083】
【表1】

【0084】
表1の結果から分かるように、本発明は特許第3420817号公報の方法に較べて物測回数が少なくて済み、さらに地金を用いた方法に較べても溶解作業時間が大幅に短縮できることが分かる。また、本発明は、再生収率も再生溶湯の輸送条件等によるが、地金を用いた場合を上回って良い結果であった。
【符号の説明】
【0085】
10…アルミ精錬工場、12…アルミニウムの新地金、14…アルミ圧延工場、16…新地金100%のアルミニウム板、18…平版印刷版の製造工場、20…粗面化処理工程、22…陽極酸化処理工程、24…製版層形成工程、26…乾燥工程、28…帯状原版、30…平版印刷版、32…印刷会社、33…端材、34…再生工場、36…印刷使用済み平版印刷版、38…再生溶湯製造装置、40…再生材料(印刷使用済み平版印刷版及び端材)、42…溶解炉、44…再生溶湯、46…天井壁、48…投入口、50…バーナー、52…管路、54…保温容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの平版印刷版を再生材料として準備する準備工程と、
前記再生材料を溶解炉で溶解して再生溶湯を得る溶解工程と、
前記再生溶湯のアルミニウム純度及び微量金属含有率を分析する分析工程と、
前記溶解炉より再生溶湯を取り出して溶融状態のまま圧延前溶解炉まで運搬する運搬工程と、
前記分析工程において得られた分析値と予め定められた平版印刷版としての所望アルミニウム純度及び所望微量金属含有率とを対比して差を求め、その差に応じてアルミニウム純度と微量金属含有率との定まった新地金及び微量金属母合金を配合する割合を決定する配合割合決定工程と、
前記圧延前溶解炉に溶融状態の再生溶湯並びに前記配合割合決定工程で決定された配合割合に応じて新地金及び微量金属母合金を投入すると共に加熱溶解して所望の成分のアルミニウム溶湯を得る成分調整工程と、
前記得られたアルミニウム溶湯から圧延処理により帯状のアルミニウム板を作成するアルミニウム支持体作成工程と、を備えたことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項2】
前記運搬工程では前記再生溶湯を保温容器に充填して運搬することを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項3】
前記溶解工程の溶解炉は再生材料のみを溶解する専用溶解炉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項4】
前記準備工程の前に、使用済みの平版印刷版から製版層及びインクを除去する除去工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項5】
前記溶解工程では、前記再生材料を温度680〜900℃の範囲で溶解することを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項6】
前記圧延処理前のアルミニウム溶湯のアルミニウム純度は99.0%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項7】
前記再生溶湯について分析する微量金属は少なくともSi,Fe,Cu,Mnであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1に記載の製造方法で製造された平版印刷版用支持体に少なくとも製版層を形成して平版印刷版を製造する平版印刷版製造工程と、
前記製造された平版印刷版により所望の印刷を行う印刷工程と、
前記印刷工程で発生した使用済みの平版印刷版を回収する回収工程と、
前記回収された使用済み平版印刷版を、前記請求項1〜7の何れか1に記載の製造方法の溶解工程の再生材料とするリサイクル工程と、を備えたことを特徴とする平版印刷版のリサイクル方法。
【請求項9】
前記再生材料として、印刷済みの平版印刷版以外に前記平版印刷版製造工程の製造加工途中で発生する平版印刷版の切断片等の端材を含むことを特徴とする請求項8の平版印刷版のリサイクル方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−6756(P2011−6756A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153018(P2009−153018)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】