説明

平面ヘリカル形アンデュレータ

アンデュレータから放射されるX線ビームを電気的に360°完全に偏光するための平面ヘリカル形アンデュレータが、相互に同じ2つのコイル、または同構造の2つのコイルから形成され、これらのコイルはそれぞれ平面セクションとヘリカルセクションを有する。各巻線チャンバの底部セクションは外から見て凸形であり、巻線底部の個所または領域は最大の曲率半径を以て、軸平面に対して中央でアンデュレータ軸にもっとも接近する。1つのコイルの両セクションは同じ数、または異なる数の巻線チャンバを有する。2つのセクションの長手領域は一致するか、または比較的に小さい方は完全に比較的大きい方の中にある。1つのコイルの2つのセクションの長さが同じであり、平面セクションの巻線チャンバが円環形であり、かつ2つのセクションでの巻回数がそれぞれ一定の場合、平面セクションはヘリカルセクションの周囲に配置される。1つのコイルの2つのセクションの長さが同じ場合、コイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバ内の巻回数が一定ではなく、巻回数はセクションの全長にわたり、そのセクションの中央に対して対称に変化する。2つのセクションの長さが異なる場合、巻線チャンバ内の巻回数は一定であるか、またはコイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバ内の巻回数が一定ではなく、そのセクションの全長にわたり、そのセクションの中央に対して対称に変化する。1つのコイルの平面セクションの巻線チャンバ数は≧2であり、ヘリカルセクションの巻線チャンバ数は≧2かつ偶数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に可変であり、アンデュレータの長さに関して放射されるフォトンビームの極性が区間毎に異なる平面ヘリカル形アンデュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
アンデュレータは、偏光されたビームを出力する光源である。このためにアンデュレータは、加速器に沿って、または加速器の周囲に配置されている。アンデュレータは、磁界の軸近傍の領域とともに、通過する荷電粒子流に作用する。粒子流はアンデュレータ内のその速度v~に基づきアンデュレータ磁界B~と、式v~*B~、偏向される磁界強度ないし力、すなわちローレンツの力FL=e*v~*B~にしたがい交互作用する。アンデュレータはとりわけ、短波長の電磁ビーム、通常はX線ビームをシンクロトロンで形成するのに使用される。アンデュレータから放射されるフォトンビームのビーム軸は、粒子ビーム軸に対して接線方向である。なお上記~はベクトルを意味するものとする。
【0003】
DE103 58 225には、アンデュレータとその駆動方法が記載されている。この明細書の冒頭部分には従来技術が詳細に紹介されており、少なくとも2つの構成群からなる特別のアンデュレータを構成するために物理的基本思想が詳細に論実されている。このアンデュレータは、その磁界と、磁界を通って発する粒子流とによりシンクロトロンビームを形成する。各部分アンデュレータは超電導材料を含んでおり、この超電導材料は電流を印加するとアンデュレータ場を形成する。このアンデュレータ場は電流の方向に対して垂直である。個々の超電導材料は部分アンデュレータ内に、この部分アンデュレータにより形成されたアンデュレータ場が相互に平行にならないように配置されている。物理的構成原理の他に、同じ長さの2つのセクション、すなわち挿入された平面セクションと、周囲のヘリカルセクションを有するアンデュレータコイルが紹介されている。
【0004】
U. Schindlerによる、Forschungszentrums Karlsruhe GmbHの学術報告FZKA 6997には、電気的に切替可能なヘリシティを有する超電導平面ヘリカル形アンデュレータが、とりわけ第4章、超電導アンデュレータに記載されている。アンデュレータの一方のコイルは、他方のコイルがアンデュレータ軸を中心に180°反転することにより形成される。この平面ヘリカル形アンデュレータにより、偏光が電気的に可変のX線ビームを形成することができる。この平面ヘリカル形アンデュレータは次の構造を有する。同形式の2つのコイルがアンデュレータ軸を基準にして相互に等間隔に配置されており、アンデュレータ軸に対して同じ間隔を有している。このアンデュレータ軸は、取り付け状態ではシンクロトロンビーム軸の一部を形成する。1つのコイルは、2つのセクション、すなわちヘリカルセクションと平面セクションからなり、平面セクションはヘリカルセクションに挿入され、その中に配置されている。これらのセクションは非磁性材料のそれぞれ1つのコイル体からなり、これらのセクション内にはコイル軸を中心に巻線チャンバがフライス加工されている。平面コイル体軸はヘリカルコイル体軸と重なり、2つの軸はコイル軸を形成する。
【0005】
平面巻線チャンバをコイル軸は垂直に通過し、ヘリカル巻線チャンバを同様に45°の角度でヘリカルコイル軸が通過している。順次連続する巻線チャンバの間隔、すなわち構造的には間隔長λbは、両方のコイル体で同じである。アンデュレータ軸とコイル軸は相互に平行であり、1つの平面、すなわち軸平面にある。
【0006】
各巻線チャンバの底部、すなわち巻線底部は凸形であり、平面セクションが挿入された状態では円形である。巻線底部で最大の曲率半径を有する個所、またはヘリカルセクションで最大の曲率半径を有する領域は軸平面に対して中央でアンデュレータ軸にもっとも近い。1つのコイルの2つのセクションは次のように相互に配置されている。すなわち、平坦で全体的なヘリカル巻線チャンバが同じ軸位置では軸平面で2回、傾斜して交差し、アンデュレータ軸に対してそれぞれ隣の領域を以てもっとも接近するように配置されている。ここで挿入されたセクションからの巻線チャンバの曲率半径は、最大でも全体的セクションの巻線チャンバの曲率半径と同じであり、両方の巻線チャンバ平面はα=45°の角度を形成する。
【0007】
1つのセクションは、一方の端面領域にある外皮面上の巻線ワイヤに対する入口および出口領域と、他方の端面領域にある外皮面上の巻線ワイヤ接続部からなり、それらの間に巻線チャンバ領域が存在する。1つのセクションはワンピースであるか、または巻線チャンバ数が少ない場合には、2つの端面領域からなり、巻線チャンバ数が多い場合には2つの端面領域と、その間にある少なくとも1つのチャンバ領域からなる。少なくとも2つのセクション部は軸方向接続エレメントを介してセクションを形成するように相互に接続されている。
【0008】
巻線ワイヤは常電導体または技術的な超電導体である。この導体によりセクションは安定した所定の引張り力で常に同じ巻回方向に次のように巻回されている。すなわち巻線ワイヤの最初の部分が巻線ワイヤ入口部内に含まれるように形状結合し、ここから外皮面を介して第1の巻線チャンバの巻線底部へ延在し、そしてこの巻線底部内に含まれるように形状結合し、これを下方で横切るように巻回されている。次に巻線ワイヤは、次の第2の巻線チャンバに向かって外皮を横断し、巻線底部に至り、その中に高く巻回される。そこから巻線ワイヤは次の第3の巻線チャンバに向かって外皮を横断し、そこから巻線底部へ延在し、この巻線チャンバに含まれるように形状結合してこれを下方で横切る。さらに巻線ワイヤは次の第4の巻線チャンバの巻線底部に向かって外皮を横断し、第4の巻線チャンバ内に前と同じように高く巻回される。このようにして巻線ワイヤは最後の偶数の巻線チャンバまで巻回される。そしてこの巻線チャンバが最後の巻線チャンバであれば巻線ワイヤ接続部に向かって高く巻回される。または最後の巻線チャンバが奇数であれば、この巻線チャンバ内の最後の下方横断部を介して巻線ワイヤ接続部へ案内される。
【0009】
巻線ワイヤの第2の部分は巻線ワイヤ出口部内に含まれるように形状結合し、ここから外皮面を介して第1の巻線チャンバの巻線底部へ延在し、そしてこの巻線チャンバ内に偶数の巻線チャンバの場合と同じように高く巻回される。次に巻線ワイヤは外皮を第2の巻線チャンバに向かって横断し、これを上方で横切り、第3の巻線チャンバに向かって外皮を横断し、巻線底部に至り、そしてその中に前と同じように高く巻回される。次に巻線ワイヤは外皮を第4の巻線チャンバに向かって横断し、これを上方で横切り、第5の巻線チャンバに向かって外皮を横断し、巻線底部に至り、そしてその中に高く巻回される。このようにして最後の偶数の巻線チャンバまで巻回され、そこから巻線ワイヤは偶数の巻線を上方で横切り、巻線ワイヤ接続部に案内される。下方横断部および上方横断部、ならびに導体端子と導体接続部は、アンデュレータとは反対の側のコイル体領域にある2つの巻線ワイヤ部分を接続することにより、巻線は相互に電気的に直列となるが、通電の際には磁界軸が順次連続して反対方向に延在する磁界が形成され、この磁界軸はヘリカルセクションの場合には反対方向に平行して延在する。1つのセクションの巻線チャンバでの巻回数は一定である。
【0010】
さらに、個々の部分アンデュレータ内の超電導材料に印加される電流の大きさを相互に依存せずに調整することのできる手段が設けられている。これにより、部分アンデュレータにより形成されたアンデュレータ場の重畳によって生じたアンデュレータ場は、シンクロトロンビームの偏光方向を規定する。このために第1の部分アンデュレータは、第1のアンデュレータ場が粒子流の方向に対して実質的に垂直になるよう配置されている。そして第2の部分アンデュレータは、第2のアンデュレータ場がゼロとは異なる成分を有するように配置されており、このゼロとは異なる成分は、第1のアンデュレータ場の方向でもあり、第1のアンデュレータ場の方向に対して実質的に垂直の方向でもあり、かつ粒子流の方向に対して実質的に垂直の方向である。
【0011】
技術的問題は、アンデュレータの製造であり、ひいてはこのようなアンデュレータの巻線の実現である。とりわけ超電導アンデュレータにより、局所的に高い磁界強度と強い磁界勾配を達成することができ、これによりデグラデーションおよび超電導から常電導への自発的移行、クエンチ作用ないしはクエンチングのない確実な動作が可能である。
【0012】
DE 103 58 225に記載された物理学は、アンデュレータを電磁的構成要素から製作することを課題とする。しかしこのアンデュレータでは、アンデュレータ場を形成する導体部分の電流を変化することによってだけ、アンデュレータから放射される光の偏光を所望のように調整することができ、機械的/局所的に移動するアンデュレータ領域を介しては調整することができない。純粋な直線偏光、円偏光、一般的には楕円偏光のために上記の学術報告FZKA 6997には、コイル体の構造的詳細による技術的解決手段が記載され、開示されている。しかしこの平面ヘリカル形アンデュレータは、2つのコイルでの電流調整に応じて、放射されるフォトンビームの3つの偏光形式のうちの1つの偏光形式でしか、このアンデュレータから放射されるフォトンビームを電気的に完全に360°可変に偏光できない。そのため区間毎に異なる偏光は達成されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】DE 103 58 225
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Forschungszentrums Karlsruhe GmbHの学術報告FZKA 6997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
必然的に1つの形式の偏光しか設定できないことから、本発明の基礎とする課題が生じる。本発明の課題は一方では、同じように直線偏光だけ、または円偏光だけ、または楕円偏光だけを調整することのできる平面ヘリカル形アンデュレータを提供することである。
しかし他方では、アンデュレータから放射されるフォトンビーム、シンクロトロンビームを区間毎に異なって偏光することのできる平面ヘリカル形アンデュレータを提供することである。ここでは磁界を形成するアンデュレータの装置は、公知のような電気的に常電導性のソレノイド巻線、とりわけ超電導性のソレノイド巻線を有するようにする。ここで超電導体を使用する場合には、超電導コイルを作製するための周辺条件も同様に維持すべきである。これは少なくとも、適切な超電導体、適切なコイル体、巻枠の電気絶縁、巻線チャンバ内での導体案内、コイル入口および出口での導体案内、上方横断部での導体案内、コイル入口および出口、超過、ローレンツの力、クエンチの安全性である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、請求項1に記載された構造体によって解決される。各巻線チャンバの底部は外から見て凸形であり、巻線底部の比較的に大きな曲率関係を有する個所または領域がアンデュレータ軸に、軸平面に対して中央でもっとも接近し、コイルの2つのセクションは同じ数または異なる数の巻線チャンバを有する。巻線チャンバの数が同数の場合、2つのセクションの長手領域は一致する。数が異なる場合、巻線チャンバの数が比較的少数のセクションが、比較的長いセクションの長手領域内に完全に配置される。
【0017】
コイルの2つのセクションの長さが同じであり、平面セクションの巻線チャンバが円環形であり、かつ2つのセクションでの巻回数がそれぞれ一定の場合、平面セクションはヘリカルセクションの周囲に配置される。同様に、コイルの2つのセクションが同じ長さの場合、コイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバでの巻回数が一定ではない。この巻回数は変化するが、セクションの全長にわたってそのセクションの中央に対して対称である。このような場合には、平面セクションがヘリカルセクション内に存在することもでき、また反対に平面セクションがヘリカルセクションを包囲しても良い。
【0018】
2つのセクションの長さが異なる場合、巻線チャンバ内の巻回数は一定であるか、またはコイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバ内の巻回数が一定ではなく、そのセクションの全長にわたりそのセクションの中央に対して対称に変化する。この場合、比較的に短いセクションがつながっており、したがって比較的長いセクションの長手領域の1つの区間である場合も含まれる。長いセクションの長手領域内で短いセクションが順次連続することもできる。しかしこれは長いセクションが短いセクションと比較して非常に長い場合だけである。短いセクションが1つだけの場合、3つの偏光区間が形成される。すなわち2つの同じ偏光区間が異なる偏光区間により中断される。短いセクションが複数ある場合、短いセクションの数に相応する同じ偏光の連続が、一般的に別の偏光によって中断される。
【発明の効果】
【0019】
平面ヘリカル形アンデュレータの2つのコイルの各平面セクションにより、アンデュレータ軸/ビーム軸に沿い、かつその周囲に形成される磁界はこの軸に対して垂直である。この磁界はアンデュレータ軸の経過とともに周期的な正弦波状の経過を有する。すなわち、順次連続する2つの巻線チャンバ間で磁界が最大であり、巻線チャンバ中央点ではそれにより形成される磁界がゼロである。またはこの磁界は、そこでアンデュレータ軸に沿って方向反転する。
【0020】
平面ヘリカル形アンデュレータの2つのコイルの各ヘリカルセクションにより、アンデュレータ軸/ビーム軸に沿い、かつその周囲に形成される磁界はビーム軸に対して垂直である。この磁界は、磁界の平坦成分を有しており、したがって上に述べたように周期的であり、平坦成分に加えてビーム軸に対して別の磁界成分を有している。この別の磁界成分はビーム軸に沿って同様に周期的に、しかし余弦波状に経過する。すなわち順次連続する2つのヘリカル巻線チャンバ間にゼロ通過があり、したがって順次連続するヘリカル巻線チャンバにより形成されるヘリカル磁界成分が方向反転する。それぞれの平面磁界成分を、アンデュレータの平面セクションとヘリカルセクション(これらはそれぞれ90°偏光に作用する)の一方の端面と他方の端面に含めると、完全な360°偏光のためには平面セクションの巻線チャンバの数が≧2であり、かつヘリカルセクションの巻線チャンバの数が同様に≧2でなければならないことが分かる。ここで平面セクションの巻線チャンバの数は磁界経過が正弦波状であるので偶数または奇数とすることができる。なぜならいずれの場合でも、ビーム軸に沿ってアンデュレータを通って飛翔する荷電粒子がアンデュレータ磁界により受ける軌跡障害が、完全に補償/中性化されるかである。ヘリカルセクションの巻線チャンバの数に対しては制限がある。すなわちこの数は、形成される磁界経過が余弦波状であるから常に偶数でなければならない。すなわち2つのヘリカル端面磁界による軌跡障害成分が補償/中性化されなければならない。すなわち、両方の磁界成分は、磁界経過が正弦波状の場合とは異なり、相互に反対方向でなければならない。なぜなら平面ヘリカル形アンデュレータの入口と出口の間のヘリカル磁界成分による軌跡障害成分は、平面磁界成分による軌跡障害とは異なり、奇数の場合でも常に補償/中性化されるからである。平面ヘリカル磁界の状況については、上に引用したForschungszentrums Karlsruhe GmbHの学術報告FZKA 6997のとりわけ第4章を参照されたい。そこでは平面ヘリカル形アンデュレータ磁界について詳細に取り扱われている。
【0021】
平面ヘリカル形アンデュレータは2つのやり方で提示することができる。請求項2によれば平面ヘリカル形アンデュレータは、1つのアンデュレータコイルをビーム軸ないしアンデュレータ軸を中心に180°反転することによって得られる。したがって平面ヘリカル形アンデュレータは、平面セクションとヘリカルセクションを有する2つの同じコイルにより作製される。請求項3による別の提示では、アンデュレータ軸に対して対称にコイル位置が変化される。しかしこの状況は2つの同じコイルによっては実現されず、同形式であるが構造が異なる2つのコイルによって実現される。なぜなら一方のコイルのヘリカルセクションは、他方のコイルのヘリカルセクションのコイル軸に対して左右対称だからである。請求項2または請求項3による平面ヘリカル形アンデュレータの構造では、2つのヘリカルセクションを通電する際に、必要な付加的磁界が両コイル間に発生し、これによりアンデュレータ磁界のヘリカル磁界成分が得られるようにすることに注意すべきである。左右対称のヘリカルセクションには、請求項2により反転されるヘリカルセクションに対する磁界を形成するために反対方向に通電される。請求項2は、平面ヘリカル形アンデュレータに対する技術的に簡単な解決手段を記述する。なぜならこのアンデュレータは2つの同じコイルからなるからである。
【0022】
平面ヘリカル形アンデュレータの2つのコイルの相互位置も同様に2つのやり方で見ることができる。すなわち請求項4によれば、アンデュレータの2つのコイルは機械的には相互に結合しておらず、したがって個別にその周囲が位置調整され、係留されている。請求項5によれば、2つのコイルは、貫通する荷電粒子ビームないしは電子ビームに対する通過領域を維持したまま機械的に相互に結合されている。これにより平面ヘリカル形アンデュレータはビーム軸路を基準にして全体で調整される。
【0023】
請求項6によれば、コイル体材料は誘電性および/または金属製であり、コイル体はその構造に応じて、一方または他方のコイル体部材から、またはコイル体部材の組み合わせからなる。ここで再度、学術報告FZKA 6997、とりわけ4.4 技術的実現、ならびにA.4 技術図面について述べる。そこには例としてコイル体および巻回の構造的詳細が記載されている。
【0024】
請求項7によれば、巻線ワイヤは丸い、通常は円形の横断面、または所定のアスペクト比の矩形の横断面を有する。後者の場合、巻線用の導体は巻線チャンバ内でベルト状とすることができる。ここで請求項8によれば、巻線ワイヤは電気的に常電導である。請求項9によれば、巻線入口の接触部、巻線出口の接触部、および巻線ワイヤ接続部の接触部だけが常電導である。他の導体形式の請求項10に示されている。これによれば巻線ワイヤは技術的な超電導体である。ここで請求項11によれば、技術的な超電導体としてモノリシックマルチフィラメント導体またはロープ導体またはケーブル導体が考えられる。超電導体は例えばNbXTiまたはMgBからなる。請求項12によれば、巻線入口の接触部、巻線出口の接触部、および巻線ワイヤ接続部の接触部だけを超電導または常電導とすることができる。請求項13によれば、巻線ワイヤの巻回は巻線チャンバ内で少なくとも単層であり、少なくともシングルラインである。巻付けの層ごとに少なくとも1つの導体がある。巻回が純粋にベルト状の場合(パンケーキ)は、いずれにしろそうである。
【0025】
ビーム軸/アンデュレータ軸に沿い、かつその周囲のアンデュレータ磁界のために、巻線入口、巻線出口、巻線ワイヤ接続部、巻線チャンバの底部にある下方横断部、および巻線チャンバ内の巻線の上方横断部は、アンデュレータ軸とは反対の領域にある。
すなわち、巻線ワイヤ/巻線ベルトの下方案内部および上方案内部によって調整される磁界の形成は、そこではアンデュレータ磁界に影響を及ぼさない。
【0026】
請求項15によれば、2つの平面セクションには動作時に同じ電流I2が流れ、アンデュレータ軸を基準にして相互に対向する平面巻線内での電流方向は軸平面を通過する際に同じである。このことは、2つの平面セクションを電気的に相応にカスケード接続することによりもっとも良く達成される。相応して請求項16によれば、2つのヘリカルセクションには動作時に同じ電流I1が流れ、アンデュレータ軸を基準にして相互に対向するヘリカル巻線内での電流方向は軸平面を通過する際に同じである。これに対する変形実施例が請求項17に記載されている。そこでは、2つのヘリカルセクションには動作時に同じ電流I1が流れ、アンデュレータ軸を基準にして相互に対向するヘリカル巻線内での電流方向は軸平面を通過する際に反対方向である。
【0027】
2つのコイルの一方が、他方がアンデュレータ軸/ビーム軸を中心にして180°反転することにより形成される場合、2つのセクション電流I1とI2を調整することによって、アンデュレータから放射されるフォトンビームをそれぞれのセクション長に依存して、一般的には楕円偏光することができる。このとき楕円偏光は電流調整によって、円偏光ないし直線偏光に変化させることができる。平面ヘリカル形アンデュレータが、1つの平面セクションだけを備える領域を有すれば、すなわちそこでは純粋な平面アンデュレータであれば、そこでは直線偏光だけするフォトンビームが形成される。反対にヘリカルセクションだけを備える領域は、一般的に楕円偏光するフォトンビームを形成する。
【0028】
2つのコイルの一方は、他方のコイルが軸平面に対して垂直であり、かつアンデュレータ軸/ビーム軸を通る平面で左右対称となることによって形成され、したがって少なくとも部分的に平面ヘリカル形アンデュレータであれば、それぞれのヘリカルセクションを流れる電流方向に依存して、アンデュレータから放射されるフォトンビームは直線偏光または一般的に楕円偏光する。
【0029】
セクションに依存する偏光は、セクション長が同じであり、内側の平面セクションが円形巻線チャンバを有し、2つのセクションの巻線チャンバ内の巻数がそれぞれ一定であるという状況に対して、引用した上記学術報告FZKA 6997に詳細に記載されており、2つのセクションを有する平面ヘリカル形アンデュレータの部分に直接転用することができる。2つの平面セクションだけを有する平面ヘリカル形アンデュレータの区間は、直線偏光だけする光を形成する。反対に2つのヘリカルセクションだけを有する平面ヘリカル形アンデュレータの区間は、一般的な楕円偏光する光を形成する。
【0030】
従来技術とは異なりこの平面ヘリカル形アンデュレータにより、セクション長とセクション電流に依存して異なる偏光を有するフォトンビームを形成することができる。もちろんセクション長が同じ場合には、従来技術の場合と同じように楕円偏光だけする。フォトンビームがアンデュレータから妨げられずに発散すると、アンデュレータ長が全体で制限される。
【0031】
2つのコイルに同じまたは異なるセクション長を有する本発明の平面ヘリカル形アンデュレータを、以下図面に基づき、セクション長が異なる場合について説明する。ここではとりわけ、すでに説明したように所要の偶数の巻線チャンバをヘリカルセクションに有し、2以上の場合には任意の整数、例えば奇数の巻線チャンバを平面セクションに有する場合が図示されている。平面ヘリカル形アンデュレータの他の可能な構造形式もそこから理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】部分的に包囲するヘリカルセクションを有する平面ヘリカル形コイルを示す。
【図2】反転により形成される平面ヘリカル形アンデュレータを示す。
【図3】ミラーリング(左右対称)により形成される平面ヘリカル形アンデュレータを示す。
【図4】部分的に包囲するヘリカルセクションを有する平面ヘリカル形コイルを示す。
【図5】反転により形成される平面ヘリカル形アンデュレータを示す。
【図6】オーバラップして包囲する平面セクションを有する平面ヘリカル形コイルを示す。
【図7】反転により形成される平面ヘリカル形アンデュレータを示す。
【図8】オーバラップして包囲されるヘリカルセクションを有する平面ヘリカル形アンデュレータコイルを示す。
【図9】反転により形成される平面ヘリカル形アンデュレータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面の説明をする前に再度、Forschungszentrums Karlsruhe GmbHの学術報告FZKA 6997を参照する。とりわけ第4.4章、技術的実現とA.4、技術図面、第45と46頁を参照する。そこには巻線ワイヤの上方案内部と下方案内部(第4.9章)による巻回技術が示されており、そこでは巻回された巻線チャンバがカスケード接続され、コイルのそれぞれのセクションの順次連続する巻回された巻線チャンバの磁界の磁界軸が逆平行になっている。平面巻枠とヘリカル巻枠の形状も第4.10章と第4.11章、ならびに第45と46頁に示されている。この技術的実施は、ここに示した平面ヘリカル形コイルとそれらから組み立てられる平面ヘリカル形アンデュレータに直接転用することができる。
【0034】
ここには巻枠は図示されておらず、平面セクションとヘリカルセクションからなる平面ヘリカル形コイルと、それらから組み立てられる平面ヘリカル形アンデュレータだけが図示されている。端子技術および接続技術もそこから直接的に引き継がれる。平面ヘリカル形アンデュレータ内にある2つの平面セクションは、この2つの平面ヘリカル形コイルが同じであり、アンデュレータ軸を基準にして相互に左右対称であり、電気的に直列に接続されている場合、1つの制御および調整可能な電流供給部に接続され、2つのヘリカルセクションも同様である。
【0035】
したがって形成される2つの磁界成分はアンデュレータ軸/ビーム軸を中心にして沿い、相互に依存しないで調整可能である。このことにより、アンデュレータ磁界に対する磁界の加算、磁界の減算、および磁界方向の反転はアンデュレータコイルが位置固定されていても、電流調整だけにより任意に調整することができる。平面ヘリカル形アンデュレータとして2つのコイルがいったん機械的に調整されれば、この調整位置に留まる。以下に、超電導平面ヘリカル形アンデュレータの種々異なる構造変形例での作製について説明する。これらの構造変形例から簡単に他の構造変形例を開発することができる。
【0036】
図1は平面ヘリカル形コイルを示し、このコイルではヘリカルセクションが平面セクションを包囲している。平面セクションは、軸方向に整列された11個の、すなわち奇数の円形巻線からなる。これらの円形巻線はその長手領域内では、軸方向に相互に整列された4つの楕円リング状巻線からなるヘリカルセクションにより包囲されているが、軸中央ではない。平面セクションは包囲するヘリカルセクションよりも長く、したがって両者は同じ長さではない。軸方向に2つのセクションの巻線は同じ巻線間隔を有し、ヘリカル巻線領域ないし2つのヘリカル巻線領域は最大の曲率半径を以て所属の平面巻線の巻線領域にもっとも接近する。ここでは1つのコイルにおいて、4つの平面ヘリカル形巻線チャンバないし巻線ペアしか形成されていない。
【0037】
図2は、図1による2つの同じコイルから組み立てられた平面ヘリカル形アンデュレータを示す。ここでは一方のコイルがアンデュレータ軸を中心に180°反転することにより他方のコイルが形成される。それぞれ長さの異なる平面セクションとヘリカルセクションを有する2つのコイルは同じ構造である。
【0038】
図3は、アンデュレータ軸を基準にして相互に左右対称の2つのコイルから組み立てられた平面ヘリカル形アンデュレータを示す。それぞれ長さの異なる平面セクションとヘリカルセクションを有する2つのコイルは同じ構造ではない。アンデュレータ軸に沿って飛翔する荷電粒子、すなわち電子は、アンデュレータ軸に沿ってその周囲に存在する磁界内で単色の狭帯域X線光、すなわちアンデュレータ光を粒子路方向に放射する。このアンデュレータ光は区間毎に異なる偏光を有する。
すなわち電子は図面左からアンデュレータに進入し、露出している平面区間をはじめに通過するときにまず純粋に直線偏光され、次に重なった平面ヘリカル区間で一般的に楕円偏光され、最後に図面右の平面区間で再び純粋に直線偏光される。したがって区間毎に異なる偏光を有するアンデュレータ光が形成される。
【0039】
偏光区間は、通過する電子の速度/エネルギ(例えば学術報告FZK 6997の式2.11と2.13参照)、露出した平面区間の長さ、および実際の平面ヘリカル区間の長さに依存して決定/設定される。すなわちアンデュレータ軸に対して垂直に、この領域で形成される磁界に依存して決定/設定される。(DE 103 58 225の図2は、2つの同じコイルを備える平面ヘリカル形アンデュレータを示す。このコイルでは、平面セクションとヘリカルセクションが同数の巻線チャンバと巻線を有し、平面セクションはヘリカルセクションにより包囲されている。平面セクションとヘリカルセクションはそこでは同じ長さである。平面セクションとヘリカルセクションはそこでは同じ長さである。)
図4は平面ヘリカル形コイルを示し、このコイルではヘリカルセクションが平面セクションを同様に包囲している。平面セクションは、軸方向に整列された7個の円形巻線からなる。これらの円形巻線はその長手領域内では、軸方向に相互に整列された10つの楕円リング状巻線からなるヘリカルセクションにより包囲されているが、軸中央で包囲されてはいない。平面セクションは、包囲するヘリカルセクションよりも短く、したがって両者は同じ長さではない。軸方向に2つのセクションの巻線は同じ巻線間隔を有し、ヘリカル巻線領域ないし2つのヘリカル巻線領域は最大の曲率半径を以て所属の平面巻線の巻線領域にもっとも接近する。ここでは1つのコイルにおいて、7つの平面ヘリカル形巻線チャンバないし巻線ペアが形成される。コイルのヘリカルセクションは、ここでは平面セクションを両側で突出している。平面ヘリカル形アンデュレータは記述のようにアンデュレータ軸を中心にした180°の反転によって形成され、したがって2つの同構造のコイル(図5)からなるか、またはアンデュレータ軸で1つのコイルが左右対称になることによって形成され、したがってセクションは同じであるが、同構造ではないコイルからなる。後者は図示されていないが、図3に相応する。このアンデュレータでは飛翔する荷電担体/電子がフォトンビームを、電子ビーム軸に対してセッション方向に形成する。フォトンビームは区間の連続により、楕円偏光、次に楕円偏光または直線偏光、そして楕円偏光されて出射する。楕円偏光は特別に円偏光とすることもできる。
【0040】
図6は平面ヘリカル形コイルを示し、このコイルではヘリカルセクションが平面セクションにより包囲されている。平面セクションはここでは軸方向に整列された7個の楕円リング状巻線、ないしは楕円の巻線底部を有する7個の巻線チャンバからなる。これらの長手領域内にヘリカルセクションがあり、ヘリカルセクションは、相互に軸方向に整列されたここでは10個の楕円リング状巻線からなる。平面セクションは内部にあるヘリカルセクションよりも短い。ここでもコイルのセクションは同じ長さではない。軸方向に2つのセクションの巻線は同じ巻線間隔を有し、ヘリカル巻線領域ないし2つのヘリカル巻線領域は同様に最大の曲率半径を以て所属の平面巻線の巻線領域にもっとも接近する。ここでは1つのコイルにおいて、7つの平面ヘリカル形巻線チャンバないし巻線ペアが形成される。そこから形成される図7の平面ヘリカル形アンデュレータはここでも前記と同じように2つの同構造のコイル(180°の反転)からなる。(同様にミラーリングによりアンデュレータを形成することも可能であるが、この場合は図示されていない。)このアンデュレータでは飛翔する荷電担体/電子がフォトンビームを、電子ビーム軸に対してセッション方向に形成する。フォトンビームは区間の連続により、楕円偏光、次に楕円偏光または直線偏光、そして楕円偏光されて出射する。楕円偏光は特別にここでも円偏光とすることもできる。
【0041】
最後に図8は平面ヘリカル形コイルを示し、このコイルではヘリカルセクションが平面セクションにより包囲されている。ここで平面セクションは軸方向に整列された9個の楕円巻線または円形巻線、ないしは楕円の巻線底部を有する9個の巻線チャンバからなる。これらはヘリカルセクションの長手領域と両側で軸方向に重なりあるが、軸中央ではない。ヘリカルセクションは、相互に軸方向に同様に整列された4個の楕円リング状巻線からなる。平面セクションは内部にあるヘリカルセクションよりも長い。コイルの両セクションは同じ長さではない。軸方向に2つのセクションの巻線は同じ巻線間隔を有し、ヘリカル巻線領域ないし2つのヘリカル巻線領域は同様に最大の曲率半径を以て所属の平面巻線の巻線領域にもっとも接近する。ここでも1つのコイルにおいて、4つの平面ヘリカル形巻線チャンバないし巻線ペアが形成される。平面ヘリカル形アンデュレータはここでも、上の2つの場合と同じように、2つの同構造のコイルまたは2つの構造の異なるコイルから成り立つ。
【0042】
図9には、180°反転によるアンデュレータの形成が示されている。このアンデュレータでは飛翔する荷電担体/電子がフォトンビームを、電子ビーム軸に対してセッション方向に形成する。フォトンビームは区間の連続により、直線偏光、次に調整可能な楕円偏光または直線偏光、そして平面偏光されて出射する。調整可能な楕円偏光は特別に円偏光とすることもできる。
【0043】
構造的な間隔長λbを基準にして非常に長いコイルにより、平面ヘリカル形アンデュレータを作製することができる。このアンデュレータは、コイルの構造に依存して純粋に直線偏光または純粋に楕円偏光する2つ以上の区間を有するフォトンビームを形成する。軸方向に順次連続する複数の小さなセクションが、1つの非常に長いセクションの長手領域内にある上記の解説を参照。非常に長い平面セクションの長手領域内には、例えば2つ以上のヘリカルセクションが存在することになる。しかし、2つ以上の平面ヘリカル形アンデュレータが軸方向に2つ以上連続することは本来、技術的に面倒な装置である。アンデュレータ長全体が自然に制限されるのは、このアンデュレータのとりわけ開始領域で形成されるフォトンビームが発散するからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンデュレータから放射されるフォトンビームを完全に360°電気的に可変に偏光するための平面ヘリカル形アンデュレータであって、次のように構成されている:
2つの同形式のコイルがアンデュレータ軸を基準に等間隔に対向しており、かつ該アンデュレータ軸に対して等間隔を有し、
前記アンデュレータ軸は取り付け状態ではシンクロトロン軸の一部を形成し、
両方のコイル軸とアンデュレータ軸とは相互に平行であり、1つの軸平面内にあり、
1つのコイルは、2つのセクション、すなわちヘリカルセクションと平面セクションからなり、両セクションは相互に位置決めされ、
各セクションは、巻線チャンバに収容された巻線を有し、
両セクションにある前記巻線チャンバおよび巻線は同じ間隔λbで相互に連続し、
1つのセクションの巻線は電気的に相互に直列であり、通電時に平面セクションの場合は、順次連続して先行または後続の磁界軸に対してそれぞれ反対方向の磁界軸を形成し、
ヘリカルセクションの場合は、順次連続して先行または後続の磁界軸に対して反対方向かつ平行の磁界軸を形成する形式の平面ヘリカル形アンデュレータ
において、
各巻線チャンバの底部は外から見て凸形であり、巻線底部の個所または領域は最大の曲率半径を以て、軸平面に対して中央でアンデュレータ軸にもっとも接近し、
1つのコイルの両セクションは、同数または異なる数の巻線チャンバを有し、巻線チャンバが同数の場合は両セクションの長手領域は一致し、
数が異なる場合、巻線チャンバの数が比較的少数のセクションが、比較的長いセクションの長手領域内に完全に配置され、
1つのコイルの2つのセクションの長さが同じであり、平面セクションの巻線チャンバが円環形であり、かつ2つのセクションでの巻回数がそれぞれ一定の場合、平面セクションはヘリカルセクションの周囲に配置され、
1つのコイルの2つのセクションの長さが同じ場合、コイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバ内の巻回数が一定ではなく、巻回数はセクションの全長にわたり、そのセクションの中央に対して対称に変化し、
2つのセクションの長さが異なる場合、巻線チャンバ内の巻回数は一定であるか、またはコイルの少なくとも1つのセクションでは巻線チャンバ内の巻回数が一定ではなく、巻回数はそのセクションの全長にわたってそのセクションの中央に対して対称に変化し、
1つのコイルの平面セクションの巻線チャンバ数は>=2であり、ヘリカルセクションの巻線チャンバ数は>=2かつ偶数である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項2】
請求項1記載のアンデュレータにおいて、
コイルの一方は、他方のコイルからアンデュレータ軸を中心に180°反転することにより形成される、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項3】
請求項1記載のアンデュレータにおいて、
両方のコイルは、アンデュレータ軸に対して相互に左右対称である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項4】
請求項2または3記載のアンデュレータにおいて、
アンデュレータの両方のコイルは機械的には相互に結合されていない、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項5】
請求項2または3記載のアンデュレータにおいて、
アンデュレータの両方のコイルは機械的に相互に結合されている、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項6】
請求項4または5記載のアンデュレータにおいて、
コイル体材料は誘電性および/または金属製であり、
コイル体はその構造に応じて、一方または他方のコイル体部材からなるか、またはコイル体部材の組み合わせからなる、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項7】
請求項6記載のアンデュレータにおいて、
巻線ワイヤは円形であるか、または所定のアスペクト比の矩形横断面を有するか、またはベルト状である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項8】
請求項7記載のアンデュレータにおいて、
巻線ワイヤは常電導である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項9】
請求項8記載のアンデュレータにおいて、
巻線入口の接触部、巻線出口の接触部、および巻線ワイヤ接続部の接触部は常電導である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項10】
請求項7記載のアンデュレータにおいて、
巻線ワイヤは技術的な超電導である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項11】
請求項10記載のアンデュレータにおいて、
技術的な超電導体は、モノリシックマルチフィラメント導体またはロープ導体またはケーブル導体であり、超電導体はNbXTiまたはMgBからなる、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項12】
請求項11記載のアンデュレータにおいて、
巻線入口の接触部、巻線出口の接触部、および巻線ワイヤ接続部の接触部は超電導または常電導である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項13】
請求項9または12記載のアンデュレータにおいて、
巻線ワイヤの巻付けは1つの巻線チャンバ内で少なくとも単層であり、少なくともシングルラインである、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項14】
請求項13記載のアンデュレータにおいて、
巻線入口、巻線出口、巻線ワイヤ接続部、巻線チャンバの底部にある下方横断部、および巻線チャンバ内の巻線の上方横断部は、アンデュレータ軸とは反対の領域にある、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項15】
請求項14記載のアンデュレータにおいて、
2つの平面セクションには動作時に同じ電流I2が流れ、
電流方向はアンデュレータ軸を基準にして相互に対向する平面巻線内で、軸平面を通過する際に同じである、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項16】
請求項14記載のアンデュレータにおいて、
2つのヘリカルセクションには動作時に同じ電流I1が流れ、
電流方向はアンデュレータ軸を基準にして相互に対向するヘリカル巻線内で、軸平面を通過する際に同じである、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項17】
請求項14記載のアンデュレータにおいて、
2つのヘリカルセクションには動作時に同じ電流I1が流れ、
電流方向はアンデュレータ軸を基準にして相互に対向するヘリカル巻線内で、軸平面を通過する際に反対方向である、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項18】
請求項15または16記載のアンデュレータにおいて、
2つのコイルの一方は、他方のコイルがアンデュレータ軸/ビーム軸を中心に180°反転することによって形成され、したがって平面ヘリカル形アンデュレータであり、
該平面ヘリカル形アンデュレータにより、当該アンデュレータから放射されるフォトンビームの楕円偏光が前記2つの電流I1とI2を介して調整される、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項19】
請求項15または16記載のアンデュレータにおいて、
2つのコイルの一方は、他方のコイルが、アンデュレータ軸/ビーム軸を通り、軸平面に対して垂直の平面で左右対称になることによって形成され、したがって平面ヘリカル形アンデュレータであり、
該平面ヘリカル形アンデュレータにより、当該アンデュレータから放射されるフォトンビームの直線偏光が前記2つの電流I1とI2を介して調整される、ことを特徴とするアンデュレータ。
【請求項20】
請求項15または17記載のアンデュレータにおいて、
2つのコイルの一方は、他方のコイルが、アンデュレータ軸/ビーム軸を通り、軸平面に対して垂直の平面で左右対称になることによって形成され、したがって平面ヘリカル形アンデュレータであり、
該平面ヘリカル形アンデュレータにより、当該アンデュレータから放射されるフォトンビームの楕円偏光が前記2つの電流I1とI2を介して調整される、ことを特徴とするアンデュレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−511273(P2010−511273A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538613(P2009−538613)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009900
【国際公開番号】WO2008/064779
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(591004618)フォルシュングスツェントルム カールスルーエ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Forschungszentrum Karlsruhe GmbH
【住所又は居所原語表記】Weberstrasse 5, D−76133 Karlsruhe,Germany
【Fターム(参考)】