説明

平面光源ユニットおよびこの平面光源ユニットを用いた液晶表示装置

【課題】高温雰囲気下で使用するときでも、光学シートに対する平面状光源の発生熱の影響を阻止することができる、信頼性に優れた平面光源ユニットを提供する。
【解決手段】希ガスが封入された放電空間12および当該放電空間12からの光を出光する平面状の発光面11を有する平面状光源1と、前記発光面11の上方側に配置された拡散板(透光性を有する支持板)3と、この拡散板3の上方側に配置された光学シート4とを備えている。前記平面状光源1と拡散板3との間にスペーサ2が配設されており、当該平面状光源1と拡散板3との間に形成される空間Sによって、前記発光面11からの熱が拡散板3や光学シート4に伝達されるのを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面状の発光面を有する平面光源ユニットおよびこの平面光源ユニットを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置用のバックライトとして、光源と液晶パネルとの間に導光板や拡散板等の光学部材を設置しなくても前記液晶パネルの入射面に対して均一な面上光を入射させることができる、平面状光源を備えた平面光源ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1における平面状光源は、ガラス材からなる箱体状の密閉容器と、この容器内に形成されると共に、希ガスが封入された放電空間とを備えており、この放電空間内で希ガス放電を生じさせることによって当該空間を囲むように設けた蛍光体を励起させ発光させている。
【0004】
【特許文献1】特開2003‐45376号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記のような従来の平面光源ユニットでは、その平面状光源の発光面から出光される光の輝度が3000(cd/m)程度と低いものであった。このため、従来の平面光源ユニットを液晶表示装置用のバックライトに用いる場合、バックライトとして要求される5000(cd/m)以上の高輝度の面状光を得るために、前記発光面上にレンズシート等の光学シートを直接設置していた。
【0006】
ところが、前記のように平面状光源の発光面上に光学シートを直接設置すると、周囲温度等の使用環境によっては、平面状光源で発生した熱により、たわみや熱劣化が前記光学シートに発生することがあった。具体的にいえば、自動車等の車両に搭載される車載用ナビゲーションシステムの液晶表示装置に従来の平面光源ユニットを適用した場合、その周囲温度が60〜70℃位に上昇することがある。このような高温雰囲気下で使用すると、前記発光面は密閉容器の内部(放電空間)で発生した熱で加熱され、当該発光面の表面温度が100℃近くに達することがあった。その結果、光学シートにたわみや熱劣化が発生し、平面光源ユニット(バックライト)の発光品位の低下を招いたり、光学シートの寿命が短くなってバックライトの信頼性が損なわれたりすることがあった。
【0007】
このような問題を解決するものとして、本出願人らは、平面状光源の発光面と光学シートとの間に、当該平面状光源からの熱が光学シートへ伝わるのを抑制する熱伝導抑制部材を設けた平面光源ユニットを提案している(特願2004−117804)。前記熱伝導抑制部材は、透光性を有する合成樹脂、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の光学用グレード樹脂で作製することができ、この熱伝導抑制部材を用いることで、光学シートへの平面状光源の発生熱の熱伝導を抑制し当該光学シートに対する平面状光源の発生熱の影響を阻止することができる。
【0008】
本発明は、本出願人らが先に提案した平面光源ユニットに改良を加えたものであり、光学シートに対する平面状光源の発生熱の影響をさらに抑制することができる平面光源ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の平面光源ユニットは、希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートとを備えており、前記平面状光源と支持板との間に空間を形成するために、当該平面状光源と支持板との間にスペーサが配設されていることを特徴としている。
前記支持板は拡散機能を有するガラス板で作製するのが好ましい。
【0010】
また、本発明の平面光源ユニットは、希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートとを備えており、前記支持板は、前記平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して当該平面状光源の上方側に配置されており、かつ、前記平面状光源、支持板および封止剤により形成される空間が真空にされていることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明の平面光源ユニットは、希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートとを備えており、前記支持板は、前記平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して当該平面状光源の上方側に配置されており、かつ、前記平面状光源、支持板および封止剤により形成される空間内に断熱効果を有するガスが封入されていることを特徴としている。
前記支持板は拡散機能を有するガラス板で作製するのが好ましい。
前記平面状光源の、前記発光面と反対側の面に断熱材層を配設することができ、またこの断熱材層に代えて、放熱性物質および/または吸熱性物質からなる層を配設してもよい。
また、前記平面状光源の、前記発光面と反対側の面にスペーサを介してプレート体を配設することもできる。
【0012】
本発明は、また、液晶パネルと、この液晶パネルに光を照射するバックライトとを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトとして前述したいずれかの平面光源ユニットを用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の平面光源ユニットは、平面状光源の発光面と透光性を有する支持板との間にスペーサが設けられており、このスペーサによって前記発光面と支持板との間に空間が形成される。このため、前記発光面から支持板への熱の伝達は、対流または輻射により行われ、伝導(平面状光源の発光面の上に支持板が直接配置される場合、発光面から支持板への熱の伝達は伝導により行われる)により熱が伝達される場合に比べ熱の伝達量が大幅に小さくなる。したがって、高温雰囲気下で平面光源ユニットを使用するときでも、平面状光源で発生した熱によって支持板や光学シートにたわみや熱劣化が生じるのを防ぐことができる。その結果、長期に亘り平面光源ユニットの発光品位を保つことができ、その信頼性を高めることができる。
【0014】
また、前記スペーサを設ける代わりに、平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して支持板を当該平面状光源の上方側に配置し、かつ、前記平面状光源、支持板および封止剤により形成される空間を真空にした場合、発光面から支持板への熱の伝達は、単に空間を設ける場合よりも一層抑制される。このことは、平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して支持板を当該平面状光源の上方側に配置し、かつ、前記平面状光源、支持板および封止剤により形成される空間内に断熱効果を有するガスを封入した場合でも同様である。これらの場合、高温雰囲気下で平面光源ユニットを使用するときでも、平面状光源で発生した熱によって支持板や光学シートにたわみや熱劣化が生じるのをさらに防ぐことができる。その結果、より長期に亘り平面光源ユニットの発光品位を保つことができ、その信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明の平面光源ユニットを詳細に説明する。なお、以下の説明では、平面光源ユニットを液晶表示装置のバックライトに適用した場合を例示して説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態に係る平面光源ユニットの断面説明図であり、図に示されるように、本発明の平面光源ユニットUは、平面状の発光面11を有する平面状光源1と、前記発光面11の上方側に配置された、透光性を有する支持板である拡散板3と、この拡散板3の上方側に配置された光学シート4とを備えている。前記平面状光源1と拡散板3との間にはスペーサ2が配設されており、本実施の形態では、さらに前記平面状光源1における前記発光面11と反対側の面19に断熱材層5が配設されている。前記光学シート4は、例えばレンズシートからなっており、拡散板3からの光を集光して、平面光源ユニットUから照射される光の輝度を所望の輝度に向上させている。なお、前記レンズシートに代えて、またはレンズシートに加えて、発光品位を整えるための拡散シートや偏光シート等の他の機能を有するシートを光学シート4として配置してもよい。
【0017】
前記平面光源ユニットUは、液晶表示装置の液晶パネルEPの背面側(図1において下側)に配置されており、当該液晶表示装置のバックライトを構成している。そして、この平面光源ユニットUでは、拡散板3および光学シート4を介在させて平面状光源1で発生させた光を前記液晶パネルEP側に出光することにより、当該液晶パネルEPで要求される所望輝度(例えば、5000(cd/m)以上)を有し、ほぼ均一な平面状の光(面状光)が液晶パネルEPに入射され、これにより液晶パネルEP上で所望の画像が表示されるようになっている。
【0018】
前記平面状光源1は、図2に示されるように、希ガスが封入された放電空間12と、この放電空間12からの光を出光する、前記平面状の発光面11とを有している。詳細にいえば、この平面状光源1は、平板状の第1および第2基板13、14と、これらの第1および第2基板13、14の間で枠体状に配置された第3部材15とを具備しており、第3部材15の一端部および他端部を第1および第2基板13、14にそれぞれ気密に接続することにより、前記放電空間12が内部に形成された箱体状の密閉容器が構成されている。この平面状光源1では、キセノン等の希ガスが放電空間12内に封入されており、後に詳述するように、放電空間12の希ガスに放電を発生させることで発光面11から面状光を発光させている。すなわち、この平面状光源1は、水銀蒸気中で放電させる従来の冷陰極管等の線状光源と異なって水銀レスの面状光源であり、リサイクル等での分解処理等が容易な環境に優しい光源ユニットを構成している。
【0019】
前記第1基板13は、前記発光面11が上面に形成されるように、透光性を有するセラミックス材または透明なガラス材により作製されている。また、この第1基板13の内面側には、蛍光体からなる発光層16aが設けられている。
前記第2基板14は、鉛ガラス等の誘電材料により作製されており、基板内面側には、第1基板13と同様に蛍光体からなる発光層16bが設けられている。また、この第2基板14には、5本の線状電極17が当該基板内面から所定の深さで互いに所定の間隔を置いて埋設されており、第2基板14では、その基板内面と線状電極17との間の部分が誘電体バリア層として機能するようになっている。また、線状電極17は、その端部が第2基板14の外側に引き出されてケーブル20を介して点灯装置21に接続されている(図1参照)。そして、この点灯装置21から高周波電圧が線状電極17に印加されたときに、隣り合う2本の線状電極17間で誘電体バリア放電が放電空間内で生起されて平面状光源1は点灯状態となり、前記発光層16a、16bからの光が発光面11から拡散板3に向かって照射される。
【0020】
前記第3部材15は、セラミックス材またはガラス材により作製されている。また、この第3部材15および第2基板14は、前記第1基板13と同一材料または当該第1基板13と熱膨張係数が近い材料を用いて作製するのが好ましい。すなわち、第3部材15の一端部および他端部は、前述したように第1および第2基板13、14にそれぞれ気密に接続されているが、これら第1および第2基板13、14と第3部材15との気密接続には低融点ガラス材等の封着部材が用いられている。この封着部材は、ランプ点灯時の温度上昇等に伴う前記第1および第2基板13、14と第3部材15との熱膨張係数の相異に起因してクラック等が生じることがある。また、第1基板13は、発光面11を形成するために透光性を有する材料により作製する必要がある。したがって、この第1基板13に直接接続される第3部材15およびこれに接続される第2基板14を、第1基板13の熱膨張係数と同一または近似する値を有する材料で作製することにより、前記封着部材でのクラック等の発生を極力抑えることができる。
【0021】
また、平面状光源1では、前記放電空間12内に複数のスペーサ18が適宜配置されており、このスペーサ18は前記放電空間12が大気圧によって押し潰されないように前記平面状光源1の構造強度を高めている。詳細にいえば、放電空間12内の希ガスの封入圧は放電の開始電圧を低減したり、放電による発光効率を高めたりするために、大気圧の数分の1程度の非常に低い負圧に設定されている。このため、大気圧と封入圧との差圧が前記第1および第2基板13,14に作用し易く、これらの第1および第2基板13、14が破損する恐れがある。それ故、本実施の形態の平面状光源1では、例えば角柱状のスペーサ18を第1および第2基板13,14の間に所定間隔で設けて、これら第1および第2基板13、14の破損を防止している。
【0022】
本実施の形態では、拡散板3の下面が直接発光面11に接触しないように、前記発光面と拡散板3との間にスペーサ2が配置されている。拡散板3は、光学シート4が自重でたわみ、その光学特性に悪影響が生じるのを防止すると共に、その拡散性によって発光面11から出光された光を拡散して光学シート4に向かって照射して、前記スペーサ18の影が発光面からの面状光に現れるのを防止することができる。前記拡散板3として、本実施の形態では、拡散機能を有するガラス板が用いられている。この拡散機能を有するガラス板は、例えば強化ガラスまたは一般のガラスに、シリカ、ビーズ等の拡散性を付与することができる無機物質をスクリーン印刷やスパッタリング等により塗布し焼き付けることより得ることができる。拡散板3として合成樹脂製のものを用いると軽量化を図ることができるが、平面状光源1が発する熱により若干のたわみが生じる可能性がある。しかしながら、ガラス板からなる拡散板3を用いると、このようなたわみを確実に防止することができるので好ましい。
【0023】
前記スペーサ2は、平面状光源1の発光面11が高温(通常、75℃程度の高温)になることから、例えば耐熱性を有するゴム等で作製されており、前記発光面11の周縁に設けられている。このスペーサ2は、枠状に形成して前記発光面11の周縁全体に設けてもよいし、また棒状のものを周縁の一部に設けるようにしてもよい。さらには、短円柱または短角柱状のものを適宜の間隔で発光面11の周縁に設けるようにしてもよく、本発明において、その形状および配置場所は特に限定されるものではない。スペーサ2の高さ(図1において上下方向の寸法)は、前記発光面11と拡散板3の下面との距離dが、0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上となるように、また3.0mm以下、好ましくは2.0mm以下となるように選定される。前記距離dが0.5mmよりも小さいと衝撃吸収性機能をもたせたスペーサの形成が困難であり、一方3.0mmよりも大きいと輝度が低下するという問題がある。前記スペーサ2は、例えば耐熱性接着剤を用いる等して発光面11と拡散板3との間に設けることができる。このようなスペーサ2を設けて発光面11と拡散板3との間に空間Sを形成することで、発光面11からの熱は対流や放射という形で拡散板3および光学シート4に伝達されるので、従来の伝導による熱の伝達(発光面に拡散板が直接接触する場合、発光面からの熱は伝導という形で拡散板に伝達される)に比べ熱の伝達量は大幅に低減される。その結果、拡散板3や光学シート4のたわみや熱劣化が防止され、平面光源ユニットの発光品位を保つことができる。
【0024】
前記断熱材層5は、例えば発泡ゴムや発泡樹脂等の断熱材からなっており、平面状光源1で発生した熱を当該平面状光源1内部にこもらせて外部に伝達されるのを抑制する役割を果たしている。このように、熱を内部にこもらせることにより、外部(表面)への熱伝達を抑制し、液晶面への影響を抑制するという効果がえられる。
【0025】
なお、本実施の形態では、ガラス製の拡散板3を用いているが、使用条件によっては、合成樹脂製の拡散板を用いることも可能である。また、透光性を有する支持板として、拡散板以外にも、一般のガラス板や透明な合成樹脂を用いることもできる。
【0026】
さらに、平面状光源1の裏面側に断熱材層5を設けているが、この断熱材層5に代えて、放熱性物質および/または吸熱性物質からなる層を設けることもできる。このような層を設けることにより、平面状光源1で発生した熱が当該平面状光源1の裏面側に移動しやすくなり、発光面11側から放熱される熱の量を減らし、前記拡散板3に伝達される熱の量を一層低減させることができる。前記放熱性物質の例としては、セラミックスをあげることができ、また吸熱性物質の例としては、ゲルをあげることができる。なお、金属は、放熱性および吸熱性にすぐれているが、漏れ電流が発生する恐れがあるため、前記放熱性物質または吸熱性物質として用いるのは適当ではない。
【0027】
図3は本発明の平面光源ユニットの他の実施の形態を示している。この実施の形態は、スペーサとして、液晶表示装置におけるケーシングないしは枠体6に形成された凸部6aを用いている点が図1に示される実施の形態と異なっている。なお、同一の参照符号で示したものの構成は図1に示したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0028】
前記凸部6aは、ケーシング6と一体に形成してもよいし、別体として作製し当該ケーシング6に接着剤等により固定してもよい。この凸部6aは、図1に関連して説明したように、枠状のものにして発光面11の周縁全体に設けるようにしてもよいし、所定長さの複数の凸部から構成して当該複数の凸部を所定の間隔で発光面11の周縁に設けるようにしてもよい。この実施の形態では、ケーシング6に設けた凸部6aをスペーサとして用いているので、拡散板3への熱の伝達量を低減させることができる効果に加え、必要な部材が1つ減るため、組付工数が減り、コストダウンを図ることができるという効果を得ることができる。
【0029】
図4は本発明の平面光源ユニットのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態は、スペーサとして、気密性を有する封止材22を採用し、かつ、平面状光源1、拡散板3および封止材22により形成される空間が真空にされている点が図1に示される実施の形態と異なっている。なお、同一の参照符号で示したものの構成は図1に示したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0030】
本実施の形態では、平面状光源1の発光面11と拡散板3の下面との間が、単なる空間ではなく真空状態にされているので、図1に示される実施の形態よりもさらに拡散板3への熱伝達量を低減させることができる。空間Sの真空度は、本発明において特に限定されるものではないが、通常50〜400Torr程度である。
【0031】
なお、前記空間Sを真空にすることに代えて、当該空間S内に、断熱効果を有するガスを封入することもできる。この断熱効果を有するガスとしては、発光面11からの光の透過を妨げないように、無色透明なガスを用いるのが好ましい。かかる断熱効果を有するガスを空間Sに封入することにより、拡散板3や光学シート4への熱の伝達量を低減させる効果に加え、真空度が若干下がるため、衝撃に対しては若干強度が上がるという効果を得ることができる。
【0032】
図5は本発明の平面光源ユニットの他の実施の形態を示している。この実施の形態は、前記断熱材層5に代えて、平面状光源1の裏面19(発光面11と反対側の面)側に当該平面状光源1の発光面11側と同様の空間Sを設けている点が図1に示される実施の形態と異なっている。なお、同一の参照符号で示したものの構成は図1に示したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0033】
図5に示される実施の形態では、平面状光源1の裏面19側にスペーサ2を介して空間Sを形成するプレート体として、液晶表示装置のケーシング7を利用しており、これにより部品点数の削減化を図っている。本実施の形態のように、発熱体である平面状光源1に接触する部分を極力減らす構成とすることにより、前述した光学シートへの熱伝達量を抑制できる効果に加え、コストダウンを図ることができるという効果が得られる。
【0034】
なお、各実施の形態で採用されている構成を適宜組み合わせることもできる。例えば、図3〜4に示される実施の形態において、平面状光源1の裏面側に、図1における断熱材層5を設けることもできる。同じく図3〜4に示される実施の形態において、平面状光源1の裏面側に、その発光面側と同様の空間を設けることもできる。
また、以上の説明では、平面状光源として、希ガスの放電によって発生した紫外線が発光層に当たり当該発光層から可視光が照射されるタイプのものを用いているが、本発明における平面状光源はこれに限定されるものではなく、放電によって直接可視光が照射されるタイプのものを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の平面光源ユニットの一実施の形態の断面説明図である。
【図2】図1に示される平面光源ユニットの平面状光源の断面説明図である。
【図3】本発明の平面光源ユニットの他の実施の形態の断面説明図である。
【図4】本発明の平面光源ユニットのさらに他の実施の形態の断面説明図である。
【図5】本発明の平面光源ユニットの他の実施の形態の断面説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1平面状光源
2スペーサ
3拡散板
4光学シート
5断熱材層
6,7 ケーシング
11発光面
12放電空間
U平面光源ユニット
S空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートと、を備えており、前記平面状光源と支持板との間に空間を形成するために、当該平面状光源と支持板との間にスペーサが配設されていることを特徴とする平面光源ユニット。
【請求項2】
前記支持板が拡散機能を有するガラス板からなる請求項1に記載の平面光源ユニット。
【請求項3】
希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートと、を備えており、前記支持板は、前記平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して当該平面状光源の上方側に配置されており、かつ、前記平面状光源、拡散支持板および封止剤により形成される空間が真空にされていることを特徴とする平面光源ユニット。
【請求項4】
希ガスが封入された放電空間および当該放電空間からの光を出光する平面状の発光面を有する平面状光源と、前記発光面の上方側に配置された透光性を有する支持板と、この支持板の上方側に配置された光学シートと、を備えており、前記支持板は、前記平面状光源の発光面の周縁に設けられた気密性を有する封止剤を介して当該平面状光源の上方側に配置されており、かつ、前記平面状光源、支持板および封止剤により形成される空間内に断熱効果を有するガスが封入されていることを特徴とする平面光源ユニット。
【請求項5】
前記支持板が拡散機能を有するガラス板からなる請求項3〜4のいずれかに記載の平面光源ユニット。
【請求項6】
前記平面状光源の、前記発光面と反対側の面に断熱材層が配設されている請求項1〜5のいずれかに記載の平面光源ユニット。
【請求項7】
前記平面状光源の、前記発光面と反対側の面に放熱性物質および/または吸熱性物質からなる層が配設されている請求項1〜5のいずれかに記載の平面光源ユニット。
【請求項8】
前記平面状光源の、前記発光面と反対側の面にスペーサを介してプレート体が配設されている請求項1〜5のいずれかに記載の平面光源ユニット。
【請求項9】
液晶パネルと、この液晶パネルに光を照射するバックライトと、を備えた液晶表示装置であって、前記バックライトとして請求項1〜8のいずれかに記載の平面光源ユニットを用いたことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−31997(P2006−31997A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205699(P2004−205699)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】