説明

平面的な被処理材料を処理するための方法およびアセンブリ、ならびに処理液を除去または離隔するためのデバイス

被処理材料(10)の湿式化学処理のためのアセンブリ内を輸送される平面的な被処理材料(10)から処理液(21)を除去するために、処理液(21)を保持するための保持面(4、14)が提供される。保持面(4、14)は、被処理材料(10)が保持面(4、14)を通過する時に保持面(4、14)と該保持面(4、14)に向かい合う被処理材料(10)の表面との間にギャップ(8、18)が残るように、被処理材料(10)の輸送路に関して配置構成される。保持面(4、14)は、例えば、ロール(2、3)の周囲表面のオフセット部分として提供されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面的な被処理材料を処理するための方法およびアセンブリ、ならびに平面的な被処理材料から処理液を除去または離隔するためのデバイスに関する。特に、本発明は、1または複数の易損性表面を有する被処理材料の処理を可能にするような方法、アセンブリおよびデバイスに関する。本発明はさらに、被処理材料から液体が除去される時に被処理材料の有用領域と固定要素との間の接触が十分に回避されうるような方法、アセンブリおよびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
平面的な被処理材料を、例えば回路基板産業における回路基板を加工する場合、被処理材料は湿式化学プロセスのラインで処理されることが多い。プロセス薬品またはプロセス水のような処理液を除去するために、いわゆるニップロールが使用される場合がある。そのようなロールは、例えば、特許文献1に開示されるように、処理ステーションにおいて浸漬処理用の処理液を貯留するために使用されてもよい。
【0003】
図9は、処理液の液位が被処理材料203の輸送面より高く、その結果被処理材料203が浸漬状態で輸送されうるようになっている、処理ステーション200の概略図である。被処理材料203は処理ステーションを通って水平輸送方向204に輸送される。被処理材料を輸送するためにロール対211〜216が提供され、該ロール対は、前記被処理材料を輸送するために、被処理材料203の上方または下方のうち少なくともいずれか一方を向いている表面に接して支持するようになっている。処理液の漏れを回避するために内部容器201が設けられ、該容器内で処理液が上方液位まで貯留される(図示せず)。内部容器201は外部容器202によって包囲され、外部容器202が内部容器201から溢流する処理液を回収するようになっている。外部容器202に回収された、外部容器内で液位209を有する処理液208から、該処理液はポンプ210によって内部容器201に戻るように送り込まれる。処理液は、フローノズル206、207などを介して放出されて内部容器201に戻ることができる。
【0004】
内部容器201に処理液を貯留するために、いわゆるニップロールの対213、215が内部容器201の流入領域および流出領域において使用される。ニップロール対213、215は、例えば、円筒状の周囲表面を有していてよい。対213のニップロール213a、213bおよびロール対215のニップロールが被処理材料203に接して支持する場合、処理液が通り抜けて内部容器201から漏出する可能性のある解放断面は限られている。ポンプ210の送達速度を相応に調節することによって、内部容器201の中の処理液の所望の液位が設定されうる。処理ステーションの流入領域または流出領域のロール対211、212、214および216のような追加のロール対も、ニップロールとしての役割を果たすことができる。
【0005】
しかしながら、被処理材料203が1以上の易損性表面を有する場合、従来型ニップロールの幅全体にわたる、すなわち、被処理材料203の輸送方向204に対して横方向に全体に広がる、ニップロール対213、215と被処理材料203との間の直接接触は、被処理材料203の表面に損傷を与える可能性がある。被処理材料203の表面への損傷は、例えば、表面圧またはニップロール213、215の表面に付着している粒子状物質および表面の凹凸によって、引き起こされる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国公開特許第43 37 988 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、平面的な被処理材料を処理するための方法およびアセンブリ、ならびに平面的な被処理材料を処理するためのアセンブリ用の処理液を除去または離隔するためのデバイスであって、被処理材料の易損性表面を損傷するリスクが低減されうる方法およびアセンブリならびにデバイスを提供することである。本発明の目的はさらに、回路基板を製造する方法であって、回路基板の易損性表面領域を損傷するリスクが低減されうる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、独立請求項に示されるような、平面的な被処理材料を処理するための方法およびアセンブリ、ならびに処理液を除去または離隔するためのデバイスによって達成される。従属請求項は、本発明の好適かつ有利な実施形態を定義する。
【0009】
被処理材料を湿式化学処理するためのアセンブリ内を輸送路に沿って輸送される、平面的な被処理材料を処理する方法は、該アセンブリ内で被処理材料が供される処理液を保持するために、保持面が提供されることを提供する。保持面は、被処理材料が該保持面を通過せしめられる時に保持面と被処理材料の表面との間にギャップが残るように、輸送路上に配置される。
【0010】
その設計および配置構成により、液体の流れを少なくとも1つの方向に、特に被処理材料の輸送方向に制限することができる表面は、処理液を保持するための保持面として示される。保持面は液体の流れを完全に妨げる必要はなく、処理液の通過を、特に形成されたギャップを通り抜けるのを許容することができる。
【0011】
被処理材料が保持面を通過せしめられる時に保持面と被処理材料の表面との間にギャップが残るように、保持面が配置されるので、被処理材料上のギャップが配置される部分は、保持面と接触しない。保持面は、特に、ギャップが被処理材料の有用領域に沿って伸びて、保持面が被処理材料の有用領域との接触に至らないように、設計可能である。
【0012】
保持面は、該保持面が、被処理材料の向かい合うエッジ領域の間を間断なく伸びる被処理材料の有用領域と接触しないように、設計および配置構成されうる。保持面は、該保持面が被処理材料の有用領域全体から間隔をおいて配置されるように、設計および配置構成されうる。保持面は、被処理材料が保持面を通過せしめられる時に、一定方向のギャップが被処理材料の輸送方向に対して横方向に、被処理材料の有用領域全体の上を間断なく伸びるように、設計および配置構成されてもよい。
【0013】
ギャップは最小ギャップ高を有することができる。保持面と、保持面を通過せしめられる被処理材料との間の最小離間距離が、最小ギャップ高として示される。保持面の少なくとも片側において、処理液はギャップの最小ギャップ高より高い液位まで貯留されうる。こうして被処理材料は、保持面の少なくとも片側において処理液に浸漬されて輸送されうる。保持面は、例えば被処理材料が保持面上において処理ステーションの流出領域を通過せしめられる場合に、被処理材料上の液位を低減すること、または被処理材料から処理液を除去することのうち少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0014】
最小ギャップ高は、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mmであってよい。最小ギャップ高は、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なく
とも0.09mmであってよい。
【0015】
ギャップを通り抜ける処理液は、流体流によって、例えば気体流によって吹き飛ばされて、被処理材料から除去されてもよい。ギャップを形成する保持面と処理液を吹き飛ばすこととの組み合わせによって、処理液がギャップを通り抜ける場合であっても処理液の除去が達成されうる。
【0016】
保持面から間隔をおいて配置される第2の保持面が、ギャップを通り抜ける処理液を被処理材料から除去するために提供されてもよい。したがって、処理ステーションの流入領域または処理ステーションの流出領域において、保持面と第2の保持面との間では、処理液は、処理ステーションの作動領域における処理液の液位より低い液位まで貯留されうる。このようにして、カスケード方式の一連の液位が作られてもよい。
【0017】
流体流によって処理液を除去するために、流体流は、被処理材料に向かうように方向づけられてもよい。前記流体流が、ギャップを通り抜けないように方向付けられてもよい。さらに、流体流がギャップを通り抜けないように、すなわち、例えば貯留された処理液の中に入らないように、流体流の体積流量または1以上の体積流量、流速および流れ方向が調節されてもよい。
【0018】
処理液の除去のために使用される流体流は、被処理材料の輸送方向に対して横方向かつ輸送面と平行な向きの成分を有する方向に、被処理材料上を流れることができる。したがって処理液は、被処理材料から輸送方向に対して横方向に除去されうる。
【0019】
保持面はロール上に形成されてよい。ロールは、被処理材料に沿って横幅方向に、すなわち被処理材料の輸送方向に対して横方向に、伸びていてよい。ロールは、該ロールの軸線が輸送面に対して平行に伸びるように配置構成されてよい。被処理材料が水平の輸送面で輸送される場合、ロールは該輸送面の上方または下方に提供されうる。ロールは、ロール表面が被処理材料の有用領域全体から間隔を置いて配置されるように、構成可能である。
【0020】
ロールは、ロール表面の、片側にギャップを画成する部分が、被処理材料の輸送方向とは反対の方向に動くように、回転が設定されてもよい。このようにして、例えば、処理液の漏れが処理ステーションの流出領域においてさらに低減されうる。さらに、被処理材料の表面における物質のやりとりも改善されうる。
【0021】
ロールによって、処理液が保持または貯留されうるだけでなく、被処理材料が輸送方向に輸送されてもよい。ロール上には、被処理材料を輸送するために、被処理材料に結合される少なくとも1つの輸送部分が提供されてもよい。保持面には、ギャップを形成するために、輸送部分に対するオフセットが提供されてよい。
【0022】
輸送部分は被処理材料の輸送のために回転されうる。1つの実施形態では、輸送部分は、輸送部分および保持面の独立な回転を可能にするために、保持面に対して回転可能であってよい。
【0023】
被処理材料の輸送方向においてギャップの相反する側に、処理液の液位差が設定されてもよい。処理液は、ギャップの両側において被処理材料上に存在してよい。例えば、被処理材料のための処理ステーションの流入領域または流出領域において、保持面上の処理液の液位は、処理領域において所望の液位を達成するように、段階的に変更されてもよい。
【0024】
保持面は、処理液がギャップを通り抜けるのを低減または防止するために回転されても
よい。この目的のために、回転する保持面によって処理液が移動せしめられることにより処理液がギャップを通って流れるのを低減または防止するように、保持面が設計され、かつ保持面の回転速度が選択されてもよい。
【0025】
被処理材料が処理液に浸漬されて処理ステーション内を輸送されるように、処理液は処理ステーションの保持面によって貯留されることができる。被処理材料の浸漬輸送は、特に、低い固有剛性を有する薄い被処理材料を処理するために使用されうる。
【0026】
被処理材料は、フィルム状の材料、特にフィルム状の回路基板または導電箔であってよい。被処理材料は連続材であってもよい。
平面的な被処理材料を湿式化学処理するためのアセンブリ用の、被処理材料から処理液を除去または離隔するための本発明の1つの態様によって提供されるデバイスは、処理液を保持するための保持面を含んでなる。該デバイスは、デバイスが保持面と輸送路に沿って輸送される被処理材料の表面との間にギャップを形成するように、被処理材料の輸送路に対して配置構成されるように、設計される。
【0027】
したがって、処理液の「除去」または「離隔」という用語は、デバイスが、処理液を完全に除去または離隔してしまうのではなく、処理液を少なくとも部分的に保持するように設計されるという意味で用いられる。
【0028】
ギャップが保持面と被処理材料の表面との間に残るように配置されるようにデバイスが設計されるので、被処理材料上のギャップが形成される部分は保持面との接触には至らない。デバイスは、特に、ギャップが被処理材料の有用領域に沿って伸びて、保持面が被処理材料の有用領域とは接触しないように、設計されうる。
【0029】
ギャップは最小ギャップ高を有することができる。保持面と、保持面を通過せしめられる被処理材料との間の最小離間距離が、「最小ギャップ高」として示される。デバイスは、少なくとも保持面の片側においては処理液がギャップの最小ギャップ高より高い液位まで貯留されうるように、設計可能である。したがって被処理材料は、保持面のその側において処理液に浸漬されて輸送されうる。
【0030】
最小ギャップ高は、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満であってよい。最小ギャップ高は、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmであってよい。
【0031】
デバイスは、被処理材料から処理液を除去するために被処理材料上に流体流を流れさせるように設計された、保持面から間隔を置いて配置されたフローデバイスを含んでなることができる。フローデバイスによって、ギャップを通り抜けて出て来る処理液が除去されうる。
【0032】
フローデバイスは、輸送面に対して平行かつ被処理材料の輸送方向に対して横方向に方向付けられた速度成分を備えた流体流を生じるように設計されうる。そのようにして設計されたフローデバイスによって、処理液は、輸送方向に対して横方向に被処理材料から除去されうる。
【0033】
フローデバイスは、流体流がギャップを通り抜けないように設計かつ配置構成されうる。この目的のために、流体流の、体積流量または1以上の体積流量、流速および流れ方向は、流体流がギャップを通り抜けて貯留された処理液の中に達しないように、適切な方式で設計されうる。このように、例えば貯留された処理液中における泡の形成が、流体流によって低減または防止されうる。
【0034】
デバイスはさらなる保持面を含んでなり、被処理材料の輸送路に対して、該デバイスがさらなる保持面と輸送路に沿って輸送される被処理材料のさらなる表面との間にさらなるギャップを形成するように、配置構成されるように設計されうる。保持面およびさらなる保持面は、例えば、被処理材料の両表面から液体を除去するために、該表面と向かい合うことができる。保持面およびさらなる保持面は、ロール対の両ロールであってその間を被処理材料が輸送されるロール上に提供されてもよい。
【0035】
デバイスは、処理液がギャップを通り抜けることができるように設計されてもよい。少流量の処理液がギャップを通過することが許容される場合、特に、処理液の通過を完全に防止する手段は省略可能である。
【0036】
保持面はデバイスの回転自在に載置されたロール上に形成されてもよい。ロールは、ロール表面が被処理材料の有用領域全体から間隔を置いて配置されるように構成可能である。
【0037】
デバイスは、ロール表面の一部であって片側にギャップを画成する部分が、被処理材料の輸送方向とは反対の方向に動くように、ロールの回転を設定するように設計された駆動デバイスを含んでなることもできる。この方法では、例えば、処理ステーションの流出領域において、処理液の漏れがさらに低減されうる。さらに、被処理材料の表面上における物質のやりとりも改善されうる。
【0038】
ロールは、保持面によって処理液を保持するためだけでなく被処理材料を輸送するためにも使用されうるように、設計可能である。この目的のために、被処理材料を輸送するために被処理材料と結合されるように構成された、少なくとも1つの輸送部分がロール上に提供されてもよい。ロール上において、被処理材料を輸送するために2つの輸送部分が提供されて、この少なくとも2つの部分の間に保持面が配置構成されてもよい。例えば、輸送部分がロールの軸方向エッジ部分に提供され、保持面がこの軸方向エッジ部分の間を伸びてもよい。保持面は、少なくとも1つの輸送部分かつ/または少なくとも2つの輸送部分に対してオフセットされた表面として構成されうる。
【0039】
ロールは、被処理材料に沿って横幅方向に、すなわち被処理材料の輸送方向に対して横方向に伸びるように設計されうる。被処理材料が水平の輸送面上を輸送される場合、ロールは輸送面の上方または下方に提供されるように設計されうる。
【0040】
デバイスは、例えば鉛直方向に調節可能な軸受を提供することにより、ロールが被処理材料の輸送面に対して垂直に調節可能であるように構成可能である。そのように構成されたデバイスでは、ギャップ、特に最小ギャップ高の幾何学的配置を調節可能である。
【0041】
少なくとも1つの輸送部分かつ/または少なくとも2つの輸送部分は、保持面に関して回転可能である。デバイスは、1または複数の輸送部分の回転駆動機構およびそれとは独立した保持面の回転駆動機構に合わせて設計されうる。
【0042】
さらなる実施形態では、デバイスは、保持面が形成される立方形の要素を含んでなることができる。
デバイスは、1つの特徴または実施形態に従って被処理材料を処理する方法において使用されるように設計可能である。
【0043】
平面的な被処理材料を処理するための本発明の1つの態様によって提供されるアセンブリは、被処理材料から処理液を除去または離隔するための、本発明の特徴または実施形態
によるデバイスとして設計されたデバイスを含んでなる。
【0044】
該アセンブリは複数のそのようなデバイスを含んでなることができる。例えば、少なくとも2つのデバイスが、被処理材料から処理液を除去するために、被処理材料の輸送方向に互いに間隔を置いて提供されてもよい。処理液を除去するために複数のそのようなデバイスを使用することによって、液体が、該デバイスによって形成されたギャップを通り抜ける場合でも、処理液をほとんど除去することが可能である。別例として、または追加として、被処理材料の輸送方向に互いに間隔を置いて配置された複数のデバイスが、処理ステーションにおいて処理液を貯留し、かつ処理ステーションからの処理液の漏れを低減するために、処理ステーションの流入領域に提供されてもよい。
【0045】
アセンブリは、処理液が貯留されうる処理ステーションを含んでなることができる。処理ステーションの流入領域および処理ステーションの流出領域の両方において、被処理材料から処理液を除去または離隔するためのデバイスがそれぞれ提供されてもよい。該デバイスによって、処理液は処理ステーション内に貯留されうる。流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、いずれの場合にも、処理液を除去または離隔するための少なくとも2つのデバイスが提供されてもよい。少なくとも2つのデバイスによって、処理液は複数の液位で貯留されうる。
【0046】
アセンブリは、処理ステーションの流入領域内で輸送面より上方に提供されるデバイスの保持面、および処理ステーションの流出領域内で輸送面より上方に提供されるデバイスの保持面を、反対方向に回転させるように構成されうる。別例として、または追加として、アセンブリは、処理ステーションの流入領域内で輸送面より下方に提供されるデバイスの保持面、および処理ステーションの流出領域内で輸送面より下方に提供されるデバイスの保持面を、反対方向に回転させるように構成されうる。回転方向の適切な選択によって、流入領域内および流出領域内に提供されるデバイスのギャップを通る処理液の通過は低減または防止されうる。
【0047】
さらなる態様によれば、回路基板を製造する方法が提供される。したがって、1つの特徴または実施形態による被処理材料を処理する方法によって処理された被処理材料から回路基板を製造することが提供される。例えば、プリント回路基板が該方法によって製造されてもよい。
【0048】
本発明の実施形態により、被処理材料を湿式化学処理するためのアセンブリにおいて被処理材料から処理液を除去または離隔することが可能となる。したがって、処理液を保持するための保持面が、被処理材料の有用領域から間隔を置いて配置構成されて、有用領域が固定要素と直接接触するのを低減または回避するためにギャップが形成されるようになっていてもよい。
【0049】
本発明の実施形態は、特に、易損性表面を備えた平面的な被処理材料が水平な輸送面またはほぼ水平な輸送面において輸送されるアセンブリにおいて、使用されうる。しかしながら、実施形態はこの応用分野に限定されない。
【0050】
本発明は、好ましい実施形態または有利な実施形態を参照し、また添付の図面を参照することにより、本明細書中以降においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態による、処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図2】図1のデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図3】さらなる実施形態による、処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図4】一実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図5】さらなる実施形態による、処理液を除去するための複数のデバイスを備えた処理ステーションの一部分の概略的な部分断面側面図。
【図6】さらなる実施形態による、処理液を除去または離隔するためのデバイスの概略正面図。
【図7】さらなる実施形態による、処理液を除去するためのデバイスの概略的な部分断面側面図。
【図8】流入領域および流出領域において実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイスを備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【図9】ニップロール対を備えた処理ステーションの概略的な部分断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
被処理材料を指す方向情報または位置情報は、慣習に従って輸送方向に関して提示される。被処理材料の輸送が輸送方向に対して平行かつ/または非平行である場合に、輸送方向に対して輸送面において直角な方向である長手方向として示される方向は、被処理材料の横幅方向として示される。
【0053】
被処理材料から処理液が離隔または除去されるデバイスおよび方法の実施形態が開示される。「処理液」という用語により、湿式化学処理のためのアセンブリにおいて被処理材料が供される可能性のある任意の液体、特にプロセス薬品、水などのようなリンス液が了解される。
【0054】
実施形態は、被処理材料の処理であって該処理において被処理材料が水平の輸送面で輸送される処理のためのアセンブリとの関連において開示される。「輸送面より上方」または「輸送面より下方」、「上部表面」、「下部表面」、および処理液の高さまたは液位への言及などのような情報は、そうでないことが指摘されない限りは、そのまま鉛直方向ついて述べている。「水平な輸送面を輸送する」という語によって、特に、被処理材料の少なくとも3つの角部が水平な平面上に位置している被処理材料の輸送と了解されうる。これは、例えば低い固有剛性を有する被処理材料においては、輸送中の被処理材料の少なくとも個別の部分または個別の領域は輸送面の外側に位置するという事実を排除するものではない。
【0055】
図1は、被処理材料10から処理液を除去するためのデバイス1の概略正面図である。図2は、図1にII−IIで示された方向に沿った、デバイス1の概略側面図である。この部分断面側面図の切断面は鉛直平面であり、被処理材料の有用領域が輸送される線に沿った輸送面と交差する。
【0056】
デバイス1はロール2およびさらなるロール3を含んでなり、該ロールは、被処理材料10がロール2とさらなるロール3との間を輸送されるように、被処理材料10の輸送面の両側に配置構成されている。デバイス1は、例えば、図9の処理ステーション200においてニップロール対213または215として使用されうる。
【0057】
ロール2は、ロール2の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液のための保持面4を有する。ロール2は、被処理材料10がロール2を通過して輸送される時に保持面4と被処理材料10との間にギャップ8が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール2の周囲表面の保持面4を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0058】
さらなるロール3は、ロール3の周囲表面のオフセット部分として提供される、処理液のためのさらなる保持面14を有する。さらなるロール3は、被処理材料10がロール3を通過して輸送される時にさらなる保持面14と被処理材料10との間にギャップ18が残るように、被処理材料10の輸送路に対して配置される。ロール3の周囲表面のさらなる保持面14を形成する部分は、ほぼ円筒状に構成されてよい。
【0059】
ロール2およびさらなるロール3の配置構成および設計によって形成されるギャップ8、18により、被処理材料10の横幅方向の大部分にわたって伸びる、被処理材料10の有用領域11は、デバイス1の固定要素とは接触しない。有用領域11における被処理材料10の表面に損傷を与えるリスクは、このようにして低減可能である。
【0060】
保持面4およびさらなる保持面14の円筒形状により、ギャップ8、18は、被処理材料10の輸送方向20において変化しうるギャップ高かつ/または空間高を有する。ギャップ8、18の最小ギャップ高9、19は、保持面4、14の、それぞれのロール2および/または3に向かい合う被処理材料10の表面から最短距離にある地点によって決まる。
【0061】
ギャップ8、18が処理液の通路を許容するとしても、処理液はデバイス1によって被処理材料10から除去されうる。特に、ギャップ8、18が最小ギャップ高9、19へと先細りすることによって、デバイス1は、輸送方向20にロール2の相対する2つの側において処理液の液位を可変的にすることができる、圧力の減少を引き起こすことができる。
【0062】
図2は、ロール2の一方の側で液位22まで貯留された処理液21と、被処理材料10がデバイス1を通過した後に残っている、より低い液位24の処理液23の層とを概略的に示している。デバイス1は、特に、処理液21が保持面4およびさらなる保持面14によって、保持面4の真上に、最小ギャップ高となる配置に相当するギャップ8、18の下縁からそれぞれ計測されたギャップ8の最小ギャップ高9よりも、かつギャップ18の最小ギャップ高19よりも高い液位22まで、ロール2、3の片側に(図2ではロール2、3の左側に)貯留されるように、設計可能である。
【0063】
図3〜6に関連してより詳細に説明されるように、被処理材料10が保持面4、14を通過した後に被処理材料上に依然として残っている処理液23は、適切な方法で、例えば被処理材料上に流体を流れさせることにより、除去可能である。
【0064】
デバイス1のロール2、3は、被処理材料10から液体を除去するためだけでなく被処理材料10を輸送するためにも設計されうる。この目的のために、ロール2はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられる時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分5、6を有することができる。隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために、回転駆動されうる。エッジ部分5、6の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト7が提供される。エッジ部分5、6を1つの回転方向25に回転させることによって、被処理材料10はさらに輸送されうる。従って、ロール3はその2つの軸方向端部に、被処理材料がロール2、3を通過せしめられる時に被処理材料10のエッジ領域12に接して支持するようになる隆起エッジ部分15、16を有することができる。隆起エッジ部分15、16は、被処理材料10を輸送するために回転駆動されうる。エッジ部分15、16の回転駆動機構のために、デバイス1を使用する場合に被処理材料10のための処理アセンブリに回転自在に載地されるシャフト17が提供される。エッジ部分15、16を1つの回転方向26に回転させることによっ
て、被処理材料10はさらに輸送されうる。
【0065】
エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方は、被処理材料10を輸送するために、前記被処理材料とともに摩擦結合または確動結合のうち少なくともいずれか一方を形成することができる。例えば、エッジ部分5、6またはエッジ部分15、16のうち少なくともいずれか一方に、被処理材料10を輸送するために被処理材料10の対応する凹部に係合する突部が形成されてもよい。
【0066】
ロール2では、隆起エッジ部分5、6は、被処理材料10を輸送するために被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面4はエッジ部分5、6に対してオフセットされる。エッジ部分5、6の、保持面4の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高9を決定する。従って、ロール3では、隆起エッジ部分15、16は被処理材料10を輸送するための被処理材料10に結合可能な輸送部分として作用する。保持面14はエッジ部分15、16に対してオフセットされる。エッジ部分15、16の、保持面14の半径と比較して隆起している、かつ/または大きい半径が、最小ギャップ高19を決定する。
【0067】
エッジ部分および保持面の半径は所望の応用分野に適切であるように選択可能である。例えば、ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満だけ小さくてよい。ロール2、3の保持面を形成する部分の半径は、輸送部分として使用されるロール2、3のエッジ部分の半径よりも、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmだけ小さくてよい。
【0068】
加えて、ロール2のシャフト7またはさらなるロール3のシャフト17のうち少なくともいずれか一方が高さ調節可能な軸受を用いて載置されて、被処理材料10の上部表面からのシャフト7の離間距離または被処理材料10の下部表面からのシャフト17の離間距離のうち少なくともいずれか一方が設定可能となっていてもよい。
【0069】
ロール2およびさらなるロール3は、輸送部分としての役割を果たしているエッジ部分5、6または15、16のうち少なくともいずれか一方を回転させると、それぞれのロールの保持面4または14のうち少なくともいずれか一方も、それぞれのロールの輸送部分と同じ方向に回転するように設計されてもよい。このように、保持面4および14と、被処理材料10の表面との間の相対的運動が低減されうる。
【0070】
この目的のために、ロール2またはロール3のうち少なくともいずれか一方は、例えば、輸送部分および保持面の両方が、互いに対する回転という点で固定されてロールの表面上に構成されるように、設計されてもよい。しかしながら、別例として、輸送部分が、図8により詳細に説明されるように、保持面に対して回転可能なように提供されてもよい。
【0071】
1つの実施形態では、輸送部分は保持面に対して回転可能なように提供されてよい。保持面の角速度は、輸送部分の角速度、輸送部分の半径、およびロールの保持面を成形している部分の半径に応じて選択可能である。保持面の角速度は、保持面上の周速度が被処理材料の輸送速度と同じであるように選択されてもよい。
【0072】
デバイス1の複数の改変形態がさらなる実施形態で実施されうる。
例えば、デバイス1のロール2、3がその軸方向端部に隆起部分5、6、15、16を有する一方、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方に、2以上の隆起部分がさらに提供されてもよい。したがってこのさらなる隆起部分は、特に、該隆起部分が、被処理材料10と、機械的接触が重要ではない表面領域上に接触するように、
ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方の上に配置構成されうる。例えば、被処理材料10の長手方向に伸びている被処理材料の表面領域が、ロール2またはさらなるロール3のうち少なくともいずれか一方のさらなる隆起部分によって支持されてもよい。被処理材料10の有用領域11は、被処理材料の、ロール2またはさらなるロール3の隆起部分とは接触しない表面領域によって画成されうる。さらなる隆起部分によって達成される追加の支持作用により、被処理材料10の有用領域における望ましくない接触のリスクが低減されうる。
【0073】
デバイス1では、被処理材料の表面とともにギャップを形成する保持面4、14は輸送面の上方および下方の両方に提供されるが、さらなる実施形態によるデバイスでは保持面は片側のみに提供され、かつ被処理材料の表面とともにギャップを形成する。例えば、そのようなギャップを形成する保持面が、輸送面の上側のみ、または下側のみに配置構成されてもよい。反対側には、例えば、ほぼ一定の直径を有するロールが提供されてもよい。従って該ロールは、被処理材料の有用領域において被処理材料の表面と接触する可能性がある。反対側に提供される、ギャップを形成する保持面は、被処理材料の表面を損傷するリスクを低減するために、該表面に加わる力の低減をもたらしてもよい。
【0074】
さらなる実施形態では、一定の、すなわちロールの軸線方向において変化しない直径を備えたロールの周囲表面も、被処理材料の表面との間にギャップを画成する保持面としての役割を果たすことができる。ギャップ、特に最小ギャップ高の設計は、輸送面に対して高さ調節が可能な軸受によって載置されているロールによって、調節可能であってもよい。さらに、2つのそのようなロールが被処理材料の上側面および下側面の液体を除去するために提供されて、対応するロールと被処理材料との間に形成されるギャップが残っていてもよい。
【0075】
図3は、さらなる実施形態による、処理液を除去するためのデバイス31の概略側面図である。デバイス31は、例えば、図9の処理ステーション200の流出領域においてニップロール対214、215、216の代わりに使用されうる。機能または設計のうち少なくともいずれか一方においてデバイス1の要素または装備に相当する、デバイス31の要素または装備は、同じ参照数字で提示されており、重ねて詳細には説明されない。
【0076】
デバイス31は液体を保持するための保持面4を含んでなる。デバイス31は、保持面4が該保持面と向かい合う被処理材料10の表面とともに(図3では被処理材料10の上部表面とともに)ギャップ8を形成するように、設計されている。保持面4は、例えば、回転自在に載置されたロール2の上に提供されうる。ロール2は、図1および2に関して後述されるように設計されうる。保持面4は、保持面4を通過して輸送される被処理材料10から処理液を除去する。一実施形態のギャップ8は処理液の通過を許容するので、処理液34は、被処理材料10が保持面4を備えたロール2を通過した後も前記被処理材料上にまだ存在する可能性がある。
【0077】
デバイス31は、ノズル装置を備えたフローデバイス32をさらに含んでなる。輸送方向においてフローデバイス32は、ロール2およびロール2に提供された保持面4から間隔を置いて配置される。フローデバイス32は、輸送方向に下流に、すなわち輸送方向において保持面4を備えたロール2の後に、配置構成される。フローデバイス32は、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の一部を被処理材料10から除去するために設計されている。フローデバイス32は、特に、ギャップ8を通り抜けた後に被処理材料10の上に残っている処理液34の大部分を被処理材料10から除去するために設計されていてもよい。
【0078】
フローデバイス32は、被処理材料10から処理液34を吹き飛ばすために、または流
体流33によって他の方法で処理液を除去するために、流体流33、特に気体流(例えば空気流)を放出することができる。流体流33は、デバイス31のギャップを形成する保持面4の方向に少なくとも1つの流れ成分(図3では、左に配向された成分)を有することができる。保持面4の上では、処理液は被処理材料の側方に流れることができる。
【0079】
フローデバイスはさらに、流体流33が、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向、すなわち、保持面4が形成されるロール2の軸線方向と平行に方向付けられた流れ成分を有するように、設計されてもよい。このようにして、処理液34は被処理材料10から側方へと除去されうる。
【0080】
フローデバイス32は、被処理材料10の上に、被処理材料10の幅全体にわたって、すなわち、輸送方向に対して横方向に被処理材料10の広がりを覆って伸びていてもよい。流体流33の放出については、フローデバイス32は1以上のノズル口を含んでなることができる。ノズル口は、例えば、フローデバイス32の上に被処理材料10の横幅方向に形成された一続きのスロット、複数のスロットまたは複数の穴として形成されうる。フローデバイス32は、被処理材料10の表面に対するノズル口の離間距離が、被処理材料の幅全体にわたってほぼ同じ寸法であるように設計されてよい。
【0081】
フローデバイス32は、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して横方向に方向づけられた直線状のチャネル本体を含んでなることができる。チャネル本体は、別例として、輸送面に対して平行かつ輸送方向20に対して傾斜をなすように方向づけられてもよい。
【0082】
1つの実施形態では、フローデバイス32の形状は、被処理材料の横幅方向におけるフローデバイス32の中央部分が、フローデバイス32のエッジ部分よりも、ギャップを形成する保持面4に接近して配置構成されるような形状であってよい。例えば、フローデバイス32は、輸送面に垂直な方向からの平面図で(すなわち、輸送面の上方から垂直に見た場合の図3において)、保持面4によって形成されたギャップ8へと向かう凸形状を有する形状を有していてもよい。例えば、該平面図におけるフローデバイス32は、先端部が保持面4を指しているV字形状であってもよい。このように構成されたフローデバイスは、被処理材料のエッジ部に向かって処理液を効率良く運んで前記処理液を除去するために、被処理材料の一方のエッジ部の方向に速度成分を有する流体流を放出するように設計されている。
【0083】
フローデバイス32は、このように被処理材料上を流れる気体流、特に空気流を放出するように設計可能である。フローデバイス32は、気体流33の流出速度が少なくとも2m/秒、特に少なくとも10m/秒、特に少なくとも30m/秒であるように設計可能である。
【0084】
フローデバイス32は、液体流を放出することによって被処理材料上を流れるように設計されてもよい。フローデバイス32は、液体流33の流出速度が少なくとも0.1m/秒、特に少なくとも1m/秒、特に少なくとも3m/秒であるように設計可能である。
【0085】
フローデバイス32は、流体流33の流出方向が被処理材料の表面に対して平行であるかまたは傾斜をなすことができるように設計されてもよい。特に、フローデバイス32は、流体流がフローデバイス32のノズル口からギャップ8の方向に、かつ/または輸送方向に対して横方向に出して、被処理材料10の一方のエッジ部に向かって流れるように、構成されてもよい。別例として、流出方向は、被処理材料10の表面に対して垂直に方向づけられてもよい。
【0086】
フローデバイス32は、流体流33がギャップ8を通り抜けないように、すなわち、ギャップを形成している保持面4の反対側に貯留された処理液に入らないように、構成可能である。このようにして、流体流33により処理液21の中に泡が形成されることが回避または防止されうる。流体流33がギャップ8を通過するのを回避するために、例えばフローデバイス32からの流体流33の体積流量または1以上の体積流量、流出速度、および/または流出方向を適宜設定可能である。
【0087】
デバイス31は、ギャップ8とフローデバイス32の1または複数のノズル口との間の間隔または様々な間隔が、最大でも100mmおよび少なくとも10mmであるように、設計されうる。
【0088】
図3に示されるように、デバイス31は、さらなるロール3の上に形成されうる、輸送面より下方に配置構成されたさらなる保持面14をさらに含んでなることもできる。
デバイス31の複数の改変形態はさらなる実施形態において実装されうる。例えば、図3に関連して、フローデバイス32が被処理材料10の輸送方向に関してギャップを形成する保持面4を備えたロール2の下流に配置構成されている、処理液を除去するためのデバイス31が説明されてきたが、処理液を離隔するためのデバイスは、フローデバイスが被処理材料の輸送方向においてギャップを形成する保持面の前かつ/または上流に配置構成されるように、設計されてもよい。このように形成されたデバイスは、特に、処理ステーションの流入領域において使用されうる。
【0089】
さらなる実施形態による、処理液を除去または離隔するためのデバイスでは、別例または追加として、フローデバイスから放出される流体流33により、被処理材料10の下側から液体を吹き飛ばすために、またはその他の方法で被処理材料10から液体を除去するために、輸送面より下方にフローデバイス32が提供されてもよい。
【0090】
フローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、該フローデバイスは、フローデバイスによって生じる流体流が、輸送方向に対して平行な、ギャップを形成する保持面から離れるように方向付けられた速度成分を有するように、設計可能である。例えば、処理ステーションの流出領域に提供されるフローデバイスでは、フローデバイスによって生じる流体流は、輸送方向に方向付けられた速度成分を有することができる。
【0091】
処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より上方に提供される場合、輸送要素が輸送面より下方の対応する位置に提供されてもよい。同様のやり方で、処理液を除去するためのフローデバイスが輸送面より下方に提供される場合、輸送要素が輸送面より上方の対応する位置に提供されてもよい。輸送要素およびフローデバイスは、輸送面の両側に、輸送方向に関して同じ位置に配置構成されるとよい。
【0092】
輸送要素は、例えば、被処理材料の支持または輸送のうち少なくともいずれか一方を行うように設計可能である。輸送要素はロールとして構成されてもよい。ロールはオフセット保持面を有してもよいが、軸線方向にほぼ一定の直径を有してもよい。輸送要素は、複数のホイールが提供されるホイール車軸として形成されてもよい。ホイールは被処理材料を輸送するために被処理材料と接触するように設計されうる。
【0093】
図4は、処理ステーションの流出領域41の概略側面図である。このような流出領域41は、図9の処理ステーション200において、内部容器201の、被処理材料が処理ステーションを出る側の一端に提供されうる。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を浸漬させるのに十分な高さに貯留されている処理領域42から、輸送方向20にさらに輸送される。
【0094】
流出領域41は、被処理材料10から処理液を除去するための複数のデバイス43、44および45を含んでなる。処理液を除去するためのデバイス43、44および45は、被処理材料10の輸送路に沿って並べられて、輸送方向20に互いに間隔を置いて配置される。デバイス43、44および45はそれぞれ保持面を有し、該保持面は、該保持面と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるように、輸送面に関して配置構成される。
【0095】
デバイス43、44および45は、一実施形態によって処理液を除去するためのデバイスとして形成されてもよい。1つの実施形態では、デバイス43は、被処理材料10がその間を通過するように配置構成された1対のロール51、52を含んでなることができる。デバイス43のロール51、52のうち少なくとも一方には、ギャップを形成する保持面が処理液を保持するために形成されて、被処理材料がロール51、52を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール51、52のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域、およびその間に提供されたオフセット保持面を有することができる。デバイス43は、例えば、図1および2に関して記載されたデバイス1のように構成されてもよい。
【0096】
デバイス44は、輸送面より上方に配置構成されたロール53およびフローデバイス54、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール55およびフローデバイス56を有することができる。デバイス44のロール53、55のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール53、55を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール53、55のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス54および56は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス54および56によって放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0097】
デバイス45は、輸送面より上方に配置構成されたロール57およびフローデバイス58、ならびに輸送面より下方に配置構成されたロール59およびフローデバイス60を有することができる。デバイス45のロール57、59のうち少なくとも一方には、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料10がロール57、59を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、図1および2に関して説明されるように、ロール57、59のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。フローデバイス58および60は、被処理材料10の上に残っている処理液を除去するために、被処理材料の上に流体流33が、例えば空気流が流れるようにする。この目的のために、フローデバイス58および60から放出される流体流33は、該流体流が移動することによって被処理材料の一方のエッジ部の方向に処理液を除去するように、方向づけられてもよい。
【0098】
被処理材料10が連続して通り抜けるデバイス43、44および45の、ギャップを形成する保持面は、様々な設計のものであってよい。例えば、該デバイス上のギャップは次第に狭くなってもよい。例えば、デバイス43はギャップがデバイス43の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第1の最小ギャップ高を備えて形成されるように設
計される一方、輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、ギャップがデバイス44の保持面と向かい合う被処理材料10の表面との間に第2の最小ギャップ高を備えて形成されるように設計されてよい。したがって、デバイス44の第2の最小ギャップ高は、デバイス43の第1の最小ギャップ高より小さくてもよい、すなわち、処理ステーションの流出領域におけるギャップは、1つのデバイスから、輸送方向に関して下流に配置構成された処理液を除去するためのさらなるデバイスへ、より低い高さを有していてよい。
【0099】
処理領域42を画成するデバイス43は、ロール51の、輸送方向に関して互いに反対となる側の間に処理液の液位差74が設定されるように設計される。処理領域42では、処理液21は液位71まで貯留され、ロール51の反対側の隣接領域では、処理液は液位72まで貯留される。
【0100】
輸送方向に関してデバイス43の下流に配置構成されるデバイス44は、被処理材料10がロール53、55を通過する時に被処理材料10から処理液が除去されるように設計される。ロール53、55を通過するように被処理材料10を移動させた後もなお被処理材料上に存在する処理液73は、フローデバイス54、56によって少なくとも部分的に除去される。輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されるデバイス45によって、デバイス44を通過した後もなお被処理材料10の上に存在しうる処理液のさらに一部が、被処理材料から除去されうる。
【0101】
処理液を除去するための複数のデバイスの使用によって、処理液は、ギャップが保持面と被処理材料10との間に依然として残っていても被処理材料10から確実に除去可能である。
【0102】
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス43のロール52との間に、バリア47が提供される。バリア47により、液位71と液位72との間の液位差74がデバイス43の両側において設定されうる。この目的のために、例えば長穴、穴またはスロットの形状の開口部61がバリア47に形成される。開口部61は、バリア47を通る液体の流れを調節し、ひいては液位71と液位72との間の液位差74を調節するために、閉止させることが可能である。
【0103】
処理領域42に隣接する領域における液位72は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。前記の流れ、ひいては液位72を調節することを可能にするために、バリア47とバリア48との間に1つ以上の開口部、例えば閉止可能な穴が、底部46に提供されてもよい。バリア47に開く開口部、および底部46に開く開口部を適切に選択することにより、処理領域42に隣接する領域における所望の液位72のための基本設定が選択されうる。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えばロール51、52、53および55を支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0104】
処理領域42から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液がポンプ(図示せず)によって処理領域42へ運搬されてもよい。
処理ステーションの内部容器の底部46と、輸送面より下方に配置構成されたデバイス44のロール55との間に、バリア48が提供される。バリア48は、液位を調節するための閉止可能な開口部を有する必要はない。バリア48は、処理領域から出る処理液の流れを縮小するのを支援する。
【0105】
さらなる実施形態では、流出領域41の改変形態が実装されうる。1つの実施形態では
、例えば、デバイス45が省略されてもよい。従って、処理液を除去するための2つのデバイスが流出領域に提供されてもよい。輸送方向に関してこれらのデバイスの少なくとも最後にはフローデバイスを有することができる。フローデバイスは少なくとも輸送面より上方に提供されてよい。
【0106】
さらなる実施形態では、液位差を設定するための1または複数の開口部を備えたバリアを有する、液体を除去するための複数のデバイスが提供されてもよい。バリアは、いずれの場合も、バリア47に関して説明されたような設計を有することができる。1つの実施形態では、例えば流入領域または流出領域において、2つのデバイスがいずれの場合も液体を保持するための保持面を有する少なくとも1つのロールを備えて提供されてもよく、該保持面は前記保持面を過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成し、輸送面より下方のいずれのデバイスにおいてもバリア47に関して説明されたような1または複数の開口部を備えたバリアが提供されている。上記デバイスの両方から輸送方向に間隔を置いて、デバイス44に相当する設計を有するさらなるデバイスが提供されてもよい。このようにして、例えば、流入領域または流出領域において、処理領域に比べてより低い液位の処理液を備えた少なくとも2つの領域が形成されうる。
【0107】
いずれ場合の液体を除去するためのデバイス43〜45においても、ロールは輸送面より上方および下方の両方に提供されて、前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともにギャップを形成するが、さらなる実施形態では、液体を除去するためのデバイスはそれぞれ、保持面が輸送面より上方に提供されたロール上にのみ提供されて、該保持面と前記ロールを過ぎて誘導される被処理材料との間にギャップを残すように、構成されてもよい。輸送面より下方に提供されるロールは、該ロールの軸線方向に一定の直径を有していてもよい。
【0108】
1つの実施形態では、フローデバイス54、56のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。別例として、または追加として、フローデバイス58、60のうち一方が輸送要素に置き換えられてもよい。該輸送要素は、被処理材料を支持かつ/または輸送するために設計されていてよい。該輸送要素は、例えば、ロールまたはホイールの車軸として構成されてもよい。
【0109】
1つの実施形態では、輸送面より下方に提供されるフローデバイス56、60のうち一方は、フローデバイス56、60によって生じる流体流33が流出領域41において輸送方向に向かう速度成分を有するように、構成されてもよい。
【0110】
図5は、処理ステーションの流出領域81の概略側面図である。そのような流出領域81は、図9の処理ステーション200の、内部容器201の一端であって被処理材料が内部容器201から出る端部に提供されてもよい。流出領域では、被処理材料10は、処理液21が被処理材料を浸漬させるような高い液位で貯留されている処理領域82から、輸送方向20へとさらに輸送される。機能または設計のうち少なくともいずれか一方が流出領域41の要素またはデバイスに相当する、流出領域81の要素またはデバイスは、同じ参照数字で提示されており、改めて詳細には説明されない。
【0111】
個別の処理ステーションでは、処理領域82において比較的高い液位91を設定することが望ましい場合もある。処理領域82の液位91は、例えば、輸送面より少なくとも15mm上方に配置されてもよい。
【0112】
流出領域81には、処理液を除去または離隔するための複数のデバイス83、44およ
び45が提供されている。デバイス83は、間を被処理材料10が通過せしめられるように配置構成されたロール84、85を含んでなる。デバイス83のロール84、85の少なくとも一方に、処理液を保持するためのギャップを形成する保持面が形成されて、被処理材料がロール84、85を通過する時に保持面と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップが形成されるようになっていてもよい。特に、ロール84、85のうち少なくとも一方は、被処理材料10を輸送するための隆起エッジ領域と、該エッジ領域の間に設けられたオフセット保持面とを有することができる。ロール84、85の対は、例えば、図1および2に関して説明されたデバイス1として構成されてもよい。
【0113】
処理液が高い液位91まで貯留するのを可能にするために、デバイス83はロール84の上方にさらなる保持要素86を有する。このさらなる保持要素86は、貯留される液体の側壁として作用することによって、処理領域82の高い液位をともなって、処理液の貯留に寄与するように設計される。このさらなる保持要素86は、ロール84、86がかたく閉止されてロール84と86との間の液体のわずかな通過のみを可能にするかまたは液体の通過を許さないように、例えばロール84に対して補完的な様式に構成されたロールとして構成されてもよい。さらなる要素86の他の実施形態は、例えば、直立した形態であることも可能である。
【0114】
処理領域82の液位91と、該領域に対してデバイス83の反対側に隣接する領域の液位92との間の処理液の液位差97が、デバイス83によって設定かつ維持されるように、デバイス83が設計されている。輸送方向に関してデバイス83の下流に配置構成されたデバイス44は、被処理材料10がデバイス44を通過する時にこの被処理材料からさらなる処理液を除去する。被処理材料10がデバイス44のロール対を通り抜けてしまうと、液位92の代わりに、より少量の処理液93のみが被処理材料10上に見出される。デバイス44を通過した後もさらに必要であれば、輸送方向に関してデバイス44の下流に配置構成されたデバイス45が被処理材料10からさらに処理液を除去してもよい。
【0115】
液位差97を設定するために、閉止可能な開口部61がバリア47に提供される。処理領域82に隣接する領域における液位92は、流出入する処理液の流れの平衡を保つことにより決定される。これらの流れ、ひいては液位92の設定を可能にするために、1つ以上の開口部96、例えば閉止可能な穴がバリア47と48との間の底部46に提供されてもよい。バリア47に開く開口部61、および底部46に開く開口部96の適切な選択によって、処理領域82に隣接する領域における所望の液位92の基本設定が選択可能である。加えて、処理ステーションを側面にそって画成する要素の上に、例えば、デバイス83および44のロールを支持するために提供される軸受レシーバの上に、溢流バリアが提供されてもよい。余計に流入した分の液体は溢流バリアを介して放出可能である。
【0116】
処理領域82から流出する処理液の流れの平衡を保つために、処理液の流れ95がポンプ94によって処理領域82の中に運搬される。
図4および5を参照して処理ステーションの流出領域の実施形態について記載してきたが、処理液を除去または離隔するためのデバイスは、処理ステーションの流入領域にも適宜提供されうる。特に、流入領域では、被処理材料が処理ステーション内の流入領域に供給される前に処理液が前記被処理材料の上を流れるのを防止するために、複数のデバイスが、処理液を除去または離隔するために、輸送方向に互いに間隔を置いて配置されて提供されてもよい。
【0117】
ギャップを形成する保持面の設計は、個別の応用分野に応じて適切な方法で選択可能である。
図6は、さらなる実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイス101の概略正面図である。
【0118】
デバイス101はロール102およびさらなるロール103を含んでなる。ロール102およびさらなるロール103は、被処理材料10がロール102とロール103との間を輸送されるように配置構成される。ロール102の周囲表面は処理液を保持するために構成された保持面104を有する。保持面104を備えたロール102は、被処理材料10がロール102を通過する時にロール102の保持面104と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ8が残るように、構成される。ロール102の軸方向端部105は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、保持面104を画成するロール102の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0119】
さらなるロール103の周囲表面は処理液を保持するために構成されたさらなる保持面106を有する。さらなる保持面106を備えたさらなるロール103は、被処理材料10がさらなるロール103を通過する時にさらなるロール103のさらなる保持面106とこのロールに向かい合う被処理材料10の表面との間にギャップ18が残るように、設計される。さらなるロール103の軸方向端部107は、被処理材料10がその長手方向に伸びるエッジ部において固定レールにより保持される場合に、前記被処理材料を輸送するための輸送部分として作用するために、さらなる保持面106を画成するさらなるロール103の中央部分よりも小さな直径を備えて構成されている。
【0120】
被処理材料10の長手方向に伸びるエッジ部においては、被処理材料10を輸送するために被処理材料を保持する固定レール108、109が提供される。そのような固定レール108、109は、特に、低い固有剛性を有する被処理材料の輸送のために、該被処理材料に付加的な安定性を与えるために使用されうる。デバイス101のロール102およびさらなるロール103は、より小さな直径を備えた該ロールの軸方向端部105、107が、固定レール108、109に接して支持するようになるように設計される。ロール102およびさらなるロール103を回転させることによって、被処理材料10は、さらに固定レール108、109を介して輸送されうる。
【0121】
デバイス101では、ロール102、103の保持面104、106はロール102、103の軸方向端部に提供された輸送部分に対してオフセットされて、被処理材料10が保持面104、106を通過する時に保持面104、106と前記保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に所望の最小ギャップ高を備えてギャップ8、18が形成されるようになっている。
【0122】
デバイス101では、ロール102、103は被処理材料10と直接接触しない。被処理材料10の輸送は、輸送部分105、107を被処理材料10が保持される固定レール108、109と連結することによって行なわれる。
【0123】
デバイス101の改変形態では、ロール102、103は、被処理材料10を輸送するために、該ロールが被処理材料10と固定レール108、109に隣接するエッジ領域において接触するように構成されてもよい。この目的のために、ロール102、103において、固定レール108、109に隣接して被処理材料と接触する隆起した輸送部分が提供されてもよい。ロール102、103はさらに、ロール102、103と固定レール108、109との間に液体を排出するためのギャップも形成されるように設計可能である。この目的のために、固定レールから液体を搾出するための、ロールの輸送部分に対して相応に凹設された凹部または溝が、ロール102、103に提供されてもよい。ロールと固定レールとの間に形成されるギャップは、1mm未満、特に0.7mm未満、特に0.5mm未満となりうる最小ギャップ高を有することができる。ロールと固定レールとの間
に形成されるギャップは、少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.07mm、特に少なくとも0.09mmとなりうる最小ギャップ高を有することができる。
【0124】
固定された被処理材料から液体を搾出するためのデバイス101は、フローデバイスをさらに含んでなることができる。フローデバイスは、図3に関して説明されたように構成されうる。フローデバイスは、特に、フローデバイスから放出された流体流も固定レールから処理液を除去するように設計可能である。
【0125】
固定レール108、109に、液体が輸送方向に対して横方向に固定レールを通過するのを可能にする貫通穴が提供されてもよい。
ロール102、103は、長手方向に伸びるエッジ部のうち少なくとも一方に提供される固定レール108、109に対し、輸送面上にありかつ輸送方向に対して横方向に方向づけられた力成分を備えた力を加えるように設計されうる。この力は、反対側の長手方向に伸びるエッジ部に提供される固定レール108、109が、輸送方向に対して横方向に被処理材料10を挟持するために離間されうるように、方向づけられてよい。この目的のために、例えば、被処理材料の少なくとも一方の長手方向に伸びるエッジ部の上の固定レール108または109のうち少なくともいずれか一方は、1つ以上の磁石、特に永久磁石を有していてもよい。輸送面より上方に提供されるロール102または輸送面より下方に提供されるロール103のうち少なくともいずれか一方は、固定レールに電磁力を与えるために、磁石または複数の磁石を有していてもよい。この力は、固定レールが被処理材料10の向かい合う長手方向に伸びるエッジ部において弾性的に離間せしめられるように方向づけられてもよい。
【0126】
図7は、さらなる実施形態による処理液を除去または離隔するためのデバイス111の概略側面図である。デバイス111では、保持面は回転自在に載置されたロール上には提供されていない。
【0127】
デバイス111は、被処理材料10を処理するためのアセンブリにおいてインサートとして使用可能な2つのほぼ立方形の要素112、113を含んでなる。インサート112は輸送面より上方に配置構成され、インサート113は輸送面より方に配置構成される。インサート112、113の表面は、処理液を保持する保持面としての役割を果たす。
【0128】
デバイス111のインサート112、113は、被処理材料10の上部表面とインサート112の前記上部表面に面している側面114との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される場合にギャップ115が残るように、かつ、被処理材料10の下部表面とインサート113の前記下部表面に面している側面117との間に、被処理材料10がデバイス111を過ぎて誘導される時にギャップ118が残るように、被処理材料10の輸送路に関して配置構成される。インサート112の側面114およびインサート117の側面117は、ギャップ115および118が一定のギャップ高を備えて輸送方向に伸びるように、平らな設計を有することができる。
【0129】
デバイス111のインサート112、113は、輸送方向20とは反対側に開口している、インサート112、113上の面取り部116、119によって形成される流入領域を有する。そのような流入領域は、例えば、低い固有剛性を有する被処理材料、例えばフィルムを誘導するために使用されうる。
【0130】
インサート112、113を含んでなるデバイス111は、被処理材料10の湿式化学処理のためのアセンブリにおいて処理液21を貯留するために使用されてもよい。インサートの第1の側(図7において左)に配置構成された、処理液21が液位121まで貯留された処理領域から、被処理材料10がインサート112、113を過ぎて誘導される場
合、より少ない深さ122の処理液の層が被処理材料10の上に残る。
【0131】
インサート112、113は、デバイス111が使用されるアセンブリの構造条件に従って適切な方法で構成されうる。例えば、インサート112、113は、ギャップ115、118が輸送方向20にできる限り長いように設計されてもよい。
【0132】
インサート112、113は、湿式化学処理のためのアセンブリにおいて回転に関して固定して載置されてもよい。アセンブリにおけるインサート112、113は、特に、輸送方向において固定される状態で取り付けられてもよい。インサート112、113は、該インサートが互いに対して鉛直方向に移動可能なように取り付けられてもよい。
【0133】
デバイス111の改変形態では、立方形のインサートが輸送面より上方に提供される一方で、輸送面より下方には被処理材料を輸送するためにロールが提供される。立方形のインサートは、例えば、デバイス111のインサート112と同じ設計を有していてよい。
【0134】
図8は、流入領域に1対のロール132、133が提供され、流出領域にさらなる対のロール134、135が提供されている、処理ステーション131の概略側面図である。流入領域のロール132は輸送面より上方に配置構成され、流入領域のロール133は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。流出領域のロール134は輸送面より上方に配置構成され、流出領域のロール135は被処理材料10の輸送面より下方に配置構成されている。該ロール対により、処理ステーション131の処理液21は液位136レベルまで貯留されている。
【0135】
ロール132〜135はそれぞれ、その軸方向端部に、被処理材料の輸送のための、隆起部分5、15の形態の輸送部分を有する。該端部に提供される輸送部分の間に、より直径の小さい保持面4、14が形成される。図1および2に関して説明されたように、ロールの保持面4、14は、ロールを過ぎて誘導される被処理材料とともに、被処理材料の横幅方向に広がるギャップを形成する。
【0136】
輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5と、該輸送部分の間に配置構成された保持面4とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール132の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15と、該輸送部分の間に配置構成された保持面14とが同じ方向に回転するように、流入領域のロール133の異なる部分は回転自在に駆動される。輸送面より上方に提供されるロール132の輸送部分5の回転方向141は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分5が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より下方に提供されるロール133の輸送部分15の回転方向143は、被処理材料10を輸送方向20に輸送するために、被処理材料10との接点において輸送部分15が輸送方向20に動くように、選択される。輸送面より上方に提供されるロール132の保持面4は、ロール132の輸送部分5と同じ方向に回転方向142に回転されて、その結果、保持面4の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。同様に、輸送機より下方に提供されるロール133の保持面14は、輸送部分15と同じ方向に回転方向144に回転されて、その結果、保持面14の、被処理材料10に直接に面する部分が、より液位の高い方向(図8においては右側)に移動するようになっている。
【0137】
ロール132、133の適切な設計によって、十分に高い液位136が貯留されうる一方、液位の高い領域に向かって保持面4が移動することにより、ロール132、133の保持面4の上に形成されたギャップを通る液体の通過が十分に低減されうる。この目的のために、ロール132、133は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料1
0の表面との間に、0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてもよい。
【0138】
流出領域では、ロール134、135の輸送部分5、15は回転方向145、147に向かって回転して、輸送部分5、15が被処理材料10との接点において輸送方向20に動くようになっている。
【0139】
流出領域のロール134、135を用いて流出領域に形成されたギャップを通る液体の通過を低減するために、輸送面より上方に提供されるロール134は、ロール134の保持面4がロール134の輸送部分5に対して回転されうるように、構成されてよい。同様に、輸送面より下方に提供されるロール135は、ロール135の保持面14がロール135の輸送部分15に対して回転されうるように、構成されてよい。流出領域では、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4は、このロール134の輸送部分5の回転方向145に対して反対方向である回転方向146に回転されうる。輸送面より下方に提供されるロール135の保持面14は、このロール135の輸送部分15の回転方向147に反対の回転方向148に回転されうる。このように、保持面4、14は、輸送面より上方に提供されるロール134の保持面4の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、流出領域において回転してもよい。同様に、ロール135の保持面14は、ロール135の保持面14の被処理材料10に直接面する部分が、より液位の高い方向(図8では左側)に動くように、輸送部分15に反対の方向に回転されてもよい。
【0140】
さらに、流出領域内のロール134、135は、保持面4、14と該保持面に向かい合う被処理材料10の表面との間に0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmの最小ギャップ高を備えてギャップが形成されるように、設計されてもよい。例えば、輸送部分は、保持面に対して0.3mm未満、例えばおよそ0.1mmだけ高くなっていてよい。
【0141】
別例または追加として、それぞれの場合に、図3に関して説明されるようにして流体流によりギャップを通って出て来る処理液を除去するために、処理ステーション131の流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方に1または複数のブロー装置が提供されてもよい。
【0142】
ロール対の適切な設計により、流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、被処理材料の輸送の際に残るギャップを通る液体の流出を低減し、その結果として処理ステーションの流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方には処理液を吹き飛ばすためのフローデバイスは提供されないようにすることが可能である。
【0143】
流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において、それぞれの場合に、図4および5に関して説明されるようにして処理液を除去または離隔するための複数のデバイスが提供されてもよい。
【0144】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法により、被処理材料の湿式化学処理のためのアセンブリにおいて、ニップロールと被処理材料の有用領域との間の直接接触を低減または回避させることを可能にしながら、被処理材料から処理液を除去または離隔することが可能となる。
【0145】
図面に示され、かつ詳細に記載された実施形態の数多くの改変形態は、他の実施形態において実装されてもよい。
様々な実施形態において、被処理材料に対して横方向にほぼ同じ高さで被処理材料の横
幅方向に伸びる保持面が記載されてきたが、ギャップを形成する保持面は、ギャップの断面、特にギャップ高が被処理材料の横幅方向に変化するように構成されてもよい。例えば、被処理材料の横幅方向における保持面は、被処理材料の横幅方向における位置に依存して形成されるギャップがエッジ部よりも被処理材料の中央においてより高くなるように、凹面であってもよい。
【0146】
様々な実施形態が、特に、被処理材料が連続的に水平の輸送面において輸送される処理アセンブリにおいて使用されうる一方、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送されるアセンブリにおいても実施形態が使用されうる。例えば、被処理材料が鉛直の輸送面において輸送される場合にも、ギャップを形成する保持面およびフローデバイスの組み合わせを液体の貯留のために使用可能である。
【0147】
処理ステーションの流入領域または流出領域のうち少なくともいずれか一方において処理液を除去または離隔するためのデバイスの使用について、実施形態に即して記載してきたが、そのようなデバイスは、例えば物質のやりとりの改善のために、液体を取り換えるために処理ユニットの内部において使用されてもよい。
【0148】
様々な実施形態によるデバイスおよび方法は、例えば、プリント回路基板のような回路基板の製造において使用可能であるが、その使用はこれに限定はされない。
【符号の説明】
【0149】
1…処理液を除去するためのデバイス、2…ロール、3…さらなるロール、4…保持面、5,6…隆起エッジ部分、7…シャフト、8…ギャップ、9…最小ギャップ高、10…被処理材料、11…有用領域、12…エッジ領域、14…さらなる保持面、15,16…隆起エッジ部分、17…シャフト、18…さらなるギャップ、19…最小ギャップ高、20…輸送方向、21…処理液、22…液位、23…処理液、24…液位、25,26…回転方向、31…処理液を除去するためのデバイス、32…フローデバイス、33…流体流、34…処理液、41…流出領域、42…処理領域、43,44,45…処理液を除去するためのデバイス、46…底部、47,48…バリア、51,52…ロール、53,55…ロール、54,56…フローデバイス、57,59…ロール、58,60…フローデバイス、61…開口部、71,72…液位、73…処理液、74…液位差、81…流出領域、82…処理領域、83…処理液を除去するためのデバイス、84〜86…ロール、91,92…液位、93…処理液、94…ポンプ、95…液体流、96…開口部、97…液位差、101…処理液を除去するためのデバイス、102…ロール、103…さらなるロール、104…保持面、105…凹設されたエッジ部分、106…さらなる保持面、107…凹設されたエッジ部分、108,109…固定レール、111…処理液を除去するためのデバイス、112,113…インサート、114,117…側面、115,118…ギャップ、116,119…面取り部、131…処理ステーション、132〜135…ロール、136…液位、141〜148…回転方向、200…処理ステーション、201…内部容器、202…外部容器、203…被処理材料、204…輸送方向、206,207…フローノズル、208…処理液、209…外部容器内の液位、210…ポンプ、211,212,214,216…輸送ロール対、213,215…ニップロール対。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理材料(10)を湿式化学処理するためのアセンブリ内を輸送路に沿って輸送される、平面的な被処理材料(10)を処理するための方法であって、
被処理材料(10)はアセンブリ内で処理液(21)に供され、
処理液(21)を保持するための保持面(4、14)が、被処理材料(10)が該保持面(4、14)を通過せしめられる時に保持面(4、14)と被処理材料(10)の表面との間にギャップ(8、18)が残るように、輸送路に配置される、方法。
【請求項2】
ギャップ(8、18)が被処理材料(10)の有用領域(11)全体にわたって広がるように、保持面(4、14)がロール(51、52;84、85)の上に形成され、
保持面(4、14)から間隔を置いて配置構成された、処理液を除去するための第2のデバイス(32;44、45)を使用して、ギャップ(8、18)を通り抜けて保持面(4、14)と被処理材料(10)の表面との間に残っている処理液が、被処理材料(10)から除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
処理液を除去するための第2のデバイス(44、45)は、第2の保持面を、特に第2のロール(53、55、57、59)の上に形成され、かつ輸送路に配置された第2の保持面を含んでなり、被処理材料(10)が第2の保持面を通過せしめられる時に、第2の保持面と被処理材料(10)の表面との間に第2のギャップが残るようになっている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
処理液はロール(51;84)の両側に貯留され、処理液(21)の液位差(74;97)がギャップ(8、18)の相反する側に設定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
ギャップ(8、18)は最小ギャップ高(9、19)を有し、保持面(4、14)の少なくとも片側において処理液(21)はギャップ(8、18)の最小ギャップ高(9、19)より高い液位(22;71、72;91;121;136)まで貯留される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ギャップ(8、18)を通り抜ける処理液(21)は被処理材料(10)の上を流れる流体流によって被処理材料(10)から除去される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
処理液(21)を除去するために使用される流体流(33)はギャップ(8、18)を通り抜けないように方向づけられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
保持面(4、14)はロール(2、3;51、52、53、55、57、59;84、85;102、103;132〜135)の上に形成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ロール(2、3;51、52、53、55、57、59;84、85;102、103;132〜135)の上に、被処理材料(10)を輸送するために被処理材料(10)に結合される少なくとも1つの輸送部分(5、6、15、16;105、107)が提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
輸送部分(5、15)は被処理材料(10)を輸送するために保持面(4、14)に対して回転される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理液(21)の液位差(74;97)がギャップ(8、18)の相反する側に設定される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
保持面(4、14)はギャップ(8、18)を通る処理液(21)の通過が低減または防止されるように回転される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
処理液(21)は、被処理材料(10)が処理液(21)の中に浸漬されて処理ステーション内を輸送されるように、処理ステーション内の保持面(4、14)によって貯留される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
被処理材料(10)はフィルム状の材料、特に導電箔である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
平面的な被処理材料(10)を湿式化学処理するためのアセンブリ用の、該被処理材料(10)から処理液(21)を除去または離隔するためのデバイスであって、
処理液(21)を保持するための保持面(4、14)を含んでなり、かつ、該デバイスが保持面(4、14)と輸送路に沿って輸送される被処理材料(10)の表面との間にギャップ(8、18)を形成するように、被処理材料(10)の輸送路に対して配置構成されるように設計される、デバイス。
【請求項16】
保持面(4、14)は、ギャップ(8、18)が被処理材料(10)の有用領域(11)全体にわたって伸びるように、ロール(51、52;84、85)の上に形成され、
該デバイスは、保持面(4、14)と被処理材料(10)の表面との間に形成されたギャップ(8、18)を通過する処理液を被処理材料(10)から除去するように設計された、保持面(4、14)から間隔を置いて配置された第2のロール(53、55、57、59)を含んでなる、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
処理液はロール(51;84)の両側に貯留され、処理液(21)の液位差(74;97)がギャップ(8、18)の相反する側に設定される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
ギャップ(8、18)は最小ギャップ高(9、19)を有し、デバイスは該デバイスの少なくとも片側において処理液(21)をギャップ(8、18)の最小ギャップ高(9、19)より高い液位(22;71、72;91;121;136)まで貯留するように設計されている、請求項15〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
流体流(33)によって被処理材料(10)から処理液(21)を除去するように設計された、保持面(4、14)から間隔を置いて配置されたフローデバイス(32;54、56、58、60)を含んでなる、請求項15〜18のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項20】
フローデバイス(32;54、56、58、60)は、被処理材料(10)の輸送方向(20)に対して横方向に方向付けられた速度成分を備えた流体流(33)を生じるように設計されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
フローデバイス(32;54、56、58、60)は、流体流(33)がギャップ(8、18)を通り抜けないように設計かつ配置構成されている、請求項19または20に記載のデバイス。
【請求項22】
さらなる保持面(14)を含んでなり、該デバイスがさらなる保持面(14)と輸送路に沿って輸送される被処理材料(10)のさらなる表面との間にさらなるギャップ(18)を形成するように、被処理材料(10)の輸送路に対して配置構成されるように設計さ
れている、請求項15〜21のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項23】
処理液(21)がギャップ(8、18)を通り抜けるのを許容するように設計されている、請求項15〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
回転自在に載置されたロール(2、3;51、52、53、55、57、59;84、85;102、103;132〜135)を含んでなり、該ロール上に保持面(4、14)が形成される、請求項15〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
ロール(2、3;51、52、53、55、57、59;84、85;102、103;132〜135)の上に、被処理材料(10)を輸送するために被処理材料(10)に結合されるように構成された少なくとも1つの輸送部分(5、6、15、16;105、107)が提供されている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
少なくとも2つの輸送部分(5、6、15、16;105、107)が被処理材料(10)を輸送するためにロール上に提供されており、保持面(4、14)が少なくとも2つの輸送部分(5、6、15、16;105、107)の間に提供されている、請求項24または25に記載のデバイス。
【請求項27】
少なくとも1つの輸送部分または少なくとも2つの輸送部分(5、15)は保持面(4、14)に対して回転させることが可能である、請求項25または26に記載のデバイス。
【請求項28】
保持面(4、14)は、少なくとも1つの輸送部分または少なくとも2つの輸送部分(5、6、15、16;105、107)に対してオフセットされて構成されている、請求項25〜27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
請求項1〜14のいずれか1項の方法において使用するために設計された、請求項15〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
平面的な被処理材料(10)を処理するためのアセンブリであって、被処理材料(10)の少なくとも1つの表面上に処理液(21)を適用するかまたは被処理材料(10)を処理液(21)に浸漬するように設計され、かつ被処理材料を輸送路に沿って輸送するように設計されており、請求項15〜29のいずれか1項に記載の、被処理材料(10)から処理液(21)を除去または離隔するためのデバイス(1;31;43、44、45;83;101;111)を含んでなる、アセンブリ。
【請求項31】
請求項15〜29のいずれか1項に記載の少なくとも2つのデバイス(43、44、45;83、44、45)が、被処理材料(10)の輸送方向に互いに間隔を置いて配置されるように提供されている、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
処理液(21)を貯留するように構成された処理ステーションを含んでなり、該処理ステーションの流入領域には請求項15〜29のいずれか1項に記載のデバイス(132、133)が提供され、処理ステーションの流出領域には請求項15〜29のいずれか1項に記載のさらなるデバイス(134、135)が提供されている、請求項30または31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
処理ステーションの流入領域に提供されたデバイス(132、133)の保持面(4)と、処理ステーションの流出領域に提供されたデバイス(134、135)の保持面(4)とを反対方向に回転させるように設計されている、請求項32に記載のアセンブリ。
【請求項34】
回路基板を製造する方法であって、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法を用いて処理される被処理材料から回路基板が製造される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−527104(P2012−527104A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510167(P2012−510167)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002939
【国際公開番号】WO2010/130445
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】