広い角度分布を備えた発光ダイオードデバイス
発光ダイオードデバイスは、少なくとも一つの発光ダイオード、その上に上記少なくとも一つの発光ダイオードが取り付けられる面を備えたヒートシンクシャーシ、および上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を受光するための、上記少なくとも一つの発光ダイオードと連結している端部を備えた導波路とを含む。上記導波路は、光抽出/再配光領域を含む別の端部を有し、上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられる。上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光するために設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)デバイス、特に、広い角度の光分布を備えたLED電球のようなLEDデバイスに関する。こうしたデバイスを、低コストかつ低吸収損失で、大量生産する方法についても示されている。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、様々な用途に対する光源としての使用において好評を博している。高品質な窒化ガリウム結晶の成長が実証されてから以降、約450nm(青色)の波長で発光する高効率な窒化インジウムガリウム量子井戸青色LEDチップは、世界中で盛んに開発されている。蛍光体変換青色LEDから得られる白色LEDチップは、一般的な照明およびバックライトの用途において現在使用されている。特に、LED電球は、一般的な照明用途向けの、発熱電球、ハロゲン電球、冷陰極蛍光灯(CCFL)、小型蛍光灯(CFL)に代わる照明器具として開発されている。しかし、LEDは表面実装型デバイスであり、発光は120°のビーム角を備えた均等拡散空間分布を有する。従って、市販のLED電球の上記配光の上記ビーム角は、現在までのところ、一般的には120°〜140°である。これに対して、従来の白熱電球またはCFL電球は、270°より大きい配光ビーム角を生成する。上記LEDの狭いビーム角特性は、LED電球のダウンライト用途(天井取り付け)にとって望ましいが、光が底面や側面に十分に配光されない鉛直照明にとっては望ましくない。このことは、不均一な配光および付影効果をもたらす。散乱を増加させ、それに伴い上記ビーム角を増加させるために、LEDのドームケーシングに散乱性コーティングを使用する従来の方法は、一般的に20%〜30%の光損失をもたらし、結果として発光効率が低減する。こうした従来の方法での上記光出力の上記角度分布は、一般的に150°未満であり、従来のCFL電球とは異なる空間分布を有する。
【0003】
図1Aは、120°のビーム角を有するLEDの、極座標図における均等拡散空間分布を示す。図1Bでは、従来のCFL電球の光の角度分布が示されている。CFL電球では、上記角度分布は300°までであり、光度分布は完全に均一であることに注意されたい。
【0004】
図2Aは、ビーム角を増加させグレアを低減するために、ドーム状のディフューザーを使用している市販のLED電球の例である。LED1は、放熱のため、金属製ヒートシンクシャーシ2(熱を再分配するために、表面積を増加させるためのフィンを一般的に備える)に取り付けられている。特に高出力LED電球の場合、金属製ヒートシンクシャーシ2のサイズは、より効率的な放熱を行うために、通常は増大される。上記金属製ヒートシンクの面積が増大することにより、LED電球全体のサイズと重量が増大し、上記電球のデザインの質が低減し、消費者に対する訴求力は低下する。LED電球ケーシング3は、通常はドーム状であり、ビーム角を増加させグレアを低減するために、散乱性コーティング4で覆われている。図2Bは、図2Aで記載された特徴を備えたLED電球の極座標図を示す。ビーム角は図1Aから増加しているが、光度分布の均一性は低く、角度分布はCFL電球と大きく異なっている。上記大型の金属製ヒートシンクが、光が下方向に導かれるのを妨げているので、この構造においてビーム角もまた低減される。散乱性コーティング4は、光損失の原因であり、上記LED電球の効率を低減させる。
【0005】
これらの問題のうちの一部を克服するため、様々な構成を備えたLED電球が開発されてきた。これらは以降の段落で説明される。
【0006】
図3は、US6,450,661B1(Okumuraら、2002年9月)に記載された、LED電球の配光の等方性を増加させるための方法の概略図である。このLED電球100は、広ビーム角配光を実現するため、円盤状の球分布で取り付けられた一連のLEDを使用する。従って、上記LEDの半分、およびそれらの発光は、上方向に向けられ、残り半分は下方向に向けられる。この構成において、上記LEDはヒートシンクの上に直接取り付けられていないので、LEDの放熱は最適ではない。このようにLEDを取り付ける手間は、生産コストをも増大させる。特に、LEDの性能および寿命がそのジャンクション温度に大きく依存する高出力LED電球において、放熱は重要である。従って、この引用例で記載されている上記方法は、低出力LEDに限定される。
【0007】
図4は、US2008/0062703A1(Cao、2008年3月)に記載された、増大された光ビーム角を備えたLED電球120の概略図である。上記LEDは、等角に/三次元状に取り付けられ、光は横方向に照射され、より広いビーム角を生成する。上記LEDは、上記ヒートシンクと小さい面積でしか直接接触しないので、この方法において良好な放熱を実現するのは困難である。この方法は、複数のLEDの代わりに単独のLEDを用いるLED電球に実装するのも困難である。
【0008】
図5は、US6,598,992B2(Westら、2002年11月)に記載された、横方向照射LEDを製造するための方法の概略図である。反射ミラーまたはレンズ128は、LED130の上に配置され、光は横方向に再配光され、のこ歯部分を通り抜ける。この方法は、より広いビーム角のLEDデバイスを製造することが可能であるが、そのLEDデバイスの真上に暗点を生じさせ、好ましくない付影効果をもたらす。
【0009】
図6は、US2003/0021113A1(Begemann、2003年1月)において開示されたLED電球140である。この構成において、下方向に配光される光が上記ヒートシンクによって遮蔽されることを避けるために、上記LEDは、上記LED電球のねじ込み口金より上の上昇高さにおいて、少なくとも四面を備えた正多面体142に取り付けられている。この方法は、単独モジュールLED電球には好適ではなく、上記ヒートシンクシャーシに直接取り付けられたLEDを備えた電球と比べて、生産コストが高くなる。このことは、上記提案された構成の上記取り付け構造に関する複雑性の結果である。
【0010】
US7,329,029B2(Chavesら、2005年10月)は、図7に示されているように、LED154からの上記放射光を配光するために、移送部150およびイジェクター152を使用することを記載している。この構成において、LED154は移送部150に近接して配置され、イジェクター152は、120°より高い光角度分布を生成するようにデザインされている。この発明は、改善された光角度分布について記載しているが、使用されている光学デバイスは非常に複雑であり、安価に生産することは困難である。
【0011】
従って、120°を上回る配光を備え、高効率を実現するための良好な放熱を維持するLEDデバイスが技術的に必要である。
【0012】
本発明の目的は、広ビーム角、良好な放熱特性、広ビーム角を生成する際の最小の光損失を備えたLEDデバイスを提供することである。こうしたLEDデバイスを低コストで大量生産するための方法を提供することも、目的である。従来の白熱照明やCFL照明に対して競合するために、コストはLEDデバイスにとって主要な問題であるから、このことは重要である。
【発明の概要】
【0013】
さらに具体的に言うと、本発明は、少なくとも一つの発光ダイオードと、その上に上記少なくとも一つの発光ダイオードが取り付けられる面を備えたヒートシンクシャーシと、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を受光するための、上記少なくとも一つの発光ダイオードと連結している端部を備えた導波路とを含む、発光ダイオードデバイスを提供する。上記導波路は、光抽出/再配光領域を含む別の端部を有し、上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられる。上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光するために設けられる。
【0014】
別の特定の様態に基づいて、上記発光ダイオードデバイスは、上記ヒートシンクシャーシの上記面に取り付けられた複数の発光ダイオードと、上記発光ダイオードからの光を受光するための、上記複数の発光ダイオードのうちの少なくとも一つとそれぞれ連結している端部と、光抽出/再配光領域を含む別の端部とをそれぞれ備えた、複数の導波路とを含む。上記複数の導波路のそれぞれは、上記それぞれの少なくとも一つの発光ダイオードから受光した光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられる。上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光するために設けられる。
【0015】
上述の関連する目的を達成するために、本発明は、以降で詳述され、特許請求の範囲において個別に指し示されている特徴を備える。以下の記述および添付図面は、本発明を説明するための実施形態を詳細に示す。これらの実施形態は、本発明の原則が適用される様々な方法のうちのいくつかを示すものである。本発明における他の目的、利点、新しい特徴は、図面とともに考察されたとき、本発明の以下の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】公知のLED電球の極座標図を示す図である。
【図1B】公知のCFL電球の極座標図を示す図である。
【図2A】従来のドーム形LED電球を示す概略図である。
【図2B】従来のドーム形LED電球に対応する極座標図を示す概略図である。
【図3】円盤状の球分布で構成されたLEDを使用する、公知のLED電球を示す図である。
【図4】等角に取り付けられたLEDを備えた、公知のLED電球を示す図である。
【図5】横方向に光を照射するようデザインされた、別の公知のLEDデバイスを示す図である。
【図6】上昇光源を備えた、公知のLED電球を示す図である。
【図7】別の公知の光学デバイスを示す図である。
【図8】本発明に基づくLEDデバイス構成の一般的な概略図である。
【図9A】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの概略図であり、部分断面図である。
【図9B】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの概略図である。
【図9C】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの光度分布の例の極座標図である。
【図10A】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10B】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10C】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10D】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図11】本発明の実施形態3に記載の、部分透過ミラーを使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図12】本発明の実施形態4に記載の、放熱経路として機能する上記導波路の一部を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図13A】本発明に基づくLED電球における単独LED構成を示す平面図である。
【図13B】本発明に基づくLED電球における複数LED構成を示す平面図である。
【図14A】本発明の実施形態5に記載の、複数の導波路を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図14B】本発明の実施形態5に記載の、複数の導波路を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図15】本発明の実施形態6に記載の、リモート蛍光体を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、低損失、広ビーム角、良好な放熱特性を備えたLEDデバイスを提供する。さらに、本発明は、安価な大量生産の方法を提供する。上記LEDデバイスは、導波路、および、上記導波路の頂点に位置する上記金属製ヒートシンクシャーシからの上昇高さにおいて配置される光抽出/再配光領域を含む。上記LEDデバイスは、この場合、透明なガラスケーシングを使用することが好ましい。
【0018】
本発明は、広ビーム角、良好な放熱特性、低光学損失を備えたLED電球のようなLEDデバイス、および、こうしたLEDデバイスの安価な大量生産の方法を提供する。本発明は、実施形態の記載を通じて詳細に説明され、同じ参照番号は、同じ部材を一貫して参照するために使用される。
【0019】
本発明に基づいて、広ビーム角LEDデバイスは、上記従来のヒートシンク構造を使用して実現されてもよい。図8に示されているように、導波路5が、一つ以上のLED1が取り付けられている上記他の従来の金属製ヒートシンクシャーシ2より上部に位置する光抽出/再配光領域7へ、光源の点を上昇させるように、LED電球は提供される。LED1の導波路5への連結は、導波路5の内側の上記LEDチップ、または導波路5の外側に取り付けられた上記LEDチップのいずれかを含むことによって実現されてよい。両方の場合において、当業者であれば理解されるように、上記LEDチップと導波路5の間において、屈折率が整合している材料が使用されることが好ましい。
【0020】
光源上昇の高さは、方程式1で表される。
【0021】
tanθ=a/b (1)
ここで、aは、光源7の中点が上昇する位置を示す、導波路5の長さである。bは、金属製ヒートシンクシャーシ2のエッジ間距離であり、ここで上記LEDチップが導波路5に取り付けられる。dは、導波路5の長さである。上記光源の上昇点が、長さcの再配光領域7から成る場合、aは和a=d+(c/2)に等しくなる。θは、金属製ヒートシンクシャーシ2の平面によって定義されるx平面を超えて、下方向に照射される光の角度である。
【0022】
例として、270°までの角度に対して、均一な光度分布が必要とされる場合、上記x平面を超えて下方向に照射される光は、両側で少なくとも45°であることが求められる。この場合、tan45°=1であり、従って、方程式1における比a/bは、1に等しい必要がある。これにより、光が等方的に配光されることが可能となり、下方向へ向かう光は、上記ヒートシンクシャーシによって遮蔽されず、より広いビーム角を本質的に生成する。
【0023】
LED1は、特に高出力LEDデバイスにおいて、良好な放熱を維持するために、金属製ヒートシンクシャーシ2に直接取り付けられてよい。LED1をヒートシンクシャーシ2に取り付けるための公知の方法が使用されてもよく、この公知の方法は、簡潔化のためにここでは詳述されない。
【0024】
従って、上述の方法は、図2Aの上記公知の構成のような、上記従来の散乱性コーティングのドームケーシングを必要とせずに、より広い角度分布を備えた広ビーム角LEDデバイスを可能とする。
【0025】
[実施形態1]
本発明に基づくLEDデバイスの第一の個別の実施形態は、図9Aに示されている。上記LEDデバイスは、一つ以上のLED1と、金属製ヒートシンクシャーシ2と、導波路5の頂点に作成されたポケット領域6を備えた導波路5と、光抽出/再配光領域7とを含む。下方向に照射される光が、金属製ヒートシンクシャーシ2に遮蔽されるのを解決するため、導波路ユニット5は、上記光源の点を、LED1から光抽出/再配光領域7まで上昇させる役割を担う。導波路5は、最少の光吸収を伴う任意の公知の光導体材料で作られてよく、この例では、透明な研磨されたアクリルが使用されている。ここで記載されている典型的な実施例では、市販の照明器具等に含まれるタイプの従来のねじ型ソケットに上記電球を取り付けるために、上記LEDデバイスは、従来のねじ型マウント25を含むLED電球である。しかし、上記LEDデバイスは、特殊用途または汎用の照明に用いられる様々な他のタイプの電球のうちのいずれのものであってもよく、対応するソケット等に取り付けるための様々な公知のタイプのマウントのいずれを含んでもよいことがわかる。電力は、上記対応するソケット等から受電され、上記LEDデバイスのマウント25を介して、適切な回路構成による従来技術を用いて、一つ以上のLED1に供給されることもわかる。
【0026】
導波路5およびポケット領域6の詳細な構成は、図9Bに示されている。上記光源の点は導波路5によって上昇し、導波路5の頂点は、ポケット領域6を形成するために、その内側が中空に作られている。図9Aに示されているように、実施形態1における光抽出/再配光領域7を作るために、10〜400マイクロメートル(μm)の様々なサイズの微細なガラスビーズが樹脂に埋め込まれ、ポケット領域6の内部に含まれている。ここで用いられている例では、270°までの均一な光度を備えたLEDデバイスを作成するために、パラメータaおよびbは、それぞれ3センチメートル(cm)に等しい。
【0027】
ここで記載されているこうした構成方法は、安価であり、広ビーム角を備えたLED電球において再配光領域7を作成するための簡潔な方法を提供する。上記LEDデバイスは、保護のために透明なガラスケーシング8を備えることによって完成される。
【0028】
図9Cは、実施形態1における上記LEDデバイスの極座標図を示す。上記ビーム角は、図1AのLEDチップの120°から、図9Cの290°まで増大されている。光抽出/再配光領域7という形で上記光源は上昇するので、図9Cの極座標図は、図2Bの散乱性ドームを備えた従来のLED電球の極座標図に比べて、図1Bの対応するCFL電球の極座標図に似ている。導波路5、および、光抽出/再配光領域7を有しない同様のLEDデバイスの60lm/Wに比べて、この例における上記LEDデバイスの性能は、54.4lm/W(lumen/Watt)である。これは、90%を超える効率をもたらす。これは光学損失10%未満に相当する。さらに、LED1が、86°および2800°ケルビン(°K)にそれぞれ等しい演色評価数(CRI)および色温度(CCT)を備えた白色LEDであったとき、本発明に基づく上記LEDデバイスは、これらの特性に影響を及ぼさない。
【0029】
[実施形態2]
この実施形態に基づいて、図8における一般的な構造は、図10Aに示される構造へと変更されてもよい。この構造に対して、アクリルの導波路5は、上記光源の点を上昇させるのに同様に用いられる。しかし、この実施形態において、上記光抽出/再配光領域は、導波路5の頂点領域に形成された穴10で構成されている(図10Aの挿入画に、例が示されている)。穴10は、上記光を全ての方向に反射および屈折させる。実際に、上記導波路の材料と空気との間の屈折率の差は十分大きく、光が導波路5と空気との間の境界面に当たるとき、光は反射される。当業者であれば理解されるように、穴10が導波路5内に配置される方法は、様々なタイプの角度光分布パターンを実現するように調整されてよい。導波路5全体、および穴10で構成される再配光領域は、特にプラスチック射出成形法を使用すれば、製造が容易であるため、この方法は有益である。上記穴を用いる方法は、実施形態1で記述された上記方法に比べて、光損失が少ないという利益をも享受し、従ってシステム効率を向上させる。
【0030】
この実施形態は、再配光のために、導波路5の頂点に穴10を形成することに限定されない。上記再配光領域は、図10Bに示されているように、導波路5の頂点におけるプリズム状の構造10’によって代わりに構成されてもよい。y軸と対向する各プリズム構造10’の角度は、90度が望ましいが、それより大きくても小さくてもよい。LED1由来の導波路5内から来る光は、損失なしで全反射されるさらに多くの機会を有し、所望の出力角度分布を備えて、導波路5の外面を通過する。上記プリズムの角度は、上記導波路の材料の屈折率nによって決定される。例として、屈折率1.5を備えたガラスプリズムの場合、全反射が起こる臨界角は、41.3°である。図10Cにおいて、およそ41.3°〜48°の角度θ1でのプリズムへの入射光は、全反射(TIR)され、これにより、下方向に配光される光の量は増加し、ビーム角が増加する。角度41.3°を下回る入射光は、上記プリズムから外部へと屈折し、矢印A1で示される。角度48°を上回る入射光は、角度θ1で全反射されるが、角度θ2で全反射されず(θ2=90°−θ1であり、41.3°より小さいθ2の値は全反射されないため)、上記プリズムから外部へ屈折する光をもたらし、横方向に照射される光を増加させる(矢印A2で示される)。上記プリズムのエッジは、必ずしも直線である必要はなく、異なる強度分布パターンを実現するために、曲線状としてもよい(図10D)。LEDデバイスの上記光分布の等方性は、この構成を使用することによって、増加する。
【0031】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に基づいて、図8の構造は、図11に示されるように変更されてよい。この構造に対して、アクリルの導波路5は、上記光源の点を上記再配光領域に上昇させるために、同様に使用される。この場合、上記配光領域は、部分透過ミラー11で構成される。部分透過ミラー11は、導波路5の頂点において形成され、これにより、上記光の所定の割合または部分を透過させ、部分透過ミラー11に向けられた光の所定の割合または部分を、反射/屈折させることで、部分透過ミラー11は、様々な方向に光を再配光する。この場合、部分透過ミラー11は一部の光を下方向および横方向に、反射および屈折するが、一部の光を上方向に配光することも可能である。
【0032】
部分透過ミラー11は、導波路5の上面に設けられた薄い金属層で構成されてもよく、損失/吸収を低減するために、異なる屈折率を備えた材料で構成されることがより好ましい。図11に示されているように、部分透過ミラー11は、所望の角度分布を提供するために調整された、湾曲部または他の水平でない面を備えてもよい。
【0033】
[実施形態4]
実施形態4に基づいて、図8の構造は、図12に示されている構造に変更される。この構造に対して、上記光源の点を上昇させるために用いられている導波路5は、二つの部分、すなわち下部12と上部13に分割されている。上部13はさらに、透明な研磨されたアクリルのような、最少の光吸収を伴う任意の公知の光導体材料で作られる。下部12は、窒化アルミニウムのような、高い熱伝導率を備えた光学的に透明な材料で作られる。下部12の熱伝導率は上部13の熱伝導率よりも十分に高いという意味で、下部12の熱伝導率は高いといえる(例:アクリルの熱伝導率と比較しての窒化アルミニウムの熱伝導率)。下部12は、数百ナノメートルから数百ミクロンの厚みで作成されてよい。LED1は、モジュールにおいて、p側上部またはp側下部で取り付けられてよい(一つ以上のLEDチップで表される)。p側上部取り付けLED1は生産がより容易であるが、大部分の熱が抵抗性のp領域で発生し、熱は、厚いチップ基板を経由して放出される必要があるため、放熱特性はより悪くなる。窒化ガリウムLED1の場合、上記基板の材料は一般的にはサファイアであり、熱特性は悪い。p側下部LED1は、上記抵抗性のp層が金属製ヒートシンクシャーシ2と直接接触するため、ジャンクション温度はより低くなるが、生産はより困難である。LEDの性能は、その動作温度と強く関係する。一般的に、LEDの全ルーメン出力は、25℃と100℃の間で約20%低下し、LEDは、通常、80℃から110℃の間のジャンクション温度で動作する。
【0034】
p側上部取り付けLED1の場合、大部分の熱は青色LED1の抵抗性のp型GaN層で発生するため、下部12はLED1の上記p型領域と接触するよう作成される。従って、下部12を経由してLED1の上部からの熱を、金属製ヒートシンクシャーシ2を経由してLED1の下部からの熱を、同時に取り出すことで、放熱が実現される。下部12を経由して取り出された上記熱は、下部12の周辺に連結されている熱伝導カラー14に放出される。次に、カラー14は、上記熱を金属製ヒートシンクシャーシ2へ放出する。カラー14は、銅やセラミックのような、熱伝導率の高い材料で作成される。この構造における下部12およびカラー14からの付加的な放熱領域によって、金属製ヒートシンクシャーシ2は、LED電球デバイスに対して、より小さく作成されることが可能となる。LED電球デバイスにおいて金属シャーシ2が大型であると、製品デザインの魅力を減じさせるため、このことは好ましい。図12における破線15および点線16は、結果として金属シャーシ2およびガラスケーシング8のサイズが低減される度合いを、それぞれ示す。実施形態4は、小型の製品サイズを実現するために特に有益であり、良好な放熱特性を維持しつつ、製品デザインを向上させる。
【0035】
この実施形態の別の様態において、下部12は光学的に透明な液体を封入している。上記LEDデバイスによって発生した熱は、上記液体を経由して対流によって放出される。
【0036】
この実施形態における光抽出/再配光領域7は、ここで記載されたもののいずれであってもよい。
【0037】
ここで記載されている任意の実施形態に基づいて、LED1の上にある導波路5の構造は、LEDモジュールの自然の保護層としても機能しうる。LEDモジュール(LED1を形成する一つ以上のLEDチップで構成されている)において、湿気のような周囲環境からの保護の目的で、LEDチップを封入するために、エポキシ樹脂がこれまで使用されている。しかし、上記エポキシは、日光からの紫外線放射のような、長期に渡る紫外光への露光によって劣化しうる。これは、エポキシの着色または「黄変」をもたらし、LEDの性能を低下させる。ここで記載されているように、導波路5を用いて上記LEDモジュールを密閉することにより、LED1は導波路5に封入され、このようにして上記エポキシ劣化の問題を緩和する。こうした実施形態において、導波路5として使用される典型的な材料は、LED1の紫外(UV)光への露光を遮断/低減するポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
【0038】
[実施形態5]
実施形態5に基づいて、複数のLEDモジュール1が上記LEDデバイスに使用される場合、図8の構造は、図14Aに示される構造に変更されてよい。これまでの実施形態における記載は、“LED”と称される単独のLEDモジュール18に主眼が置かれており、上記LED構成の平面図は、図13Aにおいて示されている。単独のLEDモジュール18は、金属製ヒートシンクシャーシ2の上に配置されている。単独のLEDモジュール18は、複数のLEDチップ19を含んでもよい。しかし、例えば、単独モジュールLED18におけるLEDチップの熱的接近によってもたらされる熱的な効果を低減するための、代替構成を使用することが望ましいことがある。図13Bは、LEDが円状に配置されている、電球内における複数のLEDを構成するための代替手段を示す。上記熱的近傍効果は、この方法で低減される。図14Aは、複数のLEDまたはLEDモジュール構成に適応するために、本発明がいかに変更されうるかを示す側面図である。図14Aにおいて、複数の導波路5が提供されている。導波路は、各LEDまたはLEDモジュール18の頂点に取り付けられており、各導波路5は、頂点22において、それぞれの光抽出/再配光領域を備える。頂点22における上記光抽出/再配光領域は、例えば、上述の任意の実施形態に基づいて作成されてもよい。例えば、各導波路5の頂点22における上記光抽出/再配光領域は、微細なガラスビーズで満たされたポケット領域6、穴10、部分透過ミラー11などを含んでよい。
【0039】
図14Bにおいて、単独または共通の光抽出/再配光領域23が、複数の導波路5の頂点において使用されている。この方法により、異なる温度または色特性を備えたLED間で、光混合を起こすことが可能となる。例えば、暖色白色温度のLEDモジュール24と、寒色白色温度のLEDモジュール25とが、上記LEDデバイスにおいて使用されている。これらのLEDからの光は、それぞれの導波路5によって導かれ、光抽出/再配光領域23において混合される。これにより、様々な色温度のLEDデバイスが設けられることが可能となる。この考え方は、RGBのLEDに対しても、同様に用いられる。各LEDは異なる発光波長を有し、図14Bにおいて示されるように、導波路に連結される。色混合は、領域23において行われる。光抽出/再配光領域23は、例えば、その他の実施形態に関係する上述の任意の技術を用いて作成されてよい。
【0040】
従って、この実施形態は、色混合特性、広ビーム角、低損失、良好な放熱を備えたLEDデバイスを作成するために使用されてよい。
【0041】
[実施形態6]
実施形態6に基づいて、リモート蛍光体LEDデバイスは、例えば、図9の構造で構成されてもよい。ある例において、LED1からの光放出スペクトルを異なる光スペクトルに変換するために、LEDは蛍光体で覆われている。これは、蛍光体によるLED1の光散乱の原因であり、これにより光吸収が増加し、従って上記LED効率は低減される。蛍光体を導波路5の頂点において離して(remotely)配置することで、上記LED内の散乱は低減され、これにより効率は向上する。図15において、例えば、上記蛍光体は、光抽出/再配光領域7の中に組み込まれている。上記蛍光体材料は、様々な蛍光体またはナノ蛍光体のうちの任意のものから構成されてよく、ここで記載されている任意の実施形態において、利用されてよい。
【0042】
本発明の一様態は、上記光源の点を、上記金属製ヒートシンクシャーシから離れて、表面実装LEDより上の位置に上昇させるためのものである。これにより、光が等方的に配光されることが可能となり、下方向に向かう光は上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されず、本質的により広いビーム角を生成する。
【0043】
本発明の一様態において、上記導波路の頂点領域における小型ポケットが作成され、樹脂に埋め込まれたガラス粒子/ビーズは、上記ポケットが光抽出/再配光領域として機能するように、上記ポケット内に配置される。
【0044】
本発明の別の様態において、上記光抽出/再配光領域は、等方性の光抽出/再配光領域を生成するために、上記導波路の上記頂点領域に穴を形成することで作成されてもよい。上記導波路の頂点に形成された穴は、光を全方向に再配光し、従って、広ビーム角デバイスを生成する。この方法は、従来の散乱性コーティング法に比べて、製造の容易さおよびさらなる低吸収という利益をも享受する。
【0045】
本発明の別の様態に基づいて、光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点に配置または形成された部分ミラーを用いて作成されてもよい。この場合、上記部分ミラーは、一部の光を下方向および横方向に、反射および屈折するが、一部の光を上方向に配光することも可能である。
【0046】
本発明の特定の様態に基づいて、上記導波路は二つの部分に分割される。上記下部は、窒化アルミニウム(AlN)のような高い熱伝導率を有し光学的に透明な材料、または上記LEDの上側および下側の両方からの放熱を可能とするその他の好適な材料によって作成される。上記付加的に作成された放熱経路は、上記ヒートシンクシャーシのサイズ低減を可能とし、上記LEDデバイスのサイズを低減させ、そのデザインを向上させる。
【0047】
本発明の別の様態に基づいて、上記導波路の上記底部は、二つの部分に分割される。上記下部は、透明な液体を封入している。この場合、上記LEDの上側及び下側の両方で、放熱が実現される。上記上側において、透明な液体の対流は、放熱特性の向上に寄与する。
【0048】
本発明のさらに別の様態に関して、上記導波路は、上記LEDの紫外(UV)光への露光を遮断/低減する材料(すなわちPMMA)によって作成されてよい。これは、LEDチップにおけるエポキシ樹脂のような封入材料を紫外光から保護し、上記樹脂の「黄変」を低減する。
【0049】
本発明の別の様態に基づいて、一つ以上のLEDをそれぞれ含んだ、複数のモジュールLEDが、LEDデバイスにおいて使用される場合、上記デバイスは、広ビーム角LEDデバイスを生成するために、複数の導波路および複数の再配光領域を用いて構成されてよい。
【0050】
本発明のさらに別の様態において、様々な色温度のデバイスを製作するために、LEDデバイスは、寒色および暖色の両方の色温度のLEDモジュールを含む。続いて、上記デバイスは、広ビーム角LEDデバイスを製作するために、上記導波路の頂点において単独のディフューザーに向かう、複数の導波路で構成される。同様に、この考え方は、赤、緑、青、およびその他の発光波長の組み合わせのような、様々な発光波長のLEDを備えたLEDデバイスにも適用可能である。この考え方に従って、複数の導波路は使用され、上記再配光領域に向かう光は、その再配光領域の頂点において混合される。
【0051】
本発明の別の様態において、上記LEDデバイスは、上記導波路の頂点の上記再配光領域において、蛍光体またはナノ蛍光体を離して配置することで構成される。以降、この構成は、リモート蛍光体と呼ばれる。
【0052】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されることなく、上記ヒートシンクシャーシの方向に少なくとも一部の光を再配光するために設けられる。
【0053】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点部分に、ポケット内に配置されたガラスビーズを備えたポケット領域を含む。
【0054】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記ガラスビーズは、上記ポケット領域内で、樹脂に埋め込まれる。
【0055】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成された穴を含む。
【0056】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成されたプリズム状の構造を含む。
【0057】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、部分透過ミラーを含む。
【0058】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記部分透過ミラーは、一部の光を透過させ、別の一部の光を反射させることで、上記光を様々な方向に再配光するために設けられる。
【0059】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記導波路は、少なくとも一つの発光ダイオードと近接している下部、および上記光抽出/再配光領域と近接している上部を含む。上記下部は、上記上部よりも高い熱伝導率を備える。上記発光ダイオードデバイスは、上記下部で取り出される上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱を、上記ヒートシンクシャーシへ放出するために設けられた、熱伝導カラーをさらに含む。
【0060】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記下部は、窒化アルミニウムを含む。
【0061】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記下部は、光学的に透明な液体を封入している。上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱は、この液体を経由して対流によって取り出される。
【0062】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードの紫外(UV)光への露光を遮断または低減する材料を含む。
【0063】
本発明のさらに別の特定の様態に関して、上記材料はポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を含む。
【0064】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記複数の導波路のそれぞれの上記光抽出/再配光領域は、共通の光抽出/再配光領域を形成するために連結している。
【0065】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記複数の発光ダイオードは、異なる温度または色特性を備える。
【0066】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、蛍光体またはナノ蛍光体を含む。
【0067】
本発明は、好適な実施形態に関して図示および記載されているが、当業者であれば、本明細書を読み、理解することにより、同等物および修正物を発想することは明白である。本発明は、そうした同等物および修正物の全てを含み、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、広ビーム角、良好な放熱特性、広ビーム角を生成する際の最小の光損失を備えたLEDデバイスを提供する。本発明は、LEDデバイスが従来の白熱照明やCFL照明に対して競合することを可能とする低コスト大量生産のための方法をさらに提供する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)デバイス、特に、広い角度の光分布を備えたLED電球のようなLEDデバイスに関する。こうしたデバイスを、低コストかつ低吸収損失で、大量生産する方法についても示されている。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、様々な用途に対する光源としての使用において好評を博している。高品質な窒化ガリウム結晶の成長が実証されてから以降、約450nm(青色)の波長で発光する高効率な窒化インジウムガリウム量子井戸青色LEDチップは、世界中で盛んに開発されている。蛍光体変換青色LEDから得られる白色LEDチップは、一般的な照明およびバックライトの用途において現在使用されている。特に、LED電球は、一般的な照明用途向けの、発熱電球、ハロゲン電球、冷陰極蛍光灯(CCFL)、小型蛍光灯(CFL)に代わる照明器具として開発されている。しかし、LEDは表面実装型デバイスであり、発光は120°のビーム角を備えた均等拡散空間分布を有する。従って、市販のLED電球の上記配光の上記ビーム角は、現在までのところ、一般的には120°〜140°である。これに対して、従来の白熱電球またはCFL電球は、270°より大きい配光ビーム角を生成する。上記LEDの狭いビーム角特性は、LED電球のダウンライト用途(天井取り付け)にとって望ましいが、光が底面や側面に十分に配光されない鉛直照明にとっては望ましくない。このことは、不均一な配光および付影効果をもたらす。散乱を増加させ、それに伴い上記ビーム角を増加させるために、LEDのドームケーシングに散乱性コーティングを使用する従来の方法は、一般的に20%〜30%の光損失をもたらし、結果として発光効率が低減する。こうした従来の方法での上記光出力の上記角度分布は、一般的に150°未満であり、従来のCFL電球とは異なる空間分布を有する。
【0003】
図1Aは、120°のビーム角を有するLEDの、極座標図における均等拡散空間分布を示す。図1Bでは、従来のCFL電球の光の角度分布が示されている。CFL電球では、上記角度分布は300°までであり、光度分布は完全に均一であることに注意されたい。
【0004】
図2Aは、ビーム角を増加させグレアを低減するために、ドーム状のディフューザーを使用している市販のLED電球の例である。LED1は、放熱のため、金属製ヒートシンクシャーシ2(熱を再分配するために、表面積を増加させるためのフィンを一般的に備える)に取り付けられている。特に高出力LED電球の場合、金属製ヒートシンクシャーシ2のサイズは、より効率的な放熱を行うために、通常は増大される。上記金属製ヒートシンクの面積が増大することにより、LED電球全体のサイズと重量が増大し、上記電球のデザインの質が低減し、消費者に対する訴求力は低下する。LED電球ケーシング3は、通常はドーム状であり、ビーム角を増加させグレアを低減するために、散乱性コーティング4で覆われている。図2Bは、図2Aで記載された特徴を備えたLED電球の極座標図を示す。ビーム角は図1Aから増加しているが、光度分布の均一性は低く、角度分布はCFL電球と大きく異なっている。上記大型の金属製ヒートシンクが、光が下方向に導かれるのを妨げているので、この構造においてビーム角もまた低減される。散乱性コーティング4は、光損失の原因であり、上記LED電球の効率を低減させる。
【0005】
これらの問題のうちの一部を克服するため、様々な構成を備えたLED電球が開発されてきた。これらは以降の段落で説明される。
【0006】
図3は、US6,450,661B1(Okumuraら、2002年9月)に記載された、LED電球の配光の等方性を増加させるための方法の概略図である。このLED電球100は、広ビーム角配光を実現するため、円盤状の球分布で取り付けられた一連のLEDを使用する。従って、上記LEDの半分、およびそれらの発光は、上方向に向けられ、残り半分は下方向に向けられる。この構成において、上記LEDはヒートシンクの上に直接取り付けられていないので、LEDの放熱は最適ではない。このようにLEDを取り付ける手間は、生産コストをも増大させる。特に、LEDの性能および寿命がそのジャンクション温度に大きく依存する高出力LED電球において、放熱は重要である。従って、この引用例で記載されている上記方法は、低出力LEDに限定される。
【0007】
図4は、US2008/0062703A1(Cao、2008年3月)に記載された、増大された光ビーム角を備えたLED電球120の概略図である。上記LEDは、等角に/三次元状に取り付けられ、光は横方向に照射され、より広いビーム角を生成する。上記LEDは、上記ヒートシンクと小さい面積でしか直接接触しないので、この方法において良好な放熱を実現するのは困難である。この方法は、複数のLEDの代わりに単独のLEDを用いるLED電球に実装するのも困難である。
【0008】
図5は、US6,598,992B2(Westら、2002年11月)に記載された、横方向照射LEDを製造するための方法の概略図である。反射ミラーまたはレンズ128は、LED130の上に配置され、光は横方向に再配光され、のこ歯部分を通り抜ける。この方法は、より広いビーム角のLEDデバイスを製造することが可能であるが、そのLEDデバイスの真上に暗点を生じさせ、好ましくない付影効果をもたらす。
【0009】
図6は、US2003/0021113A1(Begemann、2003年1月)において開示されたLED電球140である。この構成において、下方向に配光される光が上記ヒートシンクによって遮蔽されることを避けるために、上記LEDは、上記LED電球のねじ込み口金より上の上昇高さにおいて、少なくとも四面を備えた正多面体142に取り付けられている。この方法は、単独モジュールLED電球には好適ではなく、上記ヒートシンクシャーシに直接取り付けられたLEDを備えた電球と比べて、生産コストが高くなる。このことは、上記提案された構成の上記取り付け構造に関する複雑性の結果である。
【0010】
US7,329,029B2(Chavesら、2005年10月)は、図7に示されているように、LED154からの上記放射光を配光するために、移送部150およびイジェクター152を使用することを記載している。この構成において、LED154は移送部150に近接して配置され、イジェクター152は、120°より高い光角度分布を生成するようにデザインされている。この発明は、改善された光角度分布について記載しているが、使用されている光学デバイスは非常に複雑であり、安価に生産することは困難である。
【0011】
従って、120°を上回る配光を備え、高効率を実現するための良好な放熱を維持するLEDデバイスが技術的に必要である。
【0012】
本発明の目的は、広ビーム角、良好な放熱特性、広ビーム角を生成する際の最小の光損失を備えたLEDデバイスを提供することである。こうしたLEDデバイスを低コストで大量生産するための方法を提供することも、目的である。従来の白熱照明やCFL照明に対して競合するために、コストはLEDデバイスにとって主要な問題であるから、このことは重要である。
【発明の概要】
【0013】
さらに具体的に言うと、本発明は、少なくとも一つの発光ダイオードと、その上に上記少なくとも一つの発光ダイオードが取り付けられる面を備えたヒートシンクシャーシと、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を受光するための、上記少なくとも一つの発光ダイオードと連結している端部を備えた導波路とを含む、発光ダイオードデバイスを提供する。上記導波路は、光抽出/再配光領域を含む別の端部を有し、上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられる。上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光するために設けられる。
【0014】
別の特定の様態に基づいて、上記発光ダイオードデバイスは、上記ヒートシンクシャーシの上記面に取り付けられた複数の発光ダイオードと、上記発光ダイオードからの光を受光するための、上記複数の発光ダイオードのうちの少なくとも一つとそれぞれ連結している端部と、光抽出/再配光領域を含む別の端部とをそれぞれ備えた、複数の導波路とを含む。上記複数の導波路のそれぞれは、上記それぞれの少なくとも一つの発光ダイオードから受光した光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられる。上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光するために設けられる。
【0015】
上述の関連する目的を達成するために、本発明は、以降で詳述され、特許請求の範囲において個別に指し示されている特徴を備える。以下の記述および添付図面は、本発明を説明するための実施形態を詳細に示す。これらの実施形態は、本発明の原則が適用される様々な方法のうちのいくつかを示すものである。本発明における他の目的、利点、新しい特徴は、図面とともに考察されたとき、本発明の以下の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】公知のLED電球の極座標図を示す図である。
【図1B】公知のCFL電球の極座標図を示す図である。
【図2A】従来のドーム形LED電球を示す概略図である。
【図2B】従来のドーム形LED電球に対応する極座標図を示す概略図である。
【図3】円盤状の球分布で構成されたLEDを使用する、公知のLED電球を示す図である。
【図4】等角に取り付けられたLEDを備えた、公知のLED電球を示す図である。
【図5】横方向に光を照射するようデザインされた、別の公知のLEDデバイスを示す図である。
【図6】上昇光源を備えた、公知のLED電球を示す図である。
【図7】別の公知の光学デバイスを示す図である。
【図8】本発明に基づくLEDデバイス構成の一般的な概略図である。
【図9A】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの概略図であり、部分断面図である。
【図9B】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの概略図である。
【図9C】本発明の実施形態1に記載のLEDデバイスの光度分布の例の極座標図である。
【図10A】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10B】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10C】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図10D】本発明の実施形態2に記載のLEDデバイス構成の概略図である。
【図11】本発明の実施形態3に記載の、部分透過ミラーを使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図12】本発明の実施形態4に記載の、放熱経路として機能する上記導波路の一部を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図13A】本発明に基づくLED電球における単独LED構成を示す平面図である。
【図13B】本発明に基づくLED電球における複数LED構成を示す平面図である。
【図14A】本発明の実施形態5に記載の、複数の導波路を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図14B】本発明の実施形態5に記載の、複数の導波路を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【図15】本発明の実施形態6に記載の、リモート蛍光体を使用するLEDデバイス構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、低損失、広ビーム角、良好な放熱特性を備えたLEDデバイスを提供する。さらに、本発明は、安価な大量生産の方法を提供する。上記LEDデバイスは、導波路、および、上記導波路の頂点に位置する上記金属製ヒートシンクシャーシからの上昇高さにおいて配置される光抽出/再配光領域を含む。上記LEDデバイスは、この場合、透明なガラスケーシングを使用することが好ましい。
【0018】
本発明は、広ビーム角、良好な放熱特性、低光学損失を備えたLED電球のようなLEDデバイス、および、こうしたLEDデバイスの安価な大量生産の方法を提供する。本発明は、実施形態の記載を通じて詳細に説明され、同じ参照番号は、同じ部材を一貫して参照するために使用される。
【0019】
本発明に基づいて、広ビーム角LEDデバイスは、上記従来のヒートシンク構造を使用して実現されてもよい。図8に示されているように、導波路5が、一つ以上のLED1が取り付けられている上記他の従来の金属製ヒートシンクシャーシ2より上部に位置する光抽出/再配光領域7へ、光源の点を上昇させるように、LED電球は提供される。LED1の導波路5への連結は、導波路5の内側の上記LEDチップ、または導波路5の外側に取り付けられた上記LEDチップのいずれかを含むことによって実現されてよい。両方の場合において、当業者であれば理解されるように、上記LEDチップと導波路5の間において、屈折率が整合している材料が使用されることが好ましい。
【0020】
光源上昇の高さは、方程式1で表される。
【0021】
tanθ=a/b (1)
ここで、aは、光源7の中点が上昇する位置を示す、導波路5の長さである。bは、金属製ヒートシンクシャーシ2のエッジ間距離であり、ここで上記LEDチップが導波路5に取り付けられる。dは、導波路5の長さである。上記光源の上昇点が、長さcの再配光領域7から成る場合、aは和a=d+(c/2)に等しくなる。θは、金属製ヒートシンクシャーシ2の平面によって定義されるx平面を超えて、下方向に照射される光の角度である。
【0022】
例として、270°までの角度に対して、均一な光度分布が必要とされる場合、上記x平面を超えて下方向に照射される光は、両側で少なくとも45°であることが求められる。この場合、tan45°=1であり、従って、方程式1における比a/bは、1に等しい必要がある。これにより、光が等方的に配光されることが可能となり、下方向へ向かう光は、上記ヒートシンクシャーシによって遮蔽されず、より広いビーム角を本質的に生成する。
【0023】
LED1は、特に高出力LEDデバイスにおいて、良好な放熱を維持するために、金属製ヒートシンクシャーシ2に直接取り付けられてよい。LED1をヒートシンクシャーシ2に取り付けるための公知の方法が使用されてもよく、この公知の方法は、簡潔化のためにここでは詳述されない。
【0024】
従って、上述の方法は、図2Aの上記公知の構成のような、上記従来の散乱性コーティングのドームケーシングを必要とせずに、より広い角度分布を備えた広ビーム角LEDデバイスを可能とする。
【0025】
[実施形態1]
本発明に基づくLEDデバイスの第一の個別の実施形態は、図9Aに示されている。上記LEDデバイスは、一つ以上のLED1と、金属製ヒートシンクシャーシ2と、導波路5の頂点に作成されたポケット領域6を備えた導波路5と、光抽出/再配光領域7とを含む。下方向に照射される光が、金属製ヒートシンクシャーシ2に遮蔽されるのを解決するため、導波路ユニット5は、上記光源の点を、LED1から光抽出/再配光領域7まで上昇させる役割を担う。導波路5は、最少の光吸収を伴う任意の公知の光導体材料で作られてよく、この例では、透明な研磨されたアクリルが使用されている。ここで記載されている典型的な実施例では、市販の照明器具等に含まれるタイプの従来のねじ型ソケットに上記電球を取り付けるために、上記LEDデバイスは、従来のねじ型マウント25を含むLED電球である。しかし、上記LEDデバイスは、特殊用途または汎用の照明に用いられる様々な他のタイプの電球のうちのいずれのものであってもよく、対応するソケット等に取り付けるための様々な公知のタイプのマウントのいずれを含んでもよいことがわかる。電力は、上記対応するソケット等から受電され、上記LEDデバイスのマウント25を介して、適切な回路構成による従来技術を用いて、一つ以上のLED1に供給されることもわかる。
【0026】
導波路5およびポケット領域6の詳細な構成は、図9Bに示されている。上記光源の点は導波路5によって上昇し、導波路5の頂点は、ポケット領域6を形成するために、その内側が中空に作られている。図9Aに示されているように、実施形態1における光抽出/再配光領域7を作るために、10〜400マイクロメートル(μm)の様々なサイズの微細なガラスビーズが樹脂に埋め込まれ、ポケット領域6の内部に含まれている。ここで用いられている例では、270°までの均一な光度を備えたLEDデバイスを作成するために、パラメータaおよびbは、それぞれ3センチメートル(cm)に等しい。
【0027】
ここで記載されているこうした構成方法は、安価であり、広ビーム角を備えたLED電球において再配光領域7を作成するための簡潔な方法を提供する。上記LEDデバイスは、保護のために透明なガラスケーシング8を備えることによって完成される。
【0028】
図9Cは、実施形態1における上記LEDデバイスの極座標図を示す。上記ビーム角は、図1AのLEDチップの120°から、図9Cの290°まで増大されている。光抽出/再配光領域7という形で上記光源は上昇するので、図9Cの極座標図は、図2Bの散乱性ドームを備えた従来のLED電球の極座標図に比べて、図1Bの対応するCFL電球の極座標図に似ている。導波路5、および、光抽出/再配光領域7を有しない同様のLEDデバイスの60lm/Wに比べて、この例における上記LEDデバイスの性能は、54.4lm/W(lumen/Watt)である。これは、90%を超える効率をもたらす。これは光学損失10%未満に相当する。さらに、LED1が、86°および2800°ケルビン(°K)にそれぞれ等しい演色評価数(CRI)および色温度(CCT)を備えた白色LEDであったとき、本発明に基づく上記LEDデバイスは、これらの特性に影響を及ぼさない。
【0029】
[実施形態2]
この実施形態に基づいて、図8における一般的な構造は、図10Aに示される構造へと変更されてもよい。この構造に対して、アクリルの導波路5は、上記光源の点を上昇させるのに同様に用いられる。しかし、この実施形態において、上記光抽出/再配光領域は、導波路5の頂点領域に形成された穴10で構成されている(図10Aの挿入画に、例が示されている)。穴10は、上記光を全ての方向に反射および屈折させる。実際に、上記導波路の材料と空気との間の屈折率の差は十分大きく、光が導波路5と空気との間の境界面に当たるとき、光は反射される。当業者であれば理解されるように、穴10が導波路5内に配置される方法は、様々なタイプの角度光分布パターンを実現するように調整されてよい。導波路5全体、および穴10で構成される再配光領域は、特にプラスチック射出成形法を使用すれば、製造が容易であるため、この方法は有益である。上記穴を用いる方法は、実施形態1で記述された上記方法に比べて、光損失が少ないという利益をも享受し、従ってシステム効率を向上させる。
【0030】
この実施形態は、再配光のために、導波路5の頂点に穴10を形成することに限定されない。上記再配光領域は、図10Bに示されているように、導波路5の頂点におけるプリズム状の構造10’によって代わりに構成されてもよい。y軸と対向する各プリズム構造10’の角度は、90度が望ましいが、それより大きくても小さくてもよい。LED1由来の導波路5内から来る光は、損失なしで全反射されるさらに多くの機会を有し、所望の出力角度分布を備えて、導波路5の外面を通過する。上記プリズムの角度は、上記導波路の材料の屈折率nによって決定される。例として、屈折率1.5を備えたガラスプリズムの場合、全反射が起こる臨界角は、41.3°である。図10Cにおいて、およそ41.3°〜48°の角度θ1でのプリズムへの入射光は、全反射(TIR)され、これにより、下方向に配光される光の量は増加し、ビーム角が増加する。角度41.3°を下回る入射光は、上記プリズムから外部へと屈折し、矢印A1で示される。角度48°を上回る入射光は、角度θ1で全反射されるが、角度θ2で全反射されず(θ2=90°−θ1であり、41.3°より小さいθ2の値は全反射されないため)、上記プリズムから外部へ屈折する光をもたらし、横方向に照射される光を増加させる(矢印A2で示される)。上記プリズムのエッジは、必ずしも直線である必要はなく、異なる強度分布パターンを実現するために、曲線状としてもよい(図10D)。LEDデバイスの上記光分布の等方性は、この構成を使用することによって、増加する。
【0031】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に基づいて、図8の構造は、図11に示されるように変更されてよい。この構造に対して、アクリルの導波路5は、上記光源の点を上記再配光領域に上昇させるために、同様に使用される。この場合、上記配光領域は、部分透過ミラー11で構成される。部分透過ミラー11は、導波路5の頂点において形成され、これにより、上記光の所定の割合または部分を透過させ、部分透過ミラー11に向けられた光の所定の割合または部分を、反射/屈折させることで、部分透過ミラー11は、様々な方向に光を再配光する。この場合、部分透過ミラー11は一部の光を下方向および横方向に、反射および屈折するが、一部の光を上方向に配光することも可能である。
【0032】
部分透過ミラー11は、導波路5の上面に設けられた薄い金属層で構成されてもよく、損失/吸収を低減するために、異なる屈折率を備えた材料で構成されることがより好ましい。図11に示されているように、部分透過ミラー11は、所望の角度分布を提供するために調整された、湾曲部または他の水平でない面を備えてもよい。
【0033】
[実施形態4]
実施形態4に基づいて、図8の構造は、図12に示されている構造に変更される。この構造に対して、上記光源の点を上昇させるために用いられている導波路5は、二つの部分、すなわち下部12と上部13に分割されている。上部13はさらに、透明な研磨されたアクリルのような、最少の光吸収を伴う任意の公知の光導体材料で作られる。下部12は、窒化アルミニウムのような、高い熱伝導率を備えた光学的に透明な材料で作られる。下部12の熱伝導率は上部13の熱伝導率よりも十分に高いという意味で、下部12の熱伝導率は高いといえる(例:アクリルの熱伝導率と比較しての窒化アルミニウムの熱伝導率)。下部12は、数百ナノメートルから数百ミクロンの厚みで作成されてよい。LED1は、モジュールにおいて、p側上部またはp側下部で取り付けられてよい(一つ以上のLEDチップで表される)。p側上部取り付けLED1は生産がより容易であるが、大部分の熱が抵抗性のp領域で発生し、熱は、厚いチップ基板を経由して放出される必要があるため、放熱特性はより悪くなる。窒化ガリウムLED1の場合、上記基板の材料は一般的にはサファイアであり、熱特性は悪い。p側下部LED1は、上記抵抗性のp層が金属製ヒートシンクシャーシ2と直接接触するため、ジャンクション温度はより低くなるが、生産はより困難である。LEDの性能は、その動作温度と強く関係する。一般的に、LEDの全ルーメン出力は、25℃と100℃の間で約20%低下し、LEDは、通常、80℃から110℃の間のジャンクション温度で動作する。
【0034】
p側上部取り付けLED1の場合、大部分の熱は青色LED1の抵抗性のp型GaN層で発生するため、下部12はLED1の上記p型領域と接触するよう作成される。従って、下部12を経由してLED1の上部からの熱を、金属製ヒートシンクシャーシ2を経由してLED1の下部からの熱を、同時に取り出すことで、放熱が実現される。下部12を経由して取り出された上記熱は、下部12の周辺に連結されている熱伝導カラー14に放出される。次に、カラー14は、上記熱を金属製ヒートシンクシャーシ2へ放出する。カラー14は、銅やセラミックのような、熱伝導率の高い材料で作成される。この構造における下部12およびカラー14からの付加的な放熱領域によって、金属製ヒートシンクシャーシ2は、LED電球デバイスに対して、より小さく作成されることが可能となる。LED電球デバイスにおいて金属シャーシ2が大型であると、製品デザインの魅力を減じさせるため、このことは好ましい。図12における破線15および点線16は、結果として金属シャーシ2およびガラスケーシング8のサイズが低減される度合いを、それぞれ示す。実施形態4は、小型の製品サイズを実現するために特に有益であり、良好な放熱特性を維持しつつ、製品デザインを向上させる。
【0035】
この実施形態の別の様態において、下部12は光学的に透明な液体を封入している。上記LEDデバイスによって発生した熱は、上記液体を経由して対流によって放出される。
【0036】
この実施形態における光抽出/再配光領域7は、ここで記載されたもののいずれであってもよい。
【0037】
ここで記載されている任意の実施形態に基づいて、LED1の上にある導波路5の構造は、LEDモジュールの自然の保護層としても機能しうる。LEDモジュール(LED1を形成する一つ以上のLEDチップで構成されている)において、湿気のような周囲環境からの保護の目的で、LEDチップを封入するために、エポキシ樹脂がこれまで使用されている。しかし、上記エポキシは、日光からの紫外線放射のような、長期に渡る紫外光への露光によって劣化しうる。これは、エポキシの着色または「黄変」をもたらし、LEDの性能を低下させる。ここで記載されているように、導波路5を用いて上記LEDモジュールを密閉することにより、LED1は導波路5に封入され、このようにして上記エポキシ劣化の問題を緩和する。こうした実施形態において、導波路5として使用される典型的な材料は、LED1の紫外(UV)光への露光を遮断/低減するポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
【0038】
[実施形態5]
実施形態5に基づいて、複数のLEDモジュール1が上記LEDデバイスに使用される場合、図8の構造は、図14Aに示される構造に変更されてよい。これまでの実施形態における記載は、“LED”と称される単独のLEDモジュール18に主眼が置かれており、上記LED構成の平面図は、図13Aにおいて示されている。単独のLEDモジュール18は、金属製ヒートシンクシャーシ2の上に配置されている。単独のLEDモジュール18は、複数のLEDチップ19を含んでもよい。しかし、例えば、単独モジュールLED18におけるLEDチップの熱的接近によってもたらされる熱的な効果を低減するための、代替構成を使用することが望ましいことがある。図13Bは、LEDが円状に配置されている、電球内における複数のLEDを構成するための代替手段を示す。上記熱的近傍効果は、この方法で低減される。図14Aは、複数のLEDまたはLEDモジュール構成に適応するために、本発明がいかに変更されうるかを示す側面図である。図14Aにおいて、複数の導波路5が提供されている。導波路は、各LEDまたはLEDモジュール18の頂点に取り付けられており、各導波路5は、頂点22において、それぞれの光抽出/再配光領域を備える。頂点22における上記光抽出/再配光領域は、例えば、上述の任意の実施形態に基づいて作成されてもよい。例えば、各導波路5の頂点22における上記光抽出/再配光領域は、微細なガラスビーズで満たされたポケット領域6、穴10、部分透過ミラー11などを含んでよい。
【0039】
図14Bにおいて、単独または共通の光抽出/再配光領域23が、複数の導波路5の頂点において使用されている。この方法により、異なる温度または色特性を備えたLED間で、光混合を起こすことが可能となる。例えば、暖色白色温度のLEDモジュール24と、寒色白色温度のLEDモジュール25とが、上記LEDデバイスにおいて使用されている。これらのLEDからの光は、それぞれの導波路5によって導かれ、光抽出/再配光領域23において混合される。これにより、様々な色温度のLEDデバイスが設けられることが可能となる。この考え方は、RGBのLEDに対しても、同様に用いられる。各LEDは異なる発光波長を有し、図14Bにおいて示されるように、導波路に連結される。色混合は、領域23において行われる。光抽出/再配光領域23は、例えば、その他の実施形態に関係する上述の任意の技術を用いて作成されてよい。
【0040】
従って、この実施形態は、色混合特性、広ビーム角、低損失、良好な放熱を備えたLEDデバイスを作成するために使用されてよい。
【0041】
[実施形態6]
実施形態6に基づいて、リモート蛍光体LEDデバイスは、例えば、図9の構造で構成されてもよい。ある例において、LED1からの光放出スペクトルを異なる光スペクトルに変換するために、LEDは蛍光体で覆われている。これは、蛍光体によるLED1の光散乱の原因であり、これにより光吸収が増加し、従って上記LED効率は低減される。蛍光体を導波路5の頂点において離して(remotely)配置することで、上記LED内の散乱は低減され、これにより効率は向上する。図15において、例えば、上記蛍光体は、光抽出/再配光領域7の中に組み込まれている。上記蛍光体材料は、様々な蛍光体またはナノ蛍光体のうちの任意のものから構成されてよく、ここで記載されている任意の実施形態において、利用されてよい。
【0042】
本発明の一様態は、上記光源の点を、上記金属製ヒートシンクシャーシから離れて、表面実装LEDより上の位置に上昇させるためのものである。これにより、光が等方的に配光されることが可能となり、下方向に向かう光は上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されず、本質的により広いビーム角を生成する。
【0043】
本発明の一様態において、上記導波路の頂点領域における小型ポケットが作成され、樹脂に埋め込まれたガラス粒子/ビーズは、上記ポケットが光抽出/再配光領域として機能するように、上記ポケット内に配置される。
【0044】
本発明の別の様態において、上記光抽出/再配光領域は、等方性の光抽出/再配光領域を生成するために、上記導波路の上記頂点領域に穴を形成することで作成されてもよい。上記導波路の頂点に形成された穴は、光を全方向に再配光し、従って、広ビーム角デバイスを生成する。この方法は、従来の散乱性コーティング法に比べて、製造の容易さおよびさらなる低吸収という利益をも享受する。
【0045】
本発明の別の様態に基づいて、光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点に配置または形成された部分ミラーを用いて作成されてもよい。この場合、上記部分ミラーは、一部の光を下方向および横方向に、反射および屈折するが、一部の光を上方向に配光することも可能である。
【0046】
本発明の特定の様態に基づいて、上記導波路は二つの部分に分割される。上記下部は、窒化アルミニウム(AlN)のような高い熱伝導率を有し光学的に透明な材料、または上記LEDの上側および下側の両方からの放熱を可能とするその他の好適な材料によって作成される。上記付加的に作成された放熱経路は、上記ヒートシンクシャーシのサイズ低減を可能とし、上記LEDデバイスのサイズを低減させ、そのデザインを向上させる。
【0047】
本発明の別の様態に基づいて、上記導波路の上記底部は、二つの部分に分割される。上記下部は、透明な液体を封入している。この場合、上記LEDの上側及び下側の両方で、放熱が実現される。上記上側において、透明な液体の対流は、放熱特性の向上に寄与する。
【0048】
本発明のさらに別の様態に関して、上記導波路は、上記LEDの紫外(UV)光への露光を遮断/低減する材料(すなわちPMMA)によって作成されてよい。これは、LEDチップにおけるエポキシ樹脂のような封入材料を紫外光から保護し、上記樹脂の「黄変」を低減する。
【0049】
本発明の別の様態に基づいて、一つ以上のLEDをそれぞれ含んだ、複数のモジュールLEDが、LEDデバイスにおいて使用される場合、上記デバイスは、広ビーム角LEDデバイスを生成するために、複数の導波路および複数の再配光領域を用いて構成されてよい。
【0050】
本発明のさらに別の様態において、様々な色温度のデバイスを製作するために、LEDデバイスは、寒色および暖色の両方の色温度のLEDモジュールを含む。続いて、上記デバイスは、広ビーム角LEDデバイスを製作するために、上記導波路の頂点において単独のディフューザーに向かう、複数の導波路で構成される。同様に、この考え方は、赤、緑、青、およびその他の発光波長の組み合わせのような、様々な発光波長のLEDを備えたLEDデバイスにも適用可能である。この考え方に従って、複数の導波路は使用され、上記再配光領域に向かう光は、その再配光領域の頂点において混合される。
【0051】
本発明の別の様態において、上記LEDデバイスは、上記導波路の頂点の上記再配光領域において、蛍光体またはナノ蛍光体を離して配置することで構成される。以降、この構成は、リモート蛍光体と呼ばれる。
【0052】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されることなく、上記ヒートシンクシャーシの方向に少なくとも一部の光を再配光するために設けられる。
【0053】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点部分に、ポケット内に配置されたガラスビーズを備えたポケット領域を含む。
【0054】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記ガラスビーズは、上記ポケット領域内で、樹脂に埋め込まれる。
【0055】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成された穴を含む。
【0056】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成されたプリズム状の構造を含む。
【0057】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、部分透過ミラーを含む。
【0058】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記部分透過ミラーは、一部の光を透過させ、別の一部の光を反射させることで、上記光を様々な方向に再配光するために設けられる。
【0059】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記導波路は、少なくとも一つの発光ダイオードと近接している下部、および上記光抽出/再配光領域と近接している上部を含む。上記下部は、上記上部よりも高い熱伝導率を備える。上記発光ダイオードデバイスは、上記下部で取り出される上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱を、上記ヒートシンクシャーシへ放出するために設けられた、熱伝導カラーをさらに含む。
【0060】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記下部は、窒化アルミニウムを含む。
【0061】
本発明のさらに別の特定の様態において、上記下部は、光学的に透明な液体を封入している。上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱は、この液体を経由して対流によって取り出される。
【0062】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードの紫外(UV)光への露光を遮断または低減する材料を含む。
【0063】
本発明のさらに別の特定の様態に関して、上記材料はポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を含む。
【0064】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記複数の導波路のそれぞれの上記光抽出/再配光領域は、共通の光抽出/再配光領域を形成するために連結している。
【0065】
本発明のさらに別の特定の様態に基づいて、上記複数の発光ダイオードは、異なる温度または色特性を備える。
【0066】
本発明の別の特定の様態に基づいて、上記光抽出/再配光領域は、蛍光体またはナノ蛍光体を含む。
【0067】
本発明は、好適な実施形態に関して図示および記載されているが、当業者であれば、本明細書を読み、理解することにより、同等物および修正物を発想することは明白である。本発明は、そうした同等物および修正物の全てを含み、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、広ビーム角、良好な放熱特性、広ビーム角を生成する際の最小の光損失を備えたLEDデバイスを提供する。本発明は、LEDデバイスが従来の白熱照明やCFL照明に対して競合することを可能とする低コスト大量生産のための方法をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードデバイスであって、
少なくとも一つの発光ダイオードと、
その上に上記少なくとも一つの発光ダイオードが取り付けられる面を備えたヒートシンクシャーシと、
上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を受光するための、上記少なくとも一つの発光ダイオードと連結している端部と、光抽出/再配光領域を含む別の端部とを有する導波路とを備え、
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられ、
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光することを特徴とする発光ダイオードデバイス。
【請求項2】
上記光抽出/再配光領域は、上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されることなく、上記ヒートシンクシャーシの方向に少なくとも一部の光を再配光することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項3】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点部分にポケット領域を備え、
そのポケット領域内にガラスビーズを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項4】
上記ガラスビーズは、上記ポケット領域内で、樹脂に埋め込まれることを特徴とする、請求項3に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項5】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成された穴を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項6】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成されたプリズム状の構造を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項7】
上記光抽出/再配光領域は、部分透過ミラーを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項8】
上記部分透過ミラーは、一部の光を透過させ、別の一部の光を反射させることで、上記光を様々な方向に再配光することを特徴とする、請求項7に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項9】
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードと近接している下部、および上記光抽出/再配光領域と近接している上部を備えており、
上記下部は、上記上部よりも高い熱伝導率を有し、
上記発光ダイオードデバイスは、上記下部で取り出される上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱を上記ヒートシンクシャーシへ放出するために設けられた、熱伝導カラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項10】
上記下部は、窒化アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項9に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項11】
上記下部は、光学的に透明な液体を含んでおり、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱が、この液体を経由して対流によって取り出されることを特徴とする、請求項9に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項12】
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードの紫外(UV)光への露光を遮断または低減する材料を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項13】
上記材料は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を含むことを特徴とする、請求項12に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項14】
上記ヒートシンクシャーシの面に取り付けられた複数の発光ダイオードと、
上記発光ダイオードからの光を受光するための、上記複数の発光ダイオードの少なくとも一つとそれぞれ連結している端部と光抽出/再配光領域を含む別の端部とをそれぞれ有する、複数の導波路とを備え、
上記複数の導波路のそれぞれは、上記それぞれの少なくとも一つの発光ダイオードから受光した光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられ、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項15】
上記複数の導波路のそれぞれの上記光抽出/再配光領域は、共通の光抽出/再配光領域を形成するために連結していることを特徴とする、請求項14に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項16】
上記複数の発光ダイオードは、異なる温度または色特性を有することを特徴とする、請求項14または15に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項17】
上記光抽出/再配光領域は、蛍光体またはナノ蛍光体を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項1】
発光ダイオードデバイスであって、
少なくとも一つの発光ダイオードと、
その上に上記少なくとも一つの発光ダイオードが取り付けられる面を備えたヒートシンクシャーシと、
上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を受光するための、上記少なくとも一つの発光ダイオードと連結している端部と、光抽出/再配光領域を含む別の端部とを有する導波路とを備え、
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられ、
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光することを特徴とする発光ダイオードデバイス。
【請求項2】
上記光抽出/再配光領域は、上記ヒートシンクシャーシに遮蔽されることなく、上記ヒートシンクシャーシの方向に少なくとも一部の光を再配光することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項3】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路の頂点部分にポケット領域を備え、
そのポケット領域内にガラスビーズを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項4】
上記ガラスビーズは、上記ポケット領域内で、樹脂に埋め込まれることを特徴とする、請求項3に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項5】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成された穴を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項6】
上記光抽出/再配光領域は、上記導波路内に形成されたプリズム状の構造を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項7】
上記光抽出/再配光領域は、部分透過ミラーを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項8】
上記部分透過ミラーは、一部の光を透過させ、別の一部の光を反射させることで、上記光を様々な方向に再配光することを特徴とする、請求項7に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項9】
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードと近接している下部、および上記光抽出/再配光領域と近接している上部を備えており、
上記下部は、上記上部よりも高い熱伝導率を有し、
上記発光ダイオードデバイスは、上記下部で取り出される上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱を上記ヒートシンクシャーシへ放出するために設けられた、熱伝導カラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項10】
上記下部は、窒化アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項9に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項11】
上記下部は、光学的に透明な液体を含んでおり、上記少なくとも一つの発光ダイオードからの熱が、この液体を経由して対流によって取り出されることを特徴とする、請求項9に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項12】
上記導波路は、上記少なくとも一つの発光ダイオードの紫外(UV)光への露光を遮断または低減する材料を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項13】
上記材料は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を含むことを特徴とする、請求項12に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項14】
上記ヒートシンクシャーシの面に取り付けられた複数の発光ダイオードと、
上記発光ダイオードからの光を受光するための、上記複数の発光ダイオードの少なくとも一つとそれぞれ連結している端部と光抽出/再配光領域を含む別の端部とをそれぞれ有する、複数の導波路とを備え、
上記複数の導波路のそれぞれは、上記それぞれの少なくとも一つの発光ダイオードから受光した光を、上記ヒートシンクシャーシから離れて、上記光抽出/再配光領域へと導くために設けられ、上記光抽出/再配光領域は、上記導波路からの上記光を抽出および再配光することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項15】
上記複数の導波路のそれぞれの上記光抽出/再配光領域は、共通の光抽出/再配光領域を形成するために連結していることを特徴とする、請求項14に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項16】
上記複数の発光ダイオードは、異なる温度または色特性を有することを特徴とする、請求項14または15に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項17】
上記光抽出/再配光領域は、蛍光体またはナノ蛍光体を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の発光ダイオードデバイス。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【公表番号】特表2013−518398(P2013−518398A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534169(P2012−534169)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/JP2011/052079
【国際公開番号】WO2011/093513
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/JP2011/052079
【国際公開番号】WO2011/093513
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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