説明

広告情報提供システム

【課題】利用者が希望する企業や商品等の詳細な広告情報を即時に得ることができるようにする。
【解決手段】利用者が所持する携帯端末1で屋外に設置された屋外看板6に描かれた二次元コード7を撮影し、撮影した二次元コード7の画像情報から文字や数字を復号して配信サーバ識別情報を抽出し、抽出した配信サーバ識別情報で示される配信サーバ2へ広告情報を要求する電文を送信し、その配信サーバ2から受信した広告情報を表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告看板等に描かれた二次元コードを読取り、広告情報を表示する携帯端末を利用した広告情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の広告情報提供システムは、携帯端末を所持する利用者が広告看板等に記載された広告内容や広告主の情報を携帯端末に入力して検索等を行うことにより、またURL(Uniform Resource Locator)が記載されていればそのURLを入力してホームページに接続することにより目的とする詳細な情報を取得するようにしていた。
【0003】
また、避難所誘導看板に取り付けた二次元コードを携帯電話機で読み取り、最寄りの避難場所を示す地図を表示して携帯電話機の所持者を迅速かつ安全に避難場所に誘導するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−84226号公報(段落「0023」〜段落「0029」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、携帯端末の所持者が広告看板等に記載された広告内容、広告主、URL等の情報を携帯端末で入力する操作は長い時間を必要とするものであり、特に屋外に設置された広告看板に描かれた情報に基づいて詳細な広告情報を取得することを希望する場合、急いでいるときなどは広告内容、広告主、URL等の情報を入力する操作を行うことができず、またその情報を記憶し、後で操作を行うようにしても正確な情報を思い出すことができず目的とする詳細な広告情報を取得することができなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、配信サーバから受信した広告情報を携帯端末の表示部に表示する広告情報提供システムにおいて、屋外に設置された屋外看板に描かれた二次元コードと、前記二次元コードを撮影するカメラ部と、前記カメラ部で撮影した二次元コードの画像情報から文字や数字を復号して配信サーバ識別情報を抽出する制御部とを有する携帯端末とを設け、前記携帯端末が、前記制御部で抽出した配信サーバ識別情報で示される配信サーバへ広告情報を要求する電文を送信し、該配信サーバから受信した広告情報を表示するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、希望する企業や商品等の詳細な広告情報を即時に、また容易な操作で得ることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による広告情報提供システムの実施例を説明する。
【実施例】
【0009】
図1は実施例における広告情報提供システムの構成を示すブロック図、図2は実施例における携帯端末の構成を示すブロック図である。
まず、広告情報提供システムの構成を説明する。
図1において、1は携帯端末であり、利用者が携帯することができる端末装置である。この携帯端末1は携帯電話、PHS(登録商標)、PDA(Personal Digital Assistant)や持ち運び可能なノート型パーソナルコンピュータ等であり無線通信が可能なものである。
【0010】
2は配信サーバであり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段および通信手段等を備えるものである。
この配信サーバ2はインターネット等の通信回線3および携帯端末1と無線通信を行う基地局4を介して携帯端末1と相互に通信可能になっている。
【0011】
5は広告データベースであり、配信サーバ2に備えられたものである。この広告データベース5は携帯端末1へ配信する広告情報、例えば企業、商品、またはサービス等の広告情報を記憶する。
携帯端末1からの広告情報を要求する電文を受信した配信サーバ2は要求された広告情報を広告データベース5から抽出し、携帯端末1へ送信することができるものである。
【0012】
なお、この配信サーバ2および広告データベース5は1台に限られることなく、広告情報を提供するそれぞれの企業等に設置され、複数台存在するものであってもよい。
6は屋外看板であり、建物の屋上に設置された看板や市街地等の屋外に設置された看板である。この屋外看板6には企業名や商品名等とともに文字や数字等の情報を符号化した二次元コード7が描かれている。
【0013】
二次元コード7は広告情報提供者の配信サーバ2を識別する配信サーバ識別情報(例えば、URL)が符号化され、携帯端末1はその二次元コード7をカメラで撮影し、その撮影画像を処理して配信サーバ識別情報を抽出し、その配信サーバ識別情報で識別される配信サーバ2から詳細な広告情報を受信して表示することができる。
また、二次元コード7は配信サーバ識別情報だけでなく、詳細な広告情報を符号化したものであってもよい。
【0014】
このように二次元コード7は屋外看板6に描かれた企業名や商品名等の広告情報を補完するためのものである。
上述したように広告情報提供システムは、携帯端末1、二次元コード7、配信サーバ2、通信回線3および基地局4等から構成されたものである。
次に、携帯端末1の構成を説明する。
【0015】
図2において、11は音声入出力部であり、利用者の通話音声等の音声を入力し、また通話音声等の音声を出力するものである。この音声入出力部11はマイクロホン等の音声入力部、およびイヤホンやスピーカ等の音声出力部で構成されたものである。
12は表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成されたものである。この表示部12は文字や図柄等で各種情報や携帯端末1の動作状態等を表示する。
【0016】
13はキー入力部であり、カメラで撮影を行うためのシャッタキー等の操作キーやテンキー、確定キー等の各種キーの入力手段の押下等を検知するものである。
14はカメラ部であり、レンズ付きCCD(Charge Coupled Devices)カメラ等で構成されたものである。このカメラ部14はキー入力部13のシャッタキーを押下することにより静止画像を撮影することができ、その撮影した静止画像を画像処理が可能な画像情報として取り込むことができるものである。
【0017】
15は無線通信部であり、基地局4との間で相互に無線通信を行うものである。この無線通信部15により、基地局4および通信回線3を介して配信サーバ2との間で情報の授受を行うことができる。
16は記憶部であり、半導体メモリ等の記憶素子で構成され、情報を記憶し、また、記憶した情報を読み出すことができるものである。この記憶部16にはカメラ部14で撮影した画像情報や配信サーバ2から通信回線3および基地局4を介して受信した各種情報等を記憶することができ、また、携帯端末1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)等を記憶することができる。
【0018】
17は制御部であり、CPU等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部17は音声入出力部11、表示部12、キー入力部13、カメラ部14、無線通信部15および記憶部16を含めて携帯端末1全体の動作を記憶部16に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
また、制御部17はカメラ部14で撮影された二次元コードの画像情報から符号化された文字や数字を復号し、配信サーバ識別情報等を抽出することができる二次元コード画像処理手段を備えている。
【0019】
このように構成された携帯端末1は、制御部17の制御により、カメラ部14で撮影した二次元コードの画像情報から文字や数字を抽出するとともに配信サーバ識別情報を抽出し、その配信サーバ識別情報で示される配信サーバ2との間で情報の授受を行うことができる。
上述した構成の作用について説明する。
【0020】
図3は実施例における広告情報を配信する処理の流れを示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
【0021】
S1:利用者は携帯端末1のキー入力13のシャッタキーを押下し、カメラ部14で屋外看板6に描かれた二次元コード7を撮影する。二次元コード7を撮影した携帯端末1の制御部17はカメラ部14で撮影した画像情報を記憶部16に記憶させる。
S2:携帯端末1の制御部17の二次元コード画像処理手段は記憶部に記憶された二次元コード7の画像情報から符号化された文字や数字を復号し、二次元コード7で示される情報を判別する。
【0022】
S3:二次元コード7で示される情報を判別すると携帯端末1の制御部17はその情報を表示部12に表示させる。なお、二次元コード7で示される情報は配信サーバ識別情報だけでなく、企業や商品の広告情報としてもよく、また、配信サーバ識別情報と企業や商品の広告情報の両方を含ませるようにしてもよい。
このとき、制御部17は判別された情報に配信サーバ識別情報が含まれているか否かをさらに判別し、配信サーバ識別情報であると判別された情報は白抜きの文字列で表示部12に表示させるものとする。
【0023】
S4:利用者は携帯端末1の表示部12に表示された情報を目視し、白抜きの文字列で表示された配信サーバ識別情報が存在することを確認する。
利用者は配信サーバ識別情報が存在することを確認すると「確定」キー等を押下し、処理をS5へ移行する。一方、配信サーバ識別情報が存在しない場合、利用者は表示部12に表示された広告情報等を確認し、終了する。
【0024】
S5:利用者により携帯端末1の「確定」キー等が押下されたことをキー入力部13で検知すると制御部17はその配信サーバ識別情報で識別される配信サーバ2へ広告情報を要求する電文を送信する。
S6:広告情報を要求する電文を受信した配信サーバ2は広告データベース5から広告情報を抽出し、携帯端末1へ送信する。
【0025】
S7:広告情報を受信した携帯端末1の制御部17は図4に示すように受信した広告情報を表示部12に表示させる。
このようにして利用者は屋外看板6に描かれた二次元コード7を携帯端末1で撮影し、屋外看板6の広告情報を補完する詳細な広告情報をその携帯端末1に表示させることができる。
【0026】
本実施例では、屋外看板6に描かれた二次元コードを携帯端末1で撮影し、広告情報携帯端末1に表示させるようしたが、図5に示すようにTシャツ等の衣類8に描かれた二次元コード7を携帯端末1で撮影するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例では、屋外看板や衣類に描かれた二次元コードを携帯端末のカメラで撮影することにより、利用者は希望する企業や商品等の詳細な広告情報を即時に、また容易な操作で得ることができるという効果が得られる。
【0027】
また、企業等の広告情報の提供者は、利用者が希望する広告情報を適時に提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例における広告情報提供システムの構成を示すブロック図
【図2】実施例における携帯端末の構成を示すブロック図
【図3】実施例における広告情報を配信する処理の流れを示すフローチャート
【図4】実施例における広告情報を表示した携帯端末の表示部の説明図
【図5】実施例における衣類に付した二次元コードの説明図
【符号の説明】
【0029】
1 携帯端末
2 配信サーバ
3 通信回線
4 基地局
5 広告データベース
6 屋外看板
7 二次元コード
11 音声入出力部
12 表示部
13 キー入力部
14 カメラ部
15 無線通信部
16 記憶部
17 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバから受信した広告情報を携帯端末の表示部に表示する広告情報提供システムにおいて、
屋外に設置された屋外看板に描かれた二次元コードと、
前記二次元コードを撮影するカメラ部と、前記カメラ部で撮影した二次元コードの画像情報から文字や数字を復号して配信サーバ識別情報を抽出する制御部とを有する携帯端末とを設け、
前記携帯端末が、前記制御部で抽出した配信サーバ識別情報で示される配信サーバへ広告情報を要求する電文を送信し、該配信サーバから受信した広告情報を表示するようにしたことを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項2】
配信サーバから受信した広告情報を携帯端末の表示部に表示する広告情報提供システムにおいて、
衣類に描かれた二次元コードと、
前記二次元コードを撮影するカメラ部と、前記カメラ部で撮影した二次元コードの画像情報から文字や数字を復号して配信サーバ識別情報を抽出する制御部とを有する携帯端末とを設け、
前記携帯端末が、前記制御部で抽出した配信サーバ識別情報で示される配信サーバへ広告情報を要求する電文を送信し、該配信サーバから受信した広告情報を表示するようにしたことを特徴とする広告情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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