説明

広告配信システム

【課題】広告用画像の大きさに影響を与えずにQRコードの撮像及び読み取りを容易にする。
【解決手段】広告用の画像を表示する第1の表示装置1と、QRコードを表示する第2の表示装置2と、第1の表示装置1に表示する画像と第2の表示装置に表示するQRコードをそれぞれインターネット6を通じて配信する配信装置3と、配信装置3から配信される画像及びQRコードを受信して第1及び第2の表示装置1,2にそれぞれ表示させる通信端末装置4とを備える。広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置1,2にそれぞれ個別に表示するので、第2の表示装置2に表示するQRコードの大きさを大きくしても第1の表示装置1に表示する広告用画像の大きさが影響を受けることがなく、広告用画像の大きさに影響を与えずにQRコードの撮像及び読み取りが容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットのような電気通信回線を通じて遠隔地にある表示装置に広告用の画像を伝送して表示させる広告配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、駅コンコースや商業ビルの玄関ロビー等にディスプレイ装置を設置し、遠隔地に設置された配信装置から電気通信回線(例えば、インターネット)を通じて広告用の画像データを伝送してディスプレイ装置に表示させることで商品やサービスの広告を行う広告配信システムが普及してきている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている従来システムでは、画面サイズが50インチ程度の大型のディスプレイ装置とディスプレイコントローラを駅コンコース等に設置し、商品やサービスの広告用の画像(例えば、商品を写した静止画像など)と、当該商品やサービスに関する詳細な情報を提供しているホームページのアドレス(URL)を示したQRコードとを、ディスプレイ装置の画面内を区分けした2つの領域にそれぞれ同時に表示させている。すなわち、インターネット接続機能、カメラ機能並びにQRコード読み取り機能を有する携帯電話機でディスプレイ装置の画面に表示されているQRコードを撮像してホームページのアドレスを読み取り、インターネット接続機能を利用してディスプレイ装置の画面に表示されている商品やサービスに関する詳細な情報を提供するホームページにアクセスできるようにして消費者に商品やサービスを売り込むことができるのである。
【特許文献1】登録実用新案公報第3107777号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在普及しているカメラ付き携帯電話機では電話機本体の大きさの制約からカメラレンズの焦点距離が短くなっている。一方、QRコードの読み取り機能を使うにはQRコードをある程度大きく撮像しなければならない。しかしながら、上記従来例では広告用画像とQRコードが同一のディスプレイ装置の画面を区分けした2つの領域に同時に表示されており、見た目は単なる模様でしかないQRコードの表示領域は広告用画像の表示領域に比べて非常に小さくせざるを得ないため、カメラ付き携帯電話機でQRコードを大きく撮像することは容易でなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、広告用画像の大きさに影響を与えずにQRコードの撮像及び読み取りが容易になる広告配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、広告用の画像を表示する第1の表示装置と、QRコードを表示する第2の表示装置と、第1の表示装置に表示する画像と第2の表示装置に表示するQRコードをそれぞれ電気通信回線を通じて配信する配信装置と、配信装置から配信される画像及びQRコードを受信して第1及び第2の表示装置にそれぞれ表示させる通信端末装置とを備え、配信装置は、電気通信回線を通じて通信端末装置に対してデータを伝送するデータ伝送手段と、複数種類の広告用画像のデータ、個々の広告用画像データと関連する複数種類のQRコードのデータ、並びに各々の広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置に表示するスケジュールを記憶した記憶手段と、記憶手段に記憶している広告用画像データ、当該広告用画像データと関連するQRコードデータ、並びにこれら広告用画像並びにQRコードを第1及び第2の表示装置に表示させるスケジュールを読み出してデータ伝送手段より通信端末装置へ伝送させる制御手段とを有し、通信端末装置は、電気通信回線を通じて配信装置から伝送されるデータを受信するデータ伝送手段と、データ伝送手段で受信するデータを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶したスケジュールにしたがって互いに関連する広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、通信端末装置の表示制御手段は、配信装置から電気通信回線を通じて伝送される文字情報をデータ伝送手段を介して受け取ったとき、当該文字情報を第1の表示装置の画面に広告用画像と同時に表示させるか、あるいはQRコードに代えて第2の表示装置の画面に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置にそれぞれ個別に表示するので、第2の表示装置に表示するQRコードの大きさを大きくしても第1の表示装置に表示する広告用画像の大きさが影響を受けることがなく、広告用画像の大きさに影響を与えずにQRコードの撮像及び読み取りが容易になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
本実施形態は、図1に示すように広告用の画像を表示する第1の表示装置1と、QRコードを表示する第2の表示装置2と、第1の表示装置1に表示する画像と第2の表示装置に表示するQRコードをそれぞれ電気通信回線(インターネット)6を通じて配信する配信装置3と、配信装置3から配信される画像及びQRコードを受信して第1及び第2の表示装置1,2にそれぞれ表示させる通信端末装置4とを備えている。
【0011】
第1の表示装置1は、PDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)を表示デバイスとする大型(例えば、画面サイズが50インチ以上)のディスプレイ装置からなり、駅コンコース等に設置される。また第2の表示装置2は、同じくPDPやLCD若しくはCRT(Cathode Ray Tube)を表示デバイスとする小型(例えば、画面サイズが32インチ以下)のディスプレイ装置からなり、第1の表示装置1の画面が見える範囲内に設置される。
【0012】
通信端末装置4は、図2に示すようにインターネット6を通じて配信装置3から伝送されるデータを受信するデータ伝送手段41と、データ伝送手段41で受信するデータを記憶する記憶手段42と、記憶手段42に記憶したスケジュールにしたがって互いに関連する広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置1,2に表示させる表示制御手段43とを有し、CPUやメモリ、ハードディスク、モデム、ディスプレイアダプタなどのハードウェアに、オペレーティングシステムや種々のアプリケーションプログラムなどのソフトウェアを搭載した汎用のコンピュータからなる。なお、表示制御手段43は、後述する処理を行うためのプログラム(ソフトウェア)をCPUで実行することによって実現されるものである。
【0013】
配信装置3は、図3に示すようにインターネット6を通じて通信端末装置4に対してデータを伝送するデータ伝送手段31と、複数種類の広告用画像のデータ、個々の広告用画像データと関連する複数種類のQRコードのデータ、並びに各々の広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置1,2に表示するスケジュールを記憶した記憶手段32と、記憶手段32に記憶している広告用画像データ、当該広告用画像データと関連するQRコードデータ、並びにこれら広告用画像並びにQRコードを第1及び第2の表示装置1,2に表示させるスケジュールを読み出してデータ伝送手段31より通信端末装置4へ伝送させる制御手段33とを有し、CPUやメモリ、ハードディスク、モデム、ディスプレイアダプタなどのハードウェアに、オペレーティングシステムや種々のアプリケーションプログラムなどのソフトウェアを搭載した汎用のコンピュータからなる。なお、制御手段33は、後述する処理を行うためのプログラム(ソフトウェア)をCPUで実行することによって実現されるものである。
【0014】
ここで広告用画像とは、ある商品又はサービスを広告するために当該商品又はサービスの提供内容等を表した写真や図若しくは文字、あるいはこれらの組み合わせからなる静止画若しくは動画であって、当該商品又はサービスに関する詳細な情報を提供しているホームページのアドレス(URL)を示したQRコードと関連付けて記憶手段32に記憶されている。なお、配信装置3の記憶手段32に対して広告用画像並びにQRコードを記憶させる処理(登録処理)は、配信装置3にて行ってもよいし、インターネット6を通じて別のコンピュータ(登録装置)から広告用画像データ及びQRコードデータを送信して登録するようにしても構わない。
【0015】
またスケジュールは、例えば一日を朝、昼、夜の3つの時間帯に区切り、各時間帯毎に表示する広告用画像及びQRコードが設定されるとともに、平日、土曜日、日曜日又は祝日毎に表示する広告用画像及びQRコードが設定されるものであって、配信装置3若しくは別のコンピュータで作成されて記憶手段32に記憶される。そして、第1及び第2の表示装置1,2で広告用画像及びQRコードが表示されていない時間帯(例えば、深夜2時から3時の間)に、配信装置3の制御手段33がデータ伝送手段31からインターネット6を通じて各通信端末装置4に対して広告用画像データ、QRコードデータ並びにスケジュールのデータを伝送(配信)し、各通信端末装置4の表示制御手段43ではデータ伝送手段41で受信した前記データを記憶手段42に記憶する。
【0016】
通信端末装置4においては、表示制御手段43が記憶手段42に記憶したスケジュールに従って広告用画像データ及びQRコードデータを読み出して第1及び第2の表示装置1,2にそれぞれ広告用画像並びにQRコードを表示させる。また、気象情報や地震情報あるいは重大な事件・事故に関する報道等の文字情報を配信装置3から各通信端末装置4に配信し、各通信端末装置4では表示制御手段43が前記文字情報を第1の表示装置1にテロップとして表示させるか、あるいは第2の表示装置2にQRコードの代わりに表示させることも可能である。
【0017】
上述のように本実施形態では、広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置1,2にそれぞれ個別に表示するので、第2の表示装置2に表示するQRコードの大きさを大きくしても第1の表示装置1に表示する広告用画像の大きさが影響を受けることがなく、広告用画像の大きさに影響を与えずにQRコードの撮像及び読み取りが容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】同上における通信端末装置のブロック図である。
【図3】同上における配信装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0019】
1 第1の表示装置
2 第2の表示装置
3 配信装置
4 通信端末装置
6 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告用の画像を表示する第1の表示装置と、QRコードを表示する第2の表示装置と、第1の表示装置に表示する画像と第2の表示装置に表示するQRコードをそれぞれ電気通信回線を通じて配信する配信装置と、配信装置から配信される画像及びQRコードを受信して第1及び第2の表示装置にそれぞれ表示させる通信端末装置とを備え、
配信装置は、電気通信回線を通じて通信端末装置に対してデータを伝送するデータ伝送手段と、複数種類の広告用画像のデータ、個々の広告用画像データと関連する複数種類のQRコードのデータ、並びに各々の広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置に表示するスケジュールを記憶した記憶手段と、記憶手段に記憶している広告用画像データ、当該広告用画像データと関連するQRコードデータ、並びにこれら広告用画像並びにQRコードを第1及び第2の表示装置に表示させるスケジュールを読み出してデータ伝送手段より通信端末装置へ伝送させる制御手段とを有し、
通信端末装置は、電気通信回線を通じて配信装置から伝送されるデータを受信するデータ伝送手段と、データ伝送手段で受信するデータを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶したスケジュールにしたがって互いに関連する広告用画像とQRコードを第1及び第2の表示装置に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
通信端末装置の表示制御手段は、配信装置から電気通信回線を通じて伝送される文字情報をデータ伝送手段を介して受け取ったとき、当該文字情報を第1の表示装置の画面に広告用画像と同時に表示させるか、あるいはQRコードに代えて第2の表示装置の画面に表示させることを特徴とする請求項1記載の広告配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−11230(P2007−11230A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195468(P2005−195468)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(391039173)株式会社ジェイアール西日本テクノス (26)
【出願人】(505252595)株式会社テック (1)
【出願人】(391052208)ジャトー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】