説明

広帯域AD変換装置

【課題】 高周波信号を帯域分割して複数のAD変換素子によって分担してカバーするダイレクトコンバージョン方式の方式の受信装置を実現する場合において、AD変換素子のナイキスト周波数の境界にかかわらず任意の周波数の帯域を観測帯域として選択でき、選択された1個の観測帯域を1個のAD変換素子でサンプリングできるような手段を提供する
【解決手段】 複数のAD変換素子によって帯域を分割してサンプリングする場合に生じるナイキスト周波数の境界を、別なサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子を組み合わせて使用することによって回避し、1個の任意の観測帯域を1個のAD変換素子でサンプリングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域な高周波アナログ信号を受信するためのAD変換装置、AD変換方法、および、無線受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線受信機および電波計測装置等においては、広帯域な高周波アナログ信号から所望の帯域を選択して受信し処理する必要がある。例えば電波計測装置の一種である電波天文観測装置の場合、数100MHzから数10GHzの広い周波数範囲から複数の1GHz程度の帯域幅を選択し、これを観測信号帯域として受信し計測対象としている。
【0003】
また、近年の無線受信機および電波計測装置等ではアナログ信号をAD変換素子でサンプリングしデジタルデータに変換してからデジタル信号処理により必要な処理を行うことが一般的となっている。
【0004】
通常のAD変換素子に入力可能な信号の周波数および帯域幅は、入力される高周波アナログ信号の周波数および帯域幅に比較して小さいため、高周波信号をAD変換素子に入力する前に予め観測信号として必要な数に分配した上で、分配されたそれぞれの高周波信号をダウンコンバータと呼ばれる周波数変換器によって周波数を下げ、ローパスフィルタで帯域制限した上で複数のAD変換素子に入力し、これらを観測信号として後段のデジタル信号処理を行う手法が取られている。このような構成の例を図3に示す。
【0005】
上述の構成ではアナログ技術によるダウンコンバータが必須であるが、ダウンコンバータは高安定な局部発信器と高性能なミキサが必要なため、必要な観測信号帯域の数が多い場合にはダウンコンバータの数もそれに対応して多くなり、システムの規模とコストの増大を招く。また、ダウンコンバータに内臓された局部発信器の位相変動は、直接、観測信号の位相変動に反映されるため、電波天文観測装置などのように観測信号の位相情報が重視される用途においては致命的な誤差要因となりかねない。
【0006】
近年では、上述のような問題点を解決するために、アナログ的なダウンコンバータを必要としないダイレクトコンバージョンと呼ばれる方式が実現されている。ダイレクトコンバージョンは、高周波かつ広帯域な信号が入力できるAD変換素子を利用して広帯域な高周波アナログ信号を一括してAD変換素子に入力しデジタルデータに変換し、その中から後段のデジタル信号処理によって周波数変換と帯域制限を行い所望の周波数および帯域幅の複数の信号を観測信号帯域として取り出す手法である。
【0007】
一方、電波天文観測装置のように数GHzから数10GHzといった非常に広い帯域を計測対象とする装置の場合、ダイレクトコンバージョン方式であっても、全帯域を1個のAD変換素子でカバーすることはできない。例えば2GHzから14GHzの周波数範囲から1GHzの帯域幅の信号を観測する必要のある装置において、全帯域を1個のAD変換素子で取り込むためには、14GHzまでの信号が入力可能で28GHzのサンプリング周波数で動作するAD変換素子が必要となるが、現在入手可能な電波天文用途のAD変換素子においては、入力周波数の上限は20GHz以上のものがあり入力信号周波数としては対応可能であるがサンプリング周波数が16GHz程度に制限されているため全帯域を取り込むことはできない。
【0008】
この場合、広帯域な高周波信号をAD変換素子に入力可能な帯域幅のバンドパスフィルタで複数の帯域に分割し、それぞれを複数のAD変換素子を用いて取り込む構成が考えられる。この場合、高周波信号の周波数はAD変換素子のサンプリング周波数で規定されるナイキスト周波数よりも高くなるが、高次ナイキスト領域でサンプリングすることにより信号を取り込むことが可能なため、アナログ的なダウンコンバータは不要である。このような構成の例を図4に示す。また、この方式によってシステムを単純化した電波天文観測装置の構成についてはすでに非特許文献1に示されるように実験的な取り組みも行われている。
【非特許文献1】高次モードサンプリング32MHz4ch方式によるVLBI
【0009】
図4に示されるような、帯域分割して複数のAD変換素子を用いて高次ナイキスト領域でサンプリングするダイレクトコンバージョン方式の場合、受信された広帯域な高周波信号から所望の観測信号帯域をアナログ的なダウンコンバータを用いることなくサンプリングして取り出すことが可能であるが、図5に示されるような高周波信号において、AD変換素子のナイキスト周波数にまたがる観測信号帯域B3(513)は、1個のAD変換素子でサンプリングすることができないため、所望の観測信号帯域の設定はナイキスト周波数をまたがないように制限する必要がある。一方、無線受信機や電波天文観測装置の場合、所望の観測信号帯域は任意に選べることが必要な場合があり、このような場合には図4に示される方式は採用できず、アナログ的なダウンコンバータを導入せざるを得ない。
【0010】
ナイキスト周波数にまたがる観測信号帯域を複数のAD変換素子でサンプリングしてからデジタル信号処理によって1個のサンプリングデータに合成する手法が考案されている(特許文献1)。この方式ではナイキスト周波数をまたぐ観測信号帯域について、ナイキスト周波数の両側をサンプリング帯域に含む複数のAD変換素子でサンプリングし、それぞれのAD変換素子の出力データに部分的に含まれる観測信号帯域の信号を、FFTにより周波数変換して周波数領域で加算、もしくは、デジタルフィルタで抽出後に時間領域で加算することによって単一のデジタルデータに合成する。この方式によれば広帯域な高周波信号から任意の観測信号帯域をサンプリングして取り出すことが可能であるが、複数のAD変換素子の出力データは、それぞれのAD変換素子間におけるアナログ回路の位相差および、サンプリングクロックの位相差により、位相が厳密に一致していない。電波天文観測装置等のように観測信号帯域内の位相連続性が特に重要な場合、複数のAD変換素子の出力データの位相差は大きな問題であり、これを補正するために特別な較正手段を必要とし、システムが複雑になるため、これを避けるために1個の観測信号帯域は単一のAD変換素子でサンプリングすることが望まれる。
【特許文献1】特許公開2006−319537
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、広帯域な高周波信号から単一もしくは複数の所望の観測信号帯域を選択してサンプリングする受信装置を、高周波信号を帯域分割して複数のAD変換素子によって分担してカバーするダイレクトコンバージョン方式で実現する場合において、AD変換素子のナイキスト周波数の境界にかかわらず任意の周波数の帯域を観測信号帯域として選択でき、選択された1個の観測信号帯域を単一のAD変換素子でサンプリングできるような手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、広帯域な高周波信号を複数のAD変換素子によって帯域を分割してサンプリングする場合に生じるナイキスト周波数の境界を、別なサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子を組み合わせて使用することによって回避し、1個の任意の観測信号帯域を単一のAD変換素子でサンプリングすることを特徴とする。
【0013】
例えば、0〜15GHzの広帯域な高周波信号から、4個の1GHz幅の観測信号帯域をAD変換して取出す場合において、図4の構成によるダイレクトコンバージョン方式の受信装置を用いて、図5に示されるように0〜15GHzの高周波信号を3個の5GHz幅の帯域(501、502、503)に分割し、10GHzのサンプリング周波数で動作する3個のAD変換素子でサンプリングすれば、ナイキスト周波数である5GHzの倍数にまたがらない観測信号帯域B1(511)、B2(512)、B4(514)は、3個のAD変換素子のいずれかの単一のAD変換素子で問題なくサンプリング可能である。しかし、10GHzのナイキスト周波数をまたぐ観測信号帯域B3(513)は単一のAD変換素子でサンプリングすることができない。同様に5GHzのナイキスト周波数をまたぐような観測信号帯域もサンプリングすることはできない。
【0014】
ここで、10GHzのサンプリング周波数で動作する基本的なAD変換素子に加えて、補助的なAD変換素子として8GHzのサンプリング周波数で動作するAD変換素子を追加し、図1に示すように、3個の基本的なAD変換素子でサンプリングする5GHz幅の帯域(101、102、103)に加えて、補助的なAD変換素子によって、新たに4〜8GHzの帯域(104)および8〜12GHzの帯域(105)をサンプリングするようにして、全体として5個のAD変換素子で高周波信号をサンプリングして、その内から最適なAD変換素子の出力を選択するようにすれば、0〜15GHzの間の任意の1GHz幅の観測信号帯域は、必ずいずれか1個の単一のAD変換素子で全体をサンプリングすることが可能となる。上述の例においては、3個の基本的なAD変換素子でサンプリングできなかった観測信号帯域B3(114)は、新たに追加された8GHzのサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子のうち、8〜12GHzを分担するAD変換素子で全体をサンプリングすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、広帯域な高周波信号から単一もしくは複数の所望の観測信号帯域を選択してサンプリングする受信装置を、高周波信号を帯域分割して複数のAD変換素子によって分担してカバーするダイレクトコンバージョン方式で実現する場合において、AD変換素子のナイキスト周波数の境界にかかわらず任意の周波数の帯域を観測信号帯域として選択でき、選択された1個の観測信号帯域を単一のAD変換素子でサンプリングすることが可能となる。
【0016】
例えば電波天文観測装置のように、任意の周波数を選択する必要があり、かつ取得した信号の位相情報が重要な用途において、アナログ的なダウンコンバータを用いないで受信装置を構成することが可能となり、位相誤差の軽減と同時に、システム全体の規模やコストを縮小することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に沿って説明する。
【0018】
図2は本発明の代表的な実施形態として、広帯域な高周波信号から4個の観測信号帯域を選択的にサンプリングしてデジタルデータとして出力するための受信装置において、高周波信号の帯域全体を3個の基本的なAD変換素子で分担し、これらのAD変換素子におけるナイキスト周波数による帯域の境界を補間するために2個の補助的なAD変換素子を用いて、合計5個のAD変換素子を用いる場合の構成を示す。
【0019】
図2に示す受信装置は、電波天文観測装置に用いる受信装置の例を示している。受信装置に入力される高周波信号は非常に広帯域であり、このうち観測信号帯域として選択される信号は0〜15GHzの周波数範囲のうちの任意の1GHzの帯域幅の信号である。また、観測信号帯域として4個の異なる帯域が選択される。4個の観測信号帯域の信号は、最終的に2GHzのサンプリング周波数を持つ4個のデジタルデータとして後段の装置に向けて出力される。基本的なAD変換素子のサンプリング周波数は10GHz、補助的なAD変換素子のサンプリング周波数は8GHzである。
【0020】
観測信号帯域としては図1に示されるように、4〜5GHzのB1(111)、6〜7GHzのB2(112)、9.2〜10.2GHzのB3(113)、12〜13GHzのB4(114)の4個が所望されている。
【0021】
アンテナ(201)で受信された高周波信号は、ローノイズアンプ(211)で増幅された後、5系統に分配され、5個のバンドパスフィルタBPF1(221)〜BPF5(225)で帯域制限される。これらのバンドパスフィルタは、後段のAD変換素子におけるエイリアシングを防止するためのアンチエイリアスフィルタである。それぞれのバンドパスフィルタの通過帯域は図1に示すように、BPF1(221)の通過帯域であるRF1(101)〜BPF3(223)の通過帯域であるRF3(103)によって高周波信号全体をカバーし、BPF4(224)の通過帯域であるRF4(104)およびBPF5(225)の通過帯域であるRF5(105)が、前述3個のバンドパスフィルタの通過帯域の境界を補間するように選ばれている。
【0022】
バンドパスフィルタで帯域制限された高周波信号は、AD変換素子ADC1(231)〜ADC5(235)に入力され、サンプリングされる。ここでADC1(231)〜ADC3(233)は基本的なAD変換素子としてサンプリング周波数fs1(241)で動作し、ADC4(234)、ADC5(235)は補助的なAD変換素子として、サンプリング周波数fs2(242)で動作する。ここではfs1(241)は10GHz、fs2(242)は8GHzが選択される。それぞれのAD変換素子は、15GHzまでの信号の入力が可能で高次ナイキスト領域におけるサンプリングに対応する。各AD変換素子に入力される観測信号帯域およびサンプリング周波数の関係を図6に示す。
【0023】
ADC1(231)〜ADC5(235)でサンプリングされたデータは、4個のセレクタ(251〜254)で選択されて、デジタルダウンコンバータ1(261)〜デジタルダウンコンバータ4(264)に入力される。それぞれのデジタルダウンコンバータの内部では、所望の観測信号帯域が0GHzを下端とするベースバンド周波数になるように、ローカル信号LO1(271)〜LO4(274)によって周波数変換される。これらのデジタルダウンコンバータの内部での周波数変換は、すべてデジタル信号に対する論理的な演算処理によって行われるため、アナログ的なダウンコンバータで発生するようなローカル信号の位相変動による誤差は発生しない。
【0024】
ADC1(231)〜ADC5(235)とデジタルダウンコンバータ1(261)〜デジタルダウンコンバータ4(264)の対応、および各デジタルダウンコンバータにおけるローカル信号LO1(271)〜LO4(274)の周波数は、デジタルダウンコンバータ1(261)〜デジタルダウンコンバータ4(264)のそれぞれから、どの観測信号帯域を出力するかによって決まる。ここでの例のように、図1における4〜5GHzのB1(111)をデジタルダウンコンバータ1(261)、6〜7GHzのB2(112)をデジタルダウンコンバータ2(262)、9.2〜10.2GHzのB3(113)をデジタルダウンコンバータ3(263)、12〜13GHzのB4(114)をデジタルダウンコンバータ4(264)から出力する場合、デジタルダウンコンバータ1(261)においては、観測信号帯域B1(111)を含むADC1(231)の出力を選択し、LO1(271)の周波数は観測信号帯域B1(111)の下端の周波数である4GHzに設定される。デジタルダウンコンバータ2(262)においては、観測信号帯域B2(112)を含むADC2(232)を選択するが、ADC2(232)は10GHzのfs1(241)によって第2ナイキスト領域でサンプリングしているためサンプリングされたデータは周波数が5GHz逓減されたベースバンドに変換され、かつ周波数方向が逆になっている。従ってLO2(272)の周波数は、ベースバンドに折り返された観測信号帯域B2(112)の下端に対応する4GHzに設定し、かつ、周波数方向を正順にするために下側波帯(LSB)の信号を出力するようにする。デジタルダウンコンバータ3(263)においては、観測信号帯域B3(113)を含むAD変換素子を選択することになるが、観測信号帯域B3(113)は基本的なAD変換素子であるADC2(232)とADC3(233)のナイキスト周波数にまたがっているため、これらのAD変換素子では正しくサンプリングできないため、補助的なAD変換素子であるADC5(235)を選択することによって、基本的なAD変換素子のナイキスト周波数を避け単一のAD変換素子で正しくサンプリングすることができる。ADC5(235)は8GHzのfs2(242)によって第3ナイキスト領域でサンプリングしているため、サンプリングされたデータは周波数が8GHz逓減されたベースバンドに変換され、周波数方向は元通りである。従ってLO3(273)の周波数は、ベースバンドに変換された観測信号帯域B3(113)の下端に対応する1.2GHzに設定される。デジタルダウンコンバータ4(264)においては、観測信号帯域B4(114)を含むADC3(233)を選択するが、ADC3(233)は10GHzのfs1(241)によって第3ナイキスト領域でサンプリングしているため、サンプリングされたデータは周波数が10GHz逓減されたベースバンドに変換され、周波数方向は元通りである。従ってLO4(274)の周波数は、ベースバンドに変換された観測信号帯域B4(114)の下端の周波数に対応する2GHzに設定される。ここまでの手順によって高周波信号に含まれていたB1(111)〜B4(114)の各観測信号帯域は、下端を0GHzとするベースバンドに変換される。このときのサンプリングされたデータおよびローカル信号、および周波数変換されたデータの周波数関係を図7に示す。
【0025】
各デジタルダウンコンバータにおいて観測信号帯域の下端を0GHzとするベースバンド周波数変換されたデータは、ローパスフィルタLPF1(281)〜LPF4(284)によって上限周波数が1GHzの帯域幅に帯域制限される。
【0026】
1GHzの帯域幅に制限された各観測信号帯域のデータは、デシメータ1(291)〜デシメータ4(294)によってサンプリング周波数fs3(2i1)までダウンサンプリングされ、最終的にサンプリング周波数がfs3(2i1)のデジタルデータとして出力される。この場合、サンプリング周波数fs3(2i1)は2GHzとなる。また、デシメータによるダウンサンプリングの比率は、入力として選択されたAD変換素子のサンプリング周波数であるfs1(241)もしくはfs2(242)と、出力されるデジタルデータのサンプリング周波数であるfs3(2i1)の比率によって決まる。ここで示された例においては、デシメータ1(291)、デシメータ2(292)、デシメータ4(294)は1/5、デシメータ3(293)1/4の比率でダウンサンプリングを行う。
【0027】
デシメータ1(291)〜デシメータ4(294)でダウンサンプリングされたデータは観測信号帯域B1(111)〜観測信号帯域B4(114)に対応したデジタルデータとして出力データ1(2ii1)〜出力データ4(2ii4)として出力される。
【0028】
上述の手順によって、アナログ的なダウンコンバータを用いることなく、広帯域な高周波信号を複数のAD変換素子によって帯域を分割してサンプリングする、ダイレクトコンバージョン方式の受信装置において、ナイキスト周波数にかかわらず、1個の任意の観測信号帯域を単一のAD変換素子でサンプリングすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 本発明の手法によって構成された受信装置において、補助的なAD変換素子を追加して、すべての観測信号帯域についてナイキスト周波数をまたがないようにした場合の、各AD変換素子の入力帯域と観測信号帯域の周波数の関係。
【図2】 本発明の手法により、補助的なAD変換素子を追加したダイレクトコンバージョン方式の受信装置のブロック図。
【図3】 従来の手法により、アナログ的なダウンコンバータを用いて構成された受信装置のブロック図。
【図4】 従来の手法により、基本的なAD変換素子のみで構成されたダイレクトコンバージョン方式の受信装置のブロック図。
【図5】 従来の手法によって構成された受信装置において、特定の観測信号帯域がナイキスト周波数をまたいでしまう場合の、各AD変換素子の入力帯域と観測信号帯域の周波数の関係。
【図6】 本発明の手法によって構成された受信装置における、各AD変換素子に入力される観測信号帯域およびサンプリング周波数の関係。
【図7】 本発明の手法によって構成された受信装置における、サンプリングデータおよびローカル周波数、および周波数変換されたデータの周波数関係。
【符号の説明】
【0030】
101〜105 AD変換素子1〜5の入力帯域
111〜114 観測信号帯域B1〜B4
201 アンテナ
211 ローノイズアンプ
221〜225 AD変換素子1〜5用アンチエイリアスバンドパスフィルタ
231〜233 基本的なAD変換素子1〜3
234〜235 補助的なAD変換素子4〜5
241 基本的なAD変換素子1〜3用のサンプリングクロック
242 補助的なAD変換素子4、5用のサンプリングクロック
251〜254 デジタルダウンコンバータ1〜4用入力セレクタ
261〜264 デジタルダウンコンバータ1〜4
271〜274 ローカル信号1〜4
281〜284 ローパスフィルタ1〜4
291〜294 デシメータ1〜4
2i1 出力データ用サンプリングクロック
2ii1〜2ii4 出力データ
501〜503 従来の方式による3個のAD変換素子への入力帯域
511〜514 観測信号帯域B1〜B4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号をサンプリングするための基本的なAD変換素子と、基本的なAD変換素子と異なるサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子とを組み合わせて、任意の周波数の帯域信号について、いずれかのAD変換素子によってナイキスト周波数をまたがないようにサンプリングできることを特徴とするAD変換装置。
【請求項2】
高周波信号をサンプリングするために基本的なAD変換素子と、基本的なAD変換素子と異なるサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子とを組み合わせて、任意の周波数の帯域信号について、いずれかのAD変換素子によってナイキスト周波数をまたがないようにサンプリングできることを特徴とするAD変換方法。
【請求項3】
高周波信号をサンプリングするための基本的なAD変換素子と、基本的なAD変換素子と異なるサンプリング周波数で動作する補助的なAD変換素子とを組み合わせて、任意の周波数の帯域信号について、いずれかのAD変換素子によってナイキスト周波数をまたがないようにサンプリングできることを特徴とするAD変換部を有した無線受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−106339(P2013−106339A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266269(P2011−266269)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(595138616)エレックス工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】