床仕上げ材の敷設方法
【課題】 施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能な床仕上げ材の敷設方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、両面テープ10の床仕上げ材20が貼り付けられる粘着面12aに剥離紙13を貼り付けた状態で、両面テープ10を床下地面1における床仕上げ材20を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、粘着面12aに剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10の上に、床仕上げ材20を配置する第二の工程と、両面テープ10の上に配置された床仕上げ材20の位置調整を行う第三の工程と、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける第四の工程と、を有する。
【解決手段】 本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、両面テープ10の床仕上げ材20が貼り付けられる粘着面12aに剥離紙13を貼り付けた状態で、両面テープ10を床下地面1における床仕上げ材20を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、粘着面12aに剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10の上に、床仕上げ材20を配置する第二の工程と、両面テープ10の上に配置された床仕上げ材20の位置調整を行う第三の工程と、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける第四の工程と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床仕上げ材の敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床下地面にフローリング等の床仕上げ材を敷設する方法として、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法が知られている。
両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法では、まず、床下地面における床仕上げ材を敷設する位置に両面テープを貼り付ける。そして、床下地面に貼付けられた両面テープによって、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける。
ここで、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際には、床下地面において床仕上げ材の細かい位置調整を行う必要がある。
しかしながら、上記両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法では、両面テープの粘着力により、床下地面における床仕上げ材の位置調整が困難となる場合がある。
【0003】
従来、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際に、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うための方法として、例えば、特許文献1に係る方法が知られている。
特許文献1に係る方法では、床下地面に貼付けられた両面テープによって、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際に、両面テープの粘着面に水等の液剤を塗布して、両面テープの粘着力を一時的に低下させる。そして、両面テープの粘着面の粘着力が一時的に低下している間に、床下地面における床仕上げ材の位置調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−20760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、両面テープの粘着面の粘着力を十分に低下させることができず、床下地面における床仕上げ材の位置調整が困難となる場合がある。
また、上記従来技術では、両面テープの粘着面に液剤を塗布する工程が必要となるとともに、両面テープの粘着面に塗布された液剤が乾燥するまで床仕上げ材が床下地面に固定されないため、床下地面に床仕上げ材を敷設する際の施工性が低下する。
本発明の課題は、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する際に、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能な床仕上げ材の敷設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する床仕上げ材の敷設方法であって、前記両面テープの両粘着面のうち前記床仕上げ材が貼り付けられる一方側の粘着面に剥離紙を貼り付けた状態で、前記両粘着面のうち他方側の粘着面を前記床下地面に貼り付けて、前記両面テープを前記床下地面における前記床仕上げ材を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、前記一方側の粘着面に前記剥離紙が貼り付けられた状態の前記両面テープの上に、前記床仕上げ材を配置する第二の工程と、前記両面テープの上に配置された前記床仕上げ材の位置調整を行う第三の工程と、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離して、前記床仕上げ材を前記床下地面に貼り付ける第四の工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、一方側の粘着面に剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープの上に床仕上げ材を配置して、該床仕上げ材の位置調整を行った後に、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から剥離して床仕上げ材を床下地面に貼り付ける。
すなわち、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープ上で床仕上げ材の位置調整を行い、該床仕上げ材の位置調整が完了した後に、該床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を剥離する。
【0008】
したがって、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能となる。
また、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記第四の工程において、前記剥離紙は、前記床仕上げ材が配置されている部分側の端部から前記床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有し、前記導出部を引っ張ることによって、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離することを特徴とする。
【0009】
第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、剥離紙が、床仕上げ材が配置されている部分側の端部から床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有している。そして、床仕上げ材の未配置部分側から導出部を引っ張ることによって、床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を剥離する。
したがって、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
【0010】
第三の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記導出部は、前記剥離紙を折り返すことにより形成されていることを特徴とする。
第三の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、導出部が、剥離紙を折り返すことにより形成されているため、簡易な構成で、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
第四の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第三のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記第二の工程から前記第四の工程を繰り返して、複数の前記床仕上げ材を敷設することを特徴とする。
第四発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、複数の床仕上げ材を敷設する際の施工性を向上することが可能となる。
【0011】
第五の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第四のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記両面テープは、前記一方側の粘着面における幅方向の一部に、長手方向に連続して前記剥離紙が貼り付けられていない部分を有することを特徴とする。
第五の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、両面テープが、剥離紙が貼り付けられていない部分を有することによって、剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープ上で床仕上げ材の位置調整を行う際に、床仕上げ材の位置を適度に固定することが可能となる。
【0012】
第六の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第五のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記床仕上げ材は、樹脂を含んで形成されていることを特徴とする。
例えば、床仕上げ材として、樹脂パネル、木材と樹脂との複合材等を用いる。ここで、樹脂パネルとしては、プラスチック廃棄物(廃プラ)から形成された樹脂パネル、合成樹脂により形成された樹脂パネル等を用いることができる。また、木材と樹脂との複合材としては、プラスチックに木チップや木の粉を混ぜた複合材、木材により形成された芯材に樹脂をコーティングした複合材等を用いることができる。
第六の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、床仕上げ材を敷設する際の施工性をより向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープを示す断面図である。
【図2】図1に示す両面テープの一方側の粘着面を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に両面テープを配置する方法の一例を示す平面図である。
【図5】図4に示す床下地面に配置された両面テープの端部を示す断面図である。
【図6】図5に示す両面テープの上方に床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示す床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。
【図8】図7に示す床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。
【図10】図9に示す両面テープの上方に2枚目の床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。
【図11】図10に示す2枚目の床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。
【図12】図11に示す2枚目の床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。
【図13】図12に示す2枚目の床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の一例を示す平面図である。
【図15】本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の変形例を示す平面図である。
【図16】図1に示す両面テープの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施の形態では、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法を、コンクリート建築物の床スラブ面からなる床下地面1(図4参照)において、床仕上げ材として樹脂パネルを敷設する方法に適用した場合を例にして説明する。
(両面テープの構成)
まず、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープ10の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープを示す断面図である。
図1に示す両面テープ10は、粘着層11と、粘着層11の一方側の粘着面12aに貼り付けられた第一剥離紙13と、粘着層11の他方側の粘着面12bに貼付けられた第二剥離紙14とを備えている。
【0016】
第一剥離紙13は、両面テープ10の粘着面12aにおいて、長手方向(図1及び図2に示す左右方向)に連続して貼り付けられている。また、第二剥離紙14は、粘着面12bにおいて、長手方向に連続して貼り付けられている。第二剥離紙14は、粘着面12b幅方向(図2における上下方向)の略全体に貼り付けられている。
粘着層11は、本実施の形態では、基材(図示せず)を有しており、該基材の両面のそれぞれに粘着剤を塗布することによって形成されている。ここで、粘着剤には、接着剤が含まれるものとする。なお、粘着層11は、基材を有さずに、粘着剤をシート状に加工して形成しても構わない。
【0017】
図2に示すように、両面テープ10は、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分と、該第一剥離紙13が貼り付けられず、粘着面12aが露出している露出部15とを有している。
露出部15は、粘着面12aにおける幅方向の一部に設けられている。本実施の形態では、露出部15は、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇にそれぞれ設けられている。
【0018】
ここで、図2に示すように、両面テープ10の端部では、第一剥離紙13が粘着面12aに対して長手方向に延長された状態となっている。
なお、両面テープ10は、粘着面12aを内側として、ロール状に巻かれた状態となっている。この際、両面テープ10では、粘着面12aに露出部15が設けられているため、露出部15における粘着面12aが第二剥離紙14の外面に粘着することによって、ロール状に巻かれた状態を維持することが可能となる。
【0019】
(床仕上げ材の構成)
次に、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材20の構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材を示す断面図である。
床仕上げ材20は、略方形の板状に形成されている。床仕上げ材20は、両面テープ10による貼り付けを考慮して、樹脂を含んで形成されていることが好ましい。例えば、床仕上げ材20として、樹脂パネル、木材と樹脂との複合材等を用いる。ここで、樹脂パネルとしては、プラスチック廃棄物(廃プラ)から形成された樹脂パネル、合成樹脂により形成された樹脂パネル等を用いることができる。また、木材と樹脂との複合材としては、プラスチックに木チップや木の粉を混ぜた複合材、木材により形成された芯材に樹脂をコーティングした複合材(フローリングパネル)等を用いることができる。なお、床仕上げ材20として、木材により形成されたフローリングパネル等を用いても構わない。本実施の形態では、床仕上げ材20として、木材と廃プラとから形成された樹脂パネルを用いている。
【0020】
図3に示すように、床仕上げ材20では、一端部に凸部21が設けられているとともに、他端部に凹部22が設けられている。そして、床下地面1に敷設された床仕上げ材20では、隣り合う両床仕上げ材20において、一方の床仕上げ材20の凸部21が他方の床仕上げ材20の凹部22に嵌合することによって、両床仕上げ材20の位置が互いに固定される。
なお、本実施形態では、床仕上げ材20の長手方向(図14に示す左右方向)の寸法は、1818mmに構成されている。
【0021】
(床仕上げ材の敷設方法)
次に、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に両面テープを設置する方法の一例を示す平面図である。図5は、図4に示す床下地面に設置された両面テープの端部を示す断面図である。図6は、図5に示す両面テープの上方に床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。図7は、図6に示す床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。図8は、図7に示す床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。図9は、図8に示す床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。図10は、図9に示す両面テープの上方に2枚目の床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。図11は、図10に示す2枚目の床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。図12は、図11に示す2枚目の床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。図13は、図12に示す2枚目の床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。図14は、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の一例を示す平面図である。
【0022】
本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法では、図4に示すように、まず、床下地面1において、床仕上げ材20を敷設する位置に、両面テープ10を設置する(第一の工程)。
本実施の形態では、床下地面1において、複数の床仕上げ材20を左右方向(図4に示す左右方向)に敷設してなる列を、上下方向(図4に示す上下方向)に複数配設する。各列では、複数の床仕上げ材20が、その長手方向に沿って並べられ状態で敷設される。また、隣り合う両列では、互いに、床仕上げ材20の長手方向の端部の位置(隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置)が、左右方向にずれた状態となることが好ましい(図14参照)。すなわち、隣り合う一の列及び他の列では、一の列における隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置と、他の列における隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置とが、互いに左右方向にずれた状態となることが好ましい。
【0023】
また、床下地面1における両面テープ10を設置する位置及び本数は、適宜設定することができる。ここで、両面テープ10は、床下地面1において、少なくとも、隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置に設置することが好ましい。すなわち、隣り合う両床仕上げ材20の長手方向の端部を、1本の両面テープ10によって床下地面1に貼り付けることが好ましい。本実施形態では、両面テープ10は、床仕上げ材20の長手方向に直交する方向に延びるように配置する。そして、床下地面1において、図4に示す上方から下方に向かって、順次、床仕上げ材20を敷設する。
【0024】
床下地面1における両面テープ10の設置は、両面テープ10の第二剥離紙14を粘着面12bから剥離して、粘着面12bを床下地面1に貼り付けることにより行う。
ここで、床下地面1における両面テープ10の設置は、両面テープ10の粘着面12aに第一剥離紙13を貼り付けたままの状態で行う。
すなわち、床下地面1に設置された両面テープ10では、粘着面12aの幅方向の中央部に第一剥離紙13が貼り付けられているとともに、第一剥離紙13の両脇にそれぞれ粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。
【0025】
また、図4に示すように、床下地面1に設置された両面テープ10の第一剥離紙13の一端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。導出部13aは、両面テープ10の一端部の上に床仕上げ材20が配置された際に、該床仕上げ材20の下方から両面テープ10の他端部側に導出するように設けられる。すなわち、導出部13aの長手方向の寸法は、床仕上げ材20の幅方向(図14に示す上下方向)の寸法より大きく形成する。
【0026】
図5に示すように、本実施の形態では、導出部13aは、第一剥離紙13における粘着面12aに対して長手方向に延長された部分を折り返すことによって形成されている。
なお、導出部13aは、第一剥離紙13の一端部にテープ等を取り付けることによって形成しても構わない。
次に、床下地面1に設置された両面テープ10の上に、床仕上げ材20を配置する(第二の工程)。
この際、両面テープ10においては、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられたままの状態となっている。
【0027】
次に、図6に示すように、両面テープ10の上に配置された床仕上げ材20の位置調整を行う(第三の工程)。
床下地面1における壁面2との境界には、予め、床仕上げ材20の位置決めを行うための楔3が配設されてる。そして、床下地面1における壁面2との境界に床仕上げ材20を配置する場合、床仕上げ材20の側面が楔3に接触するように、床仕上げ材20の位置を調整する。なお、図6に示すように、床下地面1における壁面2との一方側の境界に敷設される床仕上げ材20としては、凹部22が設けられていないものを用いる。また、床下地面1における壁面2との他方側の境界に敷設される床仕上げ材20としては、予め、凸部21が切断されたものを用いる。なお、床下地面1における壁面2との境界に敷設される床仕上げ材20としては、凹部22及び凸部21が設けられている床仕上げ材20をそのまま用いても構わない。
【0028】
ここで、床下地面1に設置されている両面テープ1では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態となっている。これにより、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
また、床下地面1に設置されている両面テープ1では、第一剥離紙13の両脇のそれぞれに粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。これにより、位置調整が完了した床仕上げ材20を床下地面1に対して適度に固定することが可能となる。
なお、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整は、必要に応じて、床仕上げ材20の端部に当て木を当て、該当て木をハンマー等でたたくことにより行う(以下、同様)。
【0029】
そして、図7に示すように、位置調整が完了した床仕上げ材20の下方からは、導出部13aが、両面テープ10の床仕上げ材20の未配置部分側(両面テープ10の他端部側)に導出した状態となっている。すわなち、第一剥離紙13は、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。
【0030】
次に、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける(第四の工程)。
図8に示すように、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を粘着面12aから剥離する際には、床仕上げ材20の下方から導出する導出部13aを、床仕上げ材20の未配置部分側に向かって引っ張る。
【0031】
そして、図9に示すように、床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を粘着面12aから剥離するとともに、床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を床仕上げ材20の下方から引き抜く。すなわち、導出部13aを引っ張ることによって、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離する。これにより、両面テープ10の粘着層11によって、床仕上げ材20が床下地面1に貼り付けられる。
【0032】
そして、図9に示すように、第一剥離紙13における床下地面1に貼り付けられた床仕上げ材20側の端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。ここで、本実施の形態では、第一剥離紙13において、床仕上げ材20を床下地面1に固定する際に粘着面12aから剥離された部分が、折り返されて導出部13aとなる。なお、導出部13aが必要以上に長くなった場合には、適宜、適切な長さに切断しても構わない(以下、同様)。
【0033】
以上の工程により、床下地面1における1枚目(1列目)の床仕上げ材20の敷設が完了する。そして、床下地面1において複数枚の床仕上げ材20を敷設するためには、上記第二の工程から第四の工程を繰り返す。
すなわち、2枚目(2列目)の床仕上げ材20を床下地面1に敷設する際には、上記第四の工程に続いて、まず、図10に示すように、床下地面1に設置された両面テープ10の上に、2枚目の床仕上げ材20を配置する(第二の工程)。
この際、両面テープ10における床仕上げ材20の未配置部分では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられたままの状態となっている。
【0034】
次に、図11に示すように、両面テープ10の上に配置された2枚目の床仕上げ材20の位置調整を行う(第三の工程)。
2枚目の床仕上げ材20の位置調整は、2枚目の床仕上げ材20の凹部22を、床下地面1に貼り付けられている1枚目の床仕上げ材20の凸部21に嵌合させることにより行う。
ここで、床下地面1に設置されている両面テープ1における床仕上げ材20の未配置部分では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態となっている。これにより、床下地面1における2枚目の床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0035】
また、床下地面1に設置されている両面テープ1における床仕上げ材20の未配置部分では、第一剥離紙13の両脇のそれぞれに粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。これにより、位置調整が完了した2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に対して適度に固定することが可能となる。
そして、図11に示すように、位置調整が完了した2枚目の床仕上げ材20の下方からは、導出部13aが、両面テープ10の床仕上げ材20の未配置部分側に導出した状態となっている。すなわち、第一剥離紙13は、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。
【0036】
次に、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける(第四の工程)。
図12に示すように、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を粘着面12aから剥離する際には、2枚目の床仕上げ材20の下方から導出する導出部13aを、床仕上げ材20の未配置部分側に向かって引っ張る。
【0037】
そして、図13に示すように、2枚目の床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を粘着面12aから剥離するとともに、2枚目の床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を2枚目の床仕上げ材20の下方から引き抜く。すなわち、導出部13aを引っ張ることによって、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離する。これにより、両面テープ10の粘着層11によって、2枚目の床仕上げ材20が床下地面1に貼り付けられる。
【0038】
そして、図13に示すように、第一剥離紙13における床下地面1に貼り付けられた2枚目の床仕上げ材20側の端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。ここで、本実施の形態では、第一剥離紙13において、2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に固定する際に粘着面12aから剥離された部分が、折り返されてそのまま導出部13aとなる。
以上の工程により、床下地面1における2枚目(2列目)の床仕上げ材20の敷設が完了する。
【0039】
そして、図14に示すように、3枚目(3列目)以降の床仕上げ材20についても同様に上記第二の工程から第四の工程を繰り返すことによって、床下地面1における床仕上げ材20の敷設が完了する。
そして、床下地面1における床仕上げ材20の敷設が完了した後、必要に応じて、床仕上げ材20と壁面2との間において、見切り、幅木等を配設する。
【0040】
(本発明に係る床仕上げ材の敷設方法の作用及び効果)
本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10の上に床仕上げ材20を配置して、該床仕上げ材20の位置調整を行った後に、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける。
すなわち、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10上で床仕上げ材20の位置調整を行い、該床仕上げ材20の位置調整が完了した後に、該床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を剥離する。
したがって、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、施工性を低下させることなく、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0041】
特に、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、第一剥離紙13が、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。そして、床仕上げ材20の未配置部分側から導出部13aを引っ張ることによって、床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を剥離する。
したがって、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、導出部13aが、第一剥離紙13を折り返すことにより形成されているため、簡易な構成で、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
【0042】
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、両面テープ10が、第一剥離紙13が貼り付けられていない露出部15を有することによって、第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10上で床仕上げ材20の位置調整を行う際に、床仕上げ材20の位置を適度に固定することが可能となる。
なお、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床下地面1が、釘等の固定具を用いることができない場合、例えば、コンクリートにより形成されている場合に特に有効である。
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床仕上げ材20が、接着剤による接着に適さない場合、例えば、樹脂により形成されている場合に特に有効である。
【0043】
(変形例)
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記本実施の形態では、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法を、コンクリート建築物の床スラブ面からなる床下地面1において床仕上げ材20を敷設する方法に適用した。しかしながら、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床スラブ面に二重床を敷設し、該二重床上に床仕上げ材20を敷設する方法に適用しても構わない。この際、まず、床スラブ面において、高さ調整可能な支持板を有する支持脚を複数配設する。また、複数配設した支持脚の支持板上に床下地材を配設した後、支持板の高さ調整を行い、二重床を形成する。そして、床スラブ面上に形成された二重床の床下地材の上面において、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法により、床仕上げ材20を敷設する。
【0044】
また、上記実施の形態では、床下地面1において、両面テープ10を、床仕上げ材20の長手方向に直交する方向に沿って延びるように配置している。しかしながら、図15に示すように、床下地面1において、両面テープ10を、床仕上げ材20の長手方向に沿って延びるように配置しても構わない。この場合も、図15に示すように、隣り合う両列では、互いに、床仕上げ材20の長手方向の端部の位置(隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置)が、左右方向にずれた状態となることが好ましい。そして、両面テープ10は、床下地面1において、少なくとも、隣り合う両列の床仕上げ材20の継ぎ目tの位置に設置することが好ましい。すなわち、隣り合う両列の床仕上げ材20の幅方向の端部を、1本の両面テープ10によって床下地面1に貼り付けることが好ましい。
【0045】
また、上記実施の形態では、両面テープ10では、露出部15が、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇にそれぞれ設けられている。しかしながら、図16に示すように、両面テープ10では、露出部15が、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇のうち一方側にのみ設けられていても構わない。また、両面テープ10では、露出部15が設けられていなくても構わない。
さらに、上記実施の形態では、上記第一の工程から第四の工程までの処理を一回実施する毎に、一枚の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付けている。しかしながら、一回の第一の工程から第四の工程までの処理において、複数枚の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付けても構わない。
【符号の説明】
【0046】
1 床下地面
2 壁面
3 楔
10 両面テープ
11 粘着層
12a 粘着面
13 第一剥離紙
13a 導出部
12b粘着面
14 第二剥離紙
15 露出部
20 床仕上げ材
21 凸部
22 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、床仕上げ材の敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床下地面にフローリング等の床仕上げ材を敷設する方法として、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法が知られている。
両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法では、まず、床下地面における床仕上げ材を敷設する位置に両面テープを貼り付ける。そして、床下地面に貼付けられた両面テープによって、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける。
ここで、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際には、床下地面において床仕上げ材の細かい位置調整を行う必要がある。
しかしながら、上記両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する方法では、両面テープの粘着力により、床下地面における床仕上げ材の位置調整が困難となる場合がある。
【0003】
従来、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際に、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うための方法として、例えば、特許文献1に係る方法が知られている。
特許文献1に係る方法では、床下地面に貼付けられた両面テープによって、床下地面に床仕上げ材を貼り付ける際に、両面テープの粘着面に水等の液剤を塗布して、両面テープの粘着力を一時的に低下させる。そして、両面テープの粘着面の粘着力が一時的に低下している間に、床下地面における床仕上げ材の位置調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−20760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、両面テープの粘着面の粘着力を十分に低下させることができず、床下地面における床仕上げ材の位置調整が困難となる場合がある。
また、上記従来技術では、両面テープの粘着面に液剤を塗布する工程が必要となるとともに、両面テープの粘着面に塗布された液剤が乾燥するまで床仕上げ材が床下地面に固定されないため、床下地面に床仕上げ材を敷設する際の施工性が低下する。
本発明の課題は、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する際に、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能な床仕上げ材の敷設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する床仕上げ材の敷設方法であって、前記両面テープの両粘着面のうち前記床仕上げ材が貼り付けられる一方側の粘着面に剥離紙を貼り付けた状態で、前記両粘着面のうち他方側の粘着面を前記床下地面に貼り付けて、前記両面テープを前記床下地面における前記床仕上げ材を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、前記一方側の粘着面に前記剥離紙が貼り付けられた状態の前記両面テープの上に、前記床仕上げ材を配置する第二の工程と、前記両面テープの上に配置された前記床仕上げ材の位置調整を行う第三の工程と、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離して、前記床仕上げ材を前記床下地面に貼り付ける第四の工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、一方側の粘着面に剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープの上に床仕上げ材を配置して、該床仕上げ材の位置調整を行った後に、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から剥離して床仕上げ材を床下地面に貼り付ける。
すなわち、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープ上で床仕上げ材の位置調整を行い、該床仕上げ材の位置調整が完了した後に、該床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を剥離する。
【0008】
したがって、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能となる。
また、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記第四の工程において、前記剥離紙は、前記床仕上げ材が配置されている部分側の端部から前記床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有し、前記導出部を引っ張ることによって、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離することを特徴とする。
【0009】
第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、剥離紙が、床仕上げ材が配置されている部分側の端部から床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有している。そして、床仕上げ材の未配置部分側から導出部を引っ張ることによって、床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を剥離する。
したがって、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
【0010】
第三の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第二の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記導出部は、前記剥離紙を折り返すことにより形成されていることを特徴とする。
第三の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、導出部が、剥離紙を折り返すことにより形成されているため、簡易な構成で、両面テープにおける床仕上げ材を配置した部分の剥離紙を床仕上げ材の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
第四の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第三のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記第二の工程から前記第四の工程を繰り返して、複数の前記床仕上げ材を敷設することを特徴とする。
第四発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、複数の床仕上げ材を敷設する際の施工性を向上することが可能となる。
【0011】
第五の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第四のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記両面テープは、前記一方側の粘着面における幅方向の一部に、長手方向に連続して前記剥離紙が貼り付けられていない部分を有することを特徴とする。
第五の発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、両面テープが、剥離紙が貼り付けられていない部分を有することによって、剥離紙が貼り付けられた状態の両面テープ上で床仕上げ材の位置調整を行う際に、床仕上げ材の位置を適度に固定することが可能となる。
【0012】
第六の発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、第一乃至第五のうちいずれか一の発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、前記床仕上げ材は、樹脂を含んで形成されていることを特徴とする。
例えば、床仕上げ材として、樹脂パネル、木材と樹脂との複合材等を用いる。ここで、樹脂パネルとしては、プラスチック廃棄物(廃プラ)から形成された樹脂パネル、合成樹脂により形成された樹脂パネル等を用いることができる。また、木材と樹脂との複合材としては、プラスチックに木チップや木の粉を混ぜた複合材、木材により形成された芯材に樹脂をコーティングした複合材等を用いることができる。
第六の発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、床仕上げ材を敷設する際の施工性をより向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、施工性を低下させることなく、床下地面における床仕上げ材の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープを示す断面図である。
【図2】図1に示す両面テープの一方側の粘着面を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に両面テープを配置する方法の一例を示す平面図である。
【図5】図4に示す床下地面に配置された両面テープの端部を示す断面図である。
【図6】図5に示す両面テープの上方に床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示す床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。
【図8】図7に示す床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。
【図10】図9に示す両面テープの上方に2枚目の床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。
【図11】図10に示す2枚目の床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。
【図12】図11に示す2枚目の床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。
【図13】図12に示す2枚目の床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の一例を示す平面図である。
【図15】本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の変形例を示す平面図である。
【図16】図1に示す両面テープの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施の形態では、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法を、コンクリート建築物の床スラブ面からなる床下地面1(図4参照)において、床仕上げ材として樹脂パネルを敷設する方法に適用した場合を例にして説明する。
(両面テープの構成)
まず、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープ10の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる両面テープを示す断面図である。
図1に示す両面テープ10は、粘着層11と、粘着層11の一方側の粘着面12aに貼り付けられた第一剥離紙13と、粘着層11の他方側の粘着面12bに貼付けられた第二剥離紙14とを備えている。
【0016】
第一剥離紙13は、両面テープ10の粘着面12aにおいて、長手方向(図1及び図2に示す左右方向)に連続して貼り付けられている。また、第二剥離紙14は、粘着面12bにおいて、長手方向に連続して貼り付けられている。第二剥離紙14は、粘着面12b幅方向(図2における上下方向)の略全体に貼り付けられている。
粘着層11は、本実施の形態では、基材(図示せず)を有しており、該基材の両面のそれぞれに粘着剤を塗布することによって形成されている。ここで、粘着剤には、接着剤が含まれるものとする。なお、粘着層11は、基材を有さずに、粘着剤をシート状に加工して形成しても構わない。
【0017】
図2に示すように、両面テープ10は、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分と、該第一剥離紙13が貼り付けられず、粘着面12aが露出している露出部15とを有している。
露出部15は、粘着面12aにおける幅方向の一部に設けられている。本実施の形態では、露出部15は、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇にそれぞれ設けられている。
【0018】
ここで、図2に示すように、両面テープ10の端部では、第一剥離紙13が粘着面12aに対して長手方向に延長された状態となっている。
なお、両面テープ10は、粘着面12aを内側として、ロール状に巻かれた状態となっている。この際、両面テープ10では、粘着面12aに露出部15が設けられているため、露出部15における粘着面12aが第二剥離紙14の外面に粘着することによって、ロール状に巻かれた状態を維持することが可能となる。
【0019】
(床仕上げ材の構成)
次に、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材20の構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法に用いる床仕上げ材を示す断面図である。
床仕上げ材20は、略方形の板状に形成されている。床仕上げ材20は、両面テープ10による貼り付けを考慮して、樹脂を含んで形成されていることが好ましい。例えば、床仕上げ材20として、樹脂パネル、木材と樹脂との複合材等を用いる。ここで、樹脂パネルとしては、プラスチック廃棄物(廃プラ)から形成された樹脂パネル、合成樹脂により形成された樹脂パネル等を用いることができる。また、木材と樹脂との複合材としては、プラスチックに木チップや木の粉を混ぜた複合材、木材により形成された芯材に樹脂をコーティングした複合材(フローリングパネル)等を用いることができる。なお、床仕上げ材20として、木材により形成されたフローリングパネル等を用いても構わない。本実施の形態では、床仕上げ材20として、木材と廃プラとから形成された樹脂パネルを用いている。
【0020】
図3に示すように、床仕上げ材20では、一端部に凸部21が設けられているとともに、他端部に凹部22が設けられている。そして、床下地面1に敷設された床仕上げ材20では、隣り合う両床仕上げ材20において、一方の床仕上げ材20の凸部21が他方の床仕上げ材20の凹部22に嵌合することによって、両床仕上げ材20の位置が互いに固定される。
なお、本実施形態では、床仕上げ材20の長手方向(図14に示す左右方向)の寸法は、1818mmに構成されている。
【0021】
(床仕上げ材の敷設方法)
次に、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に両面テープを設置する方法の一例を示す平面図である。図5は、図4に示す床下地面に設置された両面テープの端部を示す断面図である。図6は、図5に示す両面テープの上方に床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。図7は、図6に示す床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。図8は、図7に示す床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。図9は、図8に示す床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。図10は、図9に示す両面テープの上方に2枚目の床仕上げ材を載置した状態を示す断面図である。図11は、図10に示す2枚目の床仕上げ材の位置調整を完了した状態を示す断面図である。図12は、図11に示す2枚目の床仕上げ材の下方に位置する両面テープの剥離紙を剥離する状態を示す断面図である。図13は、図12に示す2枚目の床仕上げ材が床下地面に貼り付けられた状態を示す断面図である。図14は、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法において、床下地面に床仕上げ材を敷設する方法の一例を示す平面図である。
【0022】
本発明の実施の形態に係る床仕上げ材の敷設方法では、図4に示すように、まず、床下地面1において、床仕上げ材20を敷設する位置に、両面テープ10を設置する(第一の工程)。
本実施の形態では、床下地面1において、複数の床仕上げ材20を左右方向(図4に示す左右方向)に敷設してなる列を、上下方向(図4に示す上下方向)に複数配設する。各列では、複数の床仕上げ材20が、その長手方向に沿って並べられ状態で敷設される。また、隣り合う両列では、互いに、床仕上げ材20の長手方向の端部の位置(隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置)が、左右方向にずれた状態となることが好ましい(図14参照)。すなわち、隣り合う一の列及び他の列では、一の列における隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置と、他の列における隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置とが、互いに左右方向にずれた状態となることが好ましい。
【0023】
また、床下地面1における両面テープ10を設置する位置及び本数は、適宜設定することができる。ここで、両面テープ10は、床下地面1において、少なくとも、隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置に設置することが好ましい。すなわち、隣り合う両床仕上げ材20の長手方向の端部を、1本の両面テープ10によって床下地面1に貼り付けることが好ましい。本実施形態では、両面テープ10は、床仕上げ材20の長手方向に直交する方向に延びるように配置する。そして、床下地面1において、図4に示す上方から下方に向かって、順次、床仕上げ材20を敷設する。
【0024】
床下地面1における両面テープ10の設置は、両面テープ10の第二剥離紙14を粘着面12bから剥離して、粘着面12bを床下地面1に貼り付けることにより行う。
ここで、床下地面1における両面テープ10の設置は、両面テープ10の粘着面12aに第一剥離紙13を貼り付けたままの状態で行う。
すなわち、床下地面1に設置された両面テープ10では、粘着面12aの幅方向の中央部に第一剥離紙13が貼り付けられているとともに、第一剥離紙13の両脇にそれぞれ粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。
【0025】
また、図4に示すように、床下地面1に設置された両面テープ10の第一剥離紙13の一端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。導出部13aは、両面テープ10の一端部の上に床仕上げ材20が配置された際に、該床仕上げ材20の下方から両面テープ10の他端部側に導出するように設けられる。すなわち、導出部13aの長手方向の寸法は、床仕上げ材20の幅方向(図14に示す上下方向)の寸法より大きく形成する。
【0026】
図5に示すように、本実施の形態では、導出部13aは、第一剥離紙13における粘着面12aに対して長手方向に延長された部分を折り返すことによって形成されている。
なお、導出部13aは、第一剥離紙13の一端部にテープ等を取り付けることによって形成しても構わない。
次に、床下地面1に設置された両面テープ10の上に、床仕上げ材20を配置する(第二の工程)。
この際、両面テープ10においては、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられたままの状態となっている。
【0027】
次に、図6に示すように、両面テープ10の上に配置された床仕上げ材20の位置調整を行う(第三の工程)。
床下地面1における壁面2との境界には、予め、床仕上げ材20の位置決めを行うための楔3が配設されてる。そして、床下地面1における壁面2との境界に床仕上げ材20を配置する場合、床仕上げ材20の側面が楔3に接触するように、床仕上げ材20の位置を調整する。なお、図6に示すように、床下地面1における壁面2との一方側の境界に敷設される床仕上げ材20としては、凹部22が設けられていないものを用いる。また、床下地面1における壁面2との他方側の境界に敷設される床仕上げ材20としては、予め、凸部21が切断されたものを用いる。なお、床下地面1における壁面2との境界に敷設される床仕上げ材20としては、凹部22及び凸部21が設けられている床仕上げ材20をそのまま用いても構わない。
【0028】
ここで、床下地面1に設置されている両面テープ1では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態となっている。これにより、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
また、床下地面1に設置されている両面テープ1では、第一剥離紙13の両脇のそれぞれに粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。これにより、位置調整が完了した床仕上げ材20を床下地面1に対して適度に固定することが可能となる。
なお、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整は、必要に応じて、床仕上げ材20の端部に当て木を当て、該当て木をハンマー等でたたくことにより行う(以下、同様)。
【0029】
そして、図7に示すように、位置調整が完了した床仕上げ材20の下方からは、導出部13aが、両面テープ10の床仕上げ材20の未配置部分側(両面テープ10の他端部側)に導出した状態となっている。すわなち、第一剥離紙13は、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。
【0030】
次に、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける(第四の工程)。
図8に示すように、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を粘着面12aから剥離する際には、床仕上げ材20の下方から導出する導出部13aを、床仕上げ材20の未配置部分側に向かって引っ張る。
【0031】
そして、図9に示すように、床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を粘着面12aから剥離するとともに、床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を床仕上げ材20の下方から引き抜く。すなわち、導出部13aを引っ張ることによって、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離する。これにより、両面テープ10の粘着層11によって、床仕上げ材20が床下地面1に貼り付けられる。
【0032】
そして、図9に示すように、第一剥離紙13における床下地面1に貼り付けられた床仕上げ材20側の端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。ここで、本実施の形態では、第一剥離紙13において、床仕上げ材20を床下地面1に固定する際に粘着面12aから剥離された部分が、折り返されて導出部13aとなる。なお、導出部13aが必要以上に長くなった場合には、適宜、適切な長さに切断しても構わない(以下、同様)。
【0033】
以上の工程により、床下地面1における1枚目(1列目)の床仕上げ材20の敷設が完了する。そして、床下地面1において複数枚の床仕上げ材20を敷設するためには、上記第二の工程から第四の工程を繰り返す。
すなわち、2枚目(2列目)の床仕上げ材20を床下地面1に敷設する際には、上記第四の工程に続いて、まず、図10に示すように、床下地面1に設置された両面テープ10の上に、2枚目の床仕上げ材20を配置する(第二の工程)。
この際、両面テープ10における床仕上げ材20の未配置部分では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられたままの状態となっている。
【0034】
次に、図11に示すように、両面テープ10の上に配置された2枚目の床仕上げ材20の位置調整を行う(第三の工程)。
2枚目の床仕上げ材20の位置調整は、2枚目の床仕上げ材20の凹部22を、床下地面1に貼り付けられている1枚目の床仕上げ材20の凸部21に嵌合させることにより行う。
ここで、床下地面1に設置されている両面テープ1における床仕上げ材20の未配置部分では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態となっている。これにより、床下地面1における2枚目の床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0035】
また、床下地面1に設置されている両面テープ1における床仕上げ材20の未配置部分では、第一剥離紙13の両脇のそれぞれに粘着面12aが露出した露出部15が設けられた状態となっている。これにより、位置調整が完了した2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に対して適度に固定することが可能となる。
そして、図11に示すように、位置調整が完了した2枚目の床仕上げ材20の下方からは、導出部13aが、両面テープ10の床仕上げ材20の未配置部分側に導出した状態となっている。すなわち、第一剥離紙13は、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。
【0036】
次に、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して、2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける(第四の工程)。
図12に示すように、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を粘着面12aから剥離する際には、2枚目の床仕上げ材20の下方から導出する導出部13aを、床仕上げ材20の未配置部分側に向かって引っ張る。
【0037】
そして、図13に示すように、2枚目の床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を粘着面12aから剥離するとともに、2枚目の床仕上げ材20の下方に位置する第一剥離紙13を2枚目の床仕上げ材20の下方から引き抜く。すなわち、導出部13aを引っ張ることによって、両面テープ10における2枚目の床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を、床仕上げ材20の未配置部分側から剥離する。これにより、両面テープ10の粘着層11によって、2枚目の床仕上げ材20が床下地面1に貼り付けられる。
【0038】
そして、図13に示すように、第一剥離紙13における床下地面1に貼り付けられた2枚目の床仕上げ材20側の端部には、他端部側に向かって延びる導出部13aが設けられている。ここで、本実施の形態では、第一剥離紙13において、2枚目の床仕上げ材20を床下地面1に固定する際に粘着面12aから剥離された部分が、折り返されてそのまま導出部13aとなる。
以上の工程により、床下地面1における2枚目(2列目)の床仕上げ材20の敷設が完了する。
【0039】
そして、図14に示すように、3枚目(3列目)以降の床仕上げ材20についても同様に上記第二の工程から第四の工程を繰り返すことによって、床下地面1における床仕上げ材20の敷設が完了する。
そして、床下地面1における床仕上げ材20の敷設が完了した後、必要に応じて、床仕上げ材20と壁面2との間において、見切り、幅木等を配設する。
【0040】
(本発明に係る床仕上げ材の敷設方法の作用及び効果)
本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、粘着面12aに第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10の上に床仕上げ材20を配置して、該床仕上げ材20の位置調整を行った後に、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から剥離して床仕上げ材20を床下地面1に貼り付ける。
すなわち、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10上で床仕上げ材20の位置調整を行い、該床仕上げ材20の位置調整が完了した後に、該床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を剥離する。
したがって、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、施工性を低下させることなく、床下地面1における床仕上げ材20の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0041】
特に、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、第一剥離紙13が、床仕上げ材20が配置されている部分側の端部から床仕上げ材20の未配置部分側に導出する導出部13aを有している。そして、床仕上げ材20の未配置部分側から導出部13aを引っ張ることによって、床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を剥離する。
したがって、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法によれば、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、導出部13aが、第一剥離紙13を折り返すことにより形成されているため、簡易な構成で、両面テープ10における床仕上げ材20を配置した部分の第一剥離紙13を床仕上げ材20の未配置部分側から容易に剥離することが可能となる。
【0042】
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法では、両面テープ10が、第一剥離紙13が貼り付けられていない露出部15を有することによって、第一剥離紙13が貼り付けられた状態の両面テープ10上で床仕上げ材20の位置調整を行う際に、床仕上げ材20の位置を適度に固定することが可能となる。
なお、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床下地面1が、釘等の固定具を用いることができない場合、例えば、コンクリートにより形成されている場合に特に有効である。
また、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床仕上げ材20が、接着剤による接着に適さない場合、例えば、樹脂により形成されている場合に特に有効である。
【0043】
(変形例)
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記本実施の形態では、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法を、コンクリート建築物の床スラブ面からなる床下地面1において床仕上げ材20を敷設する方法に適用した。しかしながら、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法は、床スラブ面に二重床を敷設し、該二重床上に床仕上げ材20を敷設する方法に適用しても構わない。この際、まず、床スラブ面において、高さ調整可能な支持板を有する支持脚を複数配設する。また、複数配設した支持脚の支持板上に床下地材を配設した後、支持板の高さ調整を行い、二重床を形成する。そして、床スラブ面上に形成された二重床の床下地材の上面において、本発明に係る床仕上げ材の敷設方法により、床仕上げ材20を敷設する。
【0044】
また、上記実施の形態では、床下地面1において、両面テープ10を、床仕上げ材20の長手方向に直交する方向に沿って延びるように配置している。しかしながら、図15に示すように、床下地面1において、両面テープ10を、床仕上げ材20の長手方向に沿って延びるように配置しても構わない。この場合も、図15に示すように、隣り合う両列では、互いに、床仕上げ材20の長手方向の端部の位置(隣り合う両床仕上げ材20の継ぎ目Tの位置)が、左右方向にずれた状態となることが好ましい。そして、両面テープ10は、床下地面1において、少なくとも、隣り合う両列の床仕上げ材20の継ぎ目tの位置に設置することが好ましい。すなわち、隣り合う両列の床仕上げ材20の幅方向の端部を、1本の両面テープ10によって床下地面1に貼り付けることが好ましい。
【0045】
また、上記実施の形態では、両面テープ10では、露出部15が、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇にそれぞれ設けられている。しかしながら、図16に示すように、両面テープ10では、露出部15が、粘着面12aの幅方向において、第一剥離紙13が貼り付けられている部分の両脇のうち一方側にのみ設けられていても構わない。また、両面テープ10では、露出部15が設けられていなくても構わない。
さらに、上記実施の形態では、上記第一の工程から第四の工程までの処理を一回実施する毎に、一枚の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付けている。しかしながら、一回の第一の工程から第四の工程までの処理において、複数枚の床仕上げ材20を床下地面1に貼り付けても構わない。
【符号の説明】
【0046】
1 床下地面
2 壁面
3 楔
10 両面テープ
11 粘着層
12a 粘着面
13 第一剥離紙
13a 導出部
12b粘着面
14 第二剥離紙
15 露出部
20 床仕上げ材
21 凸部
22 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する床仕上げ材の敷設方法であって、
前記両面テープの両粘着面のうち前記床仕上げ材が貼り付けられる一方側の粘着面に剥離紙を貼り付けた状態で、前記両粘着面のうち他方側の粘着面を前記床下地面に貼り付けて、前記両面テープを前記床下地面における前記床仕上げ材を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、
前記一方側の粘着面に前記剥離紙が貼り付けられた状態の前記両面テープの上に、前記床仕上げ材を配置する第二の工程と、
前記両面テープの上に配置された前記床仕上げ材の位置調整を行う第三の工程と、
前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離して、前記床仕上げ材を前記床下地面に貼り付ける第四の工程と、
を有することを特徴とする床仕上げ材の敷設方法。
【請求項2】
前記第四の工程において、
前記剥離紙は、前記床仕上げ材が配置されている部分側の端部から前記床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有し、
前記導出部を引っ張ることによって、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離することを特徴とする請求項1記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項3】
前記導出部は、前記剥離紙を折り返すことにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項4】
前記第二の工程から前記第四の工程を繰り返して、複数の前記床仕上げ材を敷設することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項5】
前記両面テープは、前記一方側の粘着面における幅方向の一部に、長手方向に連続して前記剥離紙が貼り付けられていない部分を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項6】
前記床仕上げ材は、樹脂を含んで形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項1】
両面テープを用いて床下地面に床仕上げ材を敷設する床仕上げ材の敷設方法であって、
前記両面テープの両粘着面のうち前記床仕上げ材が貼り付けられる一方側の粘着面に剥離紙を貼り付けた状態で、前記両粘着面のうち他方側の粘着面を前記床下地面に貼り付けて、前記両面テープを前記床下地面における前記床仕上げ材を敷設する位置に貼り付ける第一の工程と、
前記一方側の粘着面に前記剥離紙が貼り付けられた状態の前記両面テープの上に、前記床仕上げ材を配置する第二の工程と、
前記両面テープの上に配置された前記床仕上げ材の位置調整を行う第三の工程と、
前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離して、前記床仕上げ材を前記床下地面に貼り付ける第四の工程と、
を有することを特徴とする床仕上げ材の敷設方法。
【請求項2】
前記第四の工程において、
前記剥離紙は、前記床仕上げ材が配置されている部分側の端部から前記床仕上げ材の未配置部分側に導出する導出部を有し、
前記導出部を引っ張ることによって、前記両面テープにおける前記床仕上げ材を配置した部分の前記剥離紙を、前記床仕上げ材の未配置部分側から剥離することを特徴とする請求項1記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項3】
前記導出部は、前記剥離紙を折り返すことにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項4】
前記第二の工程から前記第四の工程を繰り返して、複数の前記床仕上げ材を敷設することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項5】
前記両面テープは、前記一方側の粘着面における幅方向の一部に、長手方向に連続して前記剥離紙が貼り付けられていない部分を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【請求項6】
前記床仕上げ材は、樹脂を含んで形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の床仕上げ材の敷設方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−261251(P2010−261251A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113786(P2009−113786)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(591220780)有限会社泰成電機工業 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(591220780)有限会社泰成電機工業 (19)
【Fターム(参考)】
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