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床材の施工構造
説明

床材の施工構造

【課題】床材の施工構造において、安定した敷き詰め状態が確保されながら、必要なときには床下地から容易に床材を分離することができ、床材の貼り替え作業を容易化するとともに、解体時などでも容易に分別処理することができるようにする。
【解決手段】床下地30へ床材20を施工する場合、床下地30と床材20との間に、少なくとも床材同士の接合部を覆うようにして床材移動規制部材(離型フィルム10a)を配置する。その際に、床材移動規制部材(離型フィルム10a)は、床下地30との間では非粘着状態とし、床材20の裏面との間では粘着状態となるようにする。離型フィルム10aには、市販の床材の裏面に貼り付けてある離型フィルムを用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床材の施工構造、特に、複数枚の単位床材を床下地に敷き詰めて、いわゆるフローリングを構築するときの床材の施工構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材料として使用されている床材を床下地に敷き詰めて、いわゆるフローリングを構築することは知られている。これまでの床材の施工構造は、捨て貼り合板や床スラブなどの床下地に対して、複数枚の単位床材を釘や接着剤を用いて固定していく施工構造となっている。例えば、特許文献1では、接着剤により床下地に床材を固定する際に、各床材の床下地面での位置決めを容易化するために、水の存在下で粘着阻害性を発現する粘着剤を用い、当初は床下地面に水を塗布した状態として床材の敷き込みを行うような施工方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−310466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
釘打ちにより固定する場合も、上記のように接着剤で固定する場合も、ともに、床材と床下地とは堅固に一体化されており、例えば、リフォームのために床材の張り替えを行うような場合に、床下地から床材を剥がし取る作業が困難となっている。また、環境問題との関係で、産業廃棄物についても分別処理が強く要請されているが、建築物の寿命がきて解体をする際に、床材と床下地が堅固に固定しているために、解体後の廃棄物を分別処理することが大きな作業負担となっている。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、施工が容易でありかつ安定した敷き詰め状態が確保されると同時に、必要なときには床下地から容易に床材を分離することができ、解体時などでの分別処理を容易化することを可能とした改良された床材の施工構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明による床下地への床材の施工構造は、床下地と床材との間における少なくとも床材同士の接合部には床材移動規制部材が介在しており、該床材移動規制部材は、床下地との間では非粘着状態であり、床材裏面との間では粘着状態となるように施工されており、そこにおいて、前記床材移動規制部材が離型フィルムであり、かつ、床材裏面には粘着剤が塗布されており、離型フィルムの離型面側が床下地側となることにより床下地との間での非粘着状態が形成され、離型フィルムの非離型面側が床材裏面側となることにより床材裏面との間での粘着状態が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明による施工構造では、床材裏面と床下地とは非粘着状態であり、必要なときに、容易に床材を床下地から剥がし取ることができる。一方、各床材同士の接合部の裏面に床材移動規制部材が位置し、かつ、床材移動規制部材は床材裏面との間で粘着状態とされているので、敷き詰めた床材同士は安定した状態にあり、個々の単位床材が自由移動するようなことはない。そのために、本発明による施工構造によれば、施工が容易でありかつ安定した敷き詰め状態が確保できる一方において、解体時などでの分別処理作業を容易化することが可能となり、環境保全にも大きく寄与することができる。
【0008】
また、粘着剤が裏面に塗布されている床材は、物流時の便を考慮して、粘着剤塗布面に離型フィルムが、その離型面が粘着剤側として貼り付けられているのが普通である。本発明において、その離型フィルムを用いるようにしてもよく、別途用意した原反ロールから適宜切り出した離型フィルムを用いるようにしてもよく、双方を用いるようにしてもよい。いずれの場合にも、床材裏面の粘着剤が塗布されている領域はすべて離型フィルムの非離型面側で覆われる。
【0009】
離型フィルムを一部が各床材の周縁(通常は、直交する2辺)から一部がはみ出るようにして単位床材の裏面に貼り付け、該はみ出た部分に、隣接して配置される単位床材の周縁が載った状態となるようにして、複数枚の床材を順次敷き詰めていくようにしてもよく、床下地側の全面に離型フィルムを敷き詰めておき、その上から床材を敷き詰めていくようにしてもよい。特に後者の場合に、離型フィルムを縁部が一部重ね合わされた状態として敷き詰めておくことにより、施工時での離型フィルムのずれや床材裏面の粘着剤が床下地に直接ふれることを有効に回避することができる。
【0010】
なお、本発明において「床材」とは、フローリング施工で通常用いられる床材をすべて含むものとして用いており、木質繊維板(例えば、MDF)、合板あるいは加工木質材などの基材の表面に突き板のような化粧材を積層したもの、中間に緩衝性シートを介装したもの、電気ヒータや温水パイプのような加熱源を備えたもの(暖房床用床材)、などを例として挙げることができ、また、周囲が平坦面のもの、本ざね加工を施したもの、相じゃくり加工を施したもの、なども例としてあげられる。
【発明の効果】
【0011】
上記のように、本発明による床材の施工構造によれば、施工が容易でかつ安定した敷き詰め状態が確保されながら、必要なときには床下地から容易に床材を分離することが可能であり、床材の貼り替え作業を容易化するとともに、解体時などでも容易に分別処理することが可能となり、環境保全にも大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】床材移動規制部材が片面粘着テープであるときの床材の施工構造を説明する図。
【図2】本発明による床材の施工構造の第1の実施の形態を説明する図。
【図3】本発明による床材の施工構造の第2の実施の形態を説明する図。
【図4】本発明による床材の施工構造の第3の実施の形態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施の形態に基づき説明する。まず、図1を参照しながら、床材移動規制部材が片面粘着テープであるときの床材の施工構造を説明する。
【0014】
この形態は、床材移動規制部材として片面粘着テープ10を用い、床材20としては裏面に粘着剤が塗布されていないものを用いる形態である。床材20の形態は任意であり、図示のように合板である基材21の表面に突き板22を貼り付けたものでもよく、図示しないが、基材21の周囲に適宜のさね加工が施されていてもよい。また、基材21の裏面に不織布や発泡ゴムシートのような緩衝シートが積層されていてもよい。
【0015】
施工に当たり、最初に、床材20の裏面の直交する2辺に片面粘着テープ10、10を貼り付ける。すなわち、別途片面粘着テープ10を用意しておき、粘着面側が床材20の裏面側となるようにして、床材20側縁に沿って貼り付ける。その際に、片面粘着テープ10の一部、好ましくは、横幅の1/2は外側にはみ出るようにして貼り付ける。図1aはその状態を床材20の裏面からみた状態であり、図1bは表面側から見た図である。
【0016】
次に、上記の床材20を床下地30の所定の場所に配置し、以下、同様に片面粘着テープ10を裏面の2辺に貼り付けた床材20を、粘着テープを貼り付けていない側縁部分を、先に配置した床材20の側縁からはみ出している片面粘着テープ10の部分に載せるようにしながら、必要枚数、床下地30に敷き詰めることにより、本発明による床材の施工構造は完成する。図1cはその施工の途中の状態を示している。
【0017】
片面粘着テープ10の粘着面と反対の面は粘着性を有しないので、床下地30に敷き詰められた床材20の裏面と床下地30の面とは非粘着状態であり、一方、隣接する単位床材20同士は、互いに接している部分が片面粘着テープ10の粘着面により接合された状態となっているので、敷き詰めた床材は安定した状態に維持される。建物の改修時などにおいて、必要な場合に、床下地30から床材20を容易にはぎ取ることが可能であり、リフォーム時での床材の貼り替えや、廃棄物として他のものと分別することも容易となる。
【0018】
図2に基づき、本発明の第1の実施の形態を説明する。この形態では、床材20として裏面に粘着剤25が塗布されているものを用い、床材移動規制部材として該床材20の粘着剤塗布面側に予め貼り付けてある離型フィルム10aを用いている。この種の床材20は、従来は捨て貼り合板などに対して該粘着剤層を利用して直貼りされていたものである。
【0019】
最初に、床材20から離型フィルム10aを引き剥がす(図2a)。そして、引き剥がした離型フィルム10aを反転させ、離型面、すなわち、床材20の粘着剤25と接触していた面とは反対側の面(離型剤が塗布されていない面)を、床材20の粘着剤25が塗布されている面に貼り付ける。その際に、図2bに示すように、離型フィルム10aの一部が直交する2辺からはみ出るようにして貼り付ける。
【0020】
以下、前記した図1に基づき説明したと同様の手順で施工を行う。すなわち、最初の床材20を床下地30の所定の場所に配置し、以下、同様の床材20を離型フィルム10aがはみ出していない側縁部分を、先に配置した床材10の側縁からはみ出している離型フィルム10aの部分に載せるようにしながら、必要枚数、床下地30に敷き詰めていく。図2cはその施工の途中の状態を示している。
【0021】
この形態では、離型フィルム10aの離型面(離型剤が塗布されている面)は粘着性を有しないので、床下地30に敷き詰められた床材20の裏面と床下地30の面とは非粘着状態であり、必要時での床材20のはぎ取りは容易である。一方、隣接する単位床材20同士は、互いに接している部分が離型フィルム10aの非離型面(離型剤が塗布されてない面)と床材20の裏面に塗布された粘着剤25とが粘着することにより接合された状態となっているので、敷き詰めた床材は安定した状態に維持される。
【0022】
市販される床材において、床材の底面積とそこに貼り付けられている離型フィルムの面積は、通常、等しい。従って、図2bに示すように離型フィルム10aを一部はみ出した状態で床材裏面に貼り替えるときに、そのはみ出し量をすべて等しくしておかないと、複数枚の床材を床下地に敷き詰めたときに、粘着剤層の一部が離型フィルム10aに覆われない場所が生じうる。その場合に、露出している粘着剤25は床下地30に直接接触した状態で硬化し、床材20と床下地30は一体化する。
【0023】
図3に示す第2の形態は、そのような不都合が生じるのを回避するものである。ここでは、図2aに示したようにして床材20から引き剥がした離型フィルム10aを、その離型面(離型剤が塗布されている面)が床下地側となるようにして、予め床下地30に敷き詰める(図3a)。その際に、隣接する離型フィルム10a同士は、一部が重なるようにして敷き詰めていく(図3cも参照)。床材の底面積とそこに貼り付けられている離型フィルムの面積が等しいものである場合には、重複量に応じて、引き剥がした離型フィルム10aでは覆われない領域が床下地30に生じる。その領域には、別途用意した離型フィルムの原反ロールから必要な面積分だけの離型フィルム11を切り出し、貼り付ける。そのようにして敷き詰めた離型フィルム10a,11の上に、床材20を配置していくことにより、本発明による床材の施工構造は完成する。
【0024】
図2および図3に示した実施の形態では、予め床材の裏面に貼り付けられた離型フィルム10aを使用することが前提となっている。しかし、実際の床施工現場において、床材から引き剥がした離型フィルム10aを反転させた状態で再使用するには、慎重な作業が必要となり、長い作業時間を必要とするかもしれない。また、慎重に作業を行っても、失敗する(離型フィルム10aが団子状態になってしまい、シート状に開くことができなくなるなど)ことも起こり得る。図4に示す第4の形態は、そのような状況に配慮したものであり、ここでは、原則として床材から引き剥がした離型フィルム10aを用いることはせず、原反ロール50に巻き込まれた離型フィルムなど、別途用意した他に離型フィルム12を主に利用するようにしている(もちろん、両者を混在させて用いるようにしてもよい)。
【0025】
すなわち、床材20を敷き詰めようとする床下地30の面積や形状を考慮しながら、適宜の大きさに離型フィルム12を裁断し、それをその離型面(離型剤が塗布されている面)が床下地側となるようにして、床下地30に敷き詰める。その際に、好ましくは、図3cに示したように一部重複させながら敷き詰める。以下、図3に示した形態と同様にして、その上に床材20を配置することにより、本発明による床材の施工構造は完成する。この態様では、作業時間の短縮化がはかれるとともに、床材20に塗布されている粘着剤25が床下地30に直接接触する事態を確実に回避することができる。
【符号の説明】
【0026】
10…床材移動規制部材としての片面粘着テープ、
10a…床材移動規制部材としての離型フィルム、
12…原反ロールから引き出された床材移動規制部材としての離型フィルム、
20…床材、
25…床材の粘着剤、
30…床下地、
50…原反ロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下地への床材の施工構造であって、床下地と床材との間における少なくとも床材同士の接合部には床材移動規制部材が介在しており、該床材移動規制部材は、床下地との間では非粘着状態であり、床材裏面との間では粘着状態となるように施工されており、
そこにおいて、前記床材移動規制部材が離型フィルムであり、かつ、前記床材裏面には粘着剤が塗布されており、離型フィルムの離型面側が床下地側となることにより床下地との間での非粘着状態が形成され、離型フィルムの非離型面側が床材裏面側となることにより床材裏面との間での粘着状態が形成されていることを特徴とする床材の施工構造。
【請求項2】
離型フィルムが単位床材の裏面に貼り付けられていたものであることを特徴とする請求項1記載の床材の施工構造。
【請求項3】
離型フィルムとして別途用意した原反ロールから適宜切り出したものを用いることを特徴とする請求項1記載の床材の施工構造。
【請求項4】
離型フィルムは一部が周縁からはみ出るようにして単位床材の裏面に貼り付けられており、該はみ出た部分に、隣接して配置される単位床材の周縁が載った状態とされていることを特徴とする請求項2または3記載の床材の施工構造。
【請求項5】
各離型フィルムは縁部の一部が重ね合わされた状態とされていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の床材の施工構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−261305(P2010−261305A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162883(P2010−162883)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2001−189823(P2001−189823)の分割
【原出願日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】