説明

床構造

【課題】畳敷き床とフローリング床とを容易に変更できる床構造とする。
【解決手段】 壁面1により囲まれた床下地2の上面に緩衝材からなる下地シート3を敷設する。下地材3の上面に所定間隔を隔てて基礎材4を配置し、この上に化粧材からなる床材5を敷設してフローリング床を構成する。床材5の上面に畳6を敷設すれば畳敷の和風の部屋に構成される。畳を取り除けば、床材5が露出して、木製のフローリング床に模様替えが可能になる。また、床材の表面にカーペットを敷設したカーペット仕上げとして、ゴルフのパット練習を可能にすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、畳敷きとフローリングを容易に変更できる床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
日本の家屋には、伝統的な床構造としての畳を敷いた和室の部屋と、フローリングなど洋室風の部屋との和洋折衷が多い。
【0003】
ここで、通常畳を敷いた和室風の部屋であっても、洋風にしたい場合がある。他方、洋室風の部屋を畳敷きにしたい場合がある。係る要望に応えるために、特許文献1には、洋室のフローリングの上に畳を敷いた台を起立可能に配置した発明が開示されている。通常は畳敷きの台を壁に沿って起立して収納しておき、畳を使用する際には、この台をフローリング上に配置して、部屋の一部を畳敷きとするものである。
【0004】
【特許文献1】特開平9−195486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、係る特許文献1の発明では、一枚の畳敷きの台を起立したり、倒したりする必要から、天井の高さによる制限や、作業性上の制限から、畳敷きの台はせいぜい4畳半程度の広さに限られる。
ここで、居住者が入れ替わる賃貸住宅では、可能な限り新たな居住希望者の要望を取り入れた住宅として入居率を高めることが望まれる。洋風を希望し、床面をフローリングにしたい入居希望者がいる一方、畳敷きの部屋を希望する入居希望者もいる。また、通常は畳敷きを、夏期にはフローリング床にしたい等、種々の要望に応じることのできる住宅を提供することが望まれる。
さらには、通常は畳敷きで利用し、例えばゴルフのパット練習をしたい場合には絨毯を敷いた床にしたいなど一時的に変更して使用したい場合もある。
そこでこの発明では、洋風のフローリング床又は絨毯敷きの部屋としたり、和風の畳敷きの部屋に、容易に変更して使用できる床構造とすることを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで請求項1の発明では、化粧仕上げを施した床材の上に畳を取り外し可能に敷いている。畳を取り外すことにより、化粧し上げしたフローリング床とすることができる。これにより、畳を敷いた和風の部屋と、畳を取り外すだけでフローリング床の洋風の部屋に変更できる。
【0007】
請求項2の発明では、化粧仕上げとして床材の上面にカーペットが敷設されている。これにより、カーペット床にすることができる。更に請求項3の発明では、カーペットには、ゴルフのパット練習用に、ホールが形成されているために、パット練習を室内で容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、化粧仕上げを施した床材の上に畳を取り外し可能に敷いている。畳を取り外すことにより、化粧し上げしたフローリング床とすることができる。これにより、畳を敷いた和風の部屋と、フローリング床の洋風の部屋に容易に変更できる。
【0009】
請求項2の発明では、床材の上面にはカーペットを敷設して、カーペット床にすることができる。更に、カーペットにゴルフのパット練習用のホールを形成して、パット練習を室内で容易に行うことができる(請求項3)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、マンションにおける床構造を示し、壁面1により囲まれた床下地2の上面には、ポリスチレンフォーム等の緩衝材からなる下地シート3が敷設されて、断熱・遮音等が図られている。
【0011】
下地材3の上面には、所定間隔を隔てて基礎材4が配置されて、床下の防湿が図られている。基礎材の間隔は300〜500mmの間隔で配置され、基礎材4上には、木製の床材5が通常の床面よりも20mm分だけ低く敷設、固定されている。なお、床材としては、単板、合板などの高剛性板を材料とし、床材の上面には化粧仕上げを施した化粧材が用いられており、これによりフローリング床が構成される。
【0012】
そしてこの床材5の上面には、畳6が敷設されて、通常は畳敷の和風の部屋に構成される。
【0013】
畳6は、図1に示すように、厚さ20mmのホッパー6aの裏面側を裏面材シート6bにより、また表面側を表面保護シート6cにより被覆して、畳全体で厚さ25mmとして、一般的な畳の厚さ50mmのものよりも、薄く、かつ軽量のものを使用している。これにより、容易に畳の取り外しを可能にすると共に、床材を露出して使用する際に敷居などとの段差を小さくして、居住者の違和感を小さくしている。
【0014】
次にこの発明の使用例について説明する。通常は、畳6を敷いた和室として使用する。ここで、例えば、幼児が食事場や遊び場として使用する場合など、フローリングの床として使用したい場合には、畳を取り除く。これにより、床材5が露出して、木製のフローリングになり、たとえ幼児が食べ物などで汚しても、拭き取るだけで衛生的な部屋を維持することができる。また、居住者の要望により、畳を敷けば和室として使用することができる。このため、特に賃貸住宅では、賃貸者の要望により、和室・洋室のいずれの要望にも応じることができる。
【0015】
また、上述した実施例では、床材に化粧材を使用して、畳を取り除くと木製のフローリングとなる例を示したが、図2に示すように、床材の表面にカーペット7を敷設したカーペット仕上げとしてもよい。これにより、例えばレストランでは、季節に応じて、和室風にしたり洋室風するなど、簡単に改装することができる。
【0016】
また、個人住宅においては、例えばゴルフのパット練習をしたい場合がある。この際、従来畳を痛めるおそれがあったため、畳上にゴルフのパット練習用シートを敷いた上でパット練習を行っていたが、一時的に畳を取り除くだけで、パット練習が可能なカーペット敷きの床にすることができる。なお、選択するカーペット7によって、ゴルフ場のグリーンに似た球転がりを得ることも可能になる。更に、カーペット7にカップ様の円環を表示したり、また図2に示すように、ゴルフ場のカップに似せた切抜き7aを設けるなど適宜実施することができる。
【0017】
なお、当然のことながら、畳を除いて床材を露出させる範囲については、部屋全体であってもよく、また、部屋の一部、例えば6畳の部屋のうち、4畳分についてのみ畳を取り除いて、2畳分だけを畳敷きの部屋として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態の床構造を示す縦断面図である。
【図2】ゴルフのパット練習用にカーペットに切り抜きを設けた例を示す断面図
【符号の説明】
【0019】
1…壁面
2…床下地
3…下地シート
4…基礎材
5…床材
6…畳
6a…ホッパー
6b…裏面材シート
6c…表面保護シート
7…カーペット
7a…切抜き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧仕上げを施した床材の上に畳を取り外し可能に敷いてなる床構造。
【請求項2】
化粧仕上げとして床材の上面にカーペットが敷設されていることを特徴とする請求項1記載の床構造。
【請求項3】
カーペットには、ゴルフのパット練習用に、ホールが形成されていることを特徴とする請求項2記載の床構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−62731(P2009−62731A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231366(P2007−231366)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(507299792)株式会社 ワンピース (1)
【Fターム(参考)】