床用目地装置
【課題】 本発明はスムーズにスライド移動することができるとともに、左右の床躯体が不等沈下しても、床用目地プレートが損傷したり、床用目地プレートが外方へ突出して危険になったりするのを確実に阻止することができる床用目地装置を得るにある。
【解決手段】目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【解決手段】目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の床用目地装置は一方の床躯体の目地部側に反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部を形成するとともに、この目地プレートスライド支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側部位に目地プレート支持凹部を形成し、先端部を前記目地プレートスライド支持凹部に支持させ、後端部を前記目地プレート支持凹部に支持させ、先端部が上方へ回動できるように後端部を目地プレート支持凹部に取付けた目地プレートを用いている。
【0003】
このように形成された床用目地装置は目地部が広くなったり、狭くなったりする地震の揺れ動きは効率よく吸収することができるが、左右の床躯体が不等沈下した場合、目地プレートスライド支持凹部の目地部側端部が目地プレートの中央部寄りの底面と接触して、目地プレートがガタつき、危険になるという欠点があるとともに、左右の床面と目地プレートとの高さが異なり、危険で、安全に使用することができないという欠点があった。
このような欠点を解消するために、目地部側が低くなるように目地プレートスライド支持凹部を形成することも考えられているが、施工が難しく、スムーズに床用目地プレートをスライドイド移動させることができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3854872号公報
【特許文献2】特開2011−17185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、スムーズにスライド移動することができるとともに、左右の床躯体が不等沈下しても、床用目地プレートが損傷したり、床用目地プレートが外方へ突出して危険になったりするのを確実に阻止することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震で目地部が広くなったり、狭くなるように左右の床躯体が揺れ動いた場合、床用目地プレートの先端底面の複数個のローラが目地プレートスライド支持凹部をスムーズにスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
(2)前記(1)により、左右の床躯体が地震により不等沈下した場合、床用目地プレートの底面と、該床用目地プレートの先端底面に取付けられた複数個のローラの下面との間の隙間によって、従来のように床用目地プレートのほぼ中央部の底面を一方の床躯体の目地プレートスライド支持凹部の端部によって押し上げられたりするのを確実に阻止することができ、安全に使用することができる。
(3)前記(1)により、床用目地プレートの先端底面に、該床用目地プレートの底面より下方へ突出するように複数個のローラを取付けるだけでよく、構造が簡単で、容易に実施することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、複数個のローラが安価で、容易に設置することができるとともに、軸の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状のローラ本体を用いているので動作不良になったりするのを効率よく阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の床用目地プレートの側面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の床用目地プレートの底面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の地震によって目地部が狭くなる動作説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の地震によって目地部が広くなる動作説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の地震によって一方の床躯体が不等沈下した状態の説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の地震によって他方の床躯体が不等沈下した状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の床用目地プレートの底面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の床用目地プレートの底面図。
【図15】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図。
【図17】本発明を実施するための第4の形態の床用目地プレートの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の床躯体3、3間を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の床躯体3、3の一方の目地部側床躯体3に形成された反目地部が傾斜面4の目地プレートスライド支持凹部5と、前記左右の床躯体3、3の他方の目地部側床躯体3に形成された前記目地プレートスライド支持凹部5の深さ寸法Lよりも浅い寸法L1の凹部状の目地プレート支持部6と、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部5を覆い、後端部が前記目地プレート支持部6を覆い、かつ先端部が上方へ回動できるように支持具7で取付けられた床用目地プレート8とで構成されている。
【0013】
前記床用目地プレート8は高さ寸法が前記L1寸法とほぼ同じ高さ寸法の浅皿状の金属材製の床用目地プレート本体9と、この床用目地プレート本体9の先端底面の凹部10を形成した所に下方へ突出するように所定間隔で、溶接等で取付けられた軸受部材11、11、この軸受部材11、11に回転可能あるいは固定状態で取付けられた軸12、前記軸受部材11、11間の前記軸12にそれぞれ回転可能に取付けられた、該軸12の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状で、かつ前記床用目地プレート本体9の上面が前記左右の床躯体3、3の上面とほぼ同一面となる複数個のローラ本体13とからなる、前記軸12と前記ローラ本体13との間の隙間にゴミやホコリが侵入しても動作できるローラ14と、前記床用目地プレート本体9の先端部にヒンジ部材15を介して回動可能に取付けられたカバープレート16と、前記床用目地プレート本体9の後端両側部に形成された前記目地プレート支持部6に固定された支持具7の一部を構成する係合ピン17、17と係合する支持具7の一部を構成する係合ピン支持ボックス18、18と、この係合ピン支持ボックス18、18の上部開口部を覆うカバー板19、19と、前記床用目地プレート本体9内に充填されるモルタルやコンクリート20およびタイルやレンガ等の床化粧板21とで構成されている。
【0014】
なお、前記軸12の外周部に1個のローラ本体13を配置するローラ14について説明したが、本発明はこれに限らず、ローラ本体13の外周部に数ミリメートル以上の隙間を介して第2のローラ本体を配置したり、該第2のローラ本体の外周部に数ミリメートル以上の隙間を介して第3のローラ本体を配置してもよい。
【0015】
上記構成の床用目地装置1は、通常時には図1および図2に示すように、目地部2を床用目地プレート8で左右の床躯体3、3の上面と、該床用目地プレート8の上面とがほぼ同一面となるように覆われている。
【0016】
地震により目地部2が狭くなるように、図5に示すように左右の床躯体3、3が揺れ動いた場合、床用目地プレート8のローラローラ14のローラ本体13、13が目地プレートスライド支持凹部5の傾斜面4上をスライド移動することなく転動移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0017】
このローラ14が目地プレートスライド支持凹部5の傾斜面4を転動移動する場合、床用目地プレート本体9と一体的に移動する軸12によって複数個のローラ本体13、13を押し圧するため、複数個のローラ本体13、13は傾斜面4に押し圧された状態でスムーズに転動移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0018】
なお、ローラ14の複数個のローラ本体13、13は床躯体3の床面3a上も同じようにスムーズに転動移動することができる。この時、床用目地プレート本体9のほぼ中央部の底面は目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部部位と衝突するのを、複数個のローラ本体13、13が床用目地プレート本体9の底面より突出していることで阻止している。
【0019】
地震で目地部2が広くなるように、図6に示すように左右の床躯体3、3が揺れ動いた場合、床用目地プレート8のローラ14の複数個のローラ本体13、13は、目地プレートスライド支持凹部5上を複数個のローラ本体13、13が密着した状態で転動移動して、その揺れ動きをスムーズに吸収することができる。
【0020】
地震で左右の床躯体3、3の一方が不等沈下した場合、図7に示すように複数個のローラ本体13、13が床用目地プレート本体9の床面9aより突出しているため、床用目地プレート本体9が傾斜状態となっても、ほぼ中央部の底面が目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部との衝突を阻止して、その揺れ動きを吸収することができる。
【0021】
なお、左右の床躯体3、3の他方が不等沈下した場合、図8に示すように床用目地プレート本体9の底面のほぼ中央部は、目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部と離れる方向となるため、その揺れ動きを吸収することができる。
【0022】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9ないし図17に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部の底面に凹部を形成することなく、複数個の軸受部材11、11を取付けたローラ14Aを用いた点で、このように構成されたローラ14Aを用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、コ字状の軸受部材11Aに軸12Aとローラ本体13を取付けたローラ14Bを床用目地プレート本体9
の先端底面に直列状態で取付けた点で、このようなローラ14Bを複数個、床用目地プレート本体9に取付けた床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
なお、ローラ14Bを床用目地プレート本体9の先端底面の両端部と中央部に隙間を介して取付けてもよい。
【0026】
図15ないし図17に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は。中央部が大径となる樽の輪郭形状のローラ本体13Aを用いたローラ14Cを使用した点で、このようなローラ14Cを用いて構成した床用目地装置1Cにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、ローラ本体13Aの目地プレートスライド支持凹部5との接触面積が小さくなるので、よりスムーズに転動させることができ、かつローラ本体13Aの転動方向と直角方向への移動も比較的スムーズに行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を覆う床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B、1C:床用目地装置、
2:目地部、 3:床躯体、
4:傾斜面、
5:目地プレートスライド支持凹部、
6:目地プレート支持部、 7:支持具
8:床用目地プレート、 9:床用目地プレート本体、
10:凹部、 11、11A:軸受部材、
12、12A:軸、 13、13A:ローラ本体、
14、14A:ローラ、 15:ヒンジ部材、
16:カバープレート、 17:係合ピン、
18:係合ピン支持ボックス、 19:カバー板、
20:モルタルやコンクリート、 21:床化粧板。
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の床用目地装置は一方の床躯体の目地部側に反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部を形成するとともに、この目地プレートスライド支持凹部と対応する部位の他方の床躯体の目地部側部位に目地プレート支持凹部を形成し、先端部を前記目地プレートスライド支持凹部に支持させ、後端部を前記目地プレート支持凹部に支持させ、先端部が上方へ回動できるように後端部を目地プレート支持凹部に取付けた目地プレートを用いている。
【0003】
このように形成された床用目地装置は目地部が広くなったり、狭くなったりする地震の揺れ動きは効率よく吸収することができるが、左右の床躯体が不等沈下した場合、目地プレートスライド支持凹部の目地部側端部が目地プレートの中央部寄りの底面と接触して、目地プレートがガタつき、危険になるという欠点があるとともに、左右の床面と目地プレートとの高さが異なり、危険で、安全に使用することができないという欠点があった。
このような欠点を解消するために、目地部側が低くなるように目地プレートスライド支持凹部を形成することも考えられているが、施工が難しく、スムーズに床用目地プレートをスライドイド移動させることができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3854872号公報
【特許文献2】特開2011−17185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、スムーズにスライド移動することができるとともに、左右の床躯体が不等沈下しても、床用目地プレートが損傷したり、床用目地プレートが外方へ突出して危険になったりするのを確実に阻止することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震で目地部が広くなったり、狭くなるように左右の床躯体が揺れ動いた場合、床用目地プレートの先端底面の複数個のローラが目地プレートスライド支持凹部をスムーズにスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
(2)前記(1)により、左右の床躯体が地震により不等沈下した場合、床用目地プレートの底面と、該床用目地プレートの先端底面に取付けられた複数個のローラの下面との間の隙間によって、従来のように床用目地プレートのほぼ中央部の底面を一方の床躯体の目地プレートスライド支持凹部の端部によって押し上げられたりするのを確実に阻止することができ、安全に使用することができる。
(3)前記(1)により、床用目地プレートの先端底面に、該床用目地プレートの底面より下方へ突出するように複数個のローラを取付けるだけでよく、構造が簡単で、容易に実施することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、複数個のローラが安価で、容易に設置することができるとともに、軸の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状のローラ本体を用いているので動作不良になったりするのを効率よく阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の床用目地プレートの側面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の床用目地プレートの底面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の地震によって目地部が狭くなる動作説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の地震によって目地部が広くなる動作説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の地震によって一方の床躯体が不等沈下した状態の説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の地震によって他方の床躯体が不等沈下した状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の床用目地プレートの底面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の床用目地プレートの底面図。
【図15】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図。
【図17】本発明を実施するための第4の形態の床用目地プレートの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の床躯体3、3間を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の床躯体3、3の一方の目地部側床躯体3に形成された反目地部が傾斜面4の目地プレートスライド支持凹部5と、前記左右の床躯体3、3の他方の目地部側床躯体3に形成された前記目地プレートスライド支持凹部5の深さ寸法Lよりも浅い寸法L1の凹部状の目地プレート支持部6と、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部5を覆い、後端部が前記目地プレート支持部6を覆い、かつ先端部が上方へ回動できるように支持具7で取付けられた床用目地プレート8とで構成されている。
【0013】
前記床用目地プレート8は高さ寸法が前記L1寸法とほぼ同じ高さ寸法の浅皿状の金属材製の床用目地プレート本体9と、この床用目地プレート本体9の先端底面の凹部10を形成した所に下方へ突出するように所定間隔で、溶接等で取付けられた軸受部材11、11、この軸受部材11、11に回転可能あるいは固定状態で取付けられた軸12、前記軸受部材11、11間の前記軸12にそれぞれ回転可能に取付けられた、該軸12の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状で、かつ前記床用目地プレート本体9の上面が前記左右の床躯体3、3の上面とほぼ同一面となる複数個のローラ本体13とからなる、前記軸12と前記ローラ本体13との間の隙間にゴミやホコリが侵入しても動作できるローラ14と、前記床用目地プレート本体9の先端部にヒンジ部材15を介して回動可能に取付けられたカバープレート16と、前記床用目地プレート本体9の後端両側部に形成された前記目地プレート支持部6に固定された支持具7の一部を構成する係合ピン17、17と係合する支持具7の一部を構成する係合ピン支持ボックス18、18と、この係合ピン支持ボックス18、18の上部開口部を覆うカバー板19、19と、前記床用目地プレート本体9内に充填されるモルタルやコンクリート20およびタイルやレンガ等の床化粧板21とで構成されている。
【0014】
なお、前記軸12の外周部に1個のローラ本体13を配置するローラ14について説明したが、本発明はこれに限らず、ローラ本体13の外周部に数ミリメートル以上の隙間を介して第2のローラ本体を配置したり、該第2のローラ本体の外周部に数ミリメートル以上の隙間を介して第3のローラ本体を配置してもよい。
【0015】
上記構成の床用目地装置1は、通常時には図1および図2に示すように、目地部2を床用目地プレート8で左右の床躯体3、3の上面と、該床用目地プレート8の上面とがほぼ同一面となるように覆われている。
【0016】
地震により目地部2が狭くなるように、図5に示すように左右の床躯体3、3が揺れ動いた場合、床用目地プレート8のローラローラ14のローラ本体13、13が目地プレートスライド支持凹部5の傾斜面4上をスライド移動することなく転動移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0017】
このローラ14が目地プレートスライド支持凹部5の傾斜面4を転動移動する場合、床用目地プレート本体9と一体的に移動する軸12によって複数個のローラ本体13、13を押し圧するため、複数個のローラ本体13、13は傾斜面4に押し圧された状態でスムーズに転動移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0018】
なお、ローラ14の複数個のローラ本体13、13は床躯体3の床面3a上も同じようにスムーズに転動移動することができる。この時、床用目地プレート本体9のほぼ中央部の底面は目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部部位と衝突するのを、複数個のローラ本体13、13が床用目地プレート本体9の底面より突出していることで阻止している。
【0019】
地震で目地部2が広くなるように、図6に示すように左右の床躯体3、3が揺れ動いた場合、床用目地プレート8のローラ14の複数個のローラ本体13、13は、目地プレートスライド支持凹部5上を複数個のローラ本体13、13が密着した状態で転動移動して、その揺れ動きをスムーズに吸収することができる。
【0020】
地震で左右の床躯体3、3の一方が不等沈下した場合、図7に示すように複数個のローラ本体13、13が床用目地プレート本体9の床面9aより突出しているため、床用目地プレート本体9が傾斜状態となっても、ほぼ中央部の底面が目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部との衝突を阻止して、その揺れ動きを吸収することができる。
【0021】
なお、左右の床躯体3、3の他方が不等沈下した場合、図8に示すように床用目地プレート本体9の底面のほぼ中央部は、目地プレートスライド支持凹部5の目地部側端部と離れる方向となるため、その揺れ動きを吸収することができる。
【0022】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9ないし図17に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部の底面に凹部を形成することなく、複数個の軸受部材11、11を取付けたローラ14Aを用いた点で、このように構成されたローラ14Aを用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、コ字状の軸受部材11Aに軸12Aとローラ本体13を取付けたローラ14Bを床用目地プレート本体9
の先端底面に直列状態で取付けた点で、このようなローラ14Bを複数個、床用目地プレート本体9に取付けた床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
なお、ローラ14Bを床用目地プレート本体9の先端底面の両端部と中央部に隙間を介して取付けてもよい。
【0026】
図15ないし図17に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は。中央部が大径となる樽の輪郭形状のローラ本体13Aを用いたローラ14Cを使用した点で、このようなローラ14Cを用いて構成した床用目地装置1Cにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、ローラ本体13Aの目地プレートスライド支持凹部5との接触面積が小さくなるので、よりスムーズに転動させることができ、かつローラ本体13Aの転動方向と直角方向への移動も比較的スムーズに行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間を覆う床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B、1C:床用目地装置、
2:目地部、 3:床躯体、
4:傾斜面、
5:目地プレートスライド支持凹部、
6:目地プレート支持部、 7:支持具
8:床用目地プレート、 9:床用目地プレート本体、
10:凹部、 11、11A:軸受部材、
12、12A:軸、 13、13A:ローラ本体、
14、14A:ローラ、 15:ヒンジ部材、
16:カバープレート、 17:係合ピン、
18:係合ピン支持ボックス、 19:カバー板、
20:モルタルやコンクリート、 21:床化粧板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
複数個のローラは床用目地プレートの先端底面に所定間隔で取付けられた軸受部材と、この軸受部材に取付けられた軸と、前記軸受部材間の前記軸に回転可能に取付けられた、該軸の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状のローラ本体とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項1】
目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側床躯体に形成された反目地部が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記目地プレートスライド支持凹部に先端底面に取付けられた、該底面より下方へ突出する複数個のローラ本体を有するローラがスライド移動可能に支持され、後端部が前記目地プレート支持部に支持具を介して先端部が上下方向に回動できるように取付けられた、前記左右の床躯体の床面とほぼ同一面となるように前記目地部を覆う床用目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
複数個のローラは床用目地プレートの先端底面に所定間隔で取付けられた軸受部材と、この軸受部材に取付けられた軸と、前記軸受部材間の前記軸に回転可能に取付けられた、該軸の外径寸法よりも内径寸法が数ミリメートル以上大きいパイプ状のローラ本体とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−241321(P2012−241321A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109219(P2011−109219)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
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