説明

廃棄及び余剰牛乳のリサイクル方法。

【課題】廃棄牛乳及び余剰牛乳を有効利用して、農業生産において植物の成長を促すとともに土壌微生物環境の改善、植物の葉、茎などに付着する害虫の駆除と堆肥製造の際の醗酵促進に有効な乳酸発酵物を提供する。
【解決手段】廃棄牛乳及び余剰牛乳に卵白と乳酸菌を添加し乳酸発酵を行うことにより生成されるアミノ酸成分と低分子ペプチド成分を粉末状又は液体状に加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄及び余剰牛乳を乳酸発酵することで、生成する成分を有効活用する目的に開発されたものである。
【0002】
本方法は、ヨーグルト成分の特徴でもある、栄養素的作用と微生物環境改善作用を利用して、植物の成長と味覚の向上を得るとともに土壌内の微生物環境の改善を行う、などの効果を得る方法である。
【特許文献】 本発明に類似した文献を調べましたが、発見には至りませんでした。したがって、類意した発明はないものと考える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本方法は、廃棄牛乳の再利用を目的に開発されたものですが、最近になって、余剰牛乳の問題も関係してきました。したがって、高カロリー的牛乳成分の有効活用を目的にしたものである。
[課題を解消するための手段]
【0004】
先ず、本方法は、廃棄処分される牛乳に卵白と乳酸菌を添加して、乳酸発酵を行うことで、アミノ酸成分を生成させるとともに乳酸球菌、乳酸桿菌からの作用で生成される低分子ペプチド(各種の抗生物質)が生成される。アミノ酸成分は主に植物の成長と味覚の向上に用い、低分子ペプチドは、その抗菌及び拮抗作用を利用して、土壌内の微生物環境改善を行うものである。
【発明の効果】
【0005】
廃棄牛乳を原料として、農作物の養分的成長効果と土壌環境改善効果を目的とした本方法を実施することで、廃棄物量の削減に繋がるとともに、資源の有効活用に貢献できる。などの特長を持った方法です。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本方法を実施するにあたって、廃棄及び余剰牛乳を移動することはコスト面から言っても不経済なことになります。したがって、各地域の牛乳が排出されるところで、それぞれ生産し、消費されることが望ましいと考えます。
【実施例】
【0007】
先ず、集めた牛乳に卵白と乳酸菌を添加し、外部からの熱を加え乳酸発酵を開始する。一定期間の発酵過程を終えることで、各種のアミノ酸成分と低分子ペプチドが含まれる物質が形成する。さらに、形成された物質の水分を過熱及び自然天日乾燥を用いて、乾燥することで固体形状に変化した物質を、ミキサー(粉砕機)を用いて粉末状態にすることで、特許請求1の本発明物質が形成される。
次に、特許請求2の液体物質は、上記に示したと、同じ方法で乳酸発酵から、生成された物質に発酵抑制剤を添加した液体物質である。したがって、特許請求1と2は粉末状態と液体状態の違いである。
[産業上の利用の可能性]
【0008】
本方法の特徴は、農業生産分野と発酵乳製造分野が一体化した性質を持っています。したがって、農業分野には、アミノ酸と低分子ペプチド成分が植物の成長に利用され、発酵乳産業には、余剰牛乳の消費拡大に繋がる特長を持っています。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄牛乳及び余剰牛乳(余剰ヨーグルト類を含む)に卵白と乳酸菌を添加し、乳酸発酵を行うことで、アミノ酸成分と低分子ペプチド成分を含む物質が生成する。さらに、生成された物質の水分を加熱及び天日乾燥をさせ、固体形状に変化させたものを、ミキサーを用いて粉末状に加工することで本発明物質が形成される。
アミノ酸成分は、主に植物の成長過程における養分的作用に用いられるとともに低分子ペプチド成分は、土壌内の微生物環境改善作用に用いられる。
【請求項2】
廃棄牛乳及び余剰牛乳(余剰ヨーグルト類を含む)に卵白と乳酸菌を添加し、乳酸発酵を行うことで、アミノ酸成分と低分子ペプチド成分を含む物質が生成される。さらに、生成された液体物質に、発酵抑制剤を添加することで、商品として、容器内での活性を抑えるものである。
以上の方法で生成された液体物質は、植物の養分的成長効果と害虫防除効果を有する、などの機能を持っている。
本液体物質の効果作用は、特許請求項1に同じであるが、液体にすることで、農作物栽培に伴う実施の際、追肥過程及び葉面散布などの使用過程において粉末では出来ないことが可能になる、などの特徴を持っている。
また、葉面散布においては、発酵過程で生成される有機酸や低分子ペプチド(抗生物質)などの成分作用により植物の、葉、茎、などに付着する害虫を駆除する働きをする。
【請求項3】
請求項1と2の物質は、たい肥製造工程において添加物として添加することで、更なる発酵の促進を促すとともに成分量の多い良質たい肥の精製に関与するものである。

【公開番号】特開2007−308358(P2007−308358A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166656(P2006−166656)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(598059826)
【Fターム(参考)】