説明

廃棄樹脂フレーク用比重選別装置

【課題】比重差の微小な廃棄樹脂フレークの混合物を短時間に効率良く比重選別することができる廃棄樹脂フレーク用比重選別装置を提供する。
【解決手段】スクリューコンベア4Dにより比重液槽4C内の比重液の中層部に静かに搬入されたPEフレークおよびPPフレークの混合物は、比重0.96のPEフレークが略静止状態の比重液の中層部から沈降を開始し、比重0.91のPPフレークが略静止状態の比重液の中層部から浮上を開始するため、比重差の微小なPEフレークとPPフレークの混合物が短時間に効率良く分離される。そして、比重液の下層部に沈降したPEフレークは、パイプコンベア4Eにより受け取られて比重液槽4Cの底部から搬出され、比重液の上層部に浮上したPPフレークは、レーキ付きコンベア4Fにより掻き出されて比重液槽4Cの上部から搬出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄樹脂フレークの混合物を比重液により選別する廃棄樹脂フレーク用比重選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分別回収された各種の合成樹脂製ボトルなどの廃棄樹脂を原料樹脂毎に選別して再利用する方法として、各種の廃棄樹脂を破砕機によりフレーク状に破砕し、この廃棄樹脂フレークの混合物を水中または比重液中において原料樹脂毎に比重選別する方法および装置が従来一般に知られている。
【0003】
この種の比重選別装置として、特許文献1には、分離槽(比重液槽)内の比重液中に廃棄合成樹脂の破砕フレーク(廃棄樹脂フレーク)を上方から投入し、比重液に対流を発生させることで破砕フレークを分散させ、浮上する比重の小さい破砕フレークと沈降する比重の大きい破砕フレークとに比重選別する装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、上下が円錐状に形成された円筒状タンク(比重液槽)の径方向に旋回を与えながら比重液の中央部に破砕プラスチック(廃棄樹脂フレーク)の混合物を供給し、比重液の中央部から発生する上昇流および下降流により、比重の小さい破砕プラスチックと比重の大きい破砕プラスチックとに比重選別する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−162191号公報(要約書)
【特許文献2】特開平9−150417号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された比重選別装置では、比重液槽内の比重液に対流が発生し、また、特許文献2に記載された比重選別装置では、比重液槽内の比重液に旋回流、上昇流、下降流などが発生する。このため、破砕フレークや破砕プラスチックなどの廃棄樹脂フレークの混合物に大きな比重差がある場合には、これらを的確に比重選別することができるが、例えば廃棄ポリプロピレンフレークと廃棄ポリエチレンフレークとの混合物のように比重差が微小な場合には、これらを短時間に効率よく比重選別することができない。
【0006】
そこで、この発明は、比重差の微小な廃棄樹脂フレークの混合物を短時間に効率良く比重選別することができる廃棄樹脂フレーク用比重選別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置は、廃棄樹脂フレークの混合物を比重液槽内の比重液により選別する廃棄樹脂フレークの比重選別装置であって、前記廃棄樹脂フレークの混合物を前記比重液槽内の比重液の中層部に搬入可能なスクリューコンベアと、前記比重液の下層部に沈降した比重の大きい廃棄樹脂フレークを受け取って前記比重液槽の底部から搬出可能なパイプコンベアと、前記比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレークを掻き出して前記比重液槽の上部から搬出可能なレーキ付きコンベアとを備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置では、廃棄樹脂フレークの混合物がスクリューコンベアにより比重液槽内の比重液の中層部に搬入されると、比重の大きい廃棄樹脂フレークは略静止状態の比重液の中層部から沈降を開始し、比重の小さい廃棄樹脂フレークは略静止状態の比重液の中層部から浮上を開始する。このため、比重差の微小な廃棄樹脂フレークの混合物、例えば比重0.96の廃棄ポリエチレンフレークと、比重0.91の廃棄ポリプロピレンフレークとの混合物も短時間に効率良く分離される。
【0009】
そして、比重液の下層部に沈降した比重の大きい廃棄樹脂フレーク(廃棄ポリエチレンフレーク)は、パイプコンベアにより静かに受け取られて比重液を略静止状態に保ちながら比重液槽の底部から搬出され、比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレーク(廃棄ポリプロピレンフレーク)は、レーキ付きコンベアにより静かに掻き出されて比重液槽の上部から搬出される。
【0010】
この発明の廃棄樹脂フレーク用比重選別装置において、パイプコンベアは、パイプケーシング内を循環する駆動チェーンに多数のブレードが配列されており、前記ブレードには、比重液を静かに透過させ、比重液槽内を略静止状態に保つために透過孔が形成されている。また、前記レーキ付きコンベアが比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレークを前記比重液槽内の上部に設置された傾斜受板に沿って上方に掻き揚げるように構成されていると、廃棄樹脂フレークに付着した比重液が傾斜受板に沿って流下して比重液槽内に回収されるので好ましい。
【0011】
また、この発明の廃棄樹脂フレーク用比重選別装置において、前記比重液槽内の比重液が循環可能に構成された比重液予備タンクと、この比重液予備タンク内の比重液の比重を計測する比重計とが付設されていると、比重液槽内の比重液の比重を的確に管理できるので好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置では、比重の大きい廃棄樹脂フレークは略静止状態の比重液の中層部から沈降を開始し、比重の小さい廃棄樹脂フレークは略静止状態の比重液の中層部から浮上を開始するため、比重差の微小な廃棄樹脂フレークの混合物も短時間に効率良く分離される。そして、比重液の下層部に沈降した比重の大きい廃棄樹脂フレークは、比重液を略静止状態に保ちながらパイプコンベアにより受け取られて比重液槽の底部から搬出され、比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレークは、レーキ付きコンベアにより掻き出されて比重液槽の上部から搬出される。
【0013】
従って、この発明に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置によれば、比重差の微小な廃棄樹脂フレークの混合物を短時間に効率良く比重選別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置の最良の実施形態を添付の図面を参照して説明する。ここで、添付図面の図1は一実施形態に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置を備えた廃棄樹脂フレーク選別ラインを示す模式図、図2は図1に示した廃棄樹脂フレーク選別ラインの配置関係を示す平面図である。
【0015】
図1に示す廃棄樹脂フレーク選別ラインは、各種の廃棄樹脂フレークの混合物、例えば廃棄ポリエチレンフレーク(以下PEフレークと略称する)、廃棄ポリプロピレンフレーク(以下PPフレークと略称する)、廃棄ポリエチレンテレフタレートフレーク(以下PETフレークと略称する)、廃棄ポリスチレンフレーク(以下PSフレークと略称する)の混合物からPEフレークとPPフレークとを選別して回収するラインである。
【0016】
この廃棄樹脂フレーク選別ラインは、図2の平面図に示すように配置された原料供給装置1、水選別装置2、脱水装置3、比重選別装置4、脱水装置5、回収計量装置6、脱水装置7、回収計量装置8などを備えている。
【0017】
原料供給装置1は、図1および図3に示すように、ホイストクレーン1Aに吊り下げられたフレキシブルコンテナ1Bからホッパ型の原料タンク1Cに投入された原料(PEフレーク、PPフレーク、PETフレーク、PSフレークの混合物)を搬送スクリュー1Dおよびブロワ1Eを介して水選別装置2のサイクロン2A内に供給する。
【0018】
水選別装置2は、図1および図4に示すように、原料供給装置1のブロワ1Eにより送風された原料から空気を排除するサイクロン2Aと、このサイクロン2AからPEフレーク、PPフレーク、PETフレーク、PSフレークの混合物が投入されるホッパ型のストックタンク2Bと、このストックタンク2BからPEフレーク、PPフレーク、PETフレーク、PSフレークの混合物を水選別槽2C内の選別水の中層部であって、且つ中央部に搬入するスクリューコンベア2Dとを有する。
【0019】
ここで、水選別槽2Cは、選別水より比重の大きいPETフレークおよびPSフレークと、選別水より比重の小さいPEフレークおよびPPフレークとを比重選別するものであり、この水選別槽2Cの底部には、選別水の下層部に沈降したPETフレークおよびPSフレークを異物として回収するスクリューコンベア2Eが付設されている。
【0020】
また、水選別槽2Cの上部には、選別水の上層部に浮上したPEフレークおよびPPフレークをパドル2F1により掻き出して脱水装置3側へ搬出するパドル付きコンベア2Fが付設されている。
【0021】
脱水装置3は、パドル付きコンベア2Fにより掻き出された選別水を含むPEフレークおよびPPフレークを傾斜ダクト3Aを介して受け入れる。そして、この脱水装置3は、PEフレークおよびPPフレークに付着した選別水を遠心作用により脱水し、脱水されたPEフレークおよびPPフレークの混合物をブロワ3Bにより比重選別装置4のサイクロン4A内に供給する。
【0022】
比重選別装置4は、図1、図5および図6に示すように、脱水装置3のブロワ3Bにより送風されたPEフレークおよびPPフレークの混合物から空気を排除するサイクロン4Aと、このサイクロン4AからPEフレークおよびPPフレークの混合物が投入されるホッパ型のストックタンク4Bと、このストックタンク4BからPEフレークおよびPPフレークの混合物を比重液槽4C内の比重液の中層部あって、且つ中央部に搬入するスクリューコンベア4Dとを有する。
【0023】
ここで、比重液槽4Cは、比重差の微小な比重0.96のPEフレークと、比重0.91のPPフレークとの混合物を比重液により短時間に効率良く比重選別するものであり、その比重液は、イソプロピルアルコール(IPA)と水とを混合することで比重が0.935程度に調整されている。
【0024】
そして、この比重液槽4Cの底部には、比重液の下層部に沈降した比重0.96のPEフレークを回収して脱水装置5側へ搬出するパイプコンベア4Eが付設されている。また、比重液槽4Cの上部には、比重液の上層部に浮上した比重0.91のPPフレークをレーキ4F1により掻き出して脱水装置7側へ搬出するレーキ付きコンベア4Fが付設されている。
【0025】
スクリューコンベア4Dは、比重液槽4C内の比重液を極力静止状態に保持するように、極力低速度で運転されてPEフレークおよびPPフレークの混合物を比重液の中層部あって、且つ中央部に搬入する。また、スクリューコンベア4Dは、混合物を静かに搬入することが好ましく、例えば、パイプの直径を150mmとし、回転数40r.p.m 以下の低速度で運転されることが好ましい。
【0026】
パイプコンベア4Eは、比重0.935の比重液との比重差が僅か0.025である比重0.96のPEフレークを比重液の下層部から受け取って比重液槽4Cの底部から脱水装置5側へ搬出する。
【0027】
このパイプコンベア4Eは、図7に示すように、パイプケーシング4E1内を循環するように駆動される駆動チェーン4E2と、この駆動チェーン4E2に周縁部が固定されて駆動チェーン4E2の長手方向に所定間隔で配列された多数の円板状のブレード4E3とを備えた基本構造を有する。
【0028】
ここで、パイプコンベア4Eの各ブレード4E3には、PEフレークに随伴された比重液を透過させる多数の透過孔4E4が形成されている。また、各ブレード4E3の周縁には、パイプケーシング4E1の内面に摺接してブレード4E3の倒れを規制するリング状のガイド4E5が固定されている。前記ブレード4E3に透過孔4E4を形成することによって、各ブレード4E3が移動しても比重液は透過孔4E4からゆっくり透過するので、比重液に対流が起こることを極力抑えることができ、PEフレークを搬出しながらも速やかに沈降させることができる。
なお、ブレード4E3は、比重液が透過できるものであればよく、適宜の網構造であってもよい。また、透過孔4E4は、PEフレークの大きさや前記ブレード4E3の速度等によって孔の大きさや数を決定すればよい。
【0029】
レーキ付きコンベア4Fは、比重0.935の比重液との比重差が僅か0.025である比重0.91のPPフレークを比重液の上層部から掻き出して脱水装置7側へ搬出する。
【0030】
このレーキ付きコンベア4Fは、図8に示すように、複数のレーキ4F1が所定間隔を開けて配列された構造を有し、各レーキ4F1の移動ラインは、比重液槽4C内の比重液の上層部に浮上したPPフレークを比重液槽4Cの上部に連設された傾斜受板4C1に沿って上方に掻き揚げるように設定されている。
前記パイプコンベア4Eの各ブレード4E3及びレーキ付きコンベア4Fの各レーキ4F1は、比重液槽4C内の比重液を極力静止状態に保持するように、極力低速度で移動することが好ましい。例えば、前記パイプコンベア4Eの各ブレード4E3の移動速度は3m/分以下、レーキ付きコンベア4Fの各レーキ4F1の移動速度は10m/分以下とすることが好ましい。
【0031】
ここで、比重選別装置4には、比重液槽4C内の比重液が循環パイプ4Gを介して循環するように構成された比重液予備タンク4Hが付設されており、循環パイプ4Gには、電動バルブ4Jとモータポンプ4Kとが設置されている。
【0032】
また、比重選別装置4には、図9に示すように、比重液予備タンク4Hに収容された比重液の比重を計測する比重計4Lと、比重液の原料であるイソプロピルアルコール(IPA)を比重液予備タンク4Hに供給パイプ4Mを介して供給可能なIPAタンク4Nとが付設されている。
【0033】
脱水装置5は、比重液が付着した状態でパイプコンベア4Eにより搬出されるPEフレークをホッパ5Aを介して受け入れる。そして、この脱水装置5は、PEフレークに付着した比重液を遠心作用により脱水し、脱水されたPEフレークをブロワ5Bにより回収計量装置6のサイクロン6A内に供給する。
【0034】
一方、脱水装置7は、比重液が付着した状態でレーキ付きコンベア4Fにより掻き出されたPPフレークを傾斜ダクト7Aを介して受け入れる。そして、この脱水装置7は、PPフレークに付着した比重液を遠心作用により脱水し、脱水されたPPフレークをブロワ7Bにより回収計量装置8のサイクロン8A内に供給する。
【0035】
回収計量装置6は、図1に示すように、脱水装置5のブロワ5Bにより送風されたPEフレークから空気を排除するサイクロン6Aと、このサイクロン6AからPEフレークが投入されるホッパ型のストックタンク6Bと、このストックタンク6Bからフレキシブルコンテナ6Cに詰め込まれたPEフレークをフレキシブルコンテナ6Cごと計量する計量機6Dとを有する。
【0036】
一方、回収計量装置8は、脱水装置7のブロワ7Bにより送風されたPPフレークから空気を排除するサイクロン8Aと、このサイクロン8AからPPフレークが投入されるホッパ型のストックタンク8Bと、このストックタンク8Bからフレキシブルコンテナ8Cに詰め込まれたPPフレークをフレキシブルコンテナ8Cごと計量する計量機8Dとを有する。
【0037】
以上のように構成された廃棄樹脂フレーク選別ラインにおいては、原料供給装置1がPEフレーク、PPフレーク、PETフレーク、PSフレークの混合物を水選別装置2に供給すると、水選別装置2が比重の大きいPETフレークおよびPSフレークを異物として回収し、PEフレークおよびPPフレークを脱水装置3側へ搬出する。
【0038】
続いて、脱水装置3がPEフレークおよびPPフレークに付着した選別水を脱水し、脱水されたPEフレークおよびPPフレークの混合物を比重選別装置4に供給する。すると、比重選別装置4が比重の大きいPEフレークと比重の小さいPPフレークとを比重選別し、比重の大きいPEフレークを脱水装置5側に搬出し、比重の小さいPPフレークを脱水装置7側へ搬出する。
【0039】
これに伴い、脱水装置5は、PEフレークに付着した比重液を脱水し、脱水されたPEフレークを回収計量装置6に供給する。また、脱水装置7は、PPフレークに付着した比重液を脱水し、脱水されたPPフレークを回収計量装置8に供給する。
【0040】
そして、脱水されたPEフレークを回収計量装置8がフレキシブルコンテナ6Cに詰め込み、このフレキシブルコンテナ6Cごと計量する。また、脱水されたPPフレークを回収計量装置8がフレキシブルコンテナ8Cに詰め込み、このレキシブルコンテナ8Cごと計量する。
【0041】
ここで、一実施形態の比重選別装置4では、脱水されたPEフレークおよびPPフレークの混合物をスクリューコンベア4Dが比重液槽4C内の比重液の中層部に静かに、好ましくは40r.p.m 以下の回転数で搬入する。搬入手段をスクリューコンベア4Dとすることによって、PEフレークおよびPPフレークの混合物を槽の中央部まで静かに搬入することができる。これに伴い、略静止状態の比重0.935程度の比重液の中層部から比重0.96のPEフレークが沈降を開始し、比重0.91のPPフレークが浮上を開始する。このため、比重差が0.05と微小なPEフレークとPPフレークとの混合物が短時間に効率良く分離される。
【0042】
そして、比重液の下層部に沈降した比重0.96のPEフレークをパイプコンベア4Eの各ブレード4E3が静かに、好ましくは4m/分以下のブレードスピードで受け取って比重液槽4Cの底部から脱水装置5側へ搬出する。また、比重液の上層部に浮上した比重0.91のPPフレークをレーキ付きコンベア4Fの各レーキ4F1が10m/分以下のパドル移動スピードで掻き出して脱水装置7側へ搬出する。
【0043】
従って、一実施形態の比重選別装置4によれば、比重液槽内は略静止状態にたもたれているから、比重差が0.05と微小なPEフレークとPPフレークとの混合物を短時間に効率良く比重選別することができる。
【0044】
また、一実施形態の比重選別装置4においては、レーキ付きコンベア4Fが比重液の上層部に浮上したPPフレークを比重液槽4Cの上部に連設された傾斜受板4C1に沿って上方に掻き揚げるため、PPフレークに付着した比重液は傾斜受板4C1に沿って流下することで比重液槽4C内に回収される。従って、比重液の持ち出し量を減少させることができる。
【0045】
さらに、一実施形態の比重選別装置4においては、比重液槽4C内の比重液が循環パイプ4Gを介して循環するように構成された比重液予備タンク4Hと、比重液予備タンク4Hに収容された比重液の比重を計測する比重計4Lと、比重液の原料であるイソプロピルアルコール(IPA)を比重液予備タンク4Hに供給パイプ4Mを介して供給可能なIPAタンク4Nとが付設されているため、比重液槽4C内の比重液の比重を的確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の一実施形態に係る廃棄樹脂フレーク用比重選別装置を備えた廃棄樹脂フレーク選別ラインを示す模式図である。
【図2】図1に示した廃棄樹脂フレーク選別ラインの配置関係を示す平面図である。
【図3】図1および図2に示した原料供給装置1の正面図である。
【図4】図1および図2に示した水選別装置2の正面図である。
【図5】図1および図2に示した比重選別装置4の側面図である。
【図6】図1および図2に示した比重選別装置4の正面図である。
【図7】図6に示したパイプコンベアの内部構造を示す部分拡大斜視図である。
【図8】図5に示したレーキ付きコンベアの概略構造を示す部分拡大断面図である。
【図9】図6に示した比重液予備タンク付近の部分側面図である。
【符号の説明】
【0047】
1:原料供給装置
2:水選別装置
3:脱水装置
4:比重選別装置
4A:サイクロン
4B:ストックタンク
4C:比重液槽
4D:スクリューコンベア
4E:パイプコンベア
4F:レーキ付きコンベア
4G:循環パイプ
4H:比重液予備タンク
4J:電動バルブ
4K:モータポンプ
4L:比重計
4M:供給パイプ
4N:IPAタンク
5:脱水装置
5A:ホッパ
5B:ブロワ
6:回収計量装置
7:脱水装置
7A:傾斜ダクト
7B:ブロワ
8:回収計量装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄樹脂フレークの混合物を比重液槽内の比重液により選別する廃棄樹脂フレーク用比重選別装置であって、
前記廃棄樹脂フレークの混合物を前記比重液槽内の比重液の中層部に搬入可能なスクリューコンベアと、
前記比重液の下層部に沈降した比重の大きい廃棄樹脂フレークを受け取って前記比重液槽の底部から搬出可能なパイプコンベアと、
前記比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレークを掻き出して前記比重液槽の上部から搬出可能なレーキ付きコンベアとを備えていることを特徴とする廃棄樹脂フレーク用比重選別装置。
【請求項2】
パイプコンベアは、パイプケーシング内を循環する駆動チェーンに多数のブレードが配列されており、前記ブレードには、比重液を透過させる透過孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄樹脂フレーク用比重選別装置。
【請求項3】
レーキ付きコンベアは、比重液の上層部に浮上した比重の小さい廃棄樹脂フレークを前記比重液槽内の上部に設置された傾斜受板に沿って上方に掻き揚げるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄樹脂フレーク用比重選別装置。
【請求項4】
前記比重液槽内の比重液が循環可能に構成された比重液予備タンクと、この比重液予備タンク内の比重液の比重を計測する比重計とが付設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄樹脂フレーク用比重選別装置。
【請求項5】
比重の大きい廃棄樹脂フレークの成分がポリエチレンであり、比重の小さい廃棄樹脂フレークの成分がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の廃棄樹脂フレークの比重選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−213220(P2008−213220A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51542(P2007−51542)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000155229)株式会社明治ゴム化成 (63)
【Fターム(参考)】