廃棄物の処理方法
【課題】 本発明は廃棄物が雨水に接触するのを防止して、大規模な浸出水を処理する施設、屋根や覆土等が不要で、安価で、早期に処分場を廃止することができる安全な廃棄物の処理方法を得るにある。
【解決手段】 廃棄物を埋設することができるように底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とで廃棄物処理方法を構成している。
【解決手段】 廃棄物を埋設することができるように底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とで廃棄物処理方法を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄物の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物は処分場に廃棄物を埋設できるように廃棄物埋設凹部を造成し、該凹部の底面に遮水層を設けて埋設するとともに、雨水が廃棄物と接触すると浸出水となるため、この浸出水の処理施設を設けている。
【0003】
このため、建設コストが処分場施設と同等の浸出水の処理施設分が必要となり、コスト高になるという欠点があった。
また、浸出水の処理水が河川放流される場合、たとえ適正に浄化したとしてもその自然界への影響が起因となり、河川下流住民、漁業関係者等からの反対が顕著に現れ、計画を進められない事例があった。
浸出水排水用の調整池を設ける場合には、事業用地が大きくなるという欠点がある。
処分場の遮水層が、万一破損した場合、処理場外へ流出してしまったり、廃棄物の飛散防止にために覆土を行なうと、覆土分が廃棄物容量を減らしてしまうという欠点があった。
さらに、屋根を設けた廃棄物処分場にすると、屋根の設置費でコスト高になるとともに、作業環境の悪化防止のため換気、粉塵対策の散水が必要となり、浸出水処理施設も必要になるという欠点があった。
また、浸出水処理施設処分場の閉鎖後も排水基準になるまで、継続しなければならず、事業終了後においてもコストがかかるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、廃棄物が雨水に接触するのを防止して、大規模な浸出水を処理する施設、屋根や覆土等が不要で、安価で、早期に処分場を廃止することができる安全な廃棄物の処理方法を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とで廃棄物処理方法を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とからなるので、廃棄物は防水シートの廃棄物コンテナに密閉されるため、雨水が廃棄物に接触するのを確実に防止することができる。
したがって、遮水層や浸出水の処理施設が不要で、低コストで処分場を作ることができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、屋根を設置したり、覆土分だけ容量を減らすことなく、簡単な処理で容量いっぱいの廃棄物を処理することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、廃棄物を廃棄物コンテナに密閉し、廃棄物埋設凹部に並列状態で埋設する作業でよいので、容易に実施することができる。
【0011】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1ないし図9に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の廃棄物の処理方法で、この廃棄物の処理方法1は廃棄物処分場となる部所に、図2に示すように廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦で側壁が傾斜面2aの廃棄物埋設凹部2を造成する造成工程3と、この造成工程3で造成された廃棄物埋設凹部2内に、図3に示すように廃棄物を収納して密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体、本発明を実施する形態では立方体に形成された、吊りベルト4が取付けられた廃棄物コンテナ5を並列状態で、該廃棄物埋設凹部2の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程6と、この廃棄物コンテナの埋設工程6後に、図4に示すように埋設されたすべての廃棄物コンテナ5上を覆うように遮水シート、ベントナイトマット、遮水材等で雨水導水基盤7を設置する雨水導水基盤の設置工程8と、前記廃棄物コンテナ埋設工程6後に図5に示すように、埋設された廃棄物コンテナ5の外周部で前記廃棄物埋設凹部2の傾斜面2aの側壁部位に、雨水排水管9を砕石、ガス抜き層10を形成して設置する雨水排水管の設置工程11と、前記廃棄物コンテナの埋設工程6、前記雨水導水基盤の設置工程8および、前記雨水排水管の設置工程11と同様な廃棄物コンテナの埋設工程6、雨水排水管の設置工程11、雨水導水基盤の設置工程8を、図6に示すように少なくとも1回以上、本発明を実施する形態では2回行なう積み重ね工程12と、前記廃棄物埋設凹部2内のガスを排気するため、前記廃棄物コンテナ5の外周部のガス抜き層10に、図7に示すようにガス抜き管13を設置するガス抜き管の設置工程14とで構成されている。
【0014】
前記造成工程3は従来と同様にブルドーザーやバックホー等の土木作業機械を用いて行なう。
【0015】
前記廃棄物コンテナの埋設工程6は、廃棄物コンテナ5の吊りベルト4をクレーン15等のフック16に係止して吊り上げ、なるべく隙間が生じないように並列に埋設する。
また、廃棄物コンテナ5は最低限、防水できるものであれば良いので、防水シートでよいが、内部に収納した廃棄物からガスが発生する場合には通気防水シートを用いて、ガスを外部へ排出できるものや、自己修復性不織布の防水シートで、図8および図9に示すように、段ボール箱状に形成されたもので、角部は縫製加工されるとともに、吊りベルト4の上部は廃棄物コンテナ5の上部にループ状に縫着されたベルト17で係止されている。
また、蓋18、18、18、18は防水仕様のブチルテープ、ファスナー、面ファスナー等の密閉手段19で密閉されている。
【0016】
上記構成の廃棄物の処理方法1は、廃棄物処分場に廃棄物埋設凹部2を形成しておき、順次廃棄物を廃棄物コンテナ5に収納して、密閉して埋設していくだけであるので、短期間に廃棄物処分場を低コストで作ることができる。
また、廃棄物に雨水が接触しないので、廃棄物処分場を浸出水で汚染させることがない。
[発明を実施するための異なる形態]
【0017】
次に、図10ないし図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図10ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、ポリエチレン繊維不織布20の両面にポリプロピレン繊維不織布21、21を配置した防水シートあるいは通気防水シート22で、一方の一対の蓋片18、18が先端部で重なり合い、他方の一対の蓋片23、23は端部だけを覆えるようにした廃棄物コンテナ5Aを用いて廃棄物コンテナの埋設工程6Aを行なった点で、このような廃棄物コンテナの埋設工程6Aを用いて構成した廃棄物の処理方法1Aを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0019】
図14ないし図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、廃棄物埋設凹部2に遮水層24を形成する造成工程3Aを行なった点で、このような造成工程3Aを用いて構成した廃棄物の処理方法1Bを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、廃棄物処分場の汚染をより確実に防止することができる。
【0020】
なお、前記本発明の各実施の形態では吊りベルト4が取付けられた廃棄物コンテナ5、5Aを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、廃棄物コンテナをフォークリフト等の荷物の運搬ができるものでね運搬できる場合には
吊りベルト4のない廃棄物コンテナを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は廃棄物を処分する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の工程図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の造成工程の説明図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナの埋設工程の説明図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の雨水導水基盤の設置工程の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の雨水排水管の設置工程の説明図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の積み重ね工程の説明図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態のガス抜き管の設置工程の説明図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナの説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナを密閉した状態の説明図。
【図10】本発明を実施するための第2の形態の工程図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物コンテナの説明図。
【図12】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物コンテナの埋設工程の説明図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物が処理された状態の断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の工程図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態の造成工程の説明図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の廃棄物が処理された状態の断面図。
【符号の説明】
【0023】
1、1A、1B:廃棄物の処理方法、
2:廃棄物埋設凹部、 3、3A:造成工程、
4:吊りベルト、 5、5A:廃棄物コンテナ、
6、6A:廃棄物コンテナの埋設工程、
7:雨水導水基盤、 8:雨水導水基盤の設置工程、
9:雨水排水管、 10:ガス抜き管、
11:雨水排水管の設置工程、 12:積み重ね工程、
13:ガス抜き管、 14:ガス抜き管の設置工程、
15:クレーン、 16:フック、
17:ベルト、 18:蓋、
19:密閉手段、 20:ポリエチレン繊維不織布、
21:ポリプロピレン繊維不織布、
22:防水シートあるいは通気防水シート、
23:蓋片、 24:遮水層。
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄物の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物は処分場に廃棄物を埋設できるように廃棄物埋設凹部を造成し、該凹部の底面に遮水層を設けて埋設するとともに、雨水が廃棄物と接触すると浸出水となるため、この浸出水の処理施設を設けている。
【0003】
このため、建設コストが処分場施設と同等の浸出水の処理施設分が必要となり、コスト高になるという欠点があった。
また、浸出水の処理水が河川放流される場合、たとえ適正に浄化したとしてもその自然界への影響が起因となり、河川下流住民、漁業関係者等からの反対が顕著に現れ、計画を進められない事例があった。
浸出水排水用の調整池を設ける場合には、事業用地が大きくなるという欠点がある。
処分場の遮水層が、万一破損した場合、処理場外へ流出してしまったり、廃棄物の飛散防止にために覆土を行なうと、覆土分が廃棄物容量を減らしてしまうという欠点があった。
さらに、屋根を設けた廃棄物処分場にすると、屋根の設置費でコスト高になるとともに、作業環境の悪化防止のため換気、粉塵対策の散水が必要となり、浸出水処理施設も必要になるという欠点があった。
また、浸出水処理施設処分場の閉鎖後も排水基準になるまで、継続しなければならず、事業終了後においてもコストがかかるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、廃棄物が雨水に接触するのを防止して、大規模な浸出水を処理する施設、屋根や覆土等が不要で、安価で、早期に処分場を廃止することができる安全な廃棄物の処理方法を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とで廃棄物処理方法を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とからなるので、廃棄物は防水シートの廃棄物コンテナに密閉されるため、雨水が廃棄物に接触するのを確実に防止することができる。
したがって、遮水層や浸出水の処理施設が不要で、低コストで処分場を作ることができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、屋根を設置したり、覆土分だけ容量を減らすことなく、簡単な処理で容量いっぱいの廃棄物を処理することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、廃棄物を廃棄物コンテナに密閉し、廃棄物埋設凹部に並列状態で埋設する作業でよいので、容易に実施することができる。
【0011】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1ないし図9に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の廃棄物の処理方法で、この廃棄物の処理方法1は廃棄物処分場となる部所に、図2に示すように廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦で側壁が傾斜面2aの廃棄物埋設凹部2を造成する造成工程3と、この造成工程3で造成された廃棄物埋設凹部2内に、図3に示すように廃棄物を収納して密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体、本発明を実施する形態では立方体に形成された、吊りベルト4が取付けられた廃棄物コンテナ5を並列状態で、該廃棄物埋設凹部2の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程6と、この廃棄物コンテナの埋設工程6後に、図4に示すように埋設されたすべての廃棄物コンテナ5上を覆うように遮水シート、ベントナイトマット、遮水材等で雨水導水基盤7を設置する雨水導水基盤の設置工程8と、前記廃棄物コンテナ埋設工程6後に図5に示すように、埋設された廃棄物コンテナ5の外周部で前記廃棄物埋設凹部2の傾斜面2aの側壁部位に、雨水排水管9を砕石、ガス抜き層10を形成して設置する雨水排水管の設置工程11と、前記廃棄物コンテナの埋設工程6、前記雨水導水基盤の設置工程8および、前記雨水排水管の設置工程11と同様な廃棄物コンテナの埋設工程6、雨水排水管の設置工程11、雨水導水基盤の設置工程8を、図6に示すように少なくとも1回以上、本発明を実施する形態では2回行なう積み重ね工程12と、前記廃棄物埋設凹部2内のガスを排気するため、前記廃棄物コンテナ5の外周部のガス抜き層10に、図7に示すようにガス抜き管13を設置するガス抜き管の設置工程14とで構成されている。
【0014】
前記造成工程3は従来と同様にブルドーザーやバックホー等の土木作業機械を用いて行なう。
【0015】
前記廃棄物コンテナの埋設工程6は、廃棄物コンテナ5の吊りベルト4をクレーン15等のフック16に係止して吊り上げ、なるべく隙間が生じないように並列に埋設する。
また、廃棄物コンテナ5は最低限、防水できるものであれば良いので、防水シートでよいが、内部に収納した廃棄物からガスが発生する場合には通気防水シートを用いて、ガスを外部へ排出できるものや、自己修復性不織布の防水シートで、図8および図9に示すように、段ボール箱状に形成されたもので、角部は縫製加工されるとともに、吊りベルト4の上部は廃棄物コンテナ5の上部にループ状に縫着されたベルト17で係止されている。
また、蓋18、18、18、18は防水仕様のブチルテープ、ファスナー、面ファスナー等の密閉手段19で密閉されている。
【0016】
上記構成の廃棄物の処理方法1は、廃棄物処分場に廃棄物埋設凹部2を形成しておき、順次廃棄物を廃棄物コンテナ5に収納して、密閉して埋設していくだけであるので、短期間に廃棄物処分場を低コストで作ることができる。
また、廃棄物に雨水が接触しないので、廃棄物処分場を浸出水で汚染させることがない。
[発明を実施するための異なる形態]
【0017】
次に、図10ないし図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図10ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、ポリエチレン繊維不織布20の両面にポリプロピレン繊維不織布21、21を配置した防水シートあるいは通気防水シート22で、一方の一対の蓋片18、18が先端部で重なり合い、他方の一対の蓋片23、23は端部だけを覆えるようにした廃棄物コンテナ5Aを用いて廃棄物コンテナの埋設工程6Aを行なった点で、このような廃棄物コンテナの埋設工程6Aを用いて構成した廃棄物の処理方法1Aを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0019】
図14ないし図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、廃棄物埋設凹部2に遮水層24を形成する造成工程3Aを行なった点で、このような造成工程3Aを用いて構成した廃棄物の処理方法1Bを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、廃棄物処分場の汚染をより確実に防止することができる。
【0020】
なお、前記本発明の各実施の形態では吊りベルト4が取付けられた廃棄物コンテナ5、5Aを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、廃棄物コンテナをフォークリフト等の荷物の運搬ができるものでね運搬できる場合には
吊りベルト4のない廃棄物コンテナを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は廃棄物を処分する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の工程図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の造成工程の説明図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナの埋設工程の説明図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の雨水導水基盤の設置工程の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の雨水排水管の設置工程の説明図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の積み重ね工程の説明図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態のガス抜き管の設置工程の説明図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナの説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の廃棄物コンテナを密閉した状態の説明図。
【図10】本発明を実施するための第2の形態の工程図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物コンテナの説明図。
【図12】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物コンテナの埋設工程の説明図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の廃棄物が処理された状態の断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の工程図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態の造成工程の説明図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の廃棄物が処理された状態の断面図。
【符号の説明】
【0023】
1、1A、1B:廃棄物の処理方法、
2:廃棄物埋設凹部、 3、3A:造成工程、
4:吊りベルト、 5、5A:廃棄物コンテナ、
6、6A:廃棄物コンテナの埋設工程、
7:雨水導水基盤、 8:雨水導水基盤の設置工程、
9:雨水排水管、 10:ガス抜き管、
11:雨水排水管の設置工程、 12:積み重ね工程、
13:ガス抜き管、 14:ガス抜き管の設置工程、
15:クレーン、 16:フック、
17:ベルト、 18:蓋、
19:密閉手段、 20:ポリエチレン繊維不織布、
21:ポリプロピレン繊維不織布、
22:防水シートあるいは通気防水シート、
23:蓋片、 24:遮水層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【請求項2】
廃棄物を埋設することができるように底面が平坦で、側壁が傾斜面の廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に、該埋設された廃棄物コンテナの外周部に雨水排水管を設置する雨水排水管の設置工程と、前記廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程、前記雨水排水管の設置工程および前記雨水導水基盤の設置工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程、雨水排水管の設置工程および雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程と、前記廃棄物埋設凹部内のガスを排気するため、廃棄物コンテナの外周部にガス抜き管を設置するガス抜き管の設置工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【請求項3】
廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成するとともに、該廃棄物埋設凹部に遮水層を形成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内の遮水層の上部に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【請求項1】
廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【請求項2】
廃棄物を埋設することができるように底面が平坦で、側壁が傾斜面の廃棄物埋設凹部を造成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に、該埋設された廃棄物コンテナの外周部に雨水排水管を設置する雨水排水管の設置工程と、前記廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程、前記雨水排水管の設置工程および前記雨水導水基盤の設置工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程、雨水排水管の設置工程および雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程と、前記廃棄物埋設凹部内のガスを排気するため、廃棄物コンテナの外周部にガス抜き管を設置するガス抜き管の設置工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【請求項3】
廃棄物を埋設することができるように、底面が平坦な廃棄物埋設凹部を造成するとともに、該廃棄物埋設凹部に遮水層を形成する造成工程と、この造成工程で造成された廃棄物埋設凹部内の遮水層の上部に廃棄物を収納して、密閉した防水シートあるいは通気防水シートで立方体や長方体に形成された廃棄物コンテナを並列状態で、該廃棄物埋設凹部の下部をすべて覆うように埋設する廃棄物コンテナの埋設工程と、この廃棄物コンテナの埋設工程後に埋設されたすべての廃棄物コンテナ上を覆うように、遮水シート等で雨水導水基盤を設置する雨水導水基盤の設置工程と、この雨水導水基盤の設置工程後に前記廃棄物コンテナの埋設工程と同様な廃棄物コンテナの埋設工程および、前記雨水導水基盤の設置工程と同様な雨水導水基盤の設置工程を少なくとも1回以上行なう積み重ね工程とを含むことを特徴とする廃棄物の処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−44594(P2007−44594A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229835(P2005−229835)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(592158969)西武建設株式会社 (4)
【出願人】(390039114)株式会社田中 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(592158969)西武建設株式会社 (4)
【出願人】(390039114)株式会社田中 (21)
【Fターム(参考)】
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