説明

廃棄物処理装置

【課題】使用者以外の人が触れることができる場所に、操作手段を設置した際に、使用者以外の人の誤操作やいたずらなどを抑制することができると共に、使用者が容易に操作及び視認をすることが可能となる廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】廃棄物を処理する処理槽と、廃棄物を投入するための処理槽における投入口22に、開閉自在に設けられた投入蓋21と、廃棄物を排出するための処理槽における排出口に、開閉自在に設けられた排出蓋45と、投入蓋又は前記排出蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段20と、廃棄物処理装置の動作を制御する制御手段と、制御手段に処理条件を指令する操作手段47とを有し、制御手段は、廃棄物処理装置の運転中は、操作手段による前記制御手段への指令の動作を無効なものとする一方、蓋開閉検知手段による前記投入蓋又は排出蓋の検知に基づいて前記操作手段による制御手段への指令の動作を有効なものとして制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生ごみ等の廃棄物を処理する処理槽を備えた廃棄物処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生ごみ等の廃棄物処理手段として、微生物の力を利用した廃棄物処理装置が知られている。
この廃棄物処理装置は、廃棄物を分解処理させるための微生物を含む基材が充填された処理槽を備え、該処理槽に設けられた投入蓋を開いて投入口から廃棄物を処理槽内に投入し、基材中に生息する微生物の働きで廃棄物を分解処理するようになっている。
これによると、廃棄物が上記した微生物の働きによる分解によって、水分(水蒸気)と炭酸ガスになり、排気装置により廃棄物処理装置外へ排気ガスとして排出される。
上記のような廃棄物処理装置においては、異常表示部や処理槽内の廃棄物の状態に応じて運転モードを切替える運転モード切替えスイッチが、操作性を考慮して装置の外装部等の良く見える位置に配置するか、あるいは制御部内に設けられていた。
しかし、一般的に廃棄物処理装置は、使用者以外の人が触れることができる屋外へ多く設置されることから、外装部の良く見える位置に配置する場合、つぎのような問題を有していた。
すなわち、使用者以外の人によるスイッチへの接触や、誤操作やいたずらなどにより、運転モードが切替えられてしまい、安定して廃棄物の分解が進まないという問題を有していた。
このようなことから、例えば、特許文献1のように、必要以外の時は目に触れることのない場所に運転モード切替えスイッチを設け、不測の事態を防ぐようにした廃棄物処理装置が提案されている。
この装置では、処理槽内の処理物を排出する排出口付近を覆う排出口扉を有し、排出口扉を閉鎖状態に固定するための扉留め金具が係合する扉止め金具用穴内に、異常表示部や運転モード切替えスイッチを設けるように構成されている。
このように、必要時以外は人の目に触れることのない場所に設置することで、使用者以外の人によって運転モードが切替えられることを防ぐようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−275982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例における特許文献1の廃棄物処理装置では、つぎのような課題を有している。
上記従来例のものでは、運転モード切替えスイッチが、必要時以外は目に触れない場所に設置されていることから、上記した不測の事態を防ぐことができる一方、使用者にとっては操作性や視認性が犠牲にされることとなる。
上記従来例のものでは、運転モード切替えスイッチを排出口扉の扉止め金具用穴内に設けるようにすることで、必要時以外は人の目に触れることが防がれるが、使用者が運転モード切替えスイッチ操作する際、操作や視認がしずらく、それらの妨げとなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、使用者以外の人が触れることができる場所で、且つ外装部の良く見える位置に、操作手段を設置した際においても、
使用者以外の人の誤操作やいたずらなどを抑制することができると共に、使用者が容易に操作及び視認をすることが可能となる廃棄物処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、つぎのように構成した廃棄物処理装置を提供するものである。
本発明の廃棄物処理装置は、
廃棄物を処理する処理槽と、
前記廃棄物を投入するための前記処理槽における投入口に、開閉自在に設けられた投入蓋と、
前記廃棄物を排出するための前記処理槽における排出口に、開閉自在に設けられた排出蓋と、
前記投入蓋又は前記排出蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、
前記廃棄物処理装置の動作を制御する制御手段と、
前記制御手段に処理条件を指令する操作手段とを有し、
前記制御手段は、前記廃棄物処理装置の運転中は、前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を無効なものとする一方、前記蓋開閉検知手段による前記投入蓋又は前記排出蓋の検知に基づいて前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を有効なものとして制御することが可能であることを特徴とする。
また、本発明の廃棄物処理装置は、記廃棄物処理装置の運転が停止状態であって、前記蓋開閉検知手段が前記投入蓋又は前記排出蓋の閉を検知した際、
前記制御手段は、前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を有効なものとして制御することが可能であることを特徴とする
た、本発明の廃棄物処理装置は、前記操作手段
前記制御手段に処理条件の切替えを指令する運転モード切替え手段と、
前記制御手段に前記廃棄物処理装置の運転の開始を指令するスタートスイッチとを備え、
前記スタートスイッチを入れることによって前記装置の運転が開始された際、前記運転モード切替え手段による指令の動作を無効なものとして制御することが可能であることを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用者以外の人が触れることができる場所で、且つ外装部の良く見える位置に、操作手段を設置した際においても、
使用者以外の人の誤操作やいたずらなどを抑制することができると共に、使用者が容易に操作及び視認をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態及び実施例における廃棄物処理装置の外装カバー装着時の構成を説明するための概略斜視図である。
【図2】本発明の実施例における廃棄物処理装置の構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施形態及び実施例における図2のA視からみた廃棄物処理装置の構成を説明するための概略断面図である。
【図4】本発明の実施例における廃棄物処理装置を上面からみたときの通気経路を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例における操作パネルを正面から見たときの構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施例における操作パネルとキー付き運転停止スイッチの構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態及び実施例における廃棄物処理装置の投入蓋施錠部と排出蓋施錠部の構成例を説明するための図である。
【図8】本発明の実施例における操作パネルによる制御の手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施例における制御部のブロック図の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、上記したように、廃棄物処理装置の動作を制御する制御手段と、制御手段に処理条件を指令する操作手段を有し、
前記制御手段は、前記廃棄物処理装置の運転中は、前記操作手段による前記制御手段への指令を無効なものとして制御することが可能に構成されている。
これにより、上記した本発明の課題を達成することが可能となるが、具体的には、以下の本発明の実施の形態で説明するように、例えばつぎのように構成することができる。
【0010】
図1、図3、図7を用いて、本実施の形態における廃棄物処理装置の構成を説明する図を示す。
これらの図に示されるように、本実施形態の廃棄物処理装置は、処理槽10と、廃棄物の投入口22と、投入口に開閉自在に設けられた投入蓋21と、投入蓋21を施錠する投入蓋施錠部46と、廃棄物処理装置を覆う枠体としての外装カバー8と、を備えている。
この外装カバー8には、操作手段を備えた操作パネル47が、この外装カバー8の表面に露出して設けられている。
操作パネル47に操作スイッチを設け、操作スイッチの一つのスタートスイッチ49により廃棄物処理装置の運転が可能であり、
運転モード切替え手段としての操作スイッチの運転モード切替えスイッチ50により廃棄物処理装置の運転モードの切替えが可能なように構成されている。
例えば、廃棄物処理装置の正面の右側には、制御部23を操作するための操作スイッチとして、スタートスイッチ49、運転モード切替えスイッチ50等を備えた操作パネル47が設けられている。
そして、制御部23は、これらのスタートスイッチ49や運転モード切替えスイッチ50等の操作スイッチの操作による指令を受けて、運転の開始や運転モードの切替えの制御を行うように構成されている。
そして、制御部23は、前記廃棄物処理装置の運転中は、前記操作手段による前記制御手段への指令の動作が無効となるように制御することが可能なシステムを備えている。
このような制御部23を構成するシステムには、例えば、コンピュターシステム等を用いることができる。
また、投入蓋21には投入蓋施錠部46が設けられ投入蓋の施錠が可能なように構成されている。
これにより、廃棄物処理装置の運転中は、前記操作手段による前記制御手段への指令が無効とされると共に、投入蓋21の投入蓋施錠部46を施錠することにより、施錠部の鍵を有する使用者以外の人による操作パネルの操作スイッチの操作が禁止することができる。
これにより、使用者以外の人の誤操作やいたずら等による操作を防止することが可能となる。
【0011】
本実施の形態によれば、操作手段を外装カバーの表面に露出して設け、操作性と視認性を向上させることができると共に、使用者以外の人の誤操作やいたずらによる操作を防止して、廃棄物の安定処理を実現することが可能となる。
また、操作スイッチや異常表示部を覆って、使用者以外の目に触れなくするような特別な部材を設けることなく、簡単な構成で構造の簡素化や装置の低コスト化を図ることができる。
【実施例】
【0012】
以下に、本発明の実施例における廃棄物処理装置の構成例について説明する。図1に、本実施例の廃棄物処理装置における外装カバー装着時の概略斜視図を示す。
図2に、本実施例の廃棄物処理装置における構成を示す概略斜視図を示す。
図3に、本実施例の廃棄物処理装置における図2のA視からみた廃棄物処理装置の概略断面図を示す。
図4に、本実施例における廃棄物処理装置を上面からみたときの通気経路を示す模式図を示す。
図1〜図4において、1は動力源の正逆回転する駆動モーター、2は駆動モーター1の出力軸先端に固定された小スプロケット、3は小スプロケット2とかみ合うチェーン、4はチェーン3とかみ合う大スプロケットである。
5は廃棄物を撹拌する撹拌羽根、6は撹拌羽根5を回転させる撹拌軸、7は撹拌軸6を支持する軸受けである。
【0013】
本実施例の撹拌手段は、以上の各部材によって構成されている。
8は廃棄物処理装置を覆う枠体としての外装カバー、10は外装カバー8内に設けられ廃棄物を処理するための廃棄物処理槽である。
この処理槽10は、互いに対向して設けられた一対の側壁としての処理槽の右側板14および処理槽の左側板15と、この一対の側壁間に横設された槽部10aにより構成されている。
11(11a、11b)は処理槽10を複数の槽(10b、10c、10d)に仕切るための仕切り板である。
処理槽10の下部には、処理槽10を加熱する加熱手段としての面状ヒーター9が設けられる。
12は廃棄物を分解処理させるための基材、13は廃棄物の分解処理状態を基材の含水率で検知する基材含水率検知センサーである。
16は微生物への空気の供給と分解処理で生成する水分と炭酸ガスの排気を行う排気ファン、17は処理槽10内へ外気を取り込む吸気口、18は処理槽10内で発生した炭酸ガスを排出する排気口である。
また、19は処理槽10の投入蓋21に取り付けたマグネット、20は投入蓋21に付けたマグネットを検知する投入蓋開閉検知センサー、21は投入蓋、22は廃棄物を投入する投入口である。
23は全体を制御する制御部、24は通気口、25は処理槽10内から発生する粉塵を取り除く除塵フィルタ、26(26a、26b、26c)は処理槽10内の排気口と外気を連通する排気ダクトである。
27は、処理槽10から発生する臭気を帯びた空気を触媒ヒーター27aにより加熱し、酸化触媒27bを用いて脱臭する脱臭手段としての脱臭部、28は脱臭部27の出口温度を検知する温度センサーである。
また、29は外装カバー8の左側面の上部に設けた外気取り入れ口、31は外気取り入れ口から取り入れた外気の流れを強制的に作る通気ファン、30は廃棄物処理装置を覆う枠体としての外装カバー8の一部である底板である。
32は処理槽10内に設けられた排気ダクト26aの外側に配置され処理槽10内の気体の循環通路を構成するダクト、33は処理槽10内の気体をダクト32に吸い込む気体の吸い込み口、34は処理槽10内の気体を循環する循環ファンである。
35は処理槽10で廃棄物を処理後の分解残渣を排出させる排出口、40は排出口35を開閉する排出蓋部、41は処理槽10の排出蓋40に取り付けたマグネット、42は排出蓋40に付けたマグネットを検知する排出蓋開閉検知センサーである。
43は排出口35に連通して設けられた処理物搬送ガイド、44は排出蓋40をカバーする排出蓋、45は排出蓋44をロックする施錠部である。
また、36はダクト32内を仕切る隔壁38によって区画された外気の吸気通路における処理槽10内への吸気を加熱する吸気熱交換部であり、37はダクト32内に設けられた処理槽10内を循環する気体を加熱する循環熱交換部である。また、39はダクト32内を仕切る隔壁38によって区画された外気の吸気通路へ外気を取り込む外気口である。
【0014】
つぎに、上述のように構成された廃棄物処理装置の動作等について説明する。運転中の廃棄物処理装置の投入蓋21を開けると、投入蓋21のマグネット19を検知していた投入蓋開閉検知センサー20は、投入蓋21が開かれたと判断し、撹拌中であれば駆動モーター1が停止し攪拌を中止する。
ここで、投入蓋21に取り付けたマグネット19と投入蓋開閉検知センサー20とを備える投入蓋開閉検知手段は、処理槽10に取り付けた磁気に反応する磁気センサーで構成されている。
これは、投入蓋21に突部を設け、その突部を処理槽10側に取り付けた光学センサーで検知するようにしても良い。
また、投入蓋開閉検知センサー20は、本実施例においては、非接触式の磁気検知センサーを用いているが、機械式マイクロスイッチであってもよい。
また、投入蓋開閉検知センサー20の取り付け位置は、投入蓋21側あるいは処理槽10側あるいは投入蓋21と処理槽10のどちらか一方に検知センサーを取り付け、他方に検知部材を取り付けても可能である。
処理槽10は中央に正逆回転する撹拌軸6を有し、中に廃棄物を分解処理する基材12が入っている。
上記投入口22から1槽目の処理槽10bに投入された廃棄物は撹拌羽根5を有する撹拌軸6を正逆回転させることにより、処理槽10内に充填された基材12と万遍なく撹拌混合されて分解処理が始まる。
1槽目の処理槽10bで分解処理された基材が増えてくると、基材12は処理槽10内に設けられた仕切り板11a、11bから順次オーバーフローし、2槽目の処理槽10c、3槽目の10dに移動する。
そして、3槽目の処理槽10dに処理物が蓄積されると、排出蓋40を開けて排出口35から処理物を排出して回収することができる。
【0015】
ここで、排出蓋40にはマグネット41が取り付けられており、排出蓋を開けることで、
排出蓋に取り付けられたマグネット41が排出蓋開閉検知センサー42から離れ、排出蓋開閉検知センサーが切れることで排出蓋が開けられたことを制御部23は検出できる。
排出蓋40を開けた時に撹拌モーター1が回転しているときは停止する。
処理物の排出口35からの排出は、排出スイッチ51を押すことで撹拌モーター1が回転し、撹拌羽根5が3槽目の処理槽10dの処理物を排出口35から外部へ押し出すことで排出できる。
排出蓋40に取り付けたマグネット41と、排出蓋開閉検知センサー42とを備える排出蓋開閉検知手段は、処理槽10に取り付けた磁気に反応する磁気センサーで構成されている。
これは排出蓋40に突部を設け、その突部を処理槽10側に取り付けた光学センサーで検知するようにしてもよい。
また、排出蓋開閉検知センサー42は、本実施例においては、非接触式の磁気検知センサーを用いているが、機械式マイクロスイッチであってもよい。
また、排出蓋開閉検知センサー42の取り付け位置は、排出蓋40側あるいは処理槽10側あるいは排出蓋40と処理槽10のどちらか一方に検知センサーを取り付け、他方に検知部材を取り付けても可能である。
また、廃棄物と基材の混合物の撹拌により、水分と炭酸ガスが撹拌停止時以上に発生することから、排気ファン16の排気流量を増加し、吸気口17からの空気の供給と同時に、分解で発生する水分と炭酸ガスを処理槽10の外部へと排出する。
これにより、処理槽10内の混合物が多湿気味になることが防止でき、混合物の含水率を調整することが可能となる。
また、処理槽10から発生する臭気を帯びた空気は、脱臭部27で触媒ヒータ27aにより加熱され、酸化触媒27bを用いて脱臭されて排気ダクト26を通して処理機外へ排気される。
【0016】
以上のような廃棄物処理装置において、本発明の特徴的構成を適用した本実施例における操作スイッチの制御の構成例について説明する。
本実施例では、投入蓋21には、投入口22と投入蓋21を施錠する投入蓋施錠部46が設けられている。
また、外装カバー8の正面の右側に、装置の運転操作を行う操作パネル47が設けられている。
また、操作パネル47は外装カバー8からの出っ張りをなくしたシート状の操作パネルとしている。
外装カバー8からの出っ張りをなくすことで、廃棄物処理装置の周囲を通行する際に操作パネルへの引っかかりを防止して、通行者の安全性を確保するとともに、操作パネルの破損を防止している。
【0017】
つぎに、本実施例における操作パネルの具体的構成について説明する。
図5に、本実施例における操作パネルを正面から見たときの構成例を説明する図を示す。
図6に、本実施例における操作パネルとキー付き運転停止スイッチの構成例を説明する図を示す。
図5に示されるように、操作パネル47には制御部23に制御を指令する操作スイッチと、表示部が設けられている。
本実施例では、操作スイッチは、制御部23に運転の開始を指令するスタートスイッチ49と、制御部23に運転モードの切替えを指令する運転モード切替えスイッチ50と、制御部23に処理物の排出運転を指令する排出スイッチ51を設けている。
さらに、表示部は、装置が運転中であることを報知する運転中表示灯52と、排出運転中を報知する排出中表示灯58と、装置に異常が発生した時に異常内容を表示する異常コード表示部53を設けている。
また、本実施例では運転モード切替えスイッチ50による運転モードの切替えは、自動と保湿と除湿のモードであり、それぞれのモードに切り替わったことを示す運転モード自動表示灯55、運転モード保湿表示灯56、運転モード除湿表示灯57を設けている。
【0018】
また、本実施例の運転モード切替えスイッチは、処理槽内の湿度に応じて運転状態を切替える運転モード切替えスイッチ50であるが、この他の操作スイッチにも、好適に適用することができる。
例えば、生ごみの投入重量に応じて運転状態を切替える投入重量選択スイッチや、生ごみの種類に応じて運転状態を切替える生ごみ種類選択スイッチなどへ適用しても好適である。
また、春夏秋冬の四季に応じて運転条件を選択する四季選択スイッチや、発生臭気の状態に応じて脱臭温度を切替える脱臭運転切替えスイッチなどへ適用しても好適である。
さらに、操作パネル47に複数の操作スイッチを設けた時は、全ての操作スイッチの指令を無効に制御することで、より好適である。
【0019】
つぎに、本実施例の廃棄物処理装置における操作パネルによる制御について説明する。
図8に、本実施例における操作パネルによる制御の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、運転開始(S1)はスタートスイッチ49で開始される。
そして、制御部23は、装置が運転中のとき(S2がYESのとき)は、操作スイッチの指令が無効となるように制御する(S3)。
ここでは、運転モード切替えスイッチ50の指令が無効になるように制御される。
また、運転モード切替えスイッチ50以外の操作スイッチであるスタートスイッチ49や、排出スイッチ51等についても同様に、操作が無効になるように制御される。
また、このとき使用者が投入蓋施錠部46で投入蓋21を施錠しておくことによって、使用者以外の誤操作やいたずらを防止することができることから、廃棄物を安定して処理することができる。
【0020】
一方、制御部23は、投入蓋21の開閉を検知する投入蓋開閉検知センサー20が閉を検知している間(S4がNOのとき)は装置の運転を継続しているが、 開を検知する(S4がYESのとき)と、直ちに装置の運転を停止し(S5)、運転モード切替えスイッチ50の操作を有効になるように制御する(S6)。これによって、投入蓋施錠部46を開錠する使用者は、投入蓋を開けて新たに生ごみを投入して運転モードを切替えたい時などに、運転モードの切替えを任意に行うことができる。
また、運転モード切替えスイッチ50以外の操作スイッチであるスタートスイッチ49や、排出スイッチ51等についても同様に、操作が有効になるように制御する。
また、このとき使用者が投入蓋施錠部46で投入蓋21を施錠しておくことによって、使用者以外の誤操作やいたずらを防止することができることから、廃棄物を安定して処理することができる。
【0021】
さらに、制御部23は、投入蓋開閉検知センサー20が閉を検知しても(S4がNO)、装置の運転が停止状態の時(S2がNOのとき)には、運転モード切替えスイッチ50の指令を有効になるように制御する(S6)。
これによって、使用者は必要に応じて、投入蓋をわざわざ開かなくても、装置の表面に設置された運転モード切替えスイッチによって運転モードの切替えを任意に行うことが可能となる。
また、運転モード切替えスイッチ50以外の操作スイッチ、例えば、スタートスイッチ49や、排出スイッチ51についても同様に制御する。
これによって減量処理終了後の運転停止状態の時に、処理済み物の排出を行う際に、排出スイッチ51によって処理済み物の廃棄を簡単に行うことが可能となる。
【0022】
また、操作パネル47には異常コード表示部53が設けられており、装置の異常内容を表示可能に構成されている。
異常コード表示部53は、1桁の7セグメントLEDであり、具体的な表示例としては、異常コードの内容が2桁の場合は、1桁ずつ時分割で繰り返して表示する。
また、2桁の異常コードの桁区切りはドットの表示あるいは時分割における7セグメントLEDの消灯時間を2秒間から5秒間程度に長くすることで区切りと認識することができる。
さらに、この異常コードの時分割による表示方法であれば、3桁以上の異常コードの表示も可能である。
操作パネル47に異常コード表示部53を設けることで、視認性が向上し、異常の発生を的確に発見できることから、異常を適切に処理できて好適である。
【0023】
つぎに、本実施例における操作パネルと分離して装置の主電源を遮断可能とした構成例について説明する。
図6に、本実施例における操作パネルとキー付き運転停止スイッチの構成例を説明する図を示す。
図9に、本実施例における制御部のブロック図の構成例を説明する図を示す。
図6及び図9に示されるように、本実施例においては、操作パネル47と分離して、装置の主電源を遮断するキー付き運転停止スイッチ48が設けられている。廃棄物処理装置は、装置の性質上屋外への設置が多い。このとき装置へ電源を供給するブレーカーは、屋内あるいは、屋外でも装置と分離されて設けられていることがある。
装置において異常が発生した時に緊急の処置として、電源を遮断することが望ましいが、制御部23内の盤内ブレーカー(図示せず)を遮断するには外装カバーを取り外す必要があることから、緊急処置としては不適である。
あるいは、屋内あるいは屋外の一次電源ブレーカー(図示せず)の遮断が望ましいが、廃棄物処理装置の使用者と一次電源ブレーカーの管理者とは区分されていることが多いことから、電源を供給する一次電源ブレーカーの遮断も緊急時は不適である。
そこで、操作パネル47と分離して、装置の主電源を遮断するキー付き運転停止スイッチ48を設けることで、使用者でも緊急時の主電源の遮断が可能になる。また、キー付き運転停止スイッチ48を、操作パネルから分離して設けるとともに、外装カバー8から出っ張らないように外装カバー8から一段へこませた凹部59に取り付けている。
シート状の操作パネル47にキー付き運転停止スイッチ48を設けた場合、外装カバー8からの出っ張りをなくすことは、複雑な構造になりコストアップになる。
そのため、本実施例では、操作パネル47から分離して、且つ外装カバー8から一段へこませた凹部59に設けるようにされている。これにより、簡易な構造で低コスト化を図ることが可能となる。
また、施錠可能なキー付き運転停止スイッチ48とすることで、使用者以外の人の誤操作を防止することができ、不適切な主電源の遮断を防止できることから、廃棄物を安定して処理可能となり好適である。
【0024】
つぎに、本実施例における他の構成例として、図1と図7に示されるように、排出蓋44に排出蓋施錠部45を設けた構成例について説明する。
装置の運転中に排出蓋施錠部45を開錠して排出蓋44を開くと、排出蓋開閉検知センサー42が開を検知し、制御部23は、装置の運転を停止して、操作パネル47に設けた操作スイッチの指令を有効になるように制御する。
これによって、排出蓋施錠部45を開錠する使用者は、排出スイッチ51により任意に処理済み物の廃棄をすることが可能となる。
また、運転中は排出蓋施錠部45で排出蓋44を施錠しておくことによって、使用者以外の誤操作を防止することができることから、廃棄物を安定して処理することができる。
【0025】
また、この実施例では、投入蓋21の投入蓋施錠部46は使用者が鍵を使用して施錠する方式であるが、
操作パネル47上のスタートスイッチ49を押すことで、装置が運転中になると同時に作動可能しなる構成として、例えば、電気的な電磁ソレノイド等により自動で投入蓋21が施錠する方式を適用してもよい。
また、運転中になると同時に投入蓋21を施錠する方式としては、上記の方式以外として、電気や油、空気を動力源とした回転モーターによるカム駆動およびネジ駆動でもよい。あるいは、圧縮空気によるエアシリンダを適用してもよい。
以上のように、スタートスイッチ49を押すことで、装置が運転中になると同時に自動で投入蓋21を施錠する機構を設けることで、使用者が投入蓋21の施錠を忘れることを無くすことができる。
これにより、使用者以外の人の誤操作やいたずらをより防止することができ、廃棄物を安定して処理することが可能となる。
【0026】
また、その際の開錠については、使用者が鍵を使って開けても良いし、また、操作パネルに新たに数字などの操作スイッチを設けて暗証番号を設定しても良い。
あるいは、指紋センサーによって使用者を認識して開錠するなどすれば、使用者が鍵を携帯する必要が無くなることから好適である。
さらに、排出蓋44を施錠する排出蓋施錠部45についても、投入蓋21の施錠と同一の方式で、運転中になると同時に排出蓋44を自動で施錠する機構を設けるようにしてもよい。
これにより、使用者が排出蓋44の施錠を忘れることを無くすことができるから、使用者以外の人の誤操作やいたずらをより防止することができ、廃棄物を安定して処理することが可能になる。
【符号の説明】
【0027】
8:外装カバー(枠体)
20:投入蓋開閉検知センサー
21:投入蓋
22:投入口
23:制御部
35:排出口
40:排出蓋部
42:排出蓋開閉検知センサー
44:排出蓋
45:排出蓋施錠部
46:投入蓋施錠部
47:操作パネル
48:キー付き運転停止スイッチ
49:スタートスイッチ
50:運転モード切替えスイッチ
51:排出スイッチ
52:運転中表示灯
53:異常コード表示部
54:排出点検表示灯
55:運転モード自動表示灯
56:運転モード保湿表示灯
57:運転モード除湿表示灯
58:排出中表示灯
59:凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を処理する処理槽と、
前記廃棄物を投入するための前記処理槽における投入口に、開閉自在に設けられた投入蓋と、
前記廃棄物を排出するための前記処理槽における排出口に、開閉自在に設けられた排出蓋と、
前記投入蓋又は前記排出蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、
前記廃棄物処理装置の動作を制御する制御手段と、
前記制御手段に処理条件を指令する操作手段とを有し、
前記制御手段は、前記廃棄物処理装置の運転中は、前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を無効なものとする一方、前記蓋開閉検知手段による前記投入蓋又は前記排出蓋の検知に基づいて前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を有効なものとして制御することが可能であることを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項2】
記廃棄物処理装置の運転が停止状態であって、前記蓋開閉検知手段が前記投入蓋又は前記排出蓋の閉を検知した際、
前記制御手段は、前記操作手段による前記制御手段への指令の動作を有効なものとして制御することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記操作手段、前記制御手段に処理条件の切替えを指令する運転モード切替え手段と、
前記制御手段に前記廃棄物処理装置の運転の開始を指令するスタートスイッチとを備え、
前記スタートスイッチを入れることによって前記装置の運転が開始された際、前記運転モード切替え手段による指令の動作を無効なものとして制御することが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−71308(P2012−71308A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−269762(P2011−269762)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2007−317004(P2007−317004)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】