説明

建具用ステー及び該ステーを備えた建具

【課題】簡素な構成によりコストの増大を抑制しながら耐風圧強度を向上することができる建具用ステー及び該ステーを備えた建具を提供する。
【解決手段】窓枠に取り付けられる窓枠取付材2、短アーム4、障子に取り付けられる障子取付板5及び長アーム6からなる平面四節リンク機構により構成される建具用ステー1であって、短アーム4、障子取付板5及び長アーム6が窓枠取付材2に沿うように重なった障子を閉じた状態から、短アーム4及び長アーム6が同方向へ回動し、これらの回動方向と逆方向へ障子取付板5が回動して、短アーム4及び障子取付板5が屋外方向ODへ延びた障子の全開状態で、短アーム4及び障子取付板5の前記方向への回動を規制する回動規制手段Aを、短アーム4と障子取付板5との間に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面四節リンク機構により構成される建具用ステー及び該ステーを備えた建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縦すべり出し窓及び横すべり出し窓は、屋内側から操作するオペレータ等により窓枠内に納められた障子を屋内外方向へ開閉することができるとともに、障子を約90°程度開いた全開状態とすることができる。
このようなすべり出し窓は、良好な密閉性が得られること及び屋内側から障子のガラス面の両面を拭き掃除することができること等の特長があるため、広く用いられており、縦すべり出し窓では上下一対のステーにより、横すべり出し窓では左右一対のステーにより、障子を窓枠に対して開閉可能に支持している。
【0003】
このような建具用ステーとして、例えば縦すべり出し窓を例にとって説明すると、窓枠の上下の横枠に取り付けられる窓枠取付材(フレーム取付け板、固定部材)と、一端部が窓枠取付材の一端部に枢着された短アーム(第1アーム)と、一端部が短アームの他端部に枢着され、障子の横框に取り付けられる障子取付板(サッシ取付板、窓障子取付板)と、一端部が障子取付板の長手方向の中間部に枢着され、他端部が窓枠取付材の他端部に枢着された長アーム(第2アーム)とからなる平面四節リンク機構により構成されるものがあり(例えば、特許文献1及び2参照。)、このような構成の建具用ステーは、スライダーを用いない簡素な構成であるためガタが生じにくく、障子の開閉動作を安定かつ確実に行うことができるという特長がある。
【0004】
また、このような平面四節リンク機構により構成される建具用ステーにおいて、突風が吹いた際の建具の破損を防止するために、短アームと窓枠取付材とを連結する枢軸周り(短アームの基端部周り)及び障子取付板と長アームとの間にストッパーを設けるものがある(特許文献1の突部33及び31参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3172348号公報(段落[0030]、図1)
【特許文献2】特許第3803849号公報(図1、図3、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような従来の建具用ステーにおける前記ストッパーは、上述のとおり突風が吹いた際の建具の破損防止等の一定の効果を奏するものである。
しかしながら、全開状態の障子が突風等により障子を開く方向に煽られた場合、障子に取り付けられた建具用ステーにより煽り衝撃を保持しなければならず、突風等の風圧に基づくモーメントが短アーム及び障子取付板を連結する枢軸(支点)まわりに作用する。
また、前記支点と障子取付板及び長アーム間のストッパーとの距離が短いことから、前記モーメントに基づく大きな力が障子取付板及び長アームに作用することになる。
【0007】
よって、スペースの制約から厚さをなるべく薄くする必要があるとともに長さが比較的長く、さらに干渉防止用の折曲部が形成される長アームに、過大なねじり応力が生じて塑性変形してしまう場合があり、耐風圧強度を向上するという観点から改良の余地がある。
【0008】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、簡素な構成によりコストの増大を抑制しながら耐風圧強度を向上することができる建具用ステー及び該ステーを備えた建具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る建具用ステーは、前記課題解決のために、窓枠に取り付けられる窓枠取付材と、一端部が前記窓枠取付材の一端部に枢着された短アームと、一端部が前記短アームの他端部に枢着され、障子の框に取り付けられる障子取付板と、一端部が前記障子取付板の一端部と他端部との間に枢着され、他端部が前記窓枠取付材の他端部に枢着された長アームとを備えた建具用ステーであって、前記短アーム、障子取付板及び長アームが前記窓枠取付材に沿うように重なった前記障子を閉じた状態から、前記短アーム及び長アームが同方向へ回動し、これらの回動方向と逆方向へ前記障子取付板が回動して、前記短アーム及び障子取付板が屋外方向へ延びた前記障子の全開状態で、前記短アーム及び障子取付板の前記方向への回動を規制する回動規制手段を、前記短アームと前記障子取付板との間に設けたことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、短アームと障子取付板との間に設けた回動規制手段により短アーム及び障子取付板の全開位置を超える回動が規制されることから、全開位置にある障子に対して例えば突風等により障子を開く方向へ大きな風圧が作用した際に、従来の建具用ステーのように短アーム及び障子取付板を連結する枢軸(支点)まわりにはモーメントが発生せず、窓枠取付材及び短アームを連結する短アームの基端側の枢軸まわりにモーメントが発生する。
【0011】
したがって、障子取付板と長アームとの間に、障子取付板及び長アームの全開位置を超える回動を規制する第2回動規制手段を設けた場合において、前記支点に近い第2回動規制手段を介して長アームに作用する力の大きさが、従来の建具用ステーと比較して大幅に小さくなるため、スペースの制約から厚さをなるべく薄くする必要があるとともに長さが比較的長く、さらに干渉防止用の折曲部が形成される長アームに生じるねじり応力を大幅に小さくすることができる。
【0012】
また、前記第2回動規制手段を設けない場合において、前記形状の制約等によりねじり変形しやすい長アームの側面には荷重が掛からず、長アームには軸方向力が作用するのみであるが、この軸方向力の大きさが、前記支点まわりのモーメントが発生しないことから従来の建具用ステーと比較して大幅に小さくなるため、長アームに生じる応力を大幅に小さくすることができる。
【0013】
ここで、前記回動規制手段が、前記短アーム及び障子取付板間の枢軸周りに前記短アームに形成した当止段部に、前記枢軸周りに前記障子取付板に折曲げ形成した当止片を当止するものであると好ましい。
このような構成によれば、例えばプレス成形により障子取付板に折曲げ形成した当止片を短アームの当止段部に当止させる、部品点数の増加がない簡素な構成により回動規制手段を構成できるため、コストの増大を抑制することができる。
【0014】
また、前記障子の全開状態で、前記障子取付板及び長アームの前記方向への回動を規制する第2回動規制手段を、前記障子取付板と前記長アームとの間に設け、前記第2回動規制手段が、前記障子取付板及び長アーム間の枢軸方向に突出する両側面の当止部を連結部により連結してなる略H形状の突出部により構成されると好ましい。
このような構成によれば、風圧の変動によるガタツキにより大きな衝撃力が作用する際に、この衝撃力を2つの回動規制手段により分担して短アーム及び長アームにより強固に支持することができるとともに、略H形状の突出部による補強効果により、長アームの塑性変形を抑制することができる。
【0015】
本発明に係る建具は、前記建具用ステーを備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る建具用ステー及び該ステーを備えた建具によれば、簡素な構成によりコストの増大を抑制しながら、前記形状の制約等により比較的強度が弱くなる長アームが塑性変形する風圧を大きくすることができるため、耐風圧強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る建具用ステーを縦すべり出し窓に用いた例を示す斜視図であり、障子の全開状態を示している。
【図2】障子の全開状態に相当する建具用ステーの斜視図である。
【図3】障子を閉じた状態を示す建具用ステーの正面図である。
【図4】建具用ステーの分解斜視図である。
【図5】障子を開いている途中の状態を示す建具用ステーの平面図である。
【図6】障子の全開状態に相当する建具用ステーの平面図である。
【図7】障子取付板に折曲げ形成した当止片を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、屋内側(図中ID参照。)から屋外側(図中OD参照。)へ向かう方向の前側を前、後側を後とし、左右は前方に向かっていうものとする。また、障子DRについては、障子を閉じた状態で左右をいい、建具用ステー1については、窓枠FR及び障子DRに取り付けられた状態で前方から見た図を正面図とする。
【0019】
ここで、本発明に係る建具用ステー1が使用される建具としては、例えば縦すべり出し窓、横すべり出し窓、内倒し窓及び外倒し窓等が挙げられるが、以下においては、建具の例として、縦すべり出し窓SWについて説明する。
【0020】
図1に示すように、窓枠FRは上下の横枠FU及びFL並びに左右の縦枠FS,FSにより構成され、障子DRは上下の横框DU及びDL並びに左右の縦框DS,DSにより構成され、障子DRは、水平面に対して対称に形成されている上下の建具用ステー1,1により、窓枠FRに対して開閉可能に支持される。
このような構成により、屋内側IDから行うカムラッチハンドル又は図示しないオペレータ等による操作により、建具用ステー1が図3に示す状態である障子DRを閉じた状態と建具用ステー1が図2に示す状態である障子DRの全開状態(図1参照。)との間で、障子DRを開閉することができ、図1に示す障子DRの全開状態では、障子DRのガラス面Gの両面の拭き掃除を行うことができる。
【0021】
次に、建具用ステー1の構成について説明する。前述のとおり図1に示す上下のステー1,1は水平面に対して対称であり、これらは同様の構成であるため、以下においては下ステー1の構成のみを説明する。
図1〜図4に示すように、下ステー1は、下横枠FLに取り付けられ、左右方向に長く前方(屋外側OD)に開口するコ字状開口部2Aを有する断面略コ字状の窓枠取付材2、窓枠取付材2のコ字状開口部2A内に装着されるガイド部材3、一端部4aが窓枠取付材2の一端部2a,2bに枢着された短アーム4、一端部5aが短アーム4の他端部4bに枢着され、障子DRの下横框DLに取り付けられる障子取付板5、及び、一端部6aが障子取付板5の一端部5aと他端部5eとの中間部5bに枢着され、他端部6bが窓枠取付材2の他端部2c,2dに枢着された長アーム6からなる平面四節リンク機構により構成される。
【0022】
窓枠取付材2は、例えばステンレス鋼製であり、前方に開口するコ字状開口部2Aには、例えばナイロン又はポリアセタール等の合成樹脂製であるガイド部材3が装着される。
また、窓枠取付材2の一端部(屋外側ODへ向かって見た状態における右端部)には上下方向の通孔2a,2bが形成され、ガイド部材3の一端部(右端部)には、窓枠取付材2の通孔2a,2bに対応する位置に上下方向の通孔3a,3bが形成される。
さらに、窓枠取付材2の他端部(屋外側ODへ向かって見た状態における左端部)には上下方向の通孔2c,2dが形成され、ガイド部材3の他端部(左端部)には、窓枠取付材2の通孔2c,2dに対応する位置に上下方向の通孔3c,3dが形成される。
なお、窓枠取付材2は、その左右の窓枠取付用長孔2e,2fを利用して、窓枠FRの下横枠FLに固定される。
【0023】
短アーム4は、例えばステンレス鋼製であり、その一端部の通孔4aを窓枠取付材2及びガイド部材3の通孔2a,2b,3a,3bに合わせるように、ガイド部材3の開口部3A(図3参照。)から挿入し、枢軸である段付リベット11を通孔2a,3a,4a,3b,2bに通して軸端を加締めることにより、短アーム4の一端部は窓枠取付材2の一端部に垂直軸まわりに回動可能に連結される。
【0024】
障子取付板5は、例えばステンレス鋼製であり、その一端部の通孔5aと短アーム4の他端部の通孔4bとの間に、例えばナイロン又はポリアセタール等の合成樹脂製のスペーサ(ワッシャ)7,8を介し、枢軸である段付リベット12を、スペーサ8の通孔8a、障子取付板5の一端部の通孔5a、スペーサ7の通孔7a、短アーム4の他端部の通孔4bに通して軸端を加締めることにより、障子取付板5の一端部は短アーム4の他端部に垂直軸まわりに回動可能に連結される。
なお、障子取付板5は、その長手方向の例えば3箇所に形成された障子取付用孔5c,5d,5eを利用して、障子DRの下横框DLに固定される。
【0025】
長アーム6は、例えばステンレス鋼製であり、その一端部の通孔6aと障子取付板5の一端部の通孔5a及びの他端部の障子取付孔5eの間に位置する通孔5bとの間に、例えばナイロン又はポリアセタール等の合成樹脂製のスペーサ(ワッシャ)9,10を介し、枢軸である段付リベット13を、スペーサ9の通孔9a、長アーム6の一端部の通孔6a、スペーサ10の通孔10a、障子取付板5の前記通孔5bに通して軸端を加締めることにより、長アーム6の一端部は障子取付板5の一端部と他端部との間に垂直軸まわりに回動可能に連結される。
【0026】
また、長アーム6は、その他端部の通孔6bを窓枠取付材2及びガイド部材3の通孔2c,2d,3c,3dに合わせるように、ガイド部材3の開口部3B(図3参照。)から挿入し、枢軸である段付リベット14を通孔2c,3c,6b,3d,2dに通して軸端を加締めることにより、長アーム6の他端部は窓枠取付材2の他端部に垂直軸まわりに回動可能に連結される。
【0027】
以上のような窓枠取付材2、短アーム4、障子取付板5並びに長アーム6からなる平面四節リンク機構により、図3に示す短アーム4、障子取付板5及び長アーム6が窓枠取付材2に沿うように重なった障子DRを閉じた状態と、図1及び図2に示す短アーム4及び障子取付板5が屋外方向へ延びた障子DRの全開状態との間で、障子DRの開閉動作を安定かつ確実に行うことができる。
【0028】
図2に示す障子DRの全開状態から図3に示す障子DRを閉じた状態まで、平面四節リンク機構であるステー1の短アーム4、障子取付板5及び長アーム6を回動させる際において、窓枠取付材2の上水平板には切欠部2Bが、ガイド部材3には段部3Cが形成されており、長アーム6にはその長手方向の中間部分に折曲部6Aが形成されていることから、窓枠取付材2及びガイド部材3と長アーム6とが干渉しないため、図3に示す短アーム4、障子取付板5及び長アーム6が窓枠取付材2に沿うように重なった障子DRを閉じた状態とすることができ、この状態では、障子DRは窓枠FR内に納められる。
【0029】
図3に示す障子DRを閉じた状態から障子DRを開く際には、図5に示すように短アーム4及び長アーム6が反時計回り(図中矢印CCW参照。)に回動するとともに障子取付板5が時計回り(図中矢印CW参照。)に回動し、図6に示す障子DRの全開状態まで回動した状態では短アーム4及び障子取付板5が屋外側ODへ略真っ直ぐに伸びた状態となる。
この障子DRの全開状態では、短アーム4及び障子取付板5の前記方向への回動を規制する回動規制手段Aが短アーム4と障子取付板5との間に設けられているとともに、障子取付板5及び長アーム6が前記方向へ回動することを規制する第2回動規制手段Bが障子取付板5と長アーム6との間に設けられているため、短アーム4及び長アーム6の反時計回り(図中矢印CCW参照。)の回動、並びに、障子取付板5の時計回り(図中矢印CW参照。)の回動が規制される。
【0030】
ここで、回動規制手段Aは、短アーム4にプレス成形により枢軸12周りに形成した当止段部15に、障子取付板5にプレス成形により枢軸12周りに折曲げ形成した当止片16(図7も参照。)を当止するものであり、第2回動規制手段Bは、障子取付板5にプレス成形により枢軸13周りに形成した当止段部17に長アーム6の側面にプレス成形により形成した当止部18を当止するものであることから、部品点数の増加がない簡素な構成により回動規制手段を構成できるため、コストの増大を抑制することができる。
【0031】
なお、上ステー及び下ステーにおいて、長アーム6を共用するために、長アーム6には、その一側面の当止部18とともに、他側面にも同様の当止部19が形成されているとともに、これらの当止部18,19を連結部20により連結するようにして、これらにより平面視略H形状(エ字状)の突出部を形成している。よって、このような障子取付板5及び長アーム6間の枢軸13方向に突出する突出部による補強効果により、長アーム6の塑性変形を抑制している。
【0032】
また、第2回動規制手段Bは必須のものではなく、短アーム4と障子取付板5との間に設けた回動規制手段Aのみにより、短アーム4、障子取付板5及び長アーム6の障子DRの全開位置を超える回動を規制するようにしてもよい。
ただし、回動規制手段Aとともに第2回動規制手段Bを設ける構成によれば、風圧の変動によるガタツキにより大きな衝撃力が作用する際に、この衝撃力を2つの回動規制手段A,Bにより分担して短アーム4及び長アーム6により強固に支持することができる。
【0033】
以上のような構成によれば、短アーム4と障子取付板5との間に設けた回動規制手段Aにより短アーム4及び障子取付板5の全開位置を超える回動が規制されることから、全開位置にある障子DRに対して例えば突風等により障子DRを開く方向へ大きな風圧が作用した際に、従来の建具用ステーのように短アーム4及び障子取付板5を連結する枢軸12まわりにはモーメントが発生せず、窓枠取付材2及び短アーム4を連結する短アーム4の基端側の枢軸11まわりにモーメントが発生する。
【0034】
したがって、障子取付板5と長アーム6との間に、障子取付板5及び長アーム6の全開位置を超える回動を規制する第2回動規制手段Bを設けた場合において、枢軸12に近い第2回動規制手段Bを介して長アーム6に作用する力の大きさが、従来の建具用ステーと比較して大幅に小さくなるため、スペースの制約から厚さをなるべく薄くする必要があるとともに長さが比較的長く、さらに干渉防止用の折曲部6Aが形成される長アーム6に生じるねじり応力を大幅に小さくすることができる。
【0035】
また、第2回動規制手段Bを設けない場合において、前記形状の制約等によりねじり変形しやすい長アーム6の側面には荷重が掛からず、長アーム6には軸方向力が作用するのみであるが、この軸方向力の大きさが、枢軸12まわりのモーメントが発生しないことから従来の建具用ステーと比較して大幅に小さくなるため、長アーム6に生じる応力を大幅に小さくすることができる。
よって、前記形状の制約等により比較的強度が弱くなる長アーム6が塑性変形する風圧を大きくすることができるため、耐風圧強度を向上することができる。
【符号の説明】
【0036】
A 回動規制手段
B 第2回動規制手段
DR 障子
FR 窓枠
ID 屋内側
OD 屋外側
SW 縦すべり出し窓
1 建具用ステー
2 窓枠取付材
2A 断面略コ字状開口部
2B 開口部
2a,2b 通孔(一端部)
2c,2d 通孔(他端部)
3 ガイド部材
4 短アーム
4a 通孔(一端部)
4b 通孔(他端部)
5 障子取付板
5a 通孔(一端部)
5b 通孔(中間部)
6 長アーム
6A 折曲部
6a 通孔(一端部)
6b 通孔(他端部)
11,12,13,14 段付リベット(枢軸)
15 当止段部
16 当止片
17 当止段部
18,19 当止部
20 連結部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠に取り付けられる窓枠取付材と、一端部が前記窓枠取付材の一端部に枢着された短アームと、一端部が前記短アームの他端部に枢着され、障子の框に取り付けられる障子取付板と、一端部が前記障子取付板の一端部と他端部との間に枢着され、他端部が前記窓枠取付材の他端部に枢着された長アームとを備えた建具用ステーであって、
前記短アーム、障子取付板及び長アームが前記窓枠取付材に沿うように重なった前記障子を閉じた状態から、前記短アーム及び長アームが同方向へ回動し、これらの回動方向と逆方向へ前記障子取付板が回動して、前記短アーム及び障子取付板が屋外方向へ延びた前記障子の全開状態で、前記短アーム及び障子取付板の前記方向への回動を規制する回動規制手段を、前記短アームと前記障子取付板との間に設けてなることを特徴とする建具用ステー。
【請求項2】
前記回動規制手段が、前記短アーム及び障子取付板間の枢軸周りに前記短アームに形成した当止段部に、前記枢軸周りに前記障子取付板に折曲げ形成した当止片を当止するものである請求項1記載の建具用ステー。
【請求項3】
前記障子の全開状態で、前記障子取付板及び長アームの前記方向への回動を規制する第2回動規制手段を、前記障子取付板と前記長アームとの間に設け、前記第2回動規制手段が、前記障子取付板及び長アーム間の枢軸方向に突出する両側面の当止部を連結部により連結してなる略H形状の突出部により構成される請求項1記載の建具用ステー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の建具用ステーを備えた建具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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