説明

建具

【課題】面外方向に対向した突片を有した溝に補助部品を、その突片を切欠き加工せずに取り付け、取り外しできるようにした建具とする。
【解決手段】枠体1を構成する枠材10は、面外方向に対向した突片13を有し長手方向に連続した溝14を備え、補助部品(障子外れ止め具4)は、第1部材30と第2部材40を備え、前記第1部材30は、一側面に前記一方の突片13に嵌合する凹部31を長手方向に連続して有し、他側面に突部32を有し、前記溝14の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、前記第2部材40は、他側面に前記他方の突片13に嵌合する凹部42を長手方向に連続して有し、一側面に凹陥部41を有し、前記溝14の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、前記第1部材30と第2部材40は、長手方向にスライドすることで前記突部32と凹陥部41が嵌合して一体的に連結されるようにした建具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片引き窓、引き違い窓などの枠体に障子を閉じ位置と開き位置に亘って面内方向に移動自在に取付けした建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枠体に障子を閉じ位置と開き位置に亘って面内方向に移動自在に取付けした建具においては、閉じ位置の障子を持ち上げることで枠体から外すことができ、防犯などの面から好ましくない。
そこで、枠体に障子外れ止め具を取付け、閉じ位置の障子を枠体から外すことができないようにしている。
例えば、特許文献1に開示したように、枠体の上枠に障子外れ止め具を取付け、閉じ位置の障子を持ち上げた時に障子上部が障子外れ止め具に干渉して上方への移動量を規制することで、障子を外すことができないようにしている。
【特許文献1】実開昭54−5337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した障子外れ止め具を備えた建具においては、メンテナンス等のために障子を枠体から外すことがあるので、前述の障子外れ止め具を、上枠の長手方向にスライド自在とし、障子を開き方向に移動すると共に、障子外れ止め具を障子と離れた位置にスライドして障子を持ち上げた時に障子の上部が障子外れ止め具に干渉しないようにして、障子を枠体から外すことができるようにしている。
例えば、前述した従来の建具においては、上枠に、面外方向に対向した突片を有したあり溝形状の溝を長手方向に連続して形成し、障子外れ止め具を、その両側面に凹溝を有する形状とし、その凹溝を前記溝の対向した突片にスライド自在に嵌合することで、障子外れ止め具を上枠の長手方向にスライド自在に取付けている。
【0004】
前述のようであるから、障子外れ止め具を交換等するために、上枠から取り外したり、再び取り付けしたりするには、上枠の溝の対向した突片の一部分を切欠き加工し、その切欠き部から障子外れ止め具を取り外し、取り付けしているので、その切欠き加工が面倒である。
【0005】
前述のことは障子外れ止め具に限ることはなく、風止板、クレセントストッパなどを、対向した突片を有したあり溝形状の溝にスライド自在に嵌合して取付ける場合も同様である。
すなわち、障子外れ止め具、風止板、クレセントストッパ等の補助部品を、枠体を構成する枠材の対向した突片を有したあり溝形状の溝に嵌合して取付けた場合には、その対向した突片を切欠き加工して補助部品を取り外し、取り付け自在としなければならない。
【0006】
本発明の目的は、面外方向に対向した突片を有した溝に補助部品を、その対向した突片を切欠き加工することなしに取り付け、取り外しできるようにした建具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、枠体に障子を開閉自在に取付け、その枠体の枠材に補助部品を取付けた建具であって、
前記枠材は、面外方向に対向した突片を有し長手方向に連続した溝を備え、
前記補助部品は、第1部材と第2部材を備え、
前記第1部材は、一側面に前記一方の突片に嵌合する凹部を長手方向に連続して有し、他側面に突部を有し、前記溝の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第2部材は、他側面に前記他方の突片に嵌合する凹部を長手方向に連続して有し、一側面に凹陥部を有し、前記溝の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第1部材と第2部材は、長手方向にスライドすることで前記突部と凹陥部が嵌合して一体的に連結されることを特徴とする建具である。
【0008】
本発明は次のようであっても良い。
すなわち、枠体に障子を開閉自在に取付け、その枠体の枠材に補助部品を取付けた建具であって、
前記枠材は、面外方向に対向した突片を有し長手方向に連続した溝を備え、
前記補助部品は、第1部材と第2部材を備え、
前記第1部材は、一側面に前記一方の突片と前記溝の底面との間に嵌合する摺動突片を有し、他側面に突部を有し、前記溝の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第2部材は、他側面に前記他方の突片と前記溝の底面との間に嵌合する摺動突片を有し、一側面に凹陥部を有し、前記溝の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第1部材と第2部材は、長手方向にスライドすることで前記突部と凹陥部が嵌合して一体的に連結されることを特徴とする建具である。
【0009】
本発明においては、面外方向の一側面に、長手方向に連続した凹部を有し、面外方向の他側面の長手方向一端寄りに突部、他端寄りに凹陥部を有する部材を第1部材とし、
前記部材を長手方向に反転することで第2部材とすることができる。
このようにすれば、第1部材と第2部材を同一部材とすることができるので、補助部品の製作が容易であると共に、コストを安くできる。
【0010】
本発明においては、補助部品の表側面と裏側面に貫通してビス挿通孔を形成し、このビス挿通孔にビスを螺合して溝の底面に突き当てることで各凹部を各突片に押しつけるようにできる。
このようにすれば、ビスを螺合することで補助部品を長手方向に移動しないようにしっかりと保持できるし、前記ビスを緩めることで補助部品を枠材の溝に沿って長手方向にスライドできる。
したがって、補助部品を障子外れ止め具とした場合に、通常時には障子外れ止め具を所定の位置で保持して障子を確実に外れ止めできるし、障子を外す時等には所定の他の位置までスムーズに移動できる。
【0011】
本発明においては、ビス挿通孔は大径孔と小径孔を有し、かつ第1部材の他側面と第2部材の一側面に対向して形成した半円形凹部で形成され、
ビスの螺子部が、前記小径孔の半円形凹部における開口縁部分のみを削りながら螺合するようにできる。
このようにすれば、ビスの螺子部が小径孔を削りながら螺合する際に、第1・第2部材を面外方向に離隔しようとする力が作用しないので、第1部材の他側面と第2部材の一側面が隙間なく接するようにすることが可能である。
【0012】
本発明においては、第1部材の他側面、第2部材の一側面における大径孔の半円形凹部を形成した部分が接し、
前記第1部材の他側面、第2部材の一側面における小径孔の半円形凹部を形成した部分が面外方向に離隔して小径孔を仮想長円形状とすることで、ビスの螺子部が小径孔の半円形凹部の開口縁部分を削りながら螺合するようにできる。
このようにすれば、第1部材の他側面と第2部材の一側面の表側面側部分が隙間なく接するので、その第1・第2部材(補助部品)の表側の見栄えを良くできる。
【0013】
本発明においては、面外方向の一側面の上下に、長手方向に連続した凹部をそれぞれ有し、面外方向他側面の上下に、突部と凹陥部を長手方向に連続して有する部材を第1部材とし、
この部材を長手方向及び上下方向に反転して第2部材とし、
前記第1部材の突部、凹陥部と第2部材の凹陥部、突部をそれぞれ嵌合して補助部品とすることができる。
このようにすれば、第1部材と第2部材を同一部材とすることができるので、補助部品の製作が容易であると共に、コストが安くできる。
また、補助部品を上下反転して溝に取付けできる。
【0014】
本発明においては、補助部品を前述のようにした場合には、第1部材の突部、第2部材の突部に中間小径孔を対向して有し、この中間小径孔にビスの螺合子を螺合し、
そのビスを溝の底面に突き当てることで各凹部を各突片に押しつけるようにできる。
このようにすれば、ビスの螺子部が中間小径孔に螺合することで第1部材と第2部材が面外方向に離隔しようとする力が作用しないので、第1部材の他側面と第2部材の一側面が隙間なく接することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1部材と第2部材を、対向した突片を有した溝の面外方向一側寄り、他側寄りにそれぞれ嵌合して取付け、その第1部材と第2部材を長手方向に接近してスライドすることで突部と凹陥部を嵌合することで一体的に連結することができる。
また、前述の状態から第1・第2部材を長手方向に離れる方向にスライドして突部と凹陥部を離脱すれば第1部材と第2部材が別々に分離される。
したがって、面外方向に対向した突片を有した溝に補助部品を、その対向した突片を切欠き加工せずに取り付け、取り外しできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、枠体1に障子2を開閉自在に取付けてある。例えば、閉じ位置と開き位置とに亘って面内方向に移動自在に取付けて建具としてある。
前記枠体1は上の枠材10と下の枠材11と左右の縦の縦材12,12を方形状に連結してある。
前記障子2は上框20と下框21と左右の縦框22,22を方形状に連結し、その内部にガラス23が装着してある。
この実施の形態では、図1と図2に示すように、障子2は枠体1の室外側寄りに上下の枠材10,11の長手方向に沿って移動自在に取付けてあると共に、その枠体1の室内側寄りに固定障子3が取付けられ、外動片引き窓としてある。
これに限ることはなく、内動片引き窓、引き違い窓などでも良い。
【0017】
前記枠体1の枠材には補助部品が取付けてある。
例えば、上の枠材10に障子外れ止め具4が取付けてある。
前記上の枠材10は図2に示すように、面外方向に対向した突片13を有したあり溝形状の溝14を長手方向に連続して有している。前記面外方向とは長手方向と直交する方向である。
この溝14に沿って一対の障子外れ止め具4が長手方向にスライド自在に取付けてある。
前記障子外れ止め具4が図1に点線で示す位置であると、図1に実線で示す閉じ位置の障子を持ち上げた時に障子上部と干渉して障子2を外すことができない。
前記障子2を取り外す時や取り付ける時には、障子外れ止め具4を2点鎖線で示す左右の縦材12寄りの位置とし、障子2を閉じ位置から開き方向に移動して2点鎖線で示す位置として障子2を持ち上げた時に障子上部が障子外れ止め具4と干渉しないようにする。
【0018】
前記障子外れ止め具4は図3と図4に示すように、第1部材30と第2部材40を有している。
前記第1部材30は、面外方向の一側面30a(室外側面)に凹部31を長手方向に連続して有し、面外方向の他側面30b(室内側面)には突部32を有している。
前記凹部31は上の枠材10の溝14の面外方向一方の突片13に嵌合する形状で、前記第1部材30は前記溝14の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に嵌合して取付けられる。
【0019】
前記第2部材40は、面外方向の一側面40a(室外側面)に凹陥部41を有し、面外方向の他側面40b(室内側面)に凹部42を長手方向に連続して有している。
前記凹部42は上の枠材10の溝14の面外方向他方の突片13に嵌合する形状で、前記第2部材40は前記溝14の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に嵌合して取付けられる。
【0020】
前記第1部材30の突部32と第2部材40の凹陥部41は、第1・第2部材30,41を長手方向(上の枠材10の長手方向)に移動することで嵌合する形状である。
そして、前記突部32と凹陥部41が嵌合することで第1部材30と第2部材40は一体的に連結されて障子外れ止め具4となり、前記対向した突片13を有した溝14に嵌合して取付けられる。
【0021】
このようであるから、図4に2点鎖線で示すように、上の枠材10の溝14の面外方向一側寄りに第1部材30、面外方向他側寄りに第2部材40を長手方向に離隔してそれぞれ嵌合して取付け、その第1・第2部材30,40を長手方向に接近する方向にスライドして突部32と凹陥部41を嵌合することで一体的に連結され、障子外れ止め具4を溝14に取付けできる。
【0022】
また、前述のように取付けた状態から取り外しするには、第1部材30と第2部材40を長手方向に離れる方向にスライドして突部32と凹陥部41を離脱して図4に2点鎖線で示す位置とし、第1・第2部材30,40を溝14からそれぞれ取り外しすれば良い。
【0023】
したがって、面外方向に対向した突片13に切欠き加工することなしに、障子外れ止め具4を取り付け、取り外しできる。
【0024】
図4、図5、図6に示すように、前記第1部材30は他側面30bの長手方向一端部分に突部32を有し、かつ長手方向他端部分に凹陥部33を有している。
前記第2部材40は一側面40aの長手方向一端部分に凹陥部41を有し、かつ長手方向一端部分に突部43を有している。
そして、第1部材30の突部32、凹陥部43と第2部材40の凹陥部41、突部43がそれぞれ嵌合すると共に、各突部32,43、凹陥部33,41は同一の大きさである。
要するに、第1部材30と第2部材40は同一部材で、どちらか一方の部材を長手方向に反転して取付けるようにしてある。
【0025】
このようにすれば、1つの部材を複数製作すれば良く、その製作が容易で、コスト安である。
例えば、部材を樹脂によって射出成形で製作する場合に、1つの金型を用いて製作できるので、コスト安である。
【0026】
前記障子外れ止め具4は長手方向に動かないようにしっかりと支持できるようにしてある。
例えば、図7に示すように障子外れ止め具4にビス挿通孔50を、表側面4aと裏側面4bに貫通して形成し、このビス挿通孔50にビス5を、表側面4aから回転しながら押し込んで螺合し、そのビス5を裏側面4bより突出して溝14の底面14aに突き当てることで、第1・第2部材30,40の凹部31,42を突片13に押しつけて長手方向に動かないように支持する。
【0027】
前記ビス挿通孔50は、表側面4aに開口した大径孔51と裏側面4bに開口した小径孔52を有する段付き孔で、その大径孔51、小径孔52は第1部材30の他側面30bに形成した第1半円形凹部51a,52aと第2部材40の一側面40aに形成した第2半円形凹部51b,52bとで形成される。
前記ビス5の螺子部5aは小径孔52よりも大径で、そのビス5を回転することで螺子部5aが小径孔52の内周面を螺旋状に削りながら螺合するようにしてあるが、前記第1半円形凹部52a、第2半円形凹部52bの面外方向の両側部分52a−1,52b−1には螺合せずに、長手方向両側部分(開口縁部分)52a−2,52b−2にのみ螺合するようにしてある。
【0028】
このようにすることで、ビス5の螺子部5aを第1・第2部材30,40の第1半円形凹部52aと第2半円形部52bとより成る小径部52に螺合することで、第1部材30と第2部材40を面外方向に離隔しようとする力が作用しないので、第1部材30の他側面30bと第2部材40の一側面40aを、図4に示すように、その表側に隙間が生じることなしに接することができる。
つまり、ビス5の螺子部5aが第1・第2半円形凹部52a,52bの面外方向の両側部分52a−1,52b−1に螺合すると、第1部材30と第2部材40を面外方向に離隔しようとする力が作用し、第1部材30の他側面30bと第2部材40の一側面40aとの間に隙間が生じてしまう。
【0029】
例えば、前記第1部材30の他側面30bを、表側部分30b−1よりも裏側部分30b−2が面外方向一側寄りにずれた階段形状とし、その表側部分30b−1に第1半円形凹部51aを形成し、裏側部分30b−2に第1半円形凹部52aを形成する。
前記第2部材40の一側面40aを、表側部分40a−1よりも裏側部分40a−2が面外方向他側寄りにずれた階段形状とし、その表側部分40a−1に第2半円形凹部51aを形成し、裏側部分40a−2に第2半円形部52bを形成する。
そして、第1・第2部材30,40を、表側部分30b−1,40a−1が接すると共に、裏側部分30b−2,40a−2が離隔するように溝14に取付け、大径孔51の第1・第2半円形凹部51a,51bが真円形状に連続し、小径孔52の第1・第2半円形凹部52a,52bは間隔を置いて相対向して仮想長円形状となるようにする。
【0030】
これによって、図5に仮想線で示すようにビスの螺子部5aが第1・第2半円形凹部52a,52bの開口縁部分52a−2,52b−2にのみ螺合するようになる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態を図8〜図10に基づいて説明する。
この実施の形態は、第1部材30と第2部材40が同一部材で、どちらか一方の部材を長手方向及び上下方向に反転して取付けることで障子外れ止め具4とすることができ、その障子外れ止め具4を上下反転して溝14に取付けできるようにしてある。
前記第1部材30は、面外方向の一側面30aにおける上面30c寄りと下面30d寄りに凹部31を長手方向に連続して有する。
この第1部材30は、面外方向の他側面30bにおける上面30c寄りに突部32、下面30d寄りに凹陥部33を長手方向に連続してそれぞれ有する。
前記第2部材40は、面外方向の一側面40aにおける上面40c寄りに凹陥部41、下面40d寄りに突部43を長手方向に連続してそれぞれ有する。
この第2部材40は、面外方向の他側面40bにおける上面40c寄りと下面40d寄りに凹部42を長手方向に連続して有する。
【0032】
前記第1部材30の突部32、凹陥部33と第2部材40の凹陥部41、突部43は、第1・第2部材30,40を長手方向(上の枠材10の長手方向)に移動することで嵌合し、第1・第2部材30,40を連結する形状である。
そして、第1部材30と第2部材40を前述のようにして連結すると第1部材30の他側面30bと第2部材40の一側面40aが隙間なく接する。
【0033】
前記第1部材30と第2部材40は左右点対称形であると共に、上下方向も点対称形で、この第1部材30と第2部材40は同一部材で、どちらか一方の部材を長手方向及び上下方向に反転して取付けることで障子外れ止め具4としてある。
また、障子外れ止め具4は、その面外方向の両側の上下に凹部31,42をそれぞれ有しているので、上下反転して対向した突片13を有した溝14に嵌合して取付けできる。
【0034】
前記ビス挿通孔50は、第1部材30の突部32、第2部材40の突部43に対向して形成した中間小径孔53と、この中間小径孔53と連続し、上面4bに開口した上大径孔54と、下面4aに開口した下大径孔55を有している。
前記上大径孔54は第1部材30の他側面30bの上部に形成したコ字状凹部54aと第2部材40の一側面40aの上部に形成したコ字状凹部54bで矩形状としてある。
前記下大径孔55は第1部材30の他側面30bの下部に形成したコ字状凹部55aと第2部材40の一側面40aの上部に形成したコ字状凹部55bで矩形状としてある。
【0035】
前記ビス5は、その螺子部5aを各中間小径孔53に押しつけながら回転することで内周面を螺旋状に削りながら螺合することで、溝14の底面14aに押しつけるようにしてある。
これによって、第1・第2部材30,40の凹部31,42を突片13に押しつけて長手方向に動かないように支持する。
なお、前記第1・第2部材30,40の突部32,43の中間小径孔53を形成した部分に凹陥部32a、43aを形成して薄肉とし、ビス5の頭部が突出しないようにしてある。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態を図11に基づいて説明する。
この実施の形態は、前述の第1の実施の形態における凹部31,42を設けずに摺動突片34,44のみで溝14に沿ってスライド自在に取付けたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図11に示すように、第1部材30は、その一側面30aの上部に摺動突片34を有している。
この摺動突片34は一側面30aよりも面外方向一側方に突出し、一方の突片13と溝14の底面14aとの間に長手方向にスライド自在に嵌合する形状である。
前記第1部材30の他側面30bは突部32を有し、その他側面30bの形状は前述の第1の実施の形態と同様である。
【0037】
第2部材40は、その他側面40bの上部に摺動突片44を有している。
この摺動突片44は他側面40bよりも面外方向他側方に突出し、他方の突片13と溝14の底面14aとの間に長手方向にスライド自在に嵌合する形状である。
前記第2部材40の一側面40aは凹陥部41を有し、その一側面40aの形状は前述の第1の実施の形態と同様である。
【0038】
このようであるから、第1・第2部材30,40を第1の実施の形態と同様にして一対の突片13を有した溝14に、その突片13を切欠き加工することなしに、障子外れ止め具4を取り付け、取り外しできる。
また、第1部材30と第2部材40は同一部材で、どちらか一方の部材を長手方向に反転して取付けできる。
【0039】
次に、本発明の第4の実施の形態を図12に基づいて説明する。
この実施の形態は、前述の第2の実施の形態における上下の凹部31,42を設けずに摺動突片34,44のみで溝14に沿ってスライド自在に取付けたことが第2の実施の形態と相違し、他の構成は第2の実施の形態と同様である。
図12に示すように、第1部材30は、その一側面30aの上部と下部に摺動突片34をそれぞれ有している。
この各摺動突片34は一側面30aよりも面外方向一側方に突出し、一方の突片13と溝14の底面14aとの間に長手方向にスライド自在に嵌合する形状である。
前記第1部材30の他側面30bは突部32と凹陥部33を有し、その他側面30bの形状は前述の第2の実施の形態と同様である。
【0040】
第2部材40は、その他側面40bの上部と下部に摺動突片44をそれぞれ有している。
この各摺動突片44は他側面40bよりも面外方向他側方に突出し、他方の突片13と溝14の底面14aとの間に長手方向にスライド自在に嵌合する形状である。
前記第2部材40の一側面40aは凹陥部41を有し、その一側面40aの形状は前述の第2の実施の形態と同様である。
【0041】
このようであるから、第1・第2部材30,40を第2の実施の形態と同様にして一対の突片13を有した溝14に、その突片13を切欠き加工することなしに、障子外れ止め具4を取り付け、取り外しできる。
また、第1部材30と第2部材40は同一部材で、どちらか一方の部材を長手方向及び上下方向に反転して取付けできる。
【0042】
前記障子外れ止め具4を長手方向に動かないようにしっかりと支持できるようにするには、前述の構成に限ることはない。
例えば、突部32をクサビ形状とし、その突部32と凹陥部41が螺合することで、第1部材30と第2部材40が面外方向に離れようとする力が作用し、各凹部31,42の底面が突片13に押しつけられることで、長手方向に動かないようにしっかりと支持するようにしても良い。
【0043】
以上の説明では、補助部品を障子外れ止め具としたが、図1に2点鎖線で示すように風止板6、クレセントストッパ7とすることもできる。
例えば、風止板6の場合には図13に示すように、第1部材50を一側取付片51とヒレ片52を有し、その面外方向一側面に凹部53、他側面に凹陥部54を有する形状とする。
第2部材55を他側取付片56の面外方向一側面に突部57を有し、他側面に凹部58を有する形状とする。
そして、第1部材50を、その凹部53を凹溝14の一方の突片13に嵌合して取付けると共に、第2部材55を、その凹部58を凹溝14の他方の突片13に嵌合して取付け、両者を長手方向にスライドして凹陥部53と突部57を嵌合して第1部材50と第2部材55を連結する。
【0044】
また、クレセントストッパ7の場合には図14に示すように、第1部材70の面外方向一側面に凹部71、他側面に突部72をそれぞれ形成し、第2部材73の面外方向一側面に凹陥部74、他側面に凹部75をそれぞれ形成する。
そして、第1部材70と第2部材71を前述のように溝14に取付け、長手方向にスライドして突部72と凹陥部74を嵌合して連結する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示す建具の概略外観図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す建具の詳細縦断面図である。
【図3】図2における障子外れ止め具の取付部分の拡大図である。
【図4】図3の底面図である。
【図5】障子外れ止め具の拡大底面図である。
【図6】障子外れ止め具の分解斜視図である。
【図7】障子外れ止め具をビスで保持している部分の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す障子外れ止め具の取付部分の断面図である。
【図9】障子外れ具の連結状態の斜視図である。
【図10】障子外れ具の分解斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す障子外れ止め具の取付部分の断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示す障子外れ止め具の取付部分の断面図である。
【図13】風止板の斜視図である。
【図14】クレセントストッパの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1…枠体、2…障子、4…障子外れ止め具(補助部品)、4…ビス、5a…螺子部、10…上の枠材、13…突片、14…溝、30…第1部材、30a…一側面、30b…他側面、31…凹部、32…突部、33…凹陥部、34…摺動突片、40…第2部材、40a…一側面、40b…他側面、41…凹陥部、42…突部、43…突部、44…摺動突片、50…ビス挿通孔、51…大径孔、51a…第1半円形凹部、51b…第2半円形凹部、52…小径孔、52a…第1半円形凹部、52b…第2半円形凹部、53…中間小径孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に障子を開閉自在に取付け、その枠体の枠材に補助部品を取付けた建具であって、
前記枠材は、面外方向に対向した突片を有し長手方向に連続した溝を備え、
前記補助部品は、第1部材と第2部材を備え、
前記第1部材は、一側面に前記一方の突片に嵌合する凹部を長手方向に連続して有し、他側面に突部を有し、前記溝の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第2部材は、他側面に前記他方の突片に嵌合する凹部を長手方向に連続して有し、一側面に凹陥部を有し、前記溝の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第1部材と第2部材は、長手方向にスライドすることで前記突部と凹陥部が嵌合して一体的に連結されることを特徴とする建具。
【請求項2】
面外方向の一側面に、長手方向に連続した凹部を有し、面外方向他の側面の長手方向一端寄りに突部、他端寄りに凹陥部を有する部材を第1部材とし、
前記部材を長手方向に反転することで第2部材とした請求項1記載の建具。
【請求項3】
補助部品の表側面と裏側面に貫通してビス挿通孔を形成し、このビス挿通孔にビスを螺合して溝の底面に突き当てることで各凹部を各突片に押しつけるようにした請求項1又は2記載の建具。
【請求項4】
ビス挿通孔は大径孔と小径孔を有し、かつ第1部材の他側面と第2部材の一側面に対向して形成した半円形凹部で形成され、
ビスの螺子部が、前記小径孔の半円形凹部における開口縁部分のみを削りながら螺合するようにした請求項3記載の建具。
【請求項5】
第1部材の他側面、第2部材の一側面における大径孔の半円形凹部を形成した部分が接し、
前記第1部材の他側面、第2部材の一側面における小径孔の半円形凹部を形成した部分が面外方向に離隔して小径孔を仮想長円形状とすることで、ビスの螺子部が小径孔の半円形凹部の開口縁部分を削りながら螺合するようにした請求項4記載の建具。
【請求項6】
面外方向の一側面の上下に、長手方向に連続した凹部をそれぞれ有し、面外方向他側面の上下に、突部と凹陥部を長手方向に連続して有する部材を第1部材とし、
この部材を長手方向及び上下方向に反転して第2部材とし、
前記第1部材の突部、凹陥部と第2部材の凹陥部、突部をそれぞれ嵌合して補助部品とした請求項1記載の建具。
【請求項7】
第1部材の突部、第2部材の突部に中間小径孔を対向して有し、この中間小径孔にビスの螺合子を螺合し、
そのビスを溝の底面に突き当てることで各凹部を各突片に押しつけるようにした請求項6記載の建具。
【請求項8】
枠体に障子を開閉自在に取付け、その枠体の枠材に補助部品を取付けた建具であって、
前記枠材は、面外方向に対向した突片を有し長手方向に連続した溝を備え、
前記補助部品は、第1部材と第2部材を備え、
前記第1部材は、一側面に前記一方の突片と前記溝の底面との間に嵌合する摺動突片を有し、他側面に突部を有し、前記溝の面外方向一側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第2部材は、他側面に前記他方の突片と前記溝の底面との間に嵌合する摺動突片を有し、一側面に凹陥部を有し、前記溝の面外方向他側寄りに長手方向にスライド自在に取付けられる形状で、
前記第1部材と第2部材は、長手方向にスライドすることで前記突部と凹陥部が嵌合して一体的に連結されることを特徴とする建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−196186(P2008−196186A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31693(P2007−31693)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】