説明

建具

【課題】気密材装着用のポケットを有する溝を止水手段で確実に止水し、縦溝に浸入した雨水を横溝に流れるようにした建具とする。
【解決手段】縦材1の縦溝4と横材2の横溝5が四周連続した枠体1と、前記枠体1に、その縦溝4、横溝5に亘って挿入して取付けた面材6を有し、前記縦溝4と横溝5の一方を止水手段7で止水して縦溝4に浸入した雨水を横溝5に流すようにした建具において、前記止水手段7は、前記溝内に嵌め込んで取付ける本体21に突起22を設けたバックアップ材20と、前記溝の内面の気密材装着用のポケット10に塗布したシール材30と、前記バックアップ材20の上面に塗布した主シール材40を有し、前記バックアップ材20の突起22がポケット10内に塗布したシール材30を押し拡げてポケット10内に隙間なく充満してポケット10部分を確実に止水できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォール、サッシ、障子などの枠体内に面材を装着した建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦材と横材を連結して枠体とし、その縦材の面材装着用の縦溝と横材の面材装着用の横溝とに亘って面材を装着した建具においては、その縦溝、横溝に雨水が浸入することがあるので、その縦溝、横溝に浸入した雨水の排水処理が必要となる。
前述した縦溝、横溝に浸入した雨水を横溝から排水するようにした建具が提案されている。
例えば、特許文献1に開示したように、縦材の縦溝内にバックアップ材を埋め込み、そのバックアップ材の上部にシーリング材を塗布して縦溝を塞ぐことで止水し、縦溝に浸入した雨水が前述のシール部分から横材の横溝に流れるようにし、横材の排水孔から排水するようにした建具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−2626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の建具においては、縦材を、その縦溝の内面に気密材装着用のポケットを有する形状とし、そのポケットに気密材を装着して面材の表面と縦溝の内面との間をシールすることがある。
このような建具において、前述のように、縦材の縦溝にバックアップ材を埋め込み、そのバックアップ材の上面にシーリング材を塗布することで、縦溝を塞ぐようにした場合、前記ポケット内にシーリング材が塗布されにくいから、そのポケット部分の止水が不十分で、縦溝に浸入した雨水の一部がポケット部分から流れ落ちることがある。
つまり、前記ポケットは、底面側の空洞部と表面側の開口部を有し、その開口部の幅が空洞部の幅よりも小さい形状、いわゆる、あり溝形状であるので、開口部からシーリング材を空洞部に注入した際に、そのシーリング材が空洞部の隅々まで塗布しにくいから、ポケット内にシーリング材が塗布されにくい。
【0005】
本発明の目的は、面材装着用の溝の内面に気密材装着用のポケットを有する場合でも、その溝を確実に止水して縦溝に浸入した雨水を横溝に流れるようにした建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、面材装着用の縦溝を有した縦材と面材装着用の横溝を有した横材を、その縦溝と横溝が四周連続するように連結した枠体に、面材を、前記四周連続した縦溝と横溝に挿入して取付け、前記縦溝又は横溝の内面に、気密材取付用のポケットを有し、このポケットに取付けた気密材を前記面材の表面に接してシールし、前記ポケットを有した溝を止水手段で閉塞することで、縦溝に浸入した雨水が横溝に流れるようにした建具であって、前記止水手段は、前記溝内に嵌め込んで取付けたバックアップ材と、前記ポケットのバックアップ材と対向した部分に塗布したシール材と、前記バックアップ材の上面と前記溝の内面とに亘って塗布した主シール材を備え、前記バックアップ材は、前記溝の内面に接する本体と、この本体に設けられた突起とを有し、前記本体を前記溝内に嵌め込むときに、当該本体または前記突起のうちの少なくとも一方が弾性変形し、かつ本体を溝内に取付けたときには弾性復元して前記ポケット内に突起が入り込むことを特徴とする建具である。
【0007】
本発明においては、前記バックアップ材の突起を、弾性変形可能な発泡樹脂で成形することができる。
このようにすれば、突起が弾性復元してポケット内に入り込む際に、多くのシール材を押し拡げてポケット内により隙間なく充満することができる。
【0008】
本発明においては、前記バックアップ材の本体は、前記突起よりも硬質の樹脂部分または金属部分を有し、縦材と横材との間をシールするシート状シール材を当該硬質の樹脂部分または金属部分で支持することができる。
このようにすれば、バックアップ材の本体でシート状シール材を支持できるから、止水手段部分において縦材と横材との間の止水性を向上できる。
【0009】
本発明においては、前記バックアップ材を、前記溝の内面に接し、かつ前記突起を有した弾性変形可能な発泡樹脂より成る内側部材と、この内側部材の上下面を挟むように嵌合して取付けられ、かつ前記内側部材よりも硬質の樹脂または金属より成る外側部材で構成し、前記外側部材でシート状シール材を支持するようにできる。
このようにすれば、内側部材が弾性変形可能な発泡樹脂であるから、バックアップ材を溝内に嵌め込むときに、突起とともに内側部材も弾性変形するのでバックアップ材を溝内に嵌め込みし易い。
また、シート状シール材を支持する硬質の樹脂部分または金属部分を、外側部分で構成でき、バックアップ材の構成を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バックアップ材の突起によってポケットに塗布したシール材を押し拡げることができるため、ポケット部分の止水性を向上することができる。
したがって、面材装着用の溝の内面に気密材装着用のポケットを有する場合でも、その溝を止水して縦溝に浸入した雨水を横溝に流れるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を示す建具の概略外観図である。
【図2】図1のA−A詳細断面図である。
【図3】図1のB−B拡大詳細断面図である。
【図4】縦材と横材の連結部の斜視図である。
【図5】縦材と横材の連結部の分解斜視図である。
【図6】縦材を閉塞して止水する動作説明図である。
【図7】バックアップ材の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】バックアップ材の正面図である。
【図9】縦溝にバックアップ材を取付けた状態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、左右の縦材1と上下の横材2を連結して枠体3としてある。
前記縦材1は面内方向の内側に開口し、長手方向に連続した面材装着用の縦溝4を有し、横材2は面内方向の内側に開口し、長手方向に連続した面材装着用の横溝5を有している。
前記縦溝4と横溝5は四周連続し、その四周連続した縦溝4、横溝5に面材6の四周縁部を挿入し、シール材でシールして装着してある。
前記縦溝4と横溝5の一方が止水手段7で閉塞され、縦溝4に浸入した雨水が横溝5に流れるようにしてある。
例えば、縦溝4における横溝5の底面5aよりも下方部分が止水手段7で閉塞してある。
前記横溝5に流れた雨水は、横材2に形成した排水部8から排水される。
【0013】
前記縦溝4は図2に示すように、縦材1の面内方向の内側面1aと連続した面内方向に向かう第1の側面4aと、この第1の側面4aの面内方向外側端と連続した面外方向に向かう底面4bと、この底面4bの面外方向の一端と前記内側面1aに連続した面内方向に向かう第2の側面4cで、前記縦材1の面内方向の内側面1aに開口した断面ほぼコ字形状で、前記第1の側面4aに気密材取付用のポケット10(つまり、面外方向の一方側に開口したあり溝形状の凹部)を長手方向に連続して有する。前記第1の側面4aと底面4bと第2の側面4cとによって、縦溝4の内面を構成している。
【0014】
前記ポケット10に気密材11を装着し、その気密材11を面材6の一方の表面6a(例えば、室内側面)に接してシールとしている。
前記縦溝4の第2の側面4cと面材6の他方の表面6b(例えば、室外側面)との間をシール材12でシールしている。
【0015】
前記止水手段7は、図3、図4に示すように、前記縦溝4内に嵌め込んで取付けたバックアップ材20と、前記ポケット10におけるバックアップ材20と対向した部分に塗布したシール材30と、前記バックアップ材20の上部に塗布した主シール材40を有している。
前記バックアップ材20は、縦溝4内に嵌まり合う本体21と、この本体21に設けた突起22を有している。
前記本体21は、面外方向に向かう第1の端面部21aと、この第1の端面部21aの面外方向の他方側端と連続した面内方向に向かう第1の側面部21bと、この第1の側面部21bの面内方向の内側端と連続した面外方向に向かう第2の端面部21cと、この第2の端面部21cの面外方向の一方側端と第1の端面部21aの面外方向の一方側端を連続する面内方向に向かう第2の側面部21dと、上面部21e、下面部を有したブロック形状である。つまり、第1の端面部21aと第2の端面部21cが面内方向に対向し、第1の側面部21bと第2の側面部21dが面外方向に対向し、上面部21eと下面部が上下方向に対向している。
【0016】
前記突起22は、本体21の第1の側面部21bに、その第1の側面部21bよりも面外方向の他方側に向けて突出している。
前記突起22は弾性変形可能で、この突起22の面内方向の寸法は、前記ポケット10の開口部10aの面内方向の寸法よりも小さく、その突起22の突出寸法(面外方向の寸法)は、前記ポケット10の深さよりも小さく、この突起22はポケット10の開口部10aからポケット10の奥部10bまで挿入するようにしてある。
【0017】
前記バックアップ材20を縦溝4内に嵌め込んで取付けると、その本体21の第1の端面部21a、第1の側面部21b、第2の側面部21dが、縦溝4の底面4b、第1の側面4a、第2の側面4cに接すると共に、本体21の第2の端面部21cが縦材1の面内方向の内側面1aと面一に連続する。
前記突起22はポケット10内に塗布されたシール材30内に埋め込まれるようにしてポケット10内に挿入し、あらかじめ塗布されたシール材30をポケット10内に押し拡げ、シール材30がポケット10内に隙間なく充満した状態を維持して止水性を向上させる。
【0018】
前記主シール材40はバックアップ材20の上面部21eに、縦溝4の底面4b、第1・第2の側面4a,4cに接するように所定の厚さで塗布され、縦溝4の横溝5の底面5aと同じ高さに位置する部分を閉塞すると共に、止水する。
このとき、主シール材40はポケット10内にも塗布されるが、前述したようにポケット10内に主シール材40を隙間なく塗布することは困難であり、ポケット10の主シール材40による止水が不十分な場合がある。
【0019】
前述のように、ポケット10の主シール材40による止水が不十分であっても、そのポケット10の主シール材40が塗布された部分の下方が、前述したようにシール材30によって止水されているので、縦溝4の止水性を向上し、その縦溝4内に浸入した雨水を横溝5に全量流すことができる。
前記横材2は、図4に示すように、横材本体2bに押縁2cを取付けて横溝5を有する形状としてある。
【0020】
次に、縦溝4を止水手段7で止水する動作を説明する。
図5、図6(a)に示すように、縦溝4のポケット10における止水部分にシール材30を塗布する。
このシール部材30は接着性を有する半液状(ゲル状)で、縦向きのポケット10の一部分に塗布しても流れ落ちることがないが、図6(a)に示すように、シール材30とポケット10との間に隙間がある。
【0021】
図6(b)に示すように、縦溝4にバックアップ材20を押し込むことで、突起22が縦溝4の第1の側面4aに接して弾性変形して第1の側面4aに沿って移動する。このとき、本体21の突起22と連続した部分が弾性変形する。
そして、突起22がポケット10まで押し込まれると突起22が弾性復元して図6(c)に示すように、突起22がシール材30内に埋め込まれるようにしてポケット10内に入り込んで、シール材30を押し拡げてポケット10内に隙間なく充満する。
【0022】
この後に、図6(d)に示すように、バックアップ材20の上面21eに主シール材40を、縦溝4の底面4b、第1・第2の側面4a,4cに接するように所定の厚さで塗布することで、縦溝4を閉塞して止水する。
【0023】
前記バックアップ材20について詳細に説明する。
図3と図5に示すように、縦材1と横材2は、縦材1の面内方向の内側面1aに、横材2aの長手方向の端面2aをシート状シール材(シーラー)50を介在して押しつけて連結し、その内側面1aと端面2aとの間に雨水が浸入しないようにしている。
このようであるから、バックアップ材20によってシート状シール材50を支持することで、止水手段7と横材2の長手方向の端面2aとの間にシールすることが好ましい。
【0024】
そこで、バックアップ材20の本体21を突起22よりも硬質な樹脂または金属としてシート状シール材50を支持できるようにすると共に、第2の端面部21cを縦枠の面内方向の内側面1aと面一に連続し、突起22を弾性変形し易いように軟質とする。
例えば、突起22を弾性変形可能な発泡樹脂と、本体21を突起22よりも硬質な樹脂として2色成形によってバックアップ材20を作製する。
これによって、シート状シール材50が縦枠1の面内方向の内側面1aとバックアップ材20の本体21の第2の端面21cとに亘って均一に接触し、横材2の連結によるシート状シール材50の押しつけを、本体21を介在して縦溝4の底面4bで支持することができる。
尚、本体21と突起22を両方とも弾性変形可能な発泡樹脂として1色成形によってバックアップ材20を作製しても構わない。
また、突起22の根本部分(本体21と連結する部分)を弾性変形可能な樹脂(例えば発泡樹脂)とすると共に、突起22の根本部分よりも先端側を根本よりも硬質な樹脂または金属としても良い。
また、本体21を弾性変形可能な発泡樹脂とし、突起22を本体21よりも硬質な樹脂または金属としても良い。例えば、本体21を弾性変形可能な発泡樹脂とし、突起22を本体21よりも硬質な樹脂として、2色成形によってバックアップ材20を作製しても構わない。
また、本体21における突起22側の部分(突起22と隣接する部分)を弾性変形可能な樹脂(例えば発泡樹脂)とすると共に、本体21におけるその他の部分を当該突起22側の部分よりも硬質な樹脂または金属としても良い。
つまり、バックアップ材20は、本体21を縦溝4内に嵌め込むときに、本体21または突起22のうちの少なくとも一方が弾性変形する部分を有し、本体21を縦溝4内に取付けたときにはその弾性変形した部分が弾性復元し、弾性復元した際にポケット10内に突起22が入り込む構成であれば良い。
【0025】
前記バックアップ材20の第2の実施の形態を説明する。
図7と図8に示すように、バックアップ材20を、突起22を有した内側部材23と、この内側部材23の上下面を挟むように嵌め合して取付けた外側部材24で形成し、その内側部材23を弾性変形可能な発泡樹脂、例えば弾性変形可能なスポンジとし、外側部材24を内側部材よりも硬質の樹脂または金属、例えばアルミとする。
【0026】
そして図9に示すように、内側部材23を縦溝4の底面4b、第1・第2の側面4a,4cに接すると共に、突起22をポケット10内に入れてシール材30を押し拡げてシール材30をポケット10内に隙間なく充満する。
前記外側部材24の面内方向の第1の端面部24aを縦溝4の第1・第2の側面4a,4cの段差部4dに当接して面内方向の力を支持し、面内方向の第2の端面部24bを縦材1の面内方向の内側面1aと面一に連続する。
尚、前記外側部材24の面内方向の第1の端面部24aを縦溝4の底面4b側に更に突出させ、この突出した部分を縦溝4の底面4bに当接して面内方向の力を支持してもよい。
【0027】
具体的には、内側部材23を前述した本体21と同様に第1の端面部23a、第1の側面部23b、第2の端面部23c、第2の側面部23d、上面部23e、下面部を有するブロック形状とし、その第1の側面部23bに突起22を一体に設ける。
前記外側部材24は上面板25と連結板26と下面板27でコ字形状とし、その上面板25と下面板27との間に内側部材23の上下面を挟むように嵌め込んで取付け、内側部材23の第1の端面部23a、第1・第2の側面部23b,23dを平面視で外側部材24の外部に露出する。
そして、上面板25、下面板27を縦溝4の第1・第2の側面4a,4cの段差部4dに当接し、連結板26を縦材1の面内方向の内側面1aと面一とする。
また、前述の第2の実施形態では、内側部材23を弾性変形可能な発泡樹脂として作製したが、これに限ることはない。
例えば、内側部材23の突起22のみを弾性変形可能な樹脂(例えば発泡樹脂)とすると共に、内側部材23のその他の部分(または突起22と隣接する部分のみ)を突起22よりも硬質な樹脂として2色成形で内側部材2を作製しても良い。
また、突起22の根本部分を弾性変形可能な樹脂(例えば発泡樹脂)とすると共に、突起22の根本部分よりも先端側を根本部分よりも硬質な樹脂(または金属)としても良い。
つまり、内側部材23は、内側部材23を縦溝4内に嵌め込むときに、突起22を有した内側部材23の少なくとも一部分が弾性変形する部分を有し、内側部材23を縦溝4内に取付けたときにはその弾性変形した部分が弾性復元し、弾性復元した際にポケット10内に突起22が入り込む構成であれば良い。
【0028】
前述の実施の形態では、縦溝4の第1の側面4aにのみポケット10を形成したが、第1の側面4aと第2の側面4bにポケット10をそれぞれ形成しても良い。その場合は、突起22をバックアップ材20の第2の側面部21d,23dにも設ければよい。
また、前述の実施形態では、縦材1と上下の横材2とを所謂縦勝ちとなるように連結して枠体3を構成したが、これに限ることなく、縦材1と上下の横材2とを所謂横勝ちとなるように連結して枠体3を構成しても良く、その際、横溝5の側面にポケット10を形成し、横材2の長手方向端面部分の横溝5(縦溝4の底面と対向した部分)を止水手段7で閉塞して止水するようにしても良い。
尚、突起22をポケット10内に入れてシール材30を押し拡げてシール材30をポケット10内に隙間なく充満するとしたが、これはポケット10内に塗布されたシール材30がその塗布された状態から突起22の面積分(体積分)だけ押し拡げられることで、シール材30とポケット10との間に当初存在していた隙間の殆どを塞ぐ(または完全に塞ぐ)状態にすることをいう。従って、ポケット10内を完全に(100%)隙間無く充満する状態だけでなく、前述した状態のことも含まれる。 また、前述の実施の形態では、突起22を弾性変形可能な発泡樹脂としたが、縦溝4に対してバックアップ材20を押し込む際、突起22が圧縮されながら弾性変形し、突起22がポケット10と対向する位置までバックアップ材20が押し込まれると、圧縮されていた突起22が膨らみながら弾性復元することで、ポケット10内に塗布されたシール材30をより広く押し拡げることができる。これにより、シール材30とポケット10との間に当初存在していた隙間の殆どを塞ぐことが可能となる。
尚、突起22は発泡樹脂に限らず、他の弾性変形可能な未発泡樹脂であってもかまわない。
また、前記外側部材24の面内方向の第1の端面部24aを縦溝4の第1・第2の側面4a,4cの段差部4d(または縦溝4の底面4b)に当接させたが、これにより、縦溝4に対してバックアップ材20の押し込む際の押し込み方向の位置規制ができるため、バックアップ材20を縦溝4に押し込んで嵌めた際に、ポケット10と突起22がちょうど対向するように位置規制できる。更に、バックアップ材20の本体の第2の端面部21cまたは外側部材24の連結板26を、縦枠の面内方向の内側面1aと面一となるように位置させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1…縦枠、1a…面内方向の内側面、2…横材、2a…長手方向の端面、3…枠体、4…縦溝、4a…第1の側面、4b…底面、4c…第2の側面、5…横溝、5a…底面、6…面材、7…止水手段、10…ポケット、11…気密材、20…バックアップ材、21…本体、22…突起、23…内側部材、24…外側部材、30…シール材、40…主シール材、50…シート状シール材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面材装着用の縦溝を有した縦材と面材装着用の横溝を有した横材を、その縦溝と横溝が四周連続するように連結した枠体に、面材を、前記四周連続した縦溝と横溝に挿入して取付け、
前記縦溝又は横溝の内面に、気密材取付用のポケットを有し、このポケットに取付けた気密材を前記面材の表面に接してシールし、
前記ポケットを有した溝を止水手段で閉塞することで、縦溝に浸入した雨水が横溝に流れるようにした建具であって、
前記止水手段は、前記溝内に嵌め込んで取付けたバックアップ材と、前記ポケットのバックアップ材と対向した部分に塗布したシール材と、前記バックアップ材の上面と前記溝の内面とに亘って塗布した主シール材を備え、
前記バックアップ材は、前記溝の内面に接する本体と、この本体に設けられた突起とを有し、
前記本体を前記溝内に嵌め込むときに、当該本体または前記突起のうちの少なくとも一方が弾性変形し、かつ本体を溝内に取付けたときには弾性復元して前記ポケット内に突起が入り込むことを特徴とする建具。
【請求項2】
前記バックアップ材の突起を、弾性変形可能な発泡樹脂で成形した請求項1記載の建具。
【請求項3】
前記バックアップ材の本体は、前記突起よりも硬質の樹脂部分または金属部分を有し、縦材と横材との間をシールするシート状シール材を当該硬質の樹脂部分または金属部分で支持した請求項2記載の建具。
【請求項4】
前記バックアップ材を、前記溝の内面に接し、かつ前記突起を有した弾性変形可能な発泡樹脂より成る内側部材と、この内側部材の上下面を挟むように嵌合して取付けられ、かつ前記内側部材よりも硬質の樹脂または金属より成る外側部材で構成し、
前記外側部材でシート状シール材を支持するようにした請求項3記載の建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−216074(P2010−216074A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60382(P2009−60382)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】