説明

建物の増築方法及び増築部を備えた建物

【課題】増築の工事期間が短く、取りこわした外壁部分の補修が簡単である増築部を備えた建物とする。
【解決手段】外壁部分1に形成した増築用開口部3と連続して増築ユニット10を取付けて増築部とし、この増築用開口部3を、左右一対の既設の柱4と既設の土台5と上横材6で囲まれた内側開口部7及び外壁材8に形成した外側開口部9で形成し、前記外側開口部9の左右寸法を左右の柱4間の寸法よりも大きくして外壁材8の残存した左右の縦開口縁部を柱4の室外側面4aで支持したままの状態とし、前記増築ユニット10の左右の側面部12に設けた縦押え部15で外壁材8の縦内面9aを覆って室外から見えないようにし、前記増築ユニット10の上面部14に設けた上横押え部16で外壁材8の上横内面8aを覆って室外から見えないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設建物の一部を増築したする方法及び増築部を備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人が居住する建物においては、その既設建物の一部を増築して広くすることが行われている。
例えは、洗面台、トイレ、浴室などの小さな床面積の居室は、奥行きが短く、使い勝手が悪いので、増築して奥行きを長くすることがある。
従来の増築工事としては、居室の外壁部分を取りこわし、増築部の基礎、土台、軸組み等を設置し、新築と同様の設置工事を行うのが一般的である。
【0003】
このように、既設建物の居室を増築する際に、新築と同様の基礎、土台、軸組み等の設置工事を行うと工事期間が長くなり、工事対象の居室を長い期間に亘って使用できない、工事中、外壁が完成するまで防犯性が悪くなるとの欠点がある。
【0004】
既設建物の寝室、応接室などの床面積が大きい居室の奥行きを長くする増築の場合には、その増築部の床面積が大きいので、強度等の面から前述のように新築と同様の設置工事を行うことに意味があるが、前述したように洗面台、トイレ、浴室などの床面積が小さい居室の奥行きを長くする増築の場合には、その増築部の床面積が小さく(例えば1m以下)、前述のように新築と同様の設置工事を行うことに意味がないことがある。
【0005】
このようなことから、床面積が小さい居室の増築の場合には、特許文献1に開示されたユニット体を既設建物の外壁面に取付ける技術を応用して、増築の工事期間を短くすることが考えられる。
【0006】
【特許文献1】特公平5−39230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に開示された技術は、既設サッシを取付ける建物開口があらかじめ形成されており、この建物開口の周囲の外壁面にユニット体を固着して取付けているので、この技術を、居室の外壁部分にを取りこわして開口部を形成する増築に適用した場合には、その外壁部分の取りこわし、ユニット体の取付け位置、取りこわした外壁部分の補修の仕方などが問題となる。
【0008】
本発明の目的は、増築の工事期間が短く、取りこわした外壁部分の補修が簡単である建物の増築方法及び増築部を備えた建物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、既設建物の外壁部分に、左右一対の既設の柱と、既設の土台と、その左右一対の柱間に横架連結した上横材で囲まれた内側開口部及び外壁材に形成した外側開口部を有し、その外壁材の残存した左右の縦開口縁部が前記柱の室外側面で支持された増築用開口部を、居室と対向して形成し、
前面部と左右の側面部と下面部と上面部で後面が開口した箱形状の増築ユニットをあらかじめ製作し、
前記増築ユニットの左右の側面部を前記左右の柱の室外側面に取付け、下面部を前記土台の室外側面に取付け、上面部を前記上横材の室外側面に取付けることで、増築用開口部と連続して増築ユニットを取付けて前記居室を増築し、
前記左右の側面部に設けた縦押え部が前記外壁材の左右縦開口縁の室外側面に接して外側開口部の縦内面が室外から見えないように覆い、
前記上面部に設けた上横押え部が前記外壁材の上横開口縁の室外側面に接して外側開口部の上横内面が室外から見えないように覆うようにしたことを特徴とする建物の増築方法である。
【0010】
本発明は、既設建物の外壁部分に、居室と対向した増築用開口部が形成され、この増築用開口部と連続して増築ユニットを取付けて前記居室を増築した増築部を備えた建物であって、
前記増築用開口部は、左右一対の既設の柱と、既設の土台と、その左右一対の柱間に横架連結した上横材で囲まれた内側開口部及び外壁材に形成した外側開口部を有し、
前記外側開口部の左右寸法が前記左右一対の既設の柱間の寸法よりも大きく、前記外壁材の左右の縦開口縁部が前記左右一対の既設の柱の室外側面に支持され、
前記増築ユニットは、前面部と左右の側面部と下面部と上面部で後面が開口した箱形状で、その左右の側面部が前記左右の柱の室外側面に取付けられ、下面部が前記土台の室外側面に取付けられ、上面部が前記上横材の室外側面に取付けてあり、
前記左右の側面部に設けた縦押え部が前記外壁材の左右縦開口縁の室外側面に接して外側開口部の縦内面が室外から見えないように覆い、
前記上面部に設けた上横押え部が前記外壁材の上横開口縁の室外側面に接して外側開口部の上横内面が室外から見えないように覆うことを特徴とする増築部を備えた建物である。
【0011】
本発明の増築部を備えた建物においては、内側開口部を形成したことで外壁部分が強度不足となる場合には、内側開口部に補強枠を取付けて補強することになるが、この補強材は上枠材と下枠材と左右の縦枠材で方形枠状で、前記上枠材は、上横材の室外側面に固着される上向取付片と上横材の内側面に固着される内向取付片を有し、
前記下枠材は、土台の室外側面に固着される下向取付片と土台の内側面に固着される内向取付片を有し、
前記縦枠材は、柱の室外側面に固着される外向取付片と柱の内側面に固着される内向取付片を有するものとすることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、内側開口部を補強枠で強固に補強できるし、柱の内側面、土台の内側面、上横材の内側面から内方に張り出す取付片の厚さを小さくできるから、内側開口部の大きさが補強枠で小さくなることが低減する。
【0013】
前述のように補強材を設けた場合には、その下枠材は、土台の室外側面よりも室外側に突出した突出横片を有し、この突出横片に下面部が載置して固着され、
縦枠材は、柱の室外側面よりも室内側に突出した突出横片を有し、この突出横片と側面部が固着してあることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、補強枠を利用して増築ユニットを強固に取付けできる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,2に係る発明によれば、既設建物の外壁部分を取りこわして増築用開口部を形成し、その後に、あらかじめ組み立てした増築ユニットを取付けることで増築できるので、その増築の工事期間が短い。
また、外壁材の残存した左右の縦開口縁部が既設の左右の柱の室外側面で支持されているので、外壁材を取りこわして外側開口部を形成した後に、その左右の縦開口縁部を補強する必要がないし、その外壁材の縦内面、上横内面が縦押え部、上横押え部で覆われて室外から見えないので、その縦内面、上横内面を見栄え良く補修する必要がなく、これらが相俟って取りこわした外壁部分の補修が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1と図2に示すように、既設建物の外壁部分1における増築する居室2と対向した部分は、取りこわしされて増築用開口部3が形成されている。
この増築用開口部3は、左右一対の既設の柱4,4と、既設の土台5と、既設の柱4,4間に横架連結した上横材6で囲まれた内側開口部7と、外壁材8に形成した外側開口部9を有している。前記上横材6は既設の窓台などがあれば、それを利用できるが、新しい上横材6を柱4間に横架して取付けても良い。前記外壁部分1とは既設の柱4、土台5等の躯体部分と、外壁材8と内装材を含むもので、この説明では内装材が省略してある。
前記外側開口部9は左右の縦内面9a,9aと上横内面9bで下向きコ字状で、その縦内面9aは前記左右の既設の柱4の室外側面4aと対向し、かつ既設の土台5の室外側面5aまで連続し、前記上横内面9bは上横材6の室外側面6aと対向している。つまり、外側開口部9の左右寸法は左右の既設の柱の内側面4b間の寸法よりも大きく、外側面4c間の寸法よりも小さい。
【0017】
前述のように、外壁材8の外側開口部9の左右の縦内面9a,9aが柱4の室外側面4aと対向しているのでその外壁材8の縦開口縁部分は柱4の室外側面4aで支持されたままであるから、外壁材8の取付け強度が低下しない。
つまり、外壁材8は既設の柱4の室外側面4aで支持するように取付けてあるので、その外壁材8を柱4の室外側面4aと対向した部分で取りこわしすることで、残存した外壁材8の縦開口縁部は柱4の室外側面4aで支持されたままであるから、その外壁材8の残存した縦開口縁部を補強する必要がない。
なお、外壁材8を取りこわしするにはカッター、またはグラインダー等を用いて切断することが好ましい。
【0018】
前記増築用開口部3と連続して増築ユニット10が取付けてある。
すなわち、前記内側開口部7を形成する左右一対の既設の柱4の室外側面4aと、既設の土台5の室外側面5aと、上横材6の室外側面6aに亘って増築ユニット10が取付けてある。
この増築ユニット10は、前面部11と左右の側面部12と下面部13と上面部14で後面が開口した箱形状で、この増築ユニット10の内部と前述の居室2が連続して奥行きを長くして増築部としている。
前記左右の側面部12の外側面間の寸法(増築ユニット10の左右寸法)は前記外側開口部9の左右寸法よりも小さい。この左右の側面部12には外壁材8の縦開口縁部に沿った縦押え部15が設けてあり、その縦押え部15が外壁材8の室外側面8aにおける縦開口縁部に接し、外壁材8の縦内面9aが室外から見えないように覆っている。
前記上面部14には外壁材8の上横開口縁部に沿った上横押え部16が設けてあり、この上横押え部16が外壁材8の室外側面8aにおける上横開口縁部に接し、外壁材8の上横内面9bが室外から見えないように覆っている。
この実施の形態では、縦押え部15、上横押え部16と外壁材8の室外側面8aとの間にシール材17が設けてある。
【0019】
このようであるから、既設建物の外壁部分1に増築用開口部3を形成し、あらかじめ工場等で組み立てた増築ユニット10を取付けることで増築できるから、増築の工事期間が短い。
また、増築ユニット10の左右の側面部12に設けた縦押え部15で外壁材8の縁内面9aを覆って、その縦内面9aが室外から見えないようにしていると共に、増築ユニット10の上面部14に設けた上横押え部16で外壁材8の上横内面9bを覆って、その上横内面9bが室外から見えないようにしているので、外壁材8の外側開口部9の内面を補修する必要がなく、外壁部分1の補修が簡単である。
【0020】
前記既設建物の増築以前に左右の柱4間に管柱、間柱や筋かいがあり、その管柱、間柱や筋かいを切断して除去して内側開口部7を形成した場合には、その内側開口部7の強度が低下する。
このために、図1と図2に示すように内側開口部7に補強枠20を取付けて補強する。
前記補強枠20は、上枠材21と下枠材22と左右の縦枠材23で方形枠形状である。
前記上枠材21は、上横材6の室外側面6aに固着される上向取付片21aと内側面6bに固着される内向取付片21bと室外側面6aよりも室外側に突出した突出横片21cで断面逆T字状の長尺材である。
前記下枠材22は、既設の土台5の室外側面5aに固着される下向取付片22aと内側面5bに固着される内向取付片22bと室外側面5aよりも室外側に突出した突出横片22cで断面クランク状の長尺材である。
前記縦枠材23は、既設の柱4の室外側面4aに固着される外向取付片23aと内側面4bに固着される内向取付片23bと室外側面4aよりも室外側に突出した突出横片23cで断面横向T字状の長尺材である。
【0021】
このように、補強枠20は上横材6、土台5、柱4の室外側面、内側面にそれぞれ固着される取付片を有するから、強固に補強できる。
また、上横材6、土台5、柱4の内側面から張り出す寸法が小さく、内側開口部7の大きさが補強枠20で小さくなることが低減するので、その内側開口部7を有効に大きく使用できる。
【0022】
また、下枠材22の突出横片22cに増築ユニット10の下面部13を載置して固着することで、増築ユニット10を強固に取付けできる。
また、縦枠材23の突出横片23cに増築ユニット10の側面部12を固着することで、増築ユニット10を強固に取付けできる。
前記上面部14は前面部11の上部と側面部12の上部と上横材6の室内側面6aに固着具18で固着して取付けてある。
【0023】
なお、上枠材21、下枠材22、縦枠材23は突出横片21c,22c,23を備えていない断面鉤形状の長尺材であっても前述と同様に内側開口部7を補強できると共に、開口の大きさが小さくなることを低減できる。
【0024】
次に、補強材20の具体形状を説明する。
図1と図2に示すように、上枠材21、下枠材22、縦枠材23は断面鉤形状の第1形材30と断面鉤形状の第2形材40を溶接して固着してある。
前記上枠材21は図3と図4に示すように、第1形材30の一側片31と第2形材40の一側片41を溶接して断面逆T字状とし、その第1形材30の一側片31と第2形材40の一側片41で上向取付片21aとし、第1形材30の他側片32と第2形材40の他側片42を水平向きとして横向取付片21b、突出横片21cとしてある。
前記下枠材22は図3と図5に示すように第1形材30の一側片31と第2形材40の一側片41を溶接して断面クランク状とし、その一側片31,41で下向取付片22aとし、第1形材30の他側片32を内向取付片22bとし、第1形材40の他側片42を突出横片22cとしている。
前記縦枠材23は図3、図4、図5に示すように第1形材30の一側片31と第2形材40の一側片41を溶接して断面横向T字状とし、その一側片31,41で横向取付片23aとし、第1形材30の他側片32を内向取付片23bとし、第2形材40の他側片42を突出横片23cとしている。
【0025】
このようであるから、同一断面形状の第1形材30、第2形材40を用いて上枠材21、下枠材22、縦枠材23を形成できる。
【0026】
前記上枠材21と縦枠材23は上部コーナー部材50で連結され、下枠材22と縦枠材23は下部コーナー部材60で連結される。
前記上部コーナー部材50は、図4に示すように前記第1形材30の一側片31の長手方向中間部を90度のV字状に切断し、その切断部31aを境として90度に折り曲げた第1部材51と、前記第2形材40の一側片41の長手方向中間部を90度のV字状に切断し、その切断部41aを境として90度に折り曲げた第2部材52を有する。この第1部材51は第2部材52よりも長尺である。
そして、第1部材51の一側片31と第2部材52の一側片41を溶接して固着し、前記切断部31aにプレート53を溶接して固着してある。
【0027】
前記上枠材21の第2形材40を第1形材30よりも長尺とし、その第2形材40の第1形材30よりも突出した部分の一側片41を第1部材51の第2部材52よりも突出した部分の一側片31に接してボルト又は溶接で固着する。
前記縦枠材23の第2形材40が第1形材30よりも長手方向に突出し、その第2形材40の突出した部分の一側片41を第1部材51の突出した部分の一側片31に接してボルト又は溶接で固着する。
【0028】
前記下部コーナー部材60は、図5に示すように前記第1形材30を所定の長さに切断した横向きの第1形材30と縦向きの第1形材30を備えた第1部材61と、前記第2形材40を所定の長さに切断した横向きの第2形材40と縦向きの第2形材40を備えた第2部材62を有する。
前記横向きの第1形材30の他側片32に縦向きの第1形材30の端面を接して溶接で固着することで鉤形状の第1部材61としてある。
前記縦向きの第2形材40の一側片41を前記横向きの第1形材30の一側片31と縦向きの第1形材30の一側片31に亘って接して溶接で固着し、この縦向きの第2形材40の他側片42の横向きの第1形材30と対向する部分を切断して除去して増築ユニット10の下面部13を取付ける際に邪魔にならないようにする。
前記横向きの第2形材40の一側片41を横向きの第1形材30の一側片31に接して溶接で固着する。
【0029】
そして、前記縦枠材23の第1形材30よりも下方に突出した第2形材40の一側片41を、縦向きの第2形材40よりも上方に突出した縦向きの第1形材30の一側片31に接してボルト又は溶接で固着する。
前記下枠材23の第1形材30よりも突出した第2形材40の一側片41を、横向きの第2形材40よりも突出した横向きの第1形材30の一側片31に接してボルト又は溶接で固着する。
【0030】
このようであるから、複雑な断面形状の上枠材21、下枠材22、縦枠材23を上部コーナー部材50、下部コーナー部材60を用いて強固で、簡単に連結できる。
また、上枠材21、下枠材22、縦枠材23と上部コーナー部材50、下部コーナー部材60を同一の第1形材30と同一の第2形材40を用いて作製できる。
【0031】
前記補強枠20の上枠材21、下枠材22、縦枠材23は上横材6、土台5、柱4に木ねじで固着して固定されており、この木ねじでは第1形材30と第2形材40を上横材6、土台5、柱4に共締めしても良い。
例えば、上枠材21、下枠材22、縦枠材23と各コーナー部材を別々として上枠材21、下枠材22、縦枠材23にそれぞれ取付け、各枠材の第2形材40の一側片41とコーナー部材の第1形30の一側片31を重ね合わせて木ねじで上横材6、土台5、柱4に共締めする。
【0032】
次に、前記増築ユニット10の具体形状を説明する。
前記前面部11、側面部12、下面部13は一対の表面板11a,12a,13aの間に断熱材11b,12b,13bを設けたパネルで、前面部11と側面部12は装飾用プレート11c,12cを有している。
前記上面部14は採光部を有する。例えば、アルミ形材を方形状に枠組みした枠体14aにガラス14bを装着したトップライトと呼ばれるサッシ窓である。
前記側面部12の外側の表面板12aにおける開口端縁に沿ってアルミ押出形材を取付けて前述の縦押え部15としてある。
【0033】
前記内側開口部7に補強枠20を取付けない場合、又は補強枠20の各枠材が突出横片を有しない場合には、増築ユニット10の側面部12、下面部13を柱4の室外側面4a、土台5の室外側面5aにブラケット(例えば、前述の第2形材40と同一断面形状のブラケット)を介して固着して取付けることができる。なお、上面部14は上横材6の室外側面6aに前述と同様に固着して取付ける。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態を示す増築部分の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す増築部分の横断面図である。
【図3】補強枠の斜視図である。
【図4】上部コーナー部材と上枠材と縦枠材の分解した状態の斜視図である。
【図5】下部コーナー部材と下枠材と縦枠材の分解した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1…外壁部分、2…居室、3…増築用開口部、4…既設の柱、5…既設の土台、6…上横材、、7…内側開口部、8…外壁材、9…外側開口部、10…増築ユニット、11…前面部、12…側面部、13…下面部、14…上面部、15…縦押え部、16…上横押え部、20…補強枠、21…上枠材、22…下枠材、23…縦枠材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設建物の外壁部分に、左右一対の既設の柱と、既設の土台と、その左右一対の柱間に横架連結した上横材で囲まれた内側開口部及び外壁材に形成した外側開口部を有し、その外壁材の残存した左右の縦開口縁部が前記柱の室外側面で支持された増築用開口部を、居室と対向して形成し、
前面部と左右の側面部と下面部と上面部で後面が開口した箱形状の増築ユニットをあらかじめ製作し、
前記増築ユニットの左右の側面部を前記左右の柱の室外側面に取付け、下面部を前記土台の室外側面に取付け、上面部を前記上横材の室外側面に取付けることで、増築用開口部と連続して増築ユニットを取付けて前記居室を増築し、
前記左右の側面部に設けた縦押え部が前記外壁材の左右縦開口縁の室外側面に接して外側開口部の縦内面が室外から見えないように覆い、
前記上面部に設けた上横押え部が前記外壁材の上横開口縁の室外側面に接して外側開口部の上横内面が室外から見えないように覆うようにしたことを特徴とする建物の増築方法。
【請求項2】
既設建物の外壁部分に、居室と対向した増築用開口部が形成され、この増築用開口部と連続して増築ユニットを取付けて前記居室を増築した増築部を備えた建物であって、
前記増築用開口部は、左右一対の既設の柱と、既設の土台と、その左右一対の柱間に横架連結した上横材で囲まれた内側開口部及び外壁材に形成した外側開口部を有し、
前記外側開口部の左右寸法が前記左右一対の既設の柱間の寸法よりも大きく、前記外壁材の左右の縦開口縁部が前記左右一対の既設の柱の室外側面に支持され、
前記増築ユニットは、前面部と左右の側面部と下面部と上面部で後面が開口した箱形状で、その左右の側面部が前記左右の柱の室外側面に取付けられ、下面部が前記土台の室外側面に取付けられ、上面部が前記上横材の室外側面に取付けてあり、
前記左右の側面部に設けた縦押え部が前記外壁材の左右縦開口縁の室外側面に接して外側開口部の縦内面が室外から見えないように覆い、
前記上面部に設けた上横押え部が前記外壁材の上横開口縁の室外側面に接して外側開口部の上横内面が室外から見えないように覆うことを特徴とする増築部を備えた建物。
【請求項3】
内側開口部に補強枠を取付けて補強し、
この補強材は上枠材と下枠材と左右の縦枠材で方形枠状で、
前記上枠材は、上横材の室外側面に固着される上向取付片と上横材の内側面に固着される内向取付片を有し、
前記下枠材は、土台の室外側面に固着される下向取付片と土台の内側面に固着される内向取付片を有し、
前記縦枠材は、柱の室外側面に固着される外向取付片と柱の内側面に固着される内向取付片を有する請求項2記載の増築部を備えた建物。
【請求項4】
下枠材は、土台の室外側面よりも室外側に突出した突出横片を有し、この突出横片に下面部が載置して固着され、
縦枠材は、柱の室外側面よりも室内側に突出した突出横片を有し、この突出横片と側面部が固着してある請求項3記載の増築部を備えた建物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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