建物の清掃システム
【課題】大きな塵を取り除くことが可能で、メンテナンスも容易におこなうことができる建物の清掃システムを提供する。
【解決手段】屋内1aの塵埃を取り除くための住宅1の清掃システムである。
そして、床12に形成された開口12aに上端が接続される函体部2と、床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに函体部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部3と、函体部に収容されて床の上から取り外し可能な集塵籠部22と、床下空間1bに設置されて函体部に接続される排気ファン部4と、排気ファン部から送り出された排気を屋外1cに排出するための排気経路部5とを備えている。
【解決手段】屋内1aの塵埃を取り除くための住宅1の清掃システムである。
そして、床12に形成された開口12aに上端が接続される函体部2と、床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに函体部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部3と、函体部に収容されて床の上から取り外し可能な集塵籠部22と、床下空間1bに設置されて函体部に接続される排気ファン部4と、排気ファン部から送り出された排気を屋外1cに排出するための排気経路部5とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の塵埃を取り除くのに適した建物の清掃システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内の壁際にグレーチングなどで蓋がされた溝を設けておき、壁際に自然に集まる埃や、ほうき等で掃き集められた塵埃を落とし、溝に落ちた塵埃を気流やセントラルクリーナで回収する集塵装置が知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、セントラルクリーナとしては、特許文献3に、掃除機のホース延長管を差し込む差込み口が壁に設けられた一般的な構成が開示されている。このホース延長管の途中には集塵袋が取り付けられており、掃除機のヘッドから吸込まれた塵埃はその集塵袋に集められる。さらに、特許文献4には、24時間換気ステムによって、臭いや細かい埃を取り除くことができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−152623号公報
【特許文献2】実開昭58−109444号公報
【特許文献3】特開平5−23267号公報
【特許文献4】特開2007−101077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のセントラルクリーナを使用するタイプでは、真空吸引がおこなわれるため動作音が大きく、夜中などの騒音が出しにくいときには使えず、思い立ったときに掃除をすることができない。
【0006】
また、24時間換気などで自動的に埃を吸い取るタイプは、屋内に発生する音は静かであるが、大きな塵などを取り除くことができない。さらに、溝に落ちた大きな塵は、気流や傾斜を利用して集めようとしても、途中で留まって上手く集められない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、大きな塵を取り除くことが可能で、メンテナンスも容易におこなうことができる建物の清掃システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の建物の清掃システムは、屋内の塵埃を取り除くための建物の清掃システムであって、床に形成された開口に上端が接続され床下空間に配置される集塵部と、前記床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに前記集塵部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部と、前記集塵部の内空を仕切るフィルター部と、床上から前記集塵部に向けての気流を生成する気流形成部と、前記集塵部から送り出された排気を前記床下空間又は屋外に排出するための排気経路部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記気流形成部は、床下空間に設置される排気ファン部とすることができる。また、前記集塵部は、箱状の函体部と、その函体部に収容されて前記床の上から取り外し可能な集塵籠部とを有する構成とすることができる。
【0010】
さらに、前記函体部の下部に前記排気ファン部との接続部が設けられており、その接続部よりも上方の高さで前記函体部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部が設けられ、前記集塵籠部は前記上部空間に収容される構成であってもよい。
【0011】
また、前記排気ファン部と接続させるために前記函体部に設けられる接続部は、前記函体部に穿孔された貫通穴に挿通される継手管部と、前記函体部の内空側に配置される前記継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とを有する構成にすることができる。
【0012】
一方、前記気流形成部は、前記集塵部の上方に上下方向に延伸された内空を有しており、前記気流形成部の上部には、空気の流入口が設けられるとともに、前記蓋部に隣接する前記気流形成部の仕切壁には前記床の上面まで切り欠かれた取込口が設けられ、その取込口は開閉自在の扉部で覆われている構成にすることができる。また、前記気流形成部の内空には、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置が設けられているのが好ましい。
【0013】
また、前記集塵部は、前記床の開口側が広い漏斗状に形成された漏斗部であって、前記フィルター部は前記漏斗部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るように配置される構成とすることができる。
【0014】
ここで、前記漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成することができる。また、前記管路の略U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けた構成であってもよい。
【0015】
さらに、前記フィルター部の上に前記漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けることができる。また、前記制御ファンと前記フィルター部との間に箱状の集塵箱部を介在させてもよい。
【0016】
また、前記屋内の壁の上部には、屋外に連通する給気口が設けられている構成であってもよい。さらに、前記排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を備えている構成であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
このように構成された本発明の建物の清掃システムは、床に形成された開口に上端が接続されて床下空間に配置される集塵部と、集塵部に向けての気流を生成する気流形成部とを備えている。
【0018】
このため、集塵部にモップやほうきで落とすことで大きな塵を取り除くことができる。また、床の上から集塵部に集められた塵埃を取り除くことができるので、メンテナンスも容易である。
【0019】
さらに、排気ファン部を床下空間に設置することで、床上の屋内に発生する騒音を小さく抑えることができるうえに排気も屋内に発生しない。また、取り外し可能な集塵籠部を有する構成であれば、集塵籠部に集められた塵埃を捨てることが容易にできる。
【0020】
また、集塵籠部を収容する函体部の上部と、排気ファン部との接続部が設けられる函体部の下部とをフィルター部で仕切ることによって、細かい埃が排気ファン部に流れ込むことを防ぐことができる。
【0021】
さらに、排気ファン部と接続させるために函体部に設けられる接続部を、継手管部と、函体部の内空側に配置される継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とによって構成することで、排気ファン部との連結ダクトを抜く際に継手管部が函体部から外れたり、損傷したりするのを防ぐことができる。
【0022】
また、集塵部の上方に気流形成部を設け、開閉自在の扉部で屋内から開口に繋がる取込口を塞いでおけば、塵埃を効率よく集塵部に集めることができる。さらに、気流形成部の内空に気流生成装置を設けることによって、より確実に蓋部の下の集塵部に塵埃を集めることができる。
【0023】
また、フィルター部によって内空が仕切られた漏斗部にモップやほうきで集められた塵埃を投入する構成であれば、漏斗部に落ちた塵埃は遠心力で内周面に沿って滑り落ち、フィルター部の縁部周辺に堆積するので、排気ファン部に向けての中央の空気の流れが堆積した塵埃によって遮断されることがなく、換気性能を維持することができる。
【0024】
さらに、漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成すれば、フィルター部を通過した埃などが排気ファン部にまで流れ込むのを抑えることができる。また、U字状の底に水を溜めることで、排気中の埃などを吸着させることができる。そして、U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けておけば、埃や埃が混じった水をメンテナンス栓から抜き出すことで容易に管路の維持管理をおこなうことができる。
【0025】
また、漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けることで、漏斗部に落ちた塵埃を所望する箇所に集めることができる。さらに、制御ファンによって塵埃が集められる箇所に箱状の集塵箱部を設けておけば、フィルター部に堆積したり、フィルター部を通過したりする塵埃の量が減って、換気性能を維持できるとともに、排気ファン部にまで埃などが流れ込むのを抑えることができる。
【0026】
また、屋内の壁の上部に給気口を設けることで、屋内全体に跨った上から下への空気の流れを形成することができ、迅速に屋内の空気を入れ替えて臭いや埃を除去することができる。
【0027】
さらに、排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を設けることで、掃除するときには風力を強め、掃除をしていないときには換気が行える程度の風力に弱めるというように、切り替えをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図2】函体部及び集塵籠部の構成を説明する斜視図である。
【図3】フィルター部の構成を説明する斜視図であって、(a)は分解図、(b)は完成図である。
【図4】別の形態のフィルター部の構成を説明する図であって、(a)は挟込み式、(b)は挿込み式、(c)はピン固定式のフィルター部の斜視図である。
【図5】建物の清掃システムの使用方法を説明する斜視図である。
【図6】実施例1の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図7】実施例2の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図8】漏斗部及び蓋部の構成を説明する斜視図である。
【図9】実施例2の別の形態を説明する断面図である。
【図10】実施例3の漏斗部及び制御ファンの構成を説明する断面図である。
【図11】制御ファンによって制御される気流を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の建物としての住宅1の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【0030】
この住宅1は、基礎部13の上に構築されており、屋内1aの床12の下には床下空間1bが形成される。また、屋内1aと屋外1cとは、住宅1の壁11によって仕切られている。
【0031】
そして、本実施の形態の住宅1の清掃システムは、床面に形成された開口12aに上端が接続され床下空間1bに配置される集塵部としての函体部2と、その函体部2の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部3と、函体部2に収容されて床12の上から取り外し可能な集塵籠部22と、床下空間1bに設置されて函体部2に接続される気流形成部としての排気ファン部4と、排気ファン部4から送り出された排気を屋外1cに排出するための排気経路部5とを主に備えている。
【0032】
この函体部2は、図2に示すように、上面が開放された直方体状の箱に成形され、函体部2の上縁に沿って床12に引っ掛けるための庇部2a,2aが設けられている。
【0033】
この函体部2の平面形状は、床12に形成される開口12aとほぼ同じ長方形である。例えば、縦40cm×横7cm×深さ25cmの箱状の函体部2の長辺側の上縁に沿って幅1cmの庇部2a,2aを設けた構成とすることができる。
【0034】
また、函体部2の内空は、集塵籠部22を収容する上部空間と、後述する排気ファン部4との接続部23を設ける下部空間とに分けることができる。上部空間と下部空間との境界付近の内壁面には、複数のL金具24,・・・が間隔を置いて取り付けられる。そして、L金具24,・・・の上にパネル状に形成されたフィルター部21が設置される。
【0035】
このフィルター部21は、いずれの形態であってもよいが、例えば図3に示すような構成にすることができる。このフィルター部21は、長方形に成形されたフィルター21aと、フィルター21aの外周縁を支持させる枠体21bと、フィルター21aの枠体21bへの固定手段となる把持部21cとから主に構成される。
【0036】
フィルター21aには、例えば合成樹脂を原料とする不織布が使用できる。また、枠体21bは、長方形の外周を縁取るように成形されており、必要に応じて枠体21bの内空側にフィルター21aを下方から支持させる棒材(図示せず)が架け渡される。
【0037】
把持部21cの両端には切欠が設けられ、図3(b)に示すように切欠の上部を枠体21bに引っ掛けた状態で切欠間の下部を内空側に嵌め込める構成となっている。このため、図3(a)に示すように枠体21bの内縁の鍔上にフィルター21aを置き、その上から把持部21cを枠体21bに嵌めると、図3(b)に示すようにフィルター21aが固定されることになる。また、把持部21cは、床12の上からフィルター部21を外す際の把手にもなる。
【0038】
また、図4に示すような別の形態のフィルター部25,26,27にすることもできる。図4(a)に示したフィルター部25は、長方形状の下枠25bと、同じく長方形状の上枠25cとの間にフィルター25aを挟む構成となっている。この下枠25bと上枠25cとは、短辺側の縁部どうしが蝶番で開閉自在に連結されており、上枠25cを開くことによってフィルター25aを交換することができる。
【0039】
一方、図4(b)に示したフィルター部26は、長方形のシートの挿し込みが可能に形成された枠部26bに、シート状のフィルター26aを挿し込むことによって構成される。この枠部26bには、床12の上からフィルター部26を外す際の把手になる把持部26cが取り付けられている。
【0040】
また、図4(c)に示したフィルター部27では、長方形状の枠体27bの上面に、間隔を置いて複数のピン27c,・・・が上を向いて立てられている。そして、フィルター27aの縁部には、ピン27c,・・・の位置に合わせて穴27e,・・・が穿孔されており、穴27eにピン27cを通すことによってフィルター27aを枠体27bに固定することができる。なお、図3に示した把持部21cのような角柱部材の両端にピン27c,27cを挿し込む穴を設け、その角柱部材と枠体27bとの間にフィルター27aを挟み込んで固定させることもできる。
【0041】
さらに、枠体27bの短辺側には窪み部27d,27dがそれぞれ設けられており、床12の上からフィルター部27を外す際に、指を窪み部27d,27dに掛けることによって容易に取り外すことができる。
【0042】
函体部2の上部空間に収容される集塵籠部22は、上部空間の内空より一回り小さい直方体状の籠である。集塵籠部22は、面材によって四角筒状に成形される筒部22bと、筒部22bの下面を塞ぐ網目状の底網部22cと、筒部22bの側面に回動可能に取り付けられる把手22aとによって構成される。
【0043】
この底網部22cの網目の大きさは、集塵籠部22に集めたい塵埃の大きさによって調整できる。しかしながら、底網部22cを通過した塵埃は、フィルター部21上に堆積することになるため、通気性を損なわない程度であれば底網部22cの網目の大きさを小さく設定する方がよい。
【0044】
また、把手22aは、回動可能に取り付けられているが、筒部22bの上縁まで倒れこむと、図2の二点鎖線で示すように上縁に当たってそれ以上下方に回りこむことがないように設定されている。このため、集塵籠部22は、筒部22bの上縁付近に納められた把手22aを起こすことで、容易に函体部2から抜き出すことができる。
【0045】
一方、函体部2の下部空間の側面には、接続部23を設けるための貫通穴2bが穿孔されている。また、接続部23は、貫通穴2bの内径とほぼ同じ外径の円筒状の継手管部23aと、継手管部23aの端部に鍔状に形成されるフランジ部23bとを有している。
【0046】
この接続部23の継手管部23aを、函体部2の内空から貫通穴2bに挿入してフランジ部23bを函体部2の内壁面に固定すると、フランジ部23bが函体部2の内壁面に引っ掛かる構造となるため、継手管部23aを外側から引っ張っても抜けることがない。
【0047】
函体部2の上面は、図5に示すように、床12の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成された蓋部3によって塞がれる。この蓋部3は、開口12aの周囲を縁取る形状の枠部31と、枠部31の内部に間隔を置いて平行に取り付けられる複数の羽根板32,・・・とによって構成されるガラリである。
【0048】
この羽根板32,32間の隙間が床12の上下方向で貫通させた空隙となる。この羽根板32,32間の間隔は、集塵籠部22に集めたい塵埃の大きさに合わせて設定すればよい。
【0049】
そして、函体部2の接続部23に嵌め込まれる連結ダクト41は、図1に示すように排気ファン部4に接続される。排気ファン部4は、換気用のファンでる。排気ファン部4のスイッチのオン・オフ、回転数の調整(「強清掃モード」、「弱清掃モード」、「換気モード」など)は、屋内1aのスイッチ部42でおこなう。
【0050】
床下空間1bに設置される排気ファン部4は、動作音が床下空間1bに漏れることにはなるが、床12で遮られているので、その上の屋内1aにはほとんど伝搬されない。
【0051】
また、排気ファン部4の吸込み力によって函体部2から流れ込んだ排気は、排気経路部5を通って屋外1cに排出される。この排気経路部5は、ダクト51と、床下空間1bと屋外1cとの境界となる基礎部13の壁に設けられる排気口52とによって主に構成される。
【0052】
ここで、排気ファン部4は、通常の屋内1aの換気をおこなうことを主目的に設置される。すなわち、屋内1aの壁11の上部には、給気口14が設けられており、フィルター14aを通って屋内1aに流れ込んだ空気(図1の白抜き矢印参照)は、蓋部3の空隙を通って函体部2に流れ込み、排気ファン部4で送り出されて排気口52から排出される。
【0053】
次に、本実施の形態の住宅1の清掃システムの使用方法と作用について説明する。
【0054】
まず、屋内1aのスイッチ部42を操作して、「強清掃モード」又は「弱清掃モード」で排気ファン部4を作動させる。続いて、図5に示すようにモップ6を持って床12を掃き、塵や埃などのゴミ61を集める。
【0055】
ゴミ61は、蓋部3に向けて集め、そのまま羽根板32,32間の隙間から函体部2に落とす。ここで、函体部2内には上から接続部23に向けての気流が形成されており、ゴミ61を落としても埃などが床12上に舞い上がることがない。また、モップ6にゴミ61が着いていても、気流の吸込み力によって取り去ることができる。
【0056】
函体部2に落とされたゴミ61のうち、大きなものは集塵籠部22に集められる。また、集塵籠部22の底網部22cの網目より細かい埃は、集塵籠部22より抜け落ちてフィルター部21に堆積する。
【0057】
そして、ゴミ61が取り除かれた空気は、フィルター部21を通って接続部23の継手管部23aに流れ込み、連結ダクト41を通って排気ファン部4に送り込まれる。排気ファン部4から先はダクト51を通って排気口52から屋外1cに排気される。
【0058】
また、モップ6を使用せずに気流によってゴミ61を集塵籠部22に集める場合は、屋内1aに住人がいる場合は、スイッチ部42を「弱清掃モード」にして、弱い気流で住人に不快感を与えないように清掃と換気をおこなわせる。これに対して、住人が不在のときは、スイッチ部42を「強清掃モード」にして、強い気流によって家具などに付着した埃や家具の隙間に溜まったゴミ61を舞い上がらせるほどの風量を与えて屋内1aの隅々まで清掃させることができる。
【0059】
そして、集塵籠部22に溜まったゴミ61は、床12上から蓋部3を取り外して、図2に示すように把手22aを起こして函体部2から集塵籠部22を引き上げることによって捨てることができる。
【0060】
また、フィルター部21も同様に函体部2から取り外すことができる。フィルター部21は、堆積した埃などを掃除機で吸込んだり、水で洗い流したりすることで洗浄することができる。洗浄したフィルター部21は、函体部2のL金具24,・・・の上に再び設置し、その上に集塵籠部22を収容し、把手22aを倒して蓋部3で函体部2の上面を覆う。
【0061】
このように構成された本実施の形態の住宅1の清掃システムは、床12の上から取り外し可能な集塵籠部22を備えている。また、集塵籠部22は、床下空間1bに設置された排気ファン部4に接続されている。
【0062】
排気ファン部4が床下空間1bに設置されているため、床上の屋内1aに発生する騒音を小さく抑えることができ、夜中などでも思い立ったときに掃除をすることができる。
【0063】
また、集塵籠部22にモップ6で落とすことで大きなゴミ61を取り除くことができる。さらに、メンテナンス時も、フィルターなどを外さなくても集塵籠部22を取り出して、そこに集められたゴミ61を容易に捨てることができる。
【0064】
そして、換気システムを利用した清掃システムであるため、ゴミ61を吸い取らせるために生成された気流による排気は、排気ファン部4によって屋外1cに排出され、屋内1aの空気は清浄状態を保つことができる。
【0065】
また、壁11の上部に設けた給気口14から屋外1cの外気を取り込んで、床12の開口12aに向けた下向きの空気の流れによって一気に屋内1aの空気を入れ替えることができる構成となっているため、屋内1aの臭いやよどんだ空気を迅速に入れ替えることができる。
【0066】
特に、給気口14と開口12aとが屋内1aの対角線上に配置されていれば、より効率的に空気の入れ替えをおこなうこができる。さらに、下向きの空気の流れによって、屋内1aの上部に漂う埃を積極的に落下させて取り除くことができる。
【0067】
また、集塵籠部22を収容する函体部2の上部空間と、排気ファン部4との接続部23が設けられる函体部2の下部空間とをフィルター部21で仕切ることによって、細かい埃が排気ファン部4に流れ込むことを防ぐことができる。
【0068】
さらに、排気ファン部4と接続させるために函体部2に設けられる接続部23を、継手管部23aと、函体部2の内空側に配置される継手管部23aの端部に鍔状に形成されるフランジ部23bとによって構成することで、メンテナンスなどで排気ファン部4との連結ダクト41を抜く際に継手管部23aが函体部2から外れたり、損傷したりするのを防ぐことができる。
【0069】
また、排気ファン部4の風力を調整するスイッチ部42を設けることで、掃除するときには風力を強め、掃除をしていないときには換気が行える程度の風力に弱めるというように、切り替えをすることができる。
【実施例1】
【0070】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0071】
前記実施の形態では、気流形成部として排気ファン部4を利用した構成について説明したが、この実施例1では、開口12a(蓋部3)の上方に気流形成部7が設けられる場合について説明する。
【0072】
気流形成部7は、図6に示したように、壁11とそれに平行に配置される仕切壁71との間に形成される。仕切壁71を開口12aの幅より少し広い間隔で壁11の内面から離して設置することによって、上下方向に延伸された内空7aが形成される。
【0073】
また、仕切壁71と天井15との間には、気流形成部7の内空7aへの空気の流入口72が設けられる。さらに、仕切壁71の蓋部3に隣接する部分には、床12の上面まで切り欠かれた取込口71aが設けられる。
【0074】
この取込口71aは、ゴムシートなどで成形された開閉自在の扉部71bで気密性が確保できる状態で覆われている。そして、気流形成部7の内空7aには、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置74が設けられる。この気流生成装置74は、下向きに空気が送り出されるように取り付けられたシロッコファンなどのファン74aと、ファン74aから送り出された風を加速させるサイクロン生成部74bとを備えている。また、ファン74aの上方はフィルター73によって覆われており、ファン74aに異物が入らないような構成になっている。
【0075】
このサイクロン生成部74bは、下方にいくほど先細る漏斗状に形成されており、上端の広い口から流れ込んだ空気は、渦を巻いて加速され、下端の狭い口から蓋部3に向けて吐出される。
【0076】
このように実施例1の構成では、気流形成部7によって床上から函体部2に向けての気流が生成されるため、床下空間1bに排気ファン部4を配置する必要がない。このため、図6に示すように、函体部2には直接、排気経路部5が接続される。
【0077】
次に、本実施例の住宅1の清掃システムの使用方法と作用について説明する。まず、屋内1aのスイッチ部42を操作して気流生成装置74のファン74aを作動させる。この結果、取込口71aが扉部71bによって遮蔽された気流形成部7の内空7aには、流入口72から流れ込んだ屋内1aの空気が下方の函体部2に向けて流れ込む空気の流れが生成される。また、ファン74aは仕切壁71によって屋内1aから区切られた空間で作動するため、ファン74aによる騒音は屋内1a側ではほとんど発生しない。
【0078】
一方、屋内1aでは、モップ6によって床12のゴミ61が扉部71bの前まで掃き集められる。続いて、モップ6をゴミ61ごと扉部71bに押し当てて、扉部71bを内空7a側に押し込むと、ゴミ61は蓋部3の隙間から函体部2内に落ち込む。ここで、内空7aには、下向きの気流が形成されており、ゴミ61はその気流に押されて函体部2内に落ちるため、埃などが舞い上がることがない。
【0079】
このように、ゴミ61を落とす床12の開口12aの上に気流形成部7を設け、開閉自在の扉部71bで屋内1aから開口12aに繋がる取込口71aを塞いでおけば、蓋部3の上又はその周辺のゴミ61を効率よく集塵籠部22に集めることができる。また、気流形成部7の内空7aに気流生成装置74を設けることによって、より確実に蓋部3の下の集塵籠部22にゴミ61を集めることができる。
【0080】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0081】
以下、前記した実施の形態及び実施例1とは別の形態の実施例2について、図7−図9を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0082】
前記実施の形態では集塵部としての函体部2を備えた構成について説明したが、この実施例2では、集塵部としての漏斗部8を備えた住宅1の清掃システムについて説明する。
【0083】
この漏斗部8は、図8に示すように内径の広い上口8aからそれよりも内径の狭い下口8bにかけて先細る截頭円錐状に形成されている。上口8aから下口8bまでの内空は連通されており、下口8bは排気ファン部4に一端が接続される連結ダクト41Aの他端になる接続口411に嵌り合う。
【0084】
また、漏斗部8の上部には、回動可能に把手8cが取り付けられる。すなわち、この把手8cを起こして持ち上げると、漏斗部8が連結ダクト41Aの接続口411から外れて床12の上に取り出すことができる。
【0085】
さらに、漏斗部8の内空は、フィルター部81によって上部空間と下部空間とに仕切られている。このフィルター部81は、前記実施の形態で説明したようにいずれの形態であってもよいが、例えば図8に示すような構成にすることができる。このフィルター部81は、合成樹脂製の不織布が円形に成形されたフィルター81aと、フィルター81aの外周縁を支持させる枠体81bと、フィルター81aの枠体81bへの固定手段となる把持部81cとから主に構成される。
【0086】
一方、漏斗部8の内周面には、円環状の鍔部82が設けられており、鍔部82の上にフィルター部81を設置する。漏斗部8の上口8aから取り込まれた空気は、鍔部82の中央の穴を通って下口8bから連結ダクト41Aに流れ込む。
【0087】
漏斗部8の上面は、図8に示すように、床12の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成された蓋部3Aによって塞がれる。この蓋部3Aは、正方形状に成形された開口12aの周囲を縁取る正方形状の枠部31Aと、枠部31A0の内部に格子状に形成される格子33とによって主に構成される。
【0088】
この蓋部3Aは、開口12aの内周に沿って設けられる床面より一段下がった段差部12bの上に着脱自在に設置される。この段差部12bに蓋部3Aを嵌めると、蓋部3Aの上面と床12の上面とは面一になる。
【0089】
また、漏斗部8の上口8aと段差部12bとの隙間にはゴムシートなどのシール材12c,・・・がそれぞれ配置される。このシール材12cは段差部12b側に固定されており、漏斗部8を取り外す際の支障になることはない。
【0090】
このように構成された漏斗部8には、図7に示すように給気口14から流入して屋内1aを通過した空気が流れ込む。また、気流に乗って運ばれる埃や、モップ6などで集められた大きな塵も、蓋部3Aの格子33の目を通って漏斗部8内に落下する。
【0091】
ここで、漏斗部8内では、内周面に沿って螺旋を描くようにして連結ダクト41Aの接続口411に向けて空気が流れている。このため、漏斗部8内に落ちたゴミ61も、遠心力で内周面に沿って滑り落ち、フィルター部81の縁部周辺に堆積する。すなわち、ゴミ61は鍔部82上周辺に堆積するので、鍔部82中央の穴の上にはあまりゴミ61が堆積せず、排気ファン部4に向けた空気の流れが遮断されることがない。
【0092】
このように排気ファン部4を清掃システムに利用しても、本来の住宅1の換気性能を維持することができる。また、フィルター部81に堆積するゴミ61の量が多くなれば、床12の上から蓋部3Aを外し、把手8cを起こして漏斗部8を持ち上げ、漏斗部8内に溜まったゴミ61を捨てればよい。
【0093】
一方、排気ファン部4に流れ込む埃などの量は、可能な限り低減させることが換気性能を維持していくうえでは好ましい。そこで、図9に示したように漏斗部8と排気ファン部4との間を、管路の一部が略U字状に形成された連結管43で繋ぐことができる。
【0094】
このようにU字状に形成された連結管43であれば、上方に位置する接続口411から流れ込んだ空気は、一旦下降して、U字の底で折り返して上昇した後に排気ファン部4に流れ込む。このため、空気に埃などが含まれていると、U字の底に堆積して排気ファン部4までは到達しにくくなる。
【0095】
さらに、連結管43に水を入れてU字の底に水面43aを設ければ、空気は水面43aと連結管43の内面との隙間を流れることになり、気流によって運ばれた排気中の埃などは、水面43aから水に吸着されることになる。この結果、下流側の排気ファン部4に流れ込む埃の量を大幅に低減することができる。
【0096】
また、U字の底となる連結管43の最下面にメンテナンス栓431を設けておくことで、連結管43に溜まった埃や埃が混じった水を抜き出すことができる。すなわち、定期的にメンテナンス栓431を開けて清掃することで、容易に連結管43の維持管理をおこなうことができる。
【0097】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0098】
以下、前記した実施の形態及び実施例1,2とは別の形態の実施例3について、図10,11を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0099】
この実施例3で説明する集塵部としての漏斗部8Aには、図10,11に示すように、漏斗部8Aの内空の空気の流れを制御する制御ファン83が設置されている。すなわち漏斗部8Aの内部には、漏斗部8Aの内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部81Aと、フィルター部81Aの上に設置される箱状の集塵箱部85と、集塵箱部85の上方に配置される中空の受部84と、受部84に対して回転自在に取り付けられる制御ファン83とが設けられる。
【0100】
フィルター部81Aは、目の細かい金網などによって形成される所定以上の剛性を備えた部材である。このフィルター部81Aの外周縁は、漏斗部8Aの内周面に固定されている。
【0101】
また、フィルター部81Aの略中央には、図11に示すようにフィルター部81Aの直径よりも小さい直径の円筒状の集塵箱部85が固定される。この集塵箱部85と漏斗部8Aの内周面との間に環状に残されたフィルター部81Aを通過して空気が下方に流れることになる。
【0102】
集塵箱部85の側壁には複数の棒状の支持具86,・・・の一端が固定されており、これらの支持具86,・・・によって受部84が集塵箱部85の底面から浮いた状態で支持される。
【0103】
受部84は、上端面にベアリング(図示省略)が設けられた漏斗状の部材で、受部84の上端面に回転自在に制御ファン83が取り付けられる。この制御ファン83には、排気ファン部4によって生成された上方から下方に向けての空気の流れによって自然に回転するように複数の羽根83a,・・・が設けられている。
【0104】
この羽根83aは、外縁が丸みを帯びるように楕円状に形成されている。また、羽根83aは上方にいくほど外側に広がるように取り付けられている。このような制御ファン83を設けることによって、上方から流入した空気は、図11の矢印で示すように羽根83a,・・・の内側に集められ、受部84の内空に向けた空気の流れが生成される。
【0105】
このため、漏斗部8Aの上方から落ちてくるゴミ61も、複数の羽根83a,・・・によって捉えられて空気の流れと同様に受部84に向けて降下することになる。そして、受部84を通過したゴミ61は、図10に示すように集塵箱部85に堆積される。
【0106】
他方、空気の一部は、図11に示すように羽根83a,・・・の隙間から外側に漏れて、集塵箱部85の外側のフィルター部81Aを通って連結ダクト41Aに流れ込む。
【0107】
このように漏斗部8Aの内空の空気の流れを制御する制御ファン83を設けることで、漏斗部8Aに落ちたゴミ61を集塵箱部85に集めることができる。集塵箱部85にゴミ61の多くが集められるように構成されていれば、ゴミ61がフィルター部81Aに堆積しにくくなって換気性能を維持することができる。なお、集塵箱部85に堆積したゴミ61は、床12の上から漏斗部8Aごと抜き出してひっくり返すことによって捨てることができる。
【0108】
また、フィルター部81Aに直接向かうゴミ61の量が減れば、フィルター部81Aを通過する埃の量も減って、排気ファン部4にまで埃などが流れ込むのを抑えることができる。
【0109】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0110】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0111】
例えば、前記実施の形態又は実施例では、排気を屋外1cに排出する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、排気を床下空間1bに排出する構成であってもよい。
【0112】
また、前記実施の形態ではガラリタイプの蓋部3について説明し、実施例2では格子タイプの蓋部3Aについて説明したが、これらに限定されるものではなく、グレーチングタイプ、パンチングメタルタイプ、金網タイプなどいずれの形態であってもよい。
【0113】
また、前記実施の形態では、網目状の底網部22cを備えた集塵籠部22について説明したが、これに限定されるものではなく、底面がパンチングメタル、フィルター、グレーチングなどのいずれの形態の部材で構成されていてもよい。また、筒部22bの形態は面状に限定されず、網目などの有孔構造であってもよい。
【0114】
さらに、前記実施の形態又は実施例1では、函体部2の側面に接続部23を設けたが、これに限定されるものではなく、函体部2の底面に接続部を設けることもできる。
【0115】
また、前記実施の形態では、フランジ部23bが函体部2の内空側に配置される構成について説明したが、これに限定されるものではなく、フランジ部23bが函体部2の外側の側面又は底面に取り付けられる構成であってもよい。
【0116】
また、前記実施の形態では、函体部2を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部21を設置する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、函体部2に集塵籠部22を収容するだけの構成であってもよい。この場合は、集塵籠部22の網目の大きさなどを適宜、調整する。さらに、集塵籠部22のない函体部2がフィルター部21によって仕切られただけの構成であってもよい。
【0117】
そして、前記実施例1では、取込口71aの扉部71bはゴムシートなどの可撓性及び弾性のある材料によって形成したが、これに限定されるものではなく、蝶番によって開閉自在にされた四角形の板材の側縁及び下縁にモヘアやゴムシートなどを取り付けて気密性を高めた構成であってもよい。
【0118】
また、前記実施例2では漏斗部8が連結ダクト41Aの接続口411から外れて取り出せる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、漏斗部8は連結ダクト41Aに固定されていて、フィルター部81を持ち上げることによって集められた塵埃を捨てる構成にすることもできる。
【0119】
さらに、前記実施例3では、駆動モータを備えていない制御ファン83について説明したが、これに限定されるものではなく、駆動モータを備えた自転可能な制御ファンを配置することもできる。
【符号の説明】
【0120】
1 住宅(建物)
1a 屋内
1b 床下空間
1c 屋外
12 床
12a 開口
14 給気口
2 函体部(集塵部)
2b 貫通穴
21,25,26,27 フィルター部
22 集塵籠部
23 接続部
23a 継手管部
23b フランジ部
3,3A 蓋部
4 排気ファン部(気流形成部)
42 スイッチ部
43 連結管(管路)
431 メンテナンス栓
5 排気経路部
51 ダクト
52 排気口
61 ゴミ(塵埃)
7 気流形成部
7a 内空
71 仕切壁
71a 取込口
71b 扉部
72 流入口
74 気流生成装置
8,8A 漏斗部(集塵部)
81,81A フィルター部
83 制御ファン
85 集塵箱部
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の塵埃を取り除くのに適した建物の清掃システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内の壁際にグレーチングなどで蓋がされた溝を設けておき、壁際に自然に集まる埃や、ほうき等で掃き集められた塵埃を落とし、溝に落ちた塵埃を気流やセントラルクリーナで回収する集塵装置が知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、セントラルクリーナとしては、特許文献3に、掃除機のホース延長管を差し込む差込み口が壁に設けられた一般的な構成が開示されている。このホース延長管の途中には集塵袋が取り付けられており、掃除機のヘッドから吸込まれた塵埃はその集塵袋に集められる。さらに、特許文献4には、24時間換気ステムによって、臭いや細かい埃を取り除くことができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−152623号公報
【特許文献2】実開昭58−109444号公報
【特許文献3】特開平5−23267号公報
【特許文献4】特開2007−101077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のセントラルクリーナを使用するタイプでは、真空吸引がおこなわれるため動作音が大きく、夜中などの騒音が出しにくいときには使えず、思い立ったときに掃除をすることができない。
【0006】
また、24時間換気などで自動的に埃を吸い取るタイプは、屋内に発生する音は静かであるが、大きな塵などを取り除くことができない。さらに、溝に落ちた大きな塵は、気流や傾斜を利用して集めようとしても、途中で留まって上手く集められない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、大きな塵を取り除くことが可能で、メンテナンスも容易におこなうことができる建物の清掃システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の建物の清掃システムは、屋内の塵埃を取り除くための建物の清掃システムであって、床に形成された開口に上端が接続され床下空間に配置される集塵部と、前記床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに前記集塵部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部と、前記集塵部の内空を仕切るフィルター部と、床上から前記集塵部に向けての気流を生成する気流形成部と、前記集塵部から送り出された排気を前記床下空間又は屋外に排出するための排気経路部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記気流形成部は、床下空間に設置される排気ファン部とすることができる。また、前記集塵部は、箱状の函体部と、その函体部に収容されて前記床の上から取り外し可能な集塵籠部とを有する構成とすることができる。
【0010】
さらに、前記函体部の下部に前記排気ファン部との接続部が設けられており、その接続部よりも上方の高さで前記函体部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部が設けられ、前記集塵籠部は前記上部空間に収容される構成であってもよい。
【0011】
また、前記排気ファン部と接続させるために前記函体部に設けられる接続部は、前記函体部に穿孔された貫通穴に挿通される継手管部と、前記函体部の内空側に配置される前記継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とを有する構成にすることができる。
【0012】
一方、前記気流形成部は、前記集塵部の上方に上下方向に延伸された内空を有しており、前記気流形成部の上部には、空気の流入口が設けられるとともに、前記蓋部に隣接する前記気流形成部の仕切壁には前記床の上面まで切り欠かれた取込口が設けられ、その取込口は開閉自在の扉部で覆われている構成にすることができる。また、前記気流形成部の内空には、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置が設けられているのが好ましい。
【0013】
また、前記集塵部は、前記床の開口側が広い漏斗状に形成された漏斗部であって、前記フィルター部は前記漏斗部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るように配置される構成とすることができる。
【0014】
ここで、前記漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成することができる。また、前記管路の略U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けた構成であってもよい。
【0015】
さらに、前記フィルター部の上に前記漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けることができる。また、前記制御ファンと前記フィルター部との間に箱状の集塵箱部を介在させてもよい。
【0016】
また、前記屋内の壁の上部には、屋外に連通する給気口が設けられている構成であってもよい。さらに、前記排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を備えている構成であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
このように構成された本発明の建物の清掃システムは、床に形成された開口に上端が接続されて床下空間に配置される集塵部と、集塵部に向けての気流を生成する気流形成部とを備えている。
【0018】
このため、集塵部にモップやほうきで落とすことで大きな塵を取り除くことができる。また、床の上から集塵部に集められた塵埃を取り除くことができるので、メンテナンスも容易である。
【0019】
さらに、排気ファン部を床下空間に設置することで、床上の屋内に発生する騒音を小さく抑えることができるうえに排気も屋内に発生しない。また、取り外し可能な集塵籠部を有する構成であれば、集塵籠部に集められた塵埃を捨てることが容易にできる。
【0020】
また、集塵籠部を収容する函体部の上部と、排気ファン部との接続部が設けられる函体部の下部とをフィルター部で仕切ることによって、細かい埃が排気ファン部に流れ込むことを防ぐことができる。
【0021】
さらに、排気ファン部と接続させるために函体部に設けられる接続部を、継手管部と、函体部の内空側に配置される継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とによって構成することで、排気ファン部との連結ダクトを抜く際に継手管部が函体部から外れたり、損傷したりするのを防ぐことができる。
【0022】
また、集塵部の上方に気流形成部を設け、開閉自在の扉部で屋内から開口に繋がる取込口を塞いでおけば、塵埃を効率よく集塵部に集めることができる。さらに、気流形成部の内空に気流生成装置を設けることによって、より確実に蓋部の下の集塵部に塵埃を集めることができる。
【0023】
また、フィルター部によって内空が仕切られた漏斗部にモップやほうきで集められた塵埃を投入する構成であれば、漏斗部に落ちた塵埃は遠心力で内周面に沿って滑り落ち、フィルター部の縁部周辺に堆積するので、排気ファン部に向けての中央の空気の流れが堆積した塵埃によって遮断されることがなく、換気性能を維持することができる。
【0024】
さらに、漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成すれば、フィルター部を通過した埃などが排気ファン部にまで流れ込むのを抑えることができる。また、U字状の底に水を溜めることで、排気中の埃などを吸着させることができる。そして、U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けておけば、埃や埃が混じった水をメンテナンス栓から抜き出すことで容易に管路の維持管理をおこなうことができる。
【0025】
また、漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けることで、漏斗部に落ちた塵埃を所望する箇所に集めることができる。さらに、制御ファンによって塵埃が集められる箇所に箱状の集塵箱部を設けておけば、フィルター部に堆積したり、フィルター部を通過したりする塵埃の量が減って、換気性能を維持できるとともに、排気ファン部にまで埃などが流れ込むのを抑えることができる。
【0026】
また、屋内の壁の上部に給気口を設けることで、屋内全体に跨った上から下への空気の流れを形成することができ、迅速に屋内の空気を入れ替えて臭いや埃を除去することができる。
【0027】
さらに、排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を設けることで、掃除するときには風力を強め、掃除をしていないときには換気が行える程度の風力に弱めるというように、切り替えをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図2】函体部及び集塵籠部の構成を説明する斜視図である。
【図3】フィルター部の構成を説明する斜視図であって、(a)は分解図、(b)は完成図である。
【図4】別の形態のフィルター部の構成を説明する図であって、(a)は挟込み式、(b)は挿込み式、(c)はピン固定式のフィルター部の斜視図である。
【図5】建物の清掃システムの使用方法を説明する斜視図である。
【図6】実施例1の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図7】実施例2の建物の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【図8】漏斗部及び蓋部の構成を説明する斜視図である。
【図9】実施例2の別の形態を説明する断面図である。
【図10】実施例3の漏斗部及び制御ファンの構成を説明する断面図である。
【図11】制御ファンによって制御される気流を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の建物としての住宅1の清掃システムの構成を説明する断面図である。
【0030】
この住宅1は、基礎部13の上に構築されており、屋内1aの床12の下には床下空間1bが形成される。また、屋内1aと屋外1cとは、住宅1の壁11によって仕切られている。
【0031】
そして、本実施の形態の住宅1の清掃システムは、床面に形成された開口12aに上端が接続され床下空間1bに配置される集塵部としての函体部2と、その函体部2の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部3と、函体部2に収容されて床12の上から取り外し可能な集塵籠部22と、床下空間1bに設置されて函体部2に接続される気流形成部としての排気ファン部4と、排気ファン部4から送り出された排気を屋外1cに排出するための排気経路部5とを主に備えている。
【0032】
この函体部2は、図2に示すように、上面が開放された直方体状の箱に成形され、函体部2の上縁に沿って床12に引っ掛けるための庇部2a,2aが設けられている。
【0033】
この函体部2の平面形状は、床12に形成される開口12aとほぼ同じ長方形である。例えば、縦40cm×横7cm×深さ25cmの箱状の函体部2の長辺側の上縁に沿って幅1cmの庇部2a,2aを設けた構成とすることができる。
【0034】
また、函体部2の内空は、集塵籠部22を収容する上部空間と、後述する排気ファン部4との接続部23を設ける下部空間とに分けることができる。上部空間と下部空間との境界付近の内壁面には、複数のL金具24,・・・が間隔を置いて取り付けられる。そして、L金具24,・・・の上にパネル状に形成されたフィルター部21が設置される。
【0035】
このフィルター部21は、いずれの形態であってもよいが、例えば図3に示すような構成にすることができる。このフィルター部21は、長方形に成形されたフィルター21aと、フィルター21aの外周縁を支持させる枠体21bと、フィルター21aの枠体21bへの固定手段となる把持部21cとから主に構成される。
【0036】
フィルター21aには、例えば合成樹脂を原料とする不織布が使用できる。また、枠体21bは、長方形の外周を縁取るように成形されており、必要に応じて枠体21bの内空側にフィルター21aを下方から支持させる棒材(図示せず)が架け渡される。
【0037】
把持部21cの両端には切欠が設けられ、図3(b)に示すように切欠の上部を枠体21bに引っ掛けた状態で切欠間の下部を内空側に嵌め込める構成となっている。このため、図3(a)に示すように枠体21bの内縁の鍔上にフィルター21aを置き、その上から把持部21cを枠体21bに嵌めると、図3(b)に示すようにフィルター21aが固定されることになる。また、把持部21cは、床12の上からフィルター部21を外す際の把手にもなる。
【0038】
また、図4に示すような別の形態のフィルター部25,26,27にすることもできる。図4(a)に示したフィルター部25は、長方形状の下枠25bと、同じく長方形状の上枠25cとの間にフィルター25aを挟む構成となっている。この下枠25bと上枠25cとは、短辺側の縁部どうしが蝶番で開閉自在に連結されており、上枠25cを開くことによってフィルター25aを交換することができる。
【0039】
一方、図4(b)に示したフィルター部26は、長方形のシートの挿し込みが可能に形成された枠部26bに、シート状のフィルター26aを挿し込むことによって構成される。この枠部26bには、床12の上からフィルター部26を外す際の把手になる把持部26cが取り付けられている。
【0040】
また、図4(c)に示したフィルター部27では、長方形状の枠体27bの上面に、間隔を置いて複数のピン27c,・・・が上を向いて立てられている。そして、フィルター27aの縁部には、ピン27c,・・・の位置に合わせて穴27e,・・・が穿孔されており、穴27eにピン27cを通すことによってフィルター27aを枠体27bに固定することができる。なお、図3に示した把持部21cのような角柱部材の両端にピン27c,27cを挿し込む穴を設け、その角柱部材と枠体27bとの間にフィルター27aを挟み込んで固定させることもできる。
【0041】
さらに、枠体27bの短辺側には窪み部27d,27dがそれぞれ設けられており、床12の上からフィルター部27を外す際に、指を窪み部27d,27dに掛けることによって容易に取り外すことができる。
【0042】
函体部2の上部空間に収容される集塵籠部22は、上部空間の内空より一回り小さい直方体状の籠である。集塵籠部22は、面材によって四角筒状に成形される筒部22bと、筒部22bの下面を塞ぐ網目状の底網部22cと、筒部22bの側面に回動可能に取り付けられる把手22aとによって構成される。
【0043】
この底網部22cの網目の大きさは、集塵籠部22に集めたい塵埃の大きさによって調整できる。しかしながら、底網部22cを通過した塵埃は、フィルター部21上に堆積することになるため、通気性を損なわない程度であれば底網部22cの網目の大きさを小さく設定する方がよい。
【0044】
また、把手22aは、回動可能に取り付けられているが、筒部22bの上縁まで倒れこむと、図2の二点鎖線で示すように上縁に当たってそれ以上下方に回りこむことがないように設定されている。このため、集塵籠部22は、筒部22bの上縁付近に納められた把手22aを起こすことで、容易に函体部2から抜き出すことができる。
【0045】
一方、函体部2の下部空間の側面には、接続部23を設けるための貫通穴2bが穿孔されている。また、接続部23は、貫通穴2bの内径とほぼ同じ外径の円筒状の継手管部23aと、継手管部23aの端部に鍔状に形成されるフランジ部23bとを有している。
【0046】
この接続部23の継手管部23aを、函体部2の内空から貫通穴2bに挿入してフランジ部23bを函体部2の内壁面に固定すると、フランジ部23bが函体部2の内壁面に引っ掛かる構造となるため、継手管部23aを外側から引っ張っても抜けることがない。
【0047】
函体部2の上面は、図5に示すように、床12の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成された蓋部3によって塞がれる。この蓋部3は、開口12aの周囲を縁取る形状の枠部31と、枠部31の内部に間隔を置いて平行に取り付けられる複数の羽根板32,・・・とによって構成されるガラリである。
【0048】
この羽根板32,32間の隙間が床12の上下方向で貫通させた空隙となる。この羽根板32,32間の間隔は、集塵籠部22に集めたい塵埃の大きさに合わせて設定すればよい。
【0049】
そして、函体部2の接続部23に嵌め込まれる連結ダクト41は、図1に示すように排気ファン部4に接続される。排気ファン部4は、換気用のファンでる。排気ファン部4のスイッチのオン・オフ、回転数の調整(「強清掃モード」、「弱清掃モード」、「換気モード」など)は、屋内1aのスイッチ部42でおこなう。
【0050】
床下空間1bに設置される排気ファン部4は、動作音が床下空間1bに漏れることにはなるが、床12で遮られているので、その上の屋内1aにはほとんど伝搬されない。
【0051】
また、排気ファン部4の吸込み力によって函体部2から流れ込んだ排気は、排気経路部5を通って屋外1cに排出される。この排気経路部5は、ダクト51と、床下空間1bと屋外1cとの境界となる基礎部13の壁に設けられる排気口52とによって主に構成される。
【0052】
ここで、排気ファン部4は、通常の屋内1aの換気をおこなうことを主目的に設置される。すなわち、屋内1aの壁11の上部には、給気口14が設けられており、フィルター14aを通って屋内1aに流れ込んだ空気(図1の白抜き矢印参照)は、蓋部3の空隙を通って函体部2に流れ込み、排気ファン部4で送り出されて排気口52から排出される。
【0053】
次に、本実施の形態の住宅1の清掃システムの使用方法と作用について説明する。
【0054】
まず、屋内1aのスイッチ部42を操作して、「強清掃モード」又は「弱清掃モード」で排気ファン部4を作動させる。続いて、図5に示すようにモップ6を持って床12を掃き、塵や埃などのゴミ61を集める。
【0055】
ゴミ61は、蓋部3に向けて集め、そのまま羽根板32,32間の隙間から函体部2に落とす。ここで、函体部2内には上から接続部23に向けての気流が形成されており、ゴミ61を落としても埃などが床12上に舞い上がることがない。また、モップ6にゴミ61が着いていても、気流の吸込み力によって取り去ることができる。
【0056】
函体部2に落とされたゴミ61のうち、大きなものは集塵籠部22に集められる。また、集塵籠部22の底網部22cの網目より細かい埃は、集塵籠部22より抜け落ちてフィルター部21に堆積する。
【0057】
そして、ゴミ61が取り除かれた空気は、フィルター部21を通って接続部23の継手管部23aに流れ込み、連結ダクト41を通って排気ファン部4に送り込まれる。排気ファン部4から先はダクト51を通って排気口52から屋外1cに排気される。
【0058】
また、モップ6を使用せずに気流によってゴミ61を集塵籠部22に集める場合は、屋内1aに住人がいる場合は、スイッチ部42を「弱清掃モード」にして、弱い気流で住人に不快感を与えないように清掃と換気をおこなわせる。これに対して、住人が不在のときは、スイッチ部42を「強清掃モード」にして、強い気流によって家具などに付着した埃や家具の隙間に溜まったゴミ61を舞い上がらせるほどの風量を与えて屋内1aの隅々まで清掃させることができる。
【0059】
そして、集塵籠部22に溜まったゴミ61は、床12上から蓋部3を取り外して、図2に示すように把手22aを起こして函体部2から集塵籠部22を引き上げることによって捨てることができる。
【0060】
また、フィルター部21も同様に函体部2から取り外すことができる。フィルター部21は、堆積した埃などを掃除機で吸込んだり、水で洗い流したりすることで洗浄することができる。洗浄したフィルター部21は、函体部2のL金具24,・・・の上に再び設置し、その上に集塵籠部22を収容し、把手22aを倒して蓋部3で函体部2の上面を覆う。
【0061】
このように構成された本実施の形態の住宅1の清掃システムは、床12の上から取り外し可能な集塵籠部22を備えている。また、集塵籠部22は、床下空間1bに設置された排気ファン部4に接続されている。
【0062】
排気ファン部4が床下空間1bに設置されているため、床上の屋内1aに発生する騒音を小さく抑えることができ、夜中などでも思い立ったときに掃除をすることができる。
【0063】
また、集塵籠部22にモップ6で落とすことで大きなゴミ61を取り除くことができる。さらに、メンテナンス時も、フィルターなどを外さなくても集塵籠部22を取り出して、そこに集められたゴミ61を容易に捨てることができる。
【0064】
そして、換気システムを利用した清掃システムであるため、ゴミ61を吸い取らせるために生成された気流による排気は、排気ファン部4によって屋外1cに排出され、屋内1aの空気は清浄状態を保つことができる。
【0065】
また、壁11の上部に設けた給気口14から屋外1cの外気を取り込んで、床12の開口12aに向けた下向きの空気の流れによって一気に屋内1aの空気を入れ替えることができる構成となっているため、屋内1aの臭いやよどんだ空気を迅速に入れ替えることができる。
【0066】
特に、給気口14と開口12aとが屋内1aの対角線上に配置されていれば、より効率的に空気の入れ替えをおこなうこができる。さらに、下向きの空気の流れによって、屋内1aの上部に漂う埃を積極的に落下させて取り除くことができる。
【0067】
また、集塵籠部22を収容する函体部2の上部空間と、排気ファン部4との接続部23が設けられる函体部2の下部空間とをフィルター部21で仕切ることによって、細かい埃が排気ファン部4に流れ込むことを防ぐことができる。
【0068】
さらに、排気ファン部4と接続させるために函体部2に設けられる接続部23を、継手管部23aと、函体部2の内空側に配置される継手管部23aの端部に鍔状に形成されるフランジ部23bとによって構成することで、メンテナンスなどで排気ファン部4との連結ダクト41を抜く際に継手管部23aが函体部2から外れたり、損傷したりするのを防ぐことができる。
【0069】
また、排気ファン部4の風力を調整するスイッチ部42を設けることで、掃除するときには風力を強め、掃除をしていないときには換気が行える程度の風力に弱めるというように、切り替えをすることができる。
【実施例1】
【0070】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0071】
前記実施の形態では、気流形成部として排気ファン部4を利用した構成について説明したが、この実施例1では、開口12a(蓋部3)の上方に気流形成部7が設けられる場合について説明する。
【0072】
気流形成部7は、図6に示したように、壁11とそれに平行に配置される仕切壁71との間に形成される。仕切壁71を開口12aの幅より少し広い間隔で壁11の内面から離して設置することによって、上下方向に延伸された内空7aが形成される。
【0073】
また、仕切壁71と天井15との間には、気流形成部7の内空7aへの空気の流入口72が設けられる。さらに、仕切壁71の蓋部3に隣接する部分には、床12の上面まで切り欠かれた取込口71aが設けられる。
【0074】
この取込口71aは、ゴムシートなどで成形された開閉自在の扉部71bで気密性が確保できる状態で覆われている。そして、気流形成部7の内空7aには、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置74が設けられる。この気流生成装置74は、下向きに空気が送り出されるように取り付けられたシロッコファンなどのファン74aと、ファン74aから送り出された風を加速させるサイクロン生成部74bとを備えている。また、ファン74aの上方はフィルター73によって覆われており、ファン74aに異物が入らないような構成になっている。
【0075】
このサイクロン生成部74bは、下方にいくほど先細る漏斗状に形成されており、上端の広い口から流れ込んだ空気は、渦を巻いて加速され、下端の狭い口から蓋部3に向けて吐出される。
【0076】
このように実施例1の構成では、気流形成部7によって床上から函体部2に向けての気流が生成されるため、床下空間1bに排気ファン部4を配置する必要がない。このため、図6に示すように、函体部2には直接、排気経路部5が接続される。
【0077】
次に、本実施例の住宅1の清掃システムの使用方法と作用について説明する。まず、屋内1aのスイッチ部42を操作して気流生成装置74のファン74aを作動させる。この結果、取込口71aが扉部71bによって遮蔽された気流形成部7の内空7aには、流入口72から流れ込んだ屋内1aの空気が下方の函体部2に向けて流れ込む空気の流れが生成される。また、ファン74aは仕切壁71によって屋内1aから区切られた空間で作動するため、ファン74aによる騒音は屋内1a側ではほとんど発生しない。
【0078】
一方、屋内1aでは、モップ6によって床12のゴミ61が扉部71bの前まで掃き集められる。続いて、モップ6をゴミ61ごと扉部71bに押し当てて、扉部71bを内空7a側に押し込むと、ゴミ61は蓋部3の隙間から函体部2内に落ち込む。ここで、内空7aには、下向きの気流が形成されており、ゴミ61はその気流に押されて函体部2内に落ちるため、埃などが舞い上がることがない。
【0079】
このように、ゴミ61を落とす床12の開口12aの上に気流形成部7を設け、開閉自在の扉部71bで屋内1aから開口12aに繋がる取込口71aを塞いでおけば、蓋部3の上又はその周辺のゴミ61を効率よく集塵籠部22に集めることができる。また、気流形成部7の内空7aに気流生成装置74を設けることによって、より確実に蓋部3の下の集塵籠部22にゴミ61を集めることができる。
【0080】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0081】
以下、前記した実施の形態及び実施例1とは別の形態の実施例2について、図7−図9を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0082】
前記実施の形態では集塵部としての函体部2を備えた構成について説明したが、この実施例2では、集塵部としての漏斗部8を備えた住宅1の清掃システムについて説明する。
【0083】
この漏斗部8は、図8に示すように内径の広い上口8aからそれよりも内径の狭い下口8bにかけて先細る截頭円錐状に形成されている。上口8aから下口8bまでの内空は連通されており、下口8bは排気ファン部4に一端が接続される連結ダクト41Aの他端になる接続口411に嵌り合う。
【0084】
また、漏斗部8の上部には、回動可能に把手8cが取り付けられる。すなわち、この把手8cを起こして持ち上げると、漏斗部8が連結ダクト41Aの接続口411から外れて床12の上に取り出すことができる。
【0085】
さらに、漏斗部8の内空は、フィルター部81によって上部空間と下部空間とに仕切られている。このフィルター部81は、前記実施の形態で説明したようにいずれの形態であってもよいが、例えば図8に示すような構成にすることができる。このフィルター部81は、合成樹脂製の不織布が円形に成形されたフィルター81aと、フィルター81aの外周縁を支持させる枠体81bと、フィルター81aの枠体81bへの固定手段となる把持部81cとから主に構成される。
【0086】
一方、漏斗部8の内周面には、円環状の鍔部82が設けられており、鍔部82の上にフィルター部81を設置する。漏斗部8の上口8aから取り込まれた空気は、鍔部82の中央の穴を通って下口8bから連結ダクト41Aに流れ込む。
【0087】
漏斗部8の上面は、図8に示すように、床12の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成された蓋部3Aによって塞がれる。この蓋部3Aは、正方形状に成形された開口12aの周囲を縁取る正方形状の枠部31Aと、枠部31A0の内部に格子状に形成される格子33とによって主に構成される。
【0088】
この蓋部3Aは、開口12aの内周に沿って設けられる床面より一段下がった段差部12bの上に着脱自在に設置される。この段差部12bに蓋部3Aを嵌めると、蓋部3Aの上面と床12の上面とは面一になる。
【0089】
また、漏斗部8の上口8aと段差部12bとの隙間にはゴムシートなどのシール材12c,・・・がそれぞれ配置される。このシール材12cは段差部12b側に固定されており、漏斗部8を取り外す際の支障になることはない。
【0090】
このように構成された漏斗部8には、図7に示すように給気口14から流入して屋内1aを通過した空気が流れ込む。また、気流に乗って運ばれる埃や、モップ6などで集められた大きな塵も、蓋部3Aの格子33の目を通って漏斗部8内に落下する。
【0091】
ここで、漏斗部8内では、内周面に沿って螺旋を描くようにして連結ダクト41Aの接続口411に向けて空気が流れている。このため、漏斗部8内に落ちたゴミ61も、遠心力で内周面に沿って滑り落ち、フィルター部81の縁部周辺に堆積する。すなわち、ゴミ61は鍔部82上周辺に堆積するので、鍔部82中央の穴の上にはあまりゴミ61が堆積せず、排気ファン部4に向けた空気の流れが遮断されることがない。
【0092】
このように排気ファン部4を清掃システムに利用しても、本来の住宅1の換気性能を維持することができる。また、フィルター部81に堆積するゴミ61の量が多くなれば、床12の上から蓋部3Aを外し、把手8cを起こして漏斗部8を持ち上げ、漏斗部8内に溜まったゴミ61を捨てればよい。
【0093】
一方、排気ファン部4に流れ込む埃などの量は、可能な限り低減させることが換気性能を維持していくうえでは好ましい。そこで、図9に示したように漏斗部8と排気ファン部4との間を、管路の一部が略U字状に形成された連結管43で繋ぐことができる。
【0094】
このようにU字状に形成された連結管43であれば、上方に位置する接続口411から流れ込んだ空気は、一旦下降して、U字の底で折り返して上昇した後に排気ファン部4に流れ込む。このため、空気に埃などが含まれていると、U字の底に堆積して排気ファン部4までは到達しにくくなる。
【0095】
さらに、連結管43に水を入れてU字の底に水面43aを設ければ、空気は水面43aと連結管43の内面との隙間を流れることになり、気流によって運ばれた排気中の埃などは、水面43aから水に吸着されることになる。この結果、下流側の排気ファン部4に流れ込む埃の量を大幅に低減することができる。
【0096】
また、U字の底となる連結管43の最下面にメンテナンス栓431を設けておくことで、連結管43に溜まった埃や埃が混じった水を抜き出すことができる。すなわち、定期的にメンテナンス栓431を開けて清掃することで、容易に連結管43の維持管理をおこなうことができる。
【0097】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0098】
以下、前記した実施の形態及び実施例1,2とは別の形態の実施例3について、図10,11を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0099】
この実施例3で説明する集塵部としての漏斗部8Aには、図10,11に示すように、漏斗部8Aの内空の空気の流れを制御する制御ファン83が設置されている。すなわち漏斗部8Aの内部には、漏斗部8Aの内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部81Aと、フィルター部81Aの上に設置される箱状の集塵箱部85と、集塵箱部85の上方に配置される中空の受部84と、受部84に対して回転自在に取り付けられる制御ファン83とが設けられる。
【0100】
フィルター部81Aは、目の細かい金網などによって形成される所定以上の剛性を備えた部材である。このフィルター部81Aの外周縁は、漏斗部8Aの内周面に固定されている。
【0101】
また、フィルター部81Aの略中央には、図11に示すようにフィルター部81Aの直径よりも小さい直径の円筒状の集塵箱部85が固定される。この集塵箱部85と漏斗部8Aの内周面との間に環状に残されたフィルター部81Aを通過して空気が下方に流れることになる。
【0102】
集塵箱部85の側壁には複数の棒状の支持具86,・・・の一端が固定されており、これらの支持具86,・・・によって受部84が集塵箱部85の底面から浮いた状態で支持される。
【0103】
受部84は、上端面にベアリング(図示省略)が設けられた漏斗状の部材で、受部84の上端面に回転自在に制御ファン83が取り付けられる。この制御ファン83には、排気ファン部4によって生成された上方から下方に向けての空気の流れによって自然に回転するように複数の羽根83a,・・・が設けられている。
【0104】
この羽根83aは、外縁が丸みを帯びるように楕円状に形成されている。また、羽根83aは上方にいくほど外側に広がるように取り付けられている。このような制御ファン83を設けることによって、上方から流入した空気は、図11の矢印で示すように羽根83a,・・・の内側に集められ、受部84の内空に向けた空気の流れが生成される。
【0105】
このため、漏斗部8Aの上方から落ちてくるゴミ61も、複数の羽根83a,・・・によって捉えられて空気の流れと同様に受部84に向けて降下することになる。そして、受部84を通過したゴミ61は、図10に示すように集塵箱部85に堆積される。
【0106】
他方、空気の一部は、図11に示すように羽根83a,・・・の隙間から外側に漏れて、集塵箱部85の外側のフィルター部81Aを通って連結ダクト41Aに流れ込む。
【0107】
このように漏斗部8Aの内空の空気の流れを制御する制御ファン83を設けることで、漏斗部8Aに落ちたゴミ61を集塵箱部85に集めることができる。集塵箱部85にゴミ61の多くが集められるように構成されていれば、ゴミ61がフィルター部81Aに堆積しにくくなって換気性能を維持することができる。なお、集塵箱部85に堆積したゴミ61は、床12の上から漏斗部8Aごと抜き出してひっくり返すことによって捨てることができる。
【0108】
また、フィルター部81Aに直接向かうゴミ61の量が減れば、フィルター部81Aを通過する埃の量も減って、排気ファン部4にまで埃などが流れ込むのを抑えることができる。
【0109】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0110】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0111】
例えば、前記実施の形態又は実施例では、排気を屋外1cに排出する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、排気を床下空間1bに排出する構成であってもよい。
【0112】
また、前記実施の形態ではガラリタイプの蓋部3について説明し、実施例2では格子タイプの蓋部3Aについて説明したが、これらに限定されるものではなく、グレーチングタイプ、パンチングメタルタイプ、金網タイプなどいずれの形態であってもよい。
【0113】
また、前記実施の形態では、網目状の底網部22cを備えた集塵籠部22について説明したが、これに限定されるものではなく、底面がパンチングメタル、フィルター、グレーチングなどのいずれの形態の部材で構成されていてもよい。また、筒部22bの形態は面状に限定されず、網目などの有孔構造であってもよい。
【0114】
さらに、前記実施の形態又は実施例1では、函体部2の側面に接続部23を設けたが、これに限定されるものではなく、函体部2の底面に接続部を設けることもできる。
【0115】
また、前記実施の形態では、フランジ部23bが函体部2の内空側に配置される構成について説明したが、これに限定されるものではなく、フランジ部23bが函体部2の外側の側面又は底面に取り付けられる構成であってもよい。
【0116】
また、前記実施の形態では、函体部2を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部21を設置する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、函体部2に集塵籠部22を収容するだけの構成であってもよい。この場合は、集塵籠部22の網目の大きさなどを適宜、調整する。さらに、集塵籠部22のない函体部2がフィルター部21によって仕切られただけの構成であってもよい。
【0117】
そして、前記実施例1では、取込口71aの扉部71bはゴムシートなどの可撓性及び弾性のある材料によって形成したが、これに限定されるものではなく、蝶番によって開閉自在にされた四角形の板材の側縁及び下縁にモヘアやゴムシートなどを取り付けて気密性を高めた構成であってもよい。
【0118】
また、前記実施例2では漏斗部8が連結ダクト41Aの接続口411から外れて取り出せる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、漏斗部8は連結ダクト41Aに固定されていて、フィルター部81を持ち上げることによって集められた塵埃を捨てる構成にすることもできる。
【0119】
さらに、前記実施例3では、駆動モータを備えていない制御ファン83について説明したが、これに限定されるものではなく、駆動モータを備えた自転可能な制御ファンを配置することもできる。
【符号の説明】
【0120】
1 住宅(建物)
1a 屋内
1b 床下空間
1c 屋外
12 床
12a 開口
14 給気口
2 函体部(集塵部)
2b 貫通穴
21,25,26,27 フィルター部
22 集塵籠部
23 接続部
23a 継手管部
23b フランジ部
3,3A 蓋部
4 排気ファン部(気流形成部)
42 スイッチ部
43 連結管(管路)
431 メンテナンス栓
5 排気経路部
51 ダクト
52 排気口
61 ゴミ(塵埃)
7 気流形成部
7a 内空
71 仕切壁
71a 取込口
71b 扉部
72 流入口
74 気流生成装置
8,8A 漏斗部(集塵部)
81,81A フィルター部
83 制御ファン
85 集塵箱部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の塵埃を取り除くための建物の清掃システムであって、
床に形成された開口に上端が接続され床下空間に配置される集塵部と、
前記床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに前記集塵部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部と、
前記集塵部の内空を仕切るフィルター部と、
床上から前記集塵部に向けての気流を生成する気流形成部と、
前記集塵部から送り出された排気を前記床下空間又は屋外に排出するための排気経路部とを備えたことを特徴とする建物の清掃システム。
【請求項2】
前記気流形成部は、床下空間に設置される排気ファン部であることを特徴とする請求項1に記載の建物の清掃システム。
【請求項3】
前記集塵部は、箱状の函体部と、その函体部に収容されて前記床の上から取り外し可能な集塵籠部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の清掃システム。
【請求項4】
前記函体部の下部に前記排気ファン部との接続部が設けられており、その接続部よりも上方の高さで前記函体部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部が設けられ、前記集塵籠部は前記上部空間に収容されることを特徴とする請求項3に記載の建物の清掃システム。
【請求項5】
前記排気ファン部と接続させるために前記函体部に設けられる接続部は、前記函体部に穿孔された貫通穴に挿通される継手管部と、前記函体部の内空側に配置される前記継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とを有することを特徴とする請求項4に記載の建物の清掃システム。
【請求項6】
前記気流形成部は、前記集塵部の上方に上下方向に延伸された内空を有しており、前記気流形成部の上部には、空気の流入口が設けられるとともに、前記蓋部に隣接する前記気流形成部の仕切壁には前記床の上面まで切り欠かれた取込口が設けられ、その取込口は開閉自在の扉部で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の建物の清掃システム。
【請求項7】
前記気流形成部の内空には、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の建物の清掃システム。
【請求項8】
前記集塵部は、前記床の開口側が広い漏斗状に形成された漏斗部であって、前記フィルター部は前記漏斗部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の清掃システム。
【請求項9】
前記漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成したことを特徴とする請求項8に記載の建物の清掃システム。
【請求項10】
前記管路の略U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けたことを特徴とする請求項9に記載の建物の清掃システム。
【請求項11】
前記フィルター部の上に前記漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【請求項12】
前記制御ファンと前記フィルター部との間に箱状の集塵箱部を介在させたことを特徴とする請求項11に記載の建物の清掃システム。
【請求項13】
前記屋内の壁の上部には、屋外に連通する給気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【請求項14】
前記排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を備えていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【請求項1】
屋内の塵埃を取り除くための建物の清掃システムであって、
床に形成された開口に上端が接続され床下空間に配置される集塵部と、
前記床の上下方向で貫通させた複数の空隙が形成されるとともに前記集塵部の上面を着脱自在に塞ぐ蓋部と、
前記集塵部の内空を仕切るフィルター部と、
床上から前記集塵部に向けての気流を生成する気流形成部と、
前記集塵部から送り出された排気を前記床下空間又は屋外に排出するための排気経路部とを備えたことを特徴とする建物の清掃システム。
【請求項2】
前記気流形成部は、床下空間に設置される排気ファン部であることを特徴とする請求項1に記載の建物の清掃システム。
【請求項3】
前記集塵部は、箱状の函体部と、その函体部に収容されて前記床の上から取り外し可能な集塵籠部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の清掃システム。
【請求項4】
前記函体部の下部に前記排気ファン部との接続部が設けられており、その接続部よりも上方の高さで前記函体部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るフィルター部が設けられ、前記集塵籠部は前記上部空間に収容されることを特徴とする請求項3に記載の建物の清掃システム。
【請求項5】
前記排気ファン部と接続させるために前記函体部に設けられる接続部は、前記函体部に穿孔された貫通穴に挿通される継手管部と、前記函体部の内空側に配置される前記継手管部の端部に鍔状に形成されるフランジ部とを有することを特徴とする請求項4に記載の建物の清掃システム。
【請求項6】
前記気流形成部は、前記集塵部の上方に上下方向に延伸された内空を有しており、前記気流形成部の上部には、空気の流入口が設けられるとともに、前記蓋部に隣接する前記気流形成部の仕切壁には前記床の上面まで切り欠かれた取込口が設けられ、その取込口は開閉自在の扉部で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の建物の清掃システム。
【請求項7】
前記気流形成部の内空には、下方に向けた気流を生成させる気流生成装置が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の建物の清掃システム。
【請求項8】
前記集塵部は、前記床の開口側が広い漏斗状に形成された漏斗部であって、前記フィルター部は前記漏斗部の内空を上部空間と下部空間とに仕切るように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の清掃システム。
【請求項9】
前記漏斗部の下流側の管路の一部を略U字状に形成したことを特徴とする請求項8に記載の建物の清掃システム。
【請求項10】
前記管路の略U字状に形成された箇所にメンテナンス栓を設けたことを特徴とする請求項9に記載の建物の清掃システム。
【請求項11】
前記フィルター部の上に前記漏斗部の内空の空気の流れを制御する制御ファンを設けたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【請求項12】
前記制御ファンと前記フィルター部との間に箱状の集塵箱部を介在させたことを特徴とする請求項11に記載の建物の清掃システム。
【請求項13】
前記屋内の壁の上部には、屋外に連通する給気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【請求項14】
前記排気ファン部の風力を調整するスイッチ部を備えていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の建物の清掃システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−71035(P2013−71035A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210575(P2011−210575)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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