説明

建物用庇

【課題】庇を3部材の接合で構成することで、各部材を押出成形材で形成してもコストダウンの効果が上がり、各部材の接合手段の改良で先端材の振れ止め、抜け止めも効果的に行われる建物用庇を提供すること。
【解決手段】取付部材1と先端材2を接合手段3で接合して、建物躯体4へ上記取付部材で取り付け、取付部材の上側には先端材との接合部に跨るカバー材5を覆設した建物用庇であって、上記取付部材と先端材の接合部は、横向きの凹部6を取付部材又は先端材の一方に有し、この凹部に係合する凸部7を取付部材又は先端材の他方に有するものであり、上記カバー材は、先端側に上記先端材に設けた受溝8へ係合する折返縁9を有し、基部側には上記取付部材の建物躯体への取付部に付設した受片11へ重ねてねじ12止めする取付片13を有していること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の出入口や窓の上に雨水や日射を遮るために取り付ける建物用庇に関する。
【背景技術】
【0002】
建物用庇において、壁取付部材と、この壁取付部材に取り付け角度可変に係合するパネル取付部材と、このパネル取付部材に取り付けられるパネル部材と、このパネル部材の前端部に取り付けられる先端見切り部材とから構成されて、最も大きな面積を占めるパネル部材と底板をアルミ板材の曲げ加工で作ることでコストダウンを図ったものは、例えば特許文献1により知られている。
【特許文献1】特開2005−256317号公報
【0003】
しかしながら、上記建物用庇は、壁取り付け部材、パネル取付部材、パネル部材、底板、パネル部材に内設する補強材、先端見切り部材の6部材を組み合わせて構成するものであるから、部品代が高くつくだけでなく、取り付け作業にも多くの手数を要してコストダウンの効果に乏しく、又、パネル部材とパネル部材取付部材との接合構造から雨天等に毛細管現象による浸水を起こし易い問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題点を解消して、庇を3部材の接合で構成することにより、これら部材を押出材で形成しても部品代が安くて、取り付け作業も手早く行えるためコストダウンの効果が上がり、また、取付部材と先端材の接合手段で先端材の振れ止めや抜け止めも効果的に行われる建物用庇を提供することがその課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、L形をなす取付部材と板状の先端材を接合手段で接合して、取付部材により建物躯体に取り付け、上記取付部材の上側には、先端材と取付部材の接合部に跨るカバー材を覆設した建物用庇であって、上記取付部材と先端材の接合手段は、横向きの凹部を取付部材又は先端材の一方に有し、この凹部に係合する凸部を取付部材又は先端材の他方に有するものであり、上記カバー材は、先端側に上記先端材に設けた受溝に係合する折返縁を有し、基部側に上記取付部材の建物躯体への取付部に付設した受片に取り付ける取付片を有しているものであることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記先端材は、張出面に異なる模様を形成した複数種の中から、所望する先端材を選択して取付部材と接合することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、上記先端材と取付部材の接合部の少なくともいずれか一方に斜面を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2において、上記先端材と取付部材の接合部に、両部材の間に間隙が生じることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、上記カバー材の先端と折返縁とに間隙が存在するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、建物用庇をL形をなす取付部材と、板状の先端材と、カバー材の3部材を接合して形成するから、各部材を押出成形で形成しても簡単な部材形状と少ない部材数のため安価に製作することができて、各部材を接合して建物躯体へ取り付ける作業も速やかに行えるので、庇設置のコストダウンを図るのに有効である。
また、L形の取付部材と板状の先端材の接合を、取付部材又は先端材の一方に横向きの凹部を設け、他方に凹部に係合する凸部を設けて行なうから、凹部と凸部の係合で先端材に上下方向に振れる力や、前後方向の押し引き力等が作用しても、先端材の振れや動きが抑制されたり、先端材の脱落を防止する効果に優れる。
さらに、カバー材の先端に折返縁を設けて、この折返縁を先端材に設けた受溝に係合させるから、カバー材の先端側の固定が簡単確実に行われ、先端材の脱落を防止する。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、先端材を張出面に形成した模様が異なる幾種類もを準備して、任意のものを選択して取付部材と接合すれば、模様の変化で形成される庇の印象が変わり、意匠性が高まる。なお、先端材のみ複数種作成し、取付部材及びカバー材は同一の部材を使用するため部材数が少なくてすみ、コストダウンを図るのに有効である。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、先端材と取付部材の接合に段差が生ずる場合、高い方の取付部材の端部を斜面にして接合面と平らに連なるようにすれば、先端材と取付部材の間に光反射が異なる隔離帯ができて、先端材と取付部材に色違いがあってもこれを目立たせなくするから、庇の意匠性が損なわれない。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、先端材と取付部材の接合の表面が面一状態となる場合、先端材と取付部材との間に間隙を形成すれば、先端材と取付部材の間に暗い隔離帯ができて、先端材と取付部材に色違いがあってもこれを目立たせなくしたり、目違いを目立たせなくするから、庇の意匠性が損なわれない。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、カバー材の先端と折返縁とに間隙があると、この間隙によって毛管現象が絶たれて、カバー材と先端材との間から雨水等が庇内部へ浸入させ難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明に係る建物用庇の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
この実施形態の建物用庇は、図1に示す通りL形をなす取付部材1と板状の先端材2を接合手段3で接合し、取付部材1により建物躯体4に取り付けて、上記取付部材1の上側には、先端材2と取付部材1の接合部に跨るカバー材5を覆設したものであって、上記取付部材1と先端材2の接合手段3は、横向きの凹部6a、6bを取付部材1又は先端材2の一方に有し、この凹部6a、6bに係合する凸部7a、7bを取付部材1又は先端材2の他方に有するものであり、上記カバー材5は、先端側に上記先端材2に設けた受溝8に係合する折返縁9を有し、基部側に上記取付部材1の建物躯体4への取付部10に付設した受片11に重ねてねじ止めする取付片13を有する構成としてある。
【0016】
上記取付部材1は、図2に示す通り先端材2を取り付ける横片部14と建物躯体4へ取り付ける取付部10でL形をなし、上記横片部14の先端側には先上がりに傾斜する前縁部15を形成し、該前縁部15の上端には前向きの第1の凸部7aを形成し、上記前縁部15より少し後側には、後上がりの傾斜で後方へ張り出す支持片16を形成し、この支持片16の基部前側には、前向きに第2の凸部7bを形成し、更に、取付部10の上端部には受片11を前下がりの傾斜で形成し、横片部14の内面には、図6に示す通り化粧蓋17を取り付けるねじ18を螺合させるビスホール19が形成されるようにアルミニウムの押出成型で連続成型したものであり、この連続成形材を所要の長さに切断して使用する。そして、この取付部材1における取付部10には、建物躯体4への取付ボルト20を通す孔21を形成する。
【0017】
上記先端材2は、図3に示す通り平らな板状をなし、後部の上側に短い立上片25で先端材2と連なって後方へ張り出す接合手段3の形成部26を、後部がV字形26aをなし、その後側片は取付部材1に形成される支持片16に重なる接合片27となり、V字形26aの頂部の下側には、取付部材1に形成される第2の凸部7bを係合させる第2の凹部6bが形成され、上記立上片25の前側には、上記形成部26と先端材2でカバー材5に形成させる折返縁9が係合する受溝8が形成され、後側には取付部材1に形成される第1の凸部7aが係合する第1の凹部6aを形成し、更に、先端材2の前部には水切縁28と、端部に図6に示す化粧蓋17を取り付けるねじ18を螺合させるビスホール29を形成されるようにアルミニウムの押出成型で連続成型したものであり、この連続成型材を所要の長さに切断して使用する。そして、この先端材2における接合片27には、取付部材1に形成される支持片16にあけられるねじ下孔24に合わせてねじ23を通す孔30を形成する。なお、図3に示すジョイントピン差込穴29´は、複数の先端材2を長手方向に連結する場合にピンを差すためのものである。
【0018】
上記先端材2は、その下面が図1及び図3に示す通り平面でもよい。しかし、この張り出し部に図3の楕円内に示す通り、押出成型が可能な突出模様31を形成すると、意匠性が高められるから、上記突出模様31の断面形状や配列間隔等を変えることで意匠性に変化を付けた幾種類もの先端材2を準備して、これら先端材2を選択的に取付部材1と接合して庇を形成すれば、コストアップもなく意匠性が多様な庇を製作することができる。なお、図示しないが模様は突出に限定されず、波状や三角状、円弧状等にしてもよい。
【0019】
上記カバー材5は、図4に示す通り上記取付部材1の横片部14を覆う横片部32と、取付部材1の取付部10を覆う緩い傾斜の縦片部33で略L形をなして、上記横片部32は先端側が前下がりに傾斜する斜面34をなし、該斜面34の先端部よりやや後方に先端材2の受溝8に係合する後向き方の折返縁9を、先端部と折返縁9との間に間隙35ができるように形成され、上記斜面34と横片部32との境部付近には、図6に示す通り端部に化粧蓋17を取り付けるねじ18を螺合させるビスホール36を形成され、縦片部33は建物躯体4とで図5(c)のようにコーキングの充填溝37を形成するため、上端より少し下った位置に取付部材1に形成される受片11に重なる上記取付片13を有するようにアルミニウムの押出成型で連続成形したものであり、この連続成形材を所要の長さに切断し使用する。
【0020】
上記の通り構成される建物用庇は、建物躯体4へ取り付ける取付部材1が横片部14の先端側へ図2に示す通り形成される第1の凸部7aと第2の凸部7bを、先端材2の後部へ図3に示す通り形成される第1の凹部6aに第1の凸部7aへ、第2の凹部6bに第2の凸部7bへ図5(a)に示す通り係合させると、先端材2の後部に形成され接合片27が、取付部材1の前部に形成される支持片16へ重なるから、孔30にねじ23を締結すれば、取付部材1と先端材2は、図5(b)に示す通り接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れて段差を目立たなくするように接合されて一体状となる。そこで、取付部材1の取付部10を、図5(b)に示す通りこの部分にあけた孔21から建物躯体4へ植え込まれているボルト20が覗くように建物躯体4に当てて、上記ボルト20に座金39を添えてナット40を掛けて締め付けを行うえば、取付部材1と先端材2は図5(c)に示す通り建物躯体4に固定されるので、取付部材1に図5(c)に示す通り上側からカバー材5を被せて、該カバー材5の先端に形成した折返縁9を先端材2に形成される受溝8に係合させ、カバー材5の縦片部33の上部に形成される取付片13を取付部材1の取付部10に形成される受片11に重ねて、ねじ12の締め付けを行えば、カバー材5は先端材2と取付部材1に前後を支持されて安定し、押出成形された3部材の接合による建物庇を完成する。
【0021】
しかし、取付部材1の取付部10を建物躯体4にボルト締めするだけでは、両者の間に間隙が存在して雨水の侵入を生じ易いから、図5(d)示す通りカバー材5の縦片部33の上端部と建物躯体4とで形成されるコーキングの充填溝37にコーキング41を充填して間隙を密封させ、庇の両端部には図6に示す通り化粧蓋17を当ててねじ18を螺合させるビスホール19、29、36に締め込むことで固定すれば、押出成型材を接合した構造の庇でも意匠性が高くて、風や地震等で上下に振られたり、前後に揺られたりしても接合の離脱を起こさない建物用庇を図6に示す窓42の上や図面には示してない出入口の上へ設置して、日射や雨水の遮蔽等を効果的に行わせることができる。
【0022】
本発明に係る建物用庇において、取付部材1と先端材2とカバー材5を接合する接合手段3は、上記図1〜図5に示す実施形態に示す構造に限定されるものではなく、その他多くの変形をなし得るから、以下に9種類の変形例を図7(a)(b)〜図15(a)(b)に基づいて説明する。
【0023】
図7(a)(b)は接合手段3の第1の変形例を示す。この変形例は図7(a)に示す通り、先端材2が後部の上側に短い立上片25で先端材1と連って後方へ張り出す接合手段3の形成部26を形成し、上記立上片25の前側と後側には、上記形成部26と先端材2でカバー材5の折返縁9aを係合させる第1の受溝8aと、取付部材1における前縁部15の上端部へ前向きに形成される第1の凸部7aを係合させる第1の凹部6aが形成され、上記形成部26の後部には取付部材1の支持片16に重なる接合片27を形成され、この接合片27の基部の下側には、取付部材1に形成される第2の凸部7bを係合させる第2の凹部6bを形成し、接合片27の上部には、カバー材5の横片部32の下側に形成される第2の折返縁9bを係合する第2の受溝8bを形成した構成としてある。
【0024】
上記第1の変形例は、図7(b)に示す通り取付部材1に形成される第1の凸部7aと第2の凸部7bを、先端材2に形成される第1の凹部6aと第2の凹部6bに係合させると、取付部材1に形成された支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるので、両者をねじ23で締め合わせれば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れるため、接合の段差が目立たなくなるように接合され、この状態でカバー材5に形成される第1の折返縁9aと第2の折返縁9bを、先端材2に形成される第1の受溝8aと第2の受溝8bへ係合させれば、カバー材5の先端が2箇所で先端材2に止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0025】
図8(a)(b)は、第2の変形例を示す。この変形例は、図8(a)に示す通り先端材2の後部の上側に短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26を、後端に取付部材1に形成される支持片16に重なる接合片27を形成し、その上端には取付部材1に形成される支持片16の上端に形成される第2の凹部6bへ係合する第2の凸部7bが形成され、上記立上片25の前側には、形成部26と先端材2で、カバー材5に形成される折返縁9を係合する受溝8が形成され、後側には取付部材1に形成される第1の凸部7aが係合する第1の凹部6aを形成された構成としてある。
【0026】
上記第2の変形例は、図8(b)に示す通り、取付部材1に形成される第1の凸部7aが先端材2に形成される第1の凹部6aに係合させ、先端材2に形成される第2の凸部7bを取付部材1に形成された第2の凹部6bに係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合わせれば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れるため、接合の段差が目立たなくなるように接合され、取付部材1と先端材2が接合されるから、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を、先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端が先端材2に止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0027】
図9(a)(b)は、第3の変形例を示す。この変形例は、図9(a)に示す通り先端材2の後部の上側に短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26が形成されて、この形成部26は後部に取付部材1に形成される支持片16に重なる接合片27を形成し、この接合片27の後端の上側には工の字形部43が形成され、この工の字形部43の前側にはカバー材5の横片部32と斜面34との境部に形成される第2の折返縁9bが係合する第2の受溝8bが形成され、後側には取付部材1の前縁部15に近い横片部14から立ち上がる立上片44の上端に前向きに形成される第2の凸部7bが係合する第2の凹部6bが形成され、更に、上記立上片25の前側には形成部26と先端材2とでカバー材5の斜面34の先端に形成される第1の折返縁9aが係合する第1の受溝8aを形成され、後側には取付部材1の前縁部15の先端に形成される第1の凸部7aが係合する第2の凹部6aを形成された構成としてある。
【0028】
上記第3の変形例は、図9(b)に示す通り、取付部材1に形成される第1の凸部7aと第2の凸部7bを、先端材2に形成される第1の凹部6aと第2の凹部6bにそれぞれ係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合われば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れて、接合の段差を目立たなくするように接合され、この状態でカバー材5に形成される第一の折返縁9aと第2の折返縁9bを先端材2に形成される第一の受溝8aと第2の受溝8bへ係合させれば、カバー材5の先端側が2箇所で先端材2へ止め付けられて、押出成型の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0029】
図10(a)(b)は、第4の変形例を示す。この変形例は、図10(a)に示す通り先端材2は、後部の上側に短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26を形成されて、この形成部26の後端には取付部材1に形成される支持片16へ重なる接合片27を形成され、該接合片27の上端後側には後向きに傾斜する第2の凸部7bを形成され、更に、上記立上片25の前側には形成部26と先端材2でカバー材5の先端に形成される折返縁9を係合させる受溝8を形成され、立上片25の後側には後向きに傾斜する第1の凹部6aを形成され、また、取付部材1は先端に形成される斜面の前縁部15の背部の中間から支持片16を突出させてその先端に先端材2に形成される第2の凸部7bを係合させる第2の凹部6bを形成され、上記支持片16の先端部は先端材2に形成される第1の凹部6aが係合する第1の凸部7aとなるように構成してある。
【0030】
上記第4の変形例は、図10(b)に示す通り、取付部材1に形成される第1の凸部7aを先端材2に形成される第1の凹部6aに、先端材2に形成される第2の凸部7bを取付部材1に形成される第2の凹部6bにそれぞれ係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合わせれば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れて、接合の段差を目立たなくするように接合され、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成型の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0031】
図11(a)(b)は、第5の変形例を示す。この変形例は、図11(a)に示す通り先端材2は、後部の上側に短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26を形成されて、この形成部26は後方へ長く延出して、その後端に取付部材1に形成される支持片16に重なる接合片27を形成され、この接合片27下端には前向きに第2の凸部7bを形成され、該形成部26の下側の中央部には前向きに第1の凸部7aを形成され、又、取付部材1は傾斜する前縁部15の先端に先端材2に形成される第1の凸部7aが係合する後向きの第1の凹部6aを形成され、横片部14はその上側に先端材2に形成される接合片27と重なる支持片16を形成されて、この支持片16の基部の後側に先端材2に形成される第2の凸部7bが係合する第2の凹部6bを形成され、さらに、上記立上片25の前側には形成部26と先端材2とでカバー材5の斜面34の先端に形成される折返縁9が係合する受溝8を形成された構成としてある。
【0032】
上記第5の変形例は、図11(b)に示す通り、先端材2に形成される第1の凸部7aを取付部材1に形成される第1の凹部6aに、先端材2に形成される第2の凸部7bを取付部材1に形成される第2の凹部6bにそれぞれ係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合わせれば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れ、その先には間隙45が現れて接合の段差を目立たなくするように接合され、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成型の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0033】
図12(a)(b)は、第6の変形例を示す。この変形例は、図12(a)に示す通り先端材2は、短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26を形成されて、上記立上片25の前側に形成部26と先端材2でカバー材5に形成された折返縁9が係合する受溝8を前向きに形成され、立上片25の後側には先端材2の傾斜端面46とこれに平行するように形成部26から突出させた突片47で、取付部材1の前縁部15の先端に形成される凸部7が係合する凹部6を斜め後向きに形成され、上記形成部26の後端には取付部材1の横片部14から斜めに立ち上がらせた支持片16に重なる接合片27を形成された構成としてある。
【0034】
上記第6の変形例は、図12(b)に示す通り、取付部材1に形成される凸部7を先端材2に形成される凹部6に係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合せれば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1の斜面をなす前縁部15が現れて、接合の段差を目立たなくするように接合されるので、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0035】
図13(a)(b)は、第7の変形例を示す。この変形例は、図13(a)に示す通り先端材2が短い立上片25で先端材2と連なる接合手段3の形成部26を形成されて、上記立上片25の前側に形成部26と先端材2でカバー材5に形成される折返縁9を係合させる前向きの受溝8を形成され、立上片25の後側には上記形成部26と先端材2の先端が下向きに傾斜する端部46で、取付部材1の横片部14の先端に形成される凸部7が係合する凹部6を後向きに形成され、上記形成部26の後端上側には取付部材1の横片部14から直立する支持片16へ重なる接合片27を形成された構成としてある。
【0036】
上記第7の変形例は、図13(b)に示す通り、取付部材1に形成される凸部7を先端材2に形成される凹部6に係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合せれば、取付部材1と先端材2は接合部に先端材の傾斜する端部46が表れて、接合の段差を目立たなくするように接合されるので、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0037】
図14(a)(b)は、第8の変形例を示す。この変形例は、図14(a)に示す通り先端材2が後部の上側に短い立上片25で先端材2と連って後方へ張り出す屋根形の接合手段3の形成部26を形成され、上記立上片25の前側に形成部26と先端材2で、カバー材5に形成される折返縁9を係合させる受溝8を形成され、屋根形をなす形成部26は棟部の下側中央部に前向きの第1の凸部7aを形成され、更に後側の流れ面は接合片27となってその下端に前向きの第2の凸部7bを形成され、取付部材1は、直立する前縁部15の上端に先端材2に形成される第1の凸部7aへ係合する後向きの第一の凹部6aを形成され、前縁部15の下側には先端材2の上面へ重なるように間隙45の裏打片47を突出させ、前縁部15に近い横片部14の上側には先端材2に形成される接合片27へ重なる支持片16を形成された構成としてある。
【0038】
上記第8の変形例は、図14(b)に示す通り、取付部材1に形成される第1の凹部6aと第2の凹部6bを、先端材に形成される第1の凸部7aと第2の凸部7bにそれぞれ係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合われば、取付部材1と先端材2は接合部を裏打片47で後部を塞がれた間隙45が生ずるように接合されるので、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0039】
図15(a)(b)は、第9の変形例を示す。この変形例は、図15(a)に示す通り先端材2は、後部の上側に短い立上片25で先端材2と連って後方へ張り出す屋根形の接合手段3の形成部26を形成され、上記立上片25の前側に形成部26と先端材2で、カバー材5に形成される折返縁9を係合させる受溝8を形成され、屋根形をなす形成部26はその棟部の下側中央部に垂下片50を有して、その先端に取付部材1に形成される第1の凹部6aへ係合する前向きの第1の凸部7aを形成され、さらに、後側の流れ面は接合片27となってその下端に取付部材1に形成される第2の凹部6bへ係合する前向きの第2の凸部7bを形成され、取付部材1は前縁部15が先上りに傾斜して基部に間隙45となる段部51を形成させ、前縁部15に近い横片部14の上側には、先端材2に形成される接合片27へ重なる支持片16を形成された構成としてある。
【0040】
上記第9の変形例は、図15(b)に示す通り、取付部材1に形成される第1の凹部6aと第2の凹部6bを、先端材2に形成される第1の凸部7aと第2の凸部7bにそれぞれ係合させれば、取付部材1に形成される支持片16と先端材2に形成される接合片27が重なるから、両者をねじ23で締め合われば、取付部材1と先端材2は接合部に取付部材1に形成される段部51で裏打された間隙45が生ずるように接合されるから、この状態でカバー材5に形成される折返縁9を先端材2に形成される受溝8へ係合させれば、カバー材5の先端側が先端材2へ止め付けられて、押出成形の3部材の接合による建物用庇を構成する。
【0041】
上記した接合構造の変形例9種類は、実施形態の接合手段とは相違するが、取付部材1と先端材2が横向きの凸部7と凹部6の係合で取付部材1に対する先端材2の上下方向の振れと、前後方向のずれが抑制され、取付部材1と先端材2は支持片16と接合片27を重ねて公知の通りねじ結合するから取付部材1と先端材2が強固に確実に接合されて、先端材2とカバー材5も受溝8と折返縁9の係合で確実に取り付けられる点は実施形態の接合手段と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
部材の形状改良で押出成形材を接合した構成でも、機能と意匠性に優れた建物用庇を市場へ提供することを実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る建物用庇の実施形態を示す断面図
【図2】同上実施形態で用いた取付部材の一部分の斜視図
【図3】同上実施形態で用いた先端材の一部分の斜視図
【図4】同上実施形態で用いたカバー材の一部分の斜視図
【図5】(a)(b)(c)(d)は、取付部材、先端材、カバー材を接合して建物用庇を形成し建物躯体へ取り付ける状態の説明図
【図6】窓の上に建物用庇が設置された状態の説明図
【図7】(a)(b)は、本発明に係る建物用庇の接合部の第1の変形例を示す説明図
【図8】(a)(b)は、同上の第2の変形例を示す説明図
【図9】(a)(b)は、同上の第3の変形例を示す説明図
【図10】(a)(b)は、同上の第4の変形例を示す説明図
【図11】(a)(b)は、同上の第5の変形例を示す説明図
【図12】(a)(b)は、同上の第6の変形例を示す説明図
【図13】(a)(b)は、同上の第7の変形例を示す説明図
【図14】(a)(b)は、同上の第8の変形例を示す説明図
【図15】(a)(b)は、同上の第9の変形例を示す説明図
【符号の説明】
【0044】
1 取付部材
2 先端材
3 接合手段
4 建物躯体
5 カバー材
6、6a、6b 凹部
7、7a、7b 凸部
8 受溝
9 折返縁
10 取付部
11 受片
12 ねじ
13 取付片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L形をなす取付部材と板状の先端材を接合手段で接合して、取付部材により建物躯体に取り付け、上記取付部材の上側には、先端材と取付部材の接合部に跨るカバー材を覆設した建物用庇であって、
上記取付部材と先端材の接合手段は、横向きの凹部を取付部材又は先端材の一方に有し、この凹部に係合する凸部を取付部材又は先端材の他方に有するものであり、
上記カバー材は、先端側に上記先端材に設けた受溝に係合する折返縁を有し、基部側に上記取付部材の建物躯体への取付部に付設した受片に取り付ける取付片を有しているものである
ことを特徴とする建物用庇。
【請求項2】
上記先端材は、張出面に異なる模様を形成した複数種の中から、所望する先端材を選択して取付部材と接合すること
を特徴とする請求項1に記載の建物用庇。
【請求項3】
上記先端材と取付部材の接合部の少なくともいずれか一方に斜面を有している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物用庇。
【請求項4】
上記先端材と取付部材の接合部に、両部材の間に間隙が生じる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物用庇。
【請求項5】
上記カバー材の先端と折返縁とに間隙が存在するようにした
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の建物用庇。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−150805(P2010−150805A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329684(P2008−329684)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】