説明

建物用庇

【課題】耐衝撃性および断熱性に優れており、庇の下でも光が差し込む軽い建物用庇を提供する。
【解決手段】壁面7に取り付けられる壁側取付け用部材2と、この壁側取付け用部材2に連結されるパネル側取付け用部材3と、このパネル側取付け用部材3に取り付けられるパネル部材5と、このパネル部材5の前端部に取り付けられる先端見切り部材4とを備える建物用庇1において、パネル部材5は合成樹脂材料からなり、弾性変形可能な弾性部材である圧縮コイルばね26を介してパネル側取付け用部材3に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直射日光や雨水などを遮るために建物の軒先などに取り付けられる建物用庇の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
庇の下方にも光が差し込むようにするために、庇板を板ガラス製とした庇が特許文献1に記載されている。庇は、板ガラス製の庇板の基端部が、建物の外壁面に取り付けた支持具で支持されている。庇板が外部から衝撃を受けた場合でも庇板に欠けや割れなどが生じないようにするために、庇板の両側縁には縁枠が装着されている。各縁枠には長さ方向に沿う摺動溝が形成されており、摺動溝には位置決め部材が摺動自在に保持されている。上端が建物の外壁面に支持されたアームの下端部が夫々位置決め部材に連結されて庇板が支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−328755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の庇では、庇板に縁枠を取り付けて縁枠側からの衝撃を緩和することができても、ガラス製の庇板の表面あるいは裏面に直接作用する衝撃を緩和することはできない。また、庇板をガラス製とするので庇全体の重量が大きくなり取り扱いが不便である。さらに、ガラス製の庇板は熱を通し易く断熱性が低いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決するもので、耐衝撃性および断熱性に優れており、庇の下でも光が差し込む軽い建物用庇を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために請求項1の発明は、壁面にパネルを取り付けるためのパネル取り付け用部材と、このパネル取り付け用部材に取り付けられるパネル部材と、このパネル部材の前端部に取り付けられる先端見切り部材とを備える建物用庇において、パネル部材は合成樹脂材料からなり、弾性変形可能な弾性部材を介してパネル取り付け用部材に取り付けられる。請求項2の発明は、請求項1の発明において弾性部材をコイルばねとする。請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明においてパネル取り付け用部材は、壁面に取り付けられる壁側取り付け用部材と、この壁側取り付け用部材に連結されるパネル側取り付け用部材とからなる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、パネル部材は、合成樹脂材料からなるので、耐衝撃性および断熱性に優れ、庇の下でも光が差し込む軽い建物用庇とすることができ、弾性変形可能な弾性部材を介してパネル取り付け用部材に取り付けられるので、パネル部材が熱膨張した場合には弾性部材が弾性変形してパネル部材の破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】建物用庇1の斜視図である。
【図2】建物用庇1の側面図である。
【図3】建物用庇1の長さ方向の拡大断面図である。
【図4】建物用庇1の長さ方向の拡大断面図である。
【図5】建物用庇1の長さ方向の拡大断面図である。
【図6】建物用庇1の横断面図である。
【図7】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図8】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図9】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図10】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図11】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図12】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図13】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【図14】建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。図1は建物用庇の斜視図である。図2は建物用庇の側面図である。図3,図4および図5は建物用庇の長さ方向の拡大断面図である。図6は建物用庇1の横断面図である。
【0010】
建物用庇1は、建物の壁面7に取り付けられる壁側取り付け用部材2と、この壁側取り付け用部材2の下端に係合するパネル側取り付け用部材3と、このパネル側取り付け用部材3と一定の間隔を開けて連結される先端見切り部材4と、パネル側取り付け用部材3と先端見切り部材4との間に設置される複数のパネル部材5とを備えている。壁側取り付け用部材2とパネル側取り付け用部材3とは、パネル取り付け用部材である。パネル部材5同士はジョイント部材6によって連結され庇板8が形成される。庇板8の長さ方向両側部にもジョイント部材6が装着され、該ジョイント部材6の側部に端部カバー部材9がビス止めされる。
【0011】
壁側取り付け用部材2は、アルミの押出材から形成され、壁面7に沿う鉛直部分2aと、この鉛直部分の上端より壁面7の前方に突出するように形成された円弧状の突出部分2bと、前記鉛直部分2aの下端に形成されたパネル側取り付け用部材3との係合部2cとを備え、壁面7に埋設したアンカーボルト11に鉛直部分2aが固定される。なお、鉛直部分2aの上端には凹状の段部12が形成されており、この段部12と壁面7との間は別途シールされる。
【0012】
パネル側取り付け用部材3はアルミの押出材で形成され、下端の扁平な板部3aと、この板部3aの後端部に形成され壁側取り付け用部材2の係合部2cに係合する係合部3bと、壁側取り付け用部材2の円弧状の突出部分2bの円弧に沿うように板部3aの上方で円弧状に形成された板部3cと、板部3aから上方に立ち上がる板部3dと、板部3dの上端から前方に伸延し板部3cの前端部に連結する板部3eとを備えている。このパネル側取り付け用部材3は係合部3bが壁側取り付け用部材2の係合部2cに前方から係合される。板部3dには後述する寸切ボルト14の挿通孔が設けられており、寸切ボルト14は挿通孔を挿通した状態で板部3dにナット15で固定される。板部3aの上面にはパネル部材5の下面を支持する受け部材16が設けられる。
【0013】
パネル部材5の前端部に先端見切り部材4を取り付けるために、パネル部材5の前端部に先端ブラケット部材17が取り付けられる。この先端ブラケット部材17はアルミの押出材から形成され、パネル部材5の開口部を塞ぐフラットバー18が当接する板部17aと、この板部17aの上下両端に繋がり互いに平行でパネル部材5の端部を挟み込む板部17b,17bと、板部17aと板部17bとの繋がり部近傍に形成され先端見切り部材4の爪片4a,4bが係止される溝部17c,17dとから構成される。
【0014】
先端見切り部材4はアルミの押出材から形成され、上下の板部を先端部の円弧状部分で繋いだ形状を有し、後端部には先端ブラケット部材17の溝部17c,17dに係止する爪片4a,4bを備えている。なお、先端見切り部材4の先端部の円弧状部分内側には、後述する端部カバー部材9がビス止めされるタッピング孔4cが設けられる。
【0015】
パネル部材5として、たとえばタキロン株式会社製ルメルーフ(登録商標)が用いられる。タキロン株式会社製ルメルーフは、耐衝撃強度に優れた合成樹脂材料であるポリカーボネート樹脂製であり、上下の互いに平行な板部5dと、この板部間の空間を左右方向に適当間隔おきに仕切り前後方向に連続する仕切り部5eとを有しているので軽量で高い剛性と断熱性能を備えている。パネル部材5の長さ方向両側部には、長さ方向に沿って立ち上がり部5aが形成されている。立ち上がり部5aはパネル部材5本体よりも前後方向に短く形成されており、立ち上がり部5aの端面5gとパネル部材5本体の端面5fとは前後方向において面一とされず段付き状に形成される。立ち上がり部5aの横断面には、上方に向かって幅狭となるように斜面5bが設けられ、斜面5bの上端には凹部5cが形成される。なお、パネル部材5はポリカーボネート樹脂製に限定されるものではなく、たとえばアクリルや塩化ビニルなどの樹脂を用いることができる。
【0016】
隣接するパネル部材5同士は、立ち上がり部5aをジョイント部材6で挟み込むようにして連結され庇板8が形成される。2枚のパネル部材5で形成された庇板8の長さ方向両側部にもジョイント部材6が装着され、ジョイント部材6の側部に端部カバー部材9がビス止めされる。なお、本実施例では2枚のパネル部材5が連結されるが、これに限定するものではなく、たとえば3枚以上のパネル部材5が連結されるものでもよい。
【0017】
ジョイント部材6はアルミの押出材から形成され、横断面形状が左右対称とされる。ジョイント部材6はパネル部材5に嵌め込まれたとき、端面6fがパネル部材5の立ち上がり部5aの端面5gから前後方向に突出した状態で設置される。ジョイント部材6の下部内側には、パネル部材5の立ち上がり部5aの斜面5bに当接する板部6aと、板部6aの先端部に設けられ凹部5cに係止する突起部6bとが形成されている。また、ジョイント部材6の中央部には、下方に伸延し隣接するパネル部材5の端面に当接する板部6cが形成されている。
【0018】
なお、ジョイント部材6の上部には、ステー20をジョイント部材6に連結するステー取り付け金具21がビス止めされる。ステー取り付け金具21の取り付け座21aの下面21bが小口蓋をビス止めするタッピング孔6d周縁部に当接し、上面両端部が上部板部6eに当接した状態でビス止めされる。
【0019】
ジョイント部材6の前端面6fには、小口蓋27aがジョイント部材6の端面6fと先端ブラケット部材17の上面17eとの双方にビス止めされた状態で設置される。ジョイント部材6の後端面6fには小口蓋27bがジョイント部材6の端面6fにビス止めされ端部材25の上部端面25bに当接した状態で設置される。小口蓋27bは端部材25の上部端面25bにビス止めされない。
【0020】
ここで建物用庇1の取り付け手順について説明する。図7〜図14は、建物用庇1の組み立て手順を示す斜視図である。まず、図7,図8に示すように、壁面7に壁側取り付け用部材2を固定するアンカーボルト11を打ち込む。側板22がビス止めされた壁側取り付け用部材2が、アンカーボルト11に嵌め込まれナット23で固定される。
【0021】
一方、図9に示すように、立ち上がり部5aが隣接するように2枚のパネル部材5が配置され、立ち上がり部5aを挟み込むようにジョイント部材6が嵌め込まれる。このときパネル部材5,5の端面はジョイント部材6の板部6cを介して当接している。パネル部材5の立ち上がり部5aの斜面5bに板部6aが当接し、立ち上がり部5aの凹部5cに突起部6bが係止した状態でパネル部材5が連結される。なお、板部6aは弾性変形可能に形成されており、ジョイント部材6は、板部6aを弾性変形させながら立ち上がり部5aの上方から直接嵌め込まれる。
【0022】
連結されたパネル部材5の両側部の立ち上がり部5aにも上方からジョイント部材6が嵌め込まれる。ジョイント部材6は、板部6cがパネル部材5の端面に当接し、板部6aが立ち上がり部5aの斜面5bに当接し、さらに突起部6bが凹部5cに係止した状態で嵌め込まれる。この場合にもジョイント部材6は、板部6aを弾性変形させながら立ち上がり部5aの上方から直接嵌め込まれる。ジョイント部材6の両端面6f,6fは、立ち上がり部5aに嵌め込まれた状態で立ち上がり部5aの端面5gから前後方向に突出している。
【0023】
このように、パネル部材5は、ジョイント部材6に係止した状態で嵌め込まれているだけであるので、パネル部材5(立ち上がり部5a)はジョイント部材6の長さ方向に対して、熱膨張や熱収縮に伴い、自由に移動することができる。また、ジョイント部材6は、立ち上がり部5aの端面5g側からスライドさせて装着せず、板部6aを弾性変形させながら立ち上がり部5aの上方から直接嵌め込まれるので、容易に装着することができ作業時間の短縮を図ることができる。
【0024】
次に、図10に示すように、中空構造であるパネル部材5の内部に、前後方向に寸切りボルト14が挿通される。寸切りボルト14は、パネル部材5の両側部に形成された立ち上がり部5aの下部に4箇所挿通される。寸切りボルト14が挿通されたパネル部材5の前方には、フラットバー18がパネル部材5の前端面5fに当接した状態で装着される。フラットバー18が装着されたパネル部材5の前端部には先端ブラケット部材17が覆うように装着されナット24で固定される。先端ブラケット部材17の前方には、さらに先端見切り部材4が、先端ブラケット部材17の溝部17c,17dに爪片4a,4bを係止させた状態で装着される。先端見切り部材4はワンタッチで装着可能である。
【0025】
パネル部材5を挿通した寸切りボルト14の後部には、端部材25と弾性変形可能な弾性部材である圧縮コイルばね26とがこの順番に装着され、さらにパネル側取り付け用部材3の板部3dに形成された不図示の挿通孔に挿通された後、ナット15で固定される。端部材25はアルミ板をコの字状に曲げて形成されており、パネル部材5の後端面5fを覆うように装着される。パネル側取り付け用部材3の板部3a上面には端部材25を支持する受け部材16が設置されている。受け部材16が端部材25の下部端面25aに当接した状態で、端部材25の上部端面25bが板部3eの下面に当接している。これによってパネル部材5の上下方向の位置決めがされる。
【0026】
端部材25と板部3dとの間に装着される圧縮コイルばね26は、パネル部材5の伸縮量に応じた適当なものが選定され、圧縮コイルばね26の取り付け長さはナット15で調整される。図3は雰囲気温度が高い場合のパネル部材5の取り付け状態を示し、図4は雰囲気温度が低い場合のパネル部材5の取り付け状態を示す。なおパネル部材5の後端部に装着された端部材25はパネル部材5の熱膨張や熱収縮に伴って前後方向に移動する。
【0027】
次に、図11に示すようにパネル部材5の側部には端部カバー部材9がビス止めされる。端部カバー部材9はアルミ板を略L字状に曲げて形成される。一枚ものの端部カバー部材9は、パネル部材5の側部のみならず、先端見切り部材4の側部、パネル側取り付け用部材3の側部を含んで建物用庇1の両側部を覆う。端部カバー部材9を一枚ものとすることで部品点数の削減が図られる。
【0028】
ジョイント部材6の前端部には、小口蓋27aがジョイント部材6の端面6fと先端ブラケット部材17の上面17eとの双方にビス止めされた状態で設置される。ジョイント部材6の後端部には小口蓋27bがジョイント部材6の端面6fにビス止めされた状態で設置される。このとき小口蓋27a,27bは立ち上がり部5aの端面5gとの間に隙間が設けられた状態で設置される。
【0029】
図12に示すように、ジョイント部材6には、ステー20をジョイント部材6に連結するステー取り付け金具21がビス止めされる。ステー取り付け金具21の取り付け座21aは、上方から直接ジョイント部材6に嵌め込まれ、下面21bがタッピング孔6d周縁部に当接し、上面21c両端部が上部板部6eに当接した状態でビス止めされる。ステー取り付け金具21は、ジョイント部材6の端部から挿入して所定の位置までスライドさせることなく、ジョイント部材6の上方から容易に直接ジョイント部材6の所定の位置に嵌め込むことができる。
【0030】
図13に示すように、パネル側取り付け用部材3の係合部3bを壁側取り付け用部材2の係合部2cに係合させ、壁側取り付け用部材2の上面にカバー部材28が取り付けられる。そして図14に示すように、ステー取り付け金具21にステー20の一端部が取り付けられステー20の他端部が壁面7側に固定される。さらにカバー部材28と壁面7との隙間がシールされる。このとき、ジョイント部材6に取り付けるステー取り付け金具21の位置を調整してパネル部材5の取り付け角度を調整することができる。
【0031】
このようにして取り付けられた建物用庇1において、図3に示すように雰囲気温度が高くパネル部材5が膨張すると、端部材25は、下部端面25aが受け部材16に当接し、上部端面25bが小口蓋27bと板部3eの下面に当接した状態で後方に移動するが、立ち上がり部5aの端面5gが小口蓋27bに当接することはなく、端面5gと小口蓋27bとの間には隙間が確保されている。また、圧縮コイルばね26は底着きしておらず縮み代が残されており、圧縮コイルばね26が底着きしてパネル部材5の熱膨張が制限されることはない。パネル部材5は制限されることなく熱膨張可能であり、パネル部材5の内部に発生する熱応力によってパネル部材5が破損することを防止することができる。
【0032】
図4に示すように雰囲気温度が低くパネル部材5が収縮すると、パネル部材5の収縮に伴って端部材25は前方に移動するが、上部端面25bと板部3e下面とは当接した状態が保たれ、端部材25がパネル側取り付け用部材3から抜け出ることはない。またパネル部材5の収縮に伴って、立ち上がり部5aの前端面5gが小口蓋27aに当接することはなく端面5gと小口蓋27aとの間には隙間が確保されている。また端部材25が圧縮コイルばね26から離れて圧縮コイルばね26が自由長となることはなく圧縮状態が維持されている。これによってパネル部材5の安定した取り付け状態が維持される。
【0033】
このように、中空構造であるパネル部材5の内部に寸切りボルト14を挿通させ、挿通した寸切りボルト14に弾性変形可能な弾性部材である圧縮コイルばね26を装着すると、ポリカーボネート樹脂製のパネル部材5は圧縮コイルばね26に付勢された状態で自由に熱膨張や熱収縮することができるので、パネル部材5の熱膨張や熱収縮が制限されパネル部材5の内部に熱応力が発生してパネル部材5が破損することが防止されると共に、寸切りボルト14に沿ってパネル部材5及び圧縮コイルばね26が伸縮するため、熱膨張や熱収縮によるパネル部材5の反りを防止することができる。また、圧縮コイルばね26は、パネル部材5の両側部に形成された立ち上がり部5aの下部に挿通されている寸切りボルト14の後部に装着されていることから、両側部の後部においてパネル部材5の伸縮を均等に吸収することができ、パネル部材5の破損を確実に防止することができる。
【0034】
たとえばパネル部材に加えられる外部からの衝撃を緩和するためにパネル部材のクッション材としてパネル部材の周囲にゴムや発泡樹脂などを設けることがあるが、ゴムや発泡樹脂は撓み代が小さく熱膨張や熱収縮するパネル部材を一定の力で付勢することが難しい。圧縮コイルばね26は撓み代が大きく熱膨張や熱収縮するパネル部材5を略一定の力で付勢することができる。また本実施例のように圧縮コイルばね26の内部に寸切りボルト14などを挿通させて容易に装着することができる。これによってパネル部材5をポリカーボネート樹脂製とすることができるものである。
【0035】
なお、本実施例においては圧縮コイルばね26は寸切りボルト14の後方に装着されるが、これに限定されるものではなく寸切りボルト14の前方に装着されるものでも良い。たとえば圧縮コイルばね26を先端ブラケット部材17とフラットバー18との間に装着してパネル部材5が圧縮コイルばね26に付勢された状態で自由に熱膨張や熱収縮するものでもよい。
【0036】
このように、壁面7にパネルであるパネル部材を取り付けるためのパネル取り付け用部材である壁側取り付け用部材2とパネル側取り付け用部材3と、このパネル側取り付け用部材3に取り付けられるパネル部材5と、このパネル部材5の前端部に取り付けられる先端見切り部材4とを備える建物用庇1において、パネル部材5は合成樹脂材料からなり、弾性変形可能な弾性部材である圧縮コイルばね26を介してパネル側取り付け用部材3に取り付けられるので、パネル部材5は、耐衝撃性および断熱性に優れ、パネル部材5の下でも光が差し込む軽い建物用庇1とすることができ、パネル部材5が熱膨張した場合には圧縮コイルばね26が弾性変形してパネル部材5の破損を防止する。
【符号の説明】
【0037】
1 建物用庇
2 壁側取り付け用部材
2a 鉛直部分
2b 突出部分
2c,3b 係合部
3 パネル側取り付け用部材
3a,3c,3d,3e,5d,6a,6c,17a,17b 板部
4 先端見切り部材
4a,4b 爪片
4c,6d タッピング孔
5 パネル部材
5a 立ち上がり部
5b 斜面
5c 凹部
5e 仕切り部
5f,5g,6f 端面
6 ジョイント部材
6b 突起部
6e 上部板部
7 壁面
8 庇板
9 端部カバー部材
11 アンカーボルト
12 段部
14 寸切ボルト
15,23,24 ナット
16 受け部材
17 先端ブラケット部材
17c,17d 溝部
17e 上面
18 フラットバー
20 ステー
21 ステー取り付け金具
21a 取り付け座
21b 下面
21c 上面
22 側板
25 端部材
25a 下部端面
25b 上部端面
26 圧縮コイルばね
27a,27b 小口蓋
28 カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面にパネルを取り付けるためのパネル取付け用部材と、このパネル取付け用部材に取り付けられるパネル部材と、このパネル部材の前端部に取り付けられる先端見切り部材とを備える建物用庇において、
パネル部材は合成樹脂材料からなり、弾性変形可能な弾性部材を介してパネル取付け用部材に取り付けられることを特徴とする建物用庇。
【請求項2】
弾性部材はコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の建物用庇。
【請求項3】
パネル取付け用部材は、壁面に取り付けられる壁側取付け用部材と、この壁側取付け用部材に連結されるパネル側取付け用部材とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の建物用庇。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−102600(P2012−102600A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254356(P2010−254356)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000133319)株式会社ダイケン (53)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】