説明

建物

【課題】工事費の低減、工期の短縮を図り、充分な駐車台数を確保しつつ入出庫時間を短縮し、比較的狭小な敷地において構築でき、また、必要な駐車台数の減少に対し、余剰の駐車場部分を有効活用できるようにする。
【解決手段】センターコアの建物1の上層階Aを住戸階に、下層階Bを自走式立体駐車場に構成し、上部下層階B1は、コア部を挟む両側に、それぞれ水平面に形成された車両走行路10aを備えるとともに、該車両走行路の外側に連設された駐車スペース11を備え、コア部を挟む両側に設けられた車両走行路は、互いに略1/2階の水平レベルの差を有するとともに、順次、傾斜面に形成された車両走行路10bで接続される。下部下層階B2は、螺旋状をなす傾斜面に形成された車両走行路10と、該車両走行路の外周に連設された駐車スペース11とを備えた、連続傾床型駐車場とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高層の集合住宅として好適に用いられる多層建築の建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅として用いられる多層建築の建物においては、機械式立体駐車場や自走式駐車場を備えた各種のものが提案されている。
例えば、建物の中央部に各階を上下方向に貫通する中空部を設けるとともにその中空部に機械式立体駐車場を設けたものが知られている。このような機械式立体駐車場は、入出庫に時間がかかるという問題がある。
また、建物の地下に駐車場を設けたものもあるが、地下工事費が嵩む、工期が長期化する等の問題がある。特許文献1には、「中央に、多層のフロアを貫通して上下方向に伸びる中空部を設けた塔状部と、塔状部の低層階に、塔状部に巻きつく形で複数階に亘って設けた張出部とを備えてなる高層の建物であって、張出部に自走式駐車場を設けるとともに、中空部に機械式立体駐車設備を設けた、建物。」が記載されている(特許請求の範囲)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−16242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の建物によれば、地下工事費の削減、工期の短縮を図るとともに、充分な駐車台数を確保し得るという利点がある。
しかし、塔状部の低層階に、塔状部に巻きつく形で複数階に亘って設けた張出部に自走式駐車場を設けるため、建築面積の増大は避けられず、比較的狭小な敷地に構築することは難しい。
また、建物に自走式駐車場を設ける場合、十分な駐車台数を確保できる半面、近時においては、入居者の自動車を保有する割合が、建築当初と比べて減少する方向へ変動する傾向もあり、その場合、駐車場に余りが生じ、該部分が無駄なスペースとなってしまう。
そこで、本発明は、工事費の低減、工期の短縮を図り、充分な駐車台数を確保しつつ入出庫時間を短縮するとともに、比較的狭小な敷地において構築することができ、また、必要な駐車台数の減少に対し、余剰の駐車場部分を無駄なスペースとせずに有効活用することができるようにすることを課題とする。さらに駐車場利用者の利便性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) エレベータ及び階段を含むコア部を建物中央部に備え、上層階に住戸階を、下層階に自走式立体駐車場をそれぞれ設けた、多層階からなる建物であって、
前記下層階は、前記コア部の周りを360°の旋回走行により1周毎に1階の高さを昇降可能な車両走行路と、該車両走行路に連設された駐車スペースを備えるとともに、上部下層階と下部下層階とにより構成され、
前記上部下層階は、前記コア部を挟む両側に、それぞれ水平面に形成された車両走行路を備えるとともに、該車両走行路の外側に連設された駐車スペースを備え、前記コア部を挟む両側に設けられた車両走行路は、互いに略1/2階の水平レベルの差を有するとともに、順次、傾斜面に形成された車両走行路で接続され、
前記下部下層階は、前記コア部の周りにおいて螺旋状をなす傾斜面に形成された車両走行路と、該車両走行路の外周に連設された駐車スペースとを備えた、連続傾床型駐車場として構成された、建物である。
(2) 前記下層階において、前記コア部は、該コア部を挟んだ各側の車両走行路と前記コア部の内部とを直接につなぐ少なくとも一対の出入口を備え、
前記一対の出入口の一方の出入口が位置するコア部の内部は、前記一方の出入口が位置する車両走行路の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部と、該床部において乗降可能なエレベータとを備え、
前記一対の出入口の他方の出入口が位置するコア部の内部は、前記他方の出入口が位置する車両走行路の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部と、該床部において乗降可能なエレベータとを備えたことを特徴とする。
(3) 上記建物において、住戸階の外周架構ラインに下層階の外周架構ラインが合わせられ、住戸階の平面視投影範囲内に下層階の駐車場の車両走行路と駐車スペースとが納まるように構築されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
(1) 本発明によれば、工事費の低減、工期の短縮を図り、充分な駐車台数を確保しつつ入出庫時間を短縮するとともに、比較的狭小な敷地において構築することができる。
また、必要な駐車台数の減少によって余剰の駐車場が生じた場合、上部下層階におけるコア部を挟む両側の車両走行路と駐車スペースは、水平面に形成されているため、この車両走行路と駐車スペースの部分を、駐車場以外の用途、例えば、ラウンジ、住戸スペースへと変更、改築する等により、有効活用を図ることができる。
(2) 駐車場を設けた下層階において、駐車場利用者は、車両走行路(駐車スペース)と、エレベータのあるコア部の内部の床部との間を、一対の出入口のうち、動線の短いいずれかの出入口を選択して行き来することができるため、利便性が向上する。
しかも、車両走行路(駐車スペース)と各出入口におけるエレベータの乗降位置との間で、車椅子走行の障害となる段差がないため、これらの間ひいては住戸と駐車スペースとの間を容易かつスムーズに行き来することが可能となり、車椅子使用者にとってきわめて有益である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】建物1の縦断面を示し、(a)は図2A−A線断面図、(b)は図2B−B線断面図である。
【図2】建物1の住戸階の基準階の平面図である。
【図3】建物1の共用施設階の基準階の平面図である。
【図4】建物1の上部下層階の基準階の平面図である。
【図5】建物1の上部下層階の構造を模式的に示す斜視図である。
【図6】建物1の下部下層階の基準階の平面図である。
【図7】建物1の1階の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いわゆるセンターコア型の建物において、上層階Aに住戸階を、下層階Bに自走式立体駐車場をそれぞれ設けるとともに、下層階Bを、それぞれ駐車場の床面の立体構造が異なる上部下層階B1と下部下層階B2とにより構成し、これにより、下層階Bの上部下層階B1における将来的な用途変更を可能とした。
【実施例1】
【0009】
建物1は、高層の集合住宅として構築されており、1階に玄関Eが設けられ、2−8階(下層階Bに相当)は駐車場階、9階は共用施設階、10−33階(上層階A)は住戸階として構成されている。下層階Bはさらに、その上部に位置する上部下層階B1と、下部に位置する下部下層階B2とに区分されている。
【0010】
コア部Cは、建物1の中央部にあり、柱並びに耐力壁又は制震壁を備え、エレベータ2、階段(特別避難階段)3を備えて構成されている。コア部Cは、平面視矩形(図示の例では長方形)をなしており、短辺方向に複数の耐力壁4,4,…が並設されており、耐力壁4,4,…で区切られた複数の領域を備えている。実施例では5枚の耐力壁が設けられ、耐力壁で区切られた4つの領域が並んでいる。
コア部Cと略同心的に建物(住戸階)の外壁面を形成する、柱21を含む外周架構20が設けられている。躯体の構造形式、構造種別は種々のものを採用し得る。住戸階の外周架構20ラインに下層階の外周架構20ラインが合わせられ、住戸階の平面視投影範囲内に下層階の駐車場の車両走行路と駐車スペースとが納まるように構築されている。
【0011】
10−33階の住戸階(図2参照)では、コア部Cの周囲に共用廊下5が設けられ、共用廊下5の外側に各住戸6が配設されている。住戸階において、コア部Cの耐力壁4,4,…で区切られた一の領域には、吹抜け部7が設けられており、この吹抜け部7は後述する下層階のコア部C内の駐車スペースの上方部分に位置している。
9階(図4参照)は、共用施設として構成されており、エントランスロビー、ラウンジ、カルチャールーム、キッズルーム、ゲストルーム、オーディオルーム等を設けることができる。
1階(図7参照)には、管理室8、駐輪場9のほか、宅配ロッカー、メールコーナー、ゴミ置場、各種機械室等を設けることができる。
【0012】
<下層階:駐車場階>
複数層を有する下層階Bは、コア部の周りを360°の旋回走行により1周毎に1階の高さを昇降可能な車両走行路10(及び10a,10b)と、該車両走行路10(及び10a)に連設された駐車スペース11を備えた、自走式立体駐車場として構成されている。
車両走行路10(及び10a,10b)は、上り下りの2車線を備え、駐車場階における上下方向の車の移動は、車両走行路10(及び10a,10b)を連続的に自走することによって行われる。
各駐車スペース11は、外周架構20を構成する柱21の間に設けられている。
【0013】
<上部下層階>
図4、図5に示すように、上部下層階B1は、コア部Cを挟む両側に、それぞれ水平面に形成された車両走行路10a,10aを備えるとともに、該車両走行路10a,10aの外側に連設された、水平面に形成された駐車スペース11を備えている。そして、コア部Cを挟む両側に設けられた車両走行路10a,10aは、互いに略1/2階の水平レベルの差を有するとともに、その端部において、順次交互に、傾斜面に形成された車両走行路10bで接続されている。傾斜面に形成された車両走行路10bは、例えば1/6程度の傾斜角として形成される。
図4で斜線ハッチングで示す部分は、緩和勾配部(例えば、勾配1/12)を示している。
なお、傾斜面に形成された車両走行路10bの外側部分15の構成は、図4に示す例では、平面視、傾斜面に形成された車両走行路10bの全長にわたる長さLを有する水平面に形成して、コア部を挟むいずれかの側の車両走行路10aと同じ水平レベルに形成し、設備機械室、倉庫等の用途に利用できるようにしており、図5に示す例では、車両走行路10bの外側部分15を、平面視、傾斜面に形成された車両走行路10bの全長の中央部で分け、その一方15aを、コア部を挟む一方の側の車両走行路10aと同じ水平レベルとし、その他方15bを、コア部を挟む他方の側の車両走行路10aと同じ水平レベルとしている。
【0014】
上記のとおり、上部下層階B1は、後述する下部下層階B2と異なり、コア部Cを挟む両側に、それぞれ水平面に形成された車両走行路10a,10aを備えるとともに、該車両走行路10a,10aの外側に連設された、水平面に形成された駐車スペース11を備えた構成であるため、必要な駐車台数の減少によって余剰の駐車場が生じた場合、上部下層階B1における車両走行路10aと駐車スペース11の部分等を、駐車場の用途から駐車場以外の用途、例えば、住戸スペースへと変更、改築する等により、有効活用を図ることができる。
水平面に形成された車両走行路10aは、平面視矩形の建物の長辺方向に延びているため、他用途へ変更した際も比較的大きな面積を確保でき、有益である。
【0015】
<下部下層階>
下部下層階B2は、コア部の周りにおいて360°の旋回走行により1周毎に1階の高さを昇降可能な螺旋状であって、傾斜面に形成された車両走行路10と、該車両走行路10の外周に延設された、同じく傾斜面に形成された駐車スペース11とを備えた、連続傾床型自走式立体駐車場として構成されている。
車両走行路10は、上り下りの2車線を備え、傾斜角は通常4%未満、好ましくは3%未満に設定される。車両走行路10のコーナー部の処理は、公知の手段を採用し得る。
【0016】
<コア部Cと車両走行路との関係>
コア部Cと車両走行路との関係について、下部下層階B2(図6参照)における構成に基いて説明する。
コア部Cにおける、耐力壁4,4,…で区切られた4つの領域のうち、一端(図5の最左側)の領域には、コア部Cを挟んだ各側の車両走行路10とコア部Cの内部とをつなぐ一対の出入口12a,12bが設けられており、一方の出入口12aに位置するコア部Cの内部は、一方の出入口12aに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F1を備え、他方の出入口12bに位置するコア部Cの内部は、他方の出入口12bに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F2を備えている。すなわち、両床部F1,F2はそれぞれ異なる水平レベルとなっている。
一方の出入口12aからコア部Cへ入ると、特別避難階段3に通じ、他方の出入口12bからコア部Cへ入ると、附室として設けられた床部F2を介して特別避難階段3へ通じる。両出口12a,12bは特別避難階段3を介して行き来することができる。
【0017】
コア部にCおける、耐力壁4,4,…で区切られた4つの領域のうち、他端(図5の最右側)の領域には、コア部Cを挟んだ各側の車両走行路10とコア部Cの内部とをつなぐ一対の出入口13a,13bが設けられており、一方の出入口13aに位置するコア部Cの内部は、一方の出入口13aに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F3を備え、他方の出入口13bに位置するコア部Cの内部は、他方の出入口13bに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F4を備えている。すなわち、両床部F3,F4はそれぞれ異なる水平レベルとなっている。
一方の出入口13aからコア部Cへ入ると、附室として設けられた床部F3があり、この床部F3にはエレベータ2が設けられている。他方の出入口13bからコア部Cへ入ると床部F4があり、特別避難階段3へ通じる。また、一方の出入口13aからは附室でもある床部F3を通って特別避難階段3へ通じる。両出口13a,13bは特別避難階段を介して行き来することができる。
【0018】
コア部Cにおける、耐力壁4,4,…で区切られた中間部の一の領域(コア部の長辺方向の略中央部)には、コア部Cを挟んだ各側の車両走行路10とコア部Cの内部とをつなぐ一対の出入口14a,14bが設けられており、一方の出入口14aに位置するコア部Cの内部は、一方の出入口14aに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F5を備え、他方の出入口14bに位置するコア部Cの内部は、他方の出入口14bに位置する車両走行路10の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部F6を備えている。すなわち、両床部F5,F6はそれぞれ異なる水平レベルとなっている。車両走行路10と各床部F5,F6との間を各出入口14a,14bを通って車椅子により容易に行き来することができる。
各出入口14a,14bが位置する両コア部Cの内部の床部F5とF6を対比するとその境界には段差があり、その段差は、両出入口14aと14bが車両走行路10のほぼ半周の位置関係にあるため、階高の略半分(例えば1.6m程度)となっている。
【0019】
一対の出入口14a,14bの一方の出入口14aに位置するコア部Cの内部の床部F5は、エレベータホールとなっており、該床部F5において乗降可能なエレベータ2を備えている。
また、一対の出入口14a,14bの他方の出入口14bに位置するコア部Cの内部の床部F6も、エレベータホールとなっており、該床部F6において乗降可能なエレベータ2を備えている。
両床部F5,F6に段差があるため、両床部間を車椅子で通行することはできないが、各床部F5,F6からそのまま直接にエレベータ2にアクセスできるため、車椅子使用者は、駐車スペース11から動線の短いいずれかの出入口(14a又は14b)を選択してエレベータ2を使用することかできる。なお、両床部F5,F6間の段差部の一部を階段とし、両床部F5,F6間を歩いて行き来することができるようにしてもよい。
両床部F5,F6位置の住戸階におけるエレベータ2の停止位置(水平レベル)は同じであるが、駐車場階における両床部F5,F6におけるエレベータ2の停止位置(水平レベル)は異なるものとなる。この停止位置はエレベータ制御装置によって制御される。
【0020】
コア部Cにおける、耐力壁4,4,…で区切られた中間部のもう一つの領域では、コア部をC挟んだ各側の車両走行路10とコア部Cの内部とは、それぞれ同じ水平レベルでつながれており、両床部F7,F8はそれぞれ異なる水平レベルとなっている。これら床部F7,F8は、駐車スペースとなっている。
【0021】
上部下層階B1(図4参照)においても、コア部Cにおける各出入口の配置は、上記した下部下層階B2と、平面視同じ位置関係にある。上部下層階B1においては、下部下層階B2と異なり車両走行路10aが水平面であり、コア部Cを挟む一方の側の車両走行路10aに接続する各出入口は、すべて同じ水平レベルとなり、コア部Cを挟む他方の側の車両走行路10aに接続する各出入口も、すべて同じ水平レベルとなる。この点を除き、上部下層階におけるコア部Cと車両走行路との関係やアクセスは、上述した下部下層階B2と同様であるため、その説明を省略する。
【0022】
駐車場への出入口は、通常、GLである1階に設けられるが、敷地形状等により変更することができる。
【0023】
以上、実施するための形態を説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜、付加、変形等なし得るものである。
本発明に係る建物は、ラーメン構造、チューブ構造、耐震壁構造、制振壁構造、ブレス構造、その他適宜選択して構築し得るものであり、限定されるものではない。また、建物の構造種別は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨コンクリート造(SC造)が一般的であるが、本発明はこれらの構造種別に限定されるものではなく、他のものでもよい。
【符号の説明】
【0024】
A 上層階
B 下層階
B1 上部下層階
B2 下部下層階
C コア
F5 床部
F6 床部
1 建物
2 エレベータ
3 階段
4 耐力壁
10,10a,10b 車両走行路
11 駐車スペース
14a 出入口
14b 出入口
20 外周架構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ及び階段を含むコア部を建物中央部に備え、上層階に住戸階を、下層階に自走式立体駐車場をそれぞれ設けた、多層階からなる建物であって、
前記下層階は、前記コア部の周りを360°の旋回走行により1周毎に1階の高さを昇降可能な車両走行路と、該車両走行路に連設された駐車スペースを備えるとともに、上部下層階と下部下層階とにより構成され、
前記上部下層階は、前記コア部を挟む両側に、それぞれ水平面に形成された車両走行路を備えるとともに、該車両走行路の外側に連設された駐車スペースを備え、前記コア部を挟む両側に設けられた車両走行路は、互いに略1/2階の水平レベルの差を有するとともに、順次、傾斜面に形成された車両走行路で接続され、
前記下部下層階は、前記コア部の周りにおいて螺旋状をなす傾斜面に形成された車両走行路と、該車両走行路の外周に連設された駐車スペースとを備えた、連続傾床型駐車場として構成された、
建物。
【請求項2】
前記下層階において、前記コア部は、該コア部を挟んだ各側の車両走行路と前記コア部の内部とを直接につなぐ少なくとも一対の出入口を備え、
前記一対の出入口の一方の出入口が位置するコア部の内部は、前記一方の出入口が位置する車両走行路の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部と、該床部において乗降可能なエレベータとを備え、
前記一対の出入口の他方の出入口が位置するコア部の内部は、前記他方の出入口が位置する車両走行路の水平レベルと略同じ水平レベルに形成された床部と、該床部において乗降可能なエレベータとを備えたことを特徴とする、
請求項1に記載の建物。
【請求項3】
住戸階の外周架構ラインに下層階の外周架構ラインが合わせられ、住戸階の平面視投影範囲内に下層階の駐車場の車両走行路と駐車スペースとが納まるように構築された、請求項1又は2に記載の建物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−251314(P2012−251314A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122919(P2011−122919)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)