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建造物用機能性樹脂
説明

建造物用機能性樹脂

【課題】地表面及び建造物にも表面積の限りがある中で、できるだけ少ない環境負荷で建造物の表層面上にいかに様々な機能を具備させるかという問題を鑑みて、環境に配慮した様々な機能を具備する建造物表面塗布用の機能性樹脂を提供することを課題とする。
【解決手段】建造物の外面に塗布する樹脂であって、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、無機蛍光顔料と、酸化チタンと、を含有するアクリル系樹脂層を含み、葉緑素を含有するエポキシ樹脂層をさらに含んでも良いことを特徴とする機能性樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路表面及び建築物の外壁面等の建造物表面に対して、着氷及び着雪防止、蛍光機能、光触媒機能、及び光合成機能を有する機能性層を付与する機能性樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境配慮に着目した技術に注目が集まる中で、燃料電池や太陽電池などのクリーンな発電システム、酸化チタンに代表される光触媒による大気汚染物質の分解、二酸化炭素吸収剤の開発等、様々な技術が開発されている。
【0003】
道路のアスファルト表層面上及びトンネル内壁面上に塗布する塗料については、蛍光塗料や光触媒含有塗料などが開発されている。
【0004】
また、太陽電池や燃料電池の蓄電方式の開発等も進められている。
【0005】
しかし、上記のような技術を実用製品へと活用するとき、これまではいずれも、それぞれの技術毎の単体での活用及び製品化に留まっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機能毎に個別製品を生産していくには、当該製品を設置する場所、製造装置及び製造場所が個別に必要となってしまうという問題がある。
【0007】
また、個別に生産すると、その種類分だけ製造による環境負荷がかかってしまうという問題がある。
【0008】
上記の諸問題を鑑みて、地表面及び建造物にも表面積の限りがある中で、できるだけ少ない環境負荷で建造物の表層面上にいかに様々な機能を具備させるかということが今後の製品製造における中心的な方向性となってくる。
【0009】
そこで、本発明では、環境に配慮した様々な機能を具備する建造物表面塗布用の機能性樹脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、建造物の外面に塗布する樹脂であって、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、無機蛍光顔料と、酸化チタンと、を含有するアクリル系樹脂層を含むことを特徴とする機能性樹脂である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、葉緑素を含有するエポキシ樹脂層をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の機能性樹脂である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の機能性樹脂は、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート(PFA)を含有するアクリル系樹脂層を具備することにより、PFA中のパーフルオロアルキル基の表面配向性能を利用して、撥水性に優れたCF基が表面に緻密に配列した、着氷・着雪の防止及び撥水性を備えた機能性樹脂を得ることができる。
【0013】
また、無機蛍光顔料を含有するアクリル系樹脂層を具備することにより、蛍光発光する機能を備えた機能性樹脂を得ることができる。
【0014】
さらに、酸化チタンを含有するアクリル系樹脂層を具備することにより、光触媒作用による有機物分解機能を備えた機能性樹脂を得ることができる。
【0015】
ここで、樹脂層にアクリル系樹脂を使うことにより、低温下での硬化が遅いエポキシ樹脂に比べ、気温の低い冬季にも短時間での施行が可能である。
【0016】
請求項2に記載の機能性樹脂は、請求項1に記載の機能性樹脂に加え、葉緑素を含有するエポキシ樹脂層をさらに具備ことにより、光合成作用による二酸化炭素の吸収及び酸素変換機能を備えた機能性樹脂を得ることができる。
【0017】
ここで、樹脂層にエポキシ樹脂を使うことにより、遮熱性を有し、路面及び建造物外面の温度上昇を抑制する機能を備えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示すように、本発明の機能性樹脂1は、アクリル系樹脂層2及びエポキシ樹脂層3を含む。
【0019】
機能性樹脂1は、特に限定されるものではないが、道路のアスファルト及び飛行場等の舗装表面上、及び、ビルディング、住宅、橋等の建築物の外壁面上等に塗布されることが好ましい。
【0020】
アクリル系樹脂層2のアクリル系樹脂には、硬化性に優れるメタクリル樹脂を使用することが好ましい。
メタクリル樹脂は、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等のオリゴマーをメタクリル酸メチル(MMA)等のメタクリル酸エステルモノマーで溶解させた樹脂であり、一般的にベンゾイルパーオキサイド(BPO)等の過酸化物とアミンとによるラジカル反応により硬化させる。
【0021】
PFAには、下記一般式で表されるパーフルオロアルキル基含有アクリレートを使用することが好ましい。
【化1】

上記化学式中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子若しくはメチル基を、Yは炭素数1乃至3のアルキレン基若しくは―(CH−N(R)SO―を表す。Rfは炭素数3乃至15のパーフルオロアルキル基をあらわす。
【0022】
当該Rfの炭素数は6乃至15のものが特に好ましく、炭素数6乃至15のRf群の中から1つ若しくは2つ以上のアクリレートを混合して用いても良い。
【0023】
無機蛍光顔料は、紫外線照射により蛍光発光するものが好ましく、日没後は紫外線照射光源を点灯して蛍光発光させる。
具体的な無機蛍光顔料には、以下の組成をしようすることが好ましい。
S 〔Eu〕
BaMgAl1626 〔Eu,Mn〕
(Sr,Ba,Ca,Mg)(POCl 〔Eu〕
上記組成中、〔 〕内の元素記号は紫外線賦活剤である。
【0024】
紫外線照射光源は、紫外線を長時間連続照射すると人体への影響が避けられないため、1秒間照射後2秒間消灯という3秒間1周期の照射を行う。光源は照射領域が連続してつながるように複数設置されることとし、隣り合う光源の照射周期は1秒ずれるようにする。つまり、照射領域が連続して移動するようにする。
特に道路表面上に塗布する場合には、照射領域の移動方向が車線の進行方向と同じ方向となることが好ましい。
【0025】
酸化チタンの結晶学的構造は結晶質、非晶質のいずれでも良く、両方が混在したものであっても良い。結晶質酸化チタンには、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型があり、そのいずれを用いても良いし、2型以上が混在したものであっても良い。
高い可視光触媒活性を得るには、アナターゼ型の結晶質酸化チタンであることが好ましい。
さらに、当該酸化チタンは酸素欠陥を有するものであっても良い。
【0026】
エポキシ樹脂層3は、図1に示すようにアクリル系樹脂層2の上に積層されていることが好ましく、丈夫からの光等をアクリル系樹脂層2へ透過させるために、10マイクロメートル以下の厚さであることが好ましい。
【0027】
葉緑素は、蚕沙を主体とする原料をエタノールに溶解することにより抽出し、その濾過液からエタノールを気化させたものをエポキシ樹脂中に分散させる。
【0028】
エポキシ樹脂は、1分子当たりグリシジル基を少なくとも2つ有する化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1′−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラメチルビフェノール、ナフタレンジオール等の2価フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル化合物、若しくはトリグリシジルイソシアヌレートがある。
また、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ樹脂、及び、フロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリスヒドロキシフェニルメタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のフェノールと芳香族カルボニル化合物との縮合反応により得られる多価フェノール類から誘導されるグリシジルエーテルがあり、これらは単独であるいは2種類以上の混含物として用いることができる。
本発明では特に、1分子中に3個以上のグリシジル基を有するノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
本発明の機能性樹脂によれば、撥水機能、蛍光発光機能、光触媒機能、光合成機能、遮熱機能を具備する建造物外面塗布用樹脂を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の機能性樹脂の一実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 機能性樹脂
2 アクリル系樹脂層
3 エポキシ樹脂層
4 建造物外表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の外面に塗布する樹脂であって、
パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、無機蛍光顔料と、酸化チタンと、を含有するアクリル系樹脂層を含むことを特徴とする機能性樹脂。
【請求項2】
葉緑素を含有するエポキシ樹脂層をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の機能性樹脂。

【図1】
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【公開番号】特開2009−256396(P2009−256396A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103574(P2008−103574)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】